JP2004209768A - 樹脂製化粧シート及び該樹脂製化粧シートを用いた成形方法 - Google Patents

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昌富 藤倉
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Abstract

【課題】長年使用しても塗膜が剥離しにくい、意匠性、耐擦傷性、耐候性、耐溶剤性等に優れた樹脂製化粧シートを提供する。
【解決手段】非晶質/低晶質ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂の少なくとも1種の熱可塑性樹脂を主成分とする着色シート層と、該着色シート層上に形成するプライマ層と、該プライマ層上に形成する半硬化又は硬化状態の無溶剤型の放射線硬化塗料層とを有し、前記プライマ層は、アクリルポリオール系の熱可塑性樹脂バインダー及び/又はアクリル系オリゴマーからなる放射線硬化型樹脂を25重量%以上含有する溶剤型プライマを塗布・乾燥して形成したことを特徴とする樹脂製化粧シート。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両、建物の内装、外装などや、キッチン扉や家具の被覆用として有用な樹脂製化粧シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、キッチン扉や家具の被覆用とて、合成樹脂シートに放射線硬化塗料を塗布した後、該塗料を紫外線や電子線照射により硬化させた樹脂製化粧シートは一部に使用されている。
【0003】
ところが、従来の放射線硬化塗料を用いた樹脂製化粧シートは、長年使用されると塗膜が剥離するという欠点があり用途が広がっていない。
本発明は、意匠性、耐擦傷性、耐候性、耐溶剤性等に優れた樹脂製化粧シートを提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本願請求項1記載の樹脂製化粧シートは、非晶質/低晶質ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂の少なくとも1種の熱可塑性樹脂を主成分とする着色シート層と、該着色シート層上に形成するプライマ層と、該プライマ層上に形成する半硬化又は硬化状態の無溶剤型の放射線硬化塗料層とを有し、
前記プライマ層は、アクリルポリオール系の熱可塑性樹脂バインダー及び/又はアクリル系オリゴマーからなる放射線硬化型樹脂を25重量%以上含有する溶剤型プライマを塗布・乾燥して形成したことを特徴としている。
なお、本発明において放射線とは、紫外線などの電磁線、電子線、粒子線のことである。
【0005】
本願請求項2記載の樹脂製化粧シートは、非晶質/低晶質ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂の少なくとも1種の熱可塑性樹脂を主成分とする着色シート層と、該着色シート層上に印刷模様層を形成し、該印刷模様層上に形成するプライマ層と、該のプライマ層上に形成する半硬化又は硬化状態の無溶剤型の放射線硬化塗料層とを有し、
前記プライマ層は、アクリルポリオール系の熱可塑性樹脂バインダー及び/又はアクリル系オリゴマーからなる放射線硬化型樹脂の硬化物を25重量%以上含有する溶剤型プライマを塗布・乾燥して形成したことを特徴としている。 また、前記印刷模様層は、アクリルポリオール系及び/又は塩化ビニル−酢酸ビニル共重合系の熱可塑性樹脂インキバインダーに着色顔料を配合した着色インキを用いたことを特徴としている。
【0006】
本願請求項4記載の樹脂製化粧シートは、前記着色シート層の裏面側に、厚さ0.1〜2.0mmの熱可塑性樹脂シートが貼り合わされていることを特徴とし、メンブレンプレス成形が可能な厚さの樹脂製化粧シートとしている。
【0007】
本願請求項5の樹脂製化粧シートを用いた成形方法は、前記樹脂製化粧シートのうち、表面が半硬化状態の無溶剤型の放射線硬化塗料層を有する樹脂製化粧シートを凹凸加工された木質基材に貼り合わせる成形方法において、該化粧シートを加熱した状態で、2液硬化型接着剤を使用し、メンブレンプレス成形機を用いて貼り合わせた後、半硬化状態の無溶剤型の放射線硬化塗料層に放射線を照射することにより硬化させることを特徴とする成形方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態例)
