JP2004205757A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】中間転写体の波うちに起因する画像形成時の不具合を防止すること。
【解決手段】像担持体と、該像担持体上に形成された画像を一次転写する中間転写体とを有し、該中間転写体上に転写された画像を記録材に二次転写して画像を形成する画像形成装置において、前記中間転写体は樹脂に導電性フィラーを含有してなるシームレスベルトであり、前記中間転写体の、応力−ひずみ曲線で記録される最大応力値(抗張力)を印加したときのひずみをεmax、破断点でのひずみをεbreakとすると、εbreak /εmax>10を満たし、前記中間転写体の周方向において、ホームポジションを有し、該ホームポジションの検知信号に基づいて該中間転写体上の画像形成領域を決定することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】像担持体と、該像担持体上に形成された画像を一次転写する中間転写体とを有し、該中間転写体上に転写された画像を記録材に二次転写して画像を形成する画像形成装置において、前記中間転写体は樹脂に導電性フィラーを含有してなるシームレスベルトであり、前記中間転写体の、応力−ひずみ曲線で記録される最大応力値(抗張力)を印加したときのひずみをεmax、破断点でのひずみをεbreakとすると、εbreak /εmax>10を満たし、前記中間転写体の周方向において、ホームポジションを有し、該ホームポジションの検知信号に基づいて該中間転写体上の画像形成領域を決定することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式あるいは静電記録方式にて、各色成分トナー像を記録材上に転写して画像を得る多色画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術を図6乃至図10を用いて説明する。図6はタンデム型のフルカラー画像形成装置(例えばフルカラー複写機)の一例を示す概略構成図であり、図7はベルトの変形を説明するための図であり、図8はベルトの波うち(変形)を説明するための図であり、図9はベルトの波うちによる画像劣化を説明するための図であり、図10は濃度補正制御の説明図である。
【0003】
本画像形成装置は、第一の像担持体である感光体ドラム101を備えた画像形成装置であり、感光体ドラム101は図示しない駆動手段によって図中矢印の方向に回転自在に支持されている。感光体ドラム101の周囲には、帯電ローラ102、露光手段103、現像手段104、クリーニング装置111が、また中間転写ベルト106を挟んで一次転写手段171が配設されている。
【0004】
感光体ドラム101は円筒状のアルミシリンダの外周面に有機感光体(OPC)層が形成されて構成されている。また帯電ローラ102は芯金上に導電性のゴム層、および中抵抗表面層を設けて構成され、感光体ドラム表面に接触配置されており、帯電ローラ102に直流バイアスおよび交流バイアスの重畳バイアスを印加して、感光体ドラム101表面を一様に帯電させる。露光装置103は、画像情報に従った信号がレーザードライバに入力されるとレーザー光を発光し、感光体ドラム101表面を照射することで、感光体ドラム101表面に静電潜像が形成される。
【0005】
現像手段104は、イエロー104a、マゼンダ104b、シアン104c、ブラック104d各色のトナー像を現像する現像器を収納した回転可能なロータリー現像器である。現像に際しては、感光体ドラム101と対向する位置に、各色成分の現像剤を収容した現像器を回転交換し、静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する。
【0006】
中間転写ベルト106を挟んで感光体ドラム101と対向する位置には、感光体ドラム101上の各色成分のトナー像を中間転写ベルト106上に転写する一次転写ローラ171が配設されている。また中間転写ベルト106は、駆動ローラ162、テンションローラ161、一次転写ローラ171、従動ローラ722の4本のローラによって張架されている。また、従動ローラ722と対向する位置には、中間転写ベルト106を挟んで二次転写ローラ721が配設され、中間転写ベルト106上に積層されたトナー像を転写材P上に一括転写を行う。
【0007】
感光体ドラム101のクリーニング装置111は、感光体ドラム駆動方向における、一次転写部の下流に配設され、一次転写部において、中間転写ベルト106に転写されずに感光体ドラム101上に残った転写残トナーの除去を行う。中間転写ベルトのクリーニング装置108は、中間転写ベルト106の駆動方向の二次転写部下流に配設され、二次転写部における転写残トナーの除去を行う。また、定着器109は、定着ローラ191と加圧ローラ192の2本のローラを有し、転写材P上に転写されたトナー像を加熱加圧することで定着するものである。
【0008】
上記構成の画像形成装置の動作を説明する。感光体ドラムを図中矢印の方向に回転駆動し、帯電ローラに帯電バイアスを印加して感光体ドラム表面を均一に帯電する。
【0009】
次にイエローの色成分の画像情報に応じて、露光手段によって感光体を露光し、イエロー成分の静電潜像を形成する。ロータリー現像器を回転して、イエロートナーを収容したイエロー現像器を感光体ドラム対向位置に配置し、感光体ドラム上の静電潜像にイエロートナーを付着させてイエロートナー像を形成する。
【0010】
そして、感光体ドラム上のイエロートナー像を、一次転写ローラに一次転写バイアスを印加することで、中間転写ベルト上にイエロートナー像を転写する。
【0011】
同様に、マゼンダ、シアン、ブラック各色成分のトナー像を順に感光体ドラム上に形成した後に、中間転写ベルト上で積層することで、中間転写ベルト上に4色のトナー像を形成する。
【0012】
中間転写ベルト上の4色のトナー層は、二次転写ローラに転写バイアスを印加することで、所定のタイミングで搬送されてくる転写材上に一括して二次転写され、定着器によって定着され、フルカラーの永久画像として得ることができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような画像形成装置において、テンションを印加して回転駆動を行う中間転写ベルト106には、ベルトの波うちによって画像不良が起こるおそれがある。図7に示すように、中間転写ベルト106は、駆動手段によって回転駆動される駆動ローラ162や、ベルトを張架するためにテンションを印加するテンションローラ161など、少なくとも2本以上のローラによって張架されている。駆動を受けていない状態において、テンションを印加しつづけると、図8に示すように、ベルト材質の応力緩和によって、例えばベルトの駆動ローラ162に巻きかけられている部分の周囲で、ベルトのスラスト方向について、波うち状のクリープ(永久変形)Cが発生する。このような波打ちの発生した箇所においては、画像不良が発生したり、パッチ検による濃度補正制御が正しく機能しないおそれがある。
【0014】
画像不良の発生ベルトの波打ちによって、転写ニップにおいて抵抗ムラが発生することに起因する。また、濃度補正制御が正しく機能しない理由の一つとしては、前記抵抗ムラにより、テストパターンTpが正しくベルト上に転写されないことに起因する。具体的には、図9(a)及び(c)に示すように、波打ちの発生したベルトを用いた場合、感光体ドラム101とベルト106が正しく接触することがなく、さらには一次転写ローラ171とベルト106の裏面との間に空隙ができる。同様に、二次転写部においては、図9(b)のように二次転写ローラ対721、722や転写材P、中間転写ベルト106が正しく接触せず、空隙が形成される。
【0015】
このように、スラスト方向にいくつかの空隙が形成されると、空隙が形成されたところでは、きちんとニップが形成されている箇所に比べて電界が小さくなってしまう。このため、空隙の存在箇所で画像不良が発生したり、濃度補正制御が正しく機能しないおそれが生じる。
