JP2004211155A - 金属微粒子の製造方法、金属微粒子含有物及びソルダーペースト組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】数μm以下のナノレベルも可能である金属の超微粒子を製造し、その金属の超微粒子を用いて回路基板の微細導体回路パターンを形成できることを可能にする。
【解決手段】一対の円盤の盤面を対向させて接触可能に近接させて設け、一方の盤面には放射状に凹窪状溝を設け、一方の円盤を高速回転させながらその凹窪状溝に粒子分散用媒体に金属粒子を分散させた分散液を導入してその先端で両円盤の回転速度差による剪断応力により金属粒子を粉砕する金属微粒子の製造方法、その金属微粒子含有物及びソルダーペースト組成物。
【選択図】図4
【解決手段】一対の円盤の盤面を対向させて接触可能に近接させて設け、一方の盤面には放射状に凹窪状溝を設け、一方の円盤を高速回転させながらその凹窪状溝に粒子分散用媒体に金属粒子を分散させた分散液を導入してその先端で両円盤の回転速度差による剪断応力により金属粒子を粉砕する金属微粒子の製造方法、その金属微粒子含有物及びソルダーペースト組成物。
【選択図】図4
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えばはんだ等の金属微粒子の製造方法、その金属微粒子を含有する金属微粒子含有物及びその金属微粒子含有物を含有するソルダーペースト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の配線基板の多機能化、軽薄短小化に伴い表面実装技術が急速に発展し、電子部品の表面実装等の高密度実装を行うには、ファインピッチのパターンの印刷を行うことができるのみならず、はんだ付性の良好なソルダーペーストや接合後の電気的信頼性の高いはんだ接合方法が求められている。高密度実装化においては、ボールグリッドアレイパッケージ(BGA)、チップサイズパッケージ(CSP)の採用が多くなっており、更にはフリップチップ(FC)が直接基板に実装されるケースも出現している。今後、益々加速する高密度実装と高信頼性接合技術に応えられるようなソルダーペーストは、より精度の高いファインピッチのパターンの印刷が可能であること、また微細化された配線部においても十分な接合ができる性能が得られるように、これに含有させるはんだ粉末としては10μm以下の微粒子化が求められるようになっている。
【0003】
はんだ粉末を微粒子化する製造方法としては、(1)溶融したはんだを不活性ガス雰囲気中で高速に回転する円盤の遠心力を利用して噴霧する遠心アトマイズ法(例えば特開昭63−33508号公報を参照)、(2)溶融したはんだに不活性ガスを噴射して溶融はんだを飛散させるガスアトマイズ法(例えば特開昭62−224060号公報を参照)、(3)超音波振動を溶融したはんだに加えて微粒子化する超音波アトマイズ法(例えば特開平05−173443号公報を参照)等が用いられている。
ところが、遠心アトマイズ法においては、溶融はんだを高速回転する円盤上で薄い皮膜にして、円盤の周辺部から液滴を放出することから、高速モータの回転数にも限界があり、その平均粒子径を10μm以下にすることは困難である。また、ガスアトマイズ法は、不活性ガスの噴射によって、溶融はんだを飛散して噴霧する方法であり、不活性ガスの噴射速度が速いため、霧化された粒子が再度結合するいわゆる二次凝集による粒子の粗大化が起こり、更には大きな粒子に小さな粒子が付着したサテライト粒子が生成し易く、微粒子だけを分級するのも困難となる。更に、超音波アトマイズ法では、超音波振動子の周波数と平均粒子径との間には相関関係があり、ある程度粒子径はコントロールできる。しかし、この製造方法においても、得られる粒子径は10μmレベルであり、これ以下の微粒子を得ることは超音波振動子の周波数を高めるのに限界があり、微粒子化することは困難である。
【0004】
【特許文献1】
特開昭63−33508号公報
【特許文献1】
特開昭62−224060号公報
【特許文献1】
特開平05−173443号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、遠心アトマイズ法、ガスアトマイズ法、超音波アトマイズ法は、平均粒子径5〜10μm程度までの粒子を製造する方法には適しているものの、更に小さな微粒子を製造することは困難である。
本発明者らは、これらの製造方法とは異にする金属または金属合金の微粉末製造方法として、溶融はんだを高沸点の液体中で高速で攪拌することによって、溶融はんだを微小の液滴にし、その後冷却によって固化させることによって微粒子を得ることができる液中アトマイズ法について、特願2001−395566号明細書で提案している。しかしながら、この製造方法においても、得られる平均粒子径は数μm程度のものに適し、これ以下の超微粒子といえる微粒子もより容易に得られるような金属微粒子の製造方法の開発が望まれていた。
これらの問題を解決するためには、如何に一旦生成した微粒子の二次凝集を起こり難くして、微粒子ないし超微粒子状態に粉砕できるかが重要となる。
【0006】
本発明の第1の目的は、平均粒子径が数μm未満であって、かつ粒度分布の幅をより狭くすることができる超微粒子その他の微粒子が得られる金属微粒子の製造方法、その微粒子を用いた金属微粒子含有物及びソルダーペースト組成物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、配線基板のファインピッチのパターンの微細のはんだ付部にも適用できる金属微粒子を製造することができる金属微粒子の製造方法、その微粒子を用いた金属微粒子含有物及びソルダーペースト組成物を提供することにある。
本発明の第3の目的は、比較的簡単な設備で製造容易、低コストの金属微粒子の製造方法、金属微粒子含有物及びソルダーペースト組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、一対の盤体の盤面を互いに近接させ、いずれか一方の盤面には放射状に先細りの凹窪状溝を形成し、一方の盤面を他方の盤面に対して高速で回転可能に設けた微粒子化装置において、例えば液中アトマイズ法によって得られた50μm以下の金属微粒子と有機分散媒の混合物を、その一対の盤面の間の凹窪状溝に中央側から導入すると、加速度的な遠心力によってその凹窪状溝の先端に粒子が集積し、これに両平面の回転速度差による大きな剪断応力が作用して微粒子が更に効率良く微細に粉砕されて超微粒子になり易いことを見出し、本発明をするに至った。
すなわち、本発明は、(1)、一対の盤体の各盤面を対向させてそれぞれの盤面を互いに接触可能に近接して設け、該一対の盤面の少なくともいずれか一方には放射状に先細りの凹窪状溝を形成し、かつ一方の盤面を他方の盤面に対して高速で回転可能に設け、その回転による両方の盤面による剪断応力により粉砕を可能にした微粒子化装置において、粒子分散用媒体に金属の粒子を分散させて得られる金属粒子分散液を上記凹窪状溝に中央側から導入して上記の剪断応力で粉砕する金属微粒子の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、(2)、凹窪状溝は先端が一対の互いに接触可能な盤面内に位置し、非開放であり、粒子は行き止まりと近接する盤面の閉鎖的空間によりその先端への集積が促進され近接する盤面による粉砕が促進される上記(1)の金属微粒子の製造方法、(3)、一対の盤面の少なくとも一方は背面を押圧されるクッションを有し、両盤面の静止時は該押圧力により両盤面は接触し、一方の盤面を他方の盤面に対して高速で回転するときは両盤面は近接し、一対の両盤面間の空間が不変的に保持可能に設けられている上記(1)又は(2)の金属微粒子の製造方法、(4)、一対の互いに接触可能な盤面は鏡面加工されていて接触するときは密接し、金属粒子分散液は凹窪状溝の両側に流出し難い上記(1)ないし(3)のいずれかの金属微粒子の製造方法、(5)、一対の盤面の互いに近接する盤面間の間隙が2μm〜10μmである上記(1)ないし(4)のいずれかの金属微粒子の製造方法、(6)、金属粒子分散液は粒子分散用媒体に金属を混合することと、加熱と、該粒子分散用媒体に粒子を分散させる分散エネルギーを付与することとを少なくとも行なって、上記粒子分散用媒体中に金属を溶融させて溶融金属微粒子を分散させることにより得られる溶融金属微粒子分散液であり、微粒子化装置において該溶融金属微粒子分散液を凹窪状溝に中央から導入して該微粒子を先端に集積する過程で固化させて粉砕するか又は粉砕した後に固化させ固体粒子化させて超微粒子を得る上記(1)ないし(5)のいずれかの金属微粒子の製造方法、(7)、金属粒子分散液は粒子分散用媒体に金属を混合することと、加熱と、該粒子分散用媒体に粒子を分散させる分散エネルギーを付与することとを少なくとも行なって、上記粒子分散用媒体中に金属を溶融させて溶融金属微粒子を分散させることにより得られる溶融金属微粒子分散液を冷却することにより該溶融金属微粒子を凝固させて固体粒子化して得られた固体金属微粒子分散液であり、粉砕して得られる粒子は超微粒子である上記(1)ないし(5)のいずれかの金属微粒子の製造方法、(8)、粒子分散用媒体中に少なくとも溶融金属微粒子に吸着及び/又は反応し、少なくとも該溶融金属微粒子間の合一を防止する粒子合一防止剤を添加した後に該溶融金属微粒子を分散させることを行なう上記(6)又は(7)の金属微粒子の製造方法、(9)、粒子分散用媒体に分散されている金属微粒子の平均粒子径が50μmより大きくない上記(7)又は(8)の金属微粒子の製造方法、(10)、粉砕された粒子は平均粒子径が10nm〜3000nmの超微粒子である上記(9)の金属微粒子の製造方法、(11)、上記(1)ないし(10)のいずれかの金属微粒子の製造方法により得られた金属微粒子又は金属超微粒子を含有する金属微粒子含有物、(12)、上記(11)の金属微粒子含有物がはんだに用いる金属微粒子粉末又は金属超微粒子粉末であり、該金属微粒子粉末又は金属超微粒子粉末を含有するソルダーペースト組成物を提供するものである。
