JP2004210999A - ゴム複合シート - Google Patents

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Abstract

【課題】断続的な曲げ応力や引張応力を受けても破断したり破壊されたりすることがなく、長期間に渡って磁力が安定したゴム複合シートを提供する。
【解決手段】ブチルゴム及びシリコンゴムよりなる群から選択された少なくとも一種のゴム成分からなるマトリックスと、該マトリックス中に分散させた希土類磁性体粉、針状又は連珠状の形状により形状異方性を発現するα−Fe粉、及び結晶異方性を発現するCo粉よりなる群から選択された少なくとも一種の磁性粉とからなるゴム複合シート、または、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、アクリルゴム及びナイロンよりなる群から選択した硬質マトリックス中に、前記磁性粉を分散させてなる硬質複合シートの複数個の分割小片を、前記ゴム成分からなるゴムシート上に貼り付けてなるゴム複合シートである。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム複合シート、特に断続的な曲げ応力や引張応力を受けても破断したり破壊されることがなく、長期に渡って磁力を維持きる可撓性ゴム複合シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、タイヤの高機能化のために、タイヤトレッド部の裏側(内面)等に磁石を貼り付け、その磁界の変化をモニターする技術が検討されている。しかしながら、タイヤには使用に際し断続的に曲げ応力や引張応力が加わるため、既存の焼結磁石やシート状プラスチック磁石をタイヤに貼付した場合、該磁石が次第に割れたり剥がれたりして脱落してしまう問題がある。そのため、タイヤに貼付する磁石は可撓性を有する必要がある。
【0003】
従来、可撓性を有する磁石としては、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム(SBR)やアクリルゴム等をマトリクッスとし、磁性粉を該マトリックス中に分散させた硬質複合シートがある。しかしながら、該硬質複合シートは、磁界の変化をモニターするのに充分な磁力を得るために、硬質複合シート中の磁性粉の含有率を50体積%以上にすると、硬質複合シートの表面硬度は高いものの脆くなるため、断続的に曲げ応力や引張応力が加わると、割れる等して元の形状を維持できないという問題がある。また、該硬質複合シートは、時間の経過や繰り返し応力を加えることにより、磁化した磁性粉同士の斥力によってマトリックス内で磁性粉が移動して磁力が低下するという問題もあった。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−88207号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、断続的な曲げ応力や引張応力を受けても破断したり破壊されることがなく、長期間に渡って磁力が安定したゴム複合シートを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、マトリックスとして今まで用いられなかった特定のゴム成分を用いるか、従来の硬質マトリックス中に磁性粉を分散させてなる硬質複合シートの分割小片を前記特定のゴム成分からなるゴムシート上に貼付することにより、断続的な曲げ応力や引張応力を受けても破断したり破壊されることなく、長期間に渡って磁力が安定したゴム複合シートが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
即ち、本発明の第1のゴム複合シートは、ブチルゴム及びシリコンゴムよりなる群から選択された少なくとも一種のゴム成分からなるマトリックスと、該マトリックス中に分散させた希土類磁性体粉、針状又は連珠状の形状により形状異方性を発現するα−Fe粉、及び結晶異方性を発現するCo粉よりなる群から選択された少なくとも一種の磁性粉とからなる。ここで、該ゴム複合シートにおける磁性粉の含有量は、50〜75体積%であるのが好ましい。また、該ゴム複合シートは、その表面のJIS S 6050硬度が50〜90度であるのが好ましい。
【0008】
また、本発明の第2のゴム複合シートは、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、アクリルゴム及びナイロンよりなる群から選択した硬質マトリックス中に、希土類磁性体粉、針状又は連珠状の形状により形状異方性を発現するα−Fe粉、及び結晶異方性を発現するCo粉よりなる群から選択された少なくとも一種の磁性粉を分散させてなる硬質複合シートの複数個の分割小片を、ブチルゴム及びシリコンゴムよりなる群から選択された少なくとも一種のゴム成分からなるゴムシート上に貼り付けてなる。ここで、該硬質複合シートの分割小片における磁性粉の含有量は、50〜80体積%であるのが好ましい。また、上記ゴムシートの表面のJIS S 6050硬度は、50〜90度であるのが好ましい。