【0016】
また、濃度補正制御が正しく機能しないもう一つの理由として、波うちが発生している箇所において、センサPsの発光素子から発せられた光信号が、受光素子に正しく受け取られないことがあげられる。図10(a)に示すように、パッチ検センサとして、反射光量から濃度情報を得るタイプのものである場合、ベルト106が平面である場合を想定して発光素子、受光素子の角度が設計されている。しかしベルトの波うちが発生し大きな湾曲が生じてしまうと、図10(b)に示すように、反射光の進行方向外としない方向となってしまい、受光素子に正しく受光されないおそれがある。これによって正しい濃度情報を得ることができず、濃度補正が正しく行なわれない場合がある。
【0017】
本発明は、上記のような理由による中間転写体の波うちに起因する画像形成時の不具合を防止することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための、本発明の代表的な構成は、像担持体と、該像担持体上に形成された画像を一次転写する中間転写体とを有し、該中間転写体上に転写された画像を記録材に二次転写して画像を形成する画像形成装置において、前記中間転写体は樹脂に導電性フィラーを含有してなるシームレスベルトであり、前記中間転写体の、応力−ひずみ曲線で記録される最大応力値(抗張力)を印加したときのひずみをεmax、破断点でのひずみをεbreakとすると、εbreak /εmax>10を満たし、前記中間転写体の周方向において、ホームポジションを有し、該ホームポジションの検知信号に基づいて該中間転写体上の画像形成領域を決定することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
【0020】
本発明の画像形成装置に搭載される中間転写ベルトは、基材となる樹脂中に導電性フィラーを含有して成るものである。
【0021】
基材となる樹脂としては、たとえばポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ナイロン(ポリアミド)、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フロロエチレン―エチレン共重合体(ETFE)などの樹脂材料が挙げられる。一方、導電性を付与する導電性フィラーとしては、たとえばカーボンブラック、金属(アルミニウム、ニッケル、銅など)及びそれらの合金、金属酸化物(酸化スズ、酸化亜鉛など)や無機酸化物(チタン酸カリウムなど)が挙げられる。とくにカーボンブラックが好ましく、たとえばファーネスブラック、ケッチェンブラック、チャネルブラックなどが挙げられる。
【0022】
また、イオン導電性を有するポリマーをフィラーとして混合させることも可能であり、例えばポリアニリン(エメラルディンベースなど)、ポリチオフェンなどを、ヨウ素などのドーパントとともに充填して用いることが可能である。また、イオン電解質をフィラーとして含有させることも可能であり、たとえばチオシアン酸カリウム、過塩素酸カリウムなどが挙げられる。
【0023】
上記中間転写ベルトの厚さは、使用目的などから適宜決定できるが、一般的には、機械的な強度や可撓性の両立の観点から、20〜500μm程度が好ましく、特に50〜130μmが好ましい。
【0024】
本発明の画像形成装置は、上記の中間転写ベルトが搭載され、以下のような構成から成る。像担持体に形成されたトナー像を中間転写体上に一次転写する第一転写手段、及び該中間転写体上に転写されたトナー像を転写材に二次転写する第二転写手段を備え、該中間転写体として前記本発明の半導電性シームレスベルトを用いる中間転写方式の画像形成装置である。
【0025】
画像形成装置としては、特に限定されるものではなく、例えば、現像装置内に単色のトナーのみを収容する通常のモノカラー画像形成装置や、像担持体上に担持されたトナー像を中間転写体に順次一次転写を繰り返すカラー画像形成装置、各色毎の現像器を備えた複数の像担持体を中間転写体上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置等が挙げられる。
【0026】
具体的には、像担持体、像担持体表面を均一に帯電する帯電手段、像担持体表面を露光し静電潜像を形成する露光手段、像担持体表面に形成された潜像を現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像手段、被転写材上のトナー像を定着する定着手段、像担持体に付着したトナーやゴミ等を除去するクリーニング手段、像担持体表面に残留している静電潜像を除去する除電手段、など必要に応じて公知の方法で任意に備えることができる。
【0027】
像担持体としては、従来公知のものを用いることができ、その感光層としては、有機系、アモルファスシリコン等公知のものを用いることができる。前記像担持体が円筒状の場合は、アルミニウム又はアルミニウム合金を押出し成型後、表面加工する等の公知の製法により得られる。またベルト状の前記像担持体を用いることも可能である。
【0028】
帯電手段としては、特に制限はなく、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器などのそれ自体公知の帯電器が挙げられる。これらの中でも、帯電補償能力に優れる点で接触型帯電器が好ましい。前記帯電手段は、前記電子写真感光体に対し、通常、直流電流を印加するが、交流電流をさらに重畳させて印加してもよい。
【0029】
露光手段としては、特に制限はなく、例えば、前記電子写真感光体表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光源、或いはこれらの光源からポリゴンミラーを介して所望の像様に露光できる光学系機器などが挙げられる。
【0030】
現像手段としては、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用い接触あるいは非接触させて現像する公知の現像器等が挙げられる。
【0031】
第一転写手段としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器などのそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。これらの中でも、転写帯電補償能力に優れる点で接触型転写帯電器が好ましい。なお、本発明においては、前記転写帯電器の外、剥離帯電器等を併用することもできる。
【0032】
第二転写手段としては、前記第一転写手段として例示した転写ローラ等の接触型転写帯電器、スコロトロン転写帯電器、コロトロン転写帯電器などが挙げられる。これらの中でも、前記第1転写手段と同様に接触型転写帯電器が好ましい。転写ローラ等の接触型転写帯電器により強く押圧するようにすると、画像の転写状態を良好な状態に維持させることができる。また、中間転写体を案内するローラの位置で転写ローラ等の接触型転写帯電器を押圧すると、中間転写体から転写材に対してトナー像を移転させる作用を良好な状態で行うことが可能になる。
【0033】
除電手段としては、例えば、タングステンランプ、LEDなどが挙げられ、除電プロセスに用いる光質としては、例えば、タングステンランプ等の白色光、LED光等の赤色光などが挙げられる。該除電プロセスにおける照射光強度としては、通常、電子写真感光体の半減露光感度を示す光量の数倍乃至30倍程度になるように出力設定される。
【0034】
定着手段としては、特に制限はなく、それ自体公知の定着器、例えば熱ローラ定着器、オーブン定着器、あるいはベルト定着器などが挙げられる。またクリーニング手段としては、特に制限はなく、それ自体公知のクリーニング装置などを用いればよい。
【0035】
【実施例】
以下では、本発明の中間転写ベルト5に関して、実施例を挙げて説明する。
【0036】
(実施例1)
基材としてPVDF(ポリフッ化ビニリデン)を、導電性フィラーとしてカーボンブラックを充填したシームレスベルトを得た。
【0037】
(実施例2)
