JP2004211012A - 炭素微小球及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】実質的に単一な球状形態を有し、粒度分布がシャープな炭素微小球及びその製造方法を提供する。
【解決手段】電子顕微鏡による算術平均粒子径dnが20〜150nmであって、そのばらつき度合いを示すs/dnが0.1〜0.3(但し、sはdnの標準偏差)であり、粒子凝集体の大きさを示すストークスモード径Dstと算術平均粒子径dnとの比Dst/dnが1.2以下の粒子性状を備える炭素微小球。その製造方法は、炭化水素ガスを水素ガスとともに熱分解炉の予熱帯域に導入し、引き続く加熱帯域において炭化水素ガス濃度0.01〜40vol%、レイノルズ数1〜20、温度1100〜1300℃の条件で熱分解した後、得られた炭素球を、更に無酸素雰囲気中で600〜2000℃の温度で熱処理することを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、球体相互の凝集が極めて少なく、実質的に単一球状形態を有する炭素微小球及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭素微小球は、例えば、数百nm以下の線幅で設計されるICやLSI等の半導体デバイス配線用の塗料や数百nm以下の膜厚が要求されるフォトレジストプロセスにおける反射防止膜用の顔料、あるいは、ブラックマトリックス用の遮光顔料等として、今後の応用展開が期待される素材である。
【0003】
微細な炭素質球状粒子としてはカーボンブラックが知られている。カーボンブラックは、タイヤ用を中心としたゴムの補強材として大量消費されており、その他に着色剤、顔料、塗料等の用途に有用されている。カーボンブラックの種類としては、一般的に製法から分類されており、原料炭化水素の不完全燃焼法と熱分解法とに大別されている。
【0004】
このうち、不完全燃焼法の1つであるオイルファーネス法は、原料に石炭系や石油系の炭化水素原料油を用い、特殊な反応炉に液状あるいはガス状の燃料と空気を導入して完全燃焼させて形成した火炎中に、炭化水素原料油を噴霧状に連続供給して不完全燃焼させ、炭化水素原料油の一部を熱分解してカーボンブラックに転化するものである。
【0005】
このオイルファーネス法により製造されるオイルファーネスブラックは、広範囲に亘る粒子性状のカーボンブラックを製造することができるため、工業的に大量生産されており、カーボンブラックの主流となっている。
【0006】
例えば、ゴム用ファーネスブラックは粒子径により品種分類されており、その粒子径は、SAF(Super Abrasion Furnace 超耐摩耗性)級カーボンブラックの11〜19nmから、SRF(Semi Reinforcing Furnace 中補強性)級カーボンブラックの61〜100nmまで、広範に亘っている。
【0007】
また、オイルファーネスブラックは、その生成過程から微球状の基本粒子が不規則な鎖状に枝分かれした複雑な凝集構造を呈しており、通常、数個から数十個の基本粒子が融着結合した三次元構造体からなり、この三次元構造体をストラクチャーと称し、DBP吸収量でその大きさを評価している。
【0008】
この凝集構造を解き、ストラクチャーを構成する個々の基本粒子に分離することは、基本粒子が強固に融着結合している関係で不可能であり、オイルファーネスブラックを利用して微細で単一な炭素球を得ることはできない。
【0009】
また、炭化水素原料を熱分解して得られるサーマルブラックは、耐火れんがをチェッカー状に積んだ蓄熱室式の分解炉を用い、天然ガスを原料として炭素と水素に熱分解するもので、その特徴は大粒子径のカーボンブラックが得られることとストラクチャーの発達が小さく、DBP吸収量が小さい、すなわち、カーボンブラック粒子の凝集構造が小さい点に特徴がある。例えば、MT(Medium Thermal 中粒熱分解)級カーボンブラックの算術平均粒子径は180〜500nm、DBP吸収量は30〜50cm/100g程度である。したがって、粒子が結合した凝集構造が比較的に小さい、180nmを越える大粒子径の炭素球ということができる。
