JP2004205804A - 液晶プロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液晶パネルの近傍に位置される光学補償フィルム60の角部分を、非鋭角(鈍角)となるよう、かつ、直線により形成された切除部60aとしたことにより、照明光のエリア62において、光学補償フィルムの本来の性能が維持されるので、出力画像のコントラストを改善することができる。
【選択図】 図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶パネルを用いた投射型プロジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
大画面の画像を表示可能な表示装置として投射型表示装置が知られている。
【0003】
投射型表示装置としては、画像を表示する像源に、例えばCRT(カソード・レイ・チューブ)を用い、CRTに表示された画像を拡大投射するものと、像源に、例えば液晶パネルを用い、液晶パネルに表示された画像を拡大投射するもの(液晶プロジェクタ)が知られている。
【0004】
液晶パネルを用いた投射型液晶プロジェクタとしては、例えば光源(ランプ)、照明光学系、色分離光学系、液晶パネル、色合成光学系、および投射光学系等から構成される単板式あるいは3板式の液晶プロジェクタがある。
【0005】
3板式の液晶プロジェクタは、色分離光学系を用いて、光源(ランプ)からの白色光をR(赤)、G(緑)、B(青)の3色に分離し、分離された色光をR,GおよびB用の3枚の液晶パネルに照射してR,GおよびB用の画像を得た後、色合成光学系により合成して1枚のカラー画像とし、投射レンズにより、例えばスクリーンに投射するものである(特許文献1)。
【0006】
液晶パネルとして、例えば周知のTN(ツイステッドネマティック)型の液晶材が用いられる場合には、液晶パネルの前段と後段に2枚の偏光板が配置される。TN型の液晶材を用いた液晶パネルを用いる場合、通常多くの液晶パネルは、非通電時に「白」表示で、通電時に「黒」表示となるように上記2枚の偏光板を配置する。
【0007】
しかし、実際の照明光学系では完全な平行光だけではなく、斜め光成分もあるため、斜め光成分が液晶パネルに入射することにより、複屈折が生じる。複屈折は、ガラス基板付近のネマティック液晶のプレチルト状態(配向角度が連続的に変化している状態)によっても生じる。
【0008】
複屈折が生じることで、入射側偏光板で直線偏光となった入射光の偏光軸は乱される。これによって、「黒」を出力したい場合、出射側偏光板によっても不要光(非画像光)は、完全に遮断されず、光漏れが生じる。この光漏れが、コントラスト(「白」と「黒」の輝度比)が低下する要因となる。
【0009】
コントラストの低下を抑止するため、液晶パネルと2枚の偏光板に加え、複屈折の影響を低減可能な光学補償フィルムを用いることが既に提案されている(特許文献2)。
【0010】
しかし、液晶プロジェクタにおいては、光源からの光により光学補償フィルムが高温になりやすいため、熱収縮によるひずみが生じる。このため、光学補償フィルムは、性能を充分に維持できず、コントラストを向上できない問題がある。
【0011】
なお、光学補償フィルムに組成が類似している偏光板に関し、延伸軸方向の縮みの影響を低減するために偏光板の四端を丸くする提案がある(特許文献3)。
【0012】
【特許文献1】
特許第3045155号公報
【0013】
【特許文献2】
特許第3118208号公報
【0014】
【特許文献3】
特開平8−6014号公報(図1、要約書)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上述した通り、光学補償フィルムは、光源からの熱による熱収縮の影響で本来の特性が維持できない問題がある。特に、光学補償フィルムが矩形状である場合は、熱収縮による応力集中が生じやすい周辺部分において、コントラストむらが生じる問題がある。例えばアスペクト比が4:3の液晶パネルに、画面の上下が黒となるアスペクト比が16:9の映像を入力した場合に、画面の4隅が、画面中央より明るくなり、画像品位を低下させる問題がある。
