JP2004207284A - 露光装置および露光方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡素な構成により、開口絞りを交換して面光源の形状または大きさを変更しても、投影光学系の入射瞳上の所定位置に各面光源像を形成することのできる露光装置。
【解決手段】マスク(M)を照明する照明系(1〜9)と、マスクのパターン像を感光性基板(W)上に投影露光する投影光学系(PL)とを備えた露光装置。照明系は、光源手段(1)からの光束に基づいて面光源を形成する面光源形成手段(4)と、面光源を所定の形状に制限する開口絞り手段(5)とを有し、面光源からの光束に基づいてマスクを照明する。開口絞り手段は、光路に対して切り換え可能な複数の開口絞りと、複数の開口絞りを支持するための支持部材とを有する。投影光学系の入射瞳上の所望位置に面光源の像を形成するために、各開口絞りは支持部材に対して独立的に位置決め調整可能に構成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】マスク(M)を照明する照明系(1〜9)と、マスクのパターン像を感光性基板(W)上に投影露光する投影光学系(PL)とを備えた露光装置。照明系は、光源手段(1)からの光束に基づいて面光源を形成する面光源形成手段(4)と、面光源を所定の形状に制限する開口絞り手段(5)とを有し、面光源からの光束に基づいてマスクを照明する。開口絞り手段は、光路に対して切り換え可能な複数の開口絞りと、複数の開口絞りを支持するための支持部材とを有する。投影光学系の入射瞳上の所望位置に面光源の像を形成するために、各開口絞りは支持部材に対して独立的に位置決め調整可能に構成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光装置および露光方法に関し、特に半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイスをリソグラフィー工程で製造するための露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の典型的な露光装置においては、光源から射出された光束が、オプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズを介して、多数の光源からなる実質的な面光源としての二次光源を形成する。二次光源からの光束は、フライアイレンズの後側焦点面の近傍に配置された開口絞りを介して制限された後、コンデンサーレンズに入射する。
【0003】
コンデンサーレンズにより集光された光束は、所定のパターンが形成されたマスクを重畳的に照明する。マスクのパターンを透過した光は、投影光学系を介してウェハ上に結像する。こうして、ウェハ上には、マスクパターンが投影露光(転写)される。なお、マスクに形成されたパターンは高集積化されており、この微細パターンをウェハ上に正確に転写するにはウェハ上において均一な照度分布を得ることが不可欠である。
【0004】
そこで、フライアイレンズの後側焦点面に円形状の二次光源を形成し、その大きさを変化させて照明のコヒーレンシィσ(σ値=開口絞り径/投影光学系の瞳径、あるいはσ値=照明光学系の射出側開口数/投影光学系の入射側開口数)を変化させる技術が注目されている。また、フライアイレンズの後側焦点面に輪帯状や4極状の二次光源を形成し、投影光学系の焦点深度や解像力を向上させる技術が注目されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、マスクパターンを感光性基板上に正確に投影露光するには、上述の実質的な面光源の像を投影光学系の入射瞳上の所定位置に形成することが必要である。また、面光源の所望の形状および大きさはマスクのパターンにより異なるため、マスクに応じて開口絞りを交換することにより、面光源の形状または大きさを変更している。この場合、面光源の形状または大きさを変更すると、光学系の収差や透過率ムラなどの影響により、投影光学系の入射瞳上に形成される面光源像の位置が変動し、ひいては投影光学系の入射瞳上の所定位置に面光源像が形成されなくなる。
【0006】
そこで、従来技術では、照明光学系を構成する特定のレンズ(またはレンズ群)を光軸に対して傾斜(チルト)させて微動調整したり、光軸に対して偏心(シフト) させて微動調整したり、光軸方向に移動させて微動調整したりすることができるように構成し、投影光学系の入射瞳上の所定位置に面光源像が形成されるように、開口絞りの交換による面光源の形状または大きさの変更に応じてレンズを微動調整している。しかしながら、投影光学系の入射瞳上の所定位置に面光源像を形成するためにレンズ微動調整機構を設ける従来技術では、装置構成が複雑化し、装置構成の複雑化がトラブルを誘発し易いという不都合があった。
【0007】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、簡素な構成により、開口絞りを交換して面光源の形状または大きさを変更しても、投影光学系の入射瞳上の所定位置に各面光源像を形成することのできる露光装置および露光方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の第1形態では、所定のパターンが形成されたマスクを照明するための照明系と、前記マスクのパターン像を感光性基板上に投影露光するための投影光学系とを備えた露光装置において、
前記照明系は、光束を供給するための光源手段と、該光源手段からの光束に基づいて実質的な面光源を形成するための面光源形成手段と、前記実質的な面光源を所定の形状に制限するための開口絞り手段とを有し、前記実質的な面光源からの光束に基づいて前記マスクを照明し、