基材としてナイロンを、導電性フィラーとしてカーボンブラックを充填したシームレスベルトを得た。
【0038】
(比較例1)
基材としてポリイミドを、導電性フィラーとしてカーボンブラックを充填した半導電性シームレスベルトを得た。
【0039】
(比較例2)
基材としてPC(ポリカーボネート)を、導電性フィラーとしてカーボンブラックを充填した半導電性シームレスベルトを得た。
【0040】
(比較例3)
基材としてSiにて変性処理を行ったポリカーボネート(SiPCと略記)を、導電性フィラーとしてカーボンブラックを充填したシームレスベルトを得た。
【0041】
シリコンによる変性は、導電性フィラーの分散性を向上させるために行った処理である。
【0042】
(評価)
実施例1〜2、比較例1〜3で得られた半導電性シームレスベルトについて、切り出した試験片の応力−ひずみ曲線(S−Sカーブ)、および画像形成装置中にて通常画像形成動作を繰り返し行う耐久試験後の永久変形の発生を調べた。なお、各評価は以下に示すとおりに行った。
【0043】
本実施例におけるS−Sカーブの測定は、(株)オリエンテック製卓上型材料試験機STA-1225を用いて行った。試験条件としては、クロスヘッド速度100mm/min、試験片幅5mm、試験片長さ100mmであり、23℃、50%Rh環境下で行った。
【0044】
本実施例において、上記の実施例1〜2、比較例1〜3の半導電性シームレスベルトを中間転写ベルトとして、下記の画像形成装置に搭載し、15万枚の画像形成を間欠で行って、ベルトの破断・永久変形の有無を目視にて確認した。
【0045】
以下に、本実施例の検証のために用いた画像形成装置の概略を示す。図1は画像形成装置の概略図である。図1中、1a〜1dは感光体ドラムであり、2a〜2dは帯電装置、3a〜3dは画像情報を担持する露光、4a〜4dはそれぞれイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの現像装置であり、5は張架された中間転写ベルトである。7a〜7dは現像されたイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの画像を中間転写ベルトに転写するための転写ブレードであり、定電圧制御がなされている。
【0046】
図1に示すような電子写真方式の画像形成装置において、まず感光体ドラム1a〜1dが帯電装置2a〜2dによって例えば負極性に帯電され、露光3a〜3dによって感光体ドラム上に静電潜像が形成され、現像器4a〜4dにより、顕像化される。このようにして現像された各色のトナー像は、転写ブレード7a〜7dによって中間転写ベルト5に順次一次転写され、さらに中間転写ベルト上のトナー像は定電流制御された転写帯電器8によって、記録材9に二次転写され、定着装置10へ搬送されることで、記録材上に画像形成を行う。
【0047】
図1中、21は張架ローラとしてのテンションローラであり、図示しないばねによって半導電性シームレスベルトである中間転写ベルト5にテンションを印加している。このテンションは非画像形成動作時も解除されることはない。ばねによって、総圧で7kgfのテンションがベルトに印加されている。また、22は駆動ローラである。
【0048】
以上の評価について、図2及び図3を用いて説明する。図2は実施例及び比較例の評価結果を示す図表であり、図3は試験片に応力を印加した時の応力−ひずみ曲線であり、図4は試験片に応力を印加したときの応力−ひずみ曲線を示す図である。
【0049】
図2に示すように、実施例1、2のベルトで永久変形による画像不良が発生した。これらの理由は、図3に示す各材質のS−Sカーブを用いて説明することができる。
【0050】
すなわち、実施例1のPVDFベルト、実施例2のナイロンベルトは延性が極めて大きく、PVDFベルトは700mm程度、ナイロンベルトは50mm程度まで伸びてはじめて破断した。ナイロンやPVDFといった、側鎖を伴わず、ベンゼン環などの比較的大きな官能基を伴わない直鎖型のポリマーは、分子内自由度が極めて大きく、さらに外場によって分子の再配置も容易に行われることから、一旦クリープが発生すると大変形を引き起こすことがS−Sカーブより推測される。
【0051】
大変形、すなわち波うち状の変形を引き起こす可能性のあるベルト材質は、以上のように、S−Sカーブを測定し、延性を評価することで類推を行うことが可能である。延性を評価する上で、εbreak/εmaxというパラメータを導入する。ここで、εbreakとは、図4に示すように、試験片に応力を印加したときの、破断点でのひずみを表す。また、εmaxとは、応力−ひずみ曲線(S−Sカーブ)で記録される最大応力値(抗張力)を印加したときのひずみを表す。
【0052】
εbreak/εmaxというパラメータは1以上の値をとる。εbreak/εmaxが1のときは、まったく変形を起こすことなく破断する材質であることを示しており、全く延性を持たないことを指している。一方で、εbreak/εmaxがより大きい値をもつことは、より大きな変形を引き起こすことを示しており、上記の考察から、波うち状の永久変形が起こることを示唆するパラメータである。
【0053】
実施例から、画像形成装置中に投入した結果、ベルトの波うちが発生したナイロンは10.48、またPVDFは110.27というεbreak/εmax値を持っている。一方で、比較例のように波うちが発生しなかったポリイミドやポリカーボネートのεbreak/εmax値は4〜6程度であり、これより、εbreak/εmax値で10程度より大きいものはベルトの波うちが発生するものと考えられ、波うちに起因する画像不良が発生しないよう、対策を要する。
【0054】
本発明では、ベルトに少なくとも1つのホームポジションを付与し、このホームポジションの位置に基づいてベルトの波うちの発生箇所を特定し、画像不良が起こらないように制御を行うことで、画像不良を回避する。また、濃度補正を正しく行うためには、波うちが起こらない箇所でテストパターンを形成するように制御を行うことで、パッチ検の誤動作を回避する。
【0055】
図8に示したように、ベルトの波うちの発生箇所は、ベルトがローラに張架されている箇所の前後である。さらに、波うちとはベルトの停止時にテンションが印加され続けることに起因する応力緩和であるから、変形が発生すると変形がある程度進展したところで緩和が終了することから、ローラに張架されている箇所の近傍のみで起こる現象であり、ベルト全体に渡って進展する変形ではない。
【0056】
さらに、変形は小径ローラや巻きかけられている量が大きいほど起こりやすいことがわかっている。従って設計の段階で、どの張架ローラの位置で最も大きな波うちが発生するかを特定しておくことが可能である。
【0057】
すなわち、中間転写ベルトの画像形成面として、最も大きな波うちを引き起こすローラに巻きかけられている箇所を避けることで、波うちの発生による画像不良や濃度補正不良を回避することができる。以下に、具体的な中間転写ベルト上への画像形成領域の選択プロセスを述べる。
【0058】
波うちの発生場所を特定するための手段として、ベルトの位置検知を行う。ベルトの位置検知は、ベルトにホームポジションを設け、画像形成装置に該ホームポジション検知手段を設けることで実現できる。
【0059】
さらに、ベルトが停止している状態において、最も波うちの発生しやすい張架ローラに掛けまわされる箇所の前後に、該ホームポジションが配設されるように回転制御を行った上で画像形成プロセスを終了する。これは、波うちが発生したとしてもホームポジション付近でのみ発生させるように限定する目的で行う制御である。
【0060】
画像形成時においては、ベルトの前回転時に該ホームポジションを検知し、該ホームポジション前後の波うちの発生箇所を避けることのできる箇所から画像形成を開始することで、波うちの発生していない領域のみを利用することが可能となる。従って、波うちの発生しない箇所で画像を形成することで画像不良の発生を避けることができ、また波うちの発生しない領域でテストパターンを形成すれば、パッチ検の誤動作をも避けることができる。