【0009】
本発明のゴム複合シートの好適例においては、DIN−3規格に準拠した引張試験において、引張速度100mm/分での破断伸度が10%以上であり、また、前記ゴム複合シートよりなる厚さ0.5mm以上、幅20mm、内径20mmの筒状体は、2回/秒の頻度で該筒状体の径方向に10mmのストロークで圧環された場合の破壊に至るまでの圧環回数が10000回以上である。
【0010】
本発明のゴム複合シートの他の好適例においては、前記ゴム成分がブチルゴムであって、該ブチルゴムの不飽和度が0.3%以上で、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が60以下である。ここで、該ブチルゴムは、ハロゲン化ブチルゴムを含んでいてもよい。
【0011】
本発明のゴム複合シートの他の好適例においては、前記ゴム成分がシリコンゴムであって、該シリコンゴムが、熱加硫型シリコンゴム又は常温硬化型RTVである。
【0012】
本発明のゴム複合シートの他の好適例においては、前記磁性粉は、レーザー回折式粒度分布計で測定した50%径が75μm以下である。
【0013】
本発明のゴム複合シートの他の好適例においては、前記磁性粉がシランカップリング剤及び/又は表面酸化防止剤で表面処理されている。
【0014】
本発明のゴム複合シートの他の好適例においては、前記磁性粉が分散され磁化した17mm×17mm×1mmの大きさの直方体状ゴム複合シートの鉛直に20mmの地点での鉛直方向の磁束密度が15G以上であり、該ゴム複合シートを常温下で地磁気以上の大きさの磁気が周囲に存在しない環境下に24時間放置した後の前記磁束密度の低下が、放置前に比べ0.1%以下である。
【0015】
本発明のゴム複合シートの他の好適例においては、前記磁性粉が分散され磁化したゴム複合シートよりなる厚さ0.5mm以上、幅20mm、内径20mmの筒状体を、2回/秒の頻度で該筒状体の径方向に10mmのストロークで10000回圧環した後の該筒状体の磁束密度の低下が、圧環前に比べ0.1%以下である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の第1のゴム複合シートは、ブチルゴム及びシリコンゴムよりなる群から選択された少なくとも一種のゴム成分からなるマトリックスと、該マトリックス中に分散させた希土類磁性体粉、針状、連珠状等の形状により形状異方性を発現するα−Fe粉、及び結晶異方性を発現するCo粉よりなる群から選択された少なくとも一種の磁性粉とからなる。また、本発明の第2のゴム複合シートは、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、アクリルゴム及びナイロンよりなる群から選択した硬質マトリックス中に、希土類磁性体粉、針状、連珠状等の形状により形状異方性を発現するα−Fe粉、及び結晶異方性を発現するCo粉よりなる群から選択された少なくとも一種の磁性粉を分散させてなる硬質複合シートの複数個の分割小片を、ブチルゴム及びシリコンゴムよりなる群から選択された少なくとも一種のゴム成分からなるゴムシート上に貼り付けてなる。ここで、硬質複合シートの分割小片は、縦が0.5〜40mmで、横が0.5〜40mmで、厚さが0.3〜2mmであるのが好ましく、一方、ゴムシートは厚さが0.3〜2mmが好ましい。分割小片の形状としては、正方形、長方形、正三角形、正六角形が挙げられる。なお、分割小片が密着した場合において、分割小片貼付け側が凹になるように曲がった場合でも、下地ゴムシートが伸びて圧環に耐え得るため、分割小片間の距離は、最小で0でもよい。
【0017】
本発明の第1のゴム複合シートは、硬質複合シートのマトリックスとして今まで単体で用いられることのなかった上記特定のゴム成分を用いるため、断続的な曲げ応力や引張応力を受けても破断したり破壊されることがなく、長期間に渡って磁力が安定している。また、本発明の第2のゴム複合シートは、従来の硬質複合シートの分割小片を上記特定のゴム成分よりなるゴムシート上に貼付することにより、断続的な曲げ応力や引張応力を受けても破断したり破壊されることがなく、長期間に渡って磁力が安定している。また、上記第1及び第2のゴム複合シートは、時間の経過や繰り返しの応力付加に伴い、磁化した磁性粉同士の斥力によりマトリックス内で磁性粉が移動することがないので、磁力が低下することがない。
【0018】
本発明のゴム複合シートに用いるゴム成分は、ブチルゴム及びシリコンゴムの少なくとも一種である。これらゴム成分は、断続的な曲げ応力や引張応力を受けても、応力を除くことで元の形状に戻ることができる。
