JP2004205091A - 加熱ローラ、乾燥装置、および乾燥方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被加熱物との温度差が大きくても被加熱物に歪を生じさせない加熱ローラ、前記加熱ローラを備える提供を乾燥装置と乾燥方法の提供。
【解決手段】ローラ表面と前記被加熱物との間の静止摩擦係数μが、以下の式:t+V≦G、なお、G=μ・σAl=μ・t・sin(θ/2)(但し、tは、前記被加熱物に加わる張力、Gは、加熱ローラが前記被加熱物を摩擦力により保持する保持力、Vは、加熱ローラに保持された前記被加熱物が熱膨張することにより発生する熱膨張力、σAlは被加熱物に加わる張力により、前記被加熱物から前記加熱ローラの表面に及ぼされる押圧力、θは、前記被加熱物を前記加熱ローラに巻き掛けるラップ角)を満たす加熱ローラ、前記加熱ローラを備える乾燥装置、および前記加熱ローラを用いた乾燥方法。
【選択図】 図1
【解決手段】ローラ表面と前記被加熱物との間の静止摩擦係数μが、以下の式:t+V≦G、なお、G=μ・σAl=μ・t・sin(θ/2)(但し、tは、前記被加熱物に加わる張力、Gは、加熱ローラが前記被加熱物を摩擦力により保持する保持力、Vは、加熱ローラに保持された前記被加熱物が熱膨張することにより発生する熱膨張力、σAlは被加熱物に加わる張力により、前記被加熱物から前記加熱ローラの表面に及ぼされる押圧力、θは、前記被加熱物を前記加熱ローラに巻き掛けるラップ角)を満たす加熱ローラ、前記加熱ローラを備える乾燥装置、および前記加熱ローラを用いた乾燥方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱ローラ、乾燥装置、および乾燥方法に関し、特に、帯状の被加熱物と加熱ローラとの間の温度差が大きな場合においても前記被加熱物に歪を生じさせることのない加熱ローラ、前記加熱ローラを備える乾燥装置、および前記加熱ローラを用いた乾燥方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
PS版は、少なくとも一方の面を砂目立てした帯状アルミニウム薄板であるアルミニウムウェブの砂目立て面に、感光性樹脂または感熱性樹脂を含有する製版層形成液を塗布・乾燥して製版層を形成することにより製造される。
【0003】
前記製版層形成液を塗布したアルミニウムウェブの加熱・乾燥には、通常、熱風などを用いた通気乾燥が用いられる。
【0004】
しかし、通気乾燥は、アルミニウムウェブへの伝熱効率が低く、前記製版層形成液を塗布後のアルミニウムウェブの乾燥工程に使用すると、乾燥負荷が大きくなり、過大な設備が必要になるという問題点を有している。
【0005】
設備が過大になるのを抑制するための方法としては、たとえば風速の速い熱風吹き付けノズルを用いたり、アルミニウムウェブの両側から熱風を吹きつけたりする方法などがある(特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】
特願2001−236721号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、乾燥の進んでいない塗布面に風速の大きな熱風を吹きつけると、塗布面の表面状態が不均一になるので、前記方法は、乾燥の初期には使用できない。また、熱風の風速を増加させても、伝熱効率を大幅に向上させることはできなかった。
【0008】
加熱ロールなどを用いる伝導伝熱法によれば、伝熱効率を著しく向上させることができるが、これまでは、皺や傷、折れなどの問題があり、乾燥工程の後半において、アルミニウムウェブの温度を数℃上昇させるのに用いられているに過ぎなかった。
【0009】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、乾燥工程の初期に使用しても、アルミニウムウェブが急激に加熱されることによる皺や傷、折れなどの問題が生じない加熱ローラ、前記加熱ローラを加熱手段として用い、高効率でコンパクトな乾燥装置、および乾燥工程の初期に加熱ローラを用いたときにおけるアルミニウムウェブの皺や傷、折れなどの問題の発生を抑制できる乾燥方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、帯状の被加熱物を巻き掛けて加熱する加熱ローラであって、ローラ表面と前記被加熱物との間の静止摩擦係数μが、以下の式:
t+V≦G
なお、G=μ・σAl
=μ・t・sin(θ/2)
(但し、tは、前記被加熱物に加わる張力、Gは、加熱ローラが前記被加熱物を摩擦力により保持する保持力、Vは、加熱ローラに保持された前記被加熱物が熱膨張することにより発生する熱膨張力、σAlは被加熱物に加わる張力により、前記被加熱物から前記加熱ローラの表面に及ぼされる押圧力、θは、前記被加熱物を前記加熱ローラに巻き掛けるラップ角を示す。)を満たすように定められてなることを特徴とする加熱ローラに関する。
