JP2004207579A - 超臨界乾燥装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】密閉可能な置換室102,超臨界室103,減圧室104,減圧室105を、密閉された通路161,162,183により連通させ、各処理室にわたって、処理対象のシリコン基板を外部に晒すことなく、置換処理,超臨界処理,減圧乾燥処理を行い、複数のシリコン基板に対して連続して高圧環境による処理を行う。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置形成のために用いる微細パターンを形成するとき用いる超臨界乾装置に関し、特に微細パターンをリソグラフィ技術で形成するときに用いる超臨界乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
LSIを始めとする大規模・高性能デバイスを作製するためには、微細なパターンを形成する必要がある。微細なパターンの形成技術には、露光,現像,リンス処理を経るリソグラフィ技術がある。このリソグラフィ技術により形成されるレジストパターンは、光,X線,電子線などに感光する高分子材料から構成されている。また、エッチング,水洗,リンス処理を経ることで、レジストパターンをマスクとして配線パターンなどを形成するエッチング技術がある。
【0003】
しかしながら、上述したパターン形成技術により極微細なパターンを形成するときに、パターンが倒れる現象が生じ、所期の目的を満足するパターンが形成できないという問題が生じていた。このパターンが倒れる現象について説明すると、図8(a)に示すように、基板801上に形成されたレジストパターン802をリンス液803に浸漬した後、リンス液を除去する段階で、図8(b)に示すように、微細な間隔で隣り合うレジストパターン802の間にリンス液803aが残存する。このような状態になると、リンス液803aの毛細管力810がパターン802に働き、リンス液803aが全て乾燥除去された後、図8(c)に示すように、パターン802が倒れてしまう。
【0004】
毛細管力810は、微細な間隔で配置された複数の微細なパターン間に残存したリンス液803a内の圧力と大気圧との差で生じるものであり、リンス液803aの表面張力に関係する。従って、リンス液の表面張力が大きいほど、毛細管力は大きくなりパターンは倒れやすくなる。この毛細管力によるパターン倒れを解決するためには、表面張力の小さなリンス液を用いてリンス処理を行うようにすればよい。
【0005】
表面張力は、液体と気体の界面が形成された状態で発生する。従って、液体と気体との界面を形成せずにリンス処理が行えるようになれば、パターン倒れを抑制することが可能となる。この液体と気体との界面を形成せずにリンス処理を行う方法として、超臨界流体を用いる方法がある。この方法では、リンス液に浸漬した後、リンス液を超臨界流体に置換し、パターンに接触しているものが超臨界流体だけとなった状態で、超臨界流体を気化させる。
【0006】
超臨界流体は、気体の拡散性と液体の溶解性(高密度性)とを兼ね備えたものであり、平衡線を介さずに気体へ状態変化できる。このため、上述したように、超臨界状態で満たされた状態から乾燥を行えば、乾燥において表面張力が発生する液体/気体界面が形成されず、表面張力が発生しない状態で乾燥することができる。この結果、超臨界流体を用いた乾燥(リンス処理)では、パターン倒れを抑制することが可能となる。
【0007】
一般的に用いられる超臨界流体としては、超臨界点となる臨界点が低く、不燃性であるなど安全な二酸化炭素がある。二酸化炭素を超臨界状態として用いた乾燥プロセスは、まず、図9(a)に示すように、基板901上に形成されたレジストパターン902をリンス液903に浸漬した後、これらを室温以下の温度の状態としてリンス液903を、液化二酸化炭素に置換し、図9(b)に示すように、レジストパターン902が液化二酸化炭素904に浸漬した状態とする。二酸化炭素は、5.5MPa程度に加圧すれば常温で液化するので、基板901及びレジストパターン902雰囲気の圧力を6MPa程度とすれば、二酸化炭素が液化した状態を保てる。
【0008】
レジストパターン902周囲が液化二酸化炭素904となったら、基板901及びレジストパターン902の雰囲気の圧力を7.38MPa程度とし、また温度を31.1℃以上とすることで、液化二酸化炭素904を超臨界状態とし、レジストパターン902が超臨界二酸化炭素に浸漬した状態とする。二酸化炭素の臨界点は31℃,7.38Paである。
【0009】
この後、上記温度を保持したまま、基板901及びレジストパターン902の雰囲気の圧力を徐々に低下させれば、周囲の超臨界二酸化炭素が徐々に気化し、周囲の超臨界二酸化炭素が全て気化すれば、図9(c)に示すように、レジストパターン902の乾燥が終了する。この乾燥過程において、周囲の圧力を低下させても、超臨界二酸化炭素は液化することがないので、前述した表面張力によるパターン倒れは発生しない。
【0010】
この超臨界乾燥方法では、リンス液を液化二酸化炭素に置換するようにしているため、リンス液には液化二酸化炭素に溶解しやすいアルコールなどを用いるようにしている。また、超臨界乾燥を行う装置は、上述した高圧状態に十分耐えられ、かつ処理容器の温度を超臨界温度にまで加熱できる構成となっている。
【0011】
このような超臨界乾燥装置は、例えば、図10に示すように、温度調節機構を備えて高圧に耐えられる処理容器1001、処理容器1001の内部に固定された処理対象の基板を載置する基板台1002、液化二酸化炭素などを導入する導入口1003、内部の流体を排出する排出口1004を備えている。導入口1003には、バルブ1005を介して圧送装置1006が連通し、ボンベ1007内の液化二酸化炭素を処理容器1001内に圧送可能としている。排出口1004には、圧力制御バルブ1008が連通している。
