JP2004206001A - エスカレータハンドレール用連続シート貼付装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】連続した粘着シートを簡単に貼付することのできるエスカレータハンドレール用連続シート貼付装置を得る。
【解決手段】エスカレータハンドレール用連続シート貼付装置は、エスカレータの欄干に取り付けられ得る台座上に貼付ユニットを備え、ハンドレール上に連続粘着シートを貼付するための装置であって、貼付ユニットは、粘着シートのロールから繰り出されたシート裏紙を排出する一対のシート裏紙排出ローラと、台座に設けられ、ハンドレール上に摩擦接触して回転される駆動ローラと、駆動ローラの回転をシート裏紙排出ローラに伝達する伝達装置とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】エスカレータハンドレール用連続シート貼付装置は、エスカレータの欄干に取り付けられ得る台座上に貼付ユニットを備え、ハンドレール上に連続粘着シートを貼付するための装置であって、貼付ユニットは、粘着シートのロールから繰り出されたシート裏紙を排出する一対のシート裏紙排出ローラと、台座に設けられ、ハンドレール上に摩擦接触して回転される駆動ローラと、駆動ローラの回転をシート裏紙排出ローラに伝達する伝達装置とを備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はエスカレータ等の乗客コンベアハンドレール用連続シート貼付装置に関し、特に連続した粘着シートを連続的にハンドレールに貼付するエスカレータハンドレール用連続シート貼付装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の宣伝広告や案内などの表示を有するエスカレータ用ハンドレールは、表示を印刷した樹脂製シート、フィルム等の比較的短いシールをハンドレールの表面に多数枚定間隔に接着したものであり、ハンドレールのほぼ平坦な表面中央部にだけ接着されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、ハンドレールの中央部分の表面に記入表示を行い、その上に樹脂コーティングを施しているものもある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
実開昭61−59274号公報 (第3頁第1行から第8行)
【特許文献2】
実開昭63−162777号公報 (第3頁から第4頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、多数枚のシールを貼り付けられたハンドレールでは、シールの外縁が手によって繰り返し摺られたり、ハンドレール駆動装置の押圧車輪で摩擦駆動されるためにシールが剥離しやすいという問題があった。さらに、多数枚のシールを貼り付ける作業と剥離する作業とに多くの人手および時間がかかるという問題もあった。
また、ハンドレール全長に渡るような長い連続した粘着シートは貼付にも剥離にも多大のマンパワーを要し、ある場合には貼付作業だけに3時間を要したこともあった。
【0006】
また、表示の上に樹脂を一旦コーティングすると、表示内容を変更するためにはハンドレールの全体を交換しなければならず、宣伝広告などの表示内容を定期的に変更することはコスト面から実際上不可能であったという問題があった。
【0007】
従って、この発明の目的は、連続した粘着シートを簡単に貼付することのできるエスカレータハンドレール用連続シート貼付装置を得ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わるエスカレータハンドレール用連続シート貼付装置においては、エスカレータの欄干に取り付けられ得る台座上に貼付ユニットを備え、ハンドレール上に連続粘着シートを貼付するための装置であって、貼付ユニットは、粘着シートのロールから繰り出されたシート裏紙を排出する一対のシート裏紙排出ローラと、台座に設けられ、ハンドレール上に摩擦接触して回転される駆動ローラと、駆動ローラの回転をシート裏紙排出ローラに伝達する伝達装置とを備えている。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1のエスカレータハンドレール用連続シート貼付装置の概略正面図、図2は図1のA−A断面での概略断面図、図3は図1の案内貼付装置の概略平面図、図4は図3のB−B断面での概略断面図である。
