JP2004211475A - 軟弱地盤用生分解繊維シート及びそれを用いた軟弱地盤工事方法 - Google Patents
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Abstract
【構成】本発明に係る軟弱地盤用生分解繊維シート1は、複数の縦糸2を縦糸配置平面内にて直線状に平行配置するとともに、複数の横糸3を縦糸配置平面の一方の側と他方の側に交互にかつ縦糸2と直交するように直線状に平行配置してある。一方、軟弱地盤用生分解繊維シート1は、絡み糸4aを、横糸3aの外側を通って縦糸配置平面の一方の側から他方の側に抜け、該他方の側に配置された横糸3aの外側を通って縦糸配置平面の他方の側から一方の側に抜けて再び一方の側に配置された横糸3aの外側を通るように複数の横糸3aに順次絡ませてなる。絡み糸4bについても、同様にして複数の横糸3bに順次絡ませてなる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軟弱地盤において盛土等の土木工事を行う際に用いる軟弱地盤用生分解繊維シート及びそれを用いた軟弱地盤工事方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
軟弱地盤において盛土等の土木工事を行う際は、地盤が軟弱なため、何らの対策も施さないと、重機がその自重で地盤に沈み込み、走行することができなくなる。したがって、軟弱地盤上での土木工事においては、重機の走行性、すなわちトラフィカビリティを確保することが重要となる。
【0003】
従来、かかるトラフィカビリティーを確保する手段として、あらかじめ軟弱地盤の表面に織布、不織布などのシート類又は樹脂ネット、ポリマーグリッドなどの敷網類を敷設していた。
【0004】
一方、最近では、土中菌で自然に分解される生分解性素材の研究・開発が行われており、かかる生分解性素材で生分解繊維シートを製造し、これを上述したトラフィカビリティー確保のためのシートとして使用するようにすれば、土木工事が終了してからも、該シートは地盤内で自然に分解し、かくして、シートを撤去する必要がなくなり、工事の効率を落とさずに環境面に配慮することが可能となる。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−31958号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2001―123427号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、市販されている生分解繊維でシートを製造し、該シートを用いて土木工事を行うとすれば、まず、製造された生分解繊維シートを軟弱地盤の上に敷設し、次いで、その上に数十cm程度の厚さの覆土を施した状態でブルドーザ等の重機を走行させることになるが、3t級の一般的なブルドーザを走行させると、該生分解繊維シートには30%を超える伸びが生じることがわかった。
【0008】
そのため、かかる生分解繊維シートでは、重機走行時の伸びが大きすぎて、シートを敷設しない場合と大差ない状態となり、軟弱地盤上における所望のトラフィカビリティを確保することができず、結局、生分解繊維シートを軟弱地盤用の土木シートとして使用することができないという問題を生じていた。
【0009】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、軟弱地盤においてトラフィカビリティを確保することが可能な軟弱地盤用生分解繊維シート及びそれを用いた軟弱地盤工事方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る軟弱地盤用生分解繊維シートは請求項1に記載したように、所定の生分解繊維で形成されてなる生分解繊維シートであって、前記生分解繊維からなる複数の縦糸を縦糸配置平面内にて直線状に平行配置するとともに前記生分解性繊維からなる複数の横糸を前記縦糸配置平面の一方の側と他方の側に交互にかつ前記縦糸と直交するように直線状に平行配置し、前記生分解繊維からなる絡み糸を、前記横糸の外側を通って前記縦糸配置平面の一方の側から他方の側に抜け、該他方の側に配置された前記横糸の外側を通って前記縦糸配置平面の他方の側から一方の側に抜けて再び前記一方の側に配置された前記横糸の外側を通るように前記複数の横糸に順次絡ませてなるものである。
【0011】
