JP2004211639A - 排気マニホールド - Google Patents

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JP2004211639A
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Nobuyuki Tokuo
信行 徳王
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】エンジンの低回転域では排気干渉を防止し、中高回転域では排圧の上昇を防止する排気マニホールドの提供を目的とする
【解決手段】エンジン1の排気マニホールド2に、各気筒の排気ポートと連通する排気通路5、6、7、8の集合部14の下流近傍の径を変化させる内径絞り手段(可変絞り弁3)と、エンジン1の運転状態に応じて前記内径絞り手段による内径絞り率を制御する内径絞り制御手段とを設け、前記排気通路19の前記内径絞り手段と対峙する位置にOセンサー4を設ける。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気マニホールドの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
多気筒エンジンにおいて、例えば4気筒エンジンの各排気ポートからの排気ガスを一箇所で合流させる(4−1集合)と、排気ガス流が合流する際に生じる排気干渉によって低回転域のトルクが低下するという問題があった。
【0003】
そこで、上記の排気干渉を緩和するための方法として、まず点火順序が連続しない気筒の排気ガスを合流させて、次の段階で一つにまとめる(4−2−1集合)構成が知られている。
【0004】
特許文献1には、排気通路中に仕切り部材を設けることで上記の2段階の合流と同様の効果が得られる構成が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−164937号公報
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来技術では、低回転域のおいては排気干渉を緩和して、トルクの低下を防止できるものの、中高速域では排圧が上昇するためポンピングロスが大きくなり、出力が低下してしまう。
【0007】
そこで本願発明は、低回転域では排気干渉を防止し、中高回転域では排圧の上昇を防止する排気マニホールドの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の排気マニホールドは、各気筒の排気ポートと連通する排気通路の集合部の下流近傍の径を変化させる内径絞り手段と、エンジンの運転状態に応じて前記内径絞り手段による内径絞り率を制御する内径絞り制御手段と、前記排気通路の軸心に対して、前記内径絞り手段と略対称の位置に設けたOセンサーとを有する。
【0009】
【作用・効果】
本発明によれば、排気流の合流部の内径を運転状態に応じて制御できるので、例えば排気干渉が問題となる低回転域では排気通路の集合部下流近傍の排気通路断面積を小さくすることで、排気ガスの流速が高まり排気干渉が緩和される。また、排圧の上昇が問題となる中高回転域では排気通路の集合部下流近傍の排気通路断面積を大きくすることで、排圧の上昇を抑えることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1は本実施形態の構成を表しており、排気マニホールド2は、エンジン1の排気ポート15〜18にそれぞれ連通している排気通路5〜8が集合部14で集合して排気通路19となっている。
【0012】
排気通路19の集合部14下流側近傍には可変絞り弁3および排気中のO濃度を検出するOセンサ4が排気通路19の中心軸に対して略対称の位置に設けられている。
【0013】
図2(A)(B)は可変絞り弁3付近の拡大図である。(A)は可変絞り弁3の開度が小さい状態、(B)は全開の状態を表している。
【0014】
可変絞り弁3はピストン9と、ピストン9を駆動するためのアクチュエータ10、アクチュエータ10の駆動力をピストン9に伝達するシャフト12、排気通路19から排気ガスが漏れるのを防止するためにピストン9に設けられたピストンリング11で構成されている。
【0015】
アクチュエータ10はコントロールユニット20がエンジン1の運転状態に応じて出力する信号に基づいて駆動する。アクチュエータ10の駆動はシャフト12を介してピストン9に伝達され、ピストン9は排気通路19に設けられた凹部13内を排気通路19の排気流れに対して略直交する向きに往復運動する。
【0016】
ピストン9が排気通路19にまったく突出していない状態を「可変絞り弁3が全開状態」、最大限突出している状態を「可変絞り弁3が全閉状態」とする。可変絞り弁3の開度は、エンジン1の運転状態に応じてコントロールユニット20にて決定される。
【0017】
次に可変絞り弁3の制御について説明する。
【0018】
図3は本実施形態の可変絞り弁3の制御フローである。
【0019】
ステップS100でエンジン1が前記Oセンサ4の出力に基づいて空燃比をフィードバック制御する運転領域、すなわちλコントロール領域にあるか否か、換言すると低負荷運転状態か否かを判定する。λコントロール領域でない場合にはステップS101に進みエンジン回転数Nを読み込み、ステップS102に進む。
【0020】
ステップS102ではステップS101で読み込んだエンジン回転数Nを所定値α1と比較する。所定値α1は実験などにより予め定めた値であり、本実施形態においては3200rpmとする。
【0021】
ステップS102でエンジン回転数Nがα1以上であった場合にはステップS103に進み、エンジン回転数Nと所定値α2との比較を行う。所定値α2はα1と同様に予め定めた値で、本実施形態においては4800rpmとする。
【0022】
ステップS103でエンジン回転数Nがα2より低い場合にはステップS105に進み、可変絞り弁3の目標絞り率をβ2とする。絞り率βは以下の式で表される。
【0023】
絞り率β(%)=(ピストン9が突出することによって減少する排気通路19の断面積)/(可変絞り弁3全開時の排気通路19の断面積)
本実施形態においては、β1=15%、β2=5%とする。
【0024】
ステップS103でエンジン回転数Nがα2以上の場合はステップS105に進み、目標絞り率をゼロ、つまり可変絞り弁3を全開とする。
【0025】
ステップS100でλコントロール領域でないと判定した場合にはステップS106に進み、目標絞り率をβ2とする。
【0026】
ステップS102でエンジン回転数Nがα1より低い場合もステップS106に進み、目標絞り率をβ1とする。
【0027】
図4に一般的な運転領域別の排気脈動を示す。横軸はクランクシャフトシャフトの回転角度、縦軸は排気マニホールド内の圧力、点線Aは集合部14近傍に絞りがある場合(4−2−1集合)、点線Bは絞りがない場合(4−1集合)を表している。
【0028】
低回転域においては、クランクシャフト角が360度付近で、吸気バルブと排気バルブが共に開いている状態、いわゆるバルブオーバーラップがある。このバルブオーバーラップ時には、集合部に絞りがない4−1集合の方が排圧が高くなる(図中C)。これにより、吸気バルブが開いているにもかかわらず、排圧が吸気の導入の抵抗となり、吸気の充填効率が低下する。なお、4−2−1集合では点火順序が連続しない気筒同士を先に集合させることによって排気干渉が低減されている。
【0029】
また、排気バルブが開いている間は、絞りがある4−2−1集合の方が排圧が高くなっており、特に高回転域において差が大きい。これは、高回転になるほど絞り部分が排気抵抗となるからである。排圧が高い状態では、排気工程において排気ガスを排気通路に押し出すために損失するエネルギー、いわゆるポンピングロスが大きくなる。絞りがある場合とない場合のポンピングロスの差は、図4において領域Pで表すことができる。
【0030】
本実施形態は、前述した通り、エンジン1が低回転域で運転している場合には排気通路19の断面積は小さくなり、エンジン19が中高回転域で運転している場合には排気通路19の断面積は大きくなるように制御する。つまり図4においては、低回転域では絞りがある点線A、中回転域では点線AとBの中間、高回転域では絞りがない点線Bとなるように制御する。
【0031】
したがって、低回転域では排気干渉が少なく、高回転域ではポンピングロスの少ない運転状態となる。
【0032】
以上のように、本実施形態では、低回転低負荷域では可変絞り弁3の絞り率を大きくするので排気通路19を流れる排気ガスの流速が上がり、これによって排気干渉が緩和されるのでトルクの低下を防止できる。中高回転域では可変絞り弁3の絞り率を調整することによって排圧の上昇を抑制するので、ポンプロスによる出力低下を防止できる。
【0033】
また、λコントロール領域において排気通路19の断面積が小さくなるので、排気ガスはピストン9と対向する位置に設けられた02センサの近くを通ることになる。したがって、必然的にOセンサーに排気ガスがよく当るようになるので、燃焼順序に従って気筒毎のO濃度を正確に検出、すなわちOセンサー4の気筒感度が向上する。
【0034】
また、低回転域での排気干渉低減を目的として4−2−1−集合をさせると、途中で集合部を設ける分だけ排気マニホールドが長くなってしまうが、本実施形態では、排気通路19の断面積を変化させることによって排気干渉を低減させているので、排気マニホールドを長くすることなく、同様の効果を得ることができる。
【0035】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシステム構成図である。
【図2】(A)は可変絞り弁によって排気通路を絞った状態、(B)は絞っていない状態である。
【図3】可変絞り弁の絞り率を決定する制御フローである。
【図4】回転域毎のクランクシャフト角と排圧の関係を表す図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 排気マニホールド
3 可変絞り弁(内径絞り手段)
4 Oセンサー
5〜8 排気通路
9 ピストン
10 アクチュエータ
11 ピストンリング
12 シャフト
13 凹部
14 集合部
15〜18 排気ポート
19 排気通路
20 コントロールユニット(内径絞り制御手段)

