JP2004205402A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】カメラ等の撮像装置内に、被写体と撮像装置間の距離を高速に検出し、かつ、焦点調節を容易にするマイクロ波又はミリ波信号を利用するレーダを内装する。
【解決手段】被写体までの距離を検知する距離検知手段を内蔵した撮像装置であって、被写体の位置検出の為、マイクロ波又はミリ波信号の高周波信号を発生する発振器と、上記高周波信号ほぼ平行に被写体に向け照射し、被写体からの反射信号を受信する平面状アンテナと、上記高周波信号と上記反射信号より生成されるビート信号を取り混合器と、上記ビート信号から被写体までの距離を算出する信号処理手段を備え、少なくとも上記発振器、上記平面状アンテナ及び混合器が半導体チップ上に形成され、上記半導体チップが撮像装置の筐体内に装着される。
【選択図】 図1
【解決手段】被写体までの距離を検知する距離検知手段を内蔵した撮像装置であって、被写体の位置検出の為、マイクロ波又はミリ波信号の高周波信号を発生する発振器と、上記高周波信号ほぼ平行に被写体に向け照射し、被写体からの反射信号を受信する平面状アンテナと、上記高周波信号と上記反射信号より生成されるビート信号を取り混合器と、上記ビート信号から被写体までの距離を算出する信号処理手段を備え、少なくとも上記発振器、上記平面状アンテナ及び混合器が半導体チップ上に形成され、上記半導体チップが撮像装置の筐体内に装着される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像装置、更に詳しく言えば、マイクロ波又はミリ波を用いる高周波レーダの距離検知機能を利用したカメラ等の撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
カメラ、ビデオカメラ等の民生用撮像装置に組み込まれる焦点自動調節装置として、現在は「コントラスト検知方式」が最も一般的に採用されている。このコントラスト検知方式の自動調節の動作は、図6の動作フローに示すように、撮像素子であるCCD上に結像した被写体のコントラストを検知し数値化し(s1)、撮像用レンズの合焦距離を組み込まれたモーターにより動かした際(s2)のコントラストの変動をモニタする。モーターをフィードバック動作させ、被写体のコントラストが最大となる(s3)位置をもって合焦状態と判断し(s4)、撮影される(s5)。
【0003】
また、映画用カメラのレンジファインだとして周波数変調連続波レーダを使用するミリ波レーダ技術が提案されている(特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−232338号公報。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記「コントラスト検知方式」の焦点自動調節装置は、撮像レンズの合焦距離をモーターによりフィードバック制御する必要がある。そのため、必ずレンズを前後に動かして被写体のコントラストの変化を検出する必要があり、焦点調節の高速化に限界がある。
【0006】
また、コントラスト検知方式は、CCD等の撮像素子上に結像した被写体そのもののコントラストを見るため、見かけ上コントラストが極端に低い被写体に対して焦点調節ができない。また、被写体が可視光線で見えなければコントラストの検知も不可能であるから、ストロボ撮影が必要な暗い場所での焦点調節ができないという問題がある。
【0007】
また、上記映画用カメラのレンジファインダとして周波数変調連続波レーダを使用するミリ波レーダ技術では、レンジファインダと撮像装置本体とは離れて設けられ、レンジファインダで得た距離情報をケーブル又は無線によって、撮像装置本体に備えられた制御装置に送るものであるため、通常の小型カメラ等に実施することは困難である。
【0008】
従って、本発明の主な目的は、撮像装置に内装でき、コントラストが極端に低い被写体に対しても焦点調節ができ、かつ高速で焦点調節ができる撮像装置を実現することである。
本発明の他の目的は、上記主な目的を達成すると同時に撮像装置内に距離計測手段を内蔵した撮像装置を実現することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の撮像装置は、被写体の位置検出機能をもつマイクロ波又はミリ波信号を利用したレーダを小型化して、距離計測手段として撮像装置内に内蔵して構成される。すなわち、距離計測手段は、マイクロ波又はミリ波信号の高周波信号を発生する発振器と上記高周波信号を略平行に被写体に向け照射し、上記被写体からの反射信号を受信する平面状アンテナと、上記高周波信号と上記反射信号とから生成されるビート信号を得る混合器と、上記ビート信号から被写体までの距離を算出する信号処理手段を備え、少なくとも上記発振器、上記平面状アンテナ及び混合器が半導体チップ上に形成される。