また、本発明に係る軟弱地盤用生分解繊維シートを用いた軟弱地盤工事方法は請求項2に記載したように、所定の生分解繊維で形成されてなる生分解繊維シートであって、前記生分解繊維からなる複数の縦糸を縦糸配置平面内にて直線状に平行配置するとともに前記生分解性繊維からなる複数の横糸を前記縦糸配置平面の一方の側と他方の側に交互にかつ前記縦糸と直交するように直線状に平行配置し、前記生分解繊維からなる絡み糸を、前記横糸の外側を通って前記縦糸配置平面の一方の側から他方の側に抜け、該他方の側に配置された前記横糸の外側を通って前記縦糸配置平面の他方の側から一方の側に抜けて再び前記一方の側に配置された前記横糸の外側を通るように前記複数の横糸に順次絡ませて構成した軟弱地盤用生分解繊維シートを軟弱地盤上に敷設し、前記軟弱地盤用生分解繊維シート又は該軟弱地盤用生分解繊維シート上に設けられた保護層の上で重機を走行させながら所定の土木工事を行うものである。
【0012】
平織、綾織、朱子織といった従来の織り構造は、縦糸及び横糸を互いに絡み合わせる織り構造であったため、縦糸及び横糸の少なくともいずれかは、他方と絡む箇所で必ず湾曲箇所が生じる。
【0013】
そのため、軟弱地盤上での重機走行を想定した引張力が作用すると、この湾曲箇所が伸びてまっすぐになり、伸度は30%を超えることになるとともに、それに伴って糸と糸の間に隙間があく、いわゆる目ずれが生じ、当初の織り構造が維持できない状態となり、その結果、重機走行におけるトラフィカビリティーを確保することができないことがわかった。
【0014】
本出願人らは、従来技術における課題がこのような織り構造に起因することに着眼し、引張力が作用しても、強力(引張力によって糸が切断するときの強度)を低下させることなく、伸度を大幅に低減できる織り構造の開発及びその織り構造で軟弱地盤用生分解繊維シートを製造し、該シートの伸びを所望の伸度に抑えることに成功した。
【0015】
すなわち、本発明に係る軟弱地盤用生分解繊維シート及びそれを用いた軟弱地盤工事方法においては、複数の縦糸を縦糸配置平面内にて直線状に平行配置するとともに、複数の横糸を縦糸配置平面の一方の側と他方の側に交互にかつ縦糸と直交するように直線状に平行配置してある。
【0016】
すなわち、本発明に係る軟弱地盤用生分解繊維シートは、縦糸及び横糸が互いに絡まない織り構造となっており、従来の織り構造のように湾曲箇所が生じない。そのため、引張力が作用しても、縦糸及び横糸は当初の直線状を保持したまま、引張力に抵抗する。
【0017】
したがって、本発明に係る軟弱地盤用生分解繊維シートは、引張力に対する伸度が大幅に抑制されるとともに、引張力に対しても縦糸及び横糸がしっかりとこれに抵抗するので、強度の面でも従来の織り構造より劣ることはない。
【0018】
また、本発明に係る軟弱地盤用生分解繊維シートは、生分解繊維からなる絡み糸を、横糸の外側を通って縦糸配置平面の一方の側から他方の側に抜け、該他方の側に配置された横糸の外側を通って縦糸配置平面の他方の側から一方の側に抜けて再び一方の側に配置された横糸の外側を通るように複数の横糸に順次絡ませてなり、縦糸及び横糸は、かかる絡み糸を別途用いることで互いに連結され、間接的に一体化される。
【0019】
すなわち、横糸は、縦糸配置平面の一方の側と他方の側とに交互に、言い換えれば、縦糸配置平面の表側と裏側に千鳥状になるように交互に直交配置してあるので、かかる横糸を縦糸に固定させるべく、絡み糸を縦糸配置平面の一方の側から他方の側に通し、該他方の側の横糸の外側に通した上、今度は縦糸配置平面の他方の側から一方の側に通し、該一方の側の横糸の外側に通し、以下、順次、同様にして横糸に絡ませてある。
【0020】
このようにすると、絡み糸によって横糸が縦糸にしっかりと連結されることとなる。
【0021】
このように本発明に係る軟弱地盤用生分解繊維シートは、引張力を負担する縦糸及び横糸と、それら縦糸及び横糸を相互に連結して一体化させる絡み糸とを別々に設けるとともに、かかる織り構造で構成されたことを特徴とするものであって、強力が低下することなく、伸度が抑制されることとなり、かくして重機走行時の引張力に耐えながら、そのトラフィカビリティーを十分に確保することが可能となる。
【0022】
また、本発明に係る軟弱地盤用生分解繊維シートは、工事終了後、土中の微生物によって徐々に分解され、いずれは無害な二酸化炭素と水に分解される。したがって、自然環境に悪影響を与えず、なおかつ工事の施工効率の低下を未然に防止することが可能となる。
