JP2004211432A - 再生アスファルト混合物 - Google Patents
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Abstract
【課 題】アスファルトコンクリート発生材と製銑スラグを骨材として再利用することによって、天然骨材を使用せず、安価でかつ耐久性に優れた再生アスファルト混合物を提供する。
【解決手段】溶融状態の高炉スラグを金属製鋳型に流し込んで空冷して凝固させ、厚さ10〜30mmの板状の凝固スラグとし、凝固スラグを破砕して得られた吸水率 1.5%以下の砕石状緻密スラグと、アスファルト舗装表層および基層の廃材を破砕して得られたアスファルトコンクリート再生骨材を配合して再生アスファルト混合物を製造する。
【選択図】 図1
【解決手段】溶融状態の高炉スラグを金属製鋳型に流し込んで空冷して凝固させ、厚さ10〜30mmの板状の凝固スラグとし、凝固スラグを破砕して得られた吸水率 1.5%以下の砕石状緻密スラグと、アスファルト舗装表層および基層の廃材を破砕して得られたアスファルトコンクリート再生骨材を配合して再生アスファルト混合物を製造する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アスファルト舗装表層および基層の廃材や高炉スラグの凝固物を破砕して、骨材として再利用する再生アスファルト舗装に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境の保護や天然資源の有効活用の観点から、建設工事や土木工事から発生する廃棄物のみならず、各種の産業廃棄物の再利用が積極的に進められている。道路舗装の補修工事においても、掘り返した路盤材(路盤発生材)を再生路盤材として再利用したり、切り出したアスファルト舗装表層および基層の廃材(アスファルトコンクリート発生材)を破砕,分級してアスファルトコンクリート再生骨材に加工し、再生アスファルト混合物に再利用している。
【0003】
従来からアスファルト舗装表層および基層の廃材(アスファルトコンクリート発生材)は産業廃棄物として処理されていたが、処理設備周辺の環境汚染や保管用地の不足が大きな問題となっている。そこでアスファルトコンクリート発生材を舗装材として再利用するために破砕し、骨材として配合したアスファルト混合物(以下、再生アスファルト混合物という)の使用量は年々増加している。
【0004】
一般にアスファルト舗装は、骨材とアスファルトとを混合して路面に舗装体を形成するものである。その概要を図1に示す。路床上に路盤材を敷き、その上にアスファルト混合物を表層,基層として敷設して舗装する。表層,基層は交通荷重を直接支える部分であり、アスファルト混合物中の骨材が通行車両の荷重を支持し、アスファルトが骨材を結合することによって舗装体としての形状を維持する。
【0005】
アスファルトコンクリート発生材を破砕して得られたアスファルトコンクリート再生骨材を骨材として配合した再生アスファルト混合物を施工する方法は、
(A) プラント再生舗装工法、
(B) 路上表層再生工法
の2種類に大別される。
【0006】
上記した (A)プラント再生舗装工法は、ストックヤードにアスファルトコンクリート発生材を集積した後、破砕設備で破砕,分級し、得られたアスファルトコンクリート再生骨材を骨材として再利用するものである。すなわち、このアスファルトコンクリート再生骨材と新たな骨材とを混合し、さらに新しいアスファルトを加えて加熱し、舗装工事を行なう工法である。
【0007】
また (B)路上表層再生工法は、道路補修の工事現場において、既設のアスファルト舗装表層および基層の一部または全部を切削して破砕し、切り出されたアスファルトコンクリート発生材中に不足している骨材やアスファルト等を新たに添加した後、 直ちに舗装工事を行なう工法である。
ところが上記した (A),(B) の工法は、いずれもアスファルトコンクリート発生材を破砕したアスファルトコンクリート再生骨材のみでは骨材としての強度が不足するので、施工された後の摩耗やわだち掘れが生じやすく、路面の平坦度を長時間維持することは困難である。このような耐久性の劣化は、
(a) アスファルトコンクリート再生骨材の原料となるアスファルトコンクリート発生材が、既に道路で長時間使用されたものであるから強度が低下していること、
(b) アスファルトコンクリート発生材中の骨材は、元々骨材として適正な粒度分布を有するものであるが、アスファルトコンクリート発生材を破砕することによって、アスファルトコンクリート発生材中の骨材が細粒化されること
等に起因している。そこで、従来から知られている (A),(B) の工法では、いずれも新たな骨材(たとえば天然岩石を破砕した骨材)や再生補助剤を添加して舗装体としての耐久性を確保する必要がある。
【0008】
一方、 製鉄所から大量に生じる製銑スラグや製鋼スラグを、アスファルト舗装の骨材として再利用する試みがなされている。製鋼スラグについては、その利用方法がアスファルト舗装要綱に規定されており、製鋼スラグから得られた骨材はアスファルト舗装に広く採用されている。
