JP2004209972A - 燃料透過防止性能に優れた積層構造体 - Google Patents

燃料透過防止性能に優れた積層構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料透過防止性能、特に自動車用燃料の透過防止性能に優れた積層構造体に関する。詳しくは、高温環境下でのガソリンやガソホール(ガソリンとアルコールの混合物)の透過防止性能、及びガソホール浸漬時の耐ストレスクラック性に優れ、ガソリンタンク、チューブ等の燃料の貯蔵又は輸送用の燃料部品に好適に使用できる積層構造体を提供する。
【解決手段】少なくともEVOH層とポリアミド層の2層を含み、該ポリアミド層が、ポリアミド樹脂100重量部と、ポリアミド樹脂中に均一に分散されている層状珪酸塩0.2〜5重量部とを含有することを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、燃料透過防止性能、特に自動車用燃料の透過防止性能に優れた積層構造体に関する。詳しくは、高温環境下でのガソリンやガソホール(ガソリンとアルコールの混合物)の透過防止性能、及びガソホール浸漬時の耐ストレスクラック性に優れ、ガソリンタンク、チューブ等の燃料の貯蔵又は輸送用の燃料部品に好適に使用できる積層構造体に関する。
従来、自動車用燃料タンクとしては、軽量化による燃料費向上や形状の自由度、さらには製造工程数の低減などという利点を有するプラスチック製燃料タンクが利用されている。このプラスチック製燃料タンクの材料としては、高密度ポリエチレンが主に使用されているが、高密度ポリエチレン製タンクは、燃料が透過しやすいため、安全及び環境対策のために燃料タンクからの燃料の揮散量を低減する必要があった。
そこで、燃料タンクからの燃料透過を防止する方法として、例えば、ポリエチレンの連続マトリックス相中にポリアミド等のバリア性樹脂を薄片状に分散させる方法(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)、EVOHをバリア層に用いた積層構造とする方法(例えば、特許文献3参照。)、ポリアミドをバリア層に用いた積層構造とする方法(例えば、特許文献4、特許文献5参照。)等が開発されている。さらには、ポリアミド中に層状珪酸塩を分散させて燃料透過防止性を向上させることが提案されている(例えば、特許文献6参照。)。
しかしながら、ポリエチレン中にポリアミドを薄片状に分散させる方法では、近年の厳しい燃料透過規制をクリアーすることができなくなっている。
また、EVOHをバリア層とする方法は、常温では優れた燃料透過防止性能を発揮するが、例えば、燃料直噴エンジンにおいては燃料の一部戻りがあり、タンク内の燃料温度が60℃〜80℃まで上昇するため、このようなEVOHのガラス転移点(約55〜60℃)を超える環境下では燃料透過防止性能が低下するという問題がある。
一方、EVOHをバリア層とする燃料タンクにおいて、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)/接着性樹脂(Ad)/EVOH/Ad/HDPE3種5層積層構成の燃料タンクにおいて、各種ガソリンを充填して長期間保存すると、タンクの一部に微小なクラックが生じる為か、燃料透過防止性が急激に悪化する場合がある。これは、該多層構成容器において、ガソリン充填時、HDPEおよびAdのガソリン膨潤性(寸法変化率)とEVOHのそれとが大きく異なりEVOHに異常なストレスがかかる事、およびEVOHはガソホール浸漬時にストレスクラックが生じやすい事が原因であると言われている。
これを解決するために、EVOHに対し、ポリアミド、ポリオレフィンおよびポリエステルから選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を配合した組成物をバリア層とする提案があるが、燃料透過防止性、特に高温高湿度環境下での燃料透過防止性が悪化するという問題を有している。それゆえ、ガソリン、特にアルコール含有ガソリンに対する耐ストレスクラック性、および燃料透過防止性を両立した積層構造体の開発が重要な課題の一つである。
