JP2004210291A - 車体側部のエネルギ吸収構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明は、車両(1)の側面衝突時に車内側に展開して車室内の乗員を拘束するエアバッグを備えた車体側部のエネルギ吸収構造であって、エアバッグ(9)が車室の上側側部に位置するルーフサイドレール部(1d)に沿って前後方向に配置され、ガスを噴出するインフレータ(6)がルーフサイドレール部から下方に延びるピラー部(1e)に沿って配置され、インフレータとエアバッグがガス通管(23)により接続され、インフレータから噴出されたガスがガス通管を経てエアバッグに供給されエアバッグが展開するようになっていることを特徴としている。
【選択図】 図11
Description
さらに、特開昭50-14035号公報(特許文献2)に示されているように、サイドルーフレールの近傍のルーフ部にエアバッグを設けるようにしたものも知られている。
即ち、車両の側面衝突時には乗員が車室側部の比較的上側部分に衝突する可能性のあること、及び乗員が車室内壁部材に衝突するタイミングは衝突側と反衝突側との間、及び車室の上下位置間ではそれぞれズレがあることが、本発明者らにより知見されたのである。
従って、車両の側面衝突時における乗員保護性能のより一層の向上を図るためには、車室上部付近への乗員の衝突及びその衝突のタイミング等の乗員の挙動を十分に考慮した対策が必要であることが判明した。
しかし、このインフレータの発生ガス量は限りがあるため、エアバッグの最適な展開状態が得られる期間は自ずと限定される。従って、この最適な展開状態が得られる期間中に乗員の拘束作用が行えるようにその展開タイミングを考慮することが肝要である。
このように構成された第1の発明においては、車両の側面衝突時に、エアバッグを車室の上側側部に位置するルーフサイドレール部に沿って前後方向に配置し、このエアバッグをルーフサイドレール部から下方に延びるピラー部に沿って配置されたインフレータから噴出されるガスにより展開して車室内の乗員を拘束するようにしているため、乗員を確実に受け止めることができる。
第1の発明において、好ましくは、ガス通管のエアバッグ側の端部には、エアバッグ内にガスを供給するするガス吹出部材が設けられている。
第1の発明において、好ましくは、ガス吹出部材は、複数のガス噴出口を備えている。
上記の目的を達成するために、第3の発明は、車両の側面衝突時に車内側に展開して車室内の乗員を拘束するエアバッグを備えた車体側部のエネルギ吸収構造であって、エアバッグが車室の上側側部に位置するルーフサイドレール部に沿って前後方向に配置され、このエアバッグを展開させるためのガスを噴出するインフレータが配置され、このインフレータとエアバッグがガス通管により接続され、このガス通管のエアバッグ側の端部にエアバッグ内にガスを供給するガス吹出部材が設けられ、インフレータから噴出されれたガスがガス通管を経てガス吹出部材からエアバッグ内に供給されエアバッグが展開するようになっていることを特徴としている。
第3の発明において、好ましくは、ガス吹出部材は、複数のガス噴出口を備えている。
第3の発明において、好ましくは、ガス吹出部材は、エアバッグに沿って車両前後方向に配置されている。
先ず、図1乃至図6により本発明の第1実施形態を説明する。図1には、本発明の第1実施形態にかかる車体側部のエネルギ吸収構造を備えた車両1の助手席3(図5参照)側の上側側部が示されており、同図において符号1cはルーフ、1dはこのルーフ1cの側部を車体前後方向に延びる閉断面状のルーフサイドレール(図3参照)、1eはこのルーフサイドレール1dの前後方向中間位置から下方に延びるピラー(いわゆるセンターピラー)であり、この実施形態では左右一対のピラー1eに後述のピラー側エアバッグモジュール4を、また左右一対のルーフサイドレール1dに後述のルーフサイドレール側エアバッグモジュール5をそれぞれ取り付けている(図5及び図6参照)。
従って、このピラー側エアバッグモジュール4は、通常時(即ち、非側面衝突時)には、図2に実線で示すように、ピラー1e内に収容され且つピラートリム14によってその車室側から覆われた状態となっており、乗員には何等違和感を与えることがない。
従って、通常時には、図3に示すように、ルーフサイドレール側エアバッグモジュール5はレールトリム16によって車室側への露出が防止されているため、乗員には何等違和感を与えることがない。
従って、側面衝突の初期段階において乗員Mが衝突側に振られた場合には、図5に示すように、左側部1a側に配置した各エアバッグ8,9によって乗員Mはその肩部及び頭部が拘束され、直接車室の内壁部材(例えば、ピラー1eとかルーフサイドレール1d部分)に衝突するのが防止される。
