JP2004207009A - 銅メタライズ組成物、並びに、配線基板およびその製法 - Google Patents

銅メタライズ組成物、並びに、配線基板およびその製法 Download PDF

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Abstract

【課題】800〜1100℃の温度範囲における磁器組成物との同時焼成可能な銅メタライズ組成物、並びに、この銅メタライズ組成物により形成され、反りを抑制できる配線基板およびその製法を提供する。
【解決手段】銅粉末、銅粉末とガラス粉末からなる無機成分を含有し、800〜1100℃で磁器組成物と同時焼成可能な銅メタライズ組成物であって、前記無機成分中に前記銅粉末が90〜100質量%、ガラス粉末が0〜10質量%の割合で含まれてなり、かつ、前記銅粉末中の酸素含有量が0.18質量%以下である。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、銅メタライズ組成物、並びに、配線基板およびその製法に関し、特に、800〜1100℃の温度範囲において磁器組成物と同時焼成可能な銅メタライズ組成物、並びに、それを用いた配線基板およびその製法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、配線基板においては、半導体素子の高速、高周波化に伴い、高周波回路の対応性、高密度化、高速伝送化が要求され、アルミナ系のセラミック絶縁層に比較して、低い誘電率が得られ、かつ配線層の低抵抗化が可能なセラミック配線基板が一層注目されている。
【0003】
このようなセラミック配線基板としては、一般に、ガラスセラミックなどの絶縁層からなる絶縁基板に、銅、金、銀などの低抵抗金属を主体とする配線層を施したものが知られており、このような配線基板は、セラミックグリーンシートの表面に、上記の低抵抗金属のうち、少なくとも1種の低抵抗金属の成分を含有する導体ペーストを用いてメラライズパターンを形成し、次に、このメタライズパターンが形成されたセラミックグリーンシートを複数積層し、メタライズパターンとセラミックグリーンシートとを同時焼成して製造されている。
【0004】
しかしながら、上記のガラスセラミックなどの絶縁層と、銅、金、銀などの低抵抗金属を主体とする配線層とを用いるような配線基板では、絶縁層中に低温焼成化のために低融点のガラス成分を多量に含んでいることからメタライズパターンとの焼成収縮挙動を一致させることが難しく、このため焼成後に変形や反りが発生しやすいという問題があった。
【0005】
そこで、このような問題に対して、例えば、特許文献1によれば、導体ペーストを構成する銅粉末として、その表面に所定の酸素量をもって酸化膜が施された銅粉末を用いることにより、銅メタライズの収縮開始温度を磁器組成物の収縮開始温度に近づけることができ、その結果、焼成後において、焼成収縮開始温度の差による基板の反りや変形を抑制することができると記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−25754号公報 第3頁
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記引用文献1に開示された銅メタライズ組成物では、その銅メタライズ組成物を構成する銅粉末中に、銅成分100質量部に対して0.3質量部以上の酸素を含有していると、還元雰囲気での焼成により銅粉末表面からの酸素の解離が起こり、やはり、銅粉末の体積変化が発生し、このため銅メタライズパターンとセラミックグリーンシートとの焼成収縮挙動を十分に合致させることが困難であった。
【0008】
従って、本発明は、800〜1100℃の温度範囲における磁器組成物との同時焼成可能な銅メタライズ組成物、並びに、この銅メタライズ組成物により形成され、反りを抑制できるとともに、接着強度および半田濡れ性を改善できる配線基板およびその製法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の銅メタライズ組成物は、銅粉末、または銅粉末とガラス粉末からなる無機成分を含有し、800〜1100℃で磁器組成物と同時焼成可能な銅メタライズ組成物であって、前記無機成分中に前記銅粉末が90〜100質量%、ガラス粉末が0〜10質量%の割合で含まれてなり、かつ、前記銅粉末中の酸素含有量が0.18質量%以下であることを特徴とする。