【0008】
【発明の実態の形態】
本発明の金属の微粒子の製造方法について、その一例を図1ないし図6を参照しながら詳細に説明する。
金属の微粒子として、その超微粒子を製造するのに用いられる装置としては、図1に示すように、液中アトマイズ装置A、再微粒子化処理装置B及び超微粒子回収装置Cがそれぞれ配管により接続され、それぞれの配管aにはバルブbが設けられている。液中アトマイズ装置Aは、金属と有機分散媒の混合液中でその金属を溶融し(金属を溶融し有機分散媒と混合してもよい)、溶融した金属を有機分散媒中に微粒子にして分散させる、いわゆるプレ分散を行なって溶融金属微粒子分散液(被処理液)を得るための装置である。この装置は、不活性ガス導入管を備えた攪拌処理槽1にジェネレーター2がモータ3と連結して設けられ、ジェネレーター2は図2、3に示すように、倒立した截頭円錐状筒体の周壁に放射状に切り溝4、4・・を有する固定子5に対して回転子6(軸の両側の2枚翼)をモータ3により高速回転させ、被処理液を吸い込ませ、固定子5と回転子6との間で働く高剪断作用によりその被処理液中の金属の溶融体を分断して微粒子化し、その溶融金属微粒子の分散液を切り溝4、4・・から排出させるものである。なお、図示省略したが加熱手段が設けられている。これらの処理は不活性ガス存在下に行って金属の酸化を防止することが好ましい。なお、特許第2555715号公報に記載のケーディーミルも同様の目的に使用できる。また、以下に述べる再微粒子化処理装置Bをその仕様を変えて微粒子化処理装置として使用してもよく、この場合は金属の溶融物あるいは粉末も処理することができる。
また、再微粒子化処理装置Bは、図1に示すようにモータ7bを備えた再微粒子化処理部からなり、図4〜6に示すように、一対の円盤7(回転円盤)、8(固定円盤)がそれぞれの盤面(直径30mm〜300mm)が対向されて接触可能に近接して設けられ、円盤7は支持台7aに支持され、その支持台が軸7aを介してモータ7bにより回転されることにより高速回転(例えば少なくとも10000rpm(毎分の回転数)))が可能であり、いわゆるターンテーブルのように設けられている。円盤8はスプリング9、9・・によりフレーム10に固定され、その中央に設けられた貫通孔に導入管11が液密に嵌合され、その導入管11には上記の液中アトマイズ装置Aで得られた溶融金属微粒子分散液又はこれを冷却したもの、例えば配管に流通させる間に冷却して得られた固体金属微粒子分散液(「溶融金属微粒子分散液」、「固体金属微粒子分散液」を包括する上位概念が「金属粒子分散液」である)が導入されるようになっており、さらにその上部は密閉され、その密閉空間にはガス導入管(図示省略)が連結されている。これにより円盤8は上記スプリングに加えてガス圧(クッション)によりその背面が押圧され、円盤7が回転しないときは、その対向する盤面が上記円盤7の盤面に密接し、シールすることができるが、それが回転することきは、振動や芯振れ等を吸収できるフローティング構造(浮動構造)となっている。
図5に示すように、円盤7はその盤面に放射状に先端に行く程先細で回転方向にやや湾曲する弧状の凹窪状溝7c、7c・・・が形成され、円盤8は接触する側の面の中央側がややせりあがるように形成されており、その盤面は平滑に仕上げられており、両盤面が接触することにより凹窪状溝7c、7c・・・は中央程大きく開口され先端が行き止まりの閉鎖溝となっており、導入管11を通して導入された上記の溶融金属微粒子分散液等がその開口より導入されて、例えば溶融金属微粒子Rは遠心力により加速度的に先端部に誘導され、先端に行くほど集積され、その先端で粒子ははみ出るが、一対の円盤によって作用するバランスライン(円盤7の回転で円盤8が開く(浮動する)上向きの力V1とスプリング9、9・・とガス圧(クッション)による押付け力V2により決まるV3)によって両盤面の間隙に導入されて両盤面による回転差による剪断力を先端部のものほど大きく受け、すなわち摩擦により粉砕されて超微粒子rが生じ、これらがさらに遠心力により超微粒子ドレイン12に排出されるようになっている(溶融金属微粒子は粉砕されたのち冷却により固体化してもよく、粉砕の前あるいはその途中で冷却により固体化してもよい)。この際上記のフローティング構造によりその摩擦力も緩和され、また、その調整もすることができる。両盤面間の間隙は2μm〜10μmが好ましく、小さ過ぎると両盤面による摩擦抵抗が大きくなり過ぎ、大き過ぎると被処理液が凹窪状溝7c、7c・・・の両側部に流出し易くなる。いずれの円盤の盤面も鏡面に仕上げて密接できるようにし、上記の金属粒子分散液が溝の両側に流出しないようにすることが好ましい。また、円盤7,8の周囲の雰囲気は不活性ガス下におくことが好ましく、図示省略したがそのガスの導入管が設けられている。
図6に示すように、再微粒子化処理装置Bにより微粒子Rは処理されて得られた金属の超微粒子rは有機分散媒とともに超微粒子回収装置Cに放出されるが、この超微粒子回収装置Cは遠心分離を行なうことや、冷却可能な構造を有する回収槽を備えるものである。遠心分離を行えばその回収槽の底部には固体化した金属の超微粒子が集積し、単に冷却を行なうだけなら固体金属粒子分散液が得られる。いずれも配管を通してバルブの操作により取り出すことができ、その後乾燥して固体金属微粒子粉末を得ることができる。
【0009】
このように液中アトマイズ装置Aで処理されて得られた溶融金属微粒子又は固体金属微粒子は、再微粒子化処理装置Bにより再微粒子化されて、いわゆる超微粒子化が行われるが、被処理液中の溶融金属微粒子又は固体金属微粒子の平均粒子径は一対の盤面によって形成される狭い間隙を効率良く通過させるために、大きくても50μm(50μm以下)が好ましく、これより大きいと上記の再微粒子化における効率が低下することがある。そして、再微粒子化処理装置Bにより処理されて得られる金属超微粒子は、凹窪状溝7c、7c・・の形状、先端の絞り方、円盤の背面の圧力、円盤7の回転速度等の調整により平均粒子径は5μm未満、例えば10nm〜3000nm、あるいは好ましくは10nm〜1000nmとすることができる。
上記は円盤7に凹窪状溝を設けたが、円盤8の盤面に設け、円盤7の盤面は平滑にしてもよく、上記と同様の性能が得られるが、両方の円盤の盤面に凹窪状溝を設けてもよい。また、凹窪状溝の絞った先端は両盤面の接触できる範囲内に位置させたが、例えば比較的粒子径の大きい微粒子を得る場合には、外方に開放する開口を設けもよく、また、両円盤の盤面の面積を変え、その接触しない範囲に位置させても良い。また、液中アトマイズ装置Aの代わりに、再微粒子化処理装置Bにおいて凹窪状溝7c、7c・・の形状、先端の絞り方、円盤の背面の圧力、円盤7の回転速度等を調整した仕様のこと以外は同様の微粒子化処理装置を用いて、金属微粒子を製造し、さらに再微粒子化処理装置Bにより金属超微粒子を得るようにしてもよい。また、円盤7を回転させたが、円盤8も速度差を設けて回転させてもよく、また、両者は逆回転させてもよく、後者の場合は回転速度を上げない割には高い剪断力を得たい場合に有効である。
【0010】
上記液中アトマイズ装置Aあるいは再微粒子化処理装置Bと同様の微粒子化処理装置を用いて、粒子分散用媒体に金属の微粒子を分散させて金属微粒子分散液を調製し(その際上記超微粒子回収装置Cは微粒子回収装置として用い、金属微粒子粉末を得ることができる)、その金属微粒子分散液を用いて再微粒子化処理装置Bにより金属超微粒子を製造することができるが、固体金属微粒子粉末を用いて再微粒子化処理装置Bにより処理するには、粒子分散用媒体にその固体金属微粒子粉末を分散させて金属微粒子分散液を調製してから、その金属微粒子分散液を用いて再微粒子化処理装置Bにより処理するが、そのいずれの場合も、粒子分散用媒体としては有機分散媒が挙げられるが、その他の分散媒でもよい。
有機分散媒としては、微粒子化又は超微粒子化しようとする金属の溶融温度以上の沸点あるいは分解温度の使用可能上限温度を有し、かつその溶融金属の微粒子を分散することができる有機化合物が使用できる。具体的には、シリコンオイル類、石油精製鉱油類、工業用潤滑油類、植物油類、鯨油、牛脂等の動物油類あるいは化学的に合成された合成潤滑油類、高級炭化水素化合物類、グリコール誘導体類の有機熱媒体等が挙げられる。なお、有機分散媒は、引火性のないものが、火災の危険性がない点で特に好ましい。
【0011】