【0019】
本発明のゴム複合シートのゴム成分としてブチルゴムを使用する場合、該ブチルゴムは、不飽和度が0.3%以下で、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が60以下であるのが好ましい。ブチルゴムの不飽和度が0.3%未満では、架橋点を充分に確保できない。また、ブチルゴムのムーニー粘度ML1+4(100℃)が60を超えると、柔軟性が低すぎ、磁性粉と混練する際の加工性が悪くなる。該ブチルゴムはハロゲン化ブチルゴムを含んでもよく、ハロゲン化ブチルゴムとしては、臭素化ブチルゴム、塩素化ブチルゴムが挙げられる。
【0020】
また、本発明のゴム複合シートのゴム成分としてシリコンゴムを使用する場合、該シリコンゴムは、常温あるいは加温状態での混練時に低粘度となり、硬化後は高強度となる熱加硫型シリコンゴム、常温硬化2液型RTV等が好ましい。ここで常温硬化型RTVは、信越化学工業(株)から市販されているシリコンゴムである。
【0021】
本発明の第2のゴム複合シートの硬質複合シートに用いる硬質マトリックスは、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、アクリルゴム及びナイロンよりなる群から選択される。本発明では、硬質複合シートを小片に分割して、ブチルゴム及びシリコンゴムの少なくとも何れかよりなるゴムシートに貼り付けるため、曲げ応力を受けた際の分割小片にかかる歪が小さい。
【0022】
本発明のゴム複合シートに用いる磁性粉は、従来の硬質複合シートに用いられる磁性粉であり、具体的には、希土類磁性体粉、針状、連珠状などの形状により形状異方性を発現するα−Fe粉、結晶異方性を発現するCo粉である。ここで、希土類磁性体としては、NdFeB、SmFeN等が挙げられる。なお、形状異方性を発現するものは、磁性体の形状が針状か、それに近いものをなす場合に異方性を発現するものであり、結晶異方性を発現するものは、結晶の構造により形状に関係なく異方性を発現するものであり、異方性があり硬磁性(保磁力を持つ)であることで磁石となり得る。これら磁性粉はいずれも硬磁性体である。ゴム複合シートが必要な磁力を得るのに充分な磁性粉含有量を確保しつつ、充分な柔軟性を確保するには、磁性粉の粒径が大きすぎないことが必要である。そのため、上記磁性粉は、レーザー回折式粒度分布計で測定した50%径が75μm以下であるのが好ましい。磁性粉の50%径が75μmを超えると、磁性粉含有量を充分に確保した場合、磁性粉がマトリックス中に入り込まず、シート強度が低下する。
【0023】
また、上記磁性粉は、シランカップリング剤で表面処理されているのが好ましい。磁性粉の表面をシランカップリング剤で表面処理することにより、マトリックス中で磁性粉が固定されるので、磁力の変動を抑制でき、また、複合シート自体の強度を向上させることができる。ここで、シランカップリング剤としては、例えばスルフィド系シランカップリング剤である信越化学工業KBE−846が挙げられる。
【0024】
更に、上記磁性粉は、表面酸化防止剤で表面処理されているのが好ましい。磁性粉の表面には、薄い酸化物層が存在するが、磁性粉の表面を表面酸化防止剤で表面処理することにより、該磁性粉の表面酸化の進行に起因する不可逆的な磁力の劣化を抑制することができる。ここで、表面酸化防止剤としては、オルトリン酸が挙げられる。
【0025】
本発明の第1のゴム複合シートは、該ゴム複合シート中の磁性粉の含有量が50〜75体積%であるのが好ましい。また、本発明の第2のゴム複合シートは、上記硬質複合シートの分割小片中の磁性粉の含有量が50〜80体積%であるのが好ましい。磁性粉の含有量が50体積%未満では、磁界の変化をモニターするのに磁力が不充分であり、一方、第1のゴム複合シート中の磁性粉の含有量が75体積%を超えたり、硬質複合シートの分割小片中の磁性粉の含有量が80体積%を超えると、磁性粉を固定するのに充分なマトリックスが確保出来ず、隣接する磁性粉同士が接着せずに存在する部分が生じるため、全体としてのシート強度が低下する。
【0026】
本発明のゴム複合シートは、DIN−3規格に準拠した引張試験において、引張速度100mm/分での破断伸度が10%以上である。そのため、本発明のゴム複合シートは、断続的に引張応力が加わっても破断しにくい。
【0027】
また、本発明のゴム複合シートよりなる厚さ0.5mm以上、幅20mm、内径20mmの筒状体は、2回/秒の頻度で該筒状体の径方向に10mmのストロークで圧環された場合の破壊に至るまでの圧環回数が10000回以上である。そのため、本発明のゴム複合シートは、断続的に曲げ応力が加わっても破壊されにくい。
【0028】