【0010】
エスカレータハンドレール用連続シート貼付装置は、エスカレータの欄干1に取り付けられ得る台座2上に貼付ユニット3が備えられている。
台座2にはフレーム4と、欄干1の欄干パネル5の片側に配置されるようにフレーム4に固定された2本の保持アーム6と、その先端に付けられた吸盤装置7とを有する固定装置8が備えられている。またフレーム4にはベース部4aと、貼付ユニット3を支持する立ち上がり部4bが備えられている。フレーム4は固定装置8で欄干パネル5に固着されている。
【0011】
貼付ユニット3は、先端でハンドレール9上に貼付された粘着シート10をハンドレール9の移動に応じてハンドレール9上に連続的に供給する粘着シート供給装置11と、粘着シート供給装置11から供給された粘着シート10をハンドレール9の表面に沿って案内して貼付ける案内貼付装置12とを備えている。
【0012】
粘着シート供給装置11は、フレーム4に回転自在に支持され、供給フィルムのロール13を回転可能に支持するフィルム支持軸14と、フレーム4に回転自在に支持され、供給フィルムのロール13から繰り出されたシート裏紙15を排出する一対の裏紙排出ローラ16、17と、一対の裏紙排出ローラの一方の裏紙排出ローラ17にハンドレール9の移動速度に対応する速度で駆動する駆動装置18とを備えている。
【0013】
駆動装置18は、台座2に回転自在に軸支され、裏紙排出ローラ17に外接して、裏紙排出ローラ17に回転動作を伝達する、ハンドレール9とほぼ等しい幅の駆動ローラ19と、ハンドレール9の直線移動を駆動ローラ19の回転運動に変換する加圧ローラ部20とを備えている。
【0014】
加圧ローラ部20は、加圧ローラ21と、クランクアーム22と、圧力調整アーム23と、移動ネジ24とを備えている。加圧ローラ21は駆動ローラ19の側面からハンドレール9の表面とその耳の部分との高さに相当する位置に配置されるように、クランクアーム22の先端に回転自在に固定されている。クランクアーム22は圧力調整アーム23の先端に回転自在に支持され、圧力調整アーム23の他端にネジ23aが切られ、そのネジ23aに対向する位置の台座2にもネジ2aが切られて、そのネジ23aとネジ2aと嵌合した移動ネジ24が設けられている。移動ネジ24にナット25が固定されて、移動ネジ24はネジ23aを下方に貫通している。
【0015】
フィルム支持軸14に設けられた雌ねじ部14aに嵌合し、フィルム支持軸14に供給フィルムのロール13を固定するナット26がフィルム支持軸14に備えられている。
【0016】
案内貼付装置12は、粘着シート供給装置11から供給された粘着シート10を案内貼付装置12に引き込むゴムローラ27と、ハンドレール9上に供給された粘着シート10にハンドレール9の移動方向に見て下流側に向かって次第に方向が変化する押圧力を加える複数の押圧ローラ28とを備えている。
ゴムローラ27はゴムライニングされ、台座2に対して水平にフレーム4で回転自在に軸支されている。
【0017】
図3を参照して押圧ローラ28aについて説明するが、後に説明する取付角度以外はその他の押圧ローラ28b、28c、28d、28eも同じ構造である。押圧ローラ28はそれぞれ押圧ローラ回動部材29に回転自在に支持され、押圧ローラ回動部材29はネジリコイルバネ30で付勢され、取付部材31に対して回動自由に支持されている。複数の取付部材31は一対の鞍状の押圧部材取付板32の内側面32aに固定されている。押圧部材取付板32の外側面に平行な2個の直線軸受33が設けられ、台座2に設けられた直線軸34と嵌合して、水平方向に調整移動ができる。一対の押圧部材取付板32間の間隔を調整するバネ35とクランプ36とからなる。
【0018】
ハンドレール10の移動方向に見て、ハンドレール10の幅方向の内側に固定されている押圧ローラ28ほど上流側に固定されている。
押圧ローラ28は粘着シート10の上から押圧力を加えて、粘着シート10をハンドレール9の表面に沿って曲げて密着する。押圧力の方向は、押圧ローラ28の軸に垂直である。押圧ローラ28の軸はハンドレール9の移動方向に対して5個ともほぼ直角であるが、粘着シート10に幅方向の張力を与えつつ貼付するためには僅かに傾けると良い結果が得られる。さらにハンドレール9の幅方向の内側に固定された押圧ローラ28の軸ほど、ハンドレール9の鞍状の平坦部の平面に対して平行であり、外側に固定された押圧ローラ28の軸ほど傾いている。
