JP2004212015A - 電子レンジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加熱室1、攪拌室2、アンテナ3、導波管4の終端部4eとを、加熱室中心軸上に設け、アンテナ3を支持するシャフト7を前記終端部4eに続く導波管の45度傾斜部4dから外部に出し、受動歯車10、駆動歯車12を介してモーター8に結合することにより、左右対称電界分布が得られると共に、導波管4内部には金属が入らないのでスパークが防止できる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、本格的オーブンに組み合わせる電子レンジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種電子レンジとしては、図7に記載された従来の電子レンジがある(例えば特許文献1または2参照)。
【0003】
図7において、略直方体の加熱室1の上面、加熱室の中心軸と同軸な円錐台形状の凹部である攪拌室2を設け、その中央に金属製のアンテナ3を設け、アンテナ3は垂直部3a及び水平部3bからなり、垂直部3aは攪拌室2の上部に設けられた導波管4に挿入される。導波管4は略Z字型に曲げられ、右端にマグネトロン6が結合される。アンテナ3の垂直部3aの先端には、誘電体製のシャフト7が固定され、シャフト7は導波管4の上部に貫通し、モーター8に結合される。
【0004】
【特許文献1】
特開昭58―181289号公報
【特許文献2】
特開昭59―042795号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の構成では、金属製のアンテナ垂直部3aが狭い導波管4内部に挿入されているので、近年の高出力化によりスパーク発生の危険性が増大すると共に、導波管4が右に延びる為に加熱室1内部の電磁界分布に左右差が発生するという課題を有していた。左右差が生じると、例えば2カップ同量の冷蔵スーブを左右に置いて再加熱する際、両カップの仕上がり温度に大きな差が生じると言うような結果を招く。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、高出力であってもスパークを生じる事なく、また左右均等な電磁界分布が得られる電子レンジを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の電子レンジは、略直方体形状の加熱室と、加熱室上面の加熱室中心軸上に設けられた攪拌室と、攪拌室上面の同軸上に終端直線部を垂直に結合した導波管と、同軸上に位置する誘電体製シャフトと、シャフトに固定された金属製アンテナとを有し、前記導波管には、前記終端直線部に続く略45度の傾斜部を設け、前記シャフトをこの傾斜部から導波管外部に突出させ、回転手段に結合させたものである。
【0008】
これによって、加熱室、攪拌室、導波管終端直線部、シャフトが全て略直方体加熱室の中心軸と同軸に設けられているので、加熱室内部には左右対称の電界分布が生じ、左右等量2カップの冷蔵スープが等しい加熱を受ける事ができる。また、導波管内部には金属が挿入されていないので、スパーク発生の可能性が減少する。
【0009】
【発明の実施の形態】
請求項1または2に記載の発明は、略直方体形状の加熱室と、加熱室上面の加熱室中心軸上に設けられた攪拌室と、攪拌室上面の同軸上に終端直線部を垂直に結合した導波管と、同軸上に位置する誘電体製シャフトと、シャフトに固定された金属製アンテナとを有し、前記導波管には、前記終端直線部に続く略45度の傾斜部を設け、前記シャフトをこの傾斜部から導波管外部に突出させ、回転手段に結合させたものである。
【0010】
これによって、加熱室、攪拌室、導波管終端直線部、シャフトが全て略直方体加熱室の中心軸と同軸に設けられているので、加熱室内部には左右対称の電界分布が生じ、左右等量2カップの冷蔵スープが等しい加熱を受ける事ができる。また、導波管内部には金属が挿入されていないので、スパーク発生の可能性を減少させることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、特に、電子レンジを導波管はUまたはC字形状とし、終端直線部と略平行な他端に、マグネトロンを横向けに取り付けたことにより、一般にマグネトロンは縦寸法より横寸法が小さい為に、加熱室上の高さを減少させることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、特に、シャフト上端に取り付けられた受動歯車と、これと勘合しモーターに結合された駆動歯車とで回転手段を構成させてたことにより、受動歯車は45度傾斜部分に収容され、導波管上端以下に位置する為、加熱室上の高さを減少させることができる。
