JP2004211659A - ヒートインシュレータ - Google Patents

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JP2004211659A JP2003002334A JP2003002334A JP2004211659A JP 2004211659 A JP2004211659 A JP 2004211659A JP 2003002334 A JP2003002334 A JP 2003002334A JP 2003002334 A JP2003002334 A JP 2003002334A JP 2004211659 A JP2004211659 A JP 2004211659A
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洋一 岩崎
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Abstract

【課題】簡易な構造で内燃機関の排気ポートに二次空気を供給するとともに、エキゾーストマニホールドを空冷できるヒートインシュレータを提供する。
【解決手段】表側ヒートインシュレータ(11)のフランジ部(21)には、断面凹状の溝(23)がプレス成形されており、裏側ヒートインシュレータ(12)のフランジ部(41)に重ね合わせることで、二次空気供給通路を形成する。また、表側ヒートインシュレータ(11)のカバー部(22)には所定領域にわたって陥没する凹部(24)がプレス成形されており、裏側ヒートインシュレータ(12)のカバー部(42)と重ね合わせることで、エア流路を形成する。カバー部(42)にはエア排出孔(44)が開口しており、エア流路に導入された加圧エアをエキゾーストマニホールドに放出して空冷するように構成されている。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の排気ポートに二次空気を供給するための二次空気供給構造を備えたヒートインシュレータに関し、特に、エキゾーストマニホールドに加圧エアを供給してエキゾーストマニホールドを冷却するための空冷構造を兼備するヒートインシュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の燃焼室から排出される排気ガスの中にCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)などの未燃焼成分が含まれているため、排気通路に外気を送り込んで排気ガス中の未燃焼成分を酸化反応で浄化することを目的とした二次空気供給構造が提案されている。二次空気供給通路はできるだけ排気ポートに近接した位置に設けるのが望ましいところ、実際にはこのような位置に二次空気供給通路を設けるのは困難が伴うため、量産エンジンの製造コストの低下、コンパクト化、製造の容易性などの観点から各種の構造が研究されている。
【0003】
例えば、特開2000−240506号公報(特許文献1)では、シリンダヘッド側面に気筒列方向に沿って連続する溝を凹設するとともに、溝の開口部を蓋で塞ぐことにより二次空気供給通路を形成する構成を提案している。特開2000−73752号公報(特許文献2)では、断面U字状の金属製通路形成部材をシリンダヘッド周壁にガスケットを介装して固着することにより二次空気供給通路を形成する構成を提案している。
【0004】
特開平8−240117号公報(特許文献3)では、エキゾーストマニホールドをシリンダヘッドに締結するためのフランジに二次空気を供給するための細長いチャンネルを形成し、エキゾーストマニホールドの枝管の開口部と前記細長いチャンネルを連通する短いチャンネルを前記フランジ内に形成した構成を提案している。特開平10−8952号公報(特許文献4)では、エキゾーストマニホールドを二重管構造とし、インナマニホルドとアウタマニホルドの間の空隙を通して排気通路に二次空気を供給する構造が提案されている。
【0005】
特開平10−280940号公報(特許文献5)では、エキゾーストマニホールドを内管と外管から成る二重管構造とし、内燃機関が高負荷のときにはエキゾーストマニホールドの内管と外管との間の空隙に二次空気を供給してエキゾーストマニホールドを冷却する構造が提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−240506号公報
【0007】
【特許文献2】
特開2000−73752号公報
【0008】
【特許文献3】