更に、有機分散媒には、加熱時の酸化を防止するために酸化防止剤を加えることが好ましい。酸化防止剤としては、例えば油脂、ゴム或いは合成樹脂等に使用されているものが使用でき、例えばフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、ポリマー型フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等が挙げられる。その他、酸化抑制効果のあるイミダゾール類を併用しても良く、また単独で使用しても良い。これらの化合物の具体的な例は、特開平9−49007号公報に記載されているものを挙げることができる。
【0012】
また、金属微粒子分散液を調製するには、微粒子化された溶融金属が再度融合によって合一することを防止する作用を有する粒子合一防止剤を使用することが好ましい。この粒子合一防止剤としては、具体的には、ロジンまたは誘導体類、トリアゾール類、イミダゾール類、アミン化合物類、脂肪酸類、ヒドラジン類、ピラゾール類、アゾ化合物類、熱可塑性樹脂類、アルコール類、イソシアネート類、含硫黄系化合物類、高分子アミン系化合物類等が挙げられ、単独もしくは複数混合して使用することができる。
【0013】
本発明において、「金属」とは、純金属及び金属合金の少なくとも1種が挙げられ、純金属のみ、合金のみ、もしくは両者を併用する場合がある。純金属としては、Ag、Au、Cu、Pt、Pd、W、Ni、Ta、Ti、Cr、Fe、Co、Ga、In、Li、Se、Sn、Bi、Tl、Pb、Zn、Te等が挙げられる。また、金属合金としてはんだは良く知られており、特にSn/Pb共晶はんだは電子機器工業やその他の多くの分野で電子部品の接合用材料として使用されている。具体的には、例えば、2元系合金としては63Sn/37Pb、60Sn/40Pb、56Sn/44Pb、50Sn/50Pb等のSn−Pb系、95.3Ag/4.7Bi等のAg−Bi系、66Ag/34Li等のAg−Li系、95.3Pb/4.7Ag、97.5Pb/2.5Ag等のPb−Ag系、3Ag/97In等のAg−In系、67Ag/33Te等のAg−Te系、97.2Ag/2.8Tl等のAg−Tl系、45.6Ag/54.4Zn等のAg−Zn系、80Au/20Sn等のAu−Sn系、52.7Bi/47.3In系のBi−In系、35In/65Sn、51In/49Sn、52In/48Sn等のIn−Sn系、50Pb/50In等のPb−In系、8.1Bi/91.9Zn等のBi−Zn系、43Sn/57Bi、42Sn/58Bi等のSn−Bi系、98Sn/2Ag、96.5Sn/3.5Ag、96Sn/4Ag、95Sn/5Ag等のSn−Ag系、91Sn/9Zn、30Sn/70Zn等のSn−Zn系、99.3Sn/0.7Cu等のSn−Cu系、95Sn/5Sb等のSn−Sb系等が挙げられる。また、3元系合金としては、95.5Sn/3.5Ag/1In等のSn−Ag−In系、86Sn/9Zn/5In、81Sn/9Zn/10In等のSn−Zn−In系、95.5Sn/0.5Ag/4Cu、96.5Sn/3.0Ag/0.5Cu等のSn−Ag−Cu系、16Sn/32Pb/52Bi、19Sn/31Pb/50Bi、34Sn/20Pb/46Bi、43Sn/43Pb/14Bi等のSn−Pb−Bi系、35Sn/64.5Pb/0.5Sb、32Sn/66Pb/2Sb等のSn−Pb−Sb系、90.5Sn/7.5Bi/2Ag、41.0Sn/58Bi/1,0Ag等のSn−Bi−Ag系、89.0Sn/8.0Zn/3.0Bi等のSn−Zn−Bi系等を挙げることができる。
これらの金属は、溶融してから粒子分散用媒体に加え、あるいは粒子分散用媒体に加えてから加熱して溶融してもよいが、粒子分散用媒体中において溶融状態で分散エネルギーを付与されて溶融金属微粒子分散液が調製される。
【0014】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。なお、「部」は「質量部」を意味する。
実施例1
63Sn/37Pb(質量%)の共晶はんだ合金100部と、有機分散媒としてポリアルキレングリコール(商品名:ユニルーブMB−7、日本油脂社製)980部及び粒子合一防止剤(商品名:KE−604、荒川化学工業社製)20部の混合有機分散媒を、図1に示す液中アトマイズ装置Aとしての分散機(装置名:クレアミックスCLM−0.8S、エム・テクニック社製)の攪拌槽内に仕込み、190℃まで加熱して攪拌速度20000rpm(毎分の回転速度)で10分間攪拌した。その後攪拌と加熱を止め、得られた溶融金属微粒子分散液を攪拌槽周側に設けたジャケットに冷却水を流すことによって冷却し、固体金属微粒子分散液を得た。そしてこの固体金属微粒子分散液から有機分散媒を分離することによって、固体金属微粒子を得た。固体金属微粒子分散液中の共晶はんだの固体金属微粒子の平均粒径及び粒度分布をレーザ回折法で測定したところ、平均粒径は5.7μm、分布のシャープさε〔=(D90−D10/D50)〕(D90 、D10 、D50 は順に粒子がその直径を小さい方から数えられた場合に90%、10%、50%になったときの直径を表す) は0.70であった(以下、各測定値は同様の方法による測定値である。)。
得られた固体金属微粒子、すなわち63Sn/37Pb共晶はんだ合金の固体微粒子粉末 100部と、有機分散媒としてポリアルキレングリコール(商品名:ユニルーブMB−7、日本油脂社製)980部及び粒子合一防止剤(商品名:KE−604、荒川化学工業社製)20部の混合有機分散媒を上記分散機(装置名:クレアミックスCLM−0.8S、エム・テクニック社製)の攪拌槽内に仕込み、常温で攪拌速度2000rpmで10分間攪拌して固体金属微粒子分散液を調製した後、さらに低速で攪拌しながら、得られた固体金属微粒子分散液を配管を通してバルブの操作により図1に示す再微粒子化装置B(円盤7、8の鏡面仕上げの各盤面は直径150mm、円盤7に形成した弧状の凹窪状溝7cは放射状に6個設け、各凹窪状溝は中心部の弧の長さが100mm、深さが2μm、幅が中央側が14mmで順次先端に行く程先細りで先端で0になっている)に導入し、液体流速100ml/min(分)、再微粒子化温度32℃、円盤回転速度15000rpmで処理した。なお、上記の溶融金属微粒子分散液を低速で攪拌を継続しながら、攪拌槽周側に設けたジャケットに冷却水を流すことによって冷却し、固体金属微粒子分散液を調製し、上記のようにして用いてもよい。
得られた固体金属超微粒子を含有した固体金属超微粒子液は、図1に示す超微粒子回収装置Cとしての高速遠心分離機(装置名:CR22F、日立工機社製)を用いて10000rpmで5分間処理し、上澄み液を除去後、酢酸エチルを加えて同様の操作を行って洗浄した。この操作を更に2回繰り返し、乾燥させた。得られた超微粒子は、回収率94%であり、平均粒径は0.54μm、分布のシャープさεは0.80であった。
【0015】
実施例2
実施例1において、63Sn/37Pbの共晶はんだ合金の固体粉末の代わりに、96.5Sn/3.5Agの鉛フリーはんだ合金の固体粉末を用いたこと以外は同様にして処理を行った。その結果、得られた超微粒子は、回収率96%であり、平均粒径は0.25μm、分布のシャープさεは0.75であった。
【0016】
実施例3
63Sn/37Pb(質量%)の共晶はんだ合金100部と、有機分散媒としてポリアルキレングリコール(商品名:ユニルーブMB−22、日本油脂社製)980部及び粒子合一防止剤(商品名:KE−604、荒川化学工業社製)20部の混合有機分散媒を、実施例1で使用の分散機(装置名:クレアミックスCLM−0.8S、エム・テクニック社製)の攪拌槽内に仕込み、190℃まで加熱して攪拌速度20000rpm(毎分の回転速度)で10分間攪拌した。得られた溶融金属微粒子分散液を低速で攪拌を継続しながら、冷却することなしにそのまま配管を通してバルブの操作により実施例1で用いた再微粒子化装置Bに導入し、液体流速100ml/min、再微粒子化温度190℃、円盤回転速度15000rpm、周速100m/s(秒)で処理した。
得られた固体金属超微粒子を含有した固体金属超微粒子液は、室温まで冷却し、実施例1で使用した高速遠心分離機(装置名:CR22F、日立工機社製)を用いて10000rpmで10分間処理し、上澄み液を除去後、酢酸エチルを加えて同様の操作を行って洗浄した。この操作を更に2回繰り返して、乾燥した。得られた超微粒子は、回収率88%であり、平均粒径は2.1μm、分布のシャープさεは0.61であった。
【0017】
実施例4
実施例3において、円盤の回転速度を20000rpmに調整したこと以外は同様にして処理を行った。得られた超微粒子は、回収率89%であり、平均粒径は1.4μm、分布のシャープさεは0.65であった。
【0018】
実施例5
96.5Sn/3.5Ag(質量%)の鉛フリーはんだ合金100部と、精製ヒマシ油980部及び粒子合一防止剤(商品名:ステアリン酸スズ、日東化成社製)20部の混合有機分散媒を、実施例1で使用の分散機(装置名:クレアミックスCLM−0.8S、エム・テクニック社製)の攪拌槽内に仕込み、230℃に加熱して攪拌速度20000rpmで10分間攪拌した。得られた溶融金属微粒子分散液を低速で攪拌を継続しながら、冷却することなしにそのまま配管を通してバルブの操作により実施例1で用いた再微粒子化装置Bに導入し、円盤を回転速度12000rpmに調整した後、溶融金属の供給量100部/min、周速100m/sで処理した。
