JP2004211625A - ガスタービン制御方法およびガスタービン制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】空気圧縮機、複数の燃料系統から燃料を投入し、これを前記圧縮機からの吐出空気と燃料とを混合して燃焼させる燃焼器およびこの燃焼器からの燃焼ガスを受け入れ前記圧縮機と発電機とを駆動するガスタービン本体とから構成されたガスタービンと、このガスタービンの運転状態諸量から算出した燃焼器制御温度に対応した燃焼モードになるように前記複数の燃料系統に分配燃料信号を出力する燃料制御装置と、を備え、この燃料制御装置により燃焼器の燃焼状態を制御するガスタービン制御方法において、ガスタービンの運転状態諸量から算出したトータルの燃料流量制御信号を前記燃焼器制御温度に応じて前記複数の燃料系統に配分する燃料分配関数を複数種類備え、電力系統周波数の過渡的変動時、前記燃料分配関数を切り替えて燃焼モードをより安定な燃焼モードに切り替えることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、系統周波数が過渡的に変動する場合でも安定した燃焼状態を保持することのできるガスタービン制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスタービン発電プラントは、燃料と圧縮空気とを燃焼器に供給し、燃焼器で燃焼したガスをガスタービンに供給してガスタービンを駆動し、発電機から電力を発生させるようにしたものである。
【0003】
図16は、従来のガスタービン発電プラントの構成図を示す。
図において、100はガスタービンであり、大気中から入口空気案内翼1を介して取り込んだ空気を高温高圧の燃焼用空気に圧縮する空気圧縮機2と、空気流路3を介して取り込んだ燃焼用空気により燃料を燃焼させる燃焼器4と、燃焼器4の燃焼ガスを導入し燃焼ガスの断熱膨張により回転駆動されるガスタービン本体7とから構成される。
【0004】
一方、複数の燃料制御弁5−1、5−2および5−3を経て供給された燃料は、拡散燃焼用バーナー6−1、第1予混合燃焼用バーナー6−2および第2予混合燃焼用バーナー6−3からそれぞれ噴射されて前記燃焼器4に入り、ここで前記燃焼用空気と混合して燃焼し高温高圧の燃焼ガスとなる。この燃焼ガスは前述したようにガスタービン本体7で断熱膨張してガスタービン軸8を回転させ、同軸8に結合されている発電機9を回転させて発電機出力を得る。
【0005】
ガスタービン本体7の排ガスの経路は図示していないが、煙突に抜けていくか、あるいはコンバインドサイクル発電プラントのように、排熱回収ボイラの熱源として使用されたのち煙突に抜けていくように構成されている。
【0006】
燃料制御装置10はコンピュータ等の演算装置によって構成され、軸端歯車11に近接して取り付けた速度検出器12から得られたガスタービン速度N、空気圧縮機2の入口部に設けた入口空気圧力検出器103から得られた圧縮機入口空気圧力PX1、空気圧縮機2の出口に設けた圧縮機吐出空気圧力検出器13から得られた圧縮機吐出空気圧力PX2、タービン出口に設けた排ガス温度検出器14から得られた排ガス温度TX1、発電機出力検出器15から得られた発電機出力MWおよび入口空気案内翼1の開度IGV等のガスタービン運転状態諸量を入力する。
【0007】
そしてこの燃料制御装置10はガスタービン運転状態諸量に基づいて所定の演算を行ない、各燃料系統への配分燃料制御信号FREF1(拡散燃料信号)、FREF2(第1予混合燃料信号)、FREF3(第2予混合燃料信号)を出力し、対応する燃料制御弁5−1、5−2および5−3の弁開度を制御するように構成されている。なお、燃料制御装置10における所定の演算とは例えば、非特許文献1の図6のブロック図で行なわれているような燃料流量制御のことである。ただし、非特許文献1の場合、入力する信号の数が少ないので比較的単純なブロック図になっているが、本発明の場合入力信号は多いので、もう少し複雑なブロック図に成らざるを得ない。
【0008】
【非特許文献1】
平成14年発行、電学論B、122巻3号、(3)燃料流量制御、図6第394頁
【0009】
図17は前記燃料制御装置10の制御ブロック図の一例を示す図である。
図17において、17は前述したガスタービン速度N、圧縮機入口空気圧力PX1、圧縮機吐出空気圧力PX2、排ガス温度TX1、発電機出力MW等のガスタービン運転状態諸量を入力して所定の演算式に基づいてトータルの燃料流量制御信号FREFを算出する燃料流量制御算出手段である。
【0010】
19は前記燃料流量制御算出手段と同じように圧縮機入口空気圧力PX1、圧縮機吐出空気圧力PX2、排ガス温度TX1、入口空気案内翼1の開度IGV等のガスタービン運転状態諸量を入力して所定の演算式に基づいて燃焼器制御温度TITREFを算出する燃焼器制御温度算出手段である。この燃焼器制御温度算出器19で採用する所定の演算式とは、前記燃料流量制御算出手段17で採用する演算式と同様の演算式である。
【0011】
18は、このトータルの燃料流量制御信号FREFを燃焼器制御温度TITREFの関数である分配関数に基づいて、各燃料系統への配分燃料制御信号FREF1(拡散燃料信号)、FREF2(第1予混合燃料信号)およびFREF3(第2予混合燃料信号)を出力する関数発生器である。