【0010】
このように、本発明の銅メタライズ組成物は、銅粉末、または、銅粉末とガラス粉末からなる無機成分中に銅粉末を90〜100質量%含有し、さらに、その銅メタライズ組成物を構成する銅粉末中に含まれる酸素含有量を0.18質量%以下と極めて少なくすることによって、還元雰囲気での焼成による銅粉末表面からの酸素の解離を少なくすることができる結果、銅粉末の体積変化が抑制され、銅メタライズパターンとセラミックグリーンシートとの焼成収縮挙動を近づけることができる。
【0011】
上記銅メタライズ組成物では、銅粉末の平均粒径が1〜6μmであることが望ましい。銅粉末の平均粒径の範囲をこのように狭くすることにより、銅粉末の大きさによる酸素含有量ばらつきを抑え、銅粉末の体積変化をさらに抑制できる。
【0012】
上記銅メタライズ組成物では、ガラス粉末の溶融温度が600℃以上であることが望ましい。銅メタライズ組成物中に含まれるガラス粉末の溶融温度が600℃以上であれば、低温でのガラスの粘度変化が小さく、800〜1100℃の温度範囲における磁器組成物との同時焼成においても、銅メタライズ組成物の収縮開始温度を高くでき、このため配線基板の反りを抑制するために好適に用いることができる。
【0013】
本発明の配線基板は、銅配線層とセラミック絶縁層とを交互に積層してなる配線基板であって、前記銅配線層が上記の銅メタライズ組成物を、セラミック絶縁層が、SiO2を30〜60質量%、Al23を1〜10質量%、およびアルカリ土類金属酸化物を10〜50質量%の割合で含有するガラス成分とセラミックフィラーとからなる磁器組成物を、同時焼成して得られたものであることを特徴とする。
【0014】
本発明の銅メタライズ組成物を銅配線層に用いる場合に、磁器組成物として上記の組成を有するガラス成分とセラミックフィラーとを組み合わせて用いることにより、800〜1100℃の温度範囲で同時焼成しても反りの抑制された配線基板を形成できる。
【0015】
本発明の配線基板の製法は、SiO2を30〜60質量%、Al23を1〜10質量%、およびアルカリ土類金属酸化物を10〜50質量%の割合で含有するガラス成分とセラミックフィラーとからなる磁器組成物を含むセラミックグリーンシート上に、上記の銅メタライズ組成物よりなる銅メタライズパターンを形成する工程と、該銅メタライズパターンが形成された前記セラミックグリーンシートを積層する工程と、該積層体を還元雰囲気中、800〜1100℃の温度範囲で焼成する工程と、を具備することを特徴とする。
【0016】
このような製法によれば、焼成後に銅配線層となる銅メタライズ組成物が酸素含有量の極めて少ない銅粉末により構成されているために、銅粉末の酸素の解離による体積変化を従来の銅粉末の場合よりも抑制でき、このため、セラミックグリーンシートの焼成収縮挙動に容易に適用させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の銅メタライズ組成物は、無機成分が銅粉末、または銅粉末とガラス粉末を含有するものである。
【0018】
また、無機成分は、銅粉末を90〜100質量%とガラス粉末を0〜10質量%の割合で混合されていることを特徴とするものである。無機成分中のガラス粉末量としては、焼成後に形成されるセラミック絶縁層との接着性を高めるとともに、ガラス浮きを抑制して半田濡れ性を高めつつ反りへの影響を低減するという理由から、1〜7質量%、対する銅粉末は93〜99質量%であることが望ましい。
【0019】
銅粉末が90質量%より少ない場合には、おのずとガラス粉末量が多くなり上記のようにガラス浮きの原因となり、半田濡れ性が悪くなる。
【0020】
そして、銅粉末は、その酸素含有量が0.18質量%以下であることが重要である。還元焼成における酸素の解離を低減して銅粉末の体積変化を小さくして、反りを低減するという理由から、酸素含有量は0.1質量%以下、特には、0.06質量%以下であることが望ましい。
【0021】