本発明に係る第1の実施形態例の樹脂製化粧シートを、図1を参照しながら説明する。この樹脂製化粧シート10は、熱可塑性樹脂製の着色シート11と、着色シート11上に形成するプライマ層12と、プライマ層12上に形成する放射線硬化塗料層13とを有するものである。
【0009】
着色シート11を構成する熱可塑性樹脂としては、非晶質/低晶質ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂の少なくとも1種を主成分とし、これらの樹脂にコア・シェル型耐衝撃強化剤や晶質ポリエステル系樹脂を40重量%以下、好ましくは30重量%以下の範囲で配合されたものである。
非晶質/低晶質ポリエステル系樹脂としては、エチレングリコール以外のジオール成分としてシクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール等が共重合されたもの、テレフタル酸以外のジカルボン酸成分としてイソフタル酸、アジピン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等が共重合されたものを挙げることができる。
着色シート11の厚さは、通常50〜250μm、好ましくは70〜200μmである。
【0010】
本発明のプライマ層12は、アクリルポリオール系の熱可塑性樹脂バインダー及び/又はアクリル系オリゴマーからなる放射線硬化樹脂を25重量%以上、好ましくは30〜90重量%含有する溶剤型プライマを塗布・乾燥して形成する。
ここでアクリルポリオール系樹脂としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン等のモノマー成分と、アクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド等のヒドロキシル基含有モノマーとの共重合体などが挙げられる。
【0011】
アクリル系オリゴマーとしては、ウレタンアクリレートオリゴマー、エステルアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、アクリル樹脂アクリレートなどが挙げられるが、これらの中でも、ウレタンアクリレートオリゴマーが好ましい。
ウレタンアクリレートオリゴマーとは、高分子量のイソシアネートとヒドロキシル基を有するアクリレートとが化学結合したもので、その重量平均分子量は、通常2000〜12000程度である。
高分子量のイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネートなどの芳香族系イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネートなどの脂肪族・脂環属イソシアネートが挙げられる。また、ヒドロキシル基を有するアクリレートとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ペンタエリスリトールアクリレートなどか挙げられる。
また、アクリル樹脂アクリレートとは、ポリメチルメタクリレートを主成分とするアクリル共重合樹脂中に、予め、カルボキシル基、エポキシ基、ヒドロキシル基などの官能基を持つ(メタ)アクリレートモノマーを共重合せしめ、それぞれの官能基に対応して付加反応する官能基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーと付加反応させて二重結合を導入したものである。
【0012】
さらに、アクリル系オリゴマー以外の例えば、アリルエーテル系オリゴマー、アリルウレタン系オリゴマー、ビニルエーテル系オリゴマーなどのオリゴマーやウレタン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂などの他の熱可塑性樹脂バインダーを配合することが出来る。
プライマ層12にアクリル系オリゴマーからなる放射線硬化型樹脂を配合した場合、紫外線または電子線を照射して、放射線硬化塗料を硬化して放射線硬化塗料層13とすると同時に、硬化させることができるので、効率的に樹脂製化粧シート10が得られる。
【0013】