【0012】
このように構成された超臨界乾燥装置では、圧力制御バルブ1008を閉じた状態で、圧送装置1006より液化二酸化炭素を処理容器1001内に圧送して処理容器1001内の圧力を7.5MPaとし、温度調節機構により処理容器1001の温度を調節し、処理容器1001内の温度を臨界点以上とすれば、処理容器1001内が超臨界二酸化炭素で充填された状態としている。圧力制御バルブ1008により処理容器1001内部の圧力を制御していれば、導入口1003より二酸化炭素を導入し続けていてもよい。
【0013】
また、超臨界状態とするために処理容器1001の全体を温度調節するようにしてもよいが、基板台1002の部分を加熱可能として温度調節し、処理対象の基板雰囲気の温度を上昇させることで、超臨界状態を得る技術もある(特許文献1参照)。
【0014】
【特許文献1】
特開2002−313773号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した超臨界乾燥装置を用いた処理では、時間がかかるという問題があった。上述した従来の超臨界乾燥では、処理容器1001を大気圧状態から二酸化炭素が液化する圧力まで上昇させる時間(圧力上昇時間)、基板に付着しているリンス液を液化二酸化炭素に置換させる時間(置換処理時間)、超臨界状態としてから処理容器内の圧力を大気圧程度にまで低下させる時間(超臨界乾燥時間)の合計が処理時間である。
【0016】
圧力上昇時間は1〜2分、置換処理時間は3分程度、超臨界乾燥時間は10分程度であるため、1枚の基板を超臨界乾燥処理するために、15分程度必要となる。一般に、半導体装置の製造過程において、枚葉処理がなされるレジスト塗布や露光・現像工程では1枚2〜3分程度、エッチング工程や成膜工程では、1枚5〜10分程度処理に要する。従って、これらの枚葉処理の工程の中で、液処理後の乾燥工程が5分程度で通過できれば、一連の連続処理を滞らせることなく円滑に行えるようになる。
【0017】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、超臨界乾燥の工程をより短い時間で通過できるようにすることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る超臨界乾燥装置は、内部に処理対象の基板を保持する基板載置台を備えた密閉可能な第1〜第3処理室と、第1〜第3処理室を連通する密閉された通路と、第1〜第3処理室の各々と通路との間に配置された開閉弁と、通路に配置されて第1〜第3処理室の基板載置台の上に処理対象の基板を搬入及び搬出する搬送手段と、第1〜第3処理室の各々に大気雰囲気では気体である物質の液体を供給する液体供給手段と、第1〜第3処理室の各々に設けられ各処理室の内部の流体を排出する排出手段と、処理室の内部圧力を物質が超臨界状態となり得る圧力の範囲で制御する圧力制御手段と、第1〜第3処理室の内部温度を制御する温度制御手段とを少なくとも備えたものである。
この装置によれば、第1処理室から第3処理室まで、処理対象の基板を外部に晒すことなく処理が行える。
【0019】
上記超臨界乾燥装置において、新たに、第1処理室に液体を供給する液供給手段を備え、第1処理室において、供給した液体による処理を処理対象の基板に施せるようにしてもよい。
【0020】
本発明に係る他の超臨界乾燥装置は、内部に処理対象の基板を保持する基板載置台を備えた密閉可能な第1〜第4処理室と、第1〜第4処理室を連通する密閉された通路と、第1〜第4処理室の各々と通路との間に配置された開閉弁と、通路に配置されて第1〜第3処理室の基板載置台の上に処理対象の基板を搬入及び搬出する搬送手段と、第1〜第4処理室の各々に大気雰囲気では気体である物質の液体を供給する液体供給手段と、第1〜第4処理室の各々に設けられ各処理室の内部の流体を排出する排出手段と、処理室の内部圧力を物質が超臨界状態となり得る圧力の範囲で制御する圧力制御手段と、第1〜第4処理室の内部温度を制御する温度制御手段とを備えたものである。
この装置によれば、第1処理室から第4処理室まで、処理対象の基板を外部に晒すことなく処理が行える。
【0021】
上記超臨界乾燥装置において、各処理室は、1列に配列され、通路は、隣り合う処理室の間に配置されているようにすればよい。また、温度制御手段は、基板載置台の温度を制御するようにしてもよい。
また、上記超臨界乾燥装置において、各処理室の内部より排出された物質を還流させる還流手段を備えるようにしてもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態における超臨界乾燥装置の構成例を示す模式的な構成図である。図1(a)は、本装置を側方から見た状態を模式的に示す断面図であり、図1(b)は、本装置の一部を上方から見た状態を模式的に示す平面図である。
本実施の形態における超臨界乾燥装置は、薬液処理部101と、置換室(第1処理室)102,超臨界室(第2処理室)103,減圧室(第3処理室)104,減圧室(第4処理室)105を備えた密閉可能な高圧容器から構成され、また、ボンベ107内に収容されている液化二酸化炭素を、各室内に圧送する圧送制御部108を備えている。
【0023】
薬液処理部101は、例えば現像処理や洗浄処理などを行う室であり、基板載置台111と薬液供給部(液体供給手段)112を備えている。薬液処理部101は、例えば上部が雰囲気に開放された室であっても良く、密閉された室であってもよい。基板載置台111は、例えば回転するスピンナーであり、処理対象の基板を固定して回転させることができる。このようにして基板を回転させた状態で、基板の上方より薬液供給部112より供給される薬液を吐出し、薬液を基板表面に供給することで、基板表面に対する薬液処理が可能となる。
【0024】