【0016】
本発明は、液晶パネルに固有の複屈折の影響を低減可能な光学補償フィルムを用いる液晶プロジェクタにおいて、コントラストむらを改善し、画像品位を向上することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上述した問題点に基づきなされたもので、光源と、液晶パネルとを有し、前記光源からの光を前記液晶パネルに照射し液晶パネルを透過した映像光を投射する液晶プロジェクタにおいて、前記液晶パネルの入射側に配置される第1の偏光板と、前記液晶パネルの出射側に配置される第2の偏光板と、前記液晶パネルと前記第1の偏光板との間、又は前記液晶パネルと前記第2の偏光板との間に配置された光学補償フィルムとを具備し、前記光学補償フィルムは、実質的に矩形状を成し、その角部の一部が切断された切除部を有する形状であることを特徴とする。
【0018】
また本発明の液晶プロジェクタは、光源と、上記光源からの光を複数の色光に分離する色分離装置と、上記色分離装置からの複数の色光がそれぞれ入射され、映像信号によって変調された色光をそれぞれ出射する複数の液晶パネルと、前記複数の液晶パネルの入射側にそれぞれ配置された第1の偏光板と、前記複数の液晶パネルの出射側にそれぞれ配置された第2の偏光板と、前記複数の液晶パネルと、それらに対向配置した前記第1の偏光板または前記第2の偏光板の少なくとも一方との間にそれぞれ配置された光学補償フィルムと、前記各第2の偏光板を透過して出射された個々の液晶パネルからの光を合成する色合成装置と、前記色合成装置により合成された光を投射する投射光学手段とを具備し、前記各光学補償フィルムは、実質的に矩形状を成し、その角部の一部が切断された切除部を有する形状であることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。
【0020】
図1は、この発明の実施の形態が適用可能な3板式の液晶プロジェクタの構成を概略的に示している。これに限られず、単板式の液晶プロジェクタであっても良い。
【0021】
図1に示される通り、液晶プロジェクタ1(3板式の液晶プロジェクタ)は、以下に順に説明する液晶表示部150を含む光学ボックス100と、ランプ(光源)ユニット200と、液晶表示部150からの出力画像を、例えばスクリーンに投映する投射レンズ300を有する。
【0022】
光学ボックス100は、以下に説明するランプユニット200からの白色光をR(赤)、G(緑)およびB(青)の3色に分離する第1,第2のダイクロイックミラー104,108(色分離光学系)と、ダイクロイックミラー104により分離されたR光が照射されるR用液晶パネル107と、ダイクロイックミラー108により分離されたG光が照射されるG用液晶パネル110と、ダイクロイックミラー108を透過したB光が照射されるB用液晶パネル116と、各液晶パネルを透過したR光、G光およびB光)を合成するダイクロイックプリズム118(色合成光学系)と、を含む。
【0023】
R用液晶パネル107の光入射側と光出射側には、それぞれ、第1の偏光板120と第2の偏光板121が配置されている。同様に、G用液晶パネル110の光入射側と光出射側には、それぞれ、第1の偏光板122と第2の偏光板123が配置されている。また、B用液晶パネル116の光入射側と光出射側には、それぞれ、第1の偏光板124と第2の偏光板125が配置されている。
【0024】
それぞれの液晶パネルと第1の偏光板との間、すなわちR用の第1の偏光板120と液晶パネル107との間、G用の第1の偏光板122と液晶パネル110との間、B用の第1の偏光板124と液晶パネル116との間には、後段に説明する液晶パネルに固有の複屈折の影響を低減可能なシート状あるいはフィルム状の光学補償部材(以下光学補償フィルムと呼称する)126ないし128が設けられている。なお、各光学補償フィルム126ないし128は、それぞれの液晶パネル107,110および116と対応する第2の偏光板120,123および125との間に設けられてもよい。また、それぞれの光学補償フィルム126ないし128は、直接、液晶パネル107,110および116若しくは偏光板120ないし125に貼り付けられてもよい。