前記開口絞り手段は、光路に対して切り換え可能な複数の開口絞りと、該複数の開口絞りを支持するための支持部材とを有し、
前記投影光学系の入射瞳上の所望位置に前記実質的な面光源の像を形成するために、各開口絞りは前記支持部材に対して独立的に位置決め調整可能に構成されていることを特徴とする露光装置を提供する。
【0009】
第1形態の好ましい態様によれば、前記各開口絞りは、光軸に沿った方向および光軸と直交する面内方向のうちの少なくとも一方の方向に沿って、前記支持部材に対して位置決め調整可能に構成されている。
【0010】
本発明の第2形態では、所定のパターンが形成されたマスクを照明する照明工程と、前記マスクのパターン像を投影光学系を介して感光性基板上に投影露光する露光工程とを含む露光方法において、
前記照明工程は、光源手段から供給された光束に基づいて実質的な面光源を形成する工程と、光路に対して切り換え可能な複数の開口絞りから選択された開口絞りにより前記実質的な面光源を所定の形状に制限する工程と、前記実質的な面光源からの光束に基づいて前記マスクを照明する工程とを含み、
前記照明工程において前記投影光学系の入射瞳上の所望位置に各面光源の像を形成するために、装置の組立てに際して前記複数の開口絞りを支持する支持部材に対して各開口絞りを独立的に位置決め調整することを特徴とする露光方法を提供する。
【0011】
第2形態の好ましい態様によれば、前記装置の組立てに際して、光軸に沿った方向および光軸と直交する面内方向のうちの少なくとも一方の方向に沿って各開口絞りの位置決め調整を行う。
【0012】
本発明の第3形態では、光束を供給するための光源手段と、該光源手段からの光束に基づいて実質的な面光源を形成するための面光源形成手段と、前記実質的な面光源を所定の形状に制限するための開口絞り手段とを備え、前記実質的な面光源からの光束に基づいて被照射面を照明する照明光学装置において、
前記開口絞り手段は、光路に対して切り換え可能な複数の開口絞りと、該複数の開口絞りを支持するための支持部材とを有し、
各開口絞りは、前記支持部材に対して独立的に位置決め調整可能に構成されていることを特徴とする照明光学装置を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。また、図2は、図1の開口絞り系の構成を概略的に示す図である。図1において、感光性基板であるウェハWの法線方向に沿ってZ軸を、ウェハ面内において図1の紙面に平行な方向にY軸を、ウェハ面内において図1の紙面に垂直な方向にX軸をそれぞれ設定している。
【0014】
本実施形態の露光装置は、露光光(照明光)を供給するための光源1として、たとえば248nm(KrF)または193nm(ArF)の波長を有する光を供給するエキシマレーザー光源を備えている。光源1からZ方向に沿って射出されたほぼ平行光束は、X方向に沿って細長く延びた矩形状の断面を有し、一対のレンズ2aおよび2bからなるビームエキスパンダー2に入射する。各レンズ2aおよび2bは、図1の紙面内(YZ平面内)において負の屈折力および正の屈折力をそれぞれ有する。
【0015】
したがって、ビームエキスパンダー2に入射した光束は、図1の紙面内において拡大され、所定の矩形状の断面を有する光束に整形される。光束整形光学系としてのビームエキスパンダー2を介したほぼ平行光束は、折り曲げミラー3でY方向に偏向された後、フライアイレンズ4に入射する。フライアイレンズ4は、たとえば正の屈折力を有する多数のレンズエレメントを縦横に且つ稠密に配列することによって構成されている。なお、図1では、図面の明瞭化のために、フライアイレンズ4を構成するレンズエレメントの数を実際よりも少なく表している。
【0016】
したがって、フライアイレンズ4に入射した光束は多数のレンズエレメントにより二次元的に分割され、光束が入射した各レンズエレメントの後側焦点面にはそれぞれ1つの光源が形成される。すなわち、フライアイレンズ4の後側焦点面には、多数の光源からなり全体として矩形状の実質的な面光源が形成される。このように、フライアイレンズ4は、波面分割型のオプティカルインテグレータであって、光源1からの光束に基づいて多数の光源からなる実質的な面光源を形成するための面光源形成手段を構成している。
【0017】
フライアイレンズ4の後側焦点面に形成された面光源からの光束は、その近傍に配置された開口絞り系5に入射する。図2を参照すると、開口絞り系5は全体的に円形状のターレット基板(ターンテーブル)50を有し、ターレット基板50には、大きさ(外径)の異なる円形状の開口部(光透過部)を有する3つの円形開口絞り51〜53と、形状(輪帯比)の異なる輪帯状の開口部を有する2つの輪帯開口絞り54および55と、4極状の開口部を有する1つの4極開口絞り56とが円周方向に沿って取り付けられている。
【0018】
また、ターレット基板50は、その中心点を通り光軸AXに平行な軸線O廻りに回転可能に構成されている。したがって、ターレット基板50を軸線O廻りに回転させることにより、6つの開口絞り51〜56から選択された1つの開口絞りを照明光路中に位置決めすることができる。すなわち、開口絞り系5は、二次光源としての実質的な面光源を所定の形状に制限するための開口絞り手段を構成し、照明光路に対して切り換え可能な6つの開口絞り51〜56と、6つの開口絞り51〜56を支持するための支持部材としてのターレット基板50とを有する。
【0019】
開口絞り系5により照明光路中に位置決めされた開口絞りにより円形状、輪帯状あるいは4極状に制限された面光源からの光は、コンデンサー光学系6の集光作用を受けた後、照明視野絞りとしてのマスクブラインド7を重畳的に照明する。マスクブラインド7の矩形状の開口部(光透過部)を介した光束は、結像光学系8およびその光路中に配置された折り曲げミラー9を介して、所定のパターンが形成されたマスクMを重畳的に照明する。