置換室102は、密閉可能な内部に基板載置台121を備え、導入部122より液化二酸化炭素を供給し、基板載置台121上に固定された基板に付着しているリンス液などの液体を、液化二酸化炭素に置換する室である。置換室102は、排出量を制御することで置換室102内部の圧力を制御する排出部123を備える。置換室102は、圧送制御部108より圧送されて室内部に充填されている液化二酸化炭素の排出量を排出部123により制御することで、室内部の圧力を制御する。また、置換室102は、搬入側の開閉弁124と搬出側の開閉弁125とを備える。
【0025】
超臨界室103は、密閉可能な内部に基板載置台131を備え、導入部132より液化二酸化炭素を供給し、内部圧力及び温度を調整することで、基板載置台131上に固定された基板の雰囲気の二酸化炭素を超臨界状態とする処理室である。例えば、ヒートプレートや赤外線ランプなどを用いた温度制御機構(図示せず)により、基板載置台131の基板載置面を40℃程度とすることを可能としている。超臨界室103内に二酸化炭素を導入して内部圧力を7.5MPaとし、基板載置台131を40℃程度とすることで、基板載置台131上の領域では、二酸化炭素が超臨界状態となる。
【0026】
また、超臨界室103は、排出量を制御することで室内部の圧力を制御する排出部133を備える。超臨界室103は、圧送制御部108より圧送されて室内部に充填されている液化二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素の排出量を排出部133により制御することで、室内部の圧力を制御する。また、超臨界室103は、基板搬入側の開閉弁134と搬出側の開閉弁135とを備える。
【0027】
減圧室104は、密閉可能な内部に基板載置台141を備え、導入部142より液化二酸化炭素を導入し、内部圧力及び温度を調整することで、基板載置台141上に固定された基板の雰囲気の超臨界二酸化炭素を気化させる室である。減圧室104は、排出量を制御することで室内部の圧力を制御する排出部143を備える。減圧室104は、圧送制御部108より圧送されて室内部に充填されている液化二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素の排出量を排出部143により制御することで、室内部の圧力を制御する。また、減圧室104は、基板搬入側の開閉144と搬出側の開閉弁145とを備える。
【0028】
減圧室105は、密閉可能な内部に基板載置台151を備え、導入部152より液化二酸化炭素を導入し、内部圧力及び温度を調整することで、基板載置台151上に固定された基板の雰囲気の超臨界二酸化炭素を気化させる室である。減圧室105は、排出量を制御することで室内部の圧力を制御する排出部153を備える。減圧室105は、圧送制御部108より圧送されて室内部に充填されている液化二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素の排出量を排出部153により制御することで、室内部の圧力を制御する。また、減圧室105は、基板搬入側の開閉弁154と搬出側の開閉弁155とを備える。
【0029】
置換室102は、開閉弁124と開閉弁125とを閉じることで密閉容器となる。超臨界室103は、開閉弁134と開閉弁135とを閉じることで密閉容器となる。減圧室104は、開閉弁144と開閉弁145とを閉じることで密閉容器となる。同様に、減圧室105は、開閉弁154と開閉弁155とを閉じることで密閉容器となる。
【0030】
また、開閉弁124と開閉弁135とを閉じ、開閉弁125,開閉弁134を開放した状態とすることで、置換室102,超臨界室103が通路161により連通し、1つの密閉容器となる。また、開閉弁134と開閉弁145とを閉じた状態とし、開閉弁135,144を開放した状態とすると、超臨界室103と減圧室104が通路162により連通し、1つの密閉容器となる。
【0031】
また、開閉弁144と開閉弁165とを閉じた状態とし、開閉弁145,154を開放した状態とすると、減圧室104と減圧室105とが通路163連通し、1つの密閉容器となる。
また、開閉弁124と開閉弁165とを閉じた状態とし、開閉弁125,134,135,144,145,154を開放した状態とすることで、各室通路161,162,163を介して連通した状態となる。
【0032】
以上に説明したように、本実施の形態によれば、超臨界乾燥方法を実現するための各処理を、異なる処理室で各々行うようにした。この結果、例えば、各処理室毎に対象となる処理に適した処理室の大きさとするなど、各処理を最適化した状態で超臨界乾燥処理が行えるようになる。例えば、置換室102は、リンス液と液化二酸化炭素とが置換されやすいように、処理室内部の容積を適当な大きさにし、減圧室105は、圧力変動が大きいので、可能な限り処理室内部を小さくするようにしてもよい。さらには、処理室内壁の状態を最適化するようにしてもよい。例えば、置換室の内壁にフッ素樹脂をコーティングするなどして疎水性を高めるようにしてもよい。このことにより、基板に付着していたリンス液などが置換室内の壁に付着しても、とれやすい状態となる。
【0033】
上述した各処理室においては、例えば、置換室102において、圧送制御部108により圧送されて導入される二酸化炭素の圧力(量)の圧送制御部108による制御と、置換室102より排出される排出量の排出部123による制御とにより、内部の圧力を制御する。なお、圧送制御部108による圧送の状態は一定とし、排出部123による排出量の制御により内部圧力を制御するようにしてもよい。このように、圧送制御部108と各排出部とにより、各処理室の圧力制御を行うようにすればよい。
【0034】