【0025】
光学補償フィルム126,127および128は、例えば商品名「WV FilmワイドビューA」(株式会社富士写真フィルム)等を用いることができる。
【0026】
ランプユニット200は、例えばハロゲンランプやXe(キセノン)ランプである発光管201と、リフレクタ202と、支持部203を含み、発光管201からの光(白色光)を光学ボックス100のフィルタ101に向けて出射する。ランプユニット200からの光は、フィルタ101により赤外線や紫外線等の不要光が除去されて、コンデンサレンズ102により液晶パネルに集光される。コンデンサレンズ102を通過した光は、反射ミラー103により反射され、ダイクロイックミラー104に案内される。
【0027】
ランプユニット200からの光は、ダイクロイックミラー104により、R光とGB光に分離される。ダイクロイックミラー104で分離されたR光は、ミラー105により反射され、フィールドレンズ106を介してR用液晶パネル107の前面に位置されている第1の偏光板120に案内される。
【0028】
又、ダイクロイックミラー104で分離されたGB光は、ダイクロイックミラー108によりG光とB光にさらに分離される。
【0029】
ダイクロイックミラー108で分離されたG光は、フィールドレンズ109を介してG用液晶パネル110の前面に位置されている第1の偏光板122に案内される。
【0030】
ダイクロイックミラー108で分離されたB光は、リレーレンズ111、反射ミラー112、リレーレンズ113、反射ミラー114およびリレーレンズ115により順に案内され、B用液晶パネル116の前面に位置されている第1の偏光板124に導かれる。
【0031】
偏光子120,122および124に入射した各色の光は、光学補償フィルム126,127および128を通って、それぞれの色用の液晶パネル107,110および116に案内される。
【0032】
各液晶パネル107,110および116を透過した光は、出射側に配置されている第2の偏光板121,123および125に、それぞれ案内される。
【0033】
第2の偏光板121,123および125を通過した各色(R,GおよびB)の光すなわち3色の映像光は、ダイクロイックプリズム118に案内される。
【0034】
ダイクロイックプリズム118により合成された映像光は、投射レンズ300により、スクリーン(図示せず)に投射される。
【0035】
R,GおよびB用の液晶パネル107,110および116は、映像光を生成するための情報である映像信号(R,GおよびBの原色信号)が入力される画像制御装置(図示せず)と接続されている。各色用の液晶パネルは、画像制御装置から供給される映像信号に基づいて選択的に透過率が変化されるので、映像信号に対応した3つのカラー画像が得られ、それらがダイクロイックプリズム118により合成されることで、フルカラー映像が得られる。
【0036】
ところで、液晶パネル、特にTN(ツイステッドネマティック)型の液晶材を用いた液晶パネルにおいては、図2を用いて以下に説明する複屈曲の影響を考慮する必要がある。なお、図1を用いて説明した液晶パネル107,110および116は、実質的に同一の液晶パネルであるから、以下、液晶パネルを符号21で、第1の偏光板を符号22で、第2の偏光板を同23で、それぞれ説明する。
【0037】
図2に示されるように、液晶パネル21は、入射側および出射側に、透過軸が互いに直交するように配置された第1および第2の偏光板22,23を有する。この液晶パネル21は、ガラス基板21Aと21Bの間にネマティック液晶が封入されたものである。
【0038】
液晶パネル21のセルに電圧が印加されていない場合(図2(a))、液晶材の配向の方向は、ガラス基板21に平行で、入射側偏光板22の偏光の方向と向きが90度ねじれたツイスト配向となっている。入射側偏光板22により直線偏光となった入射光は、液晶の結晶のねじれに沿って偏光面が90度回転するため、出射側偏光板23を通り抜けて「白」を表示することができる。
【0039】