【0010】
一方、インキ、塗料等の顔料として有用されているチャンネルブラックは、算術平均粒子径が10〜20nm程度の微粒であるが、ストラクチャーが高く、カーボンブラック粒子が多数結合した大きな凝集構造体を特徴とし、単一球状炭素粒子とは大きく異なるものである。
【0011】
このような粒子性状に特徴を有するサーマルブラックやチャンネルブラックはオイルファーネス法の生産技術をそのまま適用して製造することは極めて困難である。そこで、本出願人はこれらの製造技術の開発について鋭意研究を行い、例えば下記のような技術を開発提案している。
【0012】
すなわち、サーマルブラック相当の粒子性状を備えるカーボンブラックの製造技術として、吸熱反応で熱分解するガス状の炭化水素を原料とし、該原料ガスを5〜50vol%の供給濃度で還元雰囲気に保持された外熱式反応炉に送入し、ガス流がレイノルズ数2300以下の層流になる状態で1400℃以上の温度により熱分解するカーボンブラックの製造方法(特許文献1)を開発した。
【0013】
しかし、この製造技術にはカーボンブラックの生成収率が低いという難点があるため、その改良技術として常温で液体または固体の炭化水素原料を加熱気化し、該気化した炭化水素原料ガスをキャリアガスとともに0.01〜2.0vol%のガス濃度で無酸素雰囲気に保持された外熱式熱分解炉に導入し、1000〜1400℃の温度に加熱して熱分解させるカーボンブラックの製造方法(特許文献2)を提案した。この方法により電子顕微鏡による算術平均粒子径が150〜500nm、DBP吸収量が40ml/100g以下のサーマルブラック相当の粒子性状を備えたカーボンブラックを製造することができる。しかしながら、カーボンブラック粒子の凝集体が存在し、実質的に単一な炭素球状粒子を得ることはできない。
【0014】
更に、本出願人は微細な粒子性状を有し、チャンネルブラックに相当する電子顕微鏡による算術平均粒子径が10〜15nmの粒子性状を備えたカーボンブラックの製造技術として、常温で液体または固体の炭化水素原料を加熱気化し、該気化した炭化水素原料ガスをキャリアガスとともに0.01〜2.0vol%のガス濃度で無酸素雰囲気に保持された熱分解炉に導入し、1600〜1800℃の温度で熱分解させるカーボンブラックの製造方法(特許文献3)を開発した。しかしながら、このカーボンブラックはチャンネルブラック同様にDBP吸収量が高く、大きな粒子凝集体が形成され、単一な炭素球とは著しく異なるものである。
【0015】
そこで、ストラクチャーの低位化を図り、小さな粒子凝集体のカーボンブラックを得るために、常温で液体または固体の炭化水素原料を加熱気化し、該気化した炭化水素原料ガスをキャリアガスとともに0.01〜2.0vol%のガス濃度、及び0.1〜1.0m/秒の混合ガス流速で、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属とともに無酸素雰囲気に保持された熱分解炉に導入し、1600〜1800℃の温度で熱分解させるカーボンブラックの製造方法(特許文献4)を開発した。この方法によりDBP吸収量が50ml/100g程度の微細粒子性状のカーボンブラックを製造することが可能となり、粒子凝集体も小さくなるが、未だ実質的に単一な炭素球を得ることはできない。更に、この方法では添加したアルカリ金属やアルカリ土類金属がカーボンブラック中に残存し、金属不純物として用途分野によっては致命的な欠陥となる問題がある。
【0016】
【特許文献1】
特開平7−34001号公報
【特許文献2】
特開平10−168337号公報
【特許文献3】
特開平10−292126号公報
【特許文献4】