また、図1の超臨界乾燥装置では、図1(b)に示すように、通路161に、例えばロボットアームなどを備えた搬送機構109を備えている。搬送機構109は、通路162及び通路163にも設けられている。例えば、通路161の搬送機構109は、置換室102の基板載置台121上に載置されている基板を、置換室102より搬出して超臨界室103に搬入し、基板載置台121上に移送する。
【0035】
なお、図2に示すように、密閉可能な基板交換室201を設け、基板交換室201内にロボットアームなどを備えた搬送機構202を配置し、基板交換室201側に開閉弁203を配置して複数の処理室204を配置するようにしてもよい。この場合、基板交換室201が、図1に示す超臨界乾燥装置の、各通路161,162,163に対応することになる。
【0036】
また、ロボットアームではなく、フロッグレッグ方式の搬送機構を用いるようにしてもよい。また、各処理室を、1つの高圧チャンバ内に配置し、各処理室の外壁を薄くし、磁力などを用いた搬送系を高圧チャンバと連続して配列された各処理室との間に配置し、この搬送系により基板を搬送するようにしてもよい。
【0037】
つぎに、図1の超臨界乾燥装置の動作例について、図3のタイミングチャートを用いて説明する。
まず、基板載置台111に処理対象のシリコン基板を固定する。シリコン基板の上には、感光性を有するレジスト膜が塗布により形成され、このレジスト膜に所望のパターンが露光されている。このシリコン基板に対し、薬液供給部112より現像液や純水,及び界面活性剤が添加されたリンス液など所望の処理液を供給し、現像,水洗,リンス液処理などを行う。現像処理により、シリコン基板上には、微細なレジストパターンが形成された状態となる。また、界面活性剤が添加されたリンス液を用いることで、以降の、液化二酸化炭素への置換がより効率的に行えるようになる。
【0038】
次いで、置換室102の開閉弁124を開放し、リンス処理をしたシリコン基板を基板載置台121の上に固定する。この段階を、図2に示す時点t1とする。シリコン基板の基板載置台111から基板載置台121への移動は、図示していない搬送手段により行われる。
次いで、置換室102の開閉弁124,125を閉じた状態として置換室102を密閉状態とし、圧送制御部108によりボンベ107内の二酸化炭素を導入部122を介して置換室102内に圧送する。このとき、排出部123により排出量を制御し、置換室102内の圧力を例えば7.5MPa程度に上昇させ、置換室102内が液化二酸化炭素で充填された状態とする。
【0039】
同時に、開閉弁134,135を閉じた状態とし、圧送制御部108によりボンベ107内の二酸化炭素を導入部132を介して超臨界室103の内部に圧送する。また、排出部133により排出量を制御し、超臨界室103内の圧力を例えば7.5MPa程度に上昇させ、超臨界室103内が液化二酸化炭素で充填された状態とする。加えて、例えば、図示しない温度制御機構により基板載置台131の温度を40℃程度にする。
【0040】
また、開閉弁144,145,154,155を閉じた状態とし、圧送制御部108によりボンベ107内の二酸化炭素を減圧室104,105の各々の内部に圧送する。減圧室104においては、排出部143により排出量を制御し、減圧室104内の圧力を例えば7.5MPa程度とし、液化二酸化炭素で充填された状態とする。一方、減圧室105においては、排出部153により排出量を制御し、減圧室105内の圧力を例えば5.5MPaとし、二酸化炭素で充填された状態とする。
【0041】
以上のように、各処理室内が二酸化炭素で充填され、置換室102において、基板載置台121の上に固定されているシリコン基板に付着していたリンス液が液化二酸化炭素で置換された後、図2の時点t2において、開閉弁125及び開閉弁134を開放し、置換室102と超臨界室103とが連通した状態とする。このとき、置換室102と超臨界室103とは、どちらも内圧が7.5MPaとなっている。
【0042】
次いで、通路161に配置された搬送機構109により、基板載置台121の上に固定されているシリコン基板を基板載置台131の上に移送する。シリコン基板の移送が終了し、搬送機構109を通路161内に収容した後、開閉弁125及び開閉弁134を閉じた状態とする。
【0043】
開閉弁134が閉じられたことにより密閉された超臨界室103の内部において、基板載置台131上に固定されたシリコン基板の周囲では、7.5MPaの圧力と、基板載置台131の温度40℃により、二酸化炭素が超臨界状態となっている。このため、シリコン基板に付着している二酸化炭素(液化二酸化炭素)も超臨界状態となる。すなわち、シリコン基板の雰囲気が超臨界二酸化炭素となる。
【0044】
以上のようにして、超臨界室103の内部で、シリコン基板の雰囲気が超臨界状態となっている状態で、置換室102においては、圧送制御部108による二酸化炭素の圧送を停止し、排出部123からの排出量を増加させ、置換室102内の圧力を大気圧程度にまで低下させる。置換室102内の圧力が大気圧程度にまで低下したら、開閉弁124を開放する。
【0045】
ここで、薬液処理部101においては、先にリンス処理がなされたシリコン基板(初めのシリコン基板)が置換室102による置換処理が開始した後、上述した置換室102の開閉弁124が開放される段階でリンス処理が終了するように、新たな処理対象のシリコン基板(2枚目のシリコン基板)を基板載置台111の上に固定し、薬液供給部112より所定の液を供給して液処理を行う。この処理が終了した時点t3で、シリコン基板を開閉弁124が開放されている置換室102内に搬入し、基板載置台121に固定する。
【0046】
この、つぎのシリコン基板が基板載置台121に固定されたら、開閉弁124を閉じて置換室102が密閉された状態とし、圧送制御部108によりボンベ107内の二酸化炭素を導入部122を介して置換室102内に圧送する。また、排出部123により排出量を制御し、置換室102内の圧力を例えば7.5MPa程度に上昇させ、2枚目のシリコン基板を収容した置換室102内が液化二酸化炭素で充填された状態とする。