そしてこれら配分燃料制御信号は各系統の燃料制御弁5−1、5−2および5−3に出力し、トータルの燃料流量と各燃料系統への燃料配分割合を制御する。
【0012】
図18は燃料分配関数発生器18における燃焼ガス温度に対応する燃料配分割合の1例(後述する燃料分配関数Aと同一)を示す図である。この図18で示すように燃料分配関数発生器18は、燃焼器制御温度TITREFの値に応じて各燃料系統への燃料供給割合が最適となるように設定された4つの燃焼モード1〜4を有しており、この最適配分割合は燃焼器4内の火炎の安定性と排出NOx濃度により設定される。
【0013】
横軸の燃焼器制御温度TITREFの低温域の状態で、炎の安定度を増すためには拡散燃料信号FREF1の配分割合を増加させる必要があり、また窒素酸化物(NOx)を低減させるには第1予混合燃料信号FREF2と第2予混合燃料信号FREF3との配分割合を増加させる必要がある。
【0014】
一方、燃焼器制御温度TITREFが高温域になると、拡散燃料信号FRER1が0%としても炎の安定性が確保されるため、第1予混合燃焼と第2予混合燃焼のみの運転となる。この状態では第1予混合燃料信号FREF2と第2予混合燃料信号FREF3の割合がハードウェアにより決まるある値、例えば20:80になると排出NOxが低減されるが、これに反して炎の安定性が低くなる傾向となる。これらの特性から各燃焼モードにおける最適な配分が決定される。
【0015】
このような燃料制御を行う燃料制御装置10は電力系統が正常に運用される範囲から逸脱するような系統周波数変動が生じた場合、系統周波数を保持するように燃料流量、圧縮機入口空気案内翼を制御する。この結果、ガスタービンの運転状態が大きく変動することになる。
【0016】
例えば、落雷等による送電系統の脱落で負荷が急激に脱落した場合には電力需給のバランスが崩れて系統周波数が大幅に上昇する。逆に負荷が急激に増えた場合には周波数が大幅に低下する。大幅な系統周波数の変動時には系統の負荷遮断や運転中の発電機の出力を調整して系統周波数の安定化を図るように制御しなければならない。この場合、ガスタービン設備を伴った発電プラントにおいては、急激な負荷変動に追従できるような機能を持たせる必要がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
このような非定常的な運転状態では、燃焼ガス温度が短時間に大きく変動するので、特に上述のようにガスタービンの運転状態量から燃焼ガス温度を推定算出し、この推定算出値により燃料配分を制御するような制御方法では、推定算出される燃焼器制御温度TITREFが非定常状態による状態量の遅れにより実際の温度との間に差が発生し、最適な燃料配分での運転ができない場合が考えられる。この場合、燃焼の炎が不安定となり、最悪の場合には失火し、ガスタービントリップに至る危険性がある。したがって、ガスタービン燃焼器の失火や異常燃焼を回避する制御がガスタービンプラントにとって最重要課題となる。
【0018】
本発明の目的は、系統周波数が過渡的に変動する場合でも安定した燃焼状態を保持し、燃焼器失火によるガスタービントリップを防止できる燃料制御を行なうようにしたタービン制御方法およびその装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に係わるガスタービン制御方法の発明は、空気圧縮機、複数の燃料系統から燃料を投入し、これを前記圧縮機からの吐出空気と燃料とを混合して燃焼させる燃焼器およびこの燃焼器からの燃焼ガスを受け入れ前記圧縮機と発電機とを駆動するガスタービン本体とから構成されたガスタービンと、このガスタービンの運転状態諸量から算出した燃焼器制御温度に対応した燃焼モードになるように前記複数の燃料系統に分配燃料信号を出力する燃料制御装置と、を備え、この燃料制御装置により燃焼器の燃焼状態を制御するガスタービン制御方法において、ガスタービンの運転状態諸量から算出したトータルの燃料流量制御信号を前記燃焼器制御温度に応じて前記複数の燃料系統に配分する燃料分配関数を複数種類用意し、電力系統周波数の過渡的変動時、前記燃料分配関数を切り替えて燃焼モードをより安定な燃焼モードに切り替えることを特徴とする。
【0020】
また、請求項2に係わるガスタービン制御装置の発明は、空気圧縮機、複数の燃料系統から燃料を投入し、これを前記圧縮機からの吐出空気と燃料とを混合して燃焼させる燃焼器およびこの燃焼器からの燃焼ガスを受け入れ前記圧縮機と発電機とを駆動するガスタービン本体とから構成されたガスタービンと、このガスタービンの運転状態諸量から算出した燃焼器制御温度に対応した燃焼モードになるように前記複数の燃料系統に分配燃料信号を出力する燃料制御装置と、を備えたガスタービン制御装置において、ガスタービンの運転状態諸量から算出したトータルの燃料流量制御信号を前記燃焼器制御温度に応じて前記複数の燃料系統に配分する燃料分配関数をそれぞれ有する分配燃料関数発生器を複数種類備えた分配燃料関数発生部と、電力系統周波数が予定の範囲から逸脱したときあるいは逸脱することが推定されるとき、動作して切り替え信号を出力する系統異常検出手段と、この系統異常検出手段の動作信号により、前記分配燃料関数を切り替えて燃焼モードをより安定な燃焼モードに切り替える切り替え手段と、を備えたことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図を通じて同一要素には同一符号を、関連する要素にはダッシュ(’)あるいは添字を付けて説明する。