得られた金属超微粒子を含有した金属超微粒子液は、室温まで冷却し、実施例1で使用した高速遠心分離機(装置名:CR22F、日立工機社製)を用いて10000rpmで10分間処理し、上澄み液を除去後、酢酸エチルを加えて同様の操作を行って洗浄した。この操作を更に2回繰り返して、乾燥した。得られた超微粒子は、回収率94%であり、平均粒径は2.3μm、分布のシャープさεは0.65であった。
【0019】
実施例6
実施例5において、円盤の回転速度を20000rpmに調整したこと以外は同様にして処理を行った。得られた超微粒子は、回収率93%であり、平均粒径は1.6μm、分布のシャープさεは0.62であった。
【0020】
実施例7
実施例5において、鉛フリーはんだ合金として、96.5Sn/3.0Ag/0.5Cu(質量%)を用いたこと、更に円盤の回転速度を18000rpmに調整したこと以外は同様にして処理を行った。得られた超微粒子は、回収率92%であり、平均粒径は1.5μm、分布のシャープさεは0.70であった。
【0021】
実施例8
Ag粉末(平均粒径2.1μm)100部と、精製ヒマシ油980部及び粒子合一防止剤(商品名:ステアリン酸スズ、日東化成社製)20部の混合有機分散媒を、実施例1で使用の分散機(装置名:クレアミックスCLM−0.8S、エム・テクニック社製)の攪拌槽内に仕込み、室温下で10分間攪拌した。得られた金属微粒子分散液を低速で攪拌を継続しながら、配管を通してバルブの操作により実施例1で用いた再微粒子化装置Bに導入し、再微粒子化温度30℃、円盤回転速度20000rpm、液体流速100ml/minで処理した。
得られた金属超微粒子を含有した金属超微粒子液は、実施例1で使用した高速遠心分離機(装置名:CR22F、日立工機社製)を用いて10000rpmで5分間処理し、上澄み液を除去後、酢酸エチルを加えて同様の操作を行って洗浄した。この操作を更に2回繰り返して、乾燥した。得られた超微粒子は、回収率91%であり、平均粒径は90nm、分布のシャープさεは0.76であった。
【0022】
実施例9
実施例8において、Ag粉末の代わりにSn粉末(平均粒径11μm)を用いたこと以外は同様にして処理を行った。その結果、得られた超微粒子は、回収率95%であり、平均粒径は75nm、分布のシャープさεは0.75であった。
【0023】
比較例1
実施例1において、液中アトマイズ装置Aを用いて同様にして微粒子化処理までを行って固体金属微粒子分散液を得た。その平均粒径は5.7μm、εは0.70であったことは上記のとおりである。
【0024】
比較例2
実施例5において、液中アトマイズ装置Aを用いて同様にして微粒子化処理までを行った後に、加熱及び攪拌を停止し、得られた溶融金属微粒子分散液を攪拌槽周側に設けたジャケットに冷却水を流すことによって冷却し、固体金属微粒子分散液を得た。この分散液中に含有されている96.5Sn/3.5Agはんだ粉末の微粒子の平均粒径は6.1μm、分布のシャープさεは0.75であった。
【0025】
比較例3
実施例3において、液中アトマイズ装置Aを用いて同様にして微粒子化処理までを行った後に、加熱及び攪拌を停止し、得られた溶融金属微粒子分散液を攪拌槽周側に設けたジャケットに冷却水を流すことによって20分間冷却し、固体金属微粒子分散液を得た。この固体金属微粒子分散液を実施例3と同様に遠心分離機による処理を行って、固体金属微粒子粉末を得た。得られた微粒子は、回収率96%であり、平均粒径は5.7μm、分布のシャープさεは0.70であった。
【0026】
比較例4
実施例5において、液中アトマイズ装置Aを用いて同様にして微粒子化処理までを行った後に、得られた溶融金属微粒子分散液を攪拌槽周側に設けたジャケットに冷却水を流すことによって20分間冷却し、固体金属微粒子分散液を得た。この固体金属微粒子分散液を実施例5と同様に遠心分離機による処理を行って、固体金属微粒子粉末を得た。得られた微粒子は、回収率96%であり、平均粒径は6.1μm、分布のシャープさεは0.75であった。
【0027】
上記実施例1〜9では、得られた超微粒子の平均粒径は75nm(実施例9)〜2.3μm(実施例5)であり、特に金属として銀又は錫を用いたものは、75nm〜90nmであるのに対し、比較例1〜4では、得られた微粒子の平均粒径は5.7μm〜6.1μmであり、実施例のものは明らかに超微粒子化されていることが分かり、特に金属が銀又は錫の場合にはその超微粒子化が顕著であることがわかる。このことからその範囲を考慮すると、超微粒子の平均粒径は50nm〜3000nm(3μm)としてもよく、また、50nm〜100nmとしてもよい。
また、実施例のものは比較例のものに比べ、εも小さくすることができるものもあり、実質的には少なくとも同等程度であり、全体的には優れているということができる。
【0028】
実施例10
以下の組成のソルダペーストを調製した。
水添ロジン(ロジン系樹脂) 55.0g
アジピン酸(活性剤) 2.0g
水添ヒマシ油(チキソ剤) 6.0g
ヘキシルカルビトール(溶剤) 37.0g
(以上、フラックス 100g)
上記フラックス 11.0g
はんだ超微粒子粉末(実施例1で製造のもの) 89.0g
(Sn/Pb=63/37)
(以上、ソルダーペースト 100g)
上記フラックスとはんだ粉末を攪拌混合することによりソルダーペーストを得た。このソルダーペーストをマルコム粘度計で測定したところ230Pa・s(測定温度25℃)であった。
【0029】
このソルダーペーストを用いて、▲1▼印刷性試験(100μm厚さのメタルマスクを用いたスクリーン印刷による印刷面にかすれやにじみが目視されるか否かを検査する試験)、▲2▼粘着性試験(ソルダーペーストの粘着力を調べるもので、JIS Z 3284による試験)、▲3▼加熱時のだれ性試験(加熱時の塗布膜の所定位置からのはみ出しを調べるもので、JIS Z 3284による試験)及び▲4▼絶縁性試験(はんだと分離したフラックス膜の抵抗値を測定するもので、JIS Z 3284による試験)を評価するとともに、さらに、▲5▼はんだ付状態試験(リフローはんだ付装置において、プリヒート処理を150℃、120秒、200℃、120秒、本加熱を230℃で行った場合のはんだ付状態を、溶融後固化したはんだに未溶融物が見られないものを5、多く見られるものを1とし、3以上を実用性があるとする5段階法により評価する試験)を行った結果いずれも実用上問題ないと判断された。
なお、他の実施例で得られたはんだ粉末を使用しても上記とほぼ同様の結果が得られる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、平均粒子径が10μm未満であり、例えば数μmであって、かつ粒度分布の幅をより狭くすることができる超微粒子等の微粒子が得られ、また、配線基板のファインピッチのパターンの微細のはんだ付部にも適用できる超微粒子を製造することができる金属微粒子の製造方法を提供することができ、これにより得られる超微粒子等の微粒子を含有する金属微粒子含有物及びソルダーペースト組成物を提供することができる。
また、比較的簡単な設備で操作容易に、しかも低コストで金属超微粒子等の微粒子を製造することができる金属微粒子の製造方法、金属微粒子含有物及びソルダーペースト組成物を提供することができ、多種類にわたる金属の二次加工によって、超微粒子の製造もできることと相まって、回路基板を用いる電子機器産業への貢献が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の金属微粒子の製造方法において使用する装置の一例を示す概略図である。
【図2】その一部の液中アトマイズ装置の分散機の一部の正面図である。
【図3】その分散機の一部の縦断面の説明図である。
【図4】その他の一部の再微粒子化処理装置の断面の概略説明図である。
【図5】その装置の一部の一対の円盤の対向面を示す図である。
【図6】その一対の円盤による粉砕機構を示す説明図である。
【符号の説明】
A・・・液中アトマイズ装置
B・・・再微粒子化処理装置
7・・・回転円盤
8・・・固定円盤
7c・・・凹窪状溝
【産業上の利用分野】
本発明は、例えばはんだ等の金属微粒子の製造方法、その金属微粒子を含有する金属微粒子含有物及びその金属微粒子含有物を含有するソルダーペースト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の配線基板の多機能化、軽薄短小化に伴い表面実装技術が急速に発展し、電子部品の表面実装等の高密度実装を行うには、ファインピッチのパターンの印刷を行うことができるのみならず、はんだ付性の良好なソルダーペーストや接合後の電気的信頼性の高いはんだ接合方法が求められている。高密度実装化においては、ボールグリッドアレイパッケージ(BGA)、チップサイズパッケージ(CSP)の採用が多くなっており、更にはフリップチップ(FC)が直接基板に実装されるケースも出現している。今後、益々加速する高密度実装と高信頼性接合技術に応えられるようなソルダーペーストは、より精度の高いファインピッチのパターンの印刷が可能であること、また微細化された配線部においても十分な接合ができる性能が得られるように、これに含有させるはんだ粉末としては10μm以下の微粒子化が求められるようになっている。