製銑スラグを骨材として再利用する方法としては、高炉から排出された溶融状態の高炉スラグを徐冷して凝固(以下、高炉徐冷スラグという)させた後、破砕して使用する方法が検討されている。ところが高炉徐冷スラグは、気孔率が高く、しかも耐摩耗性が低いので、アスファルト舗装の骨材として使用するのは困難である。しかも舗装工事を施工する際に、高炉徐冷スラグをアスファルトと混合して加熱する過程でSOX やH2 Sが発生する可能性がある。
【0009】
高炉徐冷スラグを骨材として再利用する技術としては、たとえば特公昭57−57561号公報には、粒径30mm以下の高炉徐冷スラグ,砂,第4級アンモニウム塩系の耐アルカリ性アスファルト乳剤を混合した舗装材が開示されている。また特公平8−30321 号公報には、最大粒径20mmの高炉徐冷スラグ,水砕スラグ,高炉徐冷スラグ微粉末,アスファルト乳剤を混合した舗装材が開示されている。
【0010】
これらの技術は、いずれもSOX やH2 Sの発生を防止するために、アスファルト乳剤を使用しているので、舗装工事のコスト上昇を招く。しかも高炉徐冷スラグのみでは骨材としての強度が不足するので、新たな骨材(たとえば天然岩石を破砕した骨材)や再生補助剤を添加して、舗装材としての耐久性を確保する必要がある。
【0011】
以上に説明したように、アスファルトコンクリート再生骨材あるいは高炉徐冷スラグを骨材として再利用する場合には、新たな骨材や再生補助剤を添加しなければならない。その結果、天然岩石を切り出すことによる環境破壊、あるいは再生アスファルト舗装材のコスト上昇を招く。
【0012】
【特許文献1】
特公昭57−57561号公報
【特許文献2】
特公平8−30321 号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような問題を解消し、アスファルト廃材と製銑スラグを骨材として再利用することによって、安価で、かつ強度,耐久性に優れた再生アスファルト舗装材を提供することを目的とする。しかも本発明では、天然骨材を使用せず、アスファルト廃材や製銑スラグを使用するので、産業廃棄物の処理に関わる環境汚染を防止し、かつ天然岩石の切り出しに関わる環境破壊を防止できる。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、溶融状態の高炉スラグを金属製鋳型に流し込んで空冷して凝固させ、厚さ10〜30mmの板状の凝固スラグとし、凝固スラグを破砕して得られた吸水率1.5%以下の砕石状緻密スラグと、アスファルト舗装表層および基層の廃材であるアスファルトコンクリート発生材を破砕して得られたアスファルトコンクリート再生骨材とアスファルトとを配合する再生アスファルト混合物である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の再生アスファルト混合物に配合する骨材を製造するにあたって、高炉から排出された溶融状態の高炉スラグを金属製鋳型に流し込む。このとき、金属製鋳型内の高炉スラグ量は、後述する板状の凝固スラグの厚さが10〜30mmとなるように調整する。
【0016】
次いで、金属製鋳型に収容した溶融状態の高炉スラグを空冷する。ここで空冷とは、大気に放熱する冷却(いわゆる放冷)あるいは送風による冷却を指す。ただし鋳型の側壁や底面の外側に冷却配管を配設して、冷却水を流通させても良い。つまり粗骨材の原料となる高炉スラグが、水と直接接触するのを防止して、冷却過程におけるH2 Sガスの発生を抑制する。
【0017】
ここで金属製鋳型を使用する理由は、溶融状態の高炉スラグを空冷する際の冷却効率を高めて、凝固に要する時間を短縮するためである。
板状に凝固した凝固スラグの厚さが10mm未満では、破砕後5mm以上の骨材の歩留りが著しく悪くなる。一方、 30mmを超えると、冷却速度が遅くなり、 高炉スラグの内部からSO2 ガスが発生して、多数の気孔が発生する。つまり厚さを10〜30mmとすることによって、緻密(気孔率5%程度)な凝固スラグが得られる。通常の高炉徐冷スラグの気孔率は20〜40%であるから、上記の方法で得られた凝固スラグは緻密で、気孔率が著しく小さいことが分かる。
【0018】
この凝固スラグを破砕して得られた砕石状のスラグ(以下、砕石状緻密スラグという)を分級して、6号砕石相当(粒径5〜13mm)の砕石状緻密スラグ,7号砕石相当(粒径 2.5〜5mm)の砕石状緻密スラグを選別する。
このようにして得られた砕石状緻密スラグの吸水率は 1.5%以下であり、平均0.8%程度である。通常の高炉徐冷スラグの吸水率は3〜4%であるから、上記の方法で得られた砕石状緻密スラグは、吸水率が著しく小さいことが分かる。本発明者らが、すりへり減量を調査したところ、砕石状緻密スラグでは15%程度であり、硬質岩石と同等の硬さが得られることが分かった。なお吸水率は、JIS規格A1110 「粗骨材の比重および吸水率試験」に準拠する方法で測定する。