【0010】
本発明の好ましい実施形態では、上記距離計測手段で得られた距離情報を用いて撮像レンズの焦点を自動的に調節する自動焦点調節手段を設けて構成される。
【0011】
本発明によれば、マイクロ波又はミリ波を使用したレーダで被写体の距離を検出するため、見かけ上コントラストが極端に低い被写体の距離を高速に検出できる。被写体と撮像装置と間の距離測定手段がMMIC基板上にレーダ素子として形成されるため、極めて小型化でき、撮像装置内に内装できる。測定された距離情報を撮像レンズの焦点の調節機構と連動することで自動焦点の撮像装置を実現できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を実施例について、図を用いて説明する。
図1は、本発明によるカメラの一実施形態の模式図を示す。
カメラ1の筐体には、撮像用のレンズ2と、レンズ2の近傍には、マイクロ波又はミリ波の高周波信号の送受信を行い、被写体4とカメラ1との間の距離を検出するレーダ素子7とが内蔵される。レーダ素子7の一部を構成する誘電体レンズ3がカメラ筐体外部に露出するように装着される。誘電体レンズ3を介して被写体4に向かって、マイクロ波又はミリ波の高周波信号の電波ビーム(送信波)5がほぼ平行に送出される。送出された高周波信号5は被写体4により反射され、反射信号(受信波)6として誘電体レンズ3を介してレーダ素子7に取り込まれる。
【0013】
レーダ素子7は、後述するように、少なくともマイクロ波又はミリ波信号の高周波信号を発生する発振器と、上記高周波信号の一部を被写体に向かって送出し、かつ上記被写体で反射された電波信号を受信する平面状アンテナと、上記送信信号と被写体からの反射信号より生成されるビート信号を取り出す混合器と、上記ビート信号を用いて上記被写体とレンズ2との間の距離を求める信号処理手段とをもち、少なくとも上記発振器、平面状アンテナ、混合器は、一つの半導体チップ上に形成される。
【0014】
信号処理手段は、上記被写体と撮像装置間の距離を検知する信号処理を行う機能の他に、カメラ1の種種のサービス機能を行う信号処理装置の一部の機能として構成される。上記信号処理手段8で検出された上記被写体4とカメラ間の距離を表す距離データは撮像レンズ3の焦点を自動調節する自動焦点調節手段9に加えられる。
【0015】
図2は、カメラ筐体1に内蔵されるレーダ素子7の一実施例の平面図(a)及び側面図(b)を示す。
MMIC基板12にレーダ機能が組み込まれた半導体チップ11(図3)が搭載され、半導体チップ11及びMMIC基板12は樹脂パッケージ20で封止される。樹脂パッケージ20の上面で、平面アンテナに対応する位置に、半球状の誘電体レンズ3が備えられる。半導体チップ11の一部には、高周波信号を送受するためのパッチアンテナ14が誘電体レンズ3の円形のほぼ中心の位置に設けられている。なお、半導体チップ11への電源の供給及び受信ビート信号の送出は、端子21を通して行われる。アンテナ14から放射される高周波信号は誘電体レンズ3により屈折され、略平行に進行するビーム状ビームとなる。実施例によれば、樹脂パッケージ20の平面形状は、略1cm2である。
【0016】
図3は、半導体チップ11の一実施例の外観の平面図(a)及び側断面図(b)を示す。半導体チップ11の半導体基板上には、高周波信号を発生させる発振器をもつ高周波回路とパッチアンテナ14を形成して低コストでの量産を可能にした形態を示している。上記高周波回路は発振動作を実現するための能動素子としての電界効果トランジスタ19と、負性抵抗を発生させるためのリアクタンス素子30と、マイクロストリップ線路の共振器13と、リアクタンス素子30とマイクロストリップ線路の共振器13により所望の高周波数の信号を発生させる。高周波数の信号はパッチアンテナ14から半導体基板に対して垂直方向にほぼ平行ビームとして放射される。この半導体チップ11には電源供給と受信ビート信号の取り出しを兼ねたパッド15が設けられる。半導体チップ11の平面形状は、略1.5mm×1.2mmである。
【0017】
ここで、被写体とカメラとの間の距離を算出するためには、送信信号を変調させる必要がある。変調方式としては、例えばFMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式が一般的である。信号の変調を行うためには、例えば共振器13の先端にダイオード素子を用いたバラクタ18を接続し、ここに印加する電圧を変えることにより、自由に発振周波数を変化させ、変調動作を行う。
【0018】
上記レーダ素子7を構成する半導体チップ11を内蔵した樹脂パッケージには、該半導体チップのみを備えるのが最も単純な実施例であり、この場合、信号処理手段は別の部品としてカメラ筐体内に実装される。
【0019】