【0022】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係わるガスタービン制御装置の燃料制御ブロック図である。
燃料制御装置10’は、従来装置と比べて異なるところは、燃料分配関数を複数種類用意し、系統周波数が所定値以上変動した場合に切り替えるように構成したことにある。燃料流量制御信号算出器17は、前述したように、速度検出器12から得られたガスタービン速度N、空気圧縮機2の入口部に設けた入口空気圧力検出器103から得られた圧縮機入口空気圧力PX1、空気圧縮機2の出口に設けた圧縮機吐出空気圧力検出器13から得られた圧縮機吐出空気圧力PX2、ガスタービン出口に設けた排ガス温度検出器14から得られた排ガス温度TX1および発電機出力検出器15から得られた発電機出力MW等のガスタービン運転状態諸量を入力信号とし、この入力信号に基づいてトータルの燃料流量制御信号FREFを算出する。
【0023】
燃焼器制御温度算出器19も同様に前記圧縮機入口空気圧力PX1、圧縮機吐出空気圧力PX2、排ガス温度TX1および入口空気案内翼1の開度IGV信号等のガスタービン運転状態諸量を入力信号とし、この入力信号に基づいて燃焼器制御温度TITREFを推定値として算出する。
【0024】
燃料分配関数発生部18’は、前記燃焼器制御温度算出器19で算出した燃焼器制御温度TITREFの値に応じて複数の燃料系統への配分燃料信号を出力するように構成されている。この燃料分配関数発生部18’は複数種類(ここでは2種類)の関数発生器18Aおよび関数発生器18Bとから構成され、このうち関数発生器18Aは電力系統の周波数が定常状態のとき選択され、関数発生器18Bは系統周波数が急激に変動したときに後述する切り替え指令ASによって、選択されるように構成されている。
【0025】
なお、関数発生器18Aは従来の技術で述べた前記関数発生器18と同一のものであるが、一緒に設けた他の関数発生器18Bと対比する意味で、添字Aを付けている。
【0026】
関数発生器18Aは、燃焼器制御温度TITREFの関数である燃料分配関数Aに基づいて各燃料系統への配分燃料制御信号として3種類の信号すなわちFREF1A(拡散燃料信号)、FREF2A(第1予混合燃料信号)、FREF3(第2予混合燃料信号)を出力する。一方、関数発生器18Bは、燃料分配関数Bに基づいて各燃料系統へ同様に配分燃料制御信号であるFREF1B(拡散燃料信号)、FREF2B(第1予混合燃料信号)、FREF3B(第2予混合燃料信号)を出力する。
【0027】
関数発生器18Aおよび18Bには、ガスタービンの起動から全負荷まで燃焼器4の燃焼状態を安定に保つために、燃焼器制御温度TITREFに応じた燃焼モード1〜4を設けており、各々の燃焼モードにおける燃料配分割合(FREF1、FREF2、FREF3)が燃焼器制御温度に応じて切替わるように構成している。
【0028】
20はガスタービン発電機9の接続される電力系統の周波数異常を検出する系統異常検出器であり、系統周波数が公称周波数の上下に設定した上限値、下限値で挟まれた周波数帯域から逸脱するような周波数変動が生じた場合動作して切り替え指令ASを出力する。
【0029】
この切り替え指令ASは分配燃料制御信号切り替えスイッチ21、22、23に入力され、関数発生器18Aの出力から18Bの出力に切り替えて燃料配分割合(FREF1、FREF2、FREF3)を出力する。
【0030】
なお、分配燃料制御信号切り替えスイッチ21、22、23は系統周波数が定常状態にあるとき、関数発生器18A側の出力信号を燃料制御装置10’としての出力信号となるように、また、切り替え指令ASを入力した状態では、関数発生器18B側の出力信号が燃料制御装置10’としての出力信号となるように応動する。
【0031】
図2は関数発生器18Bの燃料配分関数Bを示す図である。この図2には系統周波数が異常の場合の燃焼器制御温度TITREF(T1’、T2’、T3’)に応じた3つの燃焼モード1〜燃焼モード3があらかじめ設定されている。分配燃料制御信号切り替えスイッチ21、22、23に系統異常検出器20からの切り替え指令ASが入力された場合には、燃料配分割合(FREF1A、FREF2A、FREF3A)から、燃料分配関数Bに基づく燃料配分割合(FREF1B、FREF2B、FREF3B)に切り替わる。
【0032】
この燃料分配関数Bの燃焼モード1〜3は、燃焼器2の燃焼状態をより安定な状態となるように、前記燃料分配関数Aに比べると、燃焼モードの切り替え温度を変更して設定されている。すなわち、燃焼モード2から燃焼モード3に切替わる燃焼器制御温度T2(燃料分配関数A)がT2’(燃料分配関数B)に変更され、T2<T2’としている。また、燃焼モード3から燃焼モード4に切替わる燃焼器制御温度が燃料分配関数AではT3であるのに対し、燃料分配関数Bでは燃焼モード3の領域上限のベース運転温度Tbaseまで与え、炎の安定性が低いモード4の領域を無くしている。