【0019】
本発明の再生アスファルト舗装材は、アスファルト破砕粒と砕石状緻密スラグとを混合して骨材として使用するので、天然骨材は使用しない。アスファルト破砕粒と砕石状緻密スラグの配合比率は、再生アスファルト舗装材に要求される強度や耐久性に応じて適宜調整すれば良い。つまり、あらかじめアスファルト破砕粒を粒径5mm以上と粒径5mm未満に分級し、それらの配合比率に応じて砕石状緻密スラグの配合量を決定する。その際、6号砕石相当の砕石状緻密スラグや7号砕石相当の砕石状緻密スラグを単独で配合しても良いし、あるいは両方を配合してもよい。さらに、配合した砕石状緻密スラグに対して質量比で3〜7%程度の新しいアスファルトを配合する。新しいアスファルトの配合割合は、再生アスファルト混合物として最適なアスファルト割合となるように調整する。
【0020】
本発明の再生アスファルト混合物を用いて路面の舗装工事を行なう際には、使用する機材や手順は、従来から知られている工法が使用できる。たとえば、アスファルトフィニッシャーで排水性アスファルト混合物を敷きならした後、 マカダムローラー,タイヤローラー等で転圧して、アスファルト舗装を施工する。
以上に説明した通り、 本発明の再生アスファルト舗装材は、骨材として結晶質の砕石状緻密スラグ(吸水率 1.5%以下)を使用する。砕石状緻密スラグは、従来から知られている水砕スラグや高炉徐冷スラグとは、特性の異なるものである。つまり、ガラス質が生成しない冷却速度で急冷して結晶質とすることによって、ガラス質の水砕スラグとは特性が異なり、しかも結晶質の高炉徐冷スラグと比べると気孔の数が著しく小さくなっている。
【0021】
砕石状緻密スラグの原料となる凝固スラグは、上記した通り、溶融状態の高炉スラグを金属製鋳型で空冷したものである。冷却効率を向上するために、たとえば金属製鋳型に冷却配管を配設して冷却水を流通させることは可能であるが、高炉スラグに冷却水を噴霧する等のような高炉スラグと水とが直接接触する冷却方法は採用しない。
【0022】
その理由は、溶融状態の高炉スラグが水と接触すると、水蒸気が発生し、凝固スラグが多孔質となるのみならず、H2 Sガスも発生して環境汚染を引き起こすからである。つまり高炉スラグと水との接触を回避することによって、緻密な凝固スラグが得られ、砕石状緻密スラグの強度を高めることができる。
【0023】
【実施例】
高炉から排出された溶融状態の高炉スラグ 50tonをスラグ鍋に収容して、スラグ処理設備に運搬した。スラグ処理設備には、複数の連結された鋳鋼製鋳型を有するスラグ鋳造装置が設置されており、鋳鋼製鋳型が連続的に移動する間にスラグ鍋から高炉スラグを流し込む。 このときスラグ鍋の傾動角度を調整して、溶融状態の高炉スラグがスラグ鍋から鋳鋼製鋳型に流し込む速度を2 ton/min とした。
【0024】
鋳鋼製鋳型は各々幅2m,長さ1m,深さ15mmであり、その移動速度は、20m/min とした。こうして鋳鋼製鋳型を連続的に移動させながら、鋳鋼製鋳型内の高炉スラグを空冷して凝固させた後、鋳鋼製鋳型を反転して板状の凝固スラグを剥離,落下させた。なお、凝固スラグの厚さが約20mmになるように、鋳鋼製鋳型に流し込む高炉スラグ量を調整した。
【0025】
凝固スラグを製造することによって鋳鋼製鋳型の温度が上昇するので、凝固スラグを剥離,落下させた後、鋳鋼製鋳型に冷却水を散水した。この冷却水の使用量は、冷却水の散水から高炉スラグの流し込みの間に全て蒸発するように調整した。このようにして鋳鋼製鋳型内の高炉スラグを凝固させる段階では、高炉スラグと水とを接触させないので、H2 S等の有毒ガスは発生せず、しかも緻密な凝固スラグが得られた。
【0026】
なお凝固スラグは、鋳鋼製鋳型から落下したときの衝撃で、数十〜数百mm程度の大きさに破壊されていた。
こうして得られた板状の凝固スラグを、高温のうちにショベルで回収し、冷却ヤードへ運搬した。冷却ヤードでは、雨水等が凝固スラグに浸入しないように、防水対策を施して空冷し、常温(すなわち通常の気温)まで冷却した。
【0027】
次いで、凝固スラグをインパクトクラッシャーで破砕し、得られた砕石状緻密スラグを5〜13mmと 2.5〜5mmに分級して骨材とした。
この砕石状緻密スラグの特性、および比較のために使用した硬質砂岩の特性を表1に示す。なおアスファルトコンクリート再生骨材の粒度分布を併せて表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
表1に示す通り、砕石状緻密スラグの骨材は、硬質砂岩の骨材に比べて密度が高く、かつ吸水率が低い。
耐摩耗性の指標となるすりへり減量は同等の数値であり、砕石状緻密スラグと硬質砂岩の差異は認められない。ただし、通常の高炉徐冷スラグ(すりへり減量25〜35%)と比べると、耐摩耗性が著しく向上している。
【0030】