図4は、本発明による撮像装置の他の実施例における距離測定処理部に関連する構成を示す図である。図3と同様のレーダ素子7からのビート信号は、被写体とレンズ2との間の距離を求める信号処理回路16で上記距離を表すデータ距離信号に変換される。上記距離データ信号は、CPU等の信号処理装置22で入力装置23からの指示によって、カメラの合焦モーターである焦点調節装置24の制御信号に変換され、焦点調節装置24に加えられる。また、一部は表示制御装置25を介して、ディスプレイ10に焦点距離を表す数値26として表示される。メモリ27は信号処理装置22のプログラム、カメラのサービス機能を実行するデータが格納されている。カメラは必ずしも自動焦点制御にする必要は無く、入力装置23から、自動、手動の指示を行うようにしてもよい。この際、ディスプレイ10の距離を表す数値26を参照することによって、手動による焦点の制御が容易になる。
また、レーダでは、被写体の動きの速度を容易に検出する機能をもつので、信号処理回路8に、被写体の動きの速度を検出する回路を付加すればよい。被写体の動きの速度がディスプレイ10の一部27に数値として表示される。
更に、ディスプレイ10にはアンテナのビーム位置28、焦点制御が自動か、手動かの識別標識29、被写体の速度情報31等が表示される。
図5は、本発明による撮像装置の他の実施例に使用されるレーダ素子の平面図(a)及び側断面図(b)を示す。
同図において、図2の構成素子と同じ構成素子には図2の構成素子の番号と同じ番号を付して、それらの説明を省く。本実施例は、信号処理回路16をレーダ素子と同一のパッケージに内蔵させるたものである。この場合、信号処理も含めた距離検出機能を単一のパッケージで提供できるため、コストを低く抑えると共に、装置の小型化ができ、限られたカメラ筐体内への内装を容易にすることができる。
【0020】
【発明の効果】
本発明の実施の態様で説明したように、撮像装置の焦点調節機能をレーダによる距離測定手段で行うことにより、被写体と撮像装置との間の距離を瞬時に得ると共に、焦点調節手段をレーダによって得られた距離情報によって、自動的に制御する手段を設けた場合、焦点調節に要する時間が短縮される。
【0021】
また、本発明では、被写体までの距離の測定にマイクロ波やミリ波等の高周波信号を用いるため、コントラストが低い被写体の撮影や、ストロボ撮影が必要となる暗い場所での撮影においても、従来の方法では焦点調節が不可能であったの対し、問題なく焦点調節が行える。
【0022】
本発明のレーダ機能を用いると、被写体までの距離に加えて、相対速度に関する情報も得られる。この情報を利用することにより、動いている被写体の時間経過に伴う距離の変化を予測し、例えばビデオカメラによる動画撮影時等には、スムーズな焦点調節を行う機能を付加することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による撮像装置の一実施例の構成を示す模式図である。
【図2】図1のレーダ素子7の一実施例の平面図(a)及び側断面図(b)である。
【図3】図2の半導体チップ11の一実施例の平面図及び回路図である。
【図4】本発明による撮像装置の他の実施例における距離測定処理部に関連する構成を示す図である。
【図5】本発明による撮像装置の他の実施例に使用されるレーダ素子の平面図(a)及び側断面図(b)である。
【図6】従来のカメラにおける焦点調節装置の動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
1…カメラ筐体、 2…撮影レンズ、 3…誘電体レンズ、4…被写体、 5…送信波、 6…反射波、 7…レーダ素子、 8…信号処理装置、9…自動焦点調節手段、10…表示装置、 11…半導体チップ、 12…MMIC基板、13…共振器、 14…パッチアンテナ、 15…電源供給兼信号出力パッド、 16…信号処理回路信、 17…合焦モーター、18…バラクタ、 19、20…樹脂モールドパッケージ、 21…電源供給・信号出力用端子、22…信号処理装置、23…入力装置、24…焦点調節装置、25…表示駆動装置、26…距離を表す数値、27…メモリ、28…ビーム位置、29…駆動モード、30…リアクタンス素子、31…速度を表す数値。
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像装置、更に詳しく言えば、マイクロ波又はミリ波を用いる高周波レーダの距離検知機能を利用したカメラ等の撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
カメラ、ビデオカメラ等の民生用撮像装置に組み込まれる焦点自動調節装置として、現在は「コントラスト検知方式」が最も一般的に採用されている。このコントラスト検知方式の自動調節の動作は、図6の動作フローに示すように、撮像素子であるCCD上に結像した被写体のコントラストを検知し数値化し(s1)、撮像用レンズの合焦距離を組み込まれたモーターにより動かした際(s2)のコントラストの変動をモニタする。モーターをフィードバック動作させ、被写体のコントラストが最大となる(s3)位置をもって合焦状態と判断し(s4)、撮影される(s5)。