特開平11−12486号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者等は上記の諸問題を解決するために鋭意研究を進めた結果、ストラクチャーの発達を阻止して粒子相互の凝集が極めて少なく、実質的に単一な球状形態で存在する炭素微小球の製造に成功した。
【0018】
すなわち、本発明の目的は、例えば、数百nm以下の線幅で設計されるICやLSI等の半導体デバイス配線用の塗料や数百nm以下の膜厚が要求されるフォトレジストプロセスにおける反射防止膜用の顔料、あるいは、ブラックマトリックス用の遮光顔料等として有用な実質的に単一な球状形態を有する炭素微小球及びその製造方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明による炭素微小球は、電子顕微鏡による算術平均粒子径dnが20〜150nmであって、そのばらつき度合いを示すs/dnが0.1〜0.3(但し、sはdnの標準偏差)であり、粒子凝集体の大きさを示すストークスモード径Dstと算術平均粒子径dnとの比Dst/dnが1.2以下の粒子性状を備えることを特徴とする。
【0020】
また、その製造方法は、炭化水素ガスを水素ガスとともに熱分解炉の予熱帯域に導入し、引き続く加熱帯域において炭化水素ガス濃度0.01〜40vol%、レイノルズ数1〜20、温度1100〜1300℃の条件で熱分解した後、得られた炭素球を、更に無酸素雰囲気中で600〜2000℃の温度で熱処理することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の炭素微小球は炭化水素をガス状で熱分解して生成したものであり、電子顕微鏡により測定、算出した算術平均粒子径dnが20〜150nmのものである。すなわち、粒子の大きさがチャンネルブラック級のカーボンブラックからファインサーマルブラック級のカーボンブラックの平均粒子径に略相当するものである。
【0022】
また、粒子径の分布幅が狭く、ばらつきも小さく、電子顕微鏡により測定、算出された算術平均粒子径dnと測定値の標準偏差sとの比で示すばらつき度合いs/dnが0.1〜0.3であり、粒子径分布がシャープであることも特徴の1つである。
【0023】
なお、電子顕微鏡による算術平均粒子径dn(nm)は下記の方法によって測定される値である。
炭素微小球の試料を超音波分散機により周波数28kHzで30秒間クロロホルムに分散させたのち、分散試料をカーボン支持膜に固定する(例えば「粉体物性図説」粉体工学研究会編、p68(c) ”水面膜法” に記載されている)。これを電子顕微鏡で直接倍率10000倍、総合倍率100000倍に撮影し、得られた写真からランダムに1000個の炭素粒子の直径を計測し、14nmごとに区分して作成したヒストグラムから算術平均粒子直径を求める。
【0024】
更に、本発明の炭素微小球は、粒子凝集体の大きさを示すストークスモード径Dst(nm)と電子顕微鏡による算術平均粒子径dn(nm)との比Dst/dnの値が1.2以下の粒子性状を備えていることを特徴とする。
【0025】
ストークスモード径Dstは炭素粒子が凝集した凝集構造体の大きさを表すパラメータとなるもので、この値が大きくなると凝集した炭素粒子の個数が多くなることを意味する。したがって、Dstとdnとの比は単一の炭素粒子に対する凝集炭素粒子の大きさ、すなわち凝集体の大きさを示すことになる。炭素粒子の凝集が全くなく単一粒子のみとすれば、Dst=dnとなるから、Dst/dn=1であり、凝集炭素数が多くなるにともないDst/dnの値は大きくなる。そして、本発明の炭素微小球は球体相互の凝集が極めて少なく、Dst/dnの値が1.2以下の粒子性状を備えており、単一粒子の存在比率が極めて高く、実質的に単一球状形態を有している点に特徴がある。
【0026】
なお、ストークスモード径Dst(nm)は下記の方法によって測定される値である。
