JP2004211845A - ガス用シール材 - Google Patents

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JP2004211845A
JP2004211845A JP2003001286A JP2003001286A JP2004211845A JP 2004211845 A JP2004211845 A JP 2004211845A JP 2003001286 A JP2003001286 A JP 2003001286A JP 2003001286 A JP2003001286 A JP 2003001286A JP 2004211845 A JP2004211845 A JP 2004211845A
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Manabu Ikuta
学 生田
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

【課題】ガスに対するバリア性を向上させ得るガス用シール材を提供する。
【解決手段】リング状の弾性体からなる本体部2と、本体部2から突出した耳部3a、3bとを有するガス用シール材1である。ここで、耳部3a、3bの厚みT1が、本体部2の厚みTの1/20〜1/3であることが好ましい。また、耳部3a、3bが、本体部2の周縁に沿って連続して形成されることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はガス用シール材に関し、特にガスに対するバリア性を向上させ得るガス用シール材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ガス用シール材は、機器の内部に存在するガスが機器の外部に漏洩することを有効に防止する等のために、機器の一部に取り付けられている。
【0003】
図6に、機器の部材4a、4b間に形成された溝5に取り付けられた従来のガス用シール材11の一部の模式的な断面図を示す。なお、本願の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
【0004】
図6において、断面が円形状である従来のガス用シール材11は、機器を構成する部材4a、4bの表面と密着することにより、たとえば矢印で示す方向に流れるガスの漏洩を防止する。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−5294号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年、オゾン層破壊および地球温暖化等の問題から、エアコン、カーエアコンまたは冷蔵庫等のコンプレッサ用冷媒として、炭酸ガスが注目されている。
【0007】
コンプレッサ用冷媒として炭酸ガスを用いた場合には、機器の内部が高圧となることがある。しかしながら、内部が高圧となる機器の一部に従来のガス用シール材を取り付けた場合には、漏洩する炭酸ガスの量が多くなることがあった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、ガスに対するバリア性を向上させ得るガス用シール材を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、リング状の弾性体部と、該弾性体部から突出した耳部とを有するガス用シール材である。
【0010】
ここで、本発明に係るガス用シール材においては、耳部の厚さが、弾性体部の厚さの1/20〜1/3であることが好ましい。
【0011】
さらに、本発明に係るガス用シール材においては、耳部が、弾性体部の周縁に沿って連続して形成されていてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1(A)に本発明に係るガス用シール材の好ましい一例の模式的な上面図を示し、図1(B)に図1(A)に示したガス用シール材の線A1−A1に沿った模式的な断面図を示す。
【0013】
図1において、本発明に係るガス用シール材1は、断面が円形状である弾性体からなるリング状の本体部2と、本体部2の周縁に沿って本体部2の内周側に突出している弾性体からなる耳部3aと、本体部2の周縁に沿って本体部2の外周側に突出している弾性体からなる耳部3bとを含む。
【0014】