【0020】
マスクMのパターンを透過した光束は、投影光学系PLを介して、感光性基板であるウェハW上にマスクパターンの像を形成する。投影光学系PLの入射瞳面には、投影光学系PLの開口数を規定するための可変開口絞りASが設けられている。マスクMは、投影光学系PLの光軸AXに対して垂直な平面(XY平面)内において二次元的に移動可能なマスクステージMS上に載置されている。一方、ウェハWは、投影光学系PLの光軸AXに対して垂直な平面(XY平面)内において二次元的に移動可能なウェハステージWS上に載置されている。
【0021】
こうして、XY平面内においてウェハWを二次元的に駆動制御しながら一括露光またはスキャン露光を行うことにより、ウェハWの各露光領域にはマスクMのパターンが逐次露光される。なお、フライアイレンズ4の後側焦点面に位置決めされた開口絞り(51〜56)と投影光学系PLの入射瞳面とが光学的にほぼ共役に配置されているので、投影光学系PLの入射瞳面上には開口絞り(51〜56)により制限された面光源の像(開口絞り(51〜56)の開口部の像)が形成され、マスクMおよびウェハWがケーラー照明される。
【0022】
一括露光では、いわゆるステップ・アンド・リピート方式にしたがって、ウェハの各露光領域に対してマスクパターンを一括的に露光する。この場合、マスクM上での照明領域の形状は正方形に近い矩形状であり、フライアイレンズ4の各レンズエレメントの断面形状も正方形に近い矩形状となる。一方、スキャン露光では、いわゆるステップ・アンド・スキャン方式にしたがって、マスクおよびウェハを投影光学系に対して相対移動させながらウェハの各露光領域に対してマスクパターンをスキャン露光する。この場合、マスクM上での照明領域の形状は短辺と長辺との比がたとえば1:3の矩形状であり、フライアイレンズ4の各レンズエレメントの断面形状もこれと相似な矩形状となる。
【0023】
図3は、ターレット基板に対する開口絞りの取り付け形態を概略的に示す図である。なお、図3では、典型例として、ターレット基板50に対する円形開口絞り51の取り付け形態を例示している。図3を参照すると、円形開口絞り51は、ターレット基板50に螺合する複数(図3では3つ)のネジ部材60の作用により、ワッシャ61を介してターレット基板50に取り付けられている。なお、ネジ部材60のための貫通孔として、円形開口絞り51およびワッシャ61には、ネジ部材60の外径よりも実質的に大きい径を有するルーズホール51aおよび61aが形成されている。
【0024】
また、図示を省略したが、他の開口絞り52〜56も、ターレット基板50に螺合する複数のネジ部材の作用により、ワッシャを介してターレット基板50に取り付けられている。したがって、各開口絞り51〜56は、ネジ部材とルーズホールとの協働作用により、光軸AXと直交する面内方向(XZ平面方向)に沿って、ターレット基板50に対して独立的に位置決め調整可能である。また、各開口絞り51〜56は、介在するワッシャの厚さ(または枚数)を調整することにより、光軸AXに沿った方向(Y方向)に沿って、ターレット基板50に対して独立的に位置決め調整可能である。
【0025】
本実施形態では、上述したように投影光学系PLの入射瞳面上には開口絞り(51〜56)の開口部の像が形成されることになるが、各開口絞り51〜56がターレット基板50に対して独立的に位置決め調整可能に構成されているので、露光装置の組立てに際して、ターレット基板50に対して各開口絞り51〜56を独立的に位置決め調整することにより、マスクMに応じて開口絞りを交換して面光源の形状または大きさを変更しても、投影光学系PLの入射瞳上の所定位置に各面光源像を形成することができる。
【0026】
すなわち、本実施形態では、露光装置の組立て時にターレット基板50に対して各開口絞り51〜56が位置決め調整されるため、調整済み状態の開口絞り51〜56の作用により投影光学系PLの入射瞳上の所望位置に各面光源像を常に形成することができ、従来技術のようなレンズ微動調整機構を設ける必要がなく、照明条件の切り換え毎に面光源像の形成位置を調整する必要がなくなる。その結果、良好な露光条件のもとで、マスクパターンを感光性基板上に正確に投影露光することができ、ひいては良好なマイクロデバイスを高精度に製造することができる。
【0027】
上述の実施形態にかかる露光装置では、照明系によってマスク(レチクル)を照明し(照明工程)、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板に露光する(露光工程)ことにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、実施形態の露光装置を用いて感光性基板としてのウェハ等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法の一例につき図4のフローチャートを参照して説明する。
【0028】
先ず、図4のステップ301において、1ロットのウェハ上に金属膜が蒸着される。次のステップ302において、そのlロットのウェハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップ303において、実施形態の露光装置を用いて、マスク上のパターンの像がその投影光学系を介して、その1ロットのウェハ上の各ショット領域に順次露光転写される。その後、ステップ304において、その1ロットのウェハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップ305において、その1ロットのウェハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウェハ上の各ショット領域に形成される。その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスをスループット良く得ることができる。