【0027】
JIS K6221(1982)5「乾燥試料の作り方」に基づいて乾燥した炭素微小球試料を少量の界面活性剤を含む20容量%エタノール水溶液と混合して炭素分散濃度0.1kg/mの分散液を作成し、これを超音波で十分に分散させて試料とする。ディスク・セントリフュージ装置(英国Joyes Lobel社製)を100 s−1の回転数に設定し、スピン液(2重量%グリセリン水溶液、25℃)を0.015dm加えた後、0.001dmのバッファー液(20容量%エタノール水溶液、25℃)を注入する。次いで、温度25℃の炭素分散液0.0005dmを注射器で加えた後、遠心沈降を開始し、同時に記録計を作動させて図2に示す分布曲線(横軸;炭素分散液を注射器で加えてからの経過時間、縦軸;炭素試料の遠心沈降に伴い変化した特定点での吸光度)を作成する。この分布曲線より各時間Tを読み取り、次式(数1)に代入して各時間に対応するストークス相当径を算出する。
【0028】
【数1】
Figure 2004211012
【0029】
数1において、ηはスピン液の粘度(0.935×10−3Pa・s)、Nはディスク回転スピード(100 s−1) 、rは炭素分散液注入点の半径(0.0456m) 、rは吸光度測定点までの半径(0.0482m) 、ρCBは炭素の密度(kg/m) 、ρはスピン液の密度(1.00178kg/m)である。
【0030】
このようにして得られたストークス相当径と吸光度の分布曲線(図3)における最大頻度のストークス相当径をストークスモード径Dst(nm)とする。
【0031】
また、本発明の炭素微小球は粒子表面に原料炭化水素ガスの未分解残留物が殆ど残留しておらず、トルエン着色透過度LTが95%以上と極めて高いものである。なお、トルエン着色透過度LTはJIS K6218−1997「ゴム用カーボンブラックの付随的性質の試験法」によって測定される。
【0032】
更に、本発明の炭素微小球は粒子が融着結合した凝集構造体が小さく、実質的に単一球であるため、圧縮充填状態における電気抵抗が大きく、圧力50kg/cmで加圧時の圧縮電気抵抗は0.5〜0.7Ωmと高抵抗を示し、半導体デバイス配線用の塗料、フォトレジストプロセスにおける反射防止膜用の顔料、ブラックマトリックス用の遮光顔料等として好適に使用することができる。
【0033】
この炭素微小球は炭化水素ガスを水素ガスとともに熱分解することにより製造される。原料となる炭化水素は、メタン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、ブタジエン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の単環式芳香族炭化水素、ナフタレン、アントラセン等の多環式芳香族炭化水素、あるいはこれらの混合物や液化天然ガス(LNG)などが用いられる。なお、原料炭化水素が常温で液体または固体の場合には、その沸点以上の温度に加熱して気化させ、ガス状で熱分解炉に供給される。
【0034】
炭化水素ガスは水素ガスをキャリアガスとして水素ガスとともに熱分解炉に供給され、炭化水素ガスと水素ガスの混合ガスを比較的低温で、緩やかに熱分解させることにより、粒度分布がシャープで粒子凝集構造が小さく、実質的に単一な球状形態を有する炭素微小球を製造することができる。
【0035】
例えば、トルエンと水素との混合ガスを熱分解させた場合、トルエンガスは水素ガス中で下記(1)式の反応式により熱分解して炭素を生成するものと想定される。
−CH→ 6C+2H+CH…(1)
すなわち、(1)式よりトルエンガスの熱分解反応は水素ガスの存在により抑制されることになる。一方、熱分解反応により生成したメタンガスも熱分解するが、温度が低い場合には分解速度が遅く、トルエンガスの熱分解により生成した水素ガス、メタンガスは共にトルエンガスの熱分解反応を抑制する方向に機能することになる。その結果、トルエンガスは緩やかに熱分解して単一球状で粒度分布がシャープな炭素微小球の生成が可能となる。