【0011】
前記加熱ローラにおいては、被加熱物とローラ表面との間の静止摩擦係数が前記式で与えられる範囲に設定されているから、前記ローラ表面に前記被加熱物が接触することにより、前記被加熱物が急激に加熱されて熱膨張しても、前記被加熱物にはそれほど大きな応力が生じることがない。したがって、前記被加熱物には皺や折れなどの歪が生じることがない。
【0012】
前記被加熱物としては、帯状金属薄板である金属ウェブなどが挙げられる。前記金属ウェブとしては、従来技術のところで述べたアルミニウムウェブのほか、帯状ステンレス鋼や帯鋼板、帯状アルミニウム板、帯状軽合金板などが挙げられる。
【0013】
前記被加熱物と前記加熱ローラのローラ表面との摩擦係数が前記式で与えられる範囲であれば、前記加熱ローラの表面は、クロム鍍金など各種金属鍍金が施されていてもよく、セラミックスや弗素系樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、および各種エラストマなどによってコーティングされていてもよい。また、前記加熱ローラがステンレス鋼や普通鋼、青銅など金属製の場合は、ローラ表面は金属を磨き出した面であってもよい。
【0014】
請求項2に記載の発明は、帯状の被加熱物を巻き掛けて加熱する加熱ローラであって、ローラ表面と前記被加熱物との間の静止摩擦係数μが、以下の式:
σAl+α・E・ΔT/(1−ν)≦10/μ
(αは前記被加熱物の線膨張係数を、Eは前記被加熱物の厚み方向弾性率を、ΔTは、前記被加熱物と前記ローラ表面との温度差を、νは前記被加熱物のポアソン比を示す。)に従って定められてなることを特徴とする加熱ローラに関する。
【0015】
なお、応力σAlは、以下の式:
σAl=t×sin(θ/2)
(tは、前記被加熱物に及ぼされる張力を、θは、前記被加熱物を加熱ローラの表面に巻き掛けるラップ角を示す。)
で与えられる。
【0016】
前記加熱ローラにおいては、被加熱物とローラ表面との間の静止摩擦係数が前記式で与えられる範囲に設定されているから、前記ローラ表面に前記被加熱物が接触することにより、前記被加熱物が急激に加熱されて熱膨張しても、前記被加熱物にはそれほど大きな応力が生じることがない。したがって、前記被加熱物には皺や折れなどの歪が生じることがない。
【0017】
また、被加熱物に加わる張力が小さなときは、被加熱物から加熱ローラに及ぼされる応力も小さいから、被加熱物と加熱ローラとの間にスリップが生じやすいが、前記張力が小さなときは、応力σAlも小さい。したがって、前記式から明らかなように、摩擦係数μは、応力σAlが高い場合に比較して高い値まで許容されるから、前記加熱ローラの表面を摩擦係数の比較的大きな材料で被覆することにより、前記被加熱物との間のスリップを防止できる。
【0018】
前記被加熱物および前記加熱ローラのローラ表面については、請求項1で説明した通りである。
【0019】
請求項3に記載の発明は、帯状の被乾燥物を搬送する搬送ローラを備えてなり、前記搬送ローラのうちの少なくとも1本が請求項1に記載の加熱ローラであることを特徴とする乾燥装置に関する。
【0020】
前記乾燥装置においても、実施例1で述べたのと同様の理由により、被乾燥物を、前記被乾燥物よりも50〜100℃程度高温の加熱ローラに接触させた場合にも、前記被乾燥物と加熱ローラとの間に生じる応力は小さいから、被乾燥物に皺や折れなどの歪が生じることがない。
【0021】
したがって、前記乾燥装置において被乾燥物が最初に導入される初期乾燥セクションにおいて前記加熱ローラを使用しても被乾燥物に皺や折れなどの故障が生じることがないから、乾燥装置の全体に前記熱ローラを導入することにより、被乾燥物の乾燥を少ないエネルギーで効率的に行える。また、前記乾燥装置内において熱風乾燥を行う場合においても、熱風の風量を削減できるから、前記熱風を発生させる加熱装置やブロワーにおけるエネルギー消費を節減できる。
【0022】
前記被乾燥物としては、製版層形成液を塗布したアルミニウムウェブのほか、各種塗料を塗布したステンレス鋼、普通鋼、およびアルミニウムなどの帯板などが挙げられる。
【0023】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の加熱ローラに前記被加熱物として帯状の被乾燥物を巻き掛けて加熱乾燥することを特徴とする乾燥方法に関する。
【0024】
前記乾燥方法においても、被乾燥物と前記加熱ローラとの温度差が大きな場合に前記被乾燥物と加熱ローラとの間に生じる応力は小さいから、被乾燥物に歪が生じることがない。
【0025】
被乾燥物については、請求項2のところで説明した通りである。
【0026】
【発明の実施の形態】
1.実施形態1
本発明の乾燥装置の一例である乾燥ラインの構成を図1に示す。
【0027】