【0047】
一方、時点t3において、二酸化炭素で充填され内部圧力が7.5MPaに到達している減圧室104と超臨界室103との間の開閉弁135,開閉弁144を開放し、通路162に配置された搬送機構109により、基板載置台131上のシリコン基板を基板載置台141の上に移送する。シリコン基板の移送が終了し、搬送機構109を通路162内に収容した後、開閉弁135及び開閉弁144を閉じた状態とする。
【0048】
このとき、開閉弁144が閉じられたことにより密閉された減圧室104の内部では、前述したように二酸化炭素を圧送することで、内部圧力が7.5MPaとなっている。従って、基板載置台141上に固定されたシリコン基板は、超臨界状態の二酸化炭素で覆われた状態となっている。この後、減圧室104では、時点t4にかけて、圧送制御部108による二酸化炭素の圧送を減らすもしくは、排出部143からの排出量を増加させることなどにより、減圧室104内の圧力を5.5MPa程度にまで低下させる。
【0049】
つぎに、時点t4において、液化二酸化炭素で充填された置換室102に収容されている2枚目のシリコン基板を、開閉弁125,開閉弁134を開放することで、超臨界室103に移送する。このとき、置換室102の内部は、圧力が7.5MPaとなっており、超臨界室103の内部と同程度の圧力となっている。また、開閉弁134が閉じられたことにより密閉された超臨界室103の内部においては、前述した1枚目のシリコン基板の場合と同様に、シリコン基板の雰囲気が超臨界二酸化炭素となる。
【0050】
この後、2枚目のシリコン基板を超臨界室103の基板載置台131上に移送したら、開閉弁123及び開閉弁134を閉じた状態とし、置換室102では、置換室102内の圧力を大気圧程度にまで低下させる。
【0051】
一方、内部の圧力を低下させている減圧室104では、内部圧力が5.5MPaとなる時点t4において、開閉弁145と開閉弁154とを開放し、通路163に配置された搬送機構109により、基板載置台141上のシリコン基板を基板載置台151の上に移送する。シリコン基板の移送が終了し、搬送機構109を通路163内に収容した後、開閉弁145及び開閉弁154を閉じた状態とする。
【0052】
上述した、時点t4において、開閉弁135及び開閉弁144は閉じたままとなっているので、減圧室104の内部圧力が5.5MPaとなっても、超臨界室103における内部圧力7.5MPaは、維持される。1枚目のシリコン基板が、減圧室104から減圧室105へ移送され、これらの間の開閉弁145,開閉板154が閉じた状態となったら、減圧室104においては、圧送制御部108による二酸化炭素の圧送を増加させる、もしくは、排出部143からの排出量を減少させることなどにより、内部圧力を7.5MPaにまで上昇させる。
【0053】
また、減圧室105においては、圧送制御部108による二酸化炭素の圧送を停止し、排出部143からの排出量を増加させ、時点t5にかけて内部圧力を大気圧程度にまで低下させる。
【0054】
つぎに、時点t5において、内部圧力が大気圧程度にまで低下している置換室102においては、薬液供給部112より所定の液処理が行われた3枚目のシリコン基板を、開閉弁124を開放して内部に搬入し、基板載置台121に固定する。3枚目のシリコン基板を基板載置台121に固定した後、開閉弁124を閉じた状態とし、圧送制御部108によりボンベ107内の二酸化炭素を導入部122を介して置換室102内に圧送する。また、排出部123により排出量を制御し、置換室102内の圧力を7.5MPa程度に上昇させ、3枚目のシリコン基板を収容した置換室102内が液化二酸化炭素で充填された状態とする。
【0055】
また、時点t5の直前まで、超臨界室103においては、2枚目のシリコン基板が基板載置台131上で加熱され、基板雰囲気が超臨界状態の2酸化炭素の状態となっている。この状態で、時点t5において、時点t3の場合と同様に、二酸化炭素で充填され内部圧力が7.5MPaに到達している減圧室104と超臨界室103との間の開閉弁135,開閉弁144を開放し、通路162に配置された搬送機構109により、基板載置台131上のシリコン基板を基板載置台141の上に移送する。シリコン基板の移送が終了し、搬送機構109を通路162内に収容した後、開閉弁135及び開閉弁144を閉じた状態とする。
【0056】
この後、減圧室104では、時点t6にかけて、圧送制御部108による二酸化炭素の圧送を減らすもしくは、排出部143からの排出量を増加させることなどにより、減圧室104内の圧力を5.5MPa程度にまで低下させる。
一方、1枚目のシリコン基板を収容し、内部圧力が大気圧程度にまで低下している減圧室105においては、開閉弁155を開放し、図示しない搬送機構により、基板載置台151上のシリコン基板を搬出する。このように、まず、1枚目のシリコン基板の超臨界乾燥処理が、時点t5に終了する。この超臨界乾燥処理により、シリコン基板の上では、形成されているレジストパターンが、倒れることなく乾燥される。
【0057】
1枚目のシリコン基板が搬出された後、減圧室105では、開閉弁155を閉じた状態とし、開閉弁圧送制御部108によりボンベ107内の二酸化炭素を減圧室105に圧送し、排出部153により排出量を制御し、減圧室105内の圧力を5.5MPaとし、二酸化炭素で充填された状態とする。
【0058】
つぎに、時点t6において、内部圧力が7.5MPaとなった置換室102と内部圧力が7.5MPaで維持されている超臨界室103では、開閉弁125及び開閉弁134を開放し、3枚目のシリコン基板を、基板載置台121より基板載置台131へ移送する。移送が終了したら、開閉弁125,開閉弁134を閉じた状態とする。この後、置換室102では、置換室102内の圧力を大気圧程度にまで低下させる。