【0036】
また、炭化水素ガスの濃度を低く設定すると、分解反応の過程における炭素微小球の前駆体である中間生成粒子の濃度も低くなり、中間生成粒子の衝突機会が回避される結果粒子間の結合が抑制され、粒子凝集体の形成が防止される。すなわち、単一球状で粒度分布もシャープな炭素微粒子の生成が可能となる。
【0037】
更に、炭化水素ガスと水素ガスの混合ガスの流速が遅く、層流状態で熱分解反応させると、分解反応過程における炭素微小球の前駆体である中間生成粒子相互間の衝突機会が減少するので、粒子間の凝集が抑制され、粒度分布がシャープで単一球状形態の炭素微小球を生成することができる。
【0038】
このような理由により本発明の製造方法においては、原料となる炭化水素ガスの濃度を0.01〜40vol%に、炭化水素ガスと水素ガスの混合ガスのレイノルズ数を1〜20に、分解温度を1100〜1300℃の条件に設定して熱分解反応を行うものである。
【0039】
原料炭化水素ガスの濃度〔=(炭化水素ガス流量)/(炭化水素ガス流量+水素ガス流量)〕を0.01〜40vol%に設定するのは、炭化水素ガス濃度が40 vol%を越える場合には微細な粒子径で、粒子凝集体の小さい炭素粒子を生成することができず、一方0.01 vol%未満の低いガス濃度ではカーボンブラックの製造効率が低いばかりでなく反応ガス中における炭化水素ガスが少ないためにカーボンブラックの生成反応が円滑に進まず、粒子性状等が不均一化して、粒度分布もブロード化するためである。
【0040】
原料炭化水素ガスと水素ガスの混合ガスのレイノルズ数を1〜20に設定するのは、レイノルズ数が20を越える場合には中間生成粒子の相互衝突する機会が増えるために凝集粒子が形成され易くなり、単一球状形態の炭素微小球を生成させることが困難となるからである。一方、レイノルズ数が1を下回る場合には炭素微小球の生成効率が著しく低下することになり、また粒子性状の不均一化を招くためである。
【0041】
熱分解温度を1100〜1300℃の条件に設定するのは、1300℃を越える温度では熱分解反応が促進される結果、中間生成粒子の相互衝突する機会が大きくなるため粒子間の凝集が進み、単一な球体を生成させることが難しくなり、更に粒度分布もブロード化するためである。なお、分解温度が1100℃未満では炭素微小球の生成効率の低下が著しくなるためである。
【0042】
このような条件下に熱分解した後、得られた炭素球は、更に無酸素雰囲気中で600〜2000℃の温度で熱処理して炭素球表面に残留したタール状の未分解炭素質物を除去することにより、トルエン着色透過度LTが95%以上の炭素微小球が製造される。熱処理は、例えば、▲1▼後述する図1の反応管21に引き続き加熱部を設けて、熱処理し、冷却・捕集する方法、▲2▼熱分解した後、得られた炭素球を雰囲気調整可能な加熱炉に入れて熱処理し、冷却・捕集する方法、など適宜な方法で行うことができる。なお、無酸素雰囲気とは遊離酸素ばかりでなく酸素化合物も存在しない雰囲気をいう。
【0043】
このように、原料炭化水素ガスと水素ガスの混合ガスを熱分解炉に導入し、熱分解条件を設定、制御することにより、すなわち炭化水素ガスの濃度を0.01〜40vol%、混合ガスのレイノルズ数を1〜20、熱分解温度を1100〜1300℃に制御しで熱分解した後、得られた炭素球を、更に無酸素雰囲気中で600〜2000℃の温度で熱処理することにより、電子顕微鏡による算術平均粒子径dnが20〜150nm、dnの標準偏差sとdnとの比s/dnが0.1〜0.3、粒子凝集体の大きさを示すストークスモード径Dstと算術平均粒子径dnとの比Dst/dnの値が1.2以下の粒子性状を備えた、実質的に単一な球状形態を有し、粒度分布のシャープな本発明の炭素微小球を製造することができる。
【0044】
【実施例】
以下、本発明の実施例を比較例と対比して詳細に説明する。