銅粉末の酸素含有量が0.18質量%よりも多い場合には、還元焼成において解離する酸素含有量が増加するために、銅粉末の体積変化が大きくなり、このため、セラミックグリーンシートとの同時焼成時の反りが大きくなり、接着強度が低下する。
【0022】
銅粉末の平均粒径は1〜6μm(BET法による比表面積が0.5〜3m2/g)の範囲であることが望ましく、この場合、銅粉末粒径差による酸素含有量のばらつきを低減するという理由から2〜5μm(BET法による比表面積が0.7〜2m2/g)であることがより望ましい。
【0023】
ガラス粉末は、その溶融温度が600℃以上であることが銅メタライズ組成物の収縮開始温度を高くするという点で望ましく、特に、800〜1100℃の温度範囲で大きな焼成収縮を示す銅メタライズの焼成収縮挙動を、磁器組成物の収焼成縮挙動に近づけるという点で、700℃以上であることがより望ましい。
【0024】
また、ガラス粉末としては、例えば、ホウケイ酸亜鉛系ガラス、ホウケイ酸鉛ガラスの他、SiO2−BaO−Al23−CaO−MgO−B23系ガラスなどが使用される。特に、溶融温度が制御しやすいという点で、高軟化点のSiO2−BaO−Al23−CaO−MgO−B23系ガラスが好適に用いられる。
【0025】
また、本発明によれば、銅メタライズ組成物中において、焼成収縮開始温度を調製するために、アルミナ、シリカ、ムライト、ジルコニアなどのフィラー成分を銅粉末100質量部に対して、0.5質量部以下、特に0.05〜0.3質量部の割合で添加することも可能である。フィラー量が0.5質量部を越えるとボイドが発生しやすくなる。
【0026】
さらに、本発明では、銅メタライズ組成物とビヒクルとを混合して導体ペーストを調製する。ビヒクルとして含まれる有機バインダとしては、窒素雰囲気中での熱分解性に優れたメタクリル酸樹脂、具体的には、ポリメタクリル酸イソブチル、ポリメタクリル酸ノルマルブチルから選ばれる少なくとも1種を用いるのが望ましく、前記ビヒクル中の溶剤としては、ブチルカルビトールアセテート、ジブチルフタレート、αテルピネオール群が好適であり、有機バインダは、前記銅粉末100質量部に対して2〜6質量部が適当であり、溶媒は10〜50質量部が適当である。
【0027】
次に、図面に基づいて、本発明の銅メタライズ組成物を用いた配線基板について説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる配線基板の構造を示しており、複数の銅配線層を有する多層化した配線基板である。
【0028】
図1に示すように、配線基板1は、セラミック絶縁基板2と銅配線層3とを含む。ここで、本発明の配線基板1では、銅配線層3として本発明の銅メタライズ組成物を焼成して得られたものであることが重要である。
【0029】
セラミック絶縁基板2は、複数のセラミック絶縁層2a〜2dを積層したものであり、各層間およびセラミック絶縁基板2の表面には、厚みが5〜30μmの銅配線層3が被着形成されている。また、セラミック絶縁基板2内には、セラミック絶縁層2a〜2cの厚さ方向に貫通したビアホール導体4が形成されている。
【0030】
そして、本発明の配線基板1を構成するセラミック絶縁層2a〜2dは、SiO2を30〜60質量%、Al23を1〜10質量%、およびアルカリ土類金属酸化物を10〜50質量%の割合で構成されるガラス成分とセラミックフィラーとからなる磁器組成物を焼成して得られるものである。ガラス成分としては周知のガラスを用いることができるが、特に焼成時に結晶化する結晶性ガラスが望ましく、該結晶性ガラスからの結晶相の析出により基板強度を向上でき、この結果、銅配線層の接着強度も向上させることができる。前記ガラス成分とセラミックフィラーとは、質量比で30:70〜70:30が望ましい。尚、ガラス成分を構成するアルカリ土類金属酸化物としては、MgOが10〜25質量%、CaOが10〜30質量%であることが望ましい。
【0031】
セラミックフィラーとしては、ジルコン酸カルシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、アルミナ、ムライト、フォルステライト、ジルコニア、スピネル等を用いることができる。
【0032】