【0029】
また、実施形態の露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図5のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。図5において、パターン形成工程401では、実施形態の露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィー工程が実行される。この光リソグラフィー工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルター形成工程402へ移行する。
【0030】
次に、カラーフィルター形成工程402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルターの組を複数水平走査線方向に配列したカラーフィルターを形成する。そして、カラーフィルター形成工程402の後に、セル組み立て工程403が実行される。セル組み立て工程403では、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルター等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。セル組み立て工程403では、例えば、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルターとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
【0031】
その後、モジュール組み立て工程404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子をスループット良く得ることができる。
【0032】
なお、上述の実施形態では、支持部材としてのターレット基板に螺合するネジ部材の作用により、ワッシャを介してターレット基板に各開口絞りを取り付けているが、これに限定されることなく、支持部材に各開口絞りを取り付ける形態については様々な変形例が可能である。
【0033】
また、上述の実施形態では、1つのフライアイレンズだけを用いるシングルフライアイ方式を採用しているが、これに限定されることなく、特開平10−319321号公報(特に図23を参照)に開示されているように、2つのフライアイレンズを照明光路に沿って間隔を隔てて配置するダブルフライアイ方式を採用することもできる。
【0034】
さらに、上述の実施形態では、ターレット方式の開口絞り系を用いているが、これに限定されることなく、たとえばスライド方式の開口絞り系などを採用することもできる。
【0035】
また、上述の実施形態では、フライアイレンズの後側焦点面に多数の光源からなり全体として矩形状の実質的な面光源を形成しているが、これに限定されることなく、全体として円形状、輪帯状、4極状などの形状を有する面光源を形成することもできる。
【0036】
また、上述の実施形態では、露光装置に本発明を適用しているが、これに限定されことなく、露光装置においてマスクを照明する照明光学装置、またはマスク以外の被照射面を照明するための一般的な照明光学装置に本発明を適用することができることは明らかである。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、各開口絞りが支持部材に対して独立的に位置決め調整可能に構成されているので、装置の組立てに際して、支持部材に対して各開口絞りを独立的に位置決め調整することにより、マスクに応じて開口絞りを交換して面光源の形状または大きさを変更しても、投影光学系の入射瞳上の所定位置に各面光源像を形成することができる。
【0038】
すなわち、本発明では、従来技術のようなレンズ微動調整機構を設ける必要がなく、簡素な構成により、開口絞りを交換して面光源の形状または大きさを変更しても、投影光学系の入射瞳上の所定位置に各面光源像を形成することができるので、良好な露光条件のもとでマスクパターンを感光性基板上に正確に投影露光することができ、ひいては良好なマイクロデバイスを高精度に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】図1の開口絞り系の構成を概略的に示す図である。
【図3】ターレット基板に対する開口絞りの取り付け形態を概略的に示す図である。
【図4】マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法のフローチャートである。
【図5】マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得る際の手法のフローチャートである。
【符号の説明】
1 光源
4 フライアイレンズ
5 開口絞り系
6 コンデンサー光学系
7 マスクブラインド(照明視野絞り)
8 結像光学系
50 ターレット基板
51〜56 開口絞り
51a,61a ルーズホール
60 ネジ部材
61 ワッシャ
M マスク
PL 投影光学系
W ウェハ
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光装置および露光方法に関し、特に半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイスをリソグラフィー工程で製造するための露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の典型的な露光装置においては、光源から射出された光束が、オプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズを介して、多数の光源からなる実質的な面光源としての二次光源を形成する。二次光源からの光束は、フライアイレンズの後側焦点面の近傍に配置された開口絞りを介して制限された後、コンデンサーレンズに入射する。