本発明の放射線硬化塗料層13に用いられる放射線硬化塗料としては、上記のフライマ層12で用いられるアクリル系オリゴマーと、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソオクチルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどの重合性モノマーを含む無溶剤型の放射線硬化塗料である。紫外線により硬化される場合は、光開始剤などが含まれる。
【0014】
放射線硬化塗料層13には、紫外線吸収剤やヒンダードアミン系光安定剤などか含まれることが好ましい。相乗効果により耐候性をより向上させることができる。また、この層は、放射線により架橋しているので、耐溶剤性、耐擦傷性にも優れ、架橋の程度により各物性を変化させることもできる。
紫外線吸収剤としては、チヌビンP、チヌビン234、チヌビン400(以上、チバスペシャリティケミカルズ社製)、Sumisorb300(住友化学工業社製)などのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、チヌビン292、チヌビン622LD(以上、チバスペシャリティケミカルズ社製)、サノールLS770、サノール765(以上、三共化成工業社製)などが挙げられる。
【0015】
上記の第1の実施形態例の樹脂製化粧シートについて、製造方法の一例を説明する。
まず、押出成形又はカレンダー成形によって着色シートを製造する。例えば、特開平2001−214044号公報に記載されているように、非晶質ポリエステル系樹脂を主成分とし、これに着色剤を配合することによってカレンダー成形によって着色シート11を製造する。
この着色シート11上にアクリルポリオール系の熱可塑性樹脂バインダー及び/又はアクリル系オリゴマーからなる放射線硬化型樹脂を25重量%以上含有する溶剤型プライマを塗布・乾燥してプライマ層12を形成させる。
次いで、無溶剤型の放射線硬化塗料を塗布し、硬化工程において、電子線を、例えば、窒素ガス雰囲気中、吸収線量7Mrad、通過速度50m/粉の条件で照射する。プライマ層12にアクリル系オリゴマーが含まれる場合、無溶剤型の放射線硬化塗料の硬化と同時に、アクリレートの不飽和基にラジカルが発生し、このラジカルによってアクリレートが重合してプライマ層12も無溶剤型の放射線硬化塗料も硬化し、その結果、放射線硬化塗料層13が形成して樹脂製化粧シート10となる。
【0016】
上述した製造方法において、プライマ、放射線硬化塗料の塗布方法には制限が無く、例えば、バーコート法、ロールコート法、ブレードコート法、リバースコート法、グラビアコート法、ダイコート法などが使用することができる。 これらの中でも、プライマの塗布は、グラビアコート法が好ましく、放射線硬化塗料の塗布は、ダイコート法が厚み精度を向上できるので好ましい。
【0017】
(第2の実施形態例)
次に、本発明にかかる第2の実施形態例の樹脂製化粧シートを、図2を参照しながら説明する。この樹脂製化粧シート20は、熱可塑性樹脂製の着色シート21と、着色シート21上に印刷模様層22を形成し、該印刷模様層22上に形成する形成するプライマ層23と、プライマ層23上に形成する放射線硬化塗料層24とを有するものである。
【0018】
着色シート21を構成する熱可塑性樹脂としては、非晶質/低晶質ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂の少なくとも1種を主成分とし、これらの樹脂にコア・シェル型耐衝撃強化剤や晶質ポリエステル系樹脂を40重量%以下、好ましくは30重量%以下の範囲で配合されたもので、第1の実施形態例と同じものである。
【0019】
印刷模様層22は、アクリルポリオール系樹脂や塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂などの熱可塑性樹脂インキバインダーに着色剤を配合した着色インキを用いて、意匠性を向上させるため印刷模様が形成されている。印刷模様としては、例えば、木目柄、抽象柄、石目柄、金属腐食柄などをあげることができる。
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂としては、通常インキ用として使用されているもので、共重合樹脂中の塩化ビニル/酢酸ビニルの重量比が95/5〜30/70であり、その重量平均分子量は、耐候性やインキ適性を考慮して、25000〜40000程度が好ましい。