【0045】
図1は本発明の炭素微小球の製造方法を実施するための装置の全体構成を例示した説明図である。図1において、11、12は高純度水素ガスが夫々充填されたガスボンベで、13、14は流量計である。15は炭化水素を貯蔵した原料タンクで、例えばトルエン等を液状で貯蔵している。加熱炉20は原料である炭化水素ガスを熱分解して炭素微小球に転化するための加熱炉であり、予熱帯域21と加熱帯域23とから構成されている。加熱炉20は、例えば内径145mm、長さ1500mmの不透明石英管であり、その内のガス導入側の長さ約200mmに亘る部分の外側にヒータ22を設置して予熱帯域21とし、予熱帯域21に隣接した長さ約400mmに亘る部分の外側にヒータ25を設置して加熱帯域23としている。ヒータ22及びヒータ25には電熱加熱方式や高周波誘導加熱方式が適用される。
【0046】
加熱帯域23には、混合ガスの流速を制御するために反応管24が内挿できるようになっている。反応管24は、例えば内径20mm、長さ450mmのムライト管であり、反応管24の外側と加熱帯域23との間隙は断熱材で閉塞して混合ガスの侵入を阻止している。予熱帯域21の温度は熱電対で検出して温度調節器26で所定の温度に制御し、加熱帯域23の温度は放射温度計28で検出して温度調節器27で所定の温度に、例えば1160℃の温度に制御している。加熱炉20内の圧力は圧力計19、圧力制御バルブ31、真空ポンプ32により所定の圧力に制御されている。熱分解後の炭素微小球を含む分解ガスは冷却管29で冷却したのち、捕集室30で炭素微小球を分離捕集したのち、水槽33を経由して燃焼装置34で完全燃焼させて系外に排出される。
【0047】
実施例1〜5、比較例1〜5
図1に示した装置により、原料タンク15にトルエンを入れ、水素ガスボンベ11からステンレスパイプ16を経由して所定流量の水素ガスをトルエン中に吹き込み、トルエンをバブリングしてトルエンガスを水素ガスとともにステンレスパイプ18を経由して加熱炉20に導入した。この際、水素ガスボンベ12からステンレスパイプ17を経由して水素ガスを供給し、水素ガス流量を調整して、トルエンガス濃度及びトルエンガスと水素ガスの混合ガスの流速を制御した。このようにして、トルエンガス濃度、混合ガスのレイノルズ数、及び、温度を変えて2時間熱分解した。得られた炭素球をアルゴン雰囲気中1000℃の温度で2時間熱処理して炭素微小球を製造した。
【0048】
実施例6
トルエンガスに代えてメタンガスを用い、メタンガス濃度、メタンガスと水素ガスの混合ガスのレイノルズ数、及び、温度を変えて2時間熱分解した後、得られた炭素球をアルゴン雰囲気中1000℃の温度で2時間熱処理して炭素微小球を製造した。
【0049】
実施例7、比較例6
トルエンガスに代えてブタンガスを用い、ブタンガス濃度、ブタンガスと水素ガスの混合ガスのレイノルズ数、及び、温度を変えて2時間熱分解した後、得られた炭素球をアルゴン雰囲気中1000℃の温度で2時間熱処理して炭素微小球を製造した。
【0050】
実施例8
トルエンガスに代えて液化天然ガス(LNG)を用い、液化天然ガス濃度、液化天然ガスと水素ガスの混合ガスのレイノルズ数、及び、温度を変えて2時間熱分解した後、得られた炭素球をアルゴン雰囲気中1000℃の温度で2時間熱処理して炭素微小球を製造した。
【0051】
比較例7
水素ガスに代えて窒素ガスを用い、トルエンガス濃度、トルエンガスと窒素ガスの混合ガスのレイノルズ数、及び、温度を変えて2時間熱分解した後、得られた炭素球をアルゴン雰囲気中1000℃の温度で2時間熱処理して炭素微小球を製造した。
【0052】
比較例8
水素ガスに代えてヘリウムガスを用い、トルエンガス濃度、トルエンガスとヘリウムガスの混合ガスのレイノルズ数、及び、温度を変えて2時間熱分解した後、得られた炭素球をアルゴン雰囲気中1000℃の温度で2時間熱処理して炭素微小球を製造した。