【0003】
はんだ粉末を微粒子化する製造方法としては、(1)溶融したはんだを不活性ガス雰囲気中で高速に回転する円盤の遠心力を利用して噴霧する遠心アトマイズ法(例えば特開昭63−33508号公報を参照)、(2)溶融したはんだに不活性ガスを噴射して溶融はんだを飛散させるガスアトマイズ法(例えば特開昭62−224060号公報を参照)、(3)超音波振動を溶融したはんだに加えて微粒子化する超音波アトマイズ法(例えば特開平05−173443号公報を参照)等が用いられている。
ところが、遠心アトマイズ法においては、溶融はんだを高速回転する円盤上で薄い皮膜にして、円盤の周辺部から液滴を放出することから、高速モータの回転数にも限界があり、その平均粒子径を10μm以下にすることは困難である。また、ガスアトマイズ法は、不活性ガスの噴射によって、溶融はんだを飛散して噴霧する方法であり、不活性ガスの噴射速度が速いため、霧化された粒子が再度結合するいわゆる二次凝集による粒子の粗大化が起こり、更には大きな粒子に小さな粒子が付着したサテライト粒子が生成し易く、微粒子だけを分級するのも困難となる。更に、超音波アトマイズ法では、超音波振動子の周波数と平均粒子径との間には相関関係があり、ある程度粒子径はコントロールできる。しかし、この製造方法においても、得られる粒子径は10μmレベルであり、これ以下の微粒子を得ることは超音波振動子の周波数を高めるのに限界があり、微粒子化することは困難である。
【0004】
【特許文献1】
特開昭63−33508号公報
【特許文献1】
特開昭62−224060号公報
【特許文献1】
特開平05−173443号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、遠心アトマイズ法、ガスアトマイズ法、超音波アトマイズ法は、平均粒子径5〜10μm程度までの粒子を製造する方法には適しているものの、更に小さな微粒子を製造することは困難である。
本発明者らは、これらの製造方法とは異にする金属または金属合金の微粉末製造方法として、溶融はんだを高沸点の液体中で高速で攪拌することによって、溶融はんだを微小の液滴にし、その後冷却によって固化させることによって微粒子を得ることができる液中アトマイズ法について、特願2001−395566号明細書で提案している。しかしながら、この製造方法においても、得られる平均粒子径は数μm程度のものに適し、これ以下の超微粒子といえる微粒子もより容易に得られるような金属微粒子の製造方法の開発が望まれていた。
これらの問題を解決するためには、如何に一旦生成した微粒子の二次凝集を起こり難くして、微粒子ないし超微粒子状態に粉砕できるかが重要となる。
【0006】
本発明の第1の目的は、平均粒子径が数μm未満であって、かつ粒度分布の幅をより狭くすることができる超微粒子その他の微粒子が得られる金属微粒子の製造方法、その微粒子を用いた金属微粒子含有物及びソルダーペースト組成物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、配線基板のファインピッチのパターンの微細のはんだ付部にも適用できる金属微粒子を製造することができる金属微粒子の製造方法、その微粒子を用いた金属微粒子含有物及びソルダーペースト組成物を提供することにある。
本発明の第3の目的は、比較的簡単な設備で製造容易、低コストの金属微粒子の製造方法、金属微粒子含有物及びソルダーペースト組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、一対の盤体の盤面を互いに近接させ、いずれか一方の盤面には放射状に先細りの凹窪状溝を形成し、一方の盤面を他方の盤面に対して高速で回転可能に設けた微粒子化装置において、例えば液中アトマイズ法によって得られた50μm以下の金属微粒子と有機分散媒の混合物を、その一対の盤面の間の凹窪状溝に中央側から導入すると、加速度的な遠心力によってその凹窪状溝の先端に粒子が集積し、これに両平面の回転速度差による大きな剪断応力が作用して微粒子が更に効率良く微細に粉砕されて超微粒子になり易いことを見出し、本発明をするに至った。
すなわち、本発明は、(1)、一対の盤体の各盤面を対向させてそれぞれの盤面を互いに接触可能に近接して設け、該一対の盤面の少なくともいずれか一方には放射状に先細りの凹窪状溝を形成し、かつ一方の盤面を他方の盤面に対して高速で回転可能に設け、その回転による両方の盤面による剪断応力により粉砕を可能にした微粒子化装置において、粒子分散用媒体に金属の粒子を分散させて得られる金属粒子分散液を上記凹窪状溝に中央側から導入して上記の剪断応力で粉砕する金属微粒子の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、(2)、凹窪状溝は先端が一対の互いに接触可能な盤面内に位置し、非開放であり、粒子は行き止まりと近接する盤面の閉鎖的空間によりその先端への集積が促進され近接する盤面による粉砕が促進される上記(1)の金属微粒子の製造方法、(3)、一対の盤面の少なくとも一方は背面を押圧されるクッションを有し、両盤面の静止時は該押圧力により両盤面は接触し、一方の盤面を他方の盤面に対して高速で回転するときは両盤面は近接し、一対の両盤面間の空間が不変的に保持可能に設けられている上記(1)又は(2)の金属微粒子の製造方法、(4)、一対の互いに接触可能な盤面は鏡面加工されていて接触するときは密接し、金属粒子分散液は凹窪状溝の両側に流出し難い上記(1)ないし(3)のいずれかの金属微粒子の製造方法、(5)、一対の盤面の互いに近接する盤面間の間隙が2μm〜10μmである上記(1)ないし(4)のいずれかの金属微粒子の製造方法、(6)、金属粒子分散液は粒子分散用媒体に金属を混合することと、加熱と、該粒子分散用媒体に粒子を分散させる分散エネルギーを付与することとを少なくとも行なって、上記粒子分散用媒体中に金属を溶融させて溶融金属微粒子を分散させることにより得られる溶融金属微粒子分散液であり、微粒子化装置において該溶融金属微粒子分散液を凹窪状溝に中央から導入して該微粒子を先端に集積する過程で固化させて粉砕するか又は粉砕した後に固化させ固体粒子化させて超微粒子を得る上記(1)ないし(5)のいずれかの金属微粒子の製造方法、(7)、金属粒子分散液は粒子分散用媒体に金属を混合することと、加熱と、該粒子分散用媒体に粒子を分散させる分散エネルギーを付与することとを少なくとも行なって、上記粒子分散用媒体中に金属を溶融させて溶融金属微粒子を分散させることにより得られる溶融金属微粒子分散液を冷却することにより該溶融金属微粒子を凝固させて固体粒子化して得られた固体金属微粒子分散液であり、粉砕して得られる粒子は超微粒子である上記(1)ないし(5)のいずれかの金属微粒子の製造方法、(8)、粒子分散用媒体中に少なくとも溶融金属微粒子に吸着及び/又は反応し、少なくとも該溶融金属微粒子間の合一を防止する粒子合一防止剤を添加した後に該溶融金属微粒子を分散させることを行なう上記(6)又は(7)の金属微粒子の製造方法、(9)、粒子分散用媒体に分散されている金属微粒子の平均粒子径が50μmより大きくない上記(7)又は(8)の金属微粒子の製造方法、(10)、粉砕された粒子は平均粒子径が10nm〜3000nmの超微粒子である上記(9)の金属微粒子の製造方法、(11)、上記(1)ないし(10)のいずれかの金属微粒子の製造方法により得られた金属微粒子又は金属超微粒子を含有する金属微粒子含有物、(12)、上記(11)の金属微粒子含有物がはんだに用いる金属微粒子粉末又は金属超微粒子粉末であり、該金属微粒子粉末又は金属超微粒子粉末を含有するソルダーペースト組成物を提供するものである。
【0008】
【発明の実態の形態】
本発明の金属の微粒子の製造方法について、その一例を図1ないし図6を参照しながら詳細に説明する。
金属の微粒子として、その超微粒子を製造するのに用いられる装置としては、図1に示すように、液中アトマイズ装置A、再微粒子化処理装置B及び超微粒子回収装置Cがそれぞれ配管により接続され、それぞれの配管aにはバルブbが設けられている。液中アトマイズ装置Aは、金属と有機分散媒の混合液中でその金属を溶融し(金属を溶融し有機分散媒と混合してもよい)、溶融した金属を有機分散媒中に微粒子にして分散させる、いわゆるプレ分散を行なって溶融金属微粒子分散液(被処理液)を得るための装置である。この装置は、不活性ガス導入管を備えた攪拌処理槽1にジェネレーター2がモータ3と連結して設けられ、ジェネレーター2は図2、3に示すように、倒立した截頭円錐状筒体の周壁に放射状に切り溝4、4・・を有する固定子5に対して回転子6(軸の両側の2枚翼)をモータ3により高速回転させ、被処理液を吸い込ませ、固定子5と回転子6との間で働く高剪断作用によりその被処理液中の金属の溶融体を分断して微粒子化し、その溶融金属微粒子の分散液を切り溝4、4・・から排出させるものである。なお、図示省略したが加熱手段が設けられている。これらの処理は不活性ガス存在下に行って金属の酸化を防止することが好ましい。なお、特許第2555715号公報に記載のケーディーミルも同様の目的に使用できる。また、以下に述べる再微粒子化処理装置Bをその仕様を変えて微粒子化処理装置として使用してもよく、この場合は金属の溶融物あるいは粉末も処理することができる。