【0003】
コンデンサーレンズにより集光された光束は、所定のパターンが形成されたマスクを重畳的に照明する。マスクのパターンを透過した光は、投影光学系を介してウェハ上に結像する。こうして、ウェハ上には、マスクパターンが投影露光(転写)される。なお、マスクに形成されたパターンは高集積化されており、この微細パターンをウェハ上に正確に転写するにはウェハ上において均一な照度分布を得ることが不可欠である。
【0004】
そこで、フライアイレンズの後側焦点面に円形状の二次光源を形成し、その大きさを変化させて照明のコヒーレンシィσ(σ値=開口絞り径/投影光学系の瞳径、あるいはσ値=照明光学系の射出側開口数/投影光学系の入射側開口数)を変化させる技術が注目されている。また、フライアイレンズの後側焦点面に輪帯状や4極状の二次光源を形成し、投影光学系の焦点深度や解像力を向上させる技術が注目されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、マスクパターンを感光性基板上に正確に投影露光するには、上述の実質的な面光源の像を投影光学系の入射瞳上の所定位置に形成することが必要である。また、面光源の所望の形状および大きさはマスクのパターンにより異なるため、マスクに応じて開口絞りを交換することにより、面光源の形状または大きさを変更している。この場合、面光源の形状または大きさを変更すると、光学系の収差や透過率ムラなどの影響により、投影光学系の入射瞳上に形成される面光源像の位置が変動し、ひいては投影光学系の入射瞳上の所定位置に面光源像が形成されなくなる。
【0006】
そこで、従来技術では、照明光学系を構成する特定のレンズ(またはレンズ群)を光軸に対して傾斜(チルト)させて微動調整したり、光軸に対して偏心(シフト) させて微動調整したり、光軸方向に移動させて微動調整したりすることができるように構成し、投影光学系の入射瞳上の所定位置に面光源像が形成されるように、開口絞りの交換による面光源の形状または大きさの変更に応じてレンズを微動調整している。しかしながら、投影光学系の入射瞳上の所定位置に面光源像を形成するためにレンズ微動調整機構を設ける従来技術では、装置構成が複雑化し、装置構成の複雑化がトラブルを誘発し易いという不都合があった。
【0007】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、簡素な構成により、開口絞りを交換して面光源の形状または大きさを変更しても、投影光学系の入射瞳上の所定位置に各面光源像を形成することのできる露光装置および露光方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の第1形態では、所定のパターンが形成されたマスクを照明するための照明系と、前記マスクのパターン像を感光性基板上に投影露光するための投影光学系とを備えた露光装置において、
前記照明系は、光束を供給するための光源手段と、該光源手段からの光束に基づいて実質的な面光源を形成するための面光源形成手段と、前記実質的な面光源を所定の形状に制限するための開口絞り手段とを有し、前記実質的な面光源からの光束に基づいて前記マスクを照明し、
前記開口絞り手段は、光路に対して切り換え可能な複数の開口絞りと、該複数の開口絞りを支持するための支持部材とを有し、
前記投影光学系の入射瞳上の所望位置に前記実質的な面光源の像を形成するために、各開口絞りは前記支持部材に対して独立的に位置決め調整可能に構成されていることを特徴とする露光装置を提供する。
【0009】
第1形態の好ましい態様によれば、前記各開口絞りは、光軸に沿った方向および光軸と直交する面内方向のうちの少なくとも一方の方向に沿って、前記支持部材に対して位置決め調整可能に構成されている。
【0010】
本発明の第2形態では、所定のパターンが形成されたマスクを照明する照明工程と、前記マスクのパターン像を投影光学系を介して感光性基板上に投影露光する露光工程とを含む露光方法において、
前記照明工程は、光源手段から供給された光束に基づいて実質的な面光源を形成する工程と、光路に対して切り換え可能な複数の開口絞りから選択された開口絞りにより前記実質的な面光源を所定の形状に制限する工程と、前記実質的な面光源からの光束に基づいて前記マスクを照明する工程とを含み、
前記照明工程において前記投影光学系の入射瞳上の所望位置に各面光源の像を形成するために、装置の組立てに際して前記複数の開口絞りを支持する支持部材に対して各開口絞りを独立的に位置決め調整することを特徴とする露光方法を提供する。
【0011】
第2形態の好ましい態様によれば、前記装置の組立てに際して、光軸に沿った方向および光軸と直交する面内方向のうちの少なくとも一方の方向に沿って各開口絞りの位置決め調整を行う。
【0012】
本発明の第3形態では、光束を供給するための光源手段と、該光源手段からの光束に基づいて実質的な面光源を形成するための面光源形成手段と、前記実質的な面光源を所定の形状に制限するための開口絞り手段とを備え、前記実質的な面光源からの光束に基づいて被照射面を照明する照明光学装置において、
前記開口絞り手段は、光路に対して切り換え可能な複数の開口絞りと、該複数の開口絞りを支持するための支持部材とを有し、