Claims (5)

  1. エンジンの排気マニホールドであって、
    各気筒の排気ポートと連通する排気通路の集合部の下流近傍の径を変化させる内径絞り手段と、
    エンジンの運転状態に応じて前記内径絞り手段による内径絞り率を制御する内径絞り制御手段と
    前記排気通路の、前記内径絞り手段と対峙する位置に設けたOセンサーとを有することを特徴とする排気マニホールド。
  2. 前記内径絞り制御手段は、エンジンの回転数、負荷に基づいて前記内径絞り率を決定する請求項1に記載の排気マニホールド。
  3. 前記内径絞り制御手段は、エンジンがλコントロール領域にある場合は内径絞り率を最大とする請求項1、2に記載の排気マニホールド。
  4. 前記内径絞り制御手段は、エンジンが所定の回転数以上の場合は内径絞り率を最小にする請求項1〜3に記載の排気マニホールド。
  5. 前記内径絞り手段は、排気通路側の一端が略半球形状の筒状かつ前記排気通路中に排気通路の軸心方向に対して略直角かつ排気通路の半径方向外側に向けて設けられた凹部に摺動自由に配置されたピストンと、前記ピストンを駆動するためのアクチュエータと、前記アクチュエータの駆動力を前記ピストンに伝達するシャフトとで構成する請求項1〜4に記載の排気マニホールド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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