【0003】
また、映画用カメラのレンジファインだとして周波数変調連続波レーダを使用するミリ波レーダ技術が提案されている(特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−232338号公報。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記「コントラスト検知方式」の焦点自動調節装置は、撮像レンズの合焦距離をモーターによりフィードバック制御する必要がある。そのため、必ずレンズを前後に動かして被写体のコントラストの変化を検出する必要があり、焦点調節の高速化に限界がある。
【0006】
また、コントラスト検知方式は、CCD等の撮像素子上に結像した被写体そのもののコントラストを見るため、見かけ上コントラストが極端に低い被写体に対して焦点調節ができない。また、被写体が可視光線で見えなければコントラストの検知も不可能であるから、ストロボ撮影が必要な暗い場所での焦点調節ができないという問題がある。
【0007】
また、上記映画用カメラのレンジファインダとして周波数変調連続波レーダを使用するミリ波レーダ技術では、レンジファインダと撮像装置本体とは離れて設けられ、レンジファインダで得た距離情報をケーブル又は無線によって、撮像装置本体に備えられた制御装置に送るものであるため、通常の小型カメラ等に実施することは困難である。
【0008】
従って、本発明の主な目的は、撮像装置に内装でき、コントラストが極端に低い被写体に対しても焦点調節ができ、かつ高速で焦点調節ができる撮像装置を実現することである。
本発明の他の目的は、上記主な目的を達成すると同時に撮像装置内に距離計測手段を内蔵した撮像装置を実現することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の撮像装置は、被写体の位置検出機能をもつマイクロ波又はミリ波信号を利用したレーダを小型化して、距離計測手段として撮像装置内に内蔵して構成される。すなわち、距離計測手段は、マイクロ波又はミリ波信号の高周波信号を発生する発振器と上記高周波信号を略平行に被写体に向け照射し、上記被写体からの反射信号を受信する平面状アンテナと、上記高周波信号と上記反射信号とから生成されるビート信号を得る混合器と、上記ビート信号から被写体までの距離を算出する信号処理手段を備え、少なくとも上記発振器、上記平面状アンテナ及び混合器が半導体チップ上に形成される。
【0010】
本発明の好ましい実施形態では、上記距離計測手段で得られた距離情報を用いて撮像レンズの焦点を自動的に調節する自動焦点調節手段を設けて構成される。
【0011】
本発明によれば、マイクロ波又はミリ波を使用したレーダで被写体の距離を検出するため、見かけ上コントラストが極端に低い被写体の距離を高速に検出できる。被写体と撮像装置と間の距離測定手段がMMIC基板上にレーダ素子として形成されるため、極めて小型化でき、撮像装置内に内装できる。測定された距離情報を撮像レンズの焦点の調節機構と連動することで自動焦点の撮像装置を実現できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を実施例について、図を用いて説明する。
図1は、本発明によるカメラの一実施形態の模式図を示す。
カメラ1の筐体には、撮像用のレンズ2と、レンズ2の近傍には、マイクロ波又はミリ波の高周波信号の送受信を行い、被写体4とカメラ1との間の距離を検出するレーダ素子7とが内蔵される。レーダ素子7の一部を構成する誘電体レンズ3がカメラ筐体外部に露出するように装着される。誘電体レンズ3を介して被写体4に向かって、マイクロ波又はミリ波の高周波信号の電波ビーム(送信波)5がほぼ平行に送出される。送出された高周波信号5は被写体4により反射され、反射信号(受信波)6として誘電体レンズ3を介してレーダ素子7に取り込まれる。
【0013】
レーダ素子7は、後述するように、少なくともマイクロ波又はミリ波信号の高周波信号を発生する発振器と、上記高周波信号の一部を被写体に向かって送出し、かつ上記被写体で反射された電波信号を受信する平面状アンテナと、上記送信信号と被写体からの反射信号より生成されるビート信号を取り出す混合器と、上記ビート信号を用いて上記被写体とレンズ2との間の距離を求める信号処理手段とをもち、少なくとも上記発振器、平面状アンテナ、混合器は、一つの半導体チップ上に形成される。
【0014】
信号処理手段は、上記被写体と撮像装置間の距離を検知する信号処理を行う機能の他に、カメラ1の種種のサービス機能を行う信号処理装置の一部の機能として構成される。上記信号処理手段8で検出された上記被写体4とカメラ間の距離を表す距離データは撮像レンズ3の焦点を自動調節する自動焦点調節手段9に加えられる。