【0033】
以上述べたように、本実施の形態によれば、周波数変動時に燃焼モードの切り替え温度を高い値に変更して各燃焼モードの領域を変更するようにしたので、炎の安定性の高い燃焼モード領域を広く与えることができる。これにより、周波数変動時の不安定な運転状態における燃焼器の失火や異常燃焼を回避することが可能となる。
【0034】
(第2の実施の形態)
図3は本発明の第2の実施の形態に係わるガスタービン制御装置の燃料制御ブロック図である。
本実施の形態は、第1の実施の形態に対して系統異常検出器20による切り替え指令ASをワンショットタイマー40を介して分配燃料制御信号切り替えスイッチ21、22、23に入力する構成とする点で相違するが、それ以外の構成については第1の実施の形態と同じであるので説明を省略する。
【0035】
通常の電力系統は、送電線によって幾つかの発電機を連係して運転しており、各発電機は当該電力系統に接続される負荷との需給バランスによって出力を決められている。もし、1台の発電機が故障でトリップしたとき、給電指令所等から他の発電機に出力増加指令が出され、暫くすると新たに需給のバランスがとれるようになるが、そのバランスがとれるまでの過渡期間、電力系統の周波数は大きく変動する。
【0036】
本実施の形態で新たに設けたワンショットタイマー40は、そのタイマーの時限をある発電機のトリップ等で系統周波数が異常になってから、他の発電機の出力増加によって、系統周波数が再び安定するのに必要な時間を経験値などにより想定して設定している。
【0037】
系統周波数の異常により系統異常検出器20が動作して切り替え指令ASが発生すると、この切り替え指令ASはワンショットタイマー40を通して分配燃料制御信号切り替えスイッチ21、22、23に入力され、燃料分配関数Aに基づく関数発生器18Aの出力する燃料配分割合(FREF1A、FREF2A、FREF3A)から、燃料分配関数Bに基づく関数発生器18Bの出力する燃料配分割合(FREF1B、FREF2B、FREF3B)に切替わる。
【0038】
第1の実施の形態で既に述べたように、燃料分配関数Bは燃料分配関数Aと比べると、燃焼モードの切り替え温度を第1の実施の形態同様、高い値に設定している。すなわち、燃焼モード2から燃焼モード3に切替わる燃焼器制御温度T2(燃料分配関数A)がT2’(燃料分配関数B)に変更され、T2<T2’としている。また、燃焼モード3から燃焼モード4に切替わる燃焼器制御温度が燃料分配関数AではT3であるのに対し、燃料分配関数Bでは燃焼モード3の領域上限のベース運転温度Tbaseまで与え、炎の安定性が低いモード4の領域を無くしている。
【0039】
そして、ワンショットタイマー40は切り替え指令ASが出てから所定の時間になると出力を復帰させ、この結果切り替えスイッチ21、22、23を元の関数発生器18A側に切り替えて以前の配分燃料制御信号(FREF1A、FREF2A、FREF3A)を出力する。
【0040】
このように、系統周波数の変動時あらかじめワンショットタイマー40によって定めた必要最小限の時間のみ燃焼モードの領域を変更することにより、炎の安定性の高い燃焼モード領域を広く与え、周波数変動時の不安定な運転状態における燃焼器の失火や異常燃焼を回避することが可能になる。そして、系統周波数が安定した頃に元の燃料分配関数Aで定めた燃料配分割合による燃焼に戻すので、窒素酸化物(NOx)を低く抑えた運転を行なうことができる。
【0041】
(第3の実施の形態)
図4は本発明の第3の実施の形態に係わるガスタービン制御装置の燃料制御ブロック図である。
本実施の形態と第1の実施の形態との相違点は、関数発生器18Bを関数発生器18Cに置換したことにあり、他は同じ構成であるので説明を省略する。
【0042】
図5は本実施の形態で新たに設けた関数発生器18Cの燃料配分関数Cを示す図である。この関数発生器18Cには、系統周波数に異常が発生した場合の燃焼器制御温度TITREF(T1、T2、T3)に応じた燃焼モード1〜4があらかじめ設定してある。
【0043】
系統異常検出器20が動作して、切り替え信号ASが分配燃料制御信号切り替えスイッチ21、22、23に入力されると、関数発生器18Aが出力する燃料配分割合(FREF1A、FREF2A、FREF3A)から燃料分配関数Cに基づく関数発生器18Cが出力する燃料配分割合(FREF1C、FREF2C、FREF3C)に切替わる。
【0044】
燃料分配関数Cの燃焼モード1〜4は、燃焼器2の燃焼モードをより安定な状態となるように燃料配分が設定されている。すなわち、燃焼器制御温度TITREFが高いT3〜ベース運転時温度Tbaseのモード4においても、拡散燃料信号FREF1の燃料配分割合を50%以上の値とし、第1予混合燃料信号FREF2と第2予混合燃料信号FREF3の配分割合を低くする。
【0045】
この結果、本実施の形態は、系統周波数の変動時でも第1の実施の形態に比べて、燃焼器2の炎の安定性が高くなり、周波数変動時の不安定な運転状態における燃焼器の失火や異常燃焼を回避することが可能となる。
【0046】
(第4の実施の形態)
図6は本発明の第4の実施の形態に係わるガスタービン制御装置の燃料制御ブロック図である。