砕石状緻密スラグの骨材と硬質砂岩の骨材の特性が異なるのは、アスファルトとの付着性である。アスファルトの静的剥離試験を行なうと、硬質砂岩の剥離面積が15%であるのに対して、砕石状緻密スラグの剥離面積は35%である。これは砕石状緻密スラグの骨材の方がアスファルトとの付着性が劣ることを示している。しかし砕石状緻密スラグの骨材とアスファルト破砕粒の骨材とを混合して使用すると、実用上、支障なく使用できる。この点については、表3に示したデータに関連して詳細に後述する。
【0031】
表1に示した砕石状緻密スラグの骨材,硬質砂岩の骨材,アスファルト破砕粒の骨材を用いて舗装材を製造し、その特性を調査した。砕石状緻密スラグの骨材,硬質砂岩の骨材,アスファルト破砕粒の骨材の配合比率は表2に示す通りである。
【0032】
【表2】
【0033】
発明例1,2は骨材として6号砕石に相当する粒径の砕石状緻密スラグのみをアスファルトコンクリート再生骨材と配合した例、発明例3は骨材として6号砕石に相当する粒径と7号砕石に相当する粒径の砕石状緻密スラグをアスファルトコンクリート再生骨材と配合した例である。
一方、比較例1,2は骨材として6号砕石に相当する粒径の硬質砂岩のみをアスファルトコンクリート再生骨材と配合した例、比較例3は骨材として6号砕石に相当する粒径と7号砕石に相当する粒径の硬質砂岩をアスファルトコンクリート再生骨材と配合した例、比較例4は骨材として6号砕石に相当する粒径の高炉徐冷スラグのみをアスファルトコンクリート再生骨材と配合した例である。
【0034】
それぞれのアスファルト混合物の特性を評価するために、各アスファルト混合物で試験片を作成し、マーシャル安定度試験,水浸マーシャル安定度試験を以下の要領で行なった。
(1) マーシャル安定度試験
評価項目:荷重を受けたときの変形に対する抵抗(すなわち安定度)
試験方法:円柱状試験片(直径101.6mm ,高さ63.5mm)を作製し、破壊するまでの最大荷重(安定度)とそれに対応する変位(フロー値)を測定(水温60℃,30〜40分浸漬後)する。
(2) 水浸マーシャル安定度試験
評価項目:アスファルトと骨材との付着性(すなわち残留安定度)
試験方法:円柱状試験片(直径101.6mm ,高さ63.5mm)を作製し、破壊するまでの最大荷重を測定(水温60℃,48時間浸漬後)する。
【0035】
まず、アスファルトの配合量を種々変更してマーシャル安定度試験を行ない、それぞれの舗装材の最適アスファルト量を求めた。最適アスファルト量は、各舗装材の空隙率,飽和度,安定度,フロー値を測定し、全ての測定値が目標値を達成するアスファルト量を最適アスファルト配合量(OAC)とした。
次に、最適アスファルト配合量を配合したアスファルト混合物を用いて、マーシャル安定度試験と水浸マーシャル安定度試験を行なった。その結果を表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】
表3から明らかなように、発明例1〜3では、比較例1〜3に比べてアスファルトの配合量を増加することなく、安定度を高めることができた。また残留安定度についても、発明例1〜3の方が優れておいる。したがって、砕石状緻密スラグの骨材はアスファルトとの付着性が劣るものの、アスファルトコンクリート再生骨材を混合することによって、実用上、支障なく使用できることが分かる。
【0038】
一方、高炉徐冷スラグの骨材とアスファルトコンクリート再生骨材とを混合して使用した比較例4は、発明例1に比べて、アスファルトの配合量が大きく増加し、安定度は著しく低下した。つまり砕石状緻密スラグの骨材とアスファルトコンクリート再生骨材とを混合した再生アスファルト混合物を使用することによって、強度および耐久性に優れた舗装を施工できるのである。
【0039】
【発明の効果】
本発明では、天然骨材を使用せず、砕石状緻密スラグとアスファルトコンクリート再生骨材を使用するので、安価でかつ強度,耐久性に優れた舗装を施工できる。しかも産業廃棄物の処理に起因する環境汚染や天然岩石の切り出しに起因する環境破壊を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アスファルト舗装の例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 表層
2a 基層
2b 基層
3 上層路盤
4 下層路盤
5 遮断層
6 地盤
7a タックコート
7b タックコート
8 プライムコート
【発明の属する技術分野】
本発明は、アスファルト舗装表層および基層の廃材や高炉スラグの凝固物を破砕して、骨材として再利用する再生アスファルト舗装に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境の保護や天然資源の有効活用の観点から、建設工事や土木工事から発生する廃棄物のみならず、各種の産業廃棄物の再利用が積極的に進められている。道路舗装の補修工事においても、掘り返した路盤材(路盤発生材)を再生路盤材として再利用したり、切り出したアスファルト舗装表層および基層の廃材(アスファルトコンクリート発生材)を破砕,分級してアスファルトコンクリート再生骨材に加工し、再生アスファルト混合物に再利用している。