【0023】
本発明に係る軟弱地盤用生分解繊維シートを用いて軟弱地盤工事を行うにあたっては、まず、本発明に係る軟弱地盤用生分解繊維シートを軟弱地盤上に敷設する。
【0024】
次に、必要に応じ、覆砂等によって軟弱地盤用生分解繊維シート上に予め保護層を設ける。このようにすれば、重機走行による軟弱地盤用生分解繊維シートの破損を防止することができる。
【0025】
次に、軟弱地盤用生分解繊維シート又は該軟弱地盤用生分解繊維シートの上に設けられた保護層の上で重機を走行させ、所定の土木工事を行う。
【0026】
このようにすると、軟弱地盤用生分解繊維シートは、その伸度が抑制された状態で重機走行に起因する引張力に抵抗する。
【0027】
そのため、重機は、軟弱地盤上を直接走行する場合と異なり、その上に敷設された軟弱地盤用生分解繊維シートの引張力によって荷重が支持され、自重で沈み込んだり、それが原因で走行できなくなったりといった事態が未然に防止される。
【0028】
縦糸及び横糸並びに絡み糸を生分解性繊維でどのように構成するかは任意であり、例えば、それぞれ単体の生分解性繊維で構成する、生分解性繊維を撚り合わせて構成する、生分解性繊維を数本揃えて構成するといった構成の仕方が考えられる。
【0029】
また、横糸は、必ずしも一本ずつ縦糸配置平面の一方の側と他方の側に交互に配置することに限定されるものではなく、数本ずつ交互に配置してもかまわない。その場合、横糸の本数と同じ本数の絡み糸を各横糸に絡ませる、例えば、2本の横糸を一組として縦糸配置平面の一方の側と他方の側に交互に配置する場合、2本の横糸のうち、第1の横糸に第1の絡み糸を絡ませ、第2の横糸に第2の絡み糸を絡ませるようにする。
【0030】
生分解性繊維は、生分解性素材で構成されているのであればどのようなものを用いるかは任意であり、例えば、トウモロコシなどの植物資源を原料とした合成繊維からなるポリ乳酸繊維を用いることが考えられる。かかる生分解性繊維は、すでに市販されているので、これらから適宜選択すればよく、例えば、ユニチカファイバー株式会社から「テラマック」の商品名で市販されているものを用いることが可能である。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る軟弱地盤用生分解繊維シート及びそれを用いた軟弱地盤工事方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0032】
図1は、本実施形態に係る軟弱地盤用生分解繊維シートを示した全体斜視図及び断面図である。これらの図でわかるように、本実施形態に係る軟弱地盤用生分解繊維シート1は、複数の縦糸2を縦糸配置平面内にて直線状に平行配置するとともに、複数の横糸3を縦糸配置平面の一方の側と他方の側に交互にかつ縦糸2と直交するように直線状に平行配置してある。なお、横糸3は、互いに隣接配置された2本の横糸3a及び横糸3bを一組として構成してなる。
【0033】
一方、軟弱地盤用生分解繊維シート1は、絡み糸4aを、横糸3aの外側を通って縦糸配置平面の一方の側から他方の側(表側から裏側)に抜け、該他方の側に配置された横糸3aの外側を通って縦糸配置平面の他方の側から一方の側(裏側から表側)に抜けて再び一方の側に配置された横糸3aの外側を通るように複数の横糸3aに順次絡ませてなる。同様に、軟弱地盤用生分解繊維シート1は、絡み糸4bを、横糸3bの外側を通って縦糸配置平面の一方の側から他方の側(表側から裏側)に抜け、該他方の側に配置された横糸3bの外側を通って縦糸配置平面の他方の側から一方の側(裏側から表側)に抜けて再び一方の側に配置された横糸3bの外側を通るように複数の横糸3bに順次絡ませてなる。
【0034】
縦糸2,横糸3a,3b及び絡み糸4a,4bは、生分解繊維から構成してある。かかる生分解性繊維は、例えば、ユニチカファイバー株式会社から「テラマック」の商品名で市販されているものを用いることが可能である。
【0035】
本実施形態に係る軟弱地盤用生分解繊維シート1においては、上述したように縦糸2及び横糸3a,3bが互いに絡まない織り構造となっており、従来の織り構造のように湾曲箇所が生じない。そのため、引張力が作用しても、縦糸2及び横糸3a,3bは当初の直線状を保持したまま、引張力に抵抗する。
【0036】