特開平8−240117号公報
【0009】
【特許文献4】
特開平10−8952号公報
【0010】
【特許文献5】
特開平10−280940号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1のように、シリンダヘッド側面に気筒列方向に沿って溝を凹設するには、精密な加工作業が要求され、簡易かつ低コストで二次空気供給構造を実現することができない。また、特許文献2のように、断面U字状の金属製通路形成部材をシリンダヘッド周壁にガスケットを介装して固着する場合には、部品点数が増大し、コストが増大する。
【0012】
また、特許文献3のように、エキゾーストマニホールドをシリンダヘッドに締結するためのフランジに二次空気を供給するための細チャンネルを形成するには、複雑かつ精密な加工精度が要求されるため、作業効率の悪化及び製造コスト増大を招くこととなる。また、特許文献4及び特許文献5のように、エキゾーストマニホールドを二重管構造とすると、構造が複雑となって耐久性が劣化するため、好ましくない。
【0013】
このような問題点に加えて、内燃機関の高負荷運転時には、排気ガスの温度上昇に伴い、エキゾーストマニホールドの各部が高温となり、高温時の材料強度低下に伴い塑性変形又はクリープ変形が生じるため、エキゾーストマニホールドの冷却対策が必要となる。例えば、フェライト系耐熱鋳鉄は耐熱疲労性に優れているが、高温環境下におけるクリープ強度が低いことに起因して耐熱変形性に劣ることが知られている。過酷な冷熱サイクル環境下にあるエキゾーストマニホールドでは、熱変形による低サイクル疲労を繰り返すことによって、強度が次第に低下するが、耐熱性の高い材料の採用はコスト増大の要因となる。
【0014】
内燃機関の排気ポートに二次空気を送り込む場合にのみエアポンプを作動させると、二次空気供給構造の利用効率が低下するため、二次空気供給構造をエキゾーストマニホールドの空冷に利用することで、その利用効率を高めることができるとともに、エキゾーストマニホールドの耐久性を維持できると考えられる。
【0015】
そこで、本発明は上記の問題点に鑑み、部品点数を増大させることなく、簡易な構造で内燃機関の排気ポートに二次空気を供給できる改良技術を提案することを課題とする。また、本発明は二次空気供給構造の利用効率を高める改良技術を提案することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明のヒートインシュレータは、表側ヒートインシュレータと裏側ヒートインシュレータを積層した構造を備えるヒートインシュレータであって、前記表側ヒートインシュレータは、内燃機関の気筒列方向に延在する断面凹状の溝を具備する平板状部分からなる表側ヒートインシュレータフランジ部と、所定領域にわたって陥没する凹部を具備する表側ヒートインシュレータカバー部を含み、前記裏側ヒートインシュレータは、内燃機関の気筒列方向に延在する平板状部分からなる裏側ヒートインシュレータフランジ部と、エア排出孔を具備する裏側ヒートインシュレータカバー部を含んでおり、前記表側ヒートインシュレータフランジ部と前記裏側ヒートインシュレータフランジ部とが重ね合わされることで、前記溝の内周壁とこれに内向する前記裏側ヒートインシュレータフランジ部の壁面との間で内燃機関の排気ポートに二次空気を供給するための二次空気供給通路が形成されており、前記凹部と前記エア排出孔が内向するように前記表側ヒートインシュレータカバー部と前記裏側ヒートインシュレータカバー部とが重ね合わされることで、前記凹部の内周壁とこれに内向する前記裏側ヒートインシュレータカバー部の壁面との間でエキゾーストマニホールドを冷却するためのエア流路が形成される。
【0017】
かかる構造によれば、ヒートインシュレータを表側ヒートインシュレータと裏側ヒートインシュレータの二枚重ね構造とし、両者の接合部分における気密性、シール性を確保しつつ、凹凸加工が施された表側ヒートインシュレータと裏側ヒートインシュレータとの間の空隙を二次空気供給通路、及びエキゾーストマニホールドの冷却用エア流路とすることができ、大幅な部品点数の削減を図ることができる。また、内燃機関の高負荷運転時には、車外から導入した加圧エアをエキゾーストマニホールドの冷却用エア流路に流すことで、エキゾーストマニホールドを冷却できるため、二次空気供給構造の利用効率を高めることができる。
【0018】
好ましくは、加圧エアを前記二次空気供給通路と前記エア流路の何れか一方に切り換えて供給する切換バルブを備える。かかる構成により、内燃機関の高負荷運転時には、加圧エアの供給先を二次空気供給通路からエキゾーストマニホールド冷却用のエア流路に切り換えることで、二次空気供給構造の利用効率を高めることができる。