【0013】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
(実施例1)
図1は、本発明の第1の実施例における電子レンジの断面図である。
【0015】
図1において、略直方体の加熱室1の上面中央に円錐台形状の凹部である攪拌室2を設け、金属製アンテナ3をその中央に設け、導波管4の終端直線部4eを攪拌室2の上面中央に、垂直に取り付ける。導波管4は略C字形状であり、マグネトロン6が結合された右端4aと、攪拌室2に結合された左端の終端直線部4eとを順に円弧部4b、水平部4c、45度傾斜部4dとで結ぶ。円弧部4bは正確には円弧ではなく、3個の直線部から成り、右端4aと水平部4cとは90度より若干大きな角度を有する。
【0016】
誘電体製シャフト7の下端はアンテナ3が固定され、上端は導波管4の45度傾斜部4dを貫通して上部に突き出す。金属製軸受け9はこの45度傾斜部4dに接する45度傾いた底面と、水平な上面とを有し、中央にシャフト7より若干大きい直径の垂直な貫通孔を開け、シャフト7を垂直に支持する。導波管4の終端直線部4eは加熱室1の中央に位置し、シャフト7はその終端直線部4eの中央に位置する。シャフト7の、軸受け9より上に突き出た上端部には受動歯車10が取り付けられる。軸受け9の側面には板金ブラケット11が固定され、板金ブラケット11にはモーター8が取り付けられる。モーター8の出力軸には前記受動歯車10と勘合した駆動歯車12が取り付けられる。
【0017】
攪拌室2の上面はマイカ製上板13、底面はガラス製透視板14で塞がれる。
上板13の中央にシャフト7より若干大きな直径の孔を開ける。この孔の位置は、前記導波管終端直線部4eの断面の中央に位置する。加熱室1の上部、透視板14直下にシーズヒータ15を取り付け、加熱室1下部には鋼線製のラック16を設け、食品を載せる。
【0018】
図2は導波管4より上の部分のみを描いた斜視図である。これにより駆動歯車12、受動歯車10、金属製軸受け9及び導波管4の45度傾斜部4dとの関係が良く理解されよう。
【0019】
以上のように構成された電子レンジについて、以下にその動作、作用を説明する。
【0020】
まず、マグネトロン6を源とする電磁波は導波管4の右端4a、円弧部4b、水平部4c、45度傾斜部4d、及び左端の終端直線部4eを通り、攪拌室2に導かれる。良く知られる如く、電磁波は金属壁での反射を繰り返して導波管内部を進行するから、終端直線部4eの左右壁でも反射され、その結果攪拌室2には左右の偏りなしに導入される。仮に右壁が無い場合あるいは極端に短い場合にはこの反射が全く期待出来ないから左右の偏りが生じるが、適当な長さがあれば偏りは解消する。さらに、一般に導波管は長方形断面を有するから、図1の表裏を向く導波管4の前後方向は対称であり、従って終端直線部4e下端では前後左右対称な電磁界が得られる。
【0021】
シャフト7は金属製軸受け9と上板13とに開けられた若干直径の大きな孔を貫通し、また上部に受動歯車10が固定されているのでこれらにより垂直に支持され、モーター8の出力軸に取り付けられた駆動歯車12がこの受動歯車10に勘合しているので、モーター8が回転すればシャフト7も回転する。従ってシャフト7の下端に固定されているアンテナ3が回転する。シャフト7の位置が導波管終端直線部4eの中央であり、攪拌室2の中央であり、加熱室1の中央であるから、アンテナ3もこれらの中央位置で回転する。その結果、導波管終端直線部4eから左右及び前後に偏りのない電磁波が攪拌室2に供給され、その中央にアンテナ3が回転する訳であり、前後左右対称の電磁波分布が得られる。
【0022】
以上のように、本実施例においては略直方体形状の加熱室の、上面中央に設けられた攪拌室のさらに上面中央に、他端にマグネトロンを取り付けた略C字形状の、45度傾斜部に続く終端直線部を垂直に取り付け、この直線部の中央を貫通する誘電体製シャフトの下端に金属製アンテナを、前記45度傾斜部を貫通して外部に突き出た上端には受動歯車を取り付け、モーターに取り付けられた駆動歯車をこの受動歯車に勘合させることにより、加熱室内部に前後左右対称の電磁波分布が得られる。 また、本実施例では、導波管4内部には金属が全く挿入されていないので、スパークの危険性がほぼ皆無となる。
【0023】