【0020】
プライマ層23及び放射線硬化塗料層24は、第1の実施形態例におけるそれぞれの材料を使用することができる。
【0021】
次に、上述した第2の実施形態例の樹脂製化粧シートを製造する製造方法の一例を説明する。
カレンダー成形で製造されて塩化ビニル系樹脂着色シート層21上に、アクリルポリオール系樹脂や塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂などの熱可塑性樹脂インキバインダーに着色剤を配合した着色インキを用いて、多色グラビア印刷機にて木目柄の印刷模様層22を形成し、該印刷模様層22上にアクリルポリオール系樹脂の溶剤型プライマを該多色グラビア印刷機で塗布・乾燥してプライマ層23を形成する。
次に、該プライマ層23上に無溶剤型の放射線硬化塗料をダイコート法で塗布し、硬化工程において、電子線を、例えば、窒素ガス雰囲気中、吸収線量7Mrad、通過速度50m/粉の条件で照射することにより硬化し、放射線硬化塗料層24が形成して樹脂製化粧シート20となる。
【0022】
以上、説明した第2の実施形態例の樹脂製化粧シートにおいては、印刷模様層22と放射線硬化塗料層24との間にプライマ層23が形成されているので、両者を強固に接合できるので耐候性に優れた樹脂製化粧シートを提供することができる。また、放射線硬化塗料層24は、耐溶剤性、耐擦傷性にも優れているので樹脂製化粧シートの用途を広げるものである。
【0023】
更に、前記の第1および第2の実施形態例において、電子線の照射条件を変更し、半硬化の放射線硬化塗料層24を形成することにより、凹凸基材、例えば、中密度繊維板(MDF)をNCルータ等で凹凸加工を施したキッチン扉基材に、メンブレンプレス成形機で貼り付けることもできる。この場合、貼り付けした後、半硬化の放射線硬化塗料層24を電子線照射して硬化させることにより、耐溶剤性、耐擦傷性に優れたキッチン扉とすることができる。
【0024】
本発明の樹脂製化粧シートは、放射線硬化塗料層上に、ポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどからなる保護フィルムを貼り合わせることができる。このように保護フィルム27を貼り合わせておくと、使用する前に外装用化粧シートが傷付くことを防止できる。
【0025】
また、上述した樹脂製化粧シートの製造方法においては、プライマおよび放射線硬化塗料に光開始剤を添加し、紫外線を照射して硬化させることもできる。光開始剤が添加されたプライマおよび放射線硬化塗料に紫外線を照射すると、紫外線によって光開始剤がラジカルを発生し、このラジカルによってアクリレートが重合して硬化する。紫外線照射の条件としては、例えば、窒素ガス雰囲気中(残存酸素100ppm)、長波長域型高圧水銀灯120W/cm×2灯を点灯下、30m/分で通過させる条件とすることができる。
ここで、光開始剤としては紫外線によりラジカルを発生するものであれば制限されないが、例えば、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィネート、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドなどが好ましい。これらの市販品としては、Irgacure184、651,500,907,369,784,819,2959(以上、チバスペシャリティケミカルズ社製)、Lucirin TPO、LR8893(以上、BASF社製)、Darocur1116、1173(以上、メルク社製)、ユベクリルP36(以上、UCB社製)、ESCACURE KIP150、ESCACURE KIP100F(以上、LAMBERTI社製)などを挙げられる。
【0026】
これら光開始剤は単独で用いてもよいし、2種類以上を混合してもよい。2種類以上混合する場合には、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトンと2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンとの併用、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドと2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンとの併用が好ましい。