本実施の形態は、前述した第3の実施の形態における系統異常検出器20の出力を、第2の実施の形態同様ワンショットタイマー40を経て分配燃料制御信号切り替えスイッチ21、22、23に出力するようにしたことを特徴とするものであり、その他の構成は第3の実施の形態の場合と同じであるので、説明を省略する。
【0047】
本実施の形態の場合、第3の実施の形態同様、電力系統周波数に異常が発生した場合、系統異常検出器20が動作して、切り替え信号ASがタイマー40を経て分配燃料制御信号切り替えスイッチ21、22、23に入力される。これにより燃料分配関数Aに基づく関数発生器18Aの出力が、燃料分配関数Cに基づく関数発生器18Cの出力する燃料配分割合(FREF1C、FREF2C、FREF3C)に切替わる。燃焼モード1〜4は燃焼器の燃焼モードをより安定な状態となるように燃料配分が設定されている。すなわち、燃焼器制御温度TITREFが高いT3〜ベース運転時温度Tbaseの運転モード4においても、拡散燃料信号FREF1の燃料配分割合を50%以上の値とし、第1予混合信号FREF2と第2予混合燃料信号FREF3の配分割合を低くする。
【0048】
本実施の形態では、第2の実施の形態同様、ワンショットタイマー40により燃料分配関数の切り替え時間を予め定めることにより、系統周波数の変動時は、燃焼器の炎の安定性が高くすることにより、周波数変動時の不安定な運転状態における燃焼器の失火や異常燃焼を回避する。そして、あらかじめ想定した時間が経過し系統周波数が安定するようになると、もとの窒素酸化物(NOx)を低減した燃焼を行なわせることができる。
【0049】
(第5の実施の形態)
図7は本発明の第5の実施の形態に係わるガスタービン制御装置の燃料制御ブロック図である。
本実施の形態は、第1の実施の形態における関数発生器18Bを関数発生器18Dに置換したもので、この関数発生器18Dには前記燃焼器制御温度TITREFは入力されない構成となっている。その他の構成は第1の実施の形態の場合と同じであるので、その部分の説明は省略する。
【0050】
新たに設けた関数発生器18Dは、燃料流量制御算出器17から出力されるトータルの燃料流量制御信号FREFを入力し、この入力信号を燃料分配関数Dに基づき、各燃料系統への配分燃料制御信号FREF1D(拡散燃料信号)、FREF2D(第1予混合燃料信号)、FREF3D(第2予混合燃料信号)として出力する。
【0051】
図8に示す燃料配分関数Dは、系統周波数が異常の場合の燃焼器制御温度TITREF(T1、T2、T3)による制御を除外し、あらかじめ拡散燃料信号FREF1:100%、第1予混合信号FREF2:0%、第2予混合燃料信号FREF3:0%の燃料分配関数が定められている。
【0052】
すなわち、系統異常検出部20が系統周波数の異常を検出した場合には、燃焼器制御温度に拘わらず、拡散燃料信号FREF1の燃料割合を一定(100%)に固定することにより、燃焼器の炎の安定性が高い状態での運転を行うようにしたものである。
この結果、窒素酸化物の量は増えるものの周波数変動時の不安定な運転状態における燃焼器の失火や異常燃焼を回避することが可能となる。
【0053】
(第6の実施の形態)
図9は本発明の第6の実施の形態に係わるガスタービン制御装置の燃料制御ブロック図である。
本実施の形態は、第5の実施の形態に対して系統異常検出器20の切り替え出力ASを第2、第4の実施の形態と同様にワンショットタイマー40を介して分配燃料制御信号切り替えスイッチ部21、22、23に入力するように構成したことを特徴とするものである。
【0054】
系統周波数の異常により、系統異常検出器20が動作すると、切り替え信号ASはワンショットタイマー40を経由して分配燃料制御信号切り替えスイッチ21、22、23に入力される。このワンショットタイマー40の復帰時限は系統周波数が回復すると想定される必要な時間分だけあらかじめ設定されている。
【0055】
異常信号ASが発生した場合、今まで出力されていた燃料配分割合(FREF1A、FREF2A、FREF3A)から、ワンショットタイマー40を介して燃料分配関数Dに基づく関数発生器18Dの出力する燃料配分割合(FREF1D、FREF2D、FREF3D)に切替わる。すなわち、異常を検出した場合には、ワンショットタイマー40であらかじめ定められた時間において、燃焼器制御温度に拘わらず、拡散燃料信号FREF1の燃料割合を一定(100%)に固定することにより、燃焼器の炎の安定性が高い状態での運転を行ない、周波数変動時の不安定な運転状態における燃焼器の失火や異常燃焼を回避するとともに、ワンショットタイマー40の復帰後すなわち系統周波数の安定した頃になると、もとの低NOxの運転を行なうことができる。
【0056】
(第7の実施の形態)
図10は本発明の第7の実施の形態に係わるガスタービン発電プラントの構成図であり、図11は本実施の形態に係わるガスタービン制御装置の燃料制御ブロック図である。図10と従来図(図16)との相違点は、ガスタービン7の入口に設けられた燃焼ガス温度検出器25から得た燃焼ガス温度TX2を燃料制御装置10’に入力するようにした点である。
【0057】