【0019】
好ましくは、前記表側ヒートインシュレータと、前記裏側ヒートインシュレータの各々は2枚の薄肉金属板を積層した状態でプレス成形されたものである。かかる構成により、表側ヒートインシュレータの形状と裏側ヒートインシュレータの形状を精度よく同程度にできるため、両者の接合部分からのエア漏出をできるだけ防ぐことができる。また、表側ヒートインシュレータと裏側ヒートインシュレータの各々を薄肉金属板とすることでプレス成形が容易となり、加工の自由度が高まる。
【0020】
好ましくは、表側ヒートインシュレータフランジ部と裏側ヒートインシュレータフランジ部は重ね合わされた状態で内燃機関のシリンダヘッド側面に締結される。裏側ヒートインシュレータフランジ部はガスケットの役割を担うため、二次空気供給通路の気密性、シール性を確保できる。
【0021】
好ましくは、裏側ヒートインシュレータフランジ部には、内燃機関の二次空気供給ポートと前記二次空気供給通路を連通するための連通孔が穿孔されている。シリンダヘッド取付け用のフランジ部は排気ポートの近くに締結されるため、二次空気供給通路の形成に好適である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、各図を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
【0023】
図3は本実施形態の二次空気供給構造とエキゾーストマニホールドの空冷構造を兼備したヒートインシュレータ(遮熱板)の分解斜視図である。ヒートインシュレータ10は、表側ヒートインシュレータ11と、裏側ヒートインシュレータ12とをスポット溶接で接合した二枚重ねの積層構造を成している。表側ヒートインシュレータ11と裏側ヒートインシュレータ12は、二枚の薄肉金属板を積層した状態で金型に嵌めてプレスすることにより、両者の接触面の形状が同程度となるよう成形されている。表側ヒートインシュレータ11と裏側ヒートインシュレータ12の材質は、適度な強度を有し、耐熱性、遮熱性、遮音性に優れており、プレス成形が容易な薄肉金属板であれば、特に限定されるものではない。このような部材として、例えば、アルミニウム合金などの軽合金が好適である。また、本実施形態では表側ヒートインシュレータ11と裏側ヒートインシュレータ12の2層積層構造を例示するが、両者の間に無機繊維などからなる耐熱性吸音材などの各種機能性部材が介在するものであってもよい。
【0024】
表側ヒートインシュレータ11は、二次空気供給通路を形成するために平板状に圧延成形された表側ヒートインシュレータフランジ部21と、エキゾーストマニホールドの枝管を覆うように湾曲成形された表側ヒートインシュレータカバー部22とが一体成形された構成を具備している。表側ヒートインシュレータフランジ部21には、内燃機関の気筒列方向に沿って空気通路が形成し得る面積をもち、気筒列方向に沿って延在する断面凹状の開口部を有する溝23がプレス成形されている。溝23の断面形状は断面凹状であれば特に限定されるものではないが、加工の容易性、及び二次空気供給構造の信頼性、耐久性を考慮して、断面半円形状若しくは断面U字状とするのが望ましい。また、プレス成形だけで所望の加工精度が得られない場合には、ハイドロフォーム成形などを併用することで溝23の加工精度を高めるようにしてもよい。
【0025】
表側ヒートインシュレータカバー部22には、表側ヒートインシュレータ11の裏面(裏側ヒートインシュレータ12と接合する面)から表面に向って所定の深さで陥没する凹部24がプレス成形されており、その底面は略L字状を成している。凹部24の開口部を裏側ヒートインシュレータカバー部42で閉塞するように表側ヒートインシュレータカバー部22と裏側ヒートインシュレータカバー部42を重ね合わせることで、所定の領域にわたって空隙が形成される。この空隙を、エキゾーストマニホールドを冷却するためのエア流路とすることで、ヒートインシュレータ内にエキゾーストマニホールドの空冷構造を形成できる。凹部24の形成位置としては、エキゾーストマニホールドを効率よく冷却できるよう表側ヒートインシュレータカバー部22の略中央付近が望ましい。
【0026】