【0059】
一方、時点t6において、内部圧力が5.5MPa程度にまで低下した減圧室104と内部圧力が5.5MPa程度にまで上昇した減圧室105では、開閉弁145及び開閉弁154を開放し、2枚目のシリコン基板を基板載置台141より基板載置台151へ移送する。移送が終了したら、開閉弁141,開閉弁154を閉じた状態とする。この後、減圧室104では、内部圧力を上昇させ、減圧室105では、内部圧力を大気圧程度にまで低下させる。
【0060】
以上のことにより、時点t6の直後では、3枚目のシリコン基板は、超臨界室103内において、超臨界状態の二酸化炭素に晒された状態となり、2枚目のシリコン基板は、減圧室105内において、シリコン基板に付着していた超臨界状態の二酸化炭素が、より気化する状態になる。
【0061】
つぎに、時点t7において、内部圧力が大気圧程度にまで低下している置換室102においては、薬液供給部112より所定の液処理が行われた4枚目のシリコン基板を、開閉弁124を開放して内部に搬入し、基板載置台121に固定する。4枚目のシリコン基板を基板載置台121に固定した後、開閉弁124を閉じた状態とし、圧送制御部108によりボンベ107内の二酸化炭素を導入部122を介して置換室102内に圧送する。また、排出部123により排出量を制御し、置換室102内の圧力を7.5MPa程度に上昇させ、4枚目のシリコン基板を収容した置換室102内が液化二酸化炭素で充填された状態とする。
【0062】
また、時点t7の直前まで、超臨界室103においては、3枚目のシリコン基板が基板載置台131上で加熱され、基板雰囲気が超臨界状態の2酸化炭素の状態となっている。この状態で、時点t7において、時点t3,5の場合と同様に、二酸化炭素で充填され内部圧力が7.5MPaに到達している減圧室104と超臨界室103との間の開閉弁135,開閉弁144を開放し、通路162に配置された搬送機構109により、基板載置台131上のシリコン基板を基板載置台141の上に移送する。シリコン基板の移送が終了し、搬送機構109を通路162内に収容した後、開閉弁135及び開閉弁144を閉じた状態とする。
【0063】
この後、減圧室104では、時点t8にかけて、圧送制御部108による二酸化炭素の圧送を減らすもしくは、排出部143からの排出量を増加させることなどにより、減圧室104内の圧力を5.5MPa程度にまで低下させる。
一方、2枚目のシリコン基板を収容し、内部圧力が大気圧程度にまで低下している減圧室105においては、開閉弁155を開放し、図示しない搬送機構により、基板載置台151上のシリコン基板を搬出する。このように、2枚目のシリコン基板の超臨界乾燥処理が、時点t7に終了する。
【0064】
従って、本実施の形態によれば、1枚目のシリコン基板の超臨界乾燥処理が終了してから、時点t7−時点t5の間隔で、2枚目のシリコン基板の超臨界乾燥処理が終了する。以降、3枚目,4枚目・・・のシリコン基板を処理を、上述と同様に繰り返すことで、上記間隔で、3枚目,4枚目・・・のシリコン基板の超臨界乾燥処理が終了する。
【0065】
例えば、薬液処理部101における処理時間は1.5分、置換室102における処理時間は3分、超臨界室103における処理時間は3分、減圧処理室104,105における処理時間は各々3分程度とすることができる。従って、本実施の形態によれば、2枚目以降の基板は、6分間隔で超臨界処理を行うことが可能となっている。図4に示すように、置換処理から超臨界乾燥処理までを1つの処理室で行う場合、置換室102と超臨界室103と減圧処理室104,105における各処理時間の合計時間の間隔、すなわち12分間を、つぎの基板の処理が終了するまでに必要としていた。これに比較し、本実施の形態によれば、半分の時間間隔で複数の基板を連続的に処理できるようになる。
【0066】
ところで、上述では、4つの処理室を設けるようにしたが、これに限るものではなく、図5に示すように、3つの処理室で構成するようにしてもよい。この場合、1つの減圧処理室104で減圧処理を行うようにすればよい。あるいは、置換室と超臨界処理室とを同一処理室としてもよい。また、図5に示すように、薬液供給部112から供給される液体を、圧送制御部108を介して置換室102に供給可能とし、置換室102内で、現像,リンス処理などを行ってから、前述した置換処理を行うようにしてもよい。
【0067】
また、3つの処理室で構成する場合、置換処理の段階で置換室102に供給する液化二酸化炭素に界面活性剤を添加しておき、リンス液などとの置換処理をより効率的に行うようにしてもよい。
また、5つ以上の処理室で構成するようにしてもよい。複数の処理室を設け、各処理室における処理内容や処理時間などを最適化することで、効率よく処理時間を短縮することが可能となる。
【0068】
また、本実施の形態によれば、超臨界室103,減圧室104,減圧室105に供給された二酸化炭素(超臨界状態となる流体)は、リンス液などが混合することなく、各排出部より排出される。従って、排出される二酸化炭素を、再利用するようにしてもよい。
【0069】
例えば、図6に示すように、超臨界室103,減圧室104,105の各々に、低圧室611と圧送部612と高圧室613とからなる還流部601を設けるようにしてもよい。例えば、超臨界室103の排出部133aより排出される二酸化炭素を低圧室611に収容し、低圧室に収容された二酸化炭素を圧送部612により高圧室613に圧送して高圧室613内に所定圧力とした二酸化炭素を充填する。
【0070】
このようにして、高圧室613の側を、例えば、7.5MPaと高圧な二酸化炭素で充填された状態とし、充填されている高圧の二酸化炭素を導入部133bより超臨界室103に導入することで、超臨界室103内の圧力を7.5MPaの状態に維持することができる。
【0071】
ところで、図7に示すように、各処理室を異なる容積とし、2つの処理室は、上下に積層して配置するようにしても良い。