【0061】
ホームポジション検知手段は公知の手段を用いることができる。例えば、ベルトの画像形成領域外に設ける位置検知用マークを設け、マークセンサによってホームポジションを検知する方法があり、位置検知用マークとして反射テープを、マークセンサとして例えばLEDからなる発光素子とフォトトランジスタからなる受光素子とを有する反射光センサなどを用いることができる。
【0062】
しかし、本発明ではホームポジション付近で変形が発生するように制御を行うことから、反射光を利用したホームポジション検知方法を用いた場合、変形が発生した後は反射光が正しく反射光センサに照射されるとは限らず、精度が低下するおそれがあるほか、トナーの付着による汚れによって反射光量が減少し、ホームポジションが検知できなくなるおそれもあり、清掃手段を設けるなどのコストアップを伴うおそれもある。よってより好ましくは、位置検知用マークとして、図5に示すように、中間転写ベルト5にホームポジションフラグFを設け、このフラグFをフォトインタラプタFsによって検知を行う方法が好ましい。
【0063】
また、ホームポジションフラグFは中間転写ベルト5の任意の位置に装着することが可能であり、またフォトインタラプタFsはベルト周上の任意の場所に配設することが可能であるが、位置情報のフィードバックを行うことから、二次転写ニップ下流かつ最も上流の一次転写ニップのさらに上流に配設されることが望ましい。
【0064】
ホームポジションの検知は、ベルト駆動時は常時行う。これは、ベルトの波うち状の変形によってベルト周長が変化しているおそれがあるためであり、画像形成時は常に更新されるホームポジション位置情報に従って決定されるベルトの画像形成領域を用いて行う。
【0065】
次に、ベルトの画像形成領域を決定するプロセスについて述べる。ベルトの波うちが発生している箇所は、ベルトホームポジションの前後数センチメートルの領域である。波うちが、駆動方向に渡ってどの程度の長さで発生するかは、設計段階で知ることができ、この波うちのホームポジションからの最大進展長さをLwとする。さらに、図1のようにフォトインタラプタFs通過後、最上流の一次転写ニップまでのベルトに沿った長さをLt、さらにベルト周長をLとする。このとき、フォトインタラプタFsがホームポジションを検知したタイミングから、
t1[秒]=(Lw+Lt+n×L)/Vp(ただし、n=0,1,2,・・・)
だけ遅いタイミングで画像形成動作を開始する。ただし、Vpはベルトの駆動速度(プロセススピード)である。これにより、画像形成領域は、ホームポジションからさらにLw離れた箇所となるために、波うちの発生していない箇所とすることができる。
【0066】
最後に、画像形成動作の終了時のベルト位置の制御について述べる。画像形成動作終了後、ベルトのホームポジションを、最も大きな波うちを発生させるローラに巻きかけられる位置とした段階で駆動を終了させる。
【0067】
すなわち、フォトインタラプタFs通過後、最も大きな波うちを発生させる張架ローラに巻きかけられる領域の中心までの距離をLrとすると、
t2[秒]=Lr/Vp
だけ遅いタイミングでベルトの駆動をオフにすることで、ベルトホームポジションが、最も大きな波うちを発生させるローラに巻きかけられている状態で、画像形成動作を終了することができる。
【0068】
上記のように、εbreak/εmax>10を満たすような、波うち状の永久変形を引き起こすベルトを中間転写体として用いる場合、ベルトのホームポジション検知を行う。その上でホームポジション位置でベルトの変形が発生するように制御を行い、さらに画像形成時はホームポジション近辺の波うち発生部を避けて画像形成領域を形成することで、波うち状のベルト変形による画像劣化を避けることができる。
【0069】
その他、本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0070】
[実施態様1]
像担持体と、該像担持体上に形成された画像を一次転写する中間転写体とを有し、該中間転写体上に転写された画像を記録材に二次転写して画像を形成する画像形成装置において、前記中間転写体は樹脂に導電性フィラーを含有してなるシームレスベルトであり、前記中間転写体の、応力−ひずみ曲線で記録される最大応力値(抗張力)を印加したときのひずみをεmax、破断点でのひずみをεbreakとすると、εbreak /εmax>10を満たし、前記中間転写体の周方向において、ホームポジションを有し、該ホームポジションの検知信号に基づいて該中間転写体上の画像形成領域を決定することを特徴とする画像形成装置。
【0071】
[実施態様2]
像担持体と、該像担持体上に形成された画像を一次転写する中間転写体とを有し、該中間転写体上に転写された画像を記録材に二次転写して画像を形成する画像形成装置において、前記中間転写体は樹脂に導電性フィラーを含有してなるシームレスベルトであり、前記中間転写体の、応力−ひずみ曲線で記録される最大応力値(抗張力)を印加したときのひずみをεmax、破断点でのひずみをεbreakとすると、εbreak /εmax>10を満たし、前記中間転写体の周方向において、ホームポジションを有し、該ホームポジションの検知信号に基づいて該中間転写体上に形成する、画像濃度を判定するための濃度パターンを決定することを特徴とする画像形成装置。
【0072】
[実施態様3]
前記中間転写体は、画像形成動作時、前記中間転写体の非画像担持面から当接する複数のローラによって張架されている状態で回転駆動を受けることを特徴とする実施態様1又は実施態様2に記載の画像形成装置。
【0073】
[実施態様4]
前記中間転写体は、非画像形成時、前記ホームポジションが前記複数のローラのうち、最も前記中間転写体の変形が発生しやすいローラの付近に配設されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【0074】
【発明の効果】
以上のように、本発明においては、中間転写体の周方向において、ホームポジションを有し、該ホームポジションの検知信号に基づいて該中間転写体上の画像形成領域を決定することを特徴とするため、前記中間転写体の波うちに起因する画像形成時の不具合を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の概略図である。
【図2】実施例及び比較例の評価結果を示す図表である。
【図3】試験片に応力を印加した時の応力−ひずみ曲線である。
【図4】試験片に応力を印加したときの応力−ひずみ曲線を示す図である。
【図5】ホームポジションフラグを設け、フォトインタラプタによって検知を行う方法を示す図である。
【図6】タンデム型のフルカラー画像形成装置(例えばフルカラー複写機)の一例を示す概略構成図である。
【図7】ベルトの変形を説明するための図である。
【図8】ベルトの波うち(変形)を説明するための図である。
【図9】ベルトの波うちによる画像劣化を説明するための図である。
【図10】濃度補正制御の説明図である。
【符号の説明】
F …ホームポジションフラグ、Fs …フォトインタラプタ、
1 …感光体ドラム、2 …帯電装置、
3 …露光、4 …現像装置、5 …中間転写ベルト、
7 …転写ブレード、8 …転写帯電器、9 …記録材、10 …定着装置、
21 …テンションローラ、22 …駆動ローラ、
101 …感光体ドラム、102 …帯電ローラ、103 …露光手段、
104 …現像手段、106 …中間転写ベルト、111 …クリーニング装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式あるいは静電記録方式にて、各色成分トナー像を記録材上に転写して画像を得る多色画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術を図6乃至図10を用いて説明する。図6はタンデム型のフルカラー画像形成装置(例えばフルカラー複写機)の一例を示す概略構成図であり、図7はベルトの変形を説明するための図であり、図8はベルトの波うち(変形)を説明するための図であり、図9はベルトの波うちによる画像劣化を説明するための図であり、図10は濃度補正制御の説明図である。