【0019】
図4の押圧部材取付板32の断面図に示すように、押圧部材取付板32の内側面32aはハンドレール9の鞍状の平坦部の平面に対して平行な頂上部32bと、約45度傾いた肩部32cと、約70度傾いた裾部32dと、約90度傾いた裾先端部32eとを有し、頂上部32bに押圧ローラ28a、肩部32cに押圧ローラ28bと28c、裾部32dに押圧ローラ28d、裾先端部32eに押圧ローラ28eを取付部材29を介して固定されていて、押圧ローラ28の押圧力の方向を決めている。
【0020】
さらに、ハンドレール9の移動方向に見て押圧部材取付板32の先端にハンドレール締付ローラセット33が備えられている。ハンドレール締付ローラセット37は、押圧部材取付板32の外側面32fに固定され、ハンドレール9の幅方向に対して外側に約45度傾いたアーム38と、アーム38に直角に保持された固定板39と、固定板39にネジリコイルバネ30で付勢されて回動自由に支持された締付ローラ回動部材40と、締付ローラ回動部材40に回転自在に支持された締付ローラ41とを備えている。
【0021】
台座2のハンドレール9の移動方向に対して、貼付ユニット3の終端部に台座2とハンドレール9の水平方向を調整する調整ローラ42が台座2に回転自在に固定されている。
【0022】
このような構成のエスカレータハンドレール用連続シート貼付装置の操作について説明する。
貼付するハンドレール9は、ハイパロンゴムからなり、高さ30mm、幅80mm位の鞍状の断面形状で、長さは一周で30m位の無端ベルトである。一方、フィルムはシンセディックポリマーフィルムの片側に印刷して表示体を設け、その印刷面に粘接着剤を塗布した粘着シート10と、その上をラミネートしたシリコーン離型剤を塗布されたシート裏紙15からなり、幅130mm位で外径80mmの紙管に所望の長さ、通常はハンドレール一周分である30mを巻回されたロール13になっている。
【0023】
フィルムロール13をフィルム支持軸14に挿入後、ナット26を締め付けて固定する。フィルムロール13をシート裏紙15と粘着シート10とに分離し、シート裏紙15を裏紙排出ローラ16まで引っ張り出して先端部を裏紙排出ローラ16、17の接触面に差し込み、ハンドレール9を動かして、シート裏紙15を裏紙排出ローラ16、17間を通過させる。一方、粘着シート10をゴムローラ27とハンドレール9の間を通過させてハンドレール9の移動方向にさらに引き出し平たくハンドレール9に貼り付ける。この状態から、押圧部材取付板32の間隔を縮めて、押圧ローラ28がハンドレール9に当たるまでスライドし、停止したところでクランプ36で固定する。この段階で、手で粘着シート10の貼り付けの不十分の箇所を直したり、印を付けておく。次に1m位ハンドレール9を送って、手で貼り付けた部分を切り取っておく。なお、裏紙排出ローラ間を通過したシート裏紙15を受けるゴミ箱を図示しないエスカレータの踏段などに設置する。
さらに、加圧ローラ部20を調整する。ナット25を回転して、加圧ローラ21をハンドレール9の首部に当て、さらにナット25を回転して所望の圧力を駆動ローラ19に加える。ハンドレール9と駆動ローラ19との摩擦力を調整して、ハンドレール9の移動に伴って、駆動ローラ19と裏紙排出ローラ17、16が回転するようにする。
【0024】
次に、ハンドレール9を自動で駆動すると、ハンドレール9に粘着シート10が引っ張られて、粘着シート10がフィルムロール13から引き出される。一方、シート裏紙15は裏紙排出ローラ16、17間を通過して押し出され、ゴミ箱に収納される。
【0025】
ここで案内貼付装置12の動作を説明する。尚、ハンドレール9の断面は緩やかに幅方向に傾いた緩慢傾斜部と、約45度に外側に傾いた肩部と、ほぼ直立した壁部と、さらに内側に傾いた首部がなめらかな曲線で結ばれた周囲を有している。