【0015】
図2は、カメラ筐体1に内蔵されるレーダ素子7の一実施例の平面図(a)及び側面図(b)を示す。
MMIC基板12にレーダ機能が組み込まれた半導体チップ11(図3)が搭載され、半導体チップ11及びMMIC基板12は樹脂パッケージ20で封止される。樹脂パッケージ20の上面で、平面アンテナに対応する位置に、半球状の誘電体レンズ3が備えられる。半導体チップ11の一部には、高周波信号を送受するためのパッチアンテナ14が誘電体レンズ3の円形のほぼ中心の位置に設けられている。なお、半導体チップ11への電源の供給及び受信ビート信号の送出は、端子21を通して行われる。アンテナ14から放射される高周波信号は誘電体レンズ3により屈折され、略平行に進行するビーム状ビームとなる。実施例によれば、樹脂パッケージ20の平面形状は、略1cm2である。
【0016】
図3は、半導体チップ11の一実施例の外観の平面図(a)及び側断面図(b)を示す。半導体チップ11の半導体基板上には、高周波信号を発生させる発振器をもつ高周波回路とパッチアンテナ14を形成して低コストでの量産を可能にした形態を示している。上記高周波回路は発振動作を実現するための能動素子としての電界効果トランジスタ19と、負性抵抗を発生させるためのリアクタンス素子30と、マイクロストリップ線路の共振器13と、リアクタンス素子30とマイクロストリップ線路の共振器13により所望の高周波数の信号を発生させる。高周波数の信号はパッチアンテナ14から半導体基板に対して垂直方向にほぼ平行ビームとして放射される。この半導体チップ11には電源供給と受信ビート信号の取り出しを兼ねたパッド15が設けられる。半導体チップ11の平面形状は、略1.5mm×1.2mmである。
【0017】
ここで、被写体とカメラとの間の距離を算出するためには、送信信号を変調させる必要がある。変調方式としては、例えばFMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式が一般的である。信号の変調を行うためには、例えば共振器13の先端にダイオード素子を用いたバラクタ18を接続し、ここに印加する電圧を変えることにより、自由に発振周波数を変化させ、変調動作を行う。
【0018】
上記レーダ素子7を構成する半導体チップ11を内蔵した樹脂パッケージには、該半導体チップのみを備えるのが最も単純な実施例であり、この場合、信号処理手段は別の部品としてカメラ筐体内に実装される。
【0019】
図4は、本発明による撮像装置の他の実施例における距離測定処理部に関連する構成を示す図である。図3と同様のレーダ素子7からのビート信号は、被写体とレンズ2との間の距離を求める信号処理回路16で上記距離を表すデータ距離信号に変換される。上記距離データ信号は、CPU等の信号処理装置22で入力装置23からの指示によって、カメラの合焦モーターである焦点調節装置24の制御信号に変換され、焦点調節装置24に加えられる。また、一部は表示制御装置25を介して、ディスプレイ10に焦点距離を表す数値26として表示される。メモリ27は信号処理装置22のプログラム、カメラのサービス機能を実行するデータが格納されている。カメラは必ずしも自動焦点制御にする必要は無く、入力装置23から、自動、手動の指示を行うようにしてもよい。この際、ディスプレイ10の距離を表す数値26を参照することによって、手動による焦点の制御が容易になる。
また、レーダでは、被写体の動きの速度を容易に検出する機能をもつので、信号処理回路8に、被写体の動きの速度を検出する回路を付加すればよい。被写体の動きの速度がディスプレイ10の一部27に数値として表示される。
更に、ディスプレイ10にはアンテナのビーム位置28、焦点制御が自動か、手動かの識別標識29、被写体の速度情報31等が表示される。
図5は、本発明による撮像装置の他の実施例に使用されるレーダ素子の平面図(a)及び側断面図(b)を示す。
同図において、図2の構成素子と同じ構成素子には図2の構成素子の番号と同じ番号を付して、それらの説明を省く。本実施例は、信号処理回路16をレーダ素子と同一のパッケージに内蔵させるたものである。この場合、信号処理も含めた距離検出機能を単一のパッケージで提供できるため、コストを低く抑えると共に、装置の小型化ができ、限られたカメラ筐体内への内装を容易にすることができる。
【0020】
【発明の効果】
本発明の実施の態様で説明したように、撮像装置の焦点調節機能をレーダによる距離測定手段で行うことにより、被写体と撮像装置との間の距離を瞬時に得ると共に、焦点調節手段をレーダによって得られた距離情報によって、自動的に制御する手段を設けた場合、焦点調節に要する時間が短縮される。
【0021】