溝23の一方の端面(図示左側)は閉塞しており、他方の端面(図示右側)は接続部25を介してエア供給管27が接続している。エア供給管27と溝23との接合部は溶接などの手段でエアが漏出しないよう気密性が確保された状態で接合されている。同様に、凹部24の一端には接続部26を介してエア供給管28が接続しており、エア供給管28と凹部24との接合部は溶接などの手段でエアが漏出しないよう気密性が確保された状態で接合している。エア供給管27,28の分岐点には、電子制御式の切換バルブ29が配設されており、エア供給管30に導入された加圧エアをエア供給管27,28の何れか一方に切り替え可能に構成されている。
【0027】
表側ヒートインシュレータフランジ部21には、ヒートインシュレータ10をボルトなどの締結具でシリンダヘッドに締結するための複数の取り付け用孔31が穿孔されている。同様に表側ヒートインシュレータカバー部22の下端部には、エキゾーストマニホールドの集合部にボルト等の締結具で締結するための複数の取り付け用孔31が穿孔されている。
【0028】
一方、裏側ヒートインシュレータ12は、二次空気供給通路を形成するために平板状に圧延成形された裏側ヒートインシュレータフランジ部41と、エキゾーストマニホールドの枝管を覆うように湾曲成形された裏側ヒートインシュレータカバー部42とが一体成形された構成を具備している。二次空気供給通路が形成されるべき裏側ヒートインシュレータフランジ部41の表面は、エア漏れが生じないよう十分な精度で平坦にプレスされており、表側ヒートインシュレータフランジ部21との接触面におけるシール性、気密性を確保している。
【0029】
裏側ヒートインシュレータフランジ部41には、溝23の内周壁と同フランジ部41の壁面との間に形成される二次空気供給通路に導入される二次空気を二次空気供給ポートに導くための連通孔43が二次空気供給ポートの気筒列方向における配列ピッチと同間隔で穿孔されている。また、裏側ヒートインシュレータカバー部42の略中央部には、凹部24の内周壁と同カバー部42の表面との間に形成されるエア流路に導入された加圧エアをエキゾーストマニホールドに向けて排出するための細長のエア排出孔44が複数形成されている。
【0030】
裏側ヒートインシュレータフランジ部41には、ヒートインシュレータ10をシリンダヘッドに締結するための複数の取り付け用孔45が穿孔されている。同様に、裏側ヒートインシュレータカバー部42の下端部には、エキゾーストマニホールドの集合部にボルト等の締結具で締結するための複数の取り付け用孔45が穿孔されている。
【0031】
図2はヒートインシュレータ10の平面図である。図3と同一符号の部材については同一部を示すものとし、詳細な説明を省略する。図2に示すように、エアインジェクションのエア供給系統には、車外から導入したエアを濾過するエアクリーナ33と、エア圧を調整するエアポンプ32が配設されている。エアポンプ32としては、電動モータで回転制御できるものが望ましい。エアポンプ32によって圧送された加圧エアはエア供給管30を経て切換バルブ29の切換操作によってエア供給管27,28の何れか一方に分岐する。通常の運転負荷においては、エア供給管30から供給される加圧エアはエア供給管27に分岐するよう切換バルブ29の弁切換がなされている。
【0032】
エンジンコントロールユニット(ECU)34は車速、水温、エンジン回転数、排気温度、Oセンサ信号などの各種信号を取り込み、内燃機関の運転負荷に応じて適量の二次空気をエア供給管30に供給できるようエアポンプ32の回転数を制御する。走行負荷が次第に大きくなり、内燃機関が高負荷状態になると、エンジンコントロールユニット34は切換バルブ29の切換制御を行い、加圧エアの供給先をエア供給管28に切り換える。内燃機関が低負荷状態である場合には、エキゾーストマニホールドの冷却は大気暴露で十分であるが、内燃機関の出力が高出力になると、エキゾーストマニホールドの冷却は大気暴露だけでは不十分となる。そこで、エア供給管30に導入された加圧エアの流出先をエア供給管27からエア供給管28に切り替えることによって、凹部24と裏側ヒートインシュレータカバー部42の空隙内に導入された加圧エアをエア排出孔44から放出し、エキゾーストマニホールドを強制的に空冷する。これにより、エキゾーストマニホールドの過熱に起因する溶損、熱歪みなどを回避してエキゾーストマニホールドの耐久性を確保することができる。
【0033】
一方、裏側ヒートインシュレータフランジ部41に穿孔された連通孔43は、溝23の延在方向に沿って複数箇所に点在しており、溝23の開口部内に連通孔43が位置するように各部の寸法がアライメント調整されている。連通孔43の内径は溝23の幅よりもやや小さめに加工されている。溝23の内周壁と裏側ヒートインシュレータフランジ部41の壁面との間に形成される二次空気供給通路には、エア供給管27を介して二次空気が供給される。二次空気供給通路に導入された二次空気は連通孔43を介して二次空気供給ポートに給気される。