新規なフィルムロール13からゴムローラ27とハンドレール9の間を通過した粘着シート10は、ハンドレール9の緩慢傾斜部に平らな状態で貼付され、さらに粘着シート10はハンドレール9と一緒に移動して、押圧ローラ28aとハンドローラ9の緩慢傾斜部の間に挿入されて、その部分の粘着シート10が貼付される。さらに、粘着シート10はハンドレール9と一緒に移動して、押圧ローラ28bとハンドレール9の緩慢傾斜部の下部へ間に挿入され、その部分の粘着シート10が貼付される。このようにして、押圧ローラ28c、押圧ローラ28d、押圧ローラ28eとハンドレール9との当接する箇所を通過する過程で粘着シート10が皺や気泡を残さずに貼付される。さらに、ハンドレール締付ローラセット37の締付ローラ41とハンドレール9の首部との間に粘着シート10が引き込まれて、粘着シート10の幅方向の端部が貼付される。
貼付した部分が重なるまで貼付し、その後、端部に隙間がないように切り取って、その端部を接着力の大きな粘着テープで覆っておく。
【0026】
このようなハンドレール用粘着シート貼付装置を用いると、一旦粘着シートの長さ方向の先端部をハンドレールに貼付すれば、その後は人手を煩わせることなく、ハンドレールの移動に伴って粘着シート及びシート裏紙が引き出されて、粘着シートをハンドレールに貼付することができ、発生したシート裏紙を一箇所に収納することも同時にできる。
【0027】
なお、このエスカレータハンドレール用連続シート貼付装置をエスカレータに関して説明したが、歩く歩道のようにハンドレールで乗客を案内する装置にも同様に適用可能である。
【0028】
【発明の効果】
以上の如くこの発明の粘着シート付ハンドレールによる効果は次の通りである。
エスカレータハンドレール用連続シート貼付装置は、エスカレータの欄干に取り付けられ得る台座上に貼付ユニットを備え、ハンドレール上に連続粘着シートを貼付するための装置であって、貼付ユニットは、粘着シートのロールから繰り出されたシート裏紙を排出する一対のシート裏紙排出ローラと、台座に設けられ、ハンドレール上に摩擦接触して回転される駆動ローラと、駆動ローラの回転をシート裏紙排出ローラに伝達する伝達装置とを備えているので、一旦粘着シートの長さ方向の先端部をハンドレールに貼付すれば、その後は人手を煩わせることなく、ハンドレールの移動に伴って粘着シート及びシート裏紙が引き出されて、粘着シートをハンドレールに貼付することができ、発生したシート裏紙を一箇所に収納することも同時にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1のエスカレータハンドレール用連続シート貼付装置の概略正面図である。
【図2】図1のA−A断面での概略断面図である。
【図3】図1の案内貼付装置の概略平面図である。
【図4】図3のB−B断面の概略断面図である。
【符号の説明】
1 欄干、2 台座、3 貼付ユニット、4 フレーム、5 欄干パネル、6保持アーム、7 吸盤装置、8 固定装置、9 ハンドレール、10 粘着シート、11 粘着シート供給装置、12 案内貼付装置、13 供給フィルムのロール、14 フィルム支持軸、15 シート裏紙、16、17 裏紙排出ローラ、18 駆動装置、19 駆動ローラ、20 加圧ローラ部、21 加圧ローラ、22 クランクアーム、23 圧力調整アーム、24 移動ネジ、25、26 ナット、27 ゴムローラ、28 押圧ローラ、29 押圧ローラ回動部材、30 ネジリコイルバネ、31 取付部材、32 押圧部材取付板、33 直線軸受、34 直線軸、35 バネ、36 クランプ、37 ハンドローラ締付ローラセット、38 アーム、39 固定板、40 締付ローラ回動部材、41締付ローラ、42 調整ローラ。
【発明の属する技術分野】
この発明はエスカレータ等の乗客コンベアハンドレール用連続シート貼付装置に関し、特に連続した粘着シートを連続的にハンドレールに貼付するエスカレータハンドレール用連続シート貼付装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の宣伝広告や案内などの表示を有するエスカレータ用ハンドレールは、表示を印刷した樹脂製シート、フィルム等の比較的短いシールをハンドレールの表面に多数枚定間隔に接着したものであり、ハンドレールのほぼ平坦な表面中央部にだけ接着されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、ハンドレールの中央部分の表面に記入表示を行い、その上に樹脂コーティングを施しているものもある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