次に、配線基板の製造方法について説明すると、まず、前記ガラス成分とセラミックフィラーとからなる原料粉末に窒素雰囲気下での熱分解性に優れたポリメタクル酸イソブチル等のアクリル系樹脂の有機バインダを、固形分で前記原料粉末に対して8〜20質量部と、フタル酸エステル等の可塑剤及びトルエン等の溶媒を添加して調製したスラリーを周知のシート成形法によりセラミックグリーンシートを成形する。
【0033】
次に、得られたセラミックグリーンシート表面の所定位置に前述のような銅メタライズ組成物により調製された銅ペーストを印刷して銅メタライズパターンを形成した後、このセラミックグリーンシートを位置合わせして複数枚加圧積層する。
【0034】
その後、前記積層体を、例えば300〜500℃の水蒸気を含んだ窒素雰囲気中で熱処理してセラミックグリーンシート及び銅ペースト中の有機バインダや可塑剤、溶媒を熱分解除去し、ついで昇温速度200〜500℃で温度を700〜800℃に上げてグリーンシート及び銅ペースト中の残留炭素を除去する。
【0035】
この時、処理温度が700℃より低いと残留する炭素を効率よく除去できず、焼成後の配線基板中に炭素が残留し、800℃より高いと焼成収縮による配線基板の緻密化が急激に進行し、配線基板1の内部に未分解の炭素が残留し、いずれも配線基板1の色調不良や絶縁不良が発生する。
【0036】
その後、これも昇温速度200〜500℃/hで昇温し、乾燥窒素雰囲気中、800〜1100℃、より望ましくは900〜1050℃の温度で同時焼成することにより、本発明の銅配線層を有する配線基板を形成することができる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明の銅メタライズ組成物及びそれを用いた配線基板について、実施例に基づき具体的に詳述する。
結晶性ガラス粉末として、
ガラスA:SiO250質量%−Al235.5質量%−MgO18質量%−CaO26質量%
ガラスB:SiO250.2質量%−Al235質量%−MgO16.1質量%−CaO15.1質量%−SrO13.6質量%
の組成を有するガラス成分を60質量%とセラミックフィラーとして、アルミナを40質量%とからなる磁器組成物の原料粉末100質量部に対して、有機バインダとしてポリメタクリル酸イソブチル樹脂を固形分で14質量部、可塑剤としてフタル酸ジブチルを7質量部添加し、トルエンを溶媒としてボールミルにより40時間混合しスラリーを調製した。そして、得られたスラリーをドクターブレード法により厚さ0.3mmのセラミックグリーンシートに成形した。
【0038】
次に、銅粉末とガラス粉末を表1に示す割合になるように混合し、次いで、この混合物100質量部に対して、アルミナを0.1質量部添加し、さらに、ビヒクルとしてポリメタクリル酸イソブチルからなるバインダを4質量部と、ブチルカルビトールアセテート及びジブチルフタレートの混合溶液(質量比で50:50)からなる溶剤を20質量部の割合で加えペーストを作製した。ガラス粉末としては、SiO2−BaO−Al23−CaO−MgO−B23系ガラス粉末を用いた。なお、銅粉末中の酸素含有量は、酸化銅粉末を水素で還元し、生じた水の重量から求めて測定した。
【0039】
そして、前記セラミックグリーンシート上に前記銅ペーストを印刷したものを最上層として加圧積層した積層体を作製した。その後、積層体中の有機成分(有機バインダ、可塑剤等)を分解除去するために水蒸気を含んだ窒素雰囲気中で750℃×1hの熱処理を行い成形体中の残留炭素量を200ppm以下に低減した後、900℃×1hの焼成を行い銅配線のガラスセラミック基板を得た。なお、本脱脂並びに焼成工程での昇温速度は300℃/hとした。
【0040】
次に、銅配線層の接着強度を評価する試料としては、焼成後の形状が2mm×2mm(2mm□)となる銅メタライズパターンを作製し、これを最上層として、さらに銅メタライズパターンを形成していないセラミックグリーンシート3枚を積層圧着し、上記と同様にして焼成を行った後、3μmの厚みでNi−Auメッキを施し、その後2mm□のパターンにSnメッキしたCu線(直径0.8mm)からなるリードを銅配線層の表面と平行に半田で接合し、その後、この銅配線層表面に対して垂直方向にリード線を曲げ、10mm/minの条件でピールテストを行った。