図11において、本実施の形態の燃料制御装置10’は、前記燃料流量制御算出器17、関数発生器18A,18Bから構成され、そして、関数発生器18A、18Bを燃焼器制御温度TITREFに応じた燃焼モードにより燃料信号(FREF1A、FREF2A、FREF3A)、(FREF1B、FREF2B、FREF3B)を出力する。なお、前記燃焼器制御温度TITREFは、タービン入口に設けられた燃焼ガス温度検出器25から得た燃焼ガス温度TX2により直接測定検出した値を用いる。
【0058】
ガスタービンの起動から全負荷まで燃焼器の燃焼状態を安定に保つために、燃焼器制御温度TITREFに応じた燃焼モード1〜4があり、各々のモードにおける燃料配分割合(FREF1、FREF2、FREF3)が燃焼器制御温度に応じて切り替わるようにしている。
【0059】
また、系統周波数の異常検出するための系統異常検出器20を設け、切り替え信号ASを分配燃料制御信号切り替えスイッチ21、22、23へ入力される構成とする。図2で示した燃料配分関数Bは、系統周波数が異常の場合の燃焼器制御温度TITREF(T1’、T2’、T3’)に応じた燃焼モード1〜3があらかじめ設定されている。系統異常検出器20からの異常信号ASを受けた場合には、燃料分配関数Bに基づく関数発生器18Bの出力する燃料配分割合(FREF1B、FREF2B、FREF3B)に切り替わる。
【0060】
ここで、燃焼器ガス温度TX2を直接検出し、燃焼器制御温度として入力することにより、図1に示した燃焼器制御温度算出器19を必要としないため、関数発生器18A、18B内での燃料配分割合算出に生じる時間遅れを低減することが可能となる。これは、特にガスタービン負荷が系統周波数変動異常により急激に低減しなければならない場合において、関数発生器18A、18B、燃焼器制御温度計算による時間遅れを低減することが可能となり、制御の時間遅れに伴う拡散燃料FREF1の増加遅れを低減することが可能となり、燃焼器の失火や異常燃焼を回避することが可能となる。
【0061】
(第8の実施の形態)
図12はガスタービン発電プラントの構成図であり、図13は本発明の第8の実施の形態に係わるガスタービン制御装置の燃料制御ブロック図である。
図12において、図16との違いは空気圧縮機の出口に設けられた圧縮機吐出空気温度検出器24により得た圧縮機吐出空気温度TX3を燃料制御装置10’に入力し、燃焼器制御温度TITREFの算出に用いるようにしたことにある。
【0062】
すなわち、燃焼器制御温度TITREFは、入口空気圧力検出器103から得た圧縮機入口空気圧力PX1により算出される圧縮機空気流量と、空気圧縮機2の出口に設けられた圧縮機吐出空気温度検出器24により得た圧縮機吐出空気温度TX3と、燃料流量制御算出器17で出力される燃料流量制御信号FREFにより算出される燃焼器制御温度を用いる。
【0063】
ガスタービンの起動から全負荷まで燃焼器の燃焼状態を安定に保つために、燃料分配関数Aは、燃焼器制御温度TITREFに応じた燃焼モード1〜4を有し、各々のモードにおける燃料配分割合(FREF1、FREF2、FREF3)が燃焼器制御温度に応じて切替わるようにしている。
【0064】
また、系統周波数の異常検出するための系統異常検出器20を設け、切り替え信号ASを分配燃料制御信号切り替えスイッチ21、22、23へ入力される構成とする。図2に示す燃料配分関数Bは、系統周波数が異常の場合の燃焼器制御温度TITREF(T1’、T2’、T3’)に応じた燃焼モード1〜3があらかじめ設定されている。系統異常検出器20からの切り替え信号ASを受けた場合には、燃料分配関数Bに基づく関数発生器18Bの出力する燃料配分割合(FREF1B、FREF2B、FREF3B)に切り替わる。
【0065】
ここで、燃焼器制御温度TITREFの算出は時間遅れの少ない圧縮機空気流量と、圧縮機吐出空気温度と、燃料流量とにより算出されるため、燃焼器制御温度の算出器19や、関数発生器18A、18B内での燃料配分割合算出に生じる時間遅れを低減することが可能となる。
【0066】
本実施の形態は、特にガスタービン負荷が系統周波数変動異常により急激に低減しなければならない場合において、圧縮機空気流量と圧縮機吐出空気温度と燃料流量とを検出して燃焼器制御温度を算出すrので、燃焼器制御温度計算による時間遅れを低減することができ、時間遅れに伴う拡散燃料FREF1の増加遅れを低減することが可能となるため、燃焼器の失火や異常燃焼を回避することが可能となる。
【0067】
(第9の実施の形態)
図14は本発明の第9の実施の形態に係わるガスタービン制御装置の燃料制御ブロック図であり、図15はガスタービンの負荷とガスタービン燃料流量との関係を示す図である。
【0068】
図14において、本実施の形態と第1の実施の形態との相違点は、前記分配燃料制御信号切り替えスイッチ部21、22、23に入力する切り替え指令ASを前記系統異常検出器20の出力および負荷遮断に起因して出力される負荷降下指令PD26のオア条件成立時に切り替え指令を出力するように構成したものであり、その他の点については図1と同じなので説明は省略する。
【0069】
図15で示すように、ガスタービンプラントは、ガスタービン負荷が定格点から負荷下げ状態となる非定常状態では、燃料流量が絞り勝手となり、逆に負荷上昇の非定常状態においては、燃料流量が過剰勝手になることが一般的である。このため、電力系統が正常に運用される範囲を逸脱するような系統周波数変動が生じ、ガスタービン出力を急激に減少させる制御過程すなわち、燃料流量を急に絞る過程においては前述の負荷下げ状態同様に、燃料流量が絞り勝手となり、これに伴う燃焼器の失火や異常燃焼の発生が懸念される。