これに対して、図2(b)に示されるように、液晶セルに高い電圧を印加した場合、液晶の結晶は、ガラス基板21A,21Bに垂直な電界に沿った配向(ホメオトロピック配向)となる。このため、入射側偏光板22により直線偏光とされた光は、結晶のねじれが生じないことにより、偏光面が回転されない。これにより、入射光は、出射側偏光板23により遮断され、「黒」として表示される。なお、ガラス基板21A,21B付近の液晶の結晶は、プレチルト状態(斜傾配向)となっている。
【0040】
図3は、液晶分子の複屈折を説明するための屈折率楕円体モデル図であって、ネマティック液晶が光学的に正の一軸性の物質であることを示している。
【0041】
図3に示される通り、ネマティック液晶は、例えばラグビーボール型の屈折率楕円体として表わすことができ、液晶パネルを通る光軸と平行(液晶パネルと垂直)に入射した光31と、斜めに入射した光32,33を考えると、斜めに入射した光32,33に対して、複屈折が生じる。
【0042】
図4は、光学補償フィルムに用いられる材料の屈折率楕円体モデル図であって、光学補償フィルムが光学的に負の一軸性を有することを示している。
【0043】
図4においては、液晶パネルを通る光軸と平行(液晶パネルと垂直)に入射した光41と、斜めに入射した光42,43を考えると、斜めに入射した光42,43に対して、複屈折が生じる。
【0044】
図4から明らかなように、光学的に負の一軸性を有する光学補償フィルムは、ネマティック液晶の正の一軸性に対して逆の性質を有するため、斜めに入射した光42,43に生じる複屈折の方向は、図3に示した液晶において生じる複屈折の方向と逆向きであり、従って、ネマティック液晶に固有の複屈折の影響が画像に現れることを打ち消すことができる。
【0045】
図5は、本実施例で用いる光学補償フィルムを説明する概略図である。なお、なお、図1を用いて説明した光学補償フィルム126ないし128は、実質的に同一であるから、以下、光学補償フィルムを符号50により説明する。
【0046】
光学補償フィルム50は、光学的に負の一軸性を有する材料を含む支持体51と、塗布層(光学異方性層)52を有する。塗布層52は、個々の液晶パネルに封入されている液晶の結晶のプレチルト状態に対応して配列されており、液晶の結晶に起因するプレチルト状態により生じる複屈折を打ち消すことができる。
【0047】
上述のように、液晶パネルに斜めの光が入射することにより、または、プレチルト状態により発生される複屈折を打ち消す光学補償フィルムを用いることで、要求されるコントラストを得ることができる。
【0048】
ところで、図1を用いて前に説明した投射型液晶プロジェクタにおいては、光学補償フィルム126ないし128は、ランプユニット200と一体の光学ボックス100に位置されるので、発光管201からの熱により、例えば85℃程度の高温になる。また、プロジェクタが設置される環境に支配されるが、室温も90%RH程度に達する。このため、光学補償フィルム126ないし128が熱により収縮して、特に周辺部でコントラストが低下することは既に説明した通りである。
【0049】
以下、図6を用いて光学補償フィルムが、熱により収縮してもコントラストの低下を抑制可能な本発明の実施の形態を説明する。
【0050】
図6は、液晶プロジェクタに組み込まれる光学補償フィルムの正面図である。なお、図1を用いて説明した光学補償フィルム126ないし128は、実質的に同一であるから、以下、光学補償フィルムを符号60により説明する。
【0051】
光学補償フィルム60は、概ね矩形状で、例えばガラス基板61に貼り付けられている。
【0052】
光学補償フィルム60は、角部分が非鋭角(鈍角)となるよう、かつ、直線により形成された切除部60aを有する。光学補償フィルム60はまた、第1の偏光板を通過した照明光のエリア62の周辺部であって、照明光が直接照射されない縁エリア60Aを含む。
【0053】