また、再微粒子化処理装置Bは、図1に示すようにモータ7bを備えた再微粒子化処理部からなり、図4〜6に示すように、一対の円盤7(回転円盤)、8(固定円盤)がそれぞれの盤面(直径30mm〜300mm)が対向されて接触可能に近接して設けられ、円盤7は支持台7aに支持され、その支持台が軸7aを介してモータ7bにより回転されることにより高速回転(例えば少なくとも10000rpm(毎分の回転数)))が可能であり、いわゆるターンテーブルのように設けられている。円盤8はスプリング9、9・・によりフレーム10に固定され、その中央に設けられた貫通孔に導入管11が液密に嵌合され、その導入管11には上記の液中アトマイズ装置Aで得られた溶融金属微粒子分散液又はこれを冷却したもの、例えば配管に流通させる間に冷却して得られた固体金属微粒子分散液(「溶融金属微粒子分散液」、「固体金属微粒子分散液」を包括する上位概念が「金属粒子分散液」である)が導入されるようになっており、さらにその上部は密閉され、その密閉空間にはガス導入管(図示省略)が連結されている。これにより円盤8は上記スプリングに加えてガス圧(クッション)によりその背面が押圧され、円盤7が回転しないときは、その対向する盤面が上記円盤7の盤面に密接し、シールすることができるが、それが回転することきは、振動や芯振れ等を吸収できるフローティング構造(浮動構造)となっている。
図5に示すように、円盤7はその盤面に放射状に先端に行く程先細で回転方向にやや湾曲する弧状の凹窪状溝7c、7c・・・が形成され、円盤8は接触する側の面の中央側がややせりあがるように形成されており、その盤面は平滑に仕上げられており、両盤面が接触することにより凹窪状溝7c、7c・・・は中央程大きく開口され先端が行き止まりの閉鎖溝となっており、導入管11を通して導入された上記の溶融金属微粒子分散液等がその開口より導入されて、例えば溶融金属微粒子Rは遠心力により加速度的に先端部に誘導され、先端に行くほど集積され、その先端で粒子ははみ出るが、一対の円盤によって作用するバランスライン(円盤7の回転で円盤8が開く(浮動する)上向きの力V1とスプリング9、9・・とガス圧(クッション)による押付け力V2により決まるV3)によって両盤面の間隙に導入されて両盤面による回転差による剪断力を先端部のものほど大きく受け、すなわち摩擦により粉砕されて超微粒子rが生じ、これらがさらに遠心力により超微粒子ドレイン12に排出されるようになっている(溶融金属微粒子は粉砕されたのち冷却により固体化してもよく、粉砕の前あるいはその途中で冷却により固体化してもよい)。この際上記のフローティング構造によりその摩擦力も緩和され、また、その調整もすることができる。両盤面間の間隙は2μm〜10μmが好ましく、小さ過ぎると両盤面による摩擦抵抗が大きくなり過ぎ、大き過ぎると被処理液が凹窪状溝7c、7c・・・の両側部に流出し易くなる。いずれの円盤の盤面も鏡面に仕上げて密接できるようにし、上記の金属粒子分散液が溝の両側に流出しないようにすることが好ましい。また、円盤7,8の周囲の雰囲気は不活性ガス下におくことが好ましく、図示省略したがそのガスの導入管が設けられている。
図6に示すように、再微粒子化処理装置Bにより微粒子Rは処理されて得られた金属の超微粒子rは有機分散媒とともに超微粒子回収装置Cに放出されるが、この超微粒子回収装置Cは遠心分離を行なうことや、冷却可能な構造を有する回収槽を備えるものである。遠心分離を行えばその回収槽の底部には固体化した金属の超微粒子が集積し、単に冷却を行なうだけなら固体金属粒子分散液が得られる。いずれも配管を通してバルブの操作により取り出すことができ、その後乾燥して固体金属微粒子粉末を得ることができる。
【0009】
このように液中アトマイズ装置Aで処理されて得られた溶融金属微粒子又は固体金属微粒子は、再微粒子化処理装置Bにより再微粒子化されて、いわゆる超微粒子化が行われるが、被処理液中の溶融金属微粒子又は固体金属微粒子の平均粒子径は一対の盤面によって形成される狭い間隙を効率良く通過させるために、大きくても50μm(50μm以下)が好ましく、これより大きいと上記の再微粒子化における効率が低下することがある。そして、再微粒子化処理装置Bにより処理されて得られる金属超微粒子は、凹窪状溝7c、7c・・の形状、先端の絞り方、円盤の背面の圧力、円盤7の回転速度等の調整により平均粒子径は5μm未満、例えば10nm〜3000nm、あるいは好ましくは10nm〜1000nmとすることができる。
上記は円盤7に凹窪状溝を設けたが、円盤8の盤面に設け、円盤7の盤面は平滑にしてもよく、上記と同様の性能が得られるが、両方の円盤の盤面に凹窪状溝を設けてもよい。また、凹窪状溝の絞った先端は両盤面の接触できる範囲内に位置させたが、例えば比較的粒子径の大きい微粒子を得る場合には、外方に開放する開口を設けもよく、また、両円盤の盤面の面積を変え、その接触しない範囲に位置させても良い。また、液中アトマイズ装置Aの代わりに、再微粒子化処理装置Bにおいて凹窪状溝7c、7c・・の形状、先端の絞り方、円盤の背面の圧力、円盤7の回転速度等を調整した仕様のこと以外は同様の微粒子化処理装置を用いて、金属微粒子を製造し、さらに再微粒子化処理装置Bにより金属超微粒子を得るようにしてもよい。また、円盤7を回転させたが、円盤8も速度差を設けて回転させてもよく、また、両者は逆回転させてもよく、後者の場合は回転速度を上げない割には高い剪断力を得たい場合に有効である。
【0010】
上記液中アトマイズ装置Aあるいは再微粒子化処理装置Bと同様の微粒子化処理装置を用いて、粒子分散用媒体に金属の微粒子を分散させて金属微粒子分散液を調製し(その際上記超微粒子回収装置Cは微粒子回収装置として用い、金属微粒子粉末を得ることができる)、その金属微粒子分散液を用いて再微粒子化処理装置Bにより金属超微粒子を製造することができるが、固体金属微粒子粉末を用いて再微粒子化処理装置Bにより処理するには、粒子分散用媒体にその固体金属微粒子粉末を分散させて金属微粒子分散液を調製してから、その金属微粒子分散液を用いて再微粒子化処理装置Bにより処理するが、そのいずれの場合も、粒子分散用媒体としては有機分散媒が挙げられるが、その他の分散媒でもよい。
有機分散媒としては、微粒子化又は超微粒子化しようとする金属の溶融温度以上の沸点あるいは分解温度の使用可能上限温度を有し、かつその溶融金属の微粒子を分散することができる有機化合物が使用できる。具体的には、シリコンオイル類、石油精製鉱油類、工業用潤滑油類、植物油類、鯨油、牛脂等の動物油類あるいは化学的に合成された合成潤滑油類、高級炭化水素化合物類、グリコール誘導体類の有機熱媒体等が挙げられる。なお、有機分散媒は、引火性のないものが、火災の危険性がない点で特に好ましい。
【0011】
更に、有機分散媒には、加熱時の酸化を防止するために酸化防止剤を加えることが好ましい。酸化防止剤としては、例えば油脂、ゴム或いは合成樹脂等に使用されているものが使用でき、例えばフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、ポリマー型フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等が挙げられる。その他、酸化抑制効果のあるイミダゾール類を併用しても良く、また単独で使用しても良い。これらの化合物の具体的な例は、特開平9−49007号公報に記載されているものを挙げることができる。
【0012】
また、金属微粒子分散液を調製するには、微粒子化された溶融金属が再度融合によって合一することを防止する作用を有する粒子合一防止剤を使用することが好ましい。この粒子合一防止剤としては、具体的には、ロジンまたは誘導体類、トリアゾール類、イミダゾール類、アミン化合物類、脂肪酸類、ヒドラジン類、ピラゾール類、アゾ化合物類、熱可塑性樹脂類、アルコール類、イソシアネート類、含硫黄系化合物類、高分子アミン系化合物類等が挙げられ、単独もしくは複数混合して使用することができる。
【0013】
本発明において、「金属」とは、純金属及び金属合金の少なくとも1種が挙げられ、純金属のみ、合金のみ、もしくは両者を併用する場合がある。純金属としては、Ag、Au、Cu、Pt、Pd、W、Ni、Ta、Ti、Cr、Fe、Co、Ga、In、Li、Se、Sn、Bi、Tl、Pb、Zn、Te等が挙げられる。また、金属合金としてはんだは良く知られており、特にSn/Pb共晶はんだは電子機器工業やその他の多くの分野で電子部品の接合用材料として使用されている。具体的には、例えば、2元系合金としては63Sn/37Pb、60Sn/40Pb、56Sn/44Pb、50Sn/50Pb等のSn−Pb系、95.3Ag/4.7Bi等のAg−Bi系、66Ag/34Li等のAg−Li系、95.3Pb/4.7Ag、97.5Pb/2.5Ag等のPb−Ag系、3Ag/97In等のAg−In系、67Ag/33Te等のAg−Te系、97.2Ag/2.8Tl等のAg−Tl系、45.6Ag/54.4Zn等のAg−Zn系、80Au/20Sn等のAu−Sn系、52.7Bi/47.3In系のBi−In系、35In/65Sn、51In/49Sn、52In/48Sn等のIn−Sn系、50Pb/50In等のPb−In系、8.1Bi/91.9Zn等のBi−Zn系、43Sn/57Bi、42Sn/58Bi等のSn−Bi系、98Sn/2Ag、96.5Sn/3.5Ag、96Sn/4Ag、95Sn/5Ag等のSn−Ag系、91Sn/9Zn、30Sn/70Zn等のSn−Zn系、99.3Sn/0.7Cu等のSn−Cu系、95Sn/5Sb等のSn−Sb系等が挙げられる。また、3元系合金としては、95.5Sn/3.5Ag/1In等のSn−Ag−In系、86Sn/9Zn/5In、81Sn/9Zn/10In等のSn−Zn−In系、95.5Sn/0.5Ag/4Cu、96.5Sn/3.0Ag/0.5Cu等のSn−Ag−Cu系、16Sn/32Pb/52Bi、19Sn/31Pb/50Bi、34Sn/20Pb/46Bi、43Sn/43Pb/14Bi等のSn−Pb−Bi系、35Sn/64.5Pb/0.5Sb、32Sn/66Pb/2Sb等のSn−Pb−Sb系、90.5Sn/7.5Bi/2Ag、41.0Sn/58Bi/1,0Ag等のSn−Bi−Ag系、89.0Sn/8.0Zn/3.0Bi等のSn−Zn−Bi系等を挙げることができる。