【0003】
本画像形成装置は、第一の像担持体である感光体ドラム101を備えた画像形成装置であり、感光体ドラム101は図示しない駆動手段によって図中矢印の方向に回転自在に支持されている。感光体ドラム101の周囲には、帯電ローラ102、露光手段103、現像手段104、クリーニング装置111が、また中間転写ベルト106を挟んで一次転写手段171が配設されている。
【0004】
感光体ドラム101は円筒状のアルミシリンダの外周面に有機感光体(OPC)層が形成されて構成されている。また帯電ローラ102は芯金上に導電性のゴム層、および中抵抗表面層を設けて構成され、感光体ドラム表面に接触配置されており、帯電ローラ102に直流バイアスおよび交流バイアスの重畳バイアスを印加して、感光体ドラム101表面を一様に帯電させる。露光装置103は、画像情報に従った信号がレーザードライバに入力されるとレーザー光を発光し、感光体ドラム101表面を照射することで、感光体ドラム101表面に静電潜像が形成される。
【0005】
現像手段104は、イエロー104a、マゼンダ104b、シアン104c、ブラック104d各色のトナー像を現像する現像器を収納した回転可能なロータリー現像器である。現像に際しては、感光体ドラム101と対向する位置に、各色成分の現像剤を収容した現像器を回転交換し、静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する。
【0006】
中間転写ベルト106を挟んで感光体ドラム101と対向する位置には、感光体ドラム101上の各色成分のトナー像を中間転写ベルト106上に転写する一次転写ローラ171が配設されている。また中間転写ベルト106は、駆動ローラ162、テンションローラ161、一次転写ローラ171、従動ローラ722の4本のローラによって張架されている。また、従動ローラ722と対向する位置には、中間転写ベルト106を挟んで二次転写ローラ721が配設され、中間転写ベルト106上に積層されたトナー像を転写材P上に一括転写を行う。
【0007】
感光体ドラム101のクリーニング装置111は、感光体ドラム駆動方向における、一次転写部の下流に配設され、一次転写部において、中間転写ベルト106に転写されずに感光体ドラム101上に残った転写残トナーの除去を行う。中間転写ベルトのクリーニング装置108は、中間転写ベルト106の駆動方向の二次転写部下流に配設され、二次転写部における転写残トナーの除去を行う。また、定着器109は、定着ローラ191と加圧ローラ192の2本のローラを有し、転写材P上に転写されたトナー像を加熱加圧することで定着するものである。
【0008】
上記構成の画像形成装置の動作を説明する。感光体ドラムを図中矢印の方向に回転駆動し、帯電ローラに帯電バイアスを印加して感光体ドラム表面を均一に帯電する。
【0009】
次にイエローの色成分の画像情報に応じて、露光手段によって感光体を露光し、イエロー成分の静電潜像を形成する。ロータリー現像器を回転して、イエロートナーを収容したイエロー現像器を感光体ドラム対向位置に配置し、感光体ドラム上の静電潜像にイエロートナーを付着させてイエロートナー像を形成する。
【0010】
そして、感光体ドラム上のイエロートナー像を、一次転写ローラに一次転写バイアスを印加することで、中間転写ベルト上にイエロートナー像を転写する。
【0011】
同様に、マゼンダ、シアン、ブラック各色成分のトナー像を順に感光体ドラム上に形成した後に、中間転写ベルト上で積層することで、中間転写ベルト上に4色のトナー像を形成する。
【0012】
中間転写ベルト上の4色のトナー層は、二次転写ローラに転写バイアスを印加することで、所定のタイミングで搬送されてくる転写材上に一括して二次転写され、定着器によって定着され、フルカラーの永久画像として得ることができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような画像形成装置において、テンションを印加して回転駆動を行う中間転写ベルト106には、ベルトの波うちによって画像不良が起こるおそれがある。図7に示すように、中間転写ベルト106は、駆動手段によって回転駆動される駆動ローラ162や、ベルトを張架するためにテンションを印加するテンションローラ161など、少なくとも2本以上のローラによって張架されている。駆動を受けていない状態において、テンションを印加しつづけると、図8に示すように、ベルト材質の応力緩和によって、例えばベルトの駆動ローラ162に巻きかけられている部分の周囲で、ベルトのスラスト方向について、波うち状のクリープ(永久変形)Cが発生する。このような波打ちの発生した箇所においては、画像不良が発生したり、パッチ検による濃度補正制御が正しく機能しないおそれがある。
【0014】
画像不良の発生ベルトの波打ちによって、転写ニップにおいて抵抗ムラが発生することに起因する。また、濃度補正制御が正しく機能しない理由の一つとしては、前記抵抗ムラにより、テストパターンTpが正しくベルト上に転写されないことに起因する。具体的には、図9(a)及び(c)に示すように、波打ちの発生したベルトを用いた場合、感光体ドラム101とベルト106が正しく接触することがなく、さらには一次転写ローラ171とベルト106の裏面との間に空隙ができる。同様に、二次転写部においては、図9(b)のように二次転写ローラ対721、722や転写材P、中間転写ベルト106が正しく接触せず、空隙が形成される。
【0015】
このように、スラスト方向にいくつかの空隙が形成されると、空隙が形成されたところでは、きちんとニップが形成されている箇所に比べて電界が小さくなってしまう。このため、空隙の存在箇所で画像不良が発生したり、濃度補正制御が正しく機能しないおそれが生じる。
【0016】
また、濃度補正制御が正しく機能しないもう一つの理由として、波うちが発生している箇所において、センサPsの発光素子から発せられた光信号が、受光素子に正しく受け取られないことがあげられる。図10(a)に示すように、パッチ検センサとして、反射光量から濃度情報を得るタイプのものである場合、ベルト106が平面である場合を想定して発光素子、受光素子の角度が設計されている。しかしベルトの波うちが発生し大きな湾曲が生じてしまうと、図10(b)に示すように、反射光の進行方向外としない方向となってしまい、受光素子に正しく受光されないおそれがある。これによって正しい濃度情報を得ることができず、濃度補正が正しく行なわれない場合がある。
【0017】
本発明は、上記のような理由による中間転写体の波うちに起因する画像形成時の不具合を防止することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための、本発明の代表的な構成は、像担持体と、該像担持体上に形成された画像を一次転写する中間転写体とを有し、該中間転写体上に転写された画像を記録材に二次転写して画像を形成する画像形成装置において、前記中間転写体は樹脂に導電性フィラーを含有してなるシームレスベルトであり、前記中間転写体の、応力−ひずみ曲線で記録される最大応力値(抗張力)を印加したときのひずみをεmax、破断点でのひずみをεbreakとすると、εbreak /εmax>10を満たし、前記中間転写体の周方向において、ホームポジションを有し、該ホームポジションの検知信号に基づいて該中間転写体上の画像形成領域を決定することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
【0020】
本発明の画像形成装置に搭載される中間転写ベルトは、基材となる樹脂中に導電性フィラーを含有して成るものである。
【0021】