特公昭60−14695号公報 特開昭61−283523号公報 特開平10−156978号公報 特開昭58−220738号公報 特開平9−39176号公報 特開平8−127089号公報
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、燃料透過防止性能、特に、高温環境下でのガソリンやガソホール(ガソリンとアルコールの混合物)といった自動車用燃料の透過防止性能、及びガソホール浸漬時における耐ストレスクラック性に優れたガソリンタンク、チューブ等の燃料貯蔵又は輸送用燃料部品に好適に使用できる積層構造体を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、バリアー層として、EVOH層と層状珪酸塩を分散させたポリアミド層を併用することにより、高温環境下でのアルコール含有燃料の透過防止性能、及びガソホール浸漬時の耐ストレスクラック性に優れることを見出し、上記目的が達成できたものである。
すなわち、本発明は、少なくともEVOH層とポリアミド層の2層を含み、該ポリアミド層が、ポリアミド樹脂100重量部と、ポリアミド樹脂中に均一に分散されている層状珪酸塩0.2〜5重量部とを含有することを特徴とする燃料透過防止性能に優れた積層構造体に関するものである。
本発明によれば、バリアー層として、EVOH層と層状珪酸塩を分散させたポリアミド層を併用することにより、燃料透過防止性能、特に高温環境下でのアルコール含有燃料の透過防止性能、及び耐ストレスクラック性に優れる積層構造体が得られる。
この積層構造体は、燃料タンク等の中空容器や、燃料タンクに付属するバルブ類、燃料ホース用継手、キャニスター接続用ノズル、セパレーター、燃料チューブ等の燃料貯蔵又は輸送用燃料部品に好適に使用できる。
以下、本発明の積層構造体について詳細に説明する。
まず、本発明の積層構造体において、EVOH層を構成するEVOHとは、エチレン−酢酸ビニル共重合体のけん化物であり、エチレン含有量20〜70モル%、好適には25〜70モル%、更に、酢酸ビニル成分のけん化度が90%以上、好適には95%以上のものが使用できる。エチレン含有量20モル%未満では溶融成形性が悪く、一方、70モル%以上では、燃料透過防止性が不足する。また、けん化度が90%未満では、燃料透過防止性が悪くなる。
なお、EVOH層には、所要に応じて、酸化防止剤、耐熱安定剤、着色剤、難燃剤等を適宜配合してもよい。
本発明の積層構造体におけるポリアミド層は、ポリアミド樹脂100重量部と、ポリアミド樹脂中に均一に分散されている層状珪酸塩0.2〜5重量部とを含有する。
本発明のポリアミド樹脂としては、モノマーとして、ラクタムもしくはアミノカルボン酸、または、ジアミンとジカルボン酸から重合される酸アミド結合(−CONH−)を有する重合体である。
ラクタムの具体例としては、α−ピロリドン、α−ピペリドン、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム、ε−エナントラクタム、ウンデカンラクタム、ドデカラクタム等が挙げられ、アミノカルボン酸の具体例としては、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等が挙げられる。
ジアミンの具体例としては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン等が挙げられる。
ジカルボン酸の具体例としては、アジピン酸、ヘプタンジカルボン酸、オクタンジカルボン酸、ノナンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。
これらモノマー成分から形成されるポリアミド樹脂の具体例としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12等が挙げられ、これらはホモポリマーでも2種以上のコポリマーでも良い。
また、ポリアミド樹脂は単独で用いてもよいが、異なるモノマーから重合されたポリアミド樹脂との混合物の形態で用いてもよい。更に、ポリアミド樹脂以外の他のポリマーとの混合物とすることも可能であり、この場合の他のポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、EPR、EBR、EPDM、アイオノマー樹脂、SEP樹脂、SEPS樹脂などを例示することができる。このように、ポリアミド樹脂を混合物の形態で用いる場合には、ポリアミド樹脂の含有率が60重量%以上であることが好ましい。