このように、車室の上側両側部に配置した各エアバッグ8,9によって乗員Mを拘束することによってこの乗員Mが受ける損傷を可及的に低減することができ、それだけ側面衝突に対する乗員保護性能が向上するものである。
即ち、本実施形態においては、図10のフロ−チャ−トにも示すように、側面衝突が発生したことを衝突センサが検知した場合には(ステップS1,2)、ピラー1e側のエアバッグ8を展開させ(ステップS3)、その後、所定の時間遅れてルーフサイドレール1d側のエアバッグ9を展開させる(ステップS4,5)ようにしたものであり、このようにエアバッグの展開タイミングをズラせることによって次のような動作が可能となるものである。
即ち、本実施形態では、側面衝突時の乗員Mの挙動により的確に対応した乗員保護機能が確保される。
本実施形態では、このようにルーフサイドレール1d側のエアバッグ9をピラー1e側のエアバッグ8よりも遅らせて展開させることにより、第3実施形態の場合と同様の作用効果が得られる。
従って、この側面衝突の初期段階においては、衝突側のしかも比較的低い位置において展開するエアバッグ8によって乗員Mは確実に拘束され、その保護が図られるものである。
腰部を突き出した状態で運転席2側から助手席3側に投げ出された乗員Mは、この反衝突側の二つのエアバッグ8,9によってその腰部のみならず、肩部及び頭部までの広い範囲に亘って確実に拘束され、その保護が図られるものである。
また、この場合、反衝突側の各エアバッグ8,9が衝突側のエアバッグ8よりも所定時間遅れて展開することによって、この反衝突側の各エアバッグ8,9はそれぞれ最適な展開状態で乗員Mを待ち受けることができ、それだけより確実な乗員保護が期待できる。
そして、車両1の側面衝突時には各ピラー側エアバッグモジュール4のエアバッグ8と各ルーフサイドレール側エアバッグモジュール5のエアバッグ9とを同時に展開させる。すると、この各ルーフサイドレール1d側のエアバッグ9の展開と同時にルーフ1c側のエアバッグ21が車室の天井側に展開し、これら五つのエアバッグによって車室上部が囲まれた状態となり、乗員Mの保護がより完全なものとなる。
1d ルーフサイドレール
1e ピラー
2 運転席
3 助手席
4,5 エアバッグモジュール
6,7 インフレータ
8,9,21 エアバッグ
10,11 モジュールケース
12,13 モジュール取付ブラケット
14 ピラートリム
15 シーミングウェルト
16 レールトリム
22 ガス吹出部材
23 ガス通管
24 ガス制御バルブ
29 ソレノイド
Claims (7)
- 車両の側面衝突時に車内側に展開して車室内の乗員を拘束するエアバッグを備えた車体側部のエネルギ吸収構造であって、上記エアバッグが車室の上側側部に位置するルーフサイドレール部に沿って前後方向に配置され、ガスを噴出するインフレータが上記ルーフサイドレール部から下方に延びるピラー部に沿って配置され、上記インフレータと上記エアバッグがガス通管により接続され、上記インフレータから噴出されたガスが上記ガス通管を経て上記エアバッグに供給され上記エアバッグが展開するようになっていることを特徴とする車体側部のエネルギ吸収構造。
- 上記ガス通管の上記エアバッグ側の端部には、上記エアバッグ内にガスを供給するガス吹出部材が設けられている請求項1記載の車体側部のエネルギ吸収構造。
- 上記ガス吹出部材は、複数のガス噴出口を備えている請求項2に記載の車体側部のエネルギ吸収構造。
- 車両の側面衝突時に車内側に展開して車室内の乗員を拘束するエアバッグを備えた車体側部のエネルギ吸収構造であって、上記エアバッグが車室の上側側部に位置するルーフサイドレール部に沿って前後方向に配置され、このエアバッグを展開させるためのガスを噴出するインフレータが上記ルーフサイドレール部の車両前後方向の中間部から下方に延びるピラー部に沿って上下方向に配置されていることを特徴とする車体側部のエネルギ吸収構造。
- 車両の側面衝突時に車内側に展開して車室内の乗員を拘束するエアバッグを備えた車体側部のエネルギ吸収構造であって、上記エアバッグが車室の上側側部に位置するルーフサイドレール部に沿って前後方向に配置され、このエアバッグを展開させるためのガスを噴出するインフレータが配置され、このインフレータと上記エアバッグがガス通管により接続され、このガス通管の上記エアバッグ側の端部に上記エアバッグ内にガスを供給するガス吹出部材が設けられ、上記インフレータから噴出されたガスが上記ガス通管を経て上記ガス吹出部材からエアバッグ内に供給され上記エアバッグが展開するようになっていることを特徴とする車体側部のエネルギ吸収構造。
- 上記ガス吹出部材は、複数のガス噴出口を備えている請求項5に記載の車体側部のエネルギ吸収構造。
- 上記ガス吹出部材は、上記エアバッグに沿って車両前後方向に配置されている請求項5又は請求項6に記載の車体側部のエネルギ吸収構造。
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