また、本発明では、被写体までの距離の測定にマイクロ波やミリ波等の高周波信号を用いるため、コントラストが低い被写体の撮影や、ストロボ撮影が必要となる暗い場所での撮影においても、従来の方法では焦点調節が不可能であったの対し、問題なく焦点調節が行える。
【0022】
本発明のレーダ機能を用いると、被写体までの距離に加えて、相対速度に関する情報も得られる。この情報を利用することにより、動いている被写体の時間経過に伴う距離の変化を予測し、例えばビデオカメラによる動画撮影時等には、スムーズな焦点調節を行う機能を付加することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による撮像装置の一実施例の構成を示す模式図である。
【図2】図1のレーダ素子7の一実施例の平面図(a)及び側断面図(b)である。
【図3】図2の半導体チップ11の一実施例の平面図及び回路図である。
【図4】本発明による撮像装置の他の実施例における距離測定処理部に関連する構成を示す図である。
【図5】本発明による撮像装置の他の実施例に使用されるレーダ素子の平面図(a)及び側断面図(b)である。
【図6】従来のカメラにおける焦点調節装置の動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
1…カメラ筐体、 2…撮影レンズ、 3…誘電体レンズ、4…被写体、 5…送信波、 6…反射波、 7…レーダ素子、 8…信号処理装置、9…自動焦点調節手段、10…表示装置、 11…半導体チップ、 12…MMIC基板、13…共振器、 14…パッチアンテナ、 15…電源供給兼信号出力パッド、 16…信号処理回路信、 17…合焦モーター、18…バラクタ、 19、20…樹脂モールドパッケージ、 21…電源供給・信号出力用端子、22…信号処理装置、23…入力装置、24…焦点調節装置、25…表示駆動装置、26…距離を表す数値、27…メモリ、28…ビーム位置、29…駆動モード、30…リアクタンス素子、31…速度を表す数値。
Claims (9)
- 被写体までの距離を検知する距離検知手段を内蔵した撮像装置であって、
上記距離検知手段は、マイクロ波又はミリ波信号の高周波信号を発生する発振器と上記高周波信号を略平行に被写体に向け照射し、上記被写体からの反射信号を受信する平面状アンテナと、上記高周波信号と上記反射信号とから生成されるビート信号を得る混合器と、上記ビート信号から被写体までの距離を算出する信号処理回路とを備え、少なくとも上記発振器、上記平面状アンテナ及び混合器が半導体チップ上に形成され、上記半導体チップが撮像装置の筐体内に装着されたことを特徴とする撮像装置。 - 上記信号処理回路で算出された距離情報を用いて撮像レンズの焦点を自動調節する自動調節手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 上記距離検知手段は、上記送信信号を変調させる変調器を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
- 上記半導体チップが樹脂モールド内に密封されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の撮像装置。
- 上記半導体チップと、上記信号処理回路が形成された半導体チップが単一の樹脂モールド内に密封されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の撮像装置。
- 上記平面アンテナの近傍に送信信号を屈折させるレンズ手段を備え、上記送信信号が略平行に進行するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載の撮像装置。
- 上記発振器の信号を変調して、上記平面アンテナに加える変調部を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一つに記載の撮像装置。
- 上記変調部は、FMCW方式の変調を行うこと特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
- 上記信号処理回路は、送信信号と被写体とからの反射信号の周波数の差異から、上記被写体の相対速度を算出する信号処理部を更に備えることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一つに記載の撮像装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002376432A JP2004205402A (ja) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | 撮像装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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