実施形態1に係る乾燥ライン100は、上面に製版層形成液を塗布されたアルミニウムウェブWを乾燥する乾燥ラインであり、図1に示すように、内部をアルミニウムウエブWが搬送される乾燥ボックス2A,2B、および2Cを,アルミニウムウェブWの搬送方向aに沿って縦列に繋げて形成されている。
【0028】
乾燥ボックス2A、2B,および2Cは、何れもアルミニウムウェブWの搬送方向aに沿って配設された長尺箱状であり、蛇腹状の接続ジョイント4によって接続されて1つの箱体を形成している。乾燥ボックス2Aにおける搬送方向aに沿って上流側の端面には、アルミニウムウェブWが導入されるスリット状の導入口22が水平に設けられ、乾燥ボックス2Cにおける搬送方向aに沿って下流側の端面には、アルミニウムウェブWが導出されるスリット状の導出口24が水平に設けられている。
【0029】
乾燥ボックス2A、2B,および2Cのそれぞれの内部における底面近傍には、アルミニウムウェブWを搬送する一群の加熱ローラ6が、回転可能に配設されている。
【0030】
加熱ローラ6は、表面とアルミニウムウェブWの下面との間の静止摩擦係数μwebが、式:
σweb+αweb・Eweb・ΔT/(1−νweb)≦10/μweb
(σwebはアルミニウムウェブWに加わる張力tによってアルミニウムウェブWに及ぼされる加熱ローラ6の表面に押圧される方向の応力を、αwebはアルミニウムウェブWの線膨張係数を、EwebはアルミニウムウェブWの厚み方向弾性率を、ΔTは、導入前のアルミニウムウェブと加熱ローラ6との温度差、νwebはアルミニウムウェブWのポアソン比を示す。)
に従って設定されている。
【0031】
前記加熱手段は、温水、熱水、蒸気、熱媒体油などの各種熱媒体を循環させて加熱するものであってもよく、電磁誘導コイルや電熱ヒータなどの電気的加熱手段で加熱するものであってもよい。また、加熱ローラ6においては、前記加熱手段は胴とともに回転してもよく、胴のみが前記加熱手段の周りに回転し、前記加熱手段は乾燥ボックス2A,2B、および2Cに対して固定されてもよい。
【0032】
また、加熱ローラ6の胴は、図2に示すように被覆層を有していなくてもよく、図3に示すようにセラミックスや弗素製樹脂などの被覆層6Aが胴の表面に設けられてもよい。
【0033】
さらに、加熱ローラ6は、乾燥ボックス2A,2B、および2Cへの取り付け高さおよび直径の何れも同一である。したがって、アルミニウムウェブWは、平面上を搬送される。
【0034】
加熱ローラ6の上方には、加熱ローラ6によって搬送されるアルミニウムウェブWの上面に熱風を吹き付ける熱風ノズル8A、8B、および8Cが設けられ、ている。乾燥ボックス2A,2B、および2Cの内部には、加熱ローラ6と熱風ノズル8A、8B、および8CとによってアルミニウムウェブWの搬送通路10A,10B,および10Cが形成される。熱風ノズル8A、8B、および8Cは、搬送通路10A,10B,および10Cの天井を形成する。
【0035】
熱風ノズル8A、8B、および8Cは2次元ノズルであり、図4に示すように、搬送方向aに対して直角な方向に下方に向かって突出する三角稜状のノズル部82が等間隔に形成され、ノズル部82の先端に、加熱空気を噴き出すスリット状のノズル口84が設けられている。
【0036】
乾燥ボックス2A,2B、2Cの天井および側壁と、熱風ノズル8A、8B、8Cとにより、ノズル口82から噴き出す加熱空気の流路86A、86B,86Cが形成されている。
【0037】
流路86A、86B,86Cは、接続ジョイント4により接続されて一体の流路を形成している。
【0038】
流路86Aにおける導入口22の近傍には、流路86A、86B,86Cに加熱空気を供給する加熱空気供給口12が設けられている。
【0039】
一方、乾燥ボックス2Cには、導出口24に隣接して排気口14が設けられている。排気口14は、熱風ノズル8A、8B、および8Cから乾燥ボックス2A、2B、2Cに導入された熱風を外部に排出する機能を有する。
【0040】
乾燥ライン100の作用について以下に説明する。
【0041】
導入口22から搬送通路10Aに導入されたアルミニウムウェブWは、加熱ロール6によって下方から支持されつつ搬送され、搬送通路10Bおよび搬送通路10Cを通過して導出口24から外部に導出される。
【0042】
アルミニウムウェブWは、搬送通路10A、搬送通路10B、および搬送通路10Cを通過する間に、加熱ロール6によって下方から加熱されると同時に、熱風ノズル8A、8B、および8Cから噴射された加熱空気によって上方からも加熱される。
【0043】
したがって、アルミニウムウェブWの上面に塗布された製版層形成液は効率的に乾燥され、アルミニウムウェブWが導出口24から外部に導出されるときには、アルミニウムウェブWの砂目立て面に完全な製版層が形成される。
【0044】
乾燥ライン100の備える加熱ローラ6は、ローラ表面とアルミニウムウェブWとの間の静止摩擦係数μwebが前記式に従って与えられる範囲の値である。