このような構成とすることにより、図2(A)の模式的断面図に示すように、本発明に係るガス用シール材を機器の部材4a、4b間に形成された溝5に取り付けた場合には、本発明に係るガス用シール材のシール幅W1は、図2(B)の模式的断面図に示す耳部3a、3bを有しない従来のガス用シール材11のシール幅Wよりも広くなる。したがって、本発明に係るガス用シール材を用いた場合には、たとえば矢印で示す方向に流れるガスに対するバリア性を従来よりも向上させることができるのである。
【0015】
また、ガスに対するバリア性を向上させることを目的として、たとえば図2(C)の模式的断面図に示すように、幅がW1である従来のガス用シール材11を用いることも考えられる。しかし、この場合には、W1>Wであるため、ガス用シール材11の幅W1が広すぎて、幅Wの溝5内にガス用シール材11が収まらないことがある。
【0016】
しかし、本発明に係るガス用シール材を用いた場合には、図2(A)に示すように、溝5内にガス用シール材が収まるだけでなく、さらにシール幅がW1となるため、ガスに対するバリア性を向上させることができるのである。
【0017】
ここで、図1(B)において、本発明に係るシール材1の耳部3a、3bの厚さT1は、本体部2の厚さTの1/20〜1/3であることが好ましく、1/10〜1/3であることがより好ましい。T1/Tが1/20未満となる場合には、耳部3a、3bが薄すぎて、本発明に係るシール材1のガスに対するバリア性が不十分となる傾向にある。また、T1/Tが1/3よりも大きくなる場合には、耳部3a、3bが厚すぎて、機器の部材間の密着性が失われやすくなる傾向にある。
【0018】
また、本発明に係るシール材1の耳部3a、3bの長さL1は、本体部2の長さLの1/5〜3/2であることが好ましく、1/3〜1であることがより好ましい。L1/Lが1/5未満となる場合には、耳部3a、3bが短かすぎて、本発明に係るシール材1のガスに対するバリア性が不十分となる傾向にある。また、L1/Lが3/2よりも大きくなる場合には、耳部3a、3bが長すぎて、ガス用シール材1の取り扱いがより困難となる傾向にある。
【0019】
本体部2および耳部3a、3bを構成する弾性体の材料としては、たとえばゴムおよび/または熱可塑性エラストマーの少なくとも一種類以上が用いられ得る。なかでも、本発明においては、ブチルゴム(IIR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、フッ素ゴム(FKM)およびエピクロロヒドリンゴム(CO)からなる群から選択される少なくとも一種類以上のゴムを用いることが好ましい。この場合には、ガス用シール材1のガスに対するバリア性をより向上させることができ得る。
【0020】
また、本体部2および耳部3a、3bを構成する弾性体の材料には、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、可塑剤、軟化剤または老化防止剤等の通常用いられる添加剤が含まれていてもよい。
【0021】
ガス用シール材1は、たとえば次のようにして作製され得る。まず、本体部2および耳部3a、3bを構成する弾性体に用いられる材料をバンバリーミキサーおよび/またはオープンロール等によって混練する。そして、得られた混練物を加硫すること等によって作製され得る。
【0022】
ここで、耳部3a、3bは、本体部2および耳部3a、3bの型を有する金型に上記混練物を流し込んだ後、加硫することにより、本体部2と連結して形成され得る。また、耳部3a、3bは、上記混練物をリング状の型を有する金型に流し込んだ後、加硫してリング状の弾性体を作製し、その弾性体を切削りすること等によって本体部2と連結して形成されてもよい。また、耳部3a、3bは、本体部2と耳部3a、3bとを別々に加硫および成形した後、これらを接着剤によって接着すること等によって本体部2と連結して形成されてもよい。
【0023】
上記のようにして作製された本発明に係るガス用シール材1は、ガスを高圧で用いる機器等のように高い気密性が必要とされる用途に好適に用いられる。たとえば、本発明に係るガス用シール材1は、コンプレッサ用冷媒として炭酸ガス等の自然冷媒を用いるエアコン、カーエアコンまたは冷蔵庫等の機器に取り付けられるOリング等として好適に用いられる。
【0024】
(実施の形態2)
図3(A)に本発明に係るガス用シール材の好ましい他の例の模式的な上面図を示し、図3(B)に図3(A)に示したガス用シール材の線A3−A3に沿った模式的な断面図を示す。
【0025】