基材となる樹脂としては、たとえばポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ナイロン(ポリアミド)、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フロロエチレン―エチレン共重合体(ETFE)などの樹脂材料が挙げられる。一方、導電性を付与する導電性フィラーとしては、たとえばカーボンブラック、金属(アルミニウム、ニッケル、銅など)及びそれらの合金、金属酸化物(酸化スズ、酸化亜鉛など)や無機酸化物(チタン酸カリウムなど)が挙げられる。とくにカーボンブラックが好ましく、たとえばファーネスブラック、ケッチェンブラック、チャネルブラックなどが挙げられる。
【0022】
また、イオン導電性を有するポリマーをフィラーとして混合させることも可能であり、例えばポリアニリン(エメラルディンベースなど)、ポリチオフェンなどを、ヨウ素などのドーパントとともに充填して用いることが可能である。また、イオン電解質をフィラーとして含有させることも可能であり、たとえばチオシアン酸カリウム、過塩素酸カリウムなどが挙げられる。
【0023】
上記中間転写ベルトの厚さは、使用目的などから適宜決定できるが、一般的には、機械的な強度や可撓性の両立の観点から、20〜500μm程度が好ましく、特に50〜130μmが好ましい。
【0024】
本発明の画像形成装置は、上記の中間転写ベルトが搭載され、以下のような構成から成る。像担持体に形成されたトナー像を中間転写体上に一次転写する第一転写手段、及び該中間転写体上に転写されたトナー像を転写材に二次転写する第二転写手段を備え、該中間転写体として前記本発明の半導電性シームレスベルトを用いる中間転写方式の画像形成装置である。
【0025】
画像形成装置としては、特に限定されるものではなく、例えば、現像装置内に単色のトナーのみを収容する通常のモノカラー画像形成装置や、像担持体上に担持されたトナー像を中間転写体に順次一次転写を繰り返すカラー画像形成装置、各色毎の現像器を備えた複数の像担持体を中間転写体上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置等が挙げられる。
【0026】
具体的には、像担持体、像担持体表面を均一に帯電する帯電手段、像担持体表面を露光し静電潜像を形成する露光手段、像担持体表面に形成された潜像を現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像手段、被転写材上のトナー像を定着する定着手段、像担持体に付着したトナーやゴミ等を除去するクリーニング手段、像担持体表面に残留している静電潜像を除去する除電手段、など必要に応じて公知の方法で任意に備えることができる。
【0027】
像担持体としては、従来公知のものを用いることができ、その感光層としては、有機系、アモルファスシリコン等公知のものを用いることができる。前記像担持体が円筒状の場合は、アルミニウム又はアルミニウム合金を押出し成型後、表面加工する等の公知の製法により得られる。またベルト状の前記像担持体を用いることも可能である。
【0028】
帯電手段としては、特に制限はなく、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器などのそれ自体公知の帯電器が挙げられる。これらの中でも、帯電補償能力に優れる点で接触型帯電器が好ましい。前記帯電手段は、前記電子写真感光体に対し、通常、直流電流を印加するが、交流電流をさらに重畳させて印加してもよい。
【0029】
露光手段としては、特に制限はなく、例えば、前記電子写真感光体表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光源、或いはこれらの光源からポリゴンミラーを介して所望の像様に露光できる光学系機器などが挙げられる。
【0030】
現像手段としては、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用い接触あるいは非接触させて現像する公知の現像器等が挙げられる。
【0031】
第一転写手段としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器などのそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。これらの中でも、転写帯電補償能力に優れる点で接触型転写帯電器が好ましい。なお、本発明においては、前記転写帯電器の外、剥離帯電器等を併用することもできる。
【0032】
第二転写手段としては、前記第一転写手段として例示した転写ローラ等の接触型転写帯電器、スコロトロン転写帯電器、コロトロン転写帯電器などが挙げられる。これらの中でも、前記第1転写手段と同様に接触型転写帯電器が好ましい。転写ローラ等の接触型転写帯電器により強く押圧するようにすると、画像の転写状態を良好な状態に維持させることができる。また、中間転写体を案内するローラの位置で転写ローラ等の接触型転写帯電器を押圧すると、中間転写体から転写材に対してトナー像を移転させる作用を良好な状態で行うことが可能になる。
【0033】
除電手段としては、例えば、タングステンランプ、LEDなどが挙げられ、除電プロセスに用いる光質としては、例えば、タングステンランプ等の白色光、LED光等の赤色光などが挙げられる。該除電プロセスにおける照射光強度としては、通常、電子写真感光体の半減露光感度を示す光量の数倍乃至30倍程度になるように出力設定される。
【0034】
定着手段としては、特に制限はなく、それ自体公知の定着器、例えば熱ローラ定着器、オーブン定着器、あるいはベルト定着器などが挙げられる。またクリーニング手段としては、特に制限はなく、それ自体公知のクリーニング装置などを用いればよい。
【0035】
【実施例】
以下では、本発明の中間転写ベルト5に関して、実施例を挙げて説明する。
【0036】
(実施例1)
基材としてPVDF(ポリフッ化ビニリデン)を、導電性フィラーとしてカーボンブラックを充填したシームレスベルトを得た。
【0037】
(実施例2)
基材としてナイロンを、導電性フィラーとしてカーボンブラックを充填したシームレスベルトを得た。
【0038】
(比較例1)
基材としてポリイミドを、導電性フィラーとしてカーボンブラックを充填した半導電性シームレスベルトを得た。
【0039】
(比較例2)
基材としてPC(ポリカーボネート)を、導電性フィラーとしてカーボンブラックを充填した半導電性シームレスベルトを得た。
【0040】
(比較例3)
基材としてSiにて変性処理を行ったポリカーボネート(SiPCと略記)を、導電性フィラーとしてカーボンブラックを充填したシームレスベルトを得た。
【0041】
シリコンによる変性は、導電性フィラーの分散性を向上させるために行った処理である。
【0042】
(評価)
実施例1〜2、比較例1〜3で得られた半導電性シームレスベルトについて、切り出した試験片の応力−ひずみ曲線(S−Sカーブ)、および画像形成装置中にて通常画像形成動作を繰り返し行う耐久試験後の永久変形の発生を調べた。なお、各評価は以下に示すとおりに行った。
【0043】
本実施例におけるS−Sカーブの測定は、(株)オリエンテック製卓上型材料試験機STA-1225を用いて行った。試験条件としては、クロスヘッド速度100mm/min、試験片幅5mm、試験片長さ100mmであり、23℃、50%Rh環境下で行った。
【0044】
本実施例において、上記の実施例1〜2、比較例1〜3の半導電性シームレスベルトを中間転写ベルトとして、下記の画像形成装置に搭載し、15万枚の画像形成を間欠で行って、ベルトの破断・永久変形の有無を目視にて確認した。
【0045】
以下に、本実施例の検証のために用いた画像形成装置の概略を示す。図1は画像形成装置の概略図である。図1中、1a〜1dは感光体ドラムであり、2a〜2dは帯電装置、3a〜3dは画像情報を担持する露光、4a〜4dはそれぞれイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの現像装置であり、5は張架された中間転写ベルトである。7a〜7dは現像されたイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの画像を中間転写ベルトに転写するための転写ブレードであり、定電圧制御がなされている。