このような光開始剤の添加量は、2〜5質量部であることが好ましい。光開始剤の添加量が2質量部未満であると、硬化速度を上げられず、ウレタンアクリレートオリゴマーを十分に硬化させることができないおそれがあり、5質量部を超えると、必要以上に添加されるのでコストが高くなる。
さらに、光開始剤とともに、光開始助剤を添加することにより、紫外線によるラジカル発生効率を高めることもできる。
【0027】
以上説明したような、本発明の樹脂製化粧シートは、意匠性、耐擦傷性、耐候性、耐溶剤性に優れることから、例えば、壁、柱、扉などの建築部材用、車両・船舶用、看板・サイン用に利用できる。特に、意匠性、耐候性に優れるので、建築部材の化粧用として好適に利用できる。
【0028】
【実施例】
(実施例1)
着色シートとして、非晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂(イーストマン・ケミカル社製、商品名「KODAR PETG 6763」、ジオール成分:シクロヘキサンジメタノール30モル%及びエチレングリコール70モル%、ジカルボン酸成分:テレフタル酸よりなる共重合体)に着色剤、充填剤を配合して、厚さ100μmの茶色のフイルムを押出成形し、その表面に溶剤型のアクリルポリオール系樹脂(昭和インク工業所製、「MKAメジューム」、固形分40重量%)のプライマをグラビアコーターで塗布・乾燥して厚さ2μmのプライマ層を形成した。次に、プライマ層上に無溶剤の放射線硬化塗料(ダイセルUCB社製「KRM7842」、ウレタンアクリレート系)をダイコート法により塗布し、次いで塗布された放射線硬化塗料上より窒素ガス雰囲気中、吸収線量7Mrad、通過速度50m/分の条件で電子線を照射して透明な放射線硬化塗料層を形成し、化粧シートを得た。次に化粧シートの着色シートの裏面にウレタン系湿気硬化型ホットメルト接着剤(アロンエバーグリップ社製)を80g/m2 塗布し、長手方向に複数の溝状の凹部が加工された合板製の床材の表面側に、ラッピングマシン(丸仲化工機製)を使用して貼り合わせ、同時に溝状の凹部に加熱ロールで該化粧シートを抑え込み、次いで、両側のさね加工された部分も順次該化粧シートを巻き込み、床材を仕上げた。貼り合わせ加工も良好で、化粧シートの浮きや剥がれもなく良好な床材が得られた。
【0029】
(実施例2)
実施例1と同様に製造した着色シートの表面に、溶剤型のアクリルポリオール系樹脂(昭和インク工業所製、「MKAメジューム」、固形分40重量%)と、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(昭和インク工業所製、「MKKメジューム」、固形分25重量%)をそれぞれ樹脂含量が50重量部となるよう混合したプライマをグラビアコーターで塗布・乾燥して厚さ2μmのプライマ層を形成した。次に、プライマ層上に無溶剤の放射線硬化塗料(ダイセルUCB社製「KRM7842」、ウレタンアクリレート系)をダイコート法により塗布し、次いで塗布された放射線硬化塗料上より窒素ガス雰囲気中、吸収線量7Mrad、通過速度50m/分の条件で電子線を照射して透明な放射線硬化塗料層を形成し、化粧シートを得た。次に化粧シートの着色シートの裏面にウレタン系湿気硬化型ホットメルト接着剤(アロンエバーグリップ社製)を80g/m2 塗布し、長手方向に複数の溝状の凹部が加工された合板製の床材の表面側に、ラッピングマシン(丸仲化工機製)を使用して貼り合わせ、同時に溝状の凹部に加熱ロールで該化粧シートを抑え込み、次いで、両側のさね加工された部分も順次該化粧シートを巻き込み、床材を仕上げた。貼り合わせ加工も良好で、化粧シートの浮きや剥がれもなく良好な床材が得られた。
【0030】
(実施例3)