【0003】
従来からアスファルト舗装表層および基層の廃材(アスファルトコンクリート発生材)は産業廃棄物として処理されていたが、処理設備周辺の環境汚染や保管用地の不足が大きな問題となっている。そこでアスファルトコンクリート発生材を舗装材として再利用するために破砕し、骨材として配合したアスファルト混合物(以下、再生アスファルト混合物という)の使用量は年々増加している。
【0004】
一般にアスファルト舗装は、骨材とアスファルトとを混合して路面に舗装体を形成するものである。その概要を図1に示す。路床上に路盤材を敷き、その上にアスファルト混合物を表層,基層として敷設して舗装する。表層,基層は交通荷重を直接支える部分であり、アスファルト混合物中の骨材が通行車両の荷重を支持し、アスファルトが骨材を結合することによって舗装体としての形状を維持する。
【0005】
アスファルトコンクリート発生材を破砕して得られたアスファルトコンクリート再生骨材を骨材として配合した再生アスファルト混合物を施工する方法は、
(A) プラント再生舗装工法、
(B) 路上表層再生工法
の2種類に大別される。
【0006】
上記した (A)プラント再生舗装工法は、ストックヤードにアスファルトコンクリート発生材を集積した後、破砕設備で破砕,分級し、得られたアスファルトコンクリート再生骨材を骨材として再利用するものである。すなわち、このアスファルトコンクリート再生骨材と新たな骨材とを混合し、さらに新しいアスファルトを加えて加熱し、舗装工事を行なう工法である。
【0007】
また (B)路上表層再生工法は、道路補修の工事現場において、既設のアスファルト舗装表層および基層の一部または全部を切削して破砕し、切り出されたアスファルトコンクリート発生材中に不足している骨材やアスファルト等を新たに添加した後、 直ちに舗装工事を行なう工法である。
ところが上記した (A),(B) の工法は、いずれもアスファルトコンクリート発生材を破砕したアスファルトコンクリート再生骨材のみでは骨材としての強度が不足するので、施工された後の摩耗やわだち掘れが生じやすく、路面の平坦度を長時間維持することは困難である。このような耐久性の劣化は、
(a) アスファルトコンクリート再生骨材の原料となるアスファルトコンクリート発生材が、既に道路で長時間使用されたものであるから強度が低下していること、
(b) アスファルトコンクリート発生材中の骨材は、元々骨材として適正な粒度分布を有するものであるが、アスファルトコンクリート発生材を破砕することによって、アスファルトコンクリート発生材中の骨材が細粒化されること
等に起因している。そこで、従来から知られている (A),(B) の工法では、いずれも新たな骨材(たとえば天然岩石を破砕した骨材)や再生補助剤を添加して舗装体としての耐久性を確保する必要がある。
【0008】
一方、 製鉄所から大量に生じる製銑スラグや製鋼スラグを、アスファルト舗装の骨材として再利用する試みがなされている。製鋼スラグについては、その利用方法がアスファルト舗装要綱に規定されており、製鋼スラグから得られた骨材はアスファルト舗装に広く採用されている。
製銑スラグを骨材として再利用する方法としては、高炉から排出された溶融状態の高炉スラグを徐冷して凝固(以下、高炉徐冷スラグという)させた後、破砕して使用する方法が検討されている。ところが高炉徐冷スラグは、気孔率が高く、しかも耐摩耗性が低いので、アスファルト舗装の骨材として使用するのは困難である。しかも舗装工事を施工する際に、高炉徐冷スラグをアスファルトと混合して加熱する過程でSOX やH2 Sが発生する可能性がある。
【0009】
高炉徐冷スラグを骨材として再利用する技術としては、たとえば特公昭57−57561号公報には、粒径30mm以下の高炉徐冷スラグ,砂,第4級アンモニウム塩系の耐アルカリ性アスファルト乳剤を混合した舗装材が開示されている。また特公平8−30321 号公報には、最大粒径20mmの高炉徐冷スラグ,水砕スラグ,高炉徐冷スラグ微粉末,アスファルト乳剤を混合した舗装材が開示されている。
【0010】
これらの技術は、いずれもSOX やH2 Sの発生を防止するために、アスファルト乳剤を使用しているので、舗装工事のコスト上昇を招く。しかも高炉徐冷スラグのみでは骨材としての強度が不足するので、新たな骨材(たとえば天然岩石を破砕した骨材)や再生補助剤を添加して、舗装材としての耐久性を確保する必要がある。
【0011】
以上に説明したように、アスファルトコンクリート再生骨材あるいは高炉徐冷スラグを骨材として再利用する場合には、新たな骨材や再生補助剤を添加しなければならない。その結果、天然岩石を切り出すことによる環境破壊、あるいは再生アスファルト舗装材のコスト上昇を招く。
【0012】
【特許文献1】
特公昭57−57561号公報
【特許文献2】