【0046】
図1に示すような電子写真方式の画像形成装置において、まず感光体ドラム1a〜1dが帯電装置2a〜2dによって例えば負極性に帯電され、露光3a〜3dによって感光体ドラム上に静電潜像が形成され、現像器4a〜4dにより、顕像化される。このようにして現像された各色のトナー像は、転写ブレード7a〜7dによって中間転写ベルト5に順次一次転写され、さらに中間転写ベルト上のトナー像は定電流制御された転写帯電器8によって、記録材9に二次転写され、定着装置10へ搬送されることで、記録材上に画像形成を行う。
【0047】
図1中、21は張架ローラとしてのテンションローラであり、図示しないばねによって半導電性シームレスベルトである中間転写ベルト5にテンションを印加している。このテンションは非画像形成動作時も解除されることはない。ばねによって、総圧で7kgfのテンションがベルトに印加されている。また、22は駆動ローラである。
【0048】
以上の評価について、図2及び図3を用いて説明する。図2は実施例及び比較例の評価結果を示す図表であり、図3は試験片に応力を印加した時の応力−ひずみ曲線であり、図4は試験片に応力を印加したときの応力−ひずみ曲線を示す図である。
【0049】
図2に示すように、実施例1、2のベルトで永久変形による画像不良が発生した。これらの理由は、図3に示す各材質のS−Sカーブを用いて説明することができる。
【0050】
すなわち、実施例1のPVDFベルト、実施例2のナイロンベルトは延性が極めて大きく、PVDFベルトは700mm程度、ナイロンベルトは50mm程度まで伸びてはじめて破断した。ナイロンやPVDFといった、側鎖を伴わず、ベンゼン環などの比較的大きな官能基を伴わない直鎖型のポリマーは、分子内自由度が極めて大きく、さらに外場によって分子の再配置も容易に行われることから、一旦クリープが発生すると大変形を引き起こすことがS−Sカーブより推測される。
【0051】
大変形、すなわち波うち状の変形を引き起こす可能性のあるベルト材質は、以上のように、S−Sカーブを測定し、延性を評価することで類推を行うことが可能である。延性を評価する上で、εbreak/εmaxというパラメータを導入する。ここで、εbreakとは、図4に示すように、試験片に応力を印加したときの、破断点でのひずみを表す。また、εmaxとは、応力−ひずみ曲線(S−Sカーブ)で記録される最大応力値(抗張力)を印加したときのひずみを表す。
【0052】
εbreak/εmaxというパラメータは1以上の値をとる。εbreak/εmaxが1のときは、まったく変形を起こすことなく破断する材質であることを示しており、全く延性を持たないことを指している。一方で、εbreak/εmaxがより大きい値をもつことは、より大きな変形を引き起こすことを示しており、上記の考察から、波うち状の永久変形が起こることを示唆するパラメータである。
【0053】
実施例から、画像形成装置中に投入した結果、ベルトの波うちが発生したナイロンは10.48、またPVDFは110.27というεbreak/εmax値を持っている。一方で、比較例のように波うちが発生しなかったポリイミドやポリカーボネートのεbreak/εmax値は4〜6程度であり、これより、εbreak/εmax値で10程度より大きいものはベルトの波うちが発生するものと考えられ、波うちに起因する画像不良が発生しないよう、対策を要する。
【0054】
本発明では、ベルトに少なくとも1つのホームポジションを付与し、このホームポジションの位置に基づいてベルトの波うちの発生箇所を特定し、画像不良が起こらないように制御を行うことで、画像不良を回避する。また、濃度補正を正しく行うためには、波うちが起こらない箇所でテストパターンを形成するように制御を行うことで、パッチ検の誤動作を回避する。
【0055】
図8に示したように、ベルトの波うちの発生箇所は、ベルトがローラに張架されている箇所の前後である。さらに、波うちとはベルトの停止時にテンションが印加され続けることに起因する応力緩和であるから、変形が発生すると変形がある程度進展したところで緩和が終了することから、ローラに張架されている箇所の近傍のみで起こる現象であり、ベルト全体に渡って進展する変形ではない。
【0056】
さらに、変形は小径ローラや巻きかけられている量が大きいほど起こりやすいことがわかっている。従って設計の段階で、どの張架ローラの位置で最も大きな波うちが発生するかを特定しておくことが可能である。
【0057】
すなわち、中間転写ベルトの画像形成面として、最も大きな波うちを引き起こすローラに巻きかけられている箇所を避けることで、波うちの発生による画像不良や濃度補正不良を回避することができる。以下に、具体的な中間転写ベルト上への画像形成領域の選択プロセスを述べる。
【0058】
波うちの発生場所を特定するための手段として、ベルトの位置検知を行う。ベルトの位置検知は、ベルトにホームポジションを設け、画像形成装置に該ホームポジション検知手段を設けることで実現できる。
【0059】
さらに、ベルトが停止している状態において、最も波うちの発生しやすい張架ローラに掛けまわされる箇所の前後に、該ホームポジションが配設されるように回転制御を行った上で画像形成プロセスを終了する。これは、波うちが発生したとしてもホームポジション付近でのみ発生させるように限定する目的で行う制御である。
【0060】
画像形成時においては、ベルトの前回転時に該ホームポジションを検知し、該ホームポジション前後の波うちの発生箇所を避けることのできる箇所から画像形成を開始することで、波うちの発生していない領域のみを利用することが可能となる。従って、波うちの発生しない箇所で画像を形成することで画像不良の発生を避けることができ、また波うちの発生しない領域でテストパターンを形成すれば、パッチ検の誤動作をも避けることができる。
【0061】
ホームポジション検知手段は公知の手段を用いることができる。例えば、ベルトの画像形成領域外に設ける位置検知用マークを設け、マークセンサによってホームポジションを検知する方法があり、位置検知用マークとして反射テープを、マークセンサとして例えばLEDからなる発光素子とフォトトランジスタからなる受光素子とを有する反射光センサなどを用いることができる。
【0062】
しかし、本発明ではホームポジション付近で変形が発生するように制御を行うことから、反射光を利用したホームポジション検知方法を用いた場合、変形が発生した後は反射光が正しく反射光センサに照射されるとは限らず、精度が低下するおそれがあるほか、トナーの付着による汚れによって反射光量が減少し、ホームポジションが検知できなくなるおそれもあり、清掃手段を設けるなどのコストアップを伴うおそれもある。よってより好ましくは、位置検知用マークとして、図5に示すように、中間転写ベルト5にホームポジションフラグFを設け、このフラグFをフォトインタラプタFsによって検知を行う方法が好ましい。
【0063】
また、ホームポジションフラグFは中間転写ベルト5の任意の位置に装着することが可能であり、またフォトインタラプタFsはベルト周上の任意の場所に配設することが可能であるが、位置情報のフィードバックを行うことから、二次転写ニップ下流かつ最も上流の一次転写ニップのさらに上流に配設されることが望ましい。
【0064】
ホームポジションの検知は、ベルト駆動時は常時行う。これは、ベルトの波うち状の変形によってベルト周長が変化しているおそれがあるためであり、画像形成時は常に更新されるホームポジション位置情報に従って決定されるベルトの画像形成領域を用いて行う。
【0065】
次に、ベルトの画像形成領域を決定するプロセスについて述べる。ベルトの波うちが発生している箇所は、ベルトホームポジションの前後数センチメートルの領域である。波うちが、駆動方向に渡ってどの程度の長さで発生するかは、設計段階で知ることができ、この波うちのホームポジションからの最大進展長さをLwとする。さらに、図1のようにフォトインタラプタFs通過後、最上流の一次転写ニップまでのベルトに沿った長さをLt、さらにベルト周長をLとする。このとき、フォトインタラプタFsがホームポジションを検知したタイミングから、