これらの金属は、溶融してから粒子分散用媒体に加え、あるいは粒子分散用媒体に加えてから加熱して溶融してもよいが、粒子分散用媒体中において溶融状態で分散エネルギーを付与されて溶融金属微粒子分散液が調製される。
【0014】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。なお、「部」は「質量部」を意味する。
実施例1
63Sn/37Pb(質量%)の共晶はんだ合金100部と、有機分散媒としてポリアルキレングリコール(商品名:ユニルーブMB−7、日本油脂社製)980部及び粒子合一防止剤(商品名:KE−604、荒川化学工業社製)20部の混合有機分散媒を、図1に示す液中アトマイズ装置Aとしての分散機(装置名:クレアミックスCLM−0.8S、エム・テクニック社製)の攪拌槽内に仕込み、190℃まで加熱して攪拌速度20000rpm(毎分の回転速度)で10分間攪拌した。その後攪拌と加熱を止め、得られた溶融金属微粒子分散液を攪拌槽周側に設けたジャケットに冷却水を流すことによって冷却し、固体金属微粒子分散液を得た。そしてこの固体金属微粒子分散液から有機分散媒を分離することによって、固体金属微粒子を得た。固体金属微粒子分散液中の共晶はんだの固体金属微粒子の平均粒径及び粒度分布をレーザ回折法で測定したところ、平均粒径は5.7μm、分布のシャープさε〔=(D90−D10/D50)〕(D90 、D10 、D50 は順に粒子がその直径を小さい方から数えられた場合に90%、10%、50%になったときの直径を表す) は0.70であった(以下、各測定値は同様の方法による測定値である。)。
得られた固体金属微粒子、すなわち63Sn/37Pb共晶はんだ合金の固体微粒子粉末 100部と、有機分散媒としてポリアルキレングリコール(商品名:ユニルーブMB−7、日本油脂社製)980部及び粒子合一防止剤(商品名:KE−604、荒川化学工業社製)20部の混合有機分散媒を上記分散機(装置名:クレアミックスCLM−0.8S、エム・テクニック社製)の攪拌槽内に仕込み、常温で攪拌速度2000rpmで10分間攪拌して固体金属微粒子分散液を調製した後、さらに低速で攪拌しながら、得られた固体金属微粒子分散液を配管を通してバルブの操作により図1に示す再微粒子化装置B(円盤7、8の鏡面仕上げの各盤面は直径150mm、円盤7に形成した弧状の凹窪状溝7cは放射状に6個設け、各凹窪状溝は中心部の弧の長さが100mm、深さが2μm、幅が中央側が14mmで順次先端に行く程先細りで先端で0になっている)に導入し、液体流速100ml/min(分)、再微粒子化温度32℃、円盤回転速度15000rpmで処理した。なお、上記の溶融金属微粒子分散液を低速で攪拌を継続しながら、攪拌槽周側に設けたジャケットに冷却水を流すことによって冷却し、固体金属微粒子分散液を調製し、上記のようにして用いてもよい。
得られた固体金属超微粒子を含有した固体金属超微粒子液は、図1に示す超微粒子回収装置Cとしての高速遠心分離機(装置名:CR22F、日立工機社製)を用いて10000rpmで5分間処理し、上澄み液を除去後、酢酸エチルを加えて同様の操作を行って洗浄した。この操作を更に2回繰り返し、乾燥させた。得られた超微粒子は、回収率94%であり、平均粒径は0.54μm、分布のシャープさεは0.80であった。
【0015】
実施例2
実施例1において、63Sn/37Pbの共晶はんだ合金の固体粉末の代わりに、96.5Sn/3.5Agの鉛フリーはんだ合金の固体粉末を用いたこと以外は同様にして処理を行った。その結果、得られた超微粒子は、回収率96%であり、平均粒径は0.25μm、分布のシャープさεは0.75であった。
【0016】
実施例3
63Sn/37Pb(質量%)の共晶はんだ合金100部と、有機分散媒としてポリアルキレングリコール(商品名:ユニルーブMB−22、日本油脂社製)980部及び粒子合一防止剤(商品名:KE−604、荒川化学工業社製)20部の混合有機分散媒を、実施例1で使用の分散機(装置名:クレアミックスCLM−0.8S、エム・テクニック社製)の攪拌槽内に仕込み、190℃まで加熱して攪拌速度20000rpm(毎分の回転速度)で10分間攪拌した。得られた溶融金属微粒子分散液を低速で攪拌を継続しながら、冷却することなしにそのまま配管を通してバルブの操作により実施例1で用いた再微粒子化装置Bに導入し、液体流速100ml/min、再微粒子化温度190℃、円盤回転速度15000rpm、周速100m/s(秒)で処理した。
得られた固体金属超微粒子を含有した固体金属超微粒子液は、室温まで冷却し、実施例1で使用した高速遠心分離機(装置名:CR22F、日立工機社製)を用いて10000rpmで10分間処理し、上澄み液を除去後、酢酸エチルを加えて同様の操作を行って洗浄した。この操作を更に2回繰り返して、乾燥した。得られた超微粒子は、回収率88%であり、平均粒径は2.1μm、分布のシャープさεは0.61であった。
【0017】
実施例4
実施例3において、円盤の回転速度を20000rpmに調整したこと以外は同様にして処理を行った。得られた超微粒子は、回収率89%であり、平均粒径は1.4μm、分布のシャープさεは0.65であった。
【0018】
実施例5
96.5Sn/3.5Ag(質量%)の鉛フリーはんだ合金100部と、精製ヒマシ油980部及び粒子合一防止剤(商品名:ステアリン酸スズ、日東化成社製)20部の混合有機分散媒を、実施例1で使用の分散機(装置名:クレアミックスCLM−0.8S、エム・テクニック社製)の攪拌槽内に仕込み、230℃に加熱して攪拌速度20000rpmで10分間攪拌した。得られた溶融金属微粒子分散液を低速で攪拌を継続しながら、冷却することなしにそのまま配管を通してバルブの操作により実施例1で用いた再微粒子化装置Bに導入し、円盤を回転速度12000rpmに調整した後、溶融金属の供給量100部/min、周速100m/sで処理した。
得られた金属超微粒子を含有した金属超微粒子液は、室温まで冷却し、実施例1で使用した高速遠心分離機(装置名:CR22F、日立工機社製)を用いて10000rpmで10分間処理し、上澄み液を除去後、酢酸エチルを加えて同様の操作を行って洗浄した。この操作を更に2回繰り返して、乾燥した。得られた超微粒子は、回収率94%であり、平均粒径は2.3μm、分布のシャープさεは0.65であった。
【0019】
実施例6
実施例5において、円盤の回転速度を20000rpmに調整したこと以外は同様にして処理を行った。得られた超微粒子は、回収率93%であり、平均粒径は1.6μm、分布のシャープさεは0.62であった。
【0020】
実施例7
実施例5において、鉛フリーはんだ合金として、96.5Sn/3.0Ag/0.5Cu(質量%)を用いたこと、更に円盤の回転速度を18000rpmに調整したこと以外は同様にして処理を行った。得られた超微粒子は、回収率92%であり、平均粒径は1.5μm、分布のシャープさεは0.70であった。
【0021】
実施例8
Ag粉末(平均粒径2.1μm)100部と、精製ヒマシ油980部及び粒子合一防止剤(商品名:ステアリン酸スズ、日東化成社製)20部の混合有機分散媒を、実施例1で使用の分散機(装置名:クレアミックスCLM−0.8S、エム・テクニック社製)の攪拌槽内に仕込み、室温下で10分間攪拌した。得られた金属微粒子分散液を低速で攪拌を継続しながら、配管を通してバルブの操作により実施例1で用いた再微粒子化装置Bに導入し、再微粒子化温度30℃、円盤回転速度20000rpm、液体流速100ml/minで処理した。
得られた金属超微粒子を含有した金属超微粒子液は、実施例1で使用した高速遠心分離機(装置名:CR22F、日立工機社製)を用いて10000rpmで5分間処理し、上澄み液を除去後、酢酸エチルを加えて同様の操作を行って洗浄した。この操作を更に2回繰り返して、乾燥した。得られた超微粒子は、回収率91%であり、平均粒径は90nm、分布のシャープさεは0.76であった。
【0022】
実施例9
実施例8において、Ag粉末の代わりにSn粉末(平均粒径11μm)を用いたこと以外は同様にして処理を行った。その結果、得られた超微粒子は、回収率95%であり、平均粒径は75nm、分布のシャープさεは0.75であった。