本発明におけるポリアミド樹脂の重合度には特に制限はないが、ポリマー1gを96%濃硫酸100mlに溶解し、25℃で測定した相対粘度が1.8〜5.0であることが好ましく、より好ましくは2.0〜4.5である。相対粘度が上記数値の上限より高い場合、加工性を著しく損ない、上記下限より低い場合、機械的強度が低下するため好ましくない。
次に、ポリアミド層を構成する他の成分である層状珪酸塩は、一辺の長さが0.002〜1μmで厚さが6〜20Åの平板状をなすものが好ましい。また、層状珪酸塩は、ポリアミド樹脂中に分散した際、各平板状粒子が平均20Å以上の層間距離を保ち、均一に分散するものであることが好ましい。ここで、「層間距離」とは、平板状をなす層状珪酸塩粒子の重心間の距離をいい、「均一に分散する」とは、平板状粒子の一枚一枚又は層数が平均的に5層以下の多層物が平行及び/又はランダムな状態で存在し、層状珪酸塩粒子の50重量%以上、好ましくは70重量%以上が局所的な塊を形成することなく分散する状態をいうものとする。
このような層状珪酸塩の原料としては、珪酸マグネシウムまたは珪酸アルミニウムの層から構成される層状フィロ珪酸鉱物を例示することができる。具体的には、モンモリロナイト、サポナイト、バイデライト、ノントロナイト、ヘクトライト、スティブンサイトなどのスメクタイト系粘土鉱物やバーミキュライト、ハロサイトなどを挙げることができ、これらは天然のものであっても、合成されたものであってもよい。
層状珪酸塩が多層状粘土鉱物である場合には、ジオクタデシルアミン、フェニレンジアミンのようなアミン、4−アミノ−n−酪酸、12−アミノドデカン酸のようなアミノ酸またはε−カプロラクタムのようなラクタム類の膨潤化剤と接触させて、予め層間を拡げて層間にモノマーを取り込みやすくした後、重合して均一に分散させることもできる。また、膨潤化剤を用い、予め層間を20Å以上に拡げて、これをポリアミド樹脂と溶融混合して均一に分散させる方法によってもよい。
層状珪酸塩の割合は、前記ポリアミド樹脂100重量部に対して0.2〜5重量部、特に1.5〜5重量部が好ましい。層状珪酸塩の割合が0.2重量部未満のときには、燃料透過抑制効果が十分でなく、5重量部を超えるとポリマーの物性、特に衝撃強度の低下を招くため好ましくない。
なお、ポリアミド樹脂には、所要に応じて、可塑剤、耐熱剤、耐候剤、結晶核剤、結晶化促進剤、離型剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、着色剤等の機能性付与剤等を適宜配合することができる。
より具体的には、耐熱剤としては、ヒンダードフェノール類、ホスファイト類、チオエーテル類、ハロゲン化銅などが挙げられ、単独またはこれらを組み合わせて使用できる。
耐候剤としては、ヒンダードアミン類やサリシレート類が挙げられ、単独またはこれらを組み合わせて使用できる。
結晶核剤としては、タルク、クレーなどの無機フィラー類や脂肪酸金属塩等の有機結晶核剤などが挙げられ、単独またはこれらを組み合わせて使用できる。
結晶化促進剤としては、低分子量ポリアミド、高級脂肪酸類、高級脂肪酸エステル類や高級脂肪族アルコール類が挙げられ、単独またはこれらを組み合わせて使用できる。
離型剤としては、脂肪酸金属塩類、脂肪酸アミド類や各種ワックス類が挙げられ、単独またはこれらを組み合わせて使用できる。
帯電防止剤としては、脂肪族アルコール類、脂肪族アルコールエステル類や高級脂肪酸エステル類が挙げられ、単独またはこれらを組み合わせて使用できる。
難燃剤としては、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、リン、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、メラミンシアヌレート、エチレンジメラミンジシアヌレート、硝酸カリウム、臭素化エポキシ化合物、臭素化ポリカーボネート化合物、臭素化ポリスチレン化合物、テトラブロモベンジルポリアクリレート、トリブロモフェノール重縮合物、ポリブロモビフェニルエーテル類や塩素系難燃剤が挙げられ、単独またはこれらを組み合わせて使用できる。