図3において、本発明に係るガス用シール材1は、断面が長方形状である弾性体からなるリング状の本体部2と、本体部2の周縁に沿って本体部2の内周側に突出している弾性体からなる耳部3aと、本体部2の周縁に沿って本体部2の外周側に突出している弾性体からなる耳部3bとを含む。
【0026】
このような構成とした場合にも、図4(A)の模式的断面図に示すように、本発明に係るガス用シール材を機器の部材4a、4b間に形成された溝5に取り付けた場合には、本発明に係るガス用シール材のシール幅W1は、図4(B)の模式的断面図に示す耳部3a、3bを有しない従来のガス用シール材11のシール幅Wよりも大きくなる。したがって、本発明に係るガス用シール材を用いた場合には、たとえば矢印の方向に流れるガスに対するバリア性を従来よりも向上させることができる。
【0027】
また、図4(C)の模式的断面図に示すように、幅がW1である従来のガス用シール材11を用いた場合には、W1>Wであるため、ガス用シール材11が大きすぎて、幅Wの溝5内にガス用シール材11が収まらないことがある。
【0028】
しかし、本発明に係るガス用シール材を用いた場合には、図4(A)の模式的断面図に示すように、溝5内にガス用シール材が収まるだけでなく、さらにシール幅がW1となるため、ガスに対するバリア性を向上させることができる。
【0029】
その他の説明は、実施の形態1と同様であるので省略する。
なお、上記において、本体部および耳部の形状は上記のものに限られず、たとえば、本体部および耳部は、三角形状、長方形状、正方形状、台形状、平行四辺形状、菱形状または五角形状等の多角形状の断面を有していてもよく、円形状、楕円形状または扇形状等の断面を有していてもよい。
【0030】
また、耳部はリング状である本体部の周縁の内周側のみに形成されてもよく、外周側のみに形成されてもよく、周縁部以外の箇所に形成されてもよい。また、耳部は点状、直線状または曲線状等に形成されてもよい。
【0031】
また、本願において、本体部および耳部の「厚さ」は、これらの部分のうち耳部の突出方向と直交する方向における最大の長さのことを意味するものとする。また、本願において、本体部および耳部の「長さ」は、これらの部分のうち耳部の突出方向における最大の長さのことを意味するものとする。
【0032】
【実施例】
図1に示す耳部3a、3bを有するリング状のガス用シール材1を実施例1とし、本体部2のみからなり、耳部3a、3bを有しないリング状の従来のガス用シール材11を比較例1として、これらのガス用シール材を用いてガスに対するバリア性を比較した。
【0033】
(試料の作製)
実施例1および比較例1のガス用シール材は、次のようにしてそれぞれ作製された。まず、表1に示す配合となるように各々の材料を秤量した後、これらの材料を混合した。次いで、この混合物をバンバリーミキサーでマスター練りし、その後オープンロールでファイナル練りして未加硫ゴムを得た。そして最後に、得られた未加硫ゴムをそれぞれ所定の金型に流し込んだ後、170℃で20分間加硫してリング状に成形した。
【0034】
ここで、実施例1のガス用シール材1の作製に用いられる金型には耳部3a、3bを形成するための型が設けられているため、実施例1のガス用シール材1は本体部2の周縁の内周側および外周側にそれぞれ耳部3a、3bを有している。一方、比較例1のガス用シール材11の作製に用いられる金型にはそのような型は設けられていないため、比較例1のガス用シール材11は耳部3a、3bを有していない。
【0035】
また、表1に示す材料の配合量はすべて質量部で表わされている。また、実施例1のガス用シール材1の耳部3a、3bの厚さはそれぞれ本体部2の厚さの1/4であり、耳部3a、3bの長さはそれぞれ本体部2の長さと同一である。
【0036】
なお、実施例1のガス用シール材1の本体部2の大きさと比較例1のガス用シール材11の大きさとは実質的に同一であることは言うまでもない。
【0037】
(評価方法)
実施例1および比較例1のガス用シール材についてのガスに対するバリア性の評価は、図5の模式的断面図に示す容量100ccの耐容器8を用いて、次のようにして行なわれた。
【0038】
まず、図5に示す下方が開口しているドーム状の上蓋6と上方が開口している鍋形状の容器7とからなる耐容器8を2つ用意した。ここで、上蓋6を容器7に被せると、これらが接触する箇所に断面が円形となる溝5が耐容器8の内部を取り囲むようにしてリング状に形成される。
【0039】