【0023】
比較例1
実施例1において、液中アトマイズ装置Aを用いて同様にして微粒子化処理までを行って固体金属微粒子分散液を得た。その平均粒径は5.7μm、εは0.70であったことは上記のとおりである。
【0024】
比較例2
実施例5において、液中アトマイズ装置Aを用いて同様にして微粒子化処理までを行った後に、加熱及び攪拌を停止し、得られた溶融金属微粒子分散液を攪拌槽周側に設けたジャケットに冷却水を流すことによって冷却し、固体金属微粒子分散液を得た。この分散液中に含有されている96.5Sn/3.5Agはんだ粉末の微粒子の平均粒径は6.1μm、分布のシャープさεは0.75であった。
【0025】
比較例3
実施例3において、液中アトマイズ装置Aを用いて同様にして微粒子化処理までを行った後に、加熱及び攪拌を停止し、得られた溶融金属微粒子分散液を攪拌槽周側に設けたジャケットに冷却水を流すことによって20分間冷却し、固体金属微粒子分散液を得た。この固体金属微粒子分散液を実施例3と同様に遠心分離機による処理を行って、固体金属微粒子粉末を得た。得られた微粒子は、回収率96%であり、平均粒径は5.7μm、分布のシャープさεは0.70であった。
【0026】
比較例4
実施例5において、液中アトマイズ装置Aを用いて同様にして微粒子化処理までを行った後に、得られた溶融金属微粒子分散液を攪拌槽周側に設けたジャケットに冷却水を流すことによって20分間冷却し、固体金属微粒子分散液を得た。この固体金属微粒子分散液を実施例5と同様に遠心分離機による処理を行って、固体金属微粒子粉末を得た。得られた微粒子は、回収率96%であり、平均粒径は6.1μm、分布のシャープさεは0.75であった。
【0027】
上記実施例1〜9では、得られた超微粒子の平均粒径は75nm(実施例9)〜2.3μm(実施例5)であり、特に金属として銀又は錫を用いたものは、75nm〜90nmであるのに対し、比較例1〜4では、得られた微粒子の平均粒径は5.7μm〜6.1μmであり、実施例のものは明らかに超微粒子化されていることが分かり、特に金属が銀又は錫の場合にはその超微粒子化が顕著であることがわかる。このことからその範囲を考慮すると、超微粒子の平均粒径は50nm〜3000nm(3μm)としてもよく、また、50nm〜100nmとしてもよい。
また、実施例のものは比較例のものに比べ、εも小さくすることができるものもあり、実質的には少なくとも同等程度であり、全体的には優れているということができる。
【0028】
実施例10
以下の組成のソルダペーストを調製した。
水添ロジン(ロジン系樹脂) 55.0g
アジピン酸(活性剤) 2.0g
水添ヒマシ油(チキソ剤) 6.0g
ヘキシルカルビトール(溶剤) 37.0g
(以上、フラックス 100g)
上記フラックス 11.0g
はんだ超微粒子粉末(実施例1で製造のもの) 89.0g
(Sn/Pb=63/37)
(以上、ソルダーペースト 100g)
上記フラックスとはんだ粉末を攪拌混合することによりソルダーペーストを得た。このソルダーペーストをマルコム粘度計で測定したところ230Pa・s(測定温度25℃)であった。
【0029】
このソルダーペーストを用いて、▲1▼印刷性試験(100μm厚さのメタルマスクを用いたスクリーン印刷による印刷面にかすれやにじみが目視されるか否かを検査する試験)、▲2▼粘着性試験(ソルダーペーストの粘着力を調べるもので、JIS Z 3284による試験)、▲3▼加熱時のだれ性試験(加熱時の塗布膜の所定位置からのはみ出しを調べるもので、JIS Z 3284による試験)及び▲4▼絶縁性試験(はんだと分離したフラックス膜の抵抗値を測定するもので、JIS Z 3284による試験)を評価するとともに、さらに、▲5▼はんだ付状態試験(リフローはんだ付装置において、プリヒート処理を150℃、120秒、200℃、120秒、本加熱を230℃で行った場合のはんだ付状態を、溶融後固化したはんだに未溶融物が見られないものを5、多く見られるものを1とし、3以上を実用性があるとする5段階法により評価する試験)を行った結果いずれも実用上問題ないと判断された。
なお、他の実施例で得られたはんだ粉末を使用しても上記とほぼ同様の結果が得られる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、平均粒子径が10μm未満であり、例えば数μmであって、かつ粒度分布の幅をより狭くすることができる超微粒子等の微粒子が得られ、また、配線基板のファインピッチのパターンの微細のはんだ付部にも適用できる超微粒子を製造することができる金属微粒子の製造方法を提供することができ、これにより得られる超微粒子等の微粒子を含有する金属微粒子含有物及びソルダーペースト組成物を提供することができる。
また、比較的簡単な設備で操作容易に、しかも低コストで金属超微粒子等の微粒子を製造することができる金属微粒子の製造方法、金属微粒子含有物及びソルダーペースト組成物を提供することができ、多種類にわたる金属の二次加工によって、超微粒子の製造もできることと相まって、回路基板を用いる電子機器産業への貢献が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の金属微粒子の製造方法において使用する装置の一例を示す概略図である。
【図2】その一部の液中アトマイズ装置の分散機の一部の正面図である。
【図3】その分散機の一部の縦断面の説明図である。
【図4】その他の一部の再微粒子化処理装置の断面の概略説明図である。
【図5】その装置の一部の一対の円盤の対向面を示す図である。
【図6】その一対の円盤による粉砕機構を示す説明図である。
【符号の説明】
A・・・液中アトマイズ装置
B・・・再微粒子化処理装置
7・・・回転円盤
8・・・固定円盤
7c・・・凹窪状溝
Claims (12)
- 一対の盤体の各盤面を対向させてそれぞれの盤面を互いに接触可能に近接して設け、該一対の盤面の少なくともいずれか一方には放射状に先細りの凹窪状溝を形成し、かつ一方の盤面を他方の盤面に対して高速で回転可能に設け、その回転による両方の盤面による剪断応力により粉砕を可能にした微粒子化装置において、粒子分散用媒体に金属の粒子を分散させて得られる金属粒子分散液を上記凹窪状溝に中央側から導入して上記の剪断応力で粉砕する金属微粒子の製造方法。
- 凹窪状溝は先端が一対の互いに接触可能な盤面内に位置し、非開放であり、粒子は行き止まりと近接する盤面の閉鎖的空間によりその先端への集積が促進され近接する盤面による粉砕が促進される請求項1に記載の金属微粒子の製造方法。
- 一対の盤面の少なくとも一方は背面を押圧されるクッションを有し、両盤面の静止時は該押圧力により両盤面は接触し、一方の盤面を他方の盤面に対して高速で回転するときは両盤面は近接し、一対の両盤面間の空間が不変的に保持可能に設けられている請求項1又は2に記載の金属微粒子の製造方法。
- 一対の互いに接触可能な盤面は鏡面加工されていて接触するときは密接し、金属粒子分散液は凹窪状溝の両側に流出し難い請求項1ないし3のいずれかに記載の金属微粒子の製造方法。
- 一対の盤面の互いに近接する盤面間の間隙が2μm〜10μmである請求項1ないし4のいずれかに記載の金属微粒子の製造方法。
- 金属粒子分散液は粒子分散用媒体に金属を混合することと、加熱と、該粒子分散用媒体に粒子を分散させる分散エネルギーを付与することとを少なくとも行なって、上記粒子分散用媒体中に金属を溶融させて溶融金属微粒子を分散させることにより得られる溶融金属微粒子分散液であり、微粒子化装置において該溶融金属微粒子分散液を凹窪状溝に中央から導入して該微粒子を先端に集積する過程で固化させて粉砕するか又は粉砕した後に固化させ固体粒子化させて超微粒子を得る請求項1ないし5のいずれかに記載の金属微粒子の製造方法。
- 金属粒子分散液は粒子分散用媒体に金属を混合することと、加熱と、該粒子分散用媒体に粒子を分散させる分散エネルギーを付与することとを少なくとも行なって、上記粒子分散用媒体中に金属を溶融させて溶融金属微粒子を分散させることにより得られる溶融金属微粒子分散液を冷却することにより該溶融金属微粒子を凝固させて固体粒子化して得られた固体金属微粒子分散液であり、粉砕して得られる粒子は超微粒子である請求項1ないし5のいずれかに記載の金属微粒子の製造方法。
- 粒子分散用媒体中に少なくとも溶融金属微粒子に吸着及び/又は反応し、少なくとも該溶融金属微粒子間の合一を防止する粒子合一防止剤を添加した後に該溶融金属微粒子を分散させることを行なう請求項6又は7に記載の金属微粒子の製造方法。
- 粒子分散用媒体に分散されている金属微粒子の平均粒子径が50μmより大きくない請求項7又は8に記載の金属微粒子の製造方法。
- 粉砕された粒子は平均粒子径が10nm〜3000nmの超微粒子である請求項9に記載の金属微粒子の製造方法。
- 請求項1ないし10のいずれかに記載の金属微粒子の製造方法により得られた金属微粒子又は金属超微粒子を含有する金属微粒子含有物。
- 請求項11に記載の金属微粒子含有物がはんだに用いる金属微粒子粉末又は金属超微粒子粉末であり、該金属微粒子粉末又は金属超微粒子粉末を含有するソルダーペースト組成物。
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