本発明の積層構造体においては、少なくともEVOH層とポリアミド層の2層を含む。このようにバリアー層として、EVOH層とポリアミド層を併用することにより、高温環境下でのアルコール含有燃料の透過防止性能を維持しつつ、含アルコールガソリン浸漬時の耐ストレスクラック性が向上する。本発明の積層構造体の構成としては、EVOH層とポリアミド層を1層ずつ積層した構成でもよいが、EVOH層の両面に、ポリアミド層を積層し、EVOH層をポリアミド層で挟んだ構成にした方がより燃料透過防止性、耐ストレスクラック性の両立が可能となる。
本発明の積層構造体をガソリンタンク等の中空部品に用いる場合には、さらにポリオレフィン層を有することが好ましい。具体的には、前記EVOH層及びポリアミド層からなる積層構造体を、さらにポリオレフィン層で挟んだ構成が望ましい。
ポリオレフィン層を構成するポリオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-オクテン等のα−オレフィン、またはブタジエン等のジオレフィンのホモポリマーまたはコポリマーである。例としては下記を挙げることができる。
(1)ポリエチレンのホモポリマー、特にLDPE、HDPE、LLDPE(直鎖低密度ポリエチレン)、VLDPE(超低密度ポリエチレン)およびメタロセンポリエチレン、あるいはプロピレンのホモポリマー、
(2)エチレン/α−オレフィンコポリマー、例えばエチレン/プロピレン、EPR(エチレン−プロピレン−ゴム)およびエチレン/プロピレン/ジエン(EPDM)、
(3)スチレン/エチレン−ブテン/スチレンブロックコポリマー(SEBS)、スチレン/ブタジエン/スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン/イソプレン/スチレンブロックコポリマー(SIS)またはスチレン/エチレン−プロピレン/スチレン(SEPS)ブロックコポリマー。
(4)エチレンとα,β−不飽和カルボン酸エステルとのコポリマー。α,β−不飽和カルボン酸エステル単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチルなどのメタクリル酸エステル等を挙げることができる。
本発明においては、上記ポリオレフィン層を構成するポリオレフィンが、不飽和カルボン酸又はその誘導体により変性されたポリオレフィンであることが望ましい。
変性ポリオレフィンは、上記ポリオレフィンに不飽和カルボン酸もしくはその誘導体をグラフト重合させた重合体である。変性ポリオレフィンにおけるグラフト変性された不飽和カルボン酸もしくはその誘導体の含有量は、好ましくは0.001〜10重量%であり、より好ましくは0.002〜1重量%である。グラフト変性された不飽和カルボン酸もしくはその誘導体の含有量が低すぎると、接着力が十分でなく、高すぎると架橋反応が起こりやすくなり品質が安定し難くなる。
上記変性に用いる不飽和カルボン酸又はその誘導体としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、ナジック酸などの不飽和カルボン酸もしくはその誘導体、例えば酸ハライド、アミド、イミド、無水物、エステルなどが挙げられる。誘導体の具体例としては、塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチルなどが挙げられる。これらのなかでは、不飽和ジカルボン酸またはその無水物が好適であり、特にマレイン酸、ナジック酸またはこれらの酸無水物が好ましく用いられる。
変性ポリオレフィンの変性方法としては、公知の製造方法、例えば、未変性ポリオレフィンに不飽和カルボン酸類とを溶融状態で反応させる方法、溶液状態で反応させる方法、スラリー状態で反応させる方法、気相状態で反応させる方法等のいずれかにより製造することができる。
また、本発明においては、上記未変性のポリオレフィン層とEVOH層又はポリアミド層とが、上記不飽和カルボン酸又はその誘導体により変性されたポリオレフィン層を介して積層されていてもよい。