各開口絞りは、前記支持部材に対して独立的に位置決め調整可能に構成されていることを特徴とする照明光学装置を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。また、図2は、図1の開口絞り系の構成を概略的に示す図である。図1において、感光性基板であるウェハWの法線方向に沿ってZ軸を、ウェハ面内において図1の紙面に平行な方向にY軸を、ウェハ面内において図1の紙面に垂直な方向にX軸をそれぞれ設定している。
【0014】
本実施形態の露光装置は、露光光(照明光)を供給するための光源1として、たとえば248nm(KrF)または193nm(ArF)の波長を有する光を供給するエキシマレーザー光源を備えている。光源1からZ方向に沿って射出されたほぼ平行光束は、X方向に沿って細長く延びた矩形状の断面を有し、一対のレンズ2aおよび2bからなるビームエキスパンダー2に入射する。各レンズ2aおよび2bは、図1の紙面内(YZ平面内)において負の屈折力および正の屈折力をそれぞれ有する。
【0015】
したがって、ビームエキスパンダー2に入射した光束は、図1の紙面内において拡大され、所定の矩形状の断面を有する光束に整形される。光束整形光学系としてのビームエキスパンダー2を介したほぼ平行光束は、折り曲げミラー3でY方向に偏向された後、フライアイレンズ4に入射する。フライアイレンズ4は、たとえば正の屈折力を有する多数のレンズエレメントを縦横に且つ稠密に配列することによって構成されている。なお、図1では、図面の明瞭化のために、フライアイレンズ4を構成するレンズエレメントの数を実際よりも少なく表している。
【0016】
したがって、フライアイレンズ4に入射した光束は多数のレンズエレメントにより二次元的に分割され、光束が入射した各レンズエレメントの後側焦点面にはそれぞれ1つの光源が形成される。すなわち、フライアイレンズ4の後側焦点面には、多数の光源からなり全体として矩形状の実質的な面光源が形成される。このように、フライアイレンズ4は、波面分割型のオプティカルインテグレータであって、光源1からの光束に基づいて多数の光源からなる実質的な面光源を形成するための面光源形成手段を構成している。
【0017】
フライアイレンズ4の後側焦点面に形成された面光源からの光束は、その近傍に配置された開口絞り系5に入射する。図2を参照すると、開口絞り系5は全体的に円形状のターレット基板(ターンテーブル)50を有し、ターレット基板50には、大きさ(外径)の異なる円形状の開口部(光透過部)を有する3つの円形開口絞り51〜53と、形状(輪帯比)の異なる輪帯状の開口部を有する2つの輪帯開口絞り54および55と、4極状の開口部を有する1つの4極開口絞り56とが円周方向に沿って取り付けられている。
【0018】
また、ターレット基板50は、その中心点を通り光軸AXに平行な軸線O廻りに回転可能に構成されている。したがって、ターレット基板50を軸線O廻りに回転させることにより、6つの開口絞り51〜56から選択された1つの開口絞りを照明光路中に位置決めすることができる。すなわち、開口絞り系5は、二次光源としての実質的な面光源を所定の形状に制限するための開口絞り手段を構成し、照明光路に対して切り換え可能な6つの開口絞り51〜56と、6つの開口絞り51〜56を支持するための支持部材としてのターレット基板50とを有する。
【0019】
開口絞り系5により照明光路中に位置決めされた開口絞りにより円形状、輪帯状あるいは4極状に制限された面光源からの光は、コンデンサー光学系6の集光作用を受けた後、照明視野絞りとしてのマスクブラインド7を重畳的に照明する。マスクブラインド7の矩形状の開口部(光透過部)を介した光束は、結像光学系8およびその光路中に配置された折り曲げミラー9を介して、所定のパターンが形成されたマスクMを重畳的に照明する。
【0020】
マスクMのパターンを透過した光束は、投影光学系PLを介して、感光性基板であるウェハW上にマスクパターンの像を形成する。投影光学系PLの入射瞳面には、投影光学系PLの開口数を規定するための可変開口絞りASが設けられている。マスクMは、投影光学系PLの光軸AXに対して垂直な平面(XY平面)内において二次元的に移動可能なマスクステージMS上に載置されている。一方、ウェハWは、投影光学系PLの光軸AXに対して垂直な平面(XY平面)内において二次元的に移動可能なウェハステージWS上に載置されている。
【0021】
こうして、XY平面内においてウェハWを二次元的に駆動制御しながら一括露光またはスキャン露光を行うことにより、ウェハWの各露光領域にはマスクMのパターンが逐次露光される。なお、フライアイレンズ4の後側焦点面に位置決めされた開口絞り(51〜56)と投影光学系PLの入射瞳面とが光学的にほぼ共役に配置されているので、投影光学系PLの入射瞳面上には開口絞り(51〜56)により制限された面光源の像(開口絞り(51〜56)の開口部の像)が形成され、マスクMおよびウェハWがケーラー照明される。
【0022】
一括露光では、いわゆるステップ・アンド・リピート方式にしたがって、ウェハの各露光領域に対してマスクパターンを一括的に露光する。この場合、マスクM上での照明領域の形状は正方形に近い矩形状であり、フライアイレンズ4の各レンズエレメントの断面形状も正方形に近い矩形状となる。一方、スキャン露光では、いわゆるステップ・アンド・スキャン方式にしたがって、マスクおよびウェハを投影光学系に対して相対移動させながらウェハの各露光領域に対してマスクパターンをスキャン露光する。この場合、マスクM上での照明領域の形状は短辺と長辺との比がたとえば1:3の矩形状であり、フライアイレンズ4の各レンズエレメントの断面形状もこれと相似な矩形状となる。
【0023】