実開昭61−59274号公報 (第3頁第1行から第8行)
【特許文献2】
実開昭63−162777号公報 (第3頁から第4頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、多数枚のシールを貼り付けられたハンドレールでは、シールの外縁が手によって繰り返し摺られたり、ハンドレール駆動装置の押圧車輪で摩擦駆動されるためにシールが剥離しやすいという問題があった。さらに、多数枚のシールを貼り付ける作業と剥離する作業とに多くの人手および時間がかかるという問題もあった。
また、ハンドレール全長に渡るような長い連続した粘着シートは貼付にも剥離にも多大のマンパワーを要し、ある場合には貼付作業だけに3時間を要したこともあった。
【0006】
また、表示の上に樹脂を一旦コーティングすると、表示内容を変更するためにはハンドレールの全体を交換しなければならず、宣伝広告などの表示内容を定期的に変更することはコスト面から実際上不可能であったという問題があった。
【0007】
従って、この発明の目的は、連続した粘着シートを簡単に貼付することのできるエスカレータハンドレール用連続シート貼付装置を得ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わるエスカレータハンドレール用連続シート貼付装置においては、エスカレータの欄干に取り付けられ得る台座上に貼付ユニットを備え、ハンドレール上に連続粘着シートを貼付するための装置であって、貼付ユニットは、粘着シートのロールから繰り出されたシート裏紙を排出する一対のシート裏紙排出ローラと、台座に設けられ、ハンドレール上に摩擦接触して回転される駆動ローラと、駆動ローラの回転をシート裏紙排出ローラに伝達する伝達装置とを備えている。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1のエスカレータハンドレール用連続シート貼付装置の概略正面図、図2は図1のA−A断面での概略断面図、図3は図1の案内貼付装置の概略平面図、図4は図3のB−B断面での概略断面図である。
【0010】
エスカレータハンドレール用連続シート貼付装置は、エスカレータの欄干1に取り付けられ得る台座2上に貼付ユニット3が備えられている。
台座2にはフレーム4と、欄干1の欄干パネル5の片側に配置されるようにフレーム4に固定された2本の保持アーム6と、その先端に付けられた吸盤装置7とを有する固定装置8が備えられている。またフレーム4にはベース部4aと、貼付ユニット3を支持する立ち上がり部4bが備えられている。フレーム4は固定装置8で欄干パネル5に固着されている。
【0011】
貼付ユニット3は、先端でハンドレール9上に貼付された粘着シート10をハンドレール9の移動に応じてハンドレール9上に連続的に供給する粘着シート供給装置11と、粘着シート供給装置11から供給された粘着シート10をハンドレール9の表面に沿って案内して貼付ける案内貼付装置12とを備えている。
【0012】
粘着シート供給装置11は、フレーム4に回転自在に支持され、供給フィルムのロール13を回転可能に支持するフィルム支持軸14と、フレーム4に回転自在に支持され、供給フィルムのロール13から繰り出されたシート裏紙15を排出する一対の裏紙排出ローラ16、17と、一対の裏紙排出ローラの一方の裏紙排出ローラ17にハンドレール9の移動速度に対応する速度で駆動する駆動装置18とを備えている。
【0013】
駆動装置18は、台座2に回転自在に軸支され、裏紙排出ローラ17に外接して、裏紙排出ローラ17に回転動作を伝達する、ハンドレール9とほぼ等しい幅の駆動ローラ19と、ハンドレール9の直線移動を駆動ローラ19の回転運動に変換する加圧ローラ部20とを備えている。
【0014】
加圧ローラ部20は、加圧ローラ21と、クランクアーム22と、圧力調整アーム23と、移動ネジ24とを備えている。加圧ローラ21は駆動ローラ19の側面からハンドレール9の表面とその耳の部分との高さに相当する位置に配置されるように、クランクアーム22の先端に回転自在に固定されている。クランクアーム22は圧力調整アーム23の先端に回転自在に支持され、圧力調整アーム23の他端にネジ23aが切られ、そのネジ23aに対向する位置の台座2にもネジ2aが切られて、そのネジ23aとネジ2aと嵌合した移動ネジ24が設けられている。移動ネジ24にナット25が固定されて、移動ネジ24はネジ23aを下方に貫通している。