上記ポリオレフィン層及び変性ポリオレフィン層を構成する樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で、充填剤、安定剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、発泡剤等の自体公知の添加剤を配合することができる。
さらに、本発明の積層構造体においては、上記ポリオレフィン層と変性ポリオレフィン層との間に、リグラインド層をさらに存在させることができる。リグラインド層とは、EVOH層、ポリアミド層、ポリオレフィン層および変性ポリオレフィン層を含む層が混在している該積層構造体の不要部分または該積層構造体の回収品を粉砕し、必要であればさらに押出機等で溶融混練して得た組成物からなり、積層構造体の目的を損なわない範囲で混在させることができる。また、リグラインド層は上記回収樹脂のみからなる必要はなく、それに例えばポリオレフィン層に用いたポリオレフィンをブレンドして機械物性を向上させることもできる。
本発明の積層構造体の層構成としては、EVOH層(A)とポリアミド層(B)のニ層構造や、(B)/(A)/(B)の三層構造のみならず、ポリオレフィン層(C)や変性ポリオレフィン層(D)を含む下記の構成が例示される。
(D)/(B)/(A)、(D)/(A)/(B)、(D)/(B)/(A)/(B)、(C)/(D)/(B)/(A)、(C)/(D)/(A)/(B)、(C)/(D)/(B)/(A)/(B)、(D)/(B)/(A)/(D)、(D)/(A)/(B)/(D)、(D)/(B)/(A)/(B)/(D)、(C)/(D)/(B)/(A)/(D)/(C)、(C)/(D)/(A)/(B)/(D)/(C)、(C)/(D)/(B)/(A)/(B)/(D)/(C)。
また、本発明の積層構造体には上記以外の他の層を付加できる。他の層に用いることのできる樹脂としては、以下に示すものが挙げられる。これらの樹脂が積層構造体と接着性の無い場合は、接着層を介して使用してもよい。なお、例示する他の層として使用する樹脂層は単一でなくてもよく、いくつかの層を重ね合わせてもよい。他の層として使用できる樹脂としてはフッ素樹脂が挙げられ、このフッ素樹脂には、ポリテトラフルオロエチレン(PTEF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(TFE/HFP,FEP)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデン共重合体(TFE/HFP/VDF,THV)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキル)ビニルエーテル)共重合体(PFA)などが含まれ、また、ポリクロロフルオロエチレン(PCTFE)エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)のように一部に塩素を含んだ樹脂も含まれる。
本発明の積層構造体において、各層の厚さは特に制限されず、各層を構成する重合体の種類、積層構造体における全体の層数、用途等に応じて調節し得るが、それぞれの層の厚みは、積層構造体のアルコ−ルガソリン透過防止性、耐ストレスクラック性、柔軟性等の特性を考慮して決定され、好ましい実施様態としては、EVOH層(A)の厚みが、積層構造体全体の厚みに対して、3〜40%である。3%未満であるとアルコ−ルガソリン透過防止性に劣り、また40%より大きい場合、耐ストレスクラック性に劣る。さらに、EVOH層(A)に積層されるポリアミド層(B)の厚みは、EVOH層(B)の厚みに対して、30〜200%であることが好ましい。ポリアミド層が30%未満であると、耐ストレスクラック性向上効果が発揮できず、200%より大きい場合、コスト面から不利となる。
本発明の積層構造体を製造する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、EVOH層の樹脂、ポリアミド層の樹脂、および必要に応じてさらにポリオレフィン層や変性ポリオレフィン層の樹脂をそれぞれ溶融しうる複数の押出機を用いて、各樹脂を溶融積層した後に押出機の先端から溶融パリソンとして共押出し、そして該パリソンを金型で囲繞した後にパリソン内部に加圧流体を注入して所定の形状に成形し、次いで冷却固化した後に取り出す、公知の共押出ブロー成形法で製造することができる。