【0070】
このため、本実施の形態では、系統周波数変動が生じたこと、あるいはガスタービン出力を急激に減少させる制御指令すなわち負荷降下指令PDが出されたことのオア条件成立時に、燃料配分関数Aから燃料配分関数Bに切り替えるように構成した。なお、27はオア回路である。負荷降下指令PDの出力時点の方が、系統異常検出器20の動作時点よりもかなり速いので、系統周波数が変動し、系統異常検出器20が動作する以前に負荷降下指令PDの出力によって、すばやく分配燃料関数発生器を18Aから18Bに切り替えることができる。
【0071】
関数発生器18Bは既に説明したように、燃焼器制御温度TITREFの高温域において、第2予混合燃料信号FREF3の配分割合が高く、炎の安定性が低いモード4の領域を無くし、炎の安定性の高い燃焼モード2、3の領域を広く与えるので、燃料流量を急に絞る過程において、燃料流量が絞り勝手になることに伴う燃焼器の失火や異常燃焼の発生を回避することができる。
なお、関数発生器の切り替え時の信頼性を高めるためには、系統異常検出器20の動作出力および負荷降下指令PD26のアンド条件をとるようにしても良い。
【0072】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば系統周波数が負荷の脱落などにより、系統周波数が通常の運転周波数から短時間で大幅に変動した場合は、燃焼器の燃料分配をより燃焼が安定する燃料分配に切り替えることにより、安定した燃焼状態を保持し、燃焼器失火によるガスタービントリップや異常燃焼を防止することのできるガスタービン制御方法及び装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係わるガスタービン制御装置の燃料制御ブロック図。
【図2】関数発生器18Bの燃料配分関数Bを示す図。
【図3】第2の実施の形態に係わるガスタービン制御装置の燃料制御ブロック図。
【図4】第3の実施の形態に係わるガスタービン制御装置の燃料制御ブロック図。
【図5】関数発生器18Cの燃料配分関数Cを示す図。
【図6】第4の実施の形態に係わるガスタービン制御装置の燃料制御ブロック図。
【図7】第5の実施の形態に係わるガスタービン制御装置の燃料制御ブロック図。
【図8】関数発生器18Dの燃料配分関数Dを示す図。
【図9】第6の実施の形態に係わるガスタービン制御装置の燃料制御ブロック図。
【図10】第7の実施の形態に係わるガスタービン発電プラントの構成図。
【図11】第7の実施の形態に係わるガスタービン制御装置の燃料制御ブロック図。
【図12】第8の実施の形態に係わるガスタービン発電プラントの構成図。
【図13】第8の実施の形態に係わるガスタービン制御装置の燃料制御ブロック図。
【図14】第9の実施の形態に係わるガスタービン制御装置の燃料制御ブロック図。
【図15】ガスタービンの負荷とガスタービン燃料流量との関係を示す図。
【図16】ガスタービン発電プラントの構成図。
【図17】従来の燃料制御ブロック図。
【図18】関数発生器18、18Aの燃料配分関数Aを示す図。
【符号の説明】
1…入口空気案内翼、2…空気圧縮機、3…空気流路、4…燃焼器、5−1…燃料制御弁、5−2…燃料制御弁、5−3…燃料制御弁、6−1…燃料バーナー、6−2…燃料バーナー、6−3…燃料バーナー、7…ガスタービン、8…ガスタービン軸、9…発電機、10…ガスタービン制御装置、11…軸端歯車、12…速度検出器、13…圧縮機吐出空気圧力検出器、14…排ガス温度検出器、15…発電機出力検出器、17…燃料流量制御算出器、18A…関数発生器、18B…関数発生器、18C…関数発生器、18D…関数発生器、19…燃焼器制御温度算出器、20…系統異常検出器、21…分配燃料制御信号切り替えスイッチ部、22…分配燃料制御信号切り替えスイッチ部、23…分配燃料制御信号切り替えスイッチ部、24…圧縮機吐出空気温度検出器、25…燃焼ガス温度検出器、26…負荷降下指令、27…オア回路、40…ワンショットタイマー、100…ガスタービン設備、103…入口空気圧力検出器。
Claims (11)
- 空気圧縮機、複数の燃料系統から燃料を投入し、これを前記圧縮機からの吐出空気と混合して燃焼させる燃焼器およびこの燃焼器からの燃焼ガスを受け入れ前記圧縮機と発電機とを駆動するガスタービン本体とから構成されたガスタービンと、
このガスタービンの運転状態諸量から算出した燃焼器制御温度に対応した燃焼モードになるように前記複数の燃料系統に分配燃料信号を出力する燃料制御装置と、
を備え、この燃料制御装置により燃焼器の燃焼状態を制御するガスタービン制御方法において、
ガスタービンの運転状態諸量から算出したトータルの燃料流量制御信号を前記燃焼器制御温度に応じて前記複数の燃料系統に配分する燃料分配関数を複数種類用意し、
電力系統周波数の過渡的変動時、前記燃料分配関数を切り替えて燃焼モードをより安定な燃焼モードに切り替えることを特徴とするガスタービン制御方法。 - 空気圧縮機、複数の燃料系統から燃料を投入し、これを前記圧縮機からの吐出空気と混合して燃焼させる燃焼器およびこの燃焼器からの燃焼ガスを受け入れ前記圧縮機と発電機とを駆動するガスタービン本体とから構成されたガスタービンと、