【0015】
フィルム支持軸14に設けられた雌ねじ部14aに嵌合し、フィルム支持軸14に供給フィルムのロール13を固定するナット26がフィルム支持軸14に備えられている。
【0016】
案内貼付装置12は、粘着シート供給装置11から供給された粘着シート10を案内貼付装置12に引き込むゴムローラ27と、ハンドレール9上に供給された粘着シート10にハンドレール9の移動方向に見て下流側に向かって次第に方向が変化する押圧力を加える複数の押圧ローラ28とを備えている。
ゴムローラ27はゴムライニングされ、台座2に対して水平にフレーム4で回転自在に軸支されている。
【0017】
図3を参照して押圧ローラ28aについて説明するが、後に説明する取付角度以外はその他の押圧ローラ28b、28c、28d、28eも同じ構造である。押圧ローラ28はそれぞれ押圧ローラ回動部材29に回転自在に支持され、押圧ローラ回動部材29はネジリコイルバネ30で付勢され、取付部材31に対して回動自由に支持されている。複数の取付部材31は一対の鞍状の押圧部材取付板32の内側面32aに固定されている。押圧部材取付板32の外側面に平行な2個の直線軸受33が設けられ、台座2に設けられた直線軸34と嵌合して、水平方向に調整移動ができる。一対の押圧部材取付板32間の間隔を調整するバネ35とクランプ36とからなる。
【0018】
ハンドレール10の移動方向に見て、ハンドレール10の幅方向の内側に固定されている押圧ローラ28ほど上流側に固定されている。
押圧ローラ28は粘着シート10の上から押圧力を加えて、粘着シート10をハンドレール9の表面に沿って曲げて密着する。押圧力の方向は、押圧ローラ28の軸に垂直である。押圧ローラ28の軸はハンドレール9の移動方向に対して5個ともほぼ直角であるが、粘着シート10に幅方向の張力を与えつつ貼付するためには僅かに傾けると良い結果が得られる。さらにハンドレール9の幅方向の内側に固定された押圧ローラ28の軸ほど、ハンドレール9の鞍状の平坦部の平面に対して平行であり、外側に固定された押圧ローラ28の軸ほど傾いている。
【0019】
図4の押圧部材取付板32の断面図に示すように、押圧部材取付板32の内側面32aはハンドレール9の鞍状の平坦部の平面に対して平行な頂上部32bと、約45度傾いた肩部32cと、約70度傾いた裾部32dと、約90度傾いた裾先端部32eとを有し、頂上部32bに押圧ローラ28a、肩部32cに押圧ローラ28bと28c、裾部32dに押圧ローラ28d、裾先端部32eに押圧ローラ28eを取付部材29を介して固定されていて、押圧ローラ28の押圧力の方向を決めている。
【0020】
さらに、ハンドレール9の移動方向に見て押圧部材取付板32の先端にハンドレール締付ローラセット33が備えられている。ハンドレール締付ローラセット37は、押圧部材取付板32の外側面32fに固定され、ハンドレール9の幅方向に対して外側に約45度傾いたアーム38と、アーム38に直角に保持された固定板39と、固定板39にネジリコイルバネ30で付勢されて回動自由に支持された締付ローラ回動部材40と、締付ローラ回動部材40に回転自在に支持された締付ローラ41とを備えている。
【0021】
台座2のハンドレール9の移動方向に対して、貼付ユニット3の終端部に台座2とハンドレール9の水平方向を調整する調整ローラ42が台座2に回転自在に固定されている。
【0022】
このような構成のエスカレータハンドレール用連続シート貼付装置の操作について説明する。
貼付するハンドレール9は、ハイパロンゴムからなり、高さ30mm、幅80mm位の鞍状の断面形状で、長さは一周で30m位の無端ベルトである。一方、フィルムはシンセディックポリマーフィルムの片側に印刷して表示体を設け、その印刷面に粘接着剤を塗布した粘着シート10と、その上をラミネートしたシリコーン離型剤を塗布されたシート裏紙15からなり、幅130mm位で外径80mmの紙管に所望の長さ、通常はハンドレール一周分である30mを巻回されたロール13になっている。
【0023】