本発明の積層構造体は、燃料透過防止性能、特に高温環境下でのガソリンやガソホール(ガソリンとアルコールの混合物)の透過防止性能、および、ガソホール浸漬時の耐ストレスクラック性に優れ、燃料タンク等の中空容器や、燃料タンクに付属するバルブ類、燃料ホース用継手、キャニスター接続用ノズル、セパレーター、燃料チューブ等の燃料貯蔵又は輸送用燃料部品に好適に使用できる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例において使用した樹脂及び成形品の物性測定方法を以下に示す。
[燃料透過量測定]
JIS Z0208に従い、Tダイで共押出成形により幅200mmの積層フィルムを作成し、φ75mm円形に切りぬき試験片とした。この試験片を用いて測定雰囲気温度65℃での燃料透過試験を行った。燃料にはイソオクタンとトルエンを体積比で1:1としたFuelCにエタノールを体積比で10%混合して用いた。また、燃料透過測定試料面には常に燃料が接触するように透過面を下向きにして設置し、一日毎に重量変化を測定した。一日あたりの重量変化を、フィルム断面面積で除して、フィルム厚み1mmあたりの燃料透過係数(g・mm/m・day)を算出した
[ストレスクラック性評価]
Tダイで共押出成形により幅200mmの積層フィルムを作成し、JISダンベル3号に切りぬき、試験片とした。この試験片を用いて10%引張伸度付加のもと、40℃において、イソオクタンとトルエンを体積比で1:1としたFuelCにエタノールを体積比で10%混合した燃料に3時間浸漬し、クラック発生の有無を確認した。
(A)EVOH((株)クラレ製、エバール F101A)
(B)ポリアミド
[(B−1)ポリアミド1の製造]
層状珪酸塩の一単位の厚みが平均的に9.5Åで一辺の平均長さが約0.1μmのモンモリロナイト100gを10Lの水に分散し、これに51.2gの12−アミノドデカン酸と24mLの濃塩酸を加え、5分間拡散したのちろ過した。さらにこれを十分洗浄し真空乾燥した。この操作により、12アミノドデカン酸アンモニウムイオンとモンモリロナイトの複合体を調製した。複合体中の層状珪酸塩分は80重量%となった。またこの複合体のX線回折による測定では、珪酸塩層間距離が18.0Åであった。
70リットルのオートクレーブに10kgのε−カプロラクタム、1kgの水及び200gの上記複合体を投入し、100℃で反応系内が均一な状態になるまで攪拌した。次いで槽内を260℃、1.7MPaで1時間攪拌した。その後放圧し、水分を反応容器から揮発させながら常圧下で3時間重合を行った。反応終了後、反応容器の下部ノズルからストランド状に取出したポリマーを冷却、カッティングしてポリアミド6樹脂とモンモリロナイトからなるペレットを得た。(以下(B−1)NCH(PA6)とする)得られたペレットを100℃熱水中で未反応モノマーを抽出し真空乾燥した。なお、この混合物をX線回折により分析したところ、層状珪酸塩の層間距離は、100Å以上であった。
[(B−2)ポリアミド2の製造]
ポリアミド1の製造の際に、10kgのε−カプロラクタム、1kgの水及び200gの上記複合体の代わりに、8.2kgのε−カプロラクタム、0.9kgのヘキサメチレンジアミン、0.9kgのアジピン酸、2kgの水及び200gの上記複合体を用いた以外は、(B−1)ポリアミド1の製造と同様の操作を行い、ポリアミド6/66樹脂とモンモリロナイトからなるペレットを得た。(以下(B−2)NCH(PA6/66)とする)この混合物をX線回折により分析したところ、層状珪酸塩の層間距離は、100Å以上であった。
[(C)接着性PEの製造]
HDPE(三井化学、高密度ポリエチレン ハイゼックスHZ5202B) 70重量%と酸変性PE(三菱化学、酸変性PEモディックAP) 30重量%をペレットブレンドし、(C)接着性PE混合物を製造した。
実施例1
表1に示す材料を使用し、(A)を押出温度230℃、(B−1)を押出温度240℃、(C)を押出温度190℃にて別々に溶融させ、4層T−ダイ用アダプターにて合流させ、(C)接着性PEからなる層、(B−1)NCH(PA6)からなる層、(A)EVOHからなる層の層構成が(C)/(A)/(B−1)/(C)=150/75/75/150μmの積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの燃料透過量測定結果を表1に示す。