【0034】
裏側ヒートインシュレータカバー部42に形成された細長のエア排出孔44は、同カバー部42の略中心線に沿って上端部から下端部にかけて気筒列方向に対してその長手方向が平行となるよう複数箇所に形成されている。エア排出孔44は凹部24の内周壁と同カバー部42の表面との間に形成されるエア流路に導入された加圧エアをエキゾーストマニホールドの外表面に導き、エキゾーストマニホールドを空冷するためのものである。このエア流路は凹部24の陥没領域にわたって略L字状に形成されている。エア排出孔44の形状、開口位置、個数などは特に限定されるものではないが、エキゾーストマニホールドを管路に沿って均等に冷却するには、エア圧の強い上流側に形成されるエア排出孔44の開口幅よりも、エア圧の弱い下流側に形成されるエア排出孔44の開口幅の方をやや幅広に形成し、エキゾーストマニホールドへの加圧エアの供給量が均等となるよう構成するのが望ましい。
【0035】
図4はヒートインシュレータ10をシリンダヘッド61の側面に締結する様子を説明するための説明図である。同図において、61はシリンダヘッド、62はシリンダブロック、10はヒートインシュレータ、50はエキゾーストマニホールドである。エキゾーストマニホールド50は、各々の排気ポートから排出される排気ガスの排気通路となる複数の枝管51と、各々の枝管51に連結し、排気ガスを集合して排気管に排出するための集合部52と、枝管51の開口縁からつば状に延出されたシリンダヘッド取付け用のマニホールドフランジ部53とを含んで構成されている。これらの枝管51、集合部52、及びマニホールドフランジ部53の各構成部は溶接により一体的に形成されている。マニホールドフランジ部53は、同フランジ部53の複数箇所に穿孔されている取付け用孔54に螺挿されたボルト91を介してシリンダヘッド61に締結されている。取付け用孔54の穿孔位置はマニホールドフランジ部53の締め付け荷重が均等となるように枝管51を千鳥状に跨ぐような配置となっている。
【0036】
一方、ヒートインシュレータ10は、表側ヒートインシュレータフランジ部21及び裏側ヒートインシュレータフランジ部41に穿孔された取り付け用孔31及び45(図2参照)と、シリンダヘッド61の側面に形成された取り付け用孔64の開口位置が一致するように位置合わせして、同フランジ部21及び41を介して取り付け用孔64にボルト91を螺挿することで、ヒートインシュレータ10の上端部をシリンダヘッド61に締結することができる。同様に、表側ヒートインシュレータカバー部22及び42の下端部に穿孔された取り付け用孔31及び45(図2参照)と、集合部52の下流側に形成された取り付け用孔54の開口位置が一致するように位置合わせして、同カバー部22及び42を介して取り付け用孔54にボルト91を螺挿することで、ヒートインシュレータ10の下端部をエキゾーストマニホールド50に締結することができる。
【0037】
図1はシリンダヘッド61のヒートインシュレータ10の取り付け箇所を中心とする縦断面図である。説明の都合上、ヒートインシュレータ10については図2のA−A線断面図となっている。同図に示すように、内燃機関のシリンダブロック62には円筒状のシリンダ63が気筒列方向に沿って内設されており、シリンダ63に内挿されたピストン64が上下方向に摺動可能に構成されている。ピストン64の往復運動はコネクティングロッド65を介して図示しないクランクシャフトの回転運動に変換される。シリンダヘッド61には上死点に位置するピストン64の頂面と燃焼室壁面との間に形成される燃焼室66と、シリンダヘッド61の側方に向けて燃焼室66から延出する吸気ポート67及び排気ポート73とが各々形成されている。吸気ポート67及び排気ポート73のそれぞれにはバルブスプリング69,75によって閉弁するように付勢されたインテークバルブ68,エキゾーストバルブ74が設けられており、バルブリフター71,76に当接するカム72,77の回転によって、インテークバルブ68、エキゾーストバルブ74を所定のタイミングで開閉駆動するように構成されている。
【0038】