【0045】
したがって、搬送通路10Aに導入される前のアルミニウムウェブWの温度が25℃程度の室温であり、前記加熱ローラ6の表面温度が75〜80℃程度の乾燥温度に設定されている場合に、前記加熱ローラ6の表面にアルミニウムウェブWが接触してアルミニウムウェブWが急激に加熱され、熱膨張しても、それほど大きな厚み方向の応力が生じることがない。ここで、アルミニウムウェブWには、通常50〜200kgの張力が負荷されるから、前記張力により、アルミニウムウェブWの変形は充分に規制される。したがって、アルミニウムウェブWに皺や折れなどの歪が生じることはない。
【0046】
このように、搬送方向aに沿って最も上流側の乾燥ボックス2Aにおいても加熱ローラ6を使用できるから、導入口22から導入された直後のアルミニウムウェブWを、加熱ローラ6からの高い熱伝導率によって急速に加熱できる。
【0047】
したがって、乾燥ライン100において、熱風ノズル8A,8B,および8Cから噴出する加熱空気の風量は、アルミニウムウェブW表面の製版層形成液の層から蒸発した有機溶媒蒸気で飽和しないように、搬送通路10A、搬送通路10B、搬送通路10C内の空気を置換するのに十分な程度であればよく、前記製版層形成液の層を乾燥させるのに必要な風量よりは遥かに小さな風量でよい。
【0048】
故に、乾燥ライン100においては、加熱空気の供給に費やされるエネルギーを大幅に節減できるから、大幅な省エネルギーを実現できる。
【0049】
なお、実施形態1においては、乾燥ライン100を、アルミニウムウェブWに製版層形成液を塗布する塗布ラインの下流に設けて製版層形成液の乾燥に使用する例について述べたが、乾燥ライン100は、製版層に重ねてポリビニル水溶液を塗布して乾燥し、酸素遮断層を形成するのにも使用される.
【0050】
【実施例】
(実施例1〜4、比較例1、2)
図2および図3に示す加熱ローラ6に、幅800mm、厚み0.1mmのアルミニウムウェブを巻き掛け、150kg/アルミニウムウェブ幅の張力tを負荷したときの歪の発生の有無を調べた。結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
表1に示すように、加熱ローラ6とアルミニウムウェブWとの間の摩擦係数μwebが0.7以下であった実施例1〜4においては、アルミニウムウェブWには歪の発生は殆ど見られなかったが、前記摩擦係数μwebが0.78および1.2と0.7よりも大きかった比較例1および比較例2においては、皺の発生が見られた。
【0052】
ここで、前記アルミニウムウェブの張力tに由来するσwebは17.5kg/cm2であり、アルミニウムウェブWの線膨張係数αwebは23.5×10-6m/℃であり、アルミニウムウェブWの厚み方向弾性率Ewebは68.6kN/mm2であり、アルミニウムウェブWのポアソン比νwebは0.33であった。また、加熱ローラ6の表面温度と加熱ローラ6に接触する前のアルミニウムウェブWとの温度差ΔTは50℃であったから、式:
σweb+αweb・Eweb・ΔT/(1−νweb)≦10/μweb
から計算される摩擦係数μwebは0.7以下である。
【0053】
したがって、表1に示す実施例1〜4の摩擦係数μwebは、前記式で与えられる歪の発生しない摩擦係数μwebの範囲と一致する。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、 本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、乾燥工程の初期に使用しても、アルミニウムウェブが急激に加熱されることによる皺や傷、折れなどの問題が生じない加熱ローラ、前記加熱ローラを加熱手段として用い、高効率でコンパクトな乾燥装置、および乾燥工程の初期に加熱ローラを用いたときおけるアルミニウムウェブの皺や傷、折れなどの問題の発生を抑制できる乾燥方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の乾燥装置の一例である乾燥ラインの構成を示す概略断面図である。
【図2】図1に示す乾燥ラインの備える加熱ローラの一例を示す斜視図である。
【図3】図1に示す乾燥ラインの備える加熱ローラであって表面に被覆を設けたもののの例を示す斜視図である。
【図4】図4は、図1に示す乾燥ラインの備える熱風ノズルの詳細を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
2A 乾燥ボックス
2B 乾燥ボックス
2C 乾燥ボックス
4 接続ジョイント
6 加熱ローラ
8A 熱風ノズル
8B 熱風ノズル
8C 熱風ノズル