一方、軟弱地盤用生分解繊維シート1は、生分解繊維からなる絡み糸4a,4bを、横糸3a,3bの外側を通って縦糸配置平面の一方の側から他方の側に抜け、該他方の側に配置された横糸3a,3bの外側を通って縦糸配置平面の他方の側から一方の側に抜けて再び一方の側に配置された横糸3a,3bの外側を通るように複数の横糸3a,3bに順次絡ませてあるので、縦糸2及び横糸3a,3bは、かかる絡み糸4a,4bを別途用いることで互いに連結され、間接的に一体化される。
【0037】
すなわち、横糸3は、縦糸配置平面の一方の側と他方の側とに交互に、言い換えれば、縦糸配置平面の表側と裏側に千鳥状になるように交互に直交配置してあるので、かかる横糸3を縦糸2に固定させるべく、絡み糸4a,4bを縦糸配置平面の一方の側から他方の側に通し、該他方の側の横糸3a,3bの外側に通した上、今度は縦糸配置平面の他方の側から一方の側に通し、該一方の側の横糸3a,3bの外側に通し、以下、順次、同様にして横糸3a,3bに絡ませてある。
【0038】
そのため、絡み糸4a,4bによって横糸3a,3bが縦糸2にしっかりと連結される。
【0039】
本実施形態に係る軟弱地盤用生分解繊維シート1を用いて軟弱地盤工事を行うにあたっては、まず、軟弱地盤用生分解繊維シート1を軟弱地盤の上に敷設する。
【0040】
軟弱地盤用生分解繊維シート1を敷設するにあたっては、上述した生分解性繊維からなる紐を使って、隣接する軟弱地盤用生分解繊維シート1,1の縁部同士をつなぐようにするのが望ましい。
【0041】
次に、軟弱地盤用生分解繊維シート1上に数十cm程度の厚みの覆砂を施して保護層とする。このようにすれば、重機走行による軟弱地盤用生分解繊維シートの破損を防止することができる。
【0042】
次に、軟弱地盤用生分解繊維シート1上に設けられた保護層の上でブルドーザ等の重機を走行させながら、盛土工事、地盤改良工事といった所定の土木工事を行う。
【0043】
このようにすると、軟弱地盤用生分解繊維シート1は、伸度が抑制された状態で重機走行に起因する引張力に抵抗し、重機走行による荷重を支持する。
【0044】
以上説明したように、本実施形態に係る軟弱地盤用生分解繊維シート1及びそれを用いた軟弱地盤工事方法によれば、軟弱地盤用生分解繊維シート1の引張力に対する伸度が大幅に抑制されるとともに、引張力に対しても縦糸2及び横糸3a,3bがしっかりとこれに抵抗するので、強度の面でも従来の織り構造より劣ることはない。
【0045】
また、本実施形態に係る軟弱地盤用生分解繊維シート1によれば、絡み糸4a,4bによって横糸3a,3bが縦糸2にしっかりと連結されることとなる。
【0046】
このように軟弱地盤用生分解繊維シート1は、引張力を負担する縦糸2及び横糸3a,3bと、それら縦糸及び横糸を相互に連結して一体化させる絡み糸4a,4bとを別々に設けるとともに、かかる織り構造で構成されたことを特徴とするものであって、強力が低下することなく、伸度が抑制されることとなり、かくして重機走行時の引張力に耐えながら、そのトラフィカビリティーを十分に確保することが可能となる。
【0047】
また、本実施形態に係る軟弱地盤用生分解繊維シート1及びそれを用いた軟弱地盤工事方法によれば、工事終了後、土中の微生物によって徐々に分解され、いずれは無害な二酸化炭素と水に分解される。したがって、自然環境に悪影響を与えず、なおかつ工事の施工効率の低下を未然に防止することが可能となる。
【0048】
また、本実施形態に係る軟弱地盤用生分解繊維シート1を用いた軟弱地盤工事方法によれば、重機は、軟弱地盤上を直接走行する場合と異なり、その上に敷設された軟弱地盤用生分解繊維シート1の引張力によって荷重が支持されることとなり、自重で沈み込んだり、それが原因で走行できなくなったりといった事態を未然に防止することが可能となる。
【0049】
次に、本実施形態に係る軟弱地盤用生分解繊維シート1の作用を実験で確認したので、以下、その概要について説明する。
【0050】
まず、生分解性繊維としてテラマックを採用し、これを平織してなるシートの試験結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
同表でわかるように、織り構造を平織とした場合には、シート幅を1mで換算すると(同表は3cm幅)、引張強さは約33kN、伸度(伸び率)は33〜35%となり、引張強さは3t級のブルドーザに耐えられるものの、伸度が大きすぎて重機をスムーズに走行させることができないことがわかる。
【0053】