特公平8−30321 号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような問題を解消し、アスファルト廃材と製銑スラグを骨材として再利用することによって、安価で、かつ強度,耐久性に優れた再生アスファルト舗装材を提供することを目的とする。しかも本発明では、天然骨材を使用せず、アスファルト廃材や製銑スラグを使用するので、産業廃棄物の処理に関わる環境汚染を防止し、かつ天然岩石の切り出しに関わる環境破壊を防止できる。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、溶融状態の高炉スラグを金属製鋳型に流し込んで空冷して凝固させ、厚さ10〜30mmの板状の凝固スラグとし、凝固スラグを破砕して得られた吸水率1.5%以下の砕石状緻密スラグと、アスファルト舗装表層および基層の廃材であるアスファルトコンクリート発生材を破砕して得られたアスファルトコンクリート再生骨材とアスファルトとを配合する再生アスファルト混合物である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の再生アスファルト混合物に配合する骨材を製造するにあたって、高炉から排出された溶融状態の高炉スラグを金属製鋳型に流し込む。このとき、金属製鋳型内の高炉スラグ量は、後述する板状の凝固スラグの厚さが10〜30mmとなるように調整する。
【0016】
次いで、金属製鋳型に収容した溶融状態の高炉スラグを空冷する。ここで空冷とは、大気に放熱する冷却(いわゆる放冷)あるいは送風による冷却を指す。ただし鋳型の側壁や底面の外側に冷却配管を配設して、冷却水を流通させても良い。つまり粗骨材の原料となる高炉スラグが、水と直接接触するのを防止して、冷却過程におけるH2 Sガスの発生を抑制する。
【0017】
ここで金属製鋳型を使用する理由は、溶融状態の高炉スラグを空冷する際の冷却効率を高めて、凝固に要する時間を短縮するためである。
板状に凝固した凝固スラグの厚さが10mm未満では、破砕後5mm以上の骨材の歩留りが著しく悪くなる。一方、 30mmを超えると、冷却速度が遅くなり、 高炉スラグの内部からSO2 ガスが発生して、多数の気孔が発生する。つまり厚さを10〜30mmとすることによって、緻密(気孔率5%程度)な凝固スラグが得られる。通常の高炉徐冷スラグの気孔率は20〜40%であるから、上記の方法で得られた凝固スラグは緻密で、気孔率が著しく小さいことが分かる。
【0018】
この凝固スラグを破砕して得られた砕石状のスラグ(以下、砕石状緻密スラグという)を分級して、6号砕石相当(粒径5〜13mm)の砕石状緻密スラグ,7号砕石相当(粒径 2.5〜5mm)の砕石状緻密スラグを選別する。
このようにして得られた砕石状緻密スラグの吸水率は 1.5%以下であり、平均0.8%程度である。通常の高炉徐冷スラグの吸水率は3〜4%であるから、上記の方法で得られた砕石状緻密スラグは、吸水率が著しく小さいことが分かる。本発明者らが、すりへり減量を調査したところ、砕石状緻密スラグでは15%程度であり、硬質岩石と同等の硬さが得られることが分かった。なお吸水率は、JIS規格A1110 「粗骨材の比重および吸水率試験」に準拠する方法で測定する。
【0019】
本発明の再生アスファルト舗装材は、アスファルト破砕粒と砕石状緻密スラグとを混合して骨材として使用するので、天然骨材は使用しない。アスファルト破砕粒と砕石状緻密スラグの配合比率は、再生アスファルト舗装材に要求される強度や耐久性に応じて適宜調整すれば良い。つまり、あらかじめアスファルト破砕粒を粒径5mm以上と粒径5mm未満に分級し、それらの配合比率に応じて砕石状緻密スラグの配合量を決定する。その際、6号砕石相当の砕石状緻密スラグや7号砕石相当の砕石状緻密スラグを単独で配合しても良いし、あるいは両方を配合してもよい。さらに、配合した砕石状緻密スラグに対して質量比で3〜7%程度の新しいアスファルトを配合する。新しいアスファルトの配合割合は、再生アスファルト混合物として最適なアスファルト割合となるように調整する。
【0020】
本発明の再生アスファルト混合物を用いて路面の舗装工事を行なう際には、使用する機材や手順は、従来から知られている工法が使用できる。たとえば、アスファルトフィニッシャーで排水性アスファルト混合物を敷きならした後、 マカダムローラー,タイヤローラー等で転圧して、アスファルト舗装を施工する。
以上に説明した通り、 本発明の再生アスファルト舗装材は、骨材として結晶質の砕石状緻密スラグ(吸水率 1.5%以下)を使用する。砕石状緻密スラグは、従来から知られている水砕スラグや高炉徐冷スラグとは、特性の異なるものである。つまり、ガラス質が生成しない冷却速度で急冷して結晶質とすることによって、ガラス質の水砕スラグとは特性が異なり、しかも結晶質の高炉徐冷スラグと比べると気孔の数が著しく小さくなっている。
【0021】