シリンダヘッド61の側面には、排気ポート73に連通するエキゾーストマニホールド50が締結されており、混合気の燃焼で生じた排気ガスはエキゾーストバルブ74の開弁時にエキゾーストマニホールド50を通じて大気に放出される。エキゾーストマニホールド50は耐熱性、耐蝕性に優れたステンレス製で構成されており、全体的に薄肉構造とすることにより、軽量化を実現する一方、熱容量の低減による触媒暖機性の向上を図っている。シリンダヘッド61には、さらに、排気ポート73の上流側に連通する二次空気供給ポート78が形成されており、排気ガス中の未燃焼成分を酸化反応で浄化させるための二次空気を高温排気ガス中に供給する構成となっている。二次空気供給ポート78の吹き出し方向は高温排気ガスが排出されるエキゾーストバルブ74側を向くようにポート形状を加工するのが望ましい。エキゾーストマニホールド50の排気通路に設けられた三元触媒内で排気ガス中のHC、CO等の未燃焼成分を二次空気の酸素と酸化反応させ、その反応熱で三元触媒を暖機することができる。
【0039】
シリンダヘッド61の側面には排気ポート73と枝管51が連通するようにガスケット55を介してマニホールドフランジ部53がボルト等の締結具によって締結されている。シリンダヘッド61の上方にはエキゾーストマニホールド50が発する輻射熱を遮蔽するためのヒートインシュレータ10がシリンダヘッド61の側面に締結されている。表側ヒートインシュレータフランジ部21において気筒列方向に沿ってプレス成形された溝23の開口部が裏側ヒートインシュレータフランジ部41の壁面によって閉塞されるように同フランジ部21,41が重なり合うことによって、溝23の内周壁とこれに内向する裏側ヒートインシュレータフランジ部41の表面との間で二次空気供給通路70を形成している。
【0040】
二次空気供給ポート78付近の二次空気供給通路70の気密性、シール性を確保するには、表側ヒートインシュレータフランジ部21と裏側ヒートインシュレータフランジ部41の接合面における平坦性を十分に確保しつつ、締め付け荷重が均等となるようにボルト91などの締結具を用いて適度な圧力で締結するのが望ましい。この場合において、裏側ヒートインシュレータフランジ部41は、表側ヒートインシュレータフランジ部21とシリンダヘッド61との間に介在し、薄肉の金属部材が有する適度な弾力性を発揮することで、ガスケットの役割を担い、裏側ヒートインシュレータ41とシリンダヘッド61との気密性、シール性を確保している。二次空気供給通路70に導入された二次空気は裏側ヒートインシュレータフランジ部41に穿孔された連通孔43を介して二次空気供給ポート78に供給され、燃焼室66から排出されるCO、HCなどの未燃焼排ガス成分を酸化反応で浄化する。
【0041】
一方、表側ヒートインシュレータカバー部22に形成された凹部24の内周壁面と裏側ヒートインシュレータカバー部42の表面との間には、枝管51に冷却用の加圧エアを導入するためのエア流路80が形成されている。凹部24の内周壁とエア排出孔44が内向するように、表側ヒートインシュレータカバー部22と裏側ヒートインシュレータカバー部42が接合されている。エア流路80に導入された加圧エアはエア排出孔44から吹き出し、枝管51の外表面を通風することによりエキゾーストマニホールド50の熱を適度に奪い、冷却する。エア流路80に導入された加圧エアが表側ヒートインシュレータカバー部22と裏側ヒートインシュレータカバー部42の接合部分から漏出しないようにするには、同カバー部22,42の加工精度を高め、両者の接合部分の形状をほぼ同一としつつ、スポット溶接などの接合手段を用いてほとんど隙間のない確実な接合が得られるように構成するのが望ましい。
【0042】
本実施形態によれば、ヒートインシュレータ10を表側ヒートインシュレータ11と裏側ヒートインシュレータ12の二枚重ね構造とし、両者の接合部分における気密性、シール性を確保しつつ、凹凸加工が施された表側ヒートインシュレータ11と裏側ヒートインシュレータ12との間の空隙を二次空気供給通路70及びエア流路80とすることで部品点数の増加を回避することができる。
【0043】
また、ヒートインシュレータ10のシリンダヘッド取付け用のフランジ部に二次空気供給通路70を形成することで、排気ポート73に近接した位置にエアインジェクションを構成することができ、装置サイズのコンパクト化を実現できる。また、表側ヒートインシュレータ11と裏側ヒートインシュレータ12をプレス成形し易い薄肉金属板とすることで、形状の自由度を高めることができ、柔軟な設計が可能となる。
【0044】
また、エキゾーストマニホールドが高温となる高負荷運転時には、エア供給管30に導入された加圧エアの流出先を二次空気供給通路70からエア流路80に切換可能に構成することで、エキゾーストマニホールド50を適度に冷却することができ、熱歪みなどの低サイクル疲労に起因するエキゾーストマニホールド50の破損を回避することができる。これに伴い、エキゾーストマニホールド50の構成材料として低耐熱の安価な材料を用いることができ、コスト低下を実現できる。