実施例1と同様に製造した着色シートの表面に、ウレタンアクリレートオリゴマー(昭和インク工業所製、「CSEB5メジューム」、固形分40重量%)のプライマをグラビアコーターで塗布・乾燥して厚さ2μmのプライマ層を形成した。次に、プライマ層上に無溶剤の放射線硬化塗料(ダイセルUCB社製「KRM7842」、ウレタンアクリレート系)をダイコート法により塗布し、次いで塗布された放射線硬化塗料上より窒素ガス雰囲気中、吸収線量7Mrad、通過速度50m/分の条件で電子線を照射して透明な放射線硬化塗料層を形成し、化粧シートを得た。次に化粧シートの着色シートの裏面にウレタン系湿気硬化型ホットメルト接着剤(アロンエバーグリップ社製)を80g/m2 塗布し、長手方向に複数の溝状の凹部が加工された合板製の床材の表面側に、ラッピングマシン(丸仲化工機製)を使用して貼り合わせ、同時に溝状の凹部に加熱ロールで該化粧シートを抑え込み、次いで、両側のさね加工された部分も順次該化粧シートを巻き込み、床材を仕上げた。貼り合わせ加工も良好で、化粧シートの浮きや剥がれもなく良好な床材が得られた。
【0031】
(実施例4)
実施例1と同様に製造した着色シートの表面に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とするバインダーからなる着色インキを用いて多色グラビア印刷で木目模様を形成し、印刷模様層を形成した。その表面に溶剤型のアクリルポリオール系樹脂(昭和インク工業所製、「MKAメジューム」、固形分40重量%)のプライマをグラビアコーターで塗布・乾燥して厚さ2μmのプライマ層を形成した。次に、プライマ層上に無溶剤の放射線硬化塗料(ダイセルUCB社製「KRM7842」、ウレタンアクリレート系)をダイコート法により塗布し、次いで塗布された放射線硬化塗料上より窒素ガス雰囲気中、吸収線量7Mrad、通過速度50m/分の条件で電子線を照射して透明な放射線硬化塗料層を形成し、化粧シートを得た。次に化粧シートの着色シートの裏面にウレタン系湿気硬化型ホットメルト接着剤(アロンエバーグリップ社製)を80g/m2 塗布し、長手方向に複数の溝状の凹部が加工された合板製の床材の表面側に、ラッピングマシン(丸仲化工機製)を使用して貼り合わせ、同時に溝状の凹部に加熱ロールで該化粧シートを抑え込み、次いで、両側のさね加工された部分も順次該化粧シートを巻き込み、床材を仕上げた。貼り合わせ加工も良好で、化粧シートの浮きや剥がれもなく良好な床材が得られた。
【0032】
(実施例5)
実施例1と同様に製造した着色シートの表面に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とするバインダーからなる着色インキを用いて多色グラビア印刷で木目模様を形成し、印刷模様層を形成した。その表面に溶剤型のアクリルポリオール系樹脂(昭和インク工業所製、「MKAメジューム」、固形分40重量%)のプライマをグラビアコーターで塗布・乾燥して厚さ2μmのプライマ層を形成し、積層シートを得た。次に、上記積層シートの着色シート層の裏面に厚さ0.3mmの塩化ビニル樹脂シートを押出ラミネート法により貼り合わせ、その後プライマ層上に無溶剤の放射線硬化塗料(ダイセルUCB社製「KRM7842」、ウレタンアクリレート系)をダイコート法により塗布し、未硬化の放射線硬化塗料層を形成した。次いで上記未硬化の放射線硬化塗料層上より窒素ガス雰囲気中、吸収線量1Mrad、通過速度50m/分の条件で電子線を照射して未硬化の放射線硬化塗料層を半硬化させ、化粧シートを得た。この化粧シートを扉の形に立体加工したMDF基材に接着剤を施した後、メンブレンプレス成形した。さらに、上記半硬化の放射線硬化塗料層上より窒素ガス雰囲気中、吸収線量7Mrad、通過速度50m/分の条件で電子線を照射して半硬化の放射線硬化塗料層を完全に硬化させたところ成形性は良好で、化粧シートの浮きや剥がれもなく良好な化粧材が得られた。
【0033】
(比較例)
実施例1と同様に製造した着色シートの表面に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(昭和インク工業所製、「MKKメジューム」、固形分25重量%)のプライマをグラビアコーターで塗布・乾燥して厚さ2μmのプライマ層を形成した。次に、プライマ層上に無溶剤の放射線硬化塗料(ダイセルUCB社製「KRM7842」、ウレタンアクリレート系)をダイコート法により塗布し、次いで塗布された放射線硬化塗料上より窒素ガス雰囲気中、吸収線量7Mrad、通過速度50m/分の条件で電子線を照射して透明な放射線硬化塗料層を形成し、化粧シートを得た。次に化粧シートの着色シートの裏面にウレタン系湿気硬化型ホットメルト接着剤(アロンエバーグリップ社製)を80g/m2 塗布し、長手方向に複数の溝状の凹部が加工された合板製の床材の表面側に、ラッピングマシン(丸仲化工機製)を使用して貼り合わせ、同時に溝状の凹部に加熱ロールで該化粧シートを抑え込み、次いで、両側のさね加工された部分も順次該化粧シートを巻き込み、床材を仕上げたが、剥離強度が弱く、貼り合わせ加工時に化粧シートが剥離し、満足のいく床材が得られなかった。