【0053】
このようにして製造した炭素微小球について電子顕微鏡観察により算術平均粒子径dn、同粒子径分布の標準偏差s、凝集粒子のストークスモード径Dstを測定した。また、熱処理前後のトルエン着色透過度LT、50kg/cmの圧力で加圧時の圧縮電気抵抗を測定した。得られた結果を、製造条件と対比して表1〜2に示した。
【0054】
【表1】
Figure 2004211012
【0055】
【表2】
Figure 2004211012
【0056】
また、参考例として市販のカーボンブラックについて、その粒子性状を同様に測定して、その結果を表3に示した。なお、表3において、参考例1は市販のサーマルブラック(FT級)、参考例2は市販のサーマルブラック(MT級)、参考例3は市販のチャンネルブラックである。
【0057】
【表3】
Figure 2004211012
【0058】
また、これらの炭素微小球の凝集形態を示す粒子構造の透過型電子顕微鏡写真(倍率60,000倍)を、図4(実施例1)、図5(実施例2)、図6(実施例3)、図7(実施例4)、図8(実施例5)、図9(実施例6)、図10(実施例7)、図11(実施例8)、図12(比較例2)、図13(比較例5)、図14(比較例6)、図15(比較例7)、図16(比較例8)、図17(参考例1)、図18(参考例2)、図19(参考例3)に、それぞれ示した。
【0059】
表1〜3、及び、図4〜19の結果から、本発明の製造方法を適用して製造した電子顕微鏡による算術平均粒子径dnが20〜150nm、dnの標準偏差sとdnとの比s/dnが0.1〜0.3、ストークスモード径Dstとdnとの比Dst/dnが1.2以下の粒子性状を有する実施例1〜8の炭素微小球は、実質的に単一な球状形態を備えており、特に、図6、7、9、10、11に示すようにdnが100〜200nmの粒子径範囲では粒子相互の凝集構造が極めて少なく、単一性に優れた球状形態を有していることが認められる。
【0060】
これに対して、トルエンガス濃度が0.005vol%と希薄な比較例1は粒状の炭素粉体が生成せず、生成物は膜状の熱分解炭素であった。また、レイノルズ数が0.78と小さい比較例2ではs/dn及びDst/dnの値が大きく、図2に示すように粒子凝集体も大きく、粒形状が不揃いで、膜状の熱分解炭素も混在していた。一方、比較例3のようにレイノルズ数が26と大きい場合には、加熱帯域における滞留時間(熱分解反応時間)が短いために、熱分解反応が円滑に進行せず、生成物は主にタール状の未分解炭化水素(未燃分)であった。
【0061】
また、熱分解温度が1080℃と低い比較例4は、熱分解反応が円滑に進まないため、主にタール状の未分解炭化水素(未燃分)が生成した。一方、熱分解温度が1350℃と高い比較例5では熱分解反応速度が増大し、炭素球の生成過程における中間粒子相互の衝突頻度が増大するので、Dst/dnの値が大きくなり、図13からも粒子が凝集したカーボンブラック類似構造の粒子凝集体が形成され易いことが分かる。
【0062】
原料ブタンのガス濃度が45vol%と高い比較例6では粒子の成長が進むため、平均粒子径dnが250nmと大きくなり、更に、そのばらつきs/dnも大きくなる傾向が認められる。
【0063】
更に、熱分解反応を抑制する機能を有する水素ガスに代えて、抑制機能を有しない窒素を用いた比較例7、あるいはヘリウムを用いた比較例8では、生成粒子の成長による大粒化及び凝集が進み、図15、16からも分かるように、大きな凝集粒子構造体が形成されることが認められる。
【0064】
なお、図17〜19は市販のサーマルブラック及びチャンネルブラックの粒子構造体を示したもので、これらのカーボンブラックと本発明の炭素微小球の粒子構造の相違は明確である。