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱ローラ、乾燥装置、および乾燥方法に関し、特に、帯状の被加熱物と加熱ローラとの間の温度差が大きな場合においても前記被加熱物に歪を生じさせることのない加熱ローラ、前記加熱ローラを備える乾燥装置、および前記加熱ローラを用いた乾燥方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
PS版は、少なくとも一方の面を砂目立てした帯状アルミニウム薄板であるアルミニウムウェブの砂目立て面に、感光性樹脂または感熱性樹脂を含有する製版層形成液を塗布・乾燥して製版層を形成することにより製造される。
【0003】
前記製版層形成液を塗布したアルミニウムウェブの加熱・乾燥には、通常、熱風などを用いた通気乾燥が用いられる。
【0004】
しかし、通気乾燥は、アルミニウムウェブへの伝熱効率が低く、前記製版層形成液を塗布後のアルミニウムウェブの乾燥工程に使用すると、乾燥負荷が大きくなり、過大な設備が必要になるという問題点を有している。
【0005】
設備が過大になるのを抑制するための方法としては、たとえば風速の速い熱風吹き付けノズルを用いたり、アルミニウムウェブの両側から熱風を吹きつけたりする方法などがある(特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】
特願2001−236721号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、乾燥の進んでいない塗布面に風速の大きな熱風を吹きつけると、塗布面の表面状態が不均一になるので、前記方法は、乾燥の初期には使用できない。また、熱風の風速を増加させても、伝熱効率を大幅に向上させることはできなかった。
【0008】
加熱ロールなどを用いる伝導伝熱法によれば、伝熱効率を著しく向上させることができるが、これまでは、皺や傷、折れなどの問題があり、乾燥工程の後半において、アルミニウムウェブの温度を数℃上昇させるのに用いられているに過ぎなかった。
【0009】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、乾燥工程の初期に使用しても、アルミニウムウェブが急激に加熱されることによる皺や傷、折れなどの問題が生じない加熱ローラ、前記加熱ローラを加熱手段として用い、高効率でコンパクトな乾燥装置、および乾燥工程の初期に加熱ローラを用いたときにおけるアルミニウムウェブの皺や傷、折れなどの問題の発生を抑制できる乾燥方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、帯状の被加熱物を巻き掛けて加熱する加熱ローラであって、ローラ表面と前記被加熱物との間の静止摩擦係数μが、以下の式:
t+V≦G
なお、G=μ・σAl
=μ・t・sin(θ/2)
(但し、tは、前記被加熱物に加わる張力、Gは、加熱ローラが前記被加熱物を摩擦力により保持する保持力、Vは、加熱ローラに保持された前記被加熱物が熱膨張することにより発生する熱膨張力、σAlは被加熱物に加わる張力により、前記被加熱物から前記加熱ローラの表面に及ぼされる押圧力、θは、前記被加熱物を前記加熱ローラに巻き掛けるラップ角を示す。)を満たすように定められてなることを特徴とする加熱ローラに関する。
【0011】
前記加熱ローラにおいては、被加熱物とローラ表面との間の静止摩擦係数が前記式で与えられる範囲に設定されているから、前記ローラ表面に前記被加熱物が接触することにより、前記被加熱物が急激に加熱されて熱膨張しても、前記被加熱物にはそれほど大きな応力が生じることがない。したがって、前記被加熱物には皺や折れなどの歪が生じることがない。
【0012】
前記被加熱物としては、帯状金属薄板である金属ウェブなどが挙げられる。前記金属ウェブとしては、従来技術のところで述べたアルミニウムウェブのほか、帯状ステンレス鋼や帯鋼板、帯状アルミニウム板、帯状軽合金板などが挙げられる。
【0013】
前記被加熱物と前記加熱ローラのローラ表面との摩擦係数が前記式で与えられる範囲であれば、前記加熱ローラの表面は、クロム鍍金など各種金属鍍金が施されていてもよく、セラミックスや弗素系樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、および各種エラストマなどによってコーティングされていてもよい。また、前記加熱ローラがステンレス鋼や普通鋼、青銅など金属製の場合は、ローラ表面は金属を磨き出した面であってもよい。
【0014】
請求項2に記載の発明は、帯状の被加熱物を巻き掛けて加熱する加熱ローラであって、ローラ表面と前記被加熱物との間の静止摩擦係数μが、以下の式:
σAl+α・E・ΔT/(1−ν)≦10/μ
(αは前記被加熱物の線膨張係数を、Eは前記被加熱物の厚み方向弾性率を、ΔTは、前記被加熱物と前記ローラ表面との温度差を、νは前記被加熱物のポアソン比を示す。)に従って定められてなることを特徴とする加熱ローラに関する。
【0015】
なお、応力σAlは、以下の式:
σAl=t×sin(θ/2)