フィルムロール13をフィルム支持軸14に挿入後、ナット26を締め付けて固定する。フィルムロール13をシート裏紙15と粘着シート10とに分離し、シート裏紙15を裏紙排出ローラ16まで引っ張り出して先端部を裏紙排出ローラ16、17の接触面に差し込み、ハンドレール9を動かして、シート裏紙15を裏紙排出ローラ16、17間を通過させる。一方、粘着シート10をゴムローラ27とハンドレール9の間を通過させてハンドレール9の移動方向にさらに引き出し平たくハンドレール9に貼り付ける。この状態から、押圧部材取付板32の間隔を縮めて、押圧ローラ28がハンドレール9に当たるまでスライドし、停止したところでクランプ36で固定する。この段階で、手で粘着シート10の貼り付けの不十分の箇所を直したり、印を付けておく。次に1m位ハンドレール9を送って、手で貼り付けた部分を切り取っておく。なお、裏紙排出ローラ間を通過したシート裏紙15を受けるゴミ箱を図示しないエスカレータの踏段などに設置する。
さらに、加圧ローラ部20を調整する。ナット25を回転して、加圧ローラ21をハンドレール9の首部に当て、さらにナット25を回転して所望の圧力を駆動ローラ19に加える。ハンドレール9と駆動ローラ19との摩擦力を調整して、ハンドレール9の移動に伴って、駆動ローラ19と裏紙排出ローラ17、16が回転するようにする。
【0024】
次に、ハンドレール9を自動で駆動すると、ハンドレール9に粘着シート10が引っ張られて、粘着シート10がフィルムロール13から引き出される。一方、シート裏紙15は裏紙排出ローラ16、17間を通過して押し出され、ゴミ箱に収納される。
【0025】
ここで案内貼付装置12の動作を説明する。尚、ハンドレール9の断面は緩やかに幅方向に傾いた緩慢傾斜部と、約45度に外側に傾いた肩部と、ほぼ直立した壁部と、さらに内側に傾いた首部がなめらかな曲線で結ばれた周囲を有している。
新規なフィルムロール13からゴムローラ27とハンドレール9の間を通過した粘着シート10は、ハンドレール9の緩慢傾斜部に平らな状態で貼付され、さらに粘着シート10はハンドレール9と一緒に移動して、押圧ローラ28aとハンドローラ9の緩慢傾斜部の間に挿入されて、その部分の粘着シート10が貼付される。さらに、粘着シート10はハンドレール9と一緒に移動して、押圧ローラ28bとハンドレール9の緩慢傾斜部の下部へ間に挿入され、その部分の粘着シート10が貼付される。このようにして、押圧ローラ28c、押圧ローラ28d、押圧ローラ28eとハンドレール9との当接する箇所を通過する過程で粘着シート10が皺や気泡を残さずに貼付される。さらに、ハンドレール締付ローラセット37の締付ローラ41とハンドレール9の首部との間に粘着シート10が引き込まれて、粘着シート10の幅方向の端部が貼付される。
貼付した部分が重なるまで貼付し、その後、端部に隙間がないように切り取って、その端部を接着力の大きな粘着テープで覆っておく。
【0026】
このようなハンドレール用粘着シート貼付装置を用いると、一旦粘着シートの長さ方向の先端部をハンドレールに貼付すれば、その後は人手を煩わせることなく、ハンドレールの移動に伴って粘着シート及びシート裏紙が引き出されて、粘着シートをハンドレールに貼付することができ、発生したシート裏紙を一箇所に収納することも同時にできる。
【0027】
なお、このエスカレータハンドレール用連続シート貼付装置をエスカレータに関して説明したが、歩く歩道のようにハンドレールで乗客を案内する装置にも同様に適用可能である。
【0028】
【発明の効果】
以上の如くこの発明の粘着シート付ハンドレールによる効果は次の通りである。
エスカレータハンドレール用連続シート貼付装置は、エスカレータの欄干に取り付けられ得る台座上に貼付ユニットを備え、ハンドレール上に連続粘着シートを貼付するための装置であって、貼付ユニットは、粘着シートのロールから繰り出されたシート裏紙を排出する一対のシート裏紙排出ローラと、台座に設けられ、ハンドレール上に摩擦接触して回転される駆動ローラと、駆動ローラの回転をシート裏紙排出ローラに伝達する伝達装置とを備えているので、一旦粘着シートの長さ方向の先端部をハンドレールに貼付すれば、その後は人手を煩わせることなく、ハンドレールの移動に伴って粘着シート及びシート裏紙が引き出されて、粘着シートをハンドレールに貼付することができ、発生したシート裏紙を一箇所に収納することも同時にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1のエスカレータハンドレール用連続シート貼付装置の概略正面図である。