更に、本発明の第1のゴム複合シートは、表面のJIS S 6050硬度が50〜90度であり、本発明の第2のゴム複合シートは、ゴムシートの表面のJIS S 6050硬度が50〜90度である。JIS S 6050で規定されるシート表面の硬度が50度未満では、断続的に曲げ応力や引張応力が加わった際に形状を維持するのが難しく、90度を超えると、シートの柔軟性を維持するのが難しくなる。
【0029】
本発明のゴム複合シートは、磁性粉が分散され磁化した17mm×17mm×1mmの大きさの直方体状ゴム複合シートの鉛直に20mmの地点での鉛直方向の磁束密度が15G以上である。磁束密度が15G未満の場合、磁界の変化をモニターするのに磁力が不充分である。また、該ゴム複合シートは、常温下、地磁気以上の大きさの磁気が周囲に存在しない環境下に24時間放置した場合の上記磁束密度の低下が放置前に比べ0.1%以下である。磁束密度の低下が0.1%を超えると、本来モニターすべき磁界の変化に、磁石そのものの磁力の変化が付加されて、捉えるべき情報の精度が著しく低下する。これは、断続的な曲げ応力が加わることによる磁束密度の低下が生じた場合でも、同様である。更に、該ゴム複合シートは、上記の圧環条件で10000回圧環した後の磁束密度の低下が、圧環前に比べ0.1%以下である。上記圧環条件で10000回圧環した際の磁束密度の低下が0.1%を超えると、タイヤのように断続的に曲げ応力が加わる物品へ貼付した場合、物品の使用に伴う磁力の劣化が大きすぎ、実用に供し得ない。
【0030】
本発明の第1のゴム複合シート、及び本発明の第2のゴム複合シートのゴムシートには、カーボンブラック等の補強剤、アロマオイル等の軟化剤、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、加硫促進剤及び硫黄等のゴム業界で通常用いられる配合剤を適宜配合することができる。
【0031】
本発明の第1のゴム複合シートは、例えば、前述のゴム成分と磁性粉とを混練して、混練物をシート状に成形することで製造できる。また、本発明の第2のゴム複合シートは、例えば、硬質マトリックス材料と磁性粉とを混練し、混練物をシート状に成形し、更に該成形体を小片に分割し、該分割小片複数個を前記ゴム成分よりなるゴムシートの一方の面に貼り付けることで製造できる。ここで、貼り付けの方法としては、クロロプレンゴム系接着剤による接着、加硫接着等がある。磁力を高める観点からは、隣接する分割小片同士が接触する程度まで密に敷き詰めても構わない。
【0032】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
【0033】
表1に示す配合よりなるゴム複合シートを作製し、下記に示す方法で引張試験、圧環試験及び磁束密度測定を実施した。なお、使用したゴム成分のムーニー粘度ML1+4(100℃)は、JIS K 6300−2:2001に準拠して測定し、ゴム複合シート表面硬度は、JIS S 6050に準拠して測定した。結果を表1に示す。
【0034】
(1)引張試験
DIN−3規格に準拠した引張試験において、引張速度100mm/分での破断伸度を測定した。
【0035】
(2)圧環試験
試作したゴム複合シートを用い、厚さ1mm、幅20mmで、内径20mmの筒状体を作製し、2回/秒の頻度で該筒状体の径方向に10mmのストロークで圧環し、破壊に至るまでの圧環回数を測定した。
【0036】
(3)磁束密度測定
17mm×17mm×1mmの大きさの直方体状ゴム複合シートを試作し、充分な印加磁場中で磁化した。該磁化したシートの17mm×17mmの広さの面の中心から鉛直に20mmの地点における該面に対し鉛直方向の磁束密度を測定した。また、常温下、地磁気以上の大きさの磁気が周囲に存在しない環境下に24時間放置した後の磁束密度も測定した。更に、上記の圧環試験と同様の条件で10000回圧環したゴム複合シートを用いて17mm×17mm×1mmの大きさの直方体状ゴム複合シートを試作し、上記と同様にして磁束密度を測定した。
【0037】
【表1】
Figure 2004210999
【0038】
表2に示す配合よりなる硬質複合シートの小片を表2に示す配合よりなるゴムシート上に貼付してゴム複合シートを作製し、上記と同様にして引張試験、圧環試験及び磁束密度測定を実施した。結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
Figure 2004210999
【0040】
実施例1〜4のゴム複合シートは、従来例の硬質複合シートよりも破断に至るまでの伸度が大きく、且つ圧環により破壊に至るまでの回数も多い。また、実施例1〜4のゴム複合シートは、24時間放置後の磁束密度の低下及び圧環後の磁束密度の低下が充分小さかった。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、断続的な曲げ応力や引張応力を受けても破断したり破壊されることがなく、長期間に渡って磁力が安定したゴム複合シートを提供することができる。また、該ゴム複合シートは、磁性粉の含有量が多い場合でも、断続的な曲げ応力又は引張応力の付加に対し、破断又は破壊しにくい。