砕石状緻密スラグの原料となる凝固スラグは、上記した通り、溶融状態の高炉スラグを金属製鋳型で空冷したものである。冷却効率を向上するために、たとえば金属製鋳型に冷却配管を配設して冷却水を流通させることは可能であるが、高炉スラグに冷却水を噴霧する等のような高炉スラグと水とが直接接触する冷却方法は採用しない。
【0022】
その理由は、溶融状態の高炉スラグが水と接触すると、水蒸気が発生し、凝固スラグが多孔質となるのみならず、H2 Sガスも発生して環境汚染を引き起こすからである。つまり高炉スラグと水との接触を回避することによって、緻密な凝固スラグが得られ、砕石状緻密スラグの強度を高めることができる。
【0023】
【実施例】
高炉から排出された溶融状態の高炉スラグ 50tonをスラグ鍋に収容して、スラグ処理設備に運搬した。スラグ処理設備には、複数の連結された鋳鋼製鋳型を有するスラグ鋳造装置が設置されており、鋳鋼製鋳型が連続的に移動する間にスラグ鍋から高炉スラグを流し込む。 このときスラグ鍋の傾動角度を調整して、溶融状態の高炉スラグがスラグ鍋から鋳鋼製鋳型に流し込む速度を2 ton/min とした。
【0024】
鋳鋼製鋳型は各々幅2m,長さ1m,深さ15mmであり、その移動速度は、20m/min とした。こうして鋳鋼製鋳型を連続的に移動させながら、鋳鋼製鋳型内の高炉スラグを空冷して凝固させた後、鋳鋼製鋳型を反転して板状の凝固スラグを剥離,落下させた。なお、凝固スラグの厚さが約20mmになるように、鋳鋼製鋳型に流し込む高炉スラグ量を調整した。
【0025】
凝固スラグを製造することによって鋳鋼製鋳型の温度が上昇するので、凝固スラグを剥離,落下させた後、鋳鋼製鋳型に冷却水を散水した。この冷却水の使用量は、冷却水の散水から高炉スラグの流し込みの間に全て蒸発するように調整した。このようにして鋳鋼製鋳型内の高炉スラグを凝固させる段階では、高炉スラグと水とを接触させないので、H2 S等の有毒ガスは発生せず、しかも緻密な凝固スラグが得られた。
【0026】
なお凝固スラグは、鋳鋼製鋳型から落下したときの衝撃で、数十〜数百mm程度の大きさに破壊されていた。
こうして得られた板状の凝固スラグを、高温のうちにショベルで回収し、冷却ヤードへ運搬した。冷却ヤードでは、雨水等が凝固スラグに浸入しないように、防水対策を施して空冷し、常温(すなわち通常の気温)まで冷却した。
【0027】
次いで、凝固スラグをインパクトクラッシャーで破砕し、得られた砕石状緻密スラグを5〜13mmと 2.5〜5mmに分級して骨材とした。
この砕石状緻密スラグの特性、および比較のために使用した硬質砂岩の特性を表1に示す。なおアスファルトコンクリート再生骨材の粒度分布を併せて表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
表1に示す通り、砕石状緻密スラグの骨材は、硬質砂岩の骨材に比べて密度が高く、かつ吸水率が低い。
耐摩耗性の指標となるすりへり減量は同等の数値であり、砕石状緻密スラグと硬質砂岩の差異は認められない。ただし、通常の高炉徐冷スラグ(すりへり減量25〜35%)と比べると、耐摩耗性が著しく向上している。
【0030】
砕石状緻密スラグの骨材と硬質砂岩の骨材の特性が異なるのは、アスファルトとの付着性である。アスファルトの静的剥離試験を行なうと、硬質砂岩の剥離面積が15%であるのに対して、砕石状緻密スラグの剥離面積は35%である。これは砕石状緻密スラグの骨材の方がアスファルトとの付着性が劣ることを示している。しかし砕石状緻密スラグの骨材とアスファルト破砕粒の骨材とを混合して使用すると、実用上、支障なく使用できる。この点については、表3に示したデータに関連して詳細に後述する。
【0031】
表1に示した砕石状緻密スラグの骨材,硬質砂岩の骨材,アスファルト破砕粒の骨材を用いて舗装材を製造し、その特性を調査した。砕石状緻密スラグの骨材,硬質砂岩の骨材,アスファルト破砕粒の骨材の配合比率は表2に示す通りである。
【0032】
【表2】
【0033】
発明例1,2は骨材として6号砕石に相当する粒径の砕石状緻密スラグのみをアスファルトコンクリート再生骨材と配合した例、発明例3は骨材として6号砕石に相当する粒径と7号砕石に相当する粒径の砕石状緻密スラグをアスファルトコンクリート再生骨材と配合した例である。
一方、比較例1,2は骨材として6号砕石に相当する粒径の硬質砂岩のみをアスファルトコンクリート再生骨材と配合した例、比較例3は骨材として6号砕石に相当する粒径と7号砕石に相当する粒径の硬質砂岩をアスファルトコンクリート再生骨材と配合した例、比較例4は骨材として6号砕石に相当する粒径の高炉徐冷スラグのみをアスファルトコンクリート再生骨材と配合した例である。
【0034】
それぞれのアスファルト混合物の特性を評価するために、各アスファルト混合物で試験片を作成し、マーシャル安定度試験,水浸マーシャル安定度試験を以下の要領で行なった。
(1) マーシャル安定度試験
評価項目:荷重を受けたときの変形に対する抵抗(すなわち安定度)