以下、図7の超臨界乾燥装置を用いた乾燥処理について説明する。
まず、処理対象のシリコン基板に現像,水洗,リンス液処理などを行う。現像処理により、シリコン基板上には、微細なレジストパターンが形成された状態となり、また、シリコン基板はリンス液で濡れた状態となる。
【0072】
上述したようにシリコン基板を薬液処理した後、図7(a)に示すように、前処理室701の開閉弁712を開放し、リンス液で濡れている基板741を基板載置台711の上に濡れた状態のシリコン基板741を搬入する。前処理室701は、基板載置台711上にシリコン基板741を搬出搬入することが可能な程度の高さとし、シリコン基板741が収容できる程度の面積とし、容積の小さい圧力容器で構成する。
【0073】
基板741を基板載置台711の上に固定した後、開閉弁712を閉じて前処理室701内を密閉状態とし、前処理室701に図示しない導入口より液化二酸化炭素を導入し、内圧を7.5MPa程度とする。前処理室701は、1枚のシリコン基板741が収容可能な程度の小さな容積の処理室であるため、短時間で液化二酸化炭素で充填した状態とすることができる。
【0074】
一方、主処理室702では、図示しない導入口より液化二酸化炭素を導入し、主処理室702の内部が液化二酸化炭素で充填され、内圧が7.5MPa程度とされた状態としておく。また、主処理室702は、排出量を制御することで主処理室702の内部圧力を制御する図示しない排出部を備え、液化二酸化炭素は、図示しない導入口より主処理室702内に圧入され、図示しない排出部より排出されている。
【0075】
この状態で、前述したように、前処理室701内にシリコン基板741が収容され、また、液化二酸化炭素で充填されて内圧が7.5MPa程度とされた後、開閉弁713を開放し、図示しない搬送機構により、基板載置台711上に固定されているシリコン基板741を、基板載置台721上に移送する。このとき、基板載置台721の高低の位置を、前処理室701の高さ程度としておくようにしても良い。
【0076】
シリコン基板741を基板載置台721に移送した後、図7(c)に示すように、開閉弁713を閉じた状態とし、基板載置台721上に固定されたシリコン基板741が、圧力7.5MPaの液化二酸化炭素中に浸漬された状態とする。ここで、例えば、基板載置台721を図示しない回転機構により回転(500〜1000rpm程度)させ、シリコン基板741を回転させることで、シリコン基板741の表面に付着しているリンス液を、効率よく液化二酸化炭素に置換する(置換処理)。
【0077】
一方、シリコン基板741が搬出され、開閉弁713が閉じられた前処理室701では、図示しない排出部より内部の二酸化炭素を排出し、前処理室701内を大気圧程度にまで減圧する。
前処理室701内の圧力が大気圧程度にまで減圧したら、開閉弁711を開放して、つぎの処理対象のシリコン基板742を、前処理室701の基板載置台711上に搬入する。
【0078】
つぎの処理対象のシリコン基板742を搬入し、開閉弁711を閉じて密閉された状態としたら、前処理室701に図示しない導入口より液化二酸化炭素を導入し、内圧を7.5MPa程度とする。また、このとき、超臨界室703にも、図示しない導入口より液化二酸化炭素を導入し、内圧を7.5MPa程度とする。超臨界室703は、前処理室701と同様に、基板載置台731上にシリコン基板を搬出搬入することが可能な程度の高さとし、シリコン基板が収容できる程度の面積とし、容積の小さい圧力容器で構成する。
【0079】
超臨界室703も、前処理室701と同様に、1枚のシリコン基板が収容可能な程度の小さな容積の処理室であるため、短時間で液化二酸化炭素で充填した状態とすることができる。
また、これらのように構成することで、超臨界室703の上に前処理室701が載設され、これらが主処理室702に横設された状態とすることができる。
【0080】
超臨界室703が液化二酸化炭素で充填され、主処理室702における置換処理が所定時間行われた後、図7(d)に示すように、開閉弁733を開放し、図示しない搬送機構により、基板載置台721の上のシリコン基板741を基板載置台731上に移送する。このとき、基板載置台731を、図示しない温度制御機構により35℃程度としておけば、シリコン基板741も35℃程度に加熱される。
【0081】
超臨界室703の内部は、7.5MPa程度の液化二酸化炭素で充填されているため、35℃に加熱されたシリコン基板741雰囲気では、液化二酸化炭素が超臨界状態となる。この後、開閉弁733を閉じた状態とし、図示しない排出部より内部の二酸化炭素を排出し、超臨界室703内の圧力を、大気圧程度にまで徐々に低下させる。このことにより、シリコン基板741の上では、液体が触れた状態を経ることなく、乾燥された状態となる。
【0082】
一方、基板載置台721よりシリコン基板741を搬出した後、直ちに開閉弁713を開放し、基板載置台711の上にあるシリコン基板742を基板載置台721の上に移送する。ここで、このとき、開閉弁713及び開閉弁733が開放し、前処理室701と主処理室702内と超臨界室7003とが連通した状態となるが、各処理室内は、内圧が7.5MPaにまで液化二酸化炭素が充填された同一環境となっているので、何ら問題はない。
【0083】
つぎの処理対象のシリコン基板742を基板載置台721上に搬入した後、開閉弁713が閉じた状態とされ、シリコン基板741が基板載置台731の上に移送されて開閉弁733が閉じられたら、前述した置換処理を、シリコン基板742に対して行う。また、前処理室701においては、前述したように、内圧を大気圧程度のまで減圧し、開閉弁712を開放して3枚目の処理対象基板を搬入しておく。
この後、シリコン基板742を超臨界室703に移送するとともに、3枚目の処理対象基板を主処理室702に移送し、知りKんきばん742は超臨界乾燥処理を行い、3枚目の処理対象基板は置換処理を行う。