図3は、ターレット基板に対する開口絞りの取り付け形態を概略的に示す図である。なお、図3では、典型例として、ターレット基板50に対する円形開口絞り51の取り付け形態を例示している。図3を参照すると、円形開口絞り51は、ターレット基板50に螺合する複数(図3では3つ)のネジ部材60の作用により、ワッシャ61を介してターレット基板50に取り付けられている。なお、ネジ部材60のための貫通孔として、円形開口絞り51およびワッシャ61には、ネジ部材60の外径よりも実質的に大きい径を有するルーズホール51aおよび61aが形成されている。
【0024】
また、図示を省略したが、他の開口絞り52〜56も、ターレット基板50に螺合する複数のネジ部材の作用により、ワッシャを介してターレット基板50に取り付けられている。したがって、各開口絞り51〜56は、ネジ部材とルーズホールとの協働作用により、光軸AXと直交する面内方向(XZ平面方向)に沿って、ターレット基板50に対して独立的に位置決め調整可能である。また、各開口絞り51〜56は、介在するワッシャの厚さ(または枚数)を調整することにより、光軸AXに沿った方向(Y方向)に沿って、ターレット基板50に対して独立的に位置決め調整可能である。
【0025】
本実施形態では、上述したように投影光学系PLの入射瞳面上には開口絞り(51〜56)の開口部の像が形成されることになるが、各開口絞り51〜56がターレット基板50に対して独立的に位置決め調整可能に構成されているので、露光装置の組立てに際して、ターレット基板50に対して各開口絞り51〜56を独立的に位置決め調整することにより、マスクMに応じて開口絞りを交換して面光源の形状または大きさを変更しても、投影光学系PLの入射瞳上の所定位置に各面光源像を形成することができる。
【0026】
すなわち、本実施形態では、露光装置の組立て時にターレット基板50に対して各開口絞り51〜56が位置決め調整されるため、調整済み状態の開口絞り51〜56の作用により投影光学系PLの入射瞳上の所望位置に各面光源像を常に形成することができ、従来技術のようなレンズ微動調整機構を設ける必要がなく、照明条件の切り換え毎に面光源像の形成位置を調整する必要がなくなる。その結果、良好な露光条件のもとで、マスクパターンを感光性基板上に正確に投影露光することができ、ひいては良好なマイクロデバイスを高精度に製造することができる。
【0027】
上述の実施形態にかかる露光装置では、照明系によってマスク(レチクル)を照明し(照明工程)、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板に露光する(露光工程)ことにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、実施形態の露光装置を用いて感光性基板としてのウェハ等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法の一例につき図4のフローチャートを参照して説明する。
【0028】
先ず、図4のステップ301において、1ロットのウェハ上に金属膜が蒸着される。次のステップ302において、そのlロットのウェハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップ303において、実施形態の露光装置を用いて、マスク上のパターンの像がその投影光学系を介して、その1ロットのウェハ上の各ショット領域に順次露光転写される。その後、ステップ304において、その1ロットのウェハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップ305において、その1ロットのウェハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウェハ上の各ショット領域に形成される。その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスをスループット良く得ることができる。
【0029】
また、実施形態の露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図5のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。図5において、パターン形成工程401では、実施形態の露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィー工程が実行される。この光リソグラフィー工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルター形成工程402へ移行する。
【0030】
次に、カラーフィルター形成工程402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルターの組を複数水平走査線方向に配列したカラーフィルターを形成する。そして、カラーフィルター形成工程402の後に、セル組み立て工程403が実行される。セル組み立て工程403では、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルター等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。セル組み立て工程403では、例えば、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルターとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
【0031】
その後、モジュール組み立て工程404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子をスループット良く得ることができる。
【0032】
なお、上述の実施形態では、支持部材としてのターレット基板に螺合するネジ部材の作用により、ワッシャを介してターレット基板に各開口絞りを取り付けているが、これに限定されることなく、支持部材に各開口絞りを取り付ける形態については様々な変形例が可能である。