(tは、前記被加熱物に及ぼされる張力を、θは、前記被加熱物を加熱ローラの表面に巻き掛けるラップ角を示す。)
で与えられる。
【0016】
前記加熱ローラにおいては、被加熱物とローラ表面との間の静止摩擦係数が前記式で与えられる範囲に設定されているから、前記ローラ表面に前記被加熱物が接触することにより、前記被加熱物が急激に加熱されて熱膨張しても、前記被加熱物にはそれほど大きな応力が生じることがない。したがって、前記被加熱物には皺や折れなどの歪が生じることがない。
【0017】
また、被加熱物に加わる張力が小さなときは、被加熱物から加熱ローラに及ぼされる応力も小さいから、被加熱物と加熱ローラとの間にスリップが生じやすいが、前記張力が小さなときは、応力σAlも小さい。したがって、前記式から明らかなように、摩擦係数μは、応力σAlが高い場合に比較して高い値まで許容されるから、前記加熱ローラの表面を摩擦係数の比較的大きな材料で被覆することにより、前記被加熱物との間のスリップを防止できる。
【0018】
前記被加熱物および前記加熱ローラのローラ表面については、請求項1で説明した通りである。
【0019】
請求項3に記載の発明は、帯状の被乾燥物を搬送する搬送ローラを備えてなり、前記搬送ローラのうちの少なくとも1本が請求項1に記載の加熱ローラであることを特徴とする乾燥装置に関する。
【0020】
前記乾燥装置においても、実施例1で述べたのと同様の理由により、被乾燥物を、前記被乾燥物よりも50〜100℃程度高温の加熱ローラに接触させた場合にも、前記被乾燥物と加熱ローラとの間に生じる応力は小さいから、被乾燥物に皺や折れなどの歪が生じることがない。
【0021】
したがって、前記乾燥装置において被乾燥物が最初に導入される初期乾燥セクションにおいて前記加熱ローラを使用しても被乾燥物に皺や折れなどの故障が生じることがないから、乾燥装置の全体に前記熱ローラを導入することにより、被乾燥物の乾燥を少ないエネルギーで効率的に行える。また、前記乾燥装置内において熱風乾燥を行う場合においても、熱風の風量を削減できるから、前記熱風を発生させる加熱装置やブロワーにおけるエネルギー消費を節減できる。
【0022】
前記被乾燥物としては、製版層形成液を塗布したアルミニウムウェブのほか、各種塗料を塗布したステンレス鋼、普通鋼、およびアルミニウムなどの帯板などが挙げられる。
【0023】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の加熱ローラに前記被加熱物として帯状の被乾燥物を巻き掛けて加熱乾燥することを特徴とする乾燥方法に関する。
【0024】
前記乾燥方法においても、被乾燥物と前記加熱ローラとの温度差が大きな場合に前記被乾燥物と加熱ローラとの間に生じる応力は小さいから、被乾燥物に歪が生じることがない。
【0025】
被乾燥物については、請求項2のところで説明した通りである。
【0026】
【発明の実施の形態】
1.実施形態1
本発明の乾燥装置の一例である乾燥ラインの構成を図1に示す。
【0027】
実施形態1に係る乾燥ライン100は、上面に製版層形成液を塗布されたアルミニウムウェブWを乾燥する乾燥ラインであり、図1に示すように、内部をアルミニウムウエブWが搬送される乾燥ボックス2A,2B、および2Cを,アルミニウムウェブWの搬送方向aに沿って縦列に繋げて形成されている。
【0028】
乾燥ボックス2A、2B,および2Cは、何れもアルミニウムウェブWの搬送方向aに沿って配設された長尺箱状であり、蛇腹状の接続ジョイント4によって接続されて1つの箱体を形成している。乾燥ボックス2Aにおける搬送方向aに沿って上流側の端面には、アルミニウムウェブWが導入されるスリット状の導入口22が水平に設けられ、乾燥ボックス2Cにおける搬送方向aに沿って下流側の端面には、アルミニウムウェブWが導出されるスリット状の導出口24が水平に設けられている。
【0029】
乾燥ボックス2A、2B,および2Cのそれぞれの内部における底面近傍には、アルミニウムウェブWを搬送する一群の加熱ローラ6が、回転可能に配設されている。
【0030】
加熱ローラ6は、表面とアルミニウムウェブWの下面との間の静止摩擦係数μwebが、式:
σweb+αweb・Eweb・ΔT/(1−νweb)≦10/μweb
(σwebはアルミニウムウェブWに加わる張力tによってアルミニウムウェブWに及ぼされる加熱ローラ6の表面に押圧される方向の応力を、αwebはアルミニウムウェブWの線膨張係数を、EwebはアルミニウムウェブWの厚み方向弾性率を、ΔTは、導入前のアルミニウムウェブと加熱ローラ6との温度差、νwebはアルミニウムウェブWのポアソン比を示す。)
に従って設定されている。
【0031】
前記加熱手段は、温水、熱水、蒸気、熱媒体油などの各種熱媒体を循環させて加熱するものであってもよく、電磁誘導コイルや電熱ヒータなどの電気的加熱手段で加熱するものであってもよい。また、加熱ローラ6においては、前記加熱手段は胴とともに回転してもよく、胴のみが前記加熱手段の周りに回転し、前記加熱手段は乾燥ボックス2A,2B、および2Cに対して固定されてもよい。