【発明の効果】
以上のように、本発明では、放射線硬化塗料層を表層に設けており、耐擦傷性、耐候性、耐溶剤性等に優れ、収縮率が小さい。また、印刷模様層を有しているので、意匠性が高い。また、着色シート又は印刷模様層並びに放射線硬化塗料層との間のプライマ層が、アクリルポリオール系の熱可塑性樹脂バインダー及び/又はアクリル系オリゴマーからなる放射線硬化型樹脂を25重量%以上含有しており、層間の剥離強度が強い。その結果、長年使用された場合でも、放射線硬化塗料層が容易には剥離しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態例における化粧シートを示す断面図である。
【図2】本発明に係る第2の実施形態例における化粧シートを示す断面図である。
【符号の説明】
10,20 化粧シート
11,21 着色シート
12,23 プライマ層
13,24 放射線硬化塗料層
22 印刷模様層

Claims (5)

  1. 非晶質/低晶質ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂の少なくとも1種の熱可塑性樹脂を主成分とする着色シート層と、該着色シート層上に形成するプライマ層と、該プライマ層上に形成する半硬化又は硬化状態の無溶剤型の放射線硬化塗料層とを有し、
    前記プライマ層は、アクリルポリオール系の熱可塑性樹脂バインダー及び/又はアクリル系オリゴマーからなる放射線硬化型樹脂を25重量%以上含有する溶剤型プライマを塗布・乾燥して形成したことを特徴とする樹脂製化粧シート。
  2. 非晶質/低晶質ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂の少なくとも1種の熱可塑性樹脂を主成分とする着色シート層と、該着色シート層上に印刷模様層を形成し、該印刷模様層上に形成するプライマ層と、該のプライマ層上に形成する半硬化又は硬化状態の無溶剤型の放射線硬化塗料層とを有し、
    前記プライマ層は、アクリルポリオール系の熱可塑性樹脂バインダー及び/又はアクリル系オリゴマーからなる放射線硬化型樹脂の硬化物を25重量%以上含有する溶剤型プライマを塗布・乾燥して形成したことを特徴とする樹脂製化粧シート。
  3. 前記印刷模様層は、アクリルポリオール系及び/又は塩化ビニル−酢酸ビニル共重合系の熱可塑性樹脂インキバインダーに着色顔料を配合した着色インキを用いたことを特徴とする請求項2に記載の樹脂製化粧シート。
  4. 前記着色シート層の裏面側に、厚さ0.1〜2.0mmの熱可塑性樹脂シートが貼り合わされていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の樹脂製化粧シート。
  5. 前記請求項1乃至4のいずれかに記載の表面が半硬化状態の無溶剤型の放射線硬化塗料層を有する樹脂製化粧シートを凹凸加工された木質基材に貼り合わせる成形方法において、
    該樹脂製化粧シートを加熱した状態で、2液硬化型接着剤を使用し、メンブレンプレス成形機を用いて貼り合わせた後、半硬化状態の無溶剤型の放射線硬化塗料層に放射線を照射することにより硬化させることを特徴とする樹脂製化粧シートを用いた成形方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010188301A (ja) * 2009-02-19 2010-09-02 C I Kasei Co Ltd 化粧シートの製造方法
JP2012051216A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Dainippon Printing Co Ltd 鏡面化粧シート及びこれを用いた化粧板
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