このガスタービンの運転状態諸量から算出した燃焼器制御温度に対応した燃焼モードになるように前記複数の燃料系統に分配燃料信号を出力する燃料制御装置と、
を備えたガスタービン制御装置において、
ガスタービンの運転状態諸量から算出したトータルの燃料流量制御信号を前記燃焼器制御温度に応じて前記複数の燃料系統に配分する燃料分配関数をそれぞれ有する分配燃料関数発生器を複数種類備えた分配燃料関数発生部と、
電力系統周波数が予定の範囲から逸脱したときあるいは逸脱することが推定されるとき、動作して切り替え信号を出力する系統異常検出手段と、
この系統異常検出手段の切り替え信号により、前記分配燃料関数を切り替えて燃焼モードをより安定な燃焼モードに切り替える切り替え手段と、
を備えたことを特徴とするガスタービン制御装置。 - 前記複数の燃料系統は、それぞれを拡散燃料系統および予混合燃料系統で構成し、前記分配燃料関数発生部を構成する複数種類の関数発生器は、これら拡散燃料系統および予混合燃料系統に対して異なる分配燃料制御信号を出力することを特徴とすることを特徴とする請求項2記載のガスタービン制御装置。
- 前記予混合燃料系統は、第1の予混合燃料系統と第2の予混合燃料系統とから構成したことを特徴とする請求項3記載のガスタービン制御装置。
- 前記分配燃料関数発生部は、通常運転時に選択され、燃焼器制御温度が低温域では拡散燃料信号を出力し、低温域から高温域に移行するときに拡散燃料信号の減少率が大きくかつ予混合燃料信号の増加率が大きくなるように設定し、高温域では拡散燃料信号をきわめて小さくかつ予混合燃料信号を大きく設定した第1の分配燃料関数発生器と、系統異常時に選択されて燃焼器制御温度が低温域では拡散燃料信号を出力し、低温域から高温域に移行するときに拡散燃料信号の減少率および予混合燃料信号の増加率とも前記第1の分配燃料関数発生器よりも小さく設定し、高温域では前記第1の分配燃料関数発生器よりも拡散燃料信号を大きく、かつ予混合燃料信号を小さく設定した第2の分配燃料関数発生器とから構成したことを特徴とする請求項2記載のガスタービン制御装置。
- 前記分配燃料関数発生部は、第1の分配燃料関数発生器と、前記第2の分配燃料関数発生器の代わりに設けられ、燃焼器制御温度が低温域では拡散燃料信号を出力し、低温域から高温域に移行するときに拡散燃料信号の減少率および予混合燃料信号の増加率とも前記第2の分配燃料関数発生器よりも小さく設定し、高温域では前記第2の分配燃料関数発生器よりも拡散燃料信号を大きく、かつ予混合燃料信号を小さく設定した第3の分配燃料関数発生器とから構成したことを特徴とする請求項2記載のガスタービン制御装置。
- 前記分配燃料関数発生部は、第1の分配燃料関数発生器と、前記系統異常時に選択されて燃焼器制御温度の全温度域で、拡散燃料信号のみを出力する第4の分配燃料関数発生器とから構成したことを特徴とする請求項2記載のガスタービン制御装置。
- 前記第2ないし第4の分配燃料関数発生器は、ガスタービン運転状態量として燃焼ガス温度により切り替えることを特徴とした請求項2記載のガスタービン制御装置。
- 前記燃焼器制御温度算出手段は、圧縮機空気流量、圧縮機吐出空気温度、燃料流量制御信号を入力して燃焼器制御温度を算出することを特徴とする請求項2記載のガスタービン制御装置。
- 前記系統異常検出手段の切り替え信号またはガスタービン出力を急激に減少させる制御過程で出力される負荷降下指令の少なくともいずれか一方の信号で前記分配燃料関数発生器を切り替えることを特徴とする請求項2ないし9記載のガスタービン制御装置。
- 前記系統異常検出器から出力される切り替え信号を受けてから、系統周波数が回復すると予想される時間分だけ前記燃焼モード切替装置による安定燃焼モード選択の動作を行うことを特徴とする請求項2ないし9記載のガスタービン制御装置。
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JP2006057607A (ja) * | 2004-08-24 | 2006-03-02 | Hitachi Ltd | 高湿分ガスタービン発電プラントの制御装置 |
JP2009024669A (ja) * | 2007-07-23 | 2009-02-05 | General Electric Co <Ge> | ガスタービンエンジン燃焼器のミキサ組立体への燃料流量を能動的に制御するための装置 |
JP2012092681A (ja) * | 2010-10-25 | 2012-05-17 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | ガスタービンの制御装置、ガスタービン、及びガスタービンの制御方法 |
JP2013096303A (ja) * | 2011-10-31 | 2013-05-20 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | ガスタービン及びガスタービンの燃焼制御方法 |
-
2003
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