【0032】
また、加熱ローラ6の胴は、図2に示すように被覆層を有していなくてもよく、図3に示すようにセラミックスや弗素製樹脂などの被覆層6Aが胴の表面に設けられてもよい。
【0033】
さらに、加熱ローラ6は、乾燥ボックス2A,2B、および2Cへの取り付け高さおよび直径の何れも同一である。したがって、アルミニウムウェブWは、平面上を搬送される。
【0034】
加熱ローラ6の上方には、加熱ローラ6によって搬送されるアルミニウムウェブWの上面に熱風を吹き付ける熱風ノズル8A、8B、および8Cが設けられ、ている。乾燥ボックス2A,2B、および2Cの内部には、加熱ローラ6と熱風ノズル8A、8B、および8CとによってアルミニウムウェブWの搬送通路10A,10B,および10Cが形成される。熱風ノズル8A、8B、および8Cは、搬送通路10A,10B,および10Cの天井を形成する。
【0035】
熱風ノズル8A、8B、および8Cは2次元ノズルであり、図4に示すように、搬送方向aに対して直角な方向に下方に向かって突出する三角稜状のノズル部82が等間隔に形成され、ノズル部82の先端に、加熱空気を噴き出すスリット状のノズル口84が設けられている。
【0036】
乾燥ボックス2A,2B、2Cの天井および側壁と、熱風ノズル8A、8B、8Cとにより、ノズル口82から噴き出す加熱空気の流路86A、86B,86Cが形成されている。
【0037】
流路86A、86B,86Cは、接続ジョイント4により接続されて一体の流路を形成している。
【0038】
流路86Aにおける導入口22の近傍には、流路86A、86B,86Cに加熱空気を供給する加熱空気供給口12が設けられている。
【0039】
一方、乾燥ボックス2Cには、導出口24に隣接して排気口14が設けられている。排気口14は、熱風ノズル8A、8B、および8Cから乾燥ボックス2A、2B、2Cに導入された熱風を外部に排出する機能を有する。
【0040】
乾燥ライン100の作用について以下に説明する。
【0041】
導入口22から搬送通路10Aに導入されたアルミニウムウェブWは、加熱ロール6によって下方から支持されつつ搬送され、搬送通路10Bおよび搬送通路10Cを通過して導出口24から外部に導出される。
【0042】
アルミニウムウェブWは、搬送通路10A、搬送通路10B、および搬送通路10Cを通過する間に、加熱ロール6によって下方から加熱されると同時に、熱風ノズル8A、8B、および8Cから噴射された加熱空気によって上方からも加熱される。
【0043】
したがって、アルミニウムウェブWの上面に塗布された製版層形成液は効率的に乾燥され、アルミニウムウェブWが導出口24から外部に導出されるときには、アルミニウムウェブWの砂目立て面に完全な製版層が形成される。
【0044】
乾燥ライン100の備える加熱ローラ6は、ローラ表面とアルミニウムウェブWとの間の静止摩擦係数μwebが前記式に従って与えられる範囲の値である。
【0045】
したがって、搬送通路10Aに導入される前のアルミニウムウェブWの温度が25℃程度の室温であり、前記加熱ローラ6の表面温度が75〜80℃程度の乾燥温度に設定されている場合に、前記加熱ローラ6の表面にアルミニウムウェブWが接触してアルミニウムウェブWが急激に加熱され、熱膨張しても、それほど大きな厚み方向の応力が生じることがない。ここで、アルミニウムウェブWには、通常50〜200kgの張力が負荷されるから、前記張力により、アルミニウムウェブWの変形は充分に規制される。したがって、アルミニウムウェブWに皺や折れなどの歪が生じることはない。
【0046】
このように、搬送方向aに沿って最も上流側の乾燥ボックス2Aにおいても加熱ローラ6を使用できるから、導入口22から導入された直後のアルミニウムウェブWを、加熱ローラ6からの高い熱伝導率によって急速に加熱できる。
【0047】
したがって、乾燥ライン100において、熱風ノズル8A,8B,および8Cから噴出する加熱空気の風量は、アルミニウムウェブW表面の製版層形成液の層から蒸発した有機溶媒蒸気で飽和しないように、搬送通路10A、搬送通路10B、搬送通路10C内の空気を置換するのに十分な程度であればよく、前記製版層形成液の層を乾燥させるのに必要な風量よりは遥かに小さな風量でよい。
【0048】
故に、乾燥ライン100においては、加熱空気の供給に費やされるエネルギーを大幅に節減できるから、大幅な省エネルギーを実現できる。
【0049】
なお、実施形態1においては、乾燥ライン100を、アルミニウムウェブWに製版層形成液を塗布する塗布ラインの下流に設けて製版層形成液の乾燥に使用する例について述べたが、乾燥ライン100は、製版層に重ねてポリビニル水溶液を塗布して乾燥し、酸素遮断層を形成するのにも使用される.