【0041】
半田濡れ性に関しては、銅配線層の接着強度測定用試料においてメッキ後(Niメッキ:2.5μm、Auメッキ:0.5μm)の半田濡れ部の目視により、部分的に半田が被着されていない箇所があるものを不良、全体にわたり半田が被着されているものを良として表1に示した。
【0042】
【表1】
Figure 2004207009
【0043】
表1の結果から明らかなように、銅メタライズ組成物中に含まれる銅粉末の含有量を90〜100質量%とし、かつ、その銅粉末中の酸素含有量を0.18質量%以下とした試料No.2〜14、16〜19では、配線基板の反りが200μm以下、接着強度が30MPa以上で、半田濡れ性が良好であった。
【0044】
特に、銅粉末を94質量%、ガラス粉末を6質量%とし、銅粉末中の酸素含有量を0.06質量%以下とした試料No.7〜10では、半田濡れ性が良好で、接着強度を44MPa以上、配線基板の反りを85μm以下に、さらに改善できた。
【0045】
一方、銅メタライズ組成物中に含まれる銅粉末の含有量を90質量%より少なくした試料No.15では、ガラス粉末量の多さからガラス浮きが多く、半田濡れ性が悪く、接着強度が8MPaと低く、反りが300μmと大きくなった。また、酸素含有量が0.18質量%より多い銅粉末により構成される銅メタライズ組成物を用いた試料No.1では、接着強度が18MPaとさらに低くなり、反りが400μmと大きかった。
【0046】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、銅粉末とガラス粉末を含む無機成分中に銅粉末を90〜100質量%含有し、さらに、その銅メタライズ組成物を構成する銅粉末中に含まれる酸素量が0.18質量%以下と極めて少なくすることにより、還元雰囲気での焼成による銅粉末表面からの酸素の解離が少なくなり、銅粉末の体積変化が抑制されることから、銅メタライズパターンとセラミックグリーンシートとの焼成収縮挙動を近づけることができ、配線基板の反りを抑制すると共に、銅配線層の接着強度を高め、半田濡れ性をも向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 配線基板
2a〜2c セラミック絶縁層
3 銅配線層

Claims (5)

  1. 銅粉末、または銅粉末とガラス粉末からなる無機成分を含有し、800〜1100℃で磁器組成物と同時焼成可能な銅メタライズ組成物であって、前記無機成分中に前記銅粉末が90〜100質量%、ガラス粉末が0〜10質量%の割合で含まれてなり、かつ、前記銅粉末中の酸素含有量が0.18質量%以下であることを特徴とする銅メタライズ組成物。
  2. 銅粉末の平均粒径が1〜6μmであることを特徴とする請求項1に記載の銅メタライズ組成物。
  3. ガラス粉末の溶融温度が600℃以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の銅メタライズ組成物。
  4. 銅配線層とセラミック絶縁層とを交互に積層してなる配線基板であって、前記銅配線層が請求項1乃至3のうちいずれか記載の銅メタライズ組成物を、セラミック絶縁層が、SiO2を30〜60質量%、Al23を1〜10質量%、およびアルカリ土類金属酸化物を10〜50質量%の割合で含有するガラス成分とセラミックフィラーとからなる磁器組成物を、同時焼成して得られたものであることを特徴とする配線基板。
  5. SiO2を30〜60質量%、Al23を1〜10質量%、およびアルカリ土類金属酸化物を10〜50質量%の割合で含有するガラス成分とセラミックフィラーとからなる磁器組成物を含むセラミックグリーンシート上に、請求項1乃至3のうちいずれか記載の銅メタライズ組成物よりなる銅メタライズパターンを形成する工程と、該銅メタライズパターンが形成された前記セラミックグリーンシートを積層する工程と、該積層体を還元雰囲気中、800〜1100℃の温度範囲で焼成する工程と、を具備することを特徴とする配線基板の製法。
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