次に、2つの耐容器8の溝5のそれぞれに実施例1および比較例1のガス用シール材を嵌めこんだ後、上蓋6を容器7に被せ、耐容器8内の圧力が8MPaになるまで、ガス注入口9から炭酸ガス(CO)を耐容器8内に注入した。その後、栓10で炭酸ガス(CO)の流路を塞ぐことにより耐容器8を密封した。
【0040】
そして、密封直後の2つの耐容器8の質量をそれぞれ測定した後、これらの耐容器8を温度40℃の条件下で24時間放置した。その後、放置後の耐容器8の質量をそれぞれ測定した。
【0041】
そして、密封直後の耐容器8の質量から放置後の耐容器8の質量を差し引いた値をガスリーク量とした。
【0042】
表1に実施例1および比較例1のガス用シール材を用いた耐容器8のガスリーク量をそれぞれ表わす。なお、表1において、実施例1のガスリーク量は、比較例1のガスリーク量を100としたときの比で表わされている。
【0043】
【表1】
Figure 2004211845
【0044】
(注1)日本ゼオン(株)製のNBR
(注2)カーボンブラックISAF
(注3)大内新興化学工業(株)製のN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
(注4)大内新興化学工業(株)製のジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛
(評価結果)
表1からもわかるように、実施例1のガスリーク量は35であって、比較例1のガスリーク量である100よりもガスリーク量が少なかった。したがって、耳部3a、3bを有する実施例1のガス用シール材1は耳部3a、3bを有しない比較例1のガス用シール材11よりも炭酸ガスに対するバリア性を大幅に向上させることができることがわかった。
【0045】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0046】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、ガスに対するバリア性を向上させ得るガス用シール材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明に係るガス用シール材の好ましい一例の模式的な上面図であり、(B)は(A)に示したガス用シール材の線A1−A1に沿った模式的な断面図である。
【図2】(A)は機器の部材間に形成された溝に取り付けられた図1に示すガス用シール材の一部の模式的断面図であり、(B)は機器の部材間に形成された溝に取り付けられた断面が円形状の従来のガス用シール材の一部の模式的断面図であり、(C)は断面が幅広の円形状である従来のガス用シール材を機器の部材間に形成された溝に取り付けようとしたときの模式的断面図である。
【図3】(A)は本発明に係るガス用シール材の好ましい他の例の模式的な上面図であり、(B)は(A)に示したガス用シール材の線A3−A3に沿った模式的な断面図である。
【図4】(A)は機器の部材間に形成された溝に取り付けられた図3に示すガス用シール材の一部の模式的断面図であり、(B)は機器の部材間に形成された溝に取り付けられた断面が長方形状の従来のガス用シール材の一部の模式的断面図であり、(C)は断面が幅広の長方形状である従来のガス用シール材を機器の部材間に形成された溝に取り付けようとしたときの模式的断面図である。
【図5】実施例で用いられた耐容器の模式的な断面図である。
【図6】機器の部材間に形成された溝に取り付けられた従来のガス用シール材の一部の模式的な断面図である。
【符号の説明】
1,11 ガス用シール材、2 本体部、3a,3b 耳部、4a,4b 機器の部材、5 溝、6 上蓋、7 容器、8 耐容器、9 ガス注入口、10 栓。

Claims (3)

  1. リング状の弾性体部と、該弾性体部から突出した耳部とを有するガス用シール材。
  2. 前記耳部の厚さが、前記弾性体部の厚さの1/20〜1/3であることを特徴とする請求項1に記載のガス用シール材。
  3. 前記耳部が、前記弾性体部の周縁に沿って連続して形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のガス用シール材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007187289A (ja) * 2006-01-16 2007-07-26 Tokyo Electron Ltd 減圧容器および減圧処理装置

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