【0045】
また、二次空気供給通路70とエア流路80をヒートインシュレータ10内に形成できるため、内燃機関のコンパクト化を実現できる。また、シリンダヘッド61はエキゾーストマニホールド50と比較すると、温度変化が少なく、相対的に低温であるため、シリンダヘッド側面に二次空気供給通路70を形成することで、冷熱による低サイクル疲労で変形、亀裂などが生じることもなく、耐久性及び信頼性の高い二次空気供給構造を提供できる。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、ヒートインシュレータを表側ヒートインシュレータと裏側ヒートインシュレータの二枚重ね構造とし、両者の接合部分における気密性、シール性を確保しつつ、凹凸加工が施された表側ヒートインシュレータと裏側ヒートインシュレータとの間の空隙を二次空気供給通路、及びエキゾーストマニホールド冷却用のエア流路とすることができ、部品点数の削減を図ることができる。また、内燃機関の高負荷運転時には、車外から導入した加圧エアをエキゾーストマニホールド冷却用のエア流路に流すことで、エキゾーストマニホールドを冷却できるため、二次空気供給構造の利用効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のヒートインシュレータの取り付け箇所を中心とするシリンダヘッドの縦断面図である。
【図2】本実施形態のヒートインシュレータの平面図である。
【図3】本実施形態のヒートインシュレータの分解斜視図である。
【図4】本実施形態のヒートインシュレータをシリンダヘッドに取り付ける際の様子を示す説明図である。
【符号の説明】
10…ヒートインシュレータ
11…表側ヒートインシュレータ
12…裏側ヒートインシュレータ
21…表側ヒートインシュレータフランジ部
22…表側ヒートインシュレータカバー部
23…溝
24…凹部
41…裏側ヒートインシュレータフランジ部
42…裏側ヒートインシュレータカバー部
43…連通孔
44…エア排出孔
70…二次空気供給通路
80…エア流路

Claims (5)

  1. 表側ヒートインシュレータと裏側ヒートインシュレータを積層した構造を備えるヒートインシュレータであって、
    前記表側ヒートインシュレータは、内燃機関の気筒列方向に延在する断面凹状の溝を具備する平板状部分からなる表側ヒートインシュレータフランジ部と、所定領域にわたって陥没する凹部を具備する表側ヒートインシュレータカバー部を含み、
    前記裏側ヒートインシュレータは、内燃機関の気筒列方向に延在する平板状部分からなる裏側ヒートインシュレータフランジ部と、エア排出孔を具備する裏側ヒートインシュレータカバー部を含んでおり、
    前記表側ヒートインシュレータフランジ部と前記裏側ヒートインシュレータフランジ部とが重ね合わされることで、前記溝の内周壁とこれに内向する前記裏側ヒートインシュレータフランジ部の壁面との間で内燃機関の排気ポートに二次空気を供給するための二次空気供給通路が形成されており、
    前記凹部と前記エア排出孔が内向するように前記表側ヒートインシュレータカバー部と前記裏側ヒートインシュレータカバー部とが重ね合わされることで、前記凹部の内周壁とこれに内向する前記裏側ヒートインシュレータカバー部の壁面との間でエキゾーストマニホールドを冷却するためのエア流路が形成される、ヒートインシュレータ。
  2. 加圧エアを前記二次空気供給通路と前記エア流路の何れか一方に切り換えて供給する切換バルブを備える、請求項1に記載のヒートインシュレータ。
  3. 前記表側ヒートインシュレータと、前記裏側ヒートインシュレータの各々は2枚の薄肉金属板を積層した状態でプレス成形されたものである、請求項1又は請求項2に記載のヒートインシュレータ。
  4. 前記表側ヒートインシュレータフランジ部と前記裏側ヒートインシュレータフランジ部は重ね合わされた状態で内燃機関のシリンダヘッド側面に締結される、請求項1乃至請求項3のうち何れか1項に記載のヒートインシュレータ。
  5. 前記裏側ヒートインシュレータフランジ部には内燃機関の二次空気供給ポートと前記二次空気供給通路を連通するための連通孔が穿孔されている、請求項1乃至請求項4のうち何れか1項に記載のヒートインシュレータ。
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