【0084】
以上に説明した連続処理を繰り返すことで、従来より短い時間間隔で、複数の基板を連続的に処理できるようになる。また、図7の超臨界処理装置によれば、大気圧の状態と7.5MPa程度と高圧の状態とが繰り返される前処理室701及び超臨界室703は、小さい容積した。この結果、前処理室701及び超臨界室703では、処理室内を高圧状態にする時間や、高圧状態の処理室内を大気圧程度にまで減圧知る時間を、より短縮することが可能となる。
【0085】
なお、上述では、前処理室701を超臨界室703の上方に配置するようにしたが、これに限るものではなく、前処理室を超臨界室の下方に配置するようにしても良い。
また、前処理室701による処理をして主処理室702の処理をした後、再び前処理室701による処理を行うようにしても良い。
【0086】
なお、上述では、乾燥対象のパターンとして、高分子材料のレジストパターンを例にしたが、シリコンや化合物半導体からなるパターンの乾燥に適用しても良い。また、上述では超臨界流体として二酸化炭素を用いるようにしたが、これに限るものではなく、CHF3やNO2などの臨界点を有する物質を用いるようにしても良い。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、密閉可能な複数の処理室の各々を密閉された通路により連通させ、複数の処理室にわたって、処理対象の基板を外部に晒すことなく処理が行えるようにした。この結果、本発明によれば、複数の処理対象基板に対し、連続して高圧環境による処理ができるようになるため、超臨界乾燥の工程をより短い時間で通過できるようになるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における超臨界乾燥装置の構成例を示す概略的な断面図である。
【図2】本発明の他の実施の形態における超臨界乾燥装置の一部構成例を示す概略的な断面図である。
【図3】図1の超臨界乾燥装置の動作例を示すタイミングチャートである。
【図4】従来の超臨界乾燥装置における処理の状態を示す説明図である。
【図5】本発明の他の実施の形態における超臨界乾燥装置の構成例を示す概略的な断面図である。
【図6】本発明の他の実施の形態における超臨界乾燥装置の構成例を示す概略的な断面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態における超臨界乾燥装置の構成例を示す概略的な断面図である。
【図8】パターン倒れの状態を説明するための説明図である。
【図9】超臨界乾燥を説明するための説明図である。
【図10】従来よりある超臨界乾燥装置の概略的な構成例を示す構成図である。
【符号の説明】
101…薬液処理部、102…置換室、103…超臨界室、104…減圧室、105…減圧室、107…ボンベ、108…圧送制御部、109…搬送機構、111,121,131,141,151…基板載置台、122,132,142,152…導入部、123,133,143,153…排出部、124,125,134,135,144,145,154,155…開閉弁、161,162,163…通路。
Claims (6)
- 内部に処理対象の基板を保持する基板載置台を備えた密閉可能な第1処理室,第2処理室,第3処理室と、
前記第1〜第3処理室を連通する密閉された通路と、
前記第1〜第3処理室の各々と前記通路との間に配置された開閉弁と、
前記通路に配置されて前記第1〜第3処理室の前記基板載置台の上に処理対象の基板を搬入及び搬出する搬送手段と、
前記第1〜第3処理室の各々に大気雰囲気では気体である物質の液体を供給する液体供給手段と、
前記第1〜第3処理室の各々に設けられ各処理室の内部の流体を排出する排出手段と、
前記処理室の内部圧力を前記物質が超臨界状態となり得る圧力の範囲で制御する圧力制御手段と、
前記第1〜第3処理室の内部温度を制御する温度制御手段と
を少なくとも備えたことを特徴とする超臨界乾燥装置。 - 請求項1記載の超臨界乾燥装置において、
さらに、前記第1処理室に液体を供給する液供給手段を備えたことを特徴とする超臨界乾燥装置。 - 内部に処理対象の基板を保持する基板載置台を備えた密閉可能な第1〜第4処理室と、
前記第1〜第4処理室を連通する密閉された通路と、
前記第1〜第4処理室の各々と前記通路との間に配置された開閉弁と、
前記通路に配置されて前記第1〜第4処理室の前記基板載置台の上に処理対象の基板を搬入及び搬出する搬送手段と、
前記第1〜第4処理室の各々に大気雰囲気では気体である物質の液体を供給する液体供給手段と、
前記第1〜第4処理室の各々に設けられ各処理室の内部の流体を排出する排出手段と、
前記処理室の内部圧力を前記物質が超臨界状態となり得る圧力の範囲で制御する圧力制御手段と、
前記第1〜第4処理室の内部温度を制御する温度制御手段と
を少なくとも備えたことを特徴とする超臨界乾燥装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の超臨界乾燥装置において、
前記各処理室は、1列に配列され、
前記通路は、隣り合う処理室の間に配置され
たことを特徴とする超臨界乾燥装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の超臨界乾燥装置において、
前記温度制御手段は、前記基板載置台の温度を制御するものである
ことを特徴とする超臨界乾燥装置。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の超臨界乾燥装置において、
前記各処理室の内部より排出された前記物質を還流させる還流手段
を備えたことを特徴とする超臨界乾燥装置。
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