t1[秒]=(Lw+Lt+n×L)/Vp(ただし、n=0,1,2,・・・)
だけ遅いタイミングで画像形成動作を開始する。ただし、Vpはベルトの駆動速度(プロセススピード)である。これにより、画像形成領域は、ホームポジションからさらにLw離れた箇所となるために、波うちの発生していない箇所とすることができる。
【0066】
最後に、画像形成動作の終了時のベルト位置の制御について述べる。画像形成動作終了後、ベルトのホームポジションを、最も大きな波うちを発生させるローラに巻きかけられる位置とした段階で駆動を終了させる。
【0067】
すなわち、フォトインタラプタFs通過後、最も大きな波うちを発生させる張架ローラに巻きかけられる領域の中心までの距離をLrとすると、
t2[秒]=Lr/Vp
だけ遅いタイミングでベルトの駆動をオフにすることで、ベルトホームポジションが、最も大きな波うちを発生させるローラに巻きかけられている状態で、画像形成動作を終了することができる。
【0068】
上記のように、εbreak/εmax>10を満たすような、波うち状の永久変形を引き起こすベルトを中間転写体として用いる場合、ベルトのホームポジション検知を行う。その上でホームポジション位置でベルトの変形が発生するように制御を行い、さらに画像形成時はホームポジション近辺の波うち発生部を避けて画像形成領域を形成することで、波うち状のベルト変形による画像劣化を避けることができる。
【0069】
その他、本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0070】
[実施態様1]
像担持体と、該像担持体上に形成された画像を一次転写する中間転写体とを有し、該中間転写体上に転写された画像を記録材に二次転写して画像を形成する画像形成装置において、前記中間転写体は樹脂に導電性フィラーを含有してなるシームレスベルトであり、前記中間転写体の、応力−ひずみ曲線で記録される最大応力値(抗張力)を印加したときのひずみをεmax、破断点でのひずみをεbreakとすると、εbreak /εmax>10を満たし、前記中間転写体の周方向において、ホームポジションを有し、該ホームポジションの検知信号に基づいて該中間転写体上の画像形成領域を決定することを特徴とする画像形成装置。
【0071】
[実施態様2]
像担持体と、該像担持体上に形成された画像を一次転写する中間転写体とを有し、該中間転写体上に転写された画像を記録材に二次転写して画像を形成する画像形成装置において、前記中間転写体は樹脂に導電性フィラーを含有してなるシームレスベルトであり、前記中間転写体の、応力−ひずみ曲線で記録される最大応力値(抗張力)を印加したときのひずみをεmax、破断点でのひずみをεbreakとすると、εbreak /εmax>10を満たし、前記中間転写体の周方向において、ホームポジションを有し、該ホームポジションの検知信号に基づいて該中間転写体上に形成する、画像濃度を判定するための濃度パターンを決定することを特徴とする画像形成装置。
【0072】
[実施態様3]
前記中間転写体は、画像形成動作時、前記中間転写体の非画像担持面から当接する複数のローラによって張架されている状態で回転駆動を受けることを特徴とする実施態様1又は実施態様2に記載の画像形成装置。
【0073】
[実施態様4]
前記中間転写体は、非画像形成時、前記ホームポジションが前記複数のローラのうち、最も前記中間転写体の変形が発生しやすいローラの付近に配設されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【0074】
【発明の効果】
以上のように、本発明においては、中間転写体の周方向において、ホームポジションを有し、該ホームポジションの検知信号に基づいて該中間転写体上の画像形成領域を決定することを特徴とするため、前記中間転写体の波うちに起因する画像形成時の不具合を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の概略図である。
【図2】実施例及び比較例の評価結果を示す図表である。
【図3】試験片に応力を印加した時の応力−ひずみ曲線である。
【図4】試験片に応力を印加したときの応力−ひずみ曲線を示す図である。
【図5】ホームポジションフラグを設け、フォトインタラプタによって検知を行う方法を示す図である。
【図6】タンデム型のフルカラー画像形成装置(例えばフルカラー複写機)の一例を示す概略構成図である。
【図7】ベルトの変形を説明するための図である。
【図8】ベルトの波うち(変形)を説明するための図である。
【図9】ベルトの波うちによる画像劣化を説明するための図である。
【図10】濃度補正制御の説明図である。
【符号の説明】
F …ホームポジションフラグ、Fs …フォトインタラプタ、
1 …感光体ドラム、2 …帯電装置、
3 …露光、4 …現像装置、5 …中間転写ベルト、
7 …転写ブレード、8 …転写帯電器、9 …記録材、10 …定着装置、
21 …テンションローラ、22 …駆動ローラ、
101 …感光体ドラム、102 …帯電ローラ、103 …露光手段、
104 …現像手段、106 …中間転写ベルト、111 …クリーニング装置
Claims (1)
- 像担持体と、該像担持体上に形成された画像を一次転写する中間転写体とを有し、該中間転写体上に転写された画像を記録材に二次転写して画像を形成する画像形成装置において、
前記中間転写体は樹脂に導電性フィラーを含有してなるシームレスベルトであり、
前記中間転写体の、応力−ひずみ曲線で記録される最大応力値(抗張力)を印加したときのひずみをεmax、破断点でのひずみをεbreakとすると、εbreak /εmax>10を満たし、
前記中間転写体の周方向において、ホームポジションを有し、該ホームポジションの検知信号に基づいて該中間転写体上の画像形成領域を決定することを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002374001A JP2004205757A (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002374001A JP2004205757A (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 画像形成装置 |
Publications (1)
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JP2004205757A true JP2004205757A (ja) | 2004-07-22 |
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ID=32812146
Family Applications (1)
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JP2002374001A Pending JP2004205757A (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 画像形成装置 |
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JP (1) | JP2004205757A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011059578A (ja) * | 2009-09-14 | 2011-03-24 | Oki Data Corp | ベルト駆動装置及び画像形成装置 |
-
2002
- 2002-12-25 JP JP2002374001A patent/JP2004205757A/ja active Pending
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