また従来例と比較し、高さが縮小できる。図7の従来例において、高さはマグネトロン6の高さ寸法プラス導波管4の高さ寸法であるが、図1の本実施例において、高さはほぼマグネトロンの幅寸法に等しい。この導波管右端4aが、垂直でなく、若干傾いている為に高さ寸法は少し増大するが、水平部4cと成す角度が90度より大きくなり、反射が減少する。同様に水平部4cと終端直線部4eとの間に45度傾斜部4dを挿入した事により反射が減少する。モーター8の位置も、従来例ではシャフト7の上部であるのに対して、本実施例ではシャフト7を挟んでモーター8を導波管水平部4cと反対側に取り付けた為、高さを導波管水平部以下に収める事ができた。
【0024】
また、本実施例の受動及び駆動、両歯車は平歯車としたが、受動歯車10を上が大きく下が小さい笠歯車にすれば、45度傾斜に沿った拡大となり、歯数を増加させる事に加え、モーター8の位置を導波管から離す事もできる。またプーリーとベルトに変更することも容易に考えられる。
【0025】
(実施例2)
図3は、本発明の第2の実施例の電子レンジの断面図である。図3において、実施例1の構成と異なるところは、攪拌室2は円錐台ではなく、円筒形状であり、アンテナ3も円筒形状である。シャフト7とアンテナ3との結合の為、誘電体製の支持具18を3個用いている。なお、実施例1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0026】
図4はシャフト7の斜視図であり、シャフト7の上端付近にはシャフトの軸方向と直角に、小さな孔7aが開けられ、前述の受動歯車10の固定に利用される。下方には3箇所の所謂Dカット7bが施される。
【0027】
図5は支持具18の斜視図である。左右端は鍵形状18aであり、中央は丸孔18bとD形状18cを合わせた形状を持つ。丸孔18bは前記シャフト7より若干大きな直径を有し、D形状18cはシャフト7のDカット7bより若干大きな寸法とする。このD形状の中心が支持具全体の中心に位置する。厚さは左右、中央を含め、全て一定である。
【0028】
図6はアンテナ3、3個の支持具18及びシャフト7を組み合わせた状態の斜視図である。円筒形状であるアンテナ3の側面には前記支持具18の鍵形状18a先端が貫通可能な角孔3aが上下に3個所、左右に一対、計6箇所開けられる。重ね合わせ部分3bで重ね合わせられ、固定される。3個の支持具18は、上端と下端の二つは同一方向を向き、中間の一つは左右逆方向を向く。組み立て方法は、支持具18の丸孔18bにシャフト7をDカット7b部分まで挿入した後、横にスライドさせ、支持具18のD形状18cと勘合させる。中間の一つだけは上下と逆方向を向かせる以外は同様にして、他の二つの支持具も挿入、勘合させる。
【0029】
アンテナ3は当初、重ね合わせ部分3bが離れたC字形状を成しており、三つの支持具18の、左右端の鍵形状18aを、アンテナ3の角孔3aに挿入した後に重ね合わせ、スポット溶接で接合したものである。円筒内部には円形H11モードが発生し、その管内波長が前記導波管4内部矩形H01モードの管内波長と等しくなる様に円筒の直径を選定する。また、シャフト7の中心は、円筒の中心と異なった位置とする。
【0030】
以上の構成による本実施例では、導波管4内部の矩形H01モードが、攪拌室2に設けられた円筒形状のアンテナ3に伝達され、円形H11モードに変換される。両モードの波長が等しいので、スムーズに、少ない反射で伝達が行われる。
シャフト7と、円筒の中心とが異なるので、シャフト7が回転すると円筒の中心、つまり電界最大位置が回転する事になり、本来の意味で回転アンテナとして機能する。また本実施例においても、導波管4の終端直線部4e、攪拌室2、シャフト7が全て加熱室1の上面中央に位置しているので前後左右対称な電磁界分布が得られる。
【0031】
以上のように、本実施例に置いては略直方体形状の加熱室の、上面中央に設けられた攪拌室のさらに上面中央に、他端にマグネトロンを取り付けた略C字形状の、45度傾斜部に続く終端直線部を垂直に取り付け、この直線部の中央を貫通する誘電体製シャフトの下端に金属製円筒形状のアンテナを、前記45度傾斜部を貫通して外部に突き出た上端には受動歯車を取り付け、モーターに取り付けられた駆動歯車をこの受動歯車に勘合させることにより、加熱室内部に前後左右対称の電磁波分布が得られ、被加熱食品をより均一に加熱することができる。
【0032】