【0050】
【実施例】
(実施例1〜4、比較例1、2)
図2および図3に示す加熱ローラ6に、幅800mm、厚み0.1mmのアルミニウムウェブを巻き掛け、150kg/アルミニウムウェブ幅の張力tを負荷したときの歪の発生の有無を調べた。結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
表1に示すように、加熱ローラ6とアルミニウムウェブWとの間の摩擦係数μwebが0.7以下であった実施例1〜4においては、アルミニウムウェブWには歪の発生は殆ど見られなかったが、前記摩擦係数μwebが0.78および1.2と0.7よりも大きかった比較例1および比較例2においては、皺の発生が見られた。
【0052】
ここで、前記アルミニウムウェブの張力tに由来するσwebは17.5kg/cm2であり、アルミニウムウェブWの線膨張係数αwebは23.5×10-6m/℃であり、アルミニウムウェブWの厚み方向弾性率Ewebは68.6kN/mm2であり、アルミニウムウェブWのポアソン比νwebは0.33であった。また、加熱ローラ6の表面温度と加熱ローラ6に接触する前のアルミニウムウェブWとの温度差ΔTは50℃であったから、式:
σweb+αweb・Eweb・ΔT/(1−νweb)≦10/μweb
から計算される摩擦係数μwebは0.7以下である。
【0053】
したがって、表1に示す実施例1〜4の摩擦係数μwebは、前記式で与えられる歪の発生しない摩擦係数μwebの範囲と一致する。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、 本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、乾燥工程の初期に使用しても、アルミニウムウェブが急激に加熱されることによる皺や傷、折れなどの問題が生じない加熱ローラ、前記加熱ローラを加熱手段として用い、高効率でコンパクトな乾燥装置、および乾燥工程の初期に加熱ローラを用いたときおけるアルミニウムウェブの皺や傷、折れなどの問題の発生を抑制できる乾燥方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の乾燥装置の一例である乾燥ラインの構成を示す概略断面図である。
【図2】図1に示す乾燥ラインの備える加熱ローラの一例を示す斜視図である。
【図3】図1に示す乾燥ラインの備える加熱ローラであって表面に被覆を設けたもののの例を示す斜視図である。
【図4】図4は、図1に示す乾燥ラインの備える熱風ノズルの詳細を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
2A 乾燥ボックス
2B 乾燥ボックス
2C 乾燥ボックス
4 接続ジョイント
6 加熱ローラ
8A 熱風ノズル
8B 熱風ノズル
8C 熱風ノズル
Claims (4)
- 帯状の被加熱物を巻き掛けて加熱する加熱ローラであって、ローラ表面と前記被加熱物との間の静止摩擦係数μが、以下の式:
t+V≦G
なお、G=μ・σAl
=μ・t・sin(θ/2)
(但し、tは、前記被加熱物に加わる張力、Gは、加熱ローラが前記被加熱物を摩擦力により保持する保持力、Vは、加熱ローラに保持された前記被加熱物が熱膨張することにより発生する熱膨張力、σAlは被加熱物に加わる張力により、前記被加熱物から前記加熱ローラの表面に及ぼされる押圧力、θは、前記被加熱物を前記加熱ローラに巻き掛けるラップ角を示す。)
を満たすように定められてなることを特徴とする加熱ローラ。 - 帯状の被加熱物を巻き掛けて加熱する加熱ローラであって、ローラ表面と前記被加熱物との間の静止摩擦係数μが、以下の式:
σAl+α・E・ΔT/(1−ν)≦10/μ
(αは前記被加熱物の線膨張係数を、Eは前記被加熱物の厚み方向弾性率を、ΔTは、前記被加熱物と前記ローラ表面との温度差を、νは前記被加熱物のポアソン比を示す。)
に従って定められてなる請求項1に記載の加熱ローラ。 - 帯状の被乾燥物を搬送する搬送ローラを備えてなり、前記搬送ローラのうちの少なくとも1本が請求項1または2に記載の加熱ローラであることを特徴とする乾燥装置。
- 請求項1または2に記載の加熱ローラに前記被加熱物として帯状の被乾燥物を巻き掛けて加熱乾燥することを特徴とする乾燥方法。
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JP2002373886A JP2004205091A (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 加熱ローラ、乾燥装置、および乾燥方法 |
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JP (1) | JP2004205091A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8609186B2 (en) | 2009-12-03 | 2013-12-17 | Fujifilm Corporation | Method for manufacturing coating film |
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2002
- 2002-12-25 JP JP2002373886A patent/JP2004205091A/ja active Pending
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