【0033】
また、上述の実施形態では、1つのフライアイレンズだけを用いるシングルフライアイ方式を採用しているが、これに限定されることなく、特開平10−319321号公報(特に図23を参照)に開示されているように、2つのフライアイレンズを照明光路に沿って間隔を隔てて配置するダブルフライアイ方式を採用することもできる。
【0034】
さらに、上述の実施形態では、ターレット方式の開口絞り系を用いているが、これに限定されることなく、たとえばスライド方式の開口絞り系などを採用することもできる。
【0035】
また、上述の実施形態では、フライアイレンズの後側焦点面に多数の光源からなり全体として矩形状の実質的な面光源を形成しているが、これに限定されることなく、全体として円形状、輪帯状、4極状などの形状を有する面光源を形成することもできる。
【0036】
また、上述の実施形態では、露光装置に本発明を適用しているが、これに限定されことなく、露光装置においてマスクを照明する照明光学装置、またはマスク以外の被照射面を照明するための一般的な照明光学装置に本発明を適用することができることは明らかである。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、各開口絞りが支持部材に対して独立的に位置決め調整可能に構成されているので、装置の組立てに際して、支持部材に対して各開口絞りを独立的に位置決め調整することにより、マスクに応じて開口絞りを交換して面光源の形状または大きさを変更しても、投影光学系の入射瞳上の所定位置に各面光源像を形成することができる。
【0038】
すなわち、本発明では、従来技術のようなレンズ微動調整機構を設ける必要がなく、簡素な構成により、開口絞りを交換して面光源の形状または大きさを変更しても、投影光学系の入射瞳上の所定位置に各面光源像を形成することができるので、良好な露光条件のもとでマスクパターンを感光性基板上に正確に投影露光することができ、ひいては良好なマイクロデバイスを高精度に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】図1の開口絞り系の構成を概略的に示す図である。
【図3】ターレット基板に対する開口絞りの取り付け形態を概略的に示す図である。
【図4】マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法のフローチャートである。
【図5】マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得る際の手法のフローチャートである。
【符号の説明】
1 光源
4 フライアイレンズ
5 開口絞り系
6 コンデンサー光学系
7 マスクブラインド(照明視野絞り)
8 結像光学系
50 ターレット基板
51〜56 開口絞り
51a,61a ルーズホール
60 ネジ部材
61 ワッシャ
M マスク
PL 投影光学系
W ウェハ
Claims (5)
- 所定のパターンが形成されたマスクを照明するための照明系と、前記マスクのパターン像を感光性基板上に投影露光するための投影光学系とを備えた露光装置において、
前記照明系は、光束を供給するための光源手段と、該光源手段からの光束に基づいて実質的な面光源を形成するための面光源形成手段と、前記実質的な面光源を所定の形状に制限するための開口絞り手段とを有し、前記実質的な面光源からの光束に基づいて前記マスクを照明し、
前記開口絞り手段は、光路に対して切り換え可能な複数の開口絞りと、該複数の開口絞りを支持するための支持部材とを有し、
前記投影光学系の入射瞳上の所望位置に前記実質的な面光源の像を形成するために、各開口絞りは前記支持部材に対して独立的に位置決め調整可能に構成されていることを特徴とする露光装置。 - 前記各開口絞りは、光軸に沿った方向および光軸と直交する面内方向のうちの少なくとも一方の方向に沿って、前記支持部材に対して位置決め調整可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
- 所定のパターンが形成されたマスクを照明する照明工程と、前記マスクのパターン像を投影光学系を介して感光性基板上に投影露光する露光工程とを含む露光方法において、
前記照明工程は、光源手段から供給された光束に基づいて実質的な面光源を形成する工程と、光路に対して切り換え可能な複数の開口絞りから選択された開口絞りにより前記実質的な面光源を所定の形状に制限する工程と、前記実質的な面光源からの光束に基づいて前記マスクを照明する工程とを含み、
前記照明工程において前記投影光学系の入射瞳上の所望位置に各面光源の像を形成するために、装置の組立てに際して前記複数の開口絞りを支持する支持部材に対して各開口絞りを独立的に位置決め調整することを特徴とする露光方法。 - 前記装置の組立てに際して、光軸に沿った方向および光軸と直交する面内方向のうちの少なくとも一方の方向に沿って各開口絞りの位置決め調整を行うことを特徴とする請求項3に記載の露光方法。
- 光束を供給するための光源手段と、該光源手段からの光束に基づいて実質的な面光源を形成するための面光源形成手段と、前記実質的な面光源を所定の形状に制限するための開口絞り手段とを備え、前記実質的な面光源からの光束に基づいて被照射面を照明する照明光学装置において、
前記開口絞り手段は、光路に対して切り換え可能な複数の開口絞りと、該複数の開口絞りを支持するための支持部材とを有し、
各開口絞りは、前記支持部材に対して独立的に位置決め調整可能に構成されていることを特徴とする照明光学装置。
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