また、本実施例では、シャフト7は図4に示す如く、丸棒に細い丸孔とDカット、単純な追加加工を四個所施したものであり、支持具18は図5に示す様に厚さも幅も均一な形状であるから、両者共にアルミナ磁器で容易に製作できる。硬く、柔軟性が全く無いアルミナ磁器でシャフト7及び支持具18を製作した場合、両者の勘合部分寸法は互いに十分な余裕を持たせる必要があるが、図6の状態に組み立てる際にはその余裕、隙間がガタツキになる。しかし、円筒形状のアンテナ3が多少真円からずれて歪ませ、支持具18を左右逆方向から挟み込む事によりガタツキを吸収する。その結果、狭い攪拌室2内部でアンテナ3が傾いてスパークを起こしたり、十分な性能が出せないと言った事が避けられ、高温でも絶縁性能が優れたアルミナ磁器を使用でき、加熱室内部を500℃程度にする焼き切り式セルフクリーニング機能を採用できる。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、請求項1〜4に記載の発明によれば、本格的オーブンに組み合わされた電子レンジの加熱室内部を前後左右対称な電磁界分布とし、均一加熱性能を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における電子レンジの断面図
【図2】本発明の実施例1における電子レンジの主要部斜視図
【図3】本発明の実施例2における電子レンジの断面図
【図4】本発明の実施例2におけるシャフトの斜視図
【図5】本発明の実施例2における支持具の斜視図
【図6】本発明の実施例2におけるアンテナの斜視図
【図7】従来の電子レンジの断面図
【符号の説明】
1 加熱室
2 攪拌室
3 アンテナ
4 導波管
4e 導波管終端部
4d 導波管45度傾斜部
7 シャフト
8 モーター(回転手段)
10 受動歯車(回転手段)
12 駆動歯車(回転手段)
Claims (4)
- 略直方体形状の加熱室と、加熱室上面に設けられた攪拌室と、導波管と、誘電体製シャフトと、シャフトに固定された金属製アンテナとを有し、前記導波管には、前記終端直線部に続く略45度の傾斜部を設け、前記シャフトをこの傾斜部から導波管外部に突出させ、回転手段に結合させてなる電子レンジ。
- 略直方体形状の加熱室と、加熱室上面の加熱室中心軸上に設けられた攪拌室と、攪拌室上面の同軸上に終端直線部を垂直に結合した導波管と、同軸上に位置する誘電体製シャフトと、シャフトに固定された金属製アンテナとを有し、前記導波管には、前記終端直線部に続く略45度の傾斜部を設け、前記シャフトをこの傾斜部から導波管外部に突出させ、回転手段に結合させてなる電子レンジ。
- 導波管はUまたはC字形状とし、終端直線部と略平行な他端に、マグネトロンを横向けに取り付けてなる請求項1または2に記載の電子レンジ。
- シャフト上端に取り付けられた受動歯車と、これと勘合しモーターに結合された駆動歯車とで回転手段を構成させてなる請求項1または2に記載の電子レンジ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003002067A JP2004212015A (ja) | 2003-01-08 | 2003-01-08 | 電子レンジ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003002067A JP2004212015A (ja) | 2003-01-08 | 2003-01-08 | 電子レンジ |
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---|---|
JP2004212015A true JP2004212015A (ja) | 2004-07-29 |
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JP2003002067A Pending JP2004212015A (ja) | 2003-01-08 | 2003-01-08 | 電子レンジ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004212015A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013026106A (ja) * | 2011-07-25 | 2013-02-04 | Panasonic Corp | マイクロ波加熱装置 |
JP5628667B2 (ja) * | 2008-04-15 | 2014-11-19 | パナソニック株式会社 | マイクロ波加熱装置 |
-
2003
- 2003-01-08 JP JP2003002067A patent/JP2004212015A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5628667B2 (ja) * | 2008-04-15 | 2014-11-19 | パナソニック株式会社 | マイクロ波加熱装置 |
JP2013026106A (ja) * | 2011-07-25 | 2013-02-04 | Panasonic Corp | マイクロ波加熱装置 |
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