Claims (16)

  1. ブチルゴム及びシリコンゴムよりなる群から選択された少なくとも一種のゴム成分からなるマトリックスと、該マトリックス中に分散させた希土類磁性体粉、針状又は連珠状の形状により形状異方性を発現するα−Fe粉、及び結晶異方性を発現するCo粉よりなる群から選択された少なくとも一種の磁性粉とからなるゴム複合シート。
  2. スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、アクリルゴム及びナイロンよりなる群から選択した硬質マトリックス中に、希土類磁性体粉、針状又は連珠状の形状により形状異方性を発現するα−Fe粉、及び結晶異方性を発現するCo粉よりなる群から選択された少なくとも一種の磁性粉を分散させてなる硬質複合シートの複数個の分割小片を、ブチルゴム及びシリコンゴムよりなる群から選択された少なくとも一種のゴム成分からなるゴムシート上に貼り付けてなるゴム複合シート。
  3. DIN−3規格に準拠した引張試験において、引張速度100mm/分での破断伸度が10%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム複合シート。
  4. 前記ゴム複合シートよりなる厚さ0.5mm以上、幅20mm、内径20mmの筒状体は、2回/秒の頻度で該筒状体の径方向に10mmのストロークで圧環された場合の破壊に至るまでの圧環回数が10000回以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム複合シート。
  5. 前記ゴム複合シートの表面のJIS S 6050硬度が50〜90度であることを特徴とする請求項1に記載のゴム複合シート。
  6. 前記ゴム複合シートのゴムシートの表面のJIS S 6050硬度が50〜90度であることを特徴とする請求項2に記載のゴム複合シート。
  7. 前記ゴム複合シートにおける前記磁性粉の含有量が50〜75体積%であることを特徴とする請求項1に記載のゴム複合シート。
  8. 前記硬質複合シートの分割小片における前記磁性粉の含有量が50〜80体積%であることを特徴とする請求項2に記載のゴム複合シート。
  9. 前記ゴム成分がブチルゴムであって、該ブチルゴムの不飽和度が0.3%以上で、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が60以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム複合シート。
  10. 前記ブチルゴムがハロゲン化ブチルゴムを含む請求項9に記載のゴム複合シート。
  11. 前記ゴム成分がシリコンゴムであって、該シリコンゴムが、熱加硫型シリコンゴム又は常温硬化型RTVであることであることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム複合シート。
  12. 前記磁性粉は、レーザー回折式粒度分布計で測定した50%径が75μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム複合シート。
  13. 前記磁性粉がシランカップリング剤で表面処理されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム複合シート。
  14. 前記磁性粉が表面酸化防止剤で表面処理されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム複合シート。
  15. 前記磁性粉が分散され磁化した17mm×17mm×1mmの大きさの直方体状ゴム複合シートの鉛直に20mmの地点での鉛直方向の磁束密度が15G以上であり、該ゴム複合シートを常温下で地磁気以上の大きさの磁気が周囲に存在しない環境下に24時間放置した後の前記磁束密度の低下が、放置前に比べ0.1%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム複合シート。
  16. 前記磁性粉が分散され磁化したゴム複合シートよりなる厚さ0.5mm以上、幅20mm、内径20mmの筒状体を、2回/秒の頻度で該筒状体の径方向に10mmのストロークで10000回圧環した後の該筒状体の磁束密度の低下が、圧環前に比べ0.1%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム複合シート。
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