光学補償フィルム60のサイズは、縁エリア60Aにおいて、熱収縮によるひずみを吸収できる大きさであって、光学補償フィルム(或いはガラス基板)の大きさを不所望に増大することのないように設定される。縁エリア60Aの大きさは、例えば照明光のエリア62の最外部から光学補償フィルム60の最外部まで距離60bで表わすと、光学補償フィルム60の短辺の幅60cに比較して、10%以上に設定される。但し、光学補償フィルム(或いはガラス基板)の大きさを不所望に増大させないために、距離60bは、光学補償フィルム60の短辺の幅60cに比較して、好ましくは15%程度に制限される。
【0054】
切除部60aの直線部と照明光のエリア62の対角部との間の距離60dは、例えば光学補償フィルム60が熱収縮したとしても照明光のエリア62に影響を及ぼさない程度であって、好ましくは60b≦60dの範囲である。
【0055】
このように、光学補償フィルム60の周辺部、すなわち縁エリア60Aは、発光管201からの熱により収縮したとしても(光学補償フィルム60を通過する)照明光のエリア62に、熱収縮の影響を及ぼすことなく、しかも、熱収縮による応力集中が最小となる形状に形成されているので、投射レンズ300に向けて出射される画像コントラストが、特に、光学補償フィルム60の周辺部において改善される。また、切除部60aが直線状であるため、製造効率もよい。
【0056】
図7は、図6に示した光学補償フィルムと異なる形状の切り欠きを有する光学補償フィルムの例を説明する概略図である。なお、図7においては、図6との識別のため、光学補償フィルムを符号70で、説明する。
【0057】
図7に示される通り、光学補償フィルム70は、概ね矩形で、隣接する2辺が交わる部分が頂部(角部)を含まないように、かつ任意の形状(U字型)に切断された切り欠き70aを有している。なお、光学補償フィルム70は、図6を用いて前に説明した光学補償フィルム60と同様に、ガラス基板71に貼り付けられている。
【0058】
光学補償フィルム70の周辺部、すなわち縁エリア70Aの大きさは、例えば照明光のエリア72の最外部から光学補償フィルム70の最外部まで距離70bで表わすと、光学補償フィルム70の短辺の幅70cに比較して、10%以上に設定される。但し、光学補償フィルム(或いはガラス基板)の大きさを不所望に増大させないために、距離70bは、光学補償フィルム70の短辺の幅70cに比較して、好ましくは15%程度に制限される。
【0059】
切り欠き部70aの内縁部と、照明光のエリア72の対角部との間の距離70dは、例えば光学補償フィルム70が熱収縮したとしても照明光のエリア72に影響を及ぼさない程度であって、好ましくは70b≦70dの範囲である。
【0060】
このように、光学補償フィルム70の周辺部(縁エリア70A)は、図6に示した光学補償フィルム60同様、熱により収縮したとしても照明光のエリア72に、熱収縮の影響を及ぼすことなく、しかも、熱収縮による応力集中が最小となる形状に形成されているので、投射レンズ300に向けて出射される画像コントラストが、特に、周辺部において改善される。
【0061】
上述したように、光学補償フィルム60(70)の隣接する辺が交わる位置を直線状に切断し、または隣接する辺が交わる部分が頂部(角部)を含まないように、かつ任意の形状(U字型)に切断した切り欠き60a(70a)を設けることにより、照明光が投影される照明光のエリア62(72)のひずみを縁エリア60A(70A)に吸収させることができる。これにより、光学補償フィルムの作用が均一に提供される照明光のエリア12を確保することができる。よって、投射された映像すなわち出力画像のコントラストむらが軽減される。
【0062】
なお、本実施例では、光学補償フィルムは、ガラス枠等を用いて固定されるので、液晶プロジェクタを組み立てる際のフィルムの固定(配置)や取り扱いも容易である。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、光学補償フィルムの周辺部の形状を、熱による収縮の影響が画像に影響を及ぼすことが少ない形状としたので、出力画像のコントラストむらが軽減される。よって、周辺部(特に、4隅)が黒の画像を表示する場合においても、投影された映像の周辺部と中心部との間で、明暗差が生じることを排除できる。
【0064】