試験方法:円柱状試験片(直径101.6mm ,高さ63.5mm)を作製し、破壊するまでの最大荷重(安定度)とそれに対応する変位(フロー値)を測定(水温60℃,30〜40分浸漬後)する。
(2) 水浸マーシャル安定度試験
評価項目:アスファルトと骨材との付着性(すなわち残留安定度)
試験方法:円柱状試験片(直径101.6mm ,高さ63.5mm)を作製し、破壊するまでの最大荷重を測定(水温60℃,48時間浸漬後)する。
【0035】
まず、アスファルトの配合量を種々変更してマーシャル安定度試験を行ない、それぞれの舗装材の最適アスファルト量を求めた。最適アスファルト量は、各舗装材の空隙率,飽和度,安定度,フロー値を測定し、全ての測定値が目標値を達成するアスファルト量を最適アスファルト配合量(OAC)とした。
次に、最適アスファルト配合量を配合したアスファルト混合物を用いて、マーシャル安定度試験と水浸マーシャル安定度試験を行なった。その結果を表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】
表3から明らかなように、発明例1〜3では、比較例1〜3に比べてアスファルトの配合量を増加することなく、安定度を高めることができた。また残留安定度についても、発明例1〜3の方が優れておいる。したがって、砕石状緻密スラグの骨材はアスファルトとの付着性が劣るものの、アスファルトコンクリート再生骨材を混合することによって、実用上、支障なく使用できることが分かる。
【0038】
一方、高炉徐冷スラグの骨材とアスファルトコンクリート再生骨材とを混合して使用した比較例4は、発明例1に比べて、アスファルトの配合量が大きく増加し、安定度は著しく低下した。つまり砕石状緻密スラグの骨材とアスファルトコンクリート再生骨材とを混合した再生アスファルト混合物を使用することによって、強度および耐久性に優れた舗装を施工できるのである。
【0039】
【発明の効果】
本発明では、天然骨材を使用せず、砕石状緻密スラグとアスファルトコンクリート再生骨材を使用するので、安価でかつ強度,耐久性に優れた舗装を施工できる。しかも産業廃棄物の処理に起因する環境汚染や天然岩石の切り出しに起因する環境破壊を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アスファルト舗装の例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 表層
2a 基層
2b 基層
3 上層路盤
4 下層路盤
5 遮断層
6 地盤
7a タックコート
7b タックコート
8 プライムコート
Claims (1)
- 溶融状態の高炉スラグを金属製鋳型に流し込んで空冷して凝固させ、厚さ10〜30mmの板状の凝固スラグとし、前記凝固スラグを破砕して得られた吸水率 1.5%以下の砕石状緻密スラグと、アスファルト舗装表層および基層の廃材を破砕して得られたアスファルトコンクリート再生骨材とアスファルトとを配合することを特徴とする再生アスファルト混合物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003000436A JP2004211432A (ja) | 2003-01-06 | 2003-01-06 | 再生アスファルト混合物 |
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ID=32818752
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Country | Link |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007022843A (ja) * | 2005-07-14 | 2007-02-01 | Sanyo Special Steel Co Ltd | 耐流動性アスファルト混合物用骨材 |
JP2010163825A (ja) * | 2009-01-17 | 2010-07-29 | Jfe Steel Corp | 路盤材適性を有する材料の選定方法 |
JP6367995B1 (ja) * | 2017-03-14 | 2018-08-01 | 株式会社Nippo | 舗装用再生アスファルト混合物 |
JP2018150788A (ja) * | 2017-03-09 | 2018-09-27 | Jfeスチール株式会社 | アスファルト用骨材およびアスファルト舗装 |
KR102341684B1 (ko) * | 2021-04-20 | 2021-12-21 | 에스지이 주식회사 | 제강 슬래그와 순환 골재를 포함하는 아스팔트 콘크리트 혼합물 |
-
2003
- 2003-01-06 JP JP2003000436A patent/JP2004211432A/ja active Pending
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