一方、本実施形態に係る軟弱地盤用生分解繊維シート1の試験結果を表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】
同表の組織欄の記載内容でわかるように、軟弱地盤用生分解繊維シート1は、太さが560デシテックスのテラマックを2本撚り合わせて縦糸とするとともに、同じ太さのテラマックを絡み糸とし、横糸についても同じ太さのテラマックを2本撚り合わせたものとし、5cm当たり、縦糸の本数が113本、絡み糸の本数が56.5本、横糸の本数が70本としてある。
【0056】
また、かかる軟弱地盤用生分解繊維シート1は、3cm幅及び5cm幅に調整したものを供試体とし、該供試体の縦方向及び横方向の強力及び切伸(切断時の伸度)を示してあり、縦方向については特に、切伸時(切断時)の伸度のみならず、337N、600N載荷時の中間伸度も併せて記載してある。
【0057】
かかる結果から、3t級のブルドーザが走行したときの引張力に概ね相当する337Nでは、伸度が2%以下に抑制されており、本実施形態に係る軟弱地盤用生分解繊維シート1が重機走行におけるトラフィカビリティーを確保するのにきわめて優れたシートであることがわかる。
【0058】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係る軟弱地盤用生分解繊維シート及びそれを用いた軟弱地盤工事方法によれば、軟弱地盤用生分解繊維シートの引張力に対する伸度が大幅に抑制されるとともに、引張力に対しても縦糸及び横糸がしっかりとこれに抵抗するので、強度の面でも従来の織り構造より劣ることはない。また、絡み糸によって横糸が縦糸にしっかりと連結されることとなる。
【0059】
このように本発明に係る軟弱地盤用生分解繊維シートによれば、引張力を負担する縦糸及び横糸と、それら縦糸及び横糸を相互に連結して一体化させる絡み糸とを別々に設けるとともに、かかる織り構造で構成されたことを特徴とするものであって、強力が低下することなく、伸度が抑制されることとなり、かくして重機走行時の引張力に耐えながら、そのトラフィカビリティーを十分に確保することが可能となる。
【0060】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る軟弱地盤用生分解繊維シートの図であり、(a)は全体斜視図、(b)は断面図。
【符号の説明】
1 軟弱地盤用生分解繊維シート
2 縦糸
3,3a,3b 横糸
4a,4b 絡み糸
Claims (2)
- 所定の生分解繊維で形成されてなる生分解繊維シートであって、前記生分解繊維からなる複数の縦糸を縦糸配置平面内にて直線状に平行配置するとともに前記生分解性繊維からなる複数の横糸を前記縦糸配置平面の一方の側と他方の側に交互にかつ前記縦糸と直交するように直線状に平行配置し、前記生分解繊維からなる絡み糸を、前記横糸の外側を通って前記縦糸配置平面の一方の側から他方の側に抜け、該他方の側に配置された前記横糸の外側を通って前記縦糸配置平面の他方の側から一方の側に抜けて再び前記一方の側に配置された前記横糸の外側を通るように前記複数の横糸に順次絡ませてなることを特徴とする軟弱地盤用生分解繊維シート。
- 所定の生分解繊維で形成されてなる生分解繊維シートであって、前記生分解繊維からなる複数の縦糸を縦糸配置平面内にて直線状に平行配置するとともに前記生分解性繊維からなる複数の横糸を前記縦糸配置平面の一方の側と他方の側に交互にかつ前記縦糸と直交するように直線状に平行配置し、前記生分解繊維からなる絡み糸を、前記横糸の外側を通って前記縦糸配置平面の一方の側から他方の側に抜け、該他方の側に配置された前記横糸の外側を通って前記縦糸配置平面の他方の側から一方の側に抜けて再び前記一方の側に配置された前記横糸の外側を通るように前記複数の横糸に順次絡ませて構成した軟弱地盤用生分解繊維シートを軟弱地盤上に敷設し、前記軟弱地盤用生分解繊維シート又は該軟弱地盤用生分解繊維シート上に設けられた保護層の上で重機を走行させながら所定の土木工事を行うことを特徴とする軟弱地盤工事方法。
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JP (1) | JP2004211475A (ja) |
-
2003
- 2003-01-08 JP JP2003001789A patent/JP2004211475A/ja active Pending
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