【図2】図1のA−A断面での概略断面図である。
【図3】図1の案内貼付装置の概略平面図である。
【図4】図3のB−B断面の概略断面図である。
【符号の説明】
1 欄干、2 台座、3 貼付ユニット、4 フレーム、5 欄干パネル、6保持アーム、7 吸盤装置、8 固定装置、9 ハンドレール、10 粘着シート、11 粘着シート供給装置、12 案内貼付装置、13 供給フィルムのロール、14 フィルム支持軸、15 シート裏紙、16、17 裏紙排出ローラ、18 駆動装置、19 駆動ローラ、20 加圧ローラ部、21 加圧ローラ、22 クランクアーム、23 圧力調整アーム、24 移動ネジ、25、26 ナット、27 ゴムローラ、28 押圧ローラ、29 押圧ローラ回動部材、30 ネジリコイルバネ、31 取付部材、32 押圧部材取付板、33 直線軸受、34 直線軸、35 バネ、36 クランプ、37 ハンドローラ締付ローラセット、38 アーム、39 固定板、40 締付ローラ回動部材、41締付ローラ、42 調整ローラ。
Claims (5)
- エスカレータの欄干に取り付けられ得る台座上に貼付ユニットを備え、ハンドレール上に連続した粘着シートを貼付するための装置であって、
上記貼付ユニットは、上記粘着シートのロールから繰り出されたシート裏紙を排出する一対のシート裏紙排出ローラを備えたことを特徴とするエスカレータハンドレール用連続シート貼付装置。 - 上記台座に設けられ、ハンドレール上に摩擦接触して回転される駆動ローラと、上記駆動ローラの回転を上記シート裏紙排出ローラに伝達する駆動装置とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のエスカレータハンドレール用連続シート貼付装置。
- 上記貼付ユニットは、先端でハンドレール上に貼付された粘着シートをハンドレールの移動に応じてハンドレール上に連続的に供給する粘着シート供給装置と、上記粘着シート供給装置から供給された粘着シートを上記ハンドレールの表面に沿って案内して貼付ける案内貼付装置とを備えたことを特徴とする請求項1乃至2のいずれか一項に記載のエスカレータハンドレール用連続シート貼付装置。
- 上記貼付ユニットの上記案内貼付装置は、上記台座に設けられて、ハンドレール上に供給された粘着シートにハンドレールの移動方向に見て下流側に向かって次第に方向が変化する押圧力を加える複数の押圧ローラを備え、上記粘着シートをハンドレールの表面に沿って曲げて密着させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエスカレータハンドレール用連続シート貼付装置。
- 上記台座が、上記貼付ユニットを支持するフレームと、上記フレームに設けられてエスカレータの欄干に固着され得る吸盤装置を有する固定装置とを備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のエスカレータハンドレール用連続シート貼付装置。
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Cited By (2)
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CN102297184A (zh) * | 2011-07-29 | 2011-12-28 | 苏州富士电梯有限公司 | 电梯轿厢中轿壁加强筋的粘贴装置 |
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-
2002
- 2002-12-26 JP JP2002377828A patent/JP2004206001A/ja active Pending
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CN102297184B (zh) * | 2011-07-29 | 2013-04-10 | 苏州富士电梯有限公司 | 电梯轿厢中轿壁加强筋的粘贴装置 |
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