また、光学補償フィルムを冷却するための冷却装置を付け加える必要がないため、大型化することなく、コントラストの改善された画像が得られる液晶プロジェクタが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における液晶プロジェクタの主要部である光学配置図。
【図2】液晶パネルの動作原理図。
【図3】液晶分子の複屈折を示す屈折率楕円体モデル図。
【図4】液晶分子の複屈折を示す屈折率楕円体モデル図。
【図5】液晶パネルの動作原理図。
【図6】本発明の液晶プロジェクタにおける光学補償フィルムの実施例を示す正面図。
【図7】本発明の液晶プロジェクタにおける光学補償フィルムの実施例を示す正面図。
【符号の説明】
1…液晶プロジェクタ、100…光学ボックス、104,108…ダイクロイックミラー、107,110,116…液晶パネル、118…ダイクロイックプリズム、120〜125…偏光板、126〜128…光学補償フィルム、150…液晶表示部、200…ランプユニット、201…発光管、300…投射レンズ、60a,70a・・・切り欠き部(切除部)。
Claims (8)
- 光源と、液晶パネルとを有し、前記光源からの光を前記液晶パネルに照射し液晶パネルを透過した映像光を投射する液晶プロジェクタにおいて、
前記液晶パネルの入射側に配置される第1の偏光板と、
前記液晶パネルの出射側に配置される第2の偏光板と、
前記液晶パネルと前記第1の偏光板との間、又は前記液晶パネルと前記第2の偏光板との間に配置された光学補償フィルムと、を具備し、
前記光学補償フィルムは、実質的に矩形状を成し、その角部の一部が切断された切除部を有する形状であることを特徴とする液晶プロジェクタ。 - 前記光学補償フィルムは、前記液晶パネルに固有の複屈折の影響を低減可能な光学フィルムであることを特徴とする請求項1に記載の液晶プロジェクタ。
- 前記光学補償フィルムは、実質的に矩形状の角部が直線状に切断された切除部を有する形状であることを特徴とする液晶プロジェクタ。
- 前記光学補償フィルムは、実質的に矩形状の角部が頂部から内側に向かって切り欠かれた形状であることを特徴とする請求項1に記載の液晶プロジェクタ。
- 光源と、
上記光源からの光を複数の色光に分離する色分離装置と、
上記色分離装置からの複数の色光がそれぞれ入射され、映像信号によって変調された色光をそれぞれ出射する複数の液晶パネルと、
前記複数の液晶パネルの入射側にそれぞれ配置された第1の偏光板と、
前記複数の液晶パネルの出射側にそれぞれ配置された第2の偏光板と、
前記複数の液晶パネルと、それらに対向配置した前記第1の偏光板または前記第2の偏光板の少なくとも一方との間にそれぞれ配置された光学補償フィルムと、
前記各第2の偏光板を透過して出射された個々の液晶パネルからの光を合成する色合成装置と、
前記色合成装置により合成された光を投射する投射光学手段とを具備し、
前記各光学補償フィルムは、実質的に矩形状を成し、その角部の一部が切断された切除部を有する形状であることを特徴とする液晶プロジェクタ。 - 前記各光学補償フィルムは、前記それぞれの液晶パネルに固有の複屈折の影響を低減可能な光学フィルムであることを特徴とする請求項5に記載の液晶プロジェクタ。
- 前記光学補償フィルムは、実質的に矩形状の角部が直線状に切断された切除部を有する形状であることを特徴とする請求項5記載の液晶プロジェクタ。
- 前記光学補償フィルムは、実質的に矩形状の角部が頂部から内側に向かって切り欠かれた形状であることを特徴とする請求項5記載の液晶プロジェクタ。
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JP2006215127A (ja) * | 2005-02-02 | 2006-08-17 | Hitachi Ltd | 投射型映像表示装置 |
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JP3708921B2 (ja) | 2005-10-19 |
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