実施例2
表1に示す材料を使用し、(A)を押出温度230℃、(B−1)を押出温度240℃、(C)を押出温度190℃にて別々に溶融させ、5層T−ダイ用アダプターにて合流させ、(C)接着性PEからなる層、(B−1)NCH(PA6)からなる層、(A)EVOHからなる層の層構成が(C)/(B−1)/(A)/(B−1)/(C)=150/37.5/75/37.5/150μmの積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの燃料透過量測定結果を表1に示す。
実施例3
(B−1)NCHPA6を(B−2)NCH(PA6/66)に代えたほかは、実施例2と同様の方法にて積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの燃料透過量測定結果を表1に示す。
比較例1
表1に示す材料を使用し、(A)を押出温度230℃、(C)を押出温度190℃にて別々に溶融させ、3層T−ダイ用アダプターにて合流させ、(C)接着性PEからなる層、(A)EVOHからなる層の層構成が(C)/(A)/(C)=150/150/150μmの積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの燃料透過量測定結果を表1に示す。
比較例2
(A)EVOHを(B−1)NCHPA6に代えたほかは、比較例1と同様の方法にて積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの燃料透過量測定結果を表1に示す。
Figure 2004209972

Claims (9)

  1. 少なくともEVOH層とポリアミド層の2層を含み、該ポリアミド層が、ポリアミド樹脂100重量部と、ポリアミド樹脂中に均一に分散されている層状珪酸塩0.2〜5重量部とを含有することを特徴とする燃料透過防止性能に優れた積層構造体。
  2. EVOH層が、ポリアミド樹脂100重量部と、ポリアミド樹脂中に均一に分散されている層状珪酸塩0.2〜5重量部とを含有するポリアミド層に挟まれてなることを特徴とする燃料透過防止性能に優れた積層構造体。
  3. 請求項1又は2記載の積層構造体が、さらにポリオレフィン層を有することを特徴とする積層構造体。
  4. ポリオレフィンが不飽和カルボン酸又はその誘導体により変性されたものである請求項3記載の積層構造体。
  5. EVOH層又はポリアミド層とポリオレフィン層とが、不飽和カルボン酸又はその誘導体により変性されたポリオレフィン層を介して積層されてなる請求項3記載の積層構造体。
  6. 層状珪酸塩が、一辺の長さが0.002〜1μmで厚さが6〜20Åであり、それぞれが平均20Å以上の層間距離を保って、ポリアミド樹脂中に均一に分散されている請求項1又は2記載の積層構造体。
  7. 前記積層構造体において、EVOH層の厚みが、積層構造体の全体の厚みに対して、3〜40%であり、該EVOH層に対して積層されるポリアミド層が、EVOH層の厚みに対して、30〜200%であることを特徴とする請求項1〜6に記載の積層構造体。
  8. 請求項1〜7記載の積層構造体を用いてなる中空容器。
  9. 請求項1〜7記載の積層構造体を用いてなる燃料部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006151442A (ja) * 2004-11-29 2006-06-15 Asahi Glass Co Ltd 燃料用タンク又は燃料輸送用ホース用の含フッ素重合体成形体及び積層体
WO2007046541A1 (ja) * 2005-10-20 2007-04-26 Ube Industries, Ltd. 燃料系部品用材料
JP6092407B2 (ja) * 2013-09-25 2017-03-08 本田技研工業株式会社 自動車用燃料タンクの製造方法

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