【0065】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、粒子相互の凝集が極めて少なく、実質的に単一な球状形態で存在し、例えば、数百nm以下の線幅で設計されるICやLSI等の半導体デバイス配線用の塗料や数百nm以下の膜厚が要求されるフォトレジストプロセスにおける反射防止膜用の顔料、あるいは、ブラックマトリックス用の遮光顔料等として有用な炭素微小球及びその製造方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炭素微小球の製造方法を実施するための装置の全体構成を例示した説明図である。
【図2】Dstの測定時における炭素微小球試料の分散液を加えてからの経過時間と炭素微小球の遠心沈降による吸光度の変化を示した分布曲線である。
【図3】Dstの測定時に得られたストークス相当径と吸光度の関係を示す分布曲線である。
【図4】実施例1の炭素微小球の凝集形態を示す粒子構造の透過型電子顕微鏡写真である。
【図5】実施例2の炭素微小球の凝集形態を示す粒子構造の透過型電子顕微鏡写真である。
【図6】実施例3の炭素微小球の凝集形態を示す粒子構造の透過型電子顕微鏡写真である。
【図7】実施例4の炭素微小球の凝集形態を示す粒子構造の透過型電子顕微鏡写真である。
【図8】実施例5の炭素微小球の凝集形態を示す粒子構造の透過型電子顕微鏡写真である。
【図9】実施例6の炭素微小球の凝集形態を示す粒子構造の透過型電子顕微鏡写真である。
【図10】実施例7の炭素微小球の凝集形態を示す粒子構造の透過型電子顕微鏡写真である。
【図11】実施例8の炭素微小球の凝集形態を示す粒子構造の透過型電子顕微鏡写真である。
【図12】比較例2の炭素微小球の凝集形態を示す粒子構造の透過型電子顕微鏡写真である。
【図13】比較例5の炭素微小球の凝集形態を示す粒子構造の透過型電子顕微鏡写真である。
【図14】比較例6の炭素微小球の凝集形態を示す粒子構造の透過型電子顕微鏡写真である。
【図15】比較例7の炭素微小球の凝集形態を示す粒子構造の透過型電子顕微鏡写真である。
【図16】比較例8の炭素微小球の凝集形態を示す粒子構造の透過型電子顕微鏡写真である。
【図17】参考例1のFT級サーマルブラックの凝集形態を示す粒子構造の透過型電子顕微鏡写真である。
【図18】参考例2のMT級サーマルブラックの凝集形態を示す粒子構造の透過型電子顕微鏡写真である。
【図19】参考例3のチャンネルブラックの凝集形態を示す粒子構造の透過型電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
11、12 水素ガスボンベ
13、14 流量計
15 原料タンク
16、17、18 ステンレスパイプ
19 圧力計
20 加熱炉
21 予熱帯域
22、25 ヒータ
23 加熱帯域
24 反応管
26、27 温度調節器
28 放射温度計
29 冷却管
30 捕集室
31 圧力制御バルブ
32 真空ポンプ
33 水槽
34 燃焼装置

Claims (4)

  1. 電子顕微鏡による算術平均粒子径dnが20〜150nmであって、そのばらつき度合いを示すs/dnが0.1〜0.3(但し、sはdnの標準偏差)であり、粒子凝集体の大きさを示すストークスモード径Dstと算術平均粒子径dnとの比Dst/dnが1.2以下の粒子性状を備えることを特徴とする炭素微小球。
  2. トルエン着色透過度LTが95%以上である、請求項1記載の炭素微小球。
  3. 50kg/cmの圧力で加圧時の圧縮電気抵抗が0.5〜0.7Ωmである、請求項1又は請求項2記載の炭素微小球。
  4. 炭化水素ガスを水素ガスとともに熱分解炉の予熱帯域に導入し、引き続く加熱帯域において炭化水素ガス濃度0.01〜40vol%、レイノルズ数1〜20、温度1100〜1300℃の条件で熱分解した後、得られた炭素球を、更に無酸素雰囲気中で600〜2000℃の温度で熱処理することを特徴とする請求項1記載の炭素微小球の製造方法。
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