JP2004205023A - 管継ぎ手 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来に比べて接続される管の曲げ角度を比較的自由に設定することができる管継ぎ手の提供。
【解決手段】本体部分が曲げられた管継ぎ手において、管継ぎ手の開口端部から本体部側に向けて挿入された他の管が前記開口端部を中心としてすりこ木運動可能となるよう前記本体部側に、本体部側拡大内径部が設けられたことを特徴とする。
又、管継ぎ手の両開口端部側に各々本体部側拡大内径部が設けられたことを特徴とする。
又、前記の本体部側拡大内径部は、管継ぎ手の開口端部側から、挿入された他の管の挿入端側に向って径が次第に拡大する形状であることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】本体部分が曲げられた管継ぎ手において、管継ぎ手の開口端部から本体部側に向けて挿入された他の管が前記開口端部を中心としてすりこ木運動可能となるよう前記本体部側に、本体部側拡大内径部が設けられたことを特徴とする。
又、管継ぎ手の両開口端部側に各々本体部側拡大内径部が設けられたことを特徴とする。
又、前記の本体部側拡大内径部は、管継ぎ手の開口端部側から、挿入された他の管の挿入端側に向って径が次第に拡大する形状であることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地下に埋設されるダクタイル管等の配管用管、例えば、所要長さの管が逐次接続されて形成される水道用管路において、当該管路の曲がり部分に用いられる管継ぎ手の構造に関する。以下、このように本体部分が曲げられた管継ぎ手を曲がり管継ぎ手、或いは単に管継ぎ手ともいう。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の管継ぎ手は、管継ぎ手の接続口である開口端部側において、当該開口端部の軸線と接続される他の管(例えば直管)の軸線とが直線状となるように接続される構造であった。このため、例えば直角に曲げられた曲がり管継ぎ手では、当該管継ぎ手の両開口端部に接続される2本の管の軸が二次元の面において直行する位置関係に限定されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、地下に埋設される管路は、地上空間に配設される管路と異なり、設計段階において予期し得ない、動かし難い岩石等の障害物の存在によって、接続作業現場の環境に応じて、適宜曲げ角度の変更を要する場合がある。
このような場合、樹脂管や鉛管等とは異なって、ダクタイル管は管を曲げることが容易ではない。従って、このような場合のため、予め、曲げ角度の異なる複数種類もの管継ぎ手を用意しておかねばならなかった。
本発明は、このような課題を解消する管継ぎ手の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1の管継ぎ手の発明は、本体部分が曲げられた管継ぎ手において、管継ぎ手の開口端部から本体部側に向けて挿入された他の管が前記開口端部を中心としてすりこ木運動可能となるよう前記本体部側に、本体部側拡大内径部が設けられたことを特徴とする。
【0005】
請求項2の管継ぎ手の発明は、本体部分が曲げられた管継ぎ手において、管継ぎ手の両開口端部から各々挿入された他の管が、挿入された状態において、各々開口端部を中心としてすりこ木運動可能となるよう前記本体部側に、挿入された各管に対応する本体部側拡大内径部が設けられたことを特徴とする。
【0006】
請求項3の管継ぎ手の発明は、請求項1又は請求項2に記載の管継ぎ手において、本体部側拡大内径部は、管継ぎ手の開口端部側から、挿入された他の管の挿入端側に向って径が次第に拡大する形状であることを特徴とする。
【0007】
請求項4の管継ぎ手の発明は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の管継ぎ手において、すりこ木運動の中心となる開口端部は、本体部側から開口端側に向けて次第に径が拡大する端部側拡大内径部が設けられたことを特徴とする。
【0008】
請求項5の管継ぎ手の発明は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の管継ぎ手において、本体部が直角若しくは「へ」の字状に曲げられた継ぎ手であることを特徴とする。
【0009】
請求項6の管継ぎ手の発明は、請求項1、請求項3乃至請求項5の何れかに記載の管継ぎ手において、本体部側拡大内径部は、一方の開口端部側に形成され、他方の開口端部側は他の管に挿入可能に形成されたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
実施の形態1は、本体部分が曲げられた管継ぎ手の両開口端部から各々挿入された2本の管が、挿入された状態において、各々管継ぎ手の開口端部を中心としてすりこ木運動可能となるように、管継ぎ手の本体部側に、挿入された前記各管に対応する本体部側拡大内径部を各々設けられた管継ぎ手である。
以下、この管継ぎ手を図1及び図2に基づいて説明する。図1は管の断面図、図2は接続状態の一例を示す断面図である。
【0011】
図1及び図2において、1は管継ぎ手である。この管継ぎ手1は、管継ぎ手の曲がり部位を含む本体部2の面端部側に接続口としての開口端部3を備えた形態のものである。ここで本体部2とは管1において開口端部3を除いた管部分をいう。
尚、図1乃至2中の符号4、4は、図示されていない押し輪や止め輪等の在来型の接続手段が装着されるフランジ部である。
【0012】
図2において、本体部2の両開口端部3、3から管継ぎ手1の本体部2の中央側に向けて、各々挿入された他の管、例えば在来型の直管5、6が図2に示すように深く挿入された状態で、各々、前記開口端部3、3の最小径部41、41を中心として、挿入された他の管5、6の挿入管部51、61が各々すりこ木運動が可能となるよう、受け入れ側である管継ぎ手1の本体部2の両開口端部3、3側に、挿入された各挿入管部51、61に対応して、すりこ木運動を許容するように本体部側拡大内径部21、22が設けられている。
【0013】
この実施の形態1の本体側拡大内径部21、22は、管継ぎ手1の開口端部3、3側から当該管継ぎ手1に挿入された他の管5、6の挿入端52、62側に向って、管継ぎ手1の内径即ち本体部の2の内径が次第に拡大する形状としてある。
この場合、図2の管5、6で示すように、当該各管5、6が最大に傾いた状態において、当該管5、6の外周面の一部と本体側拡大内径部21、22の内周面の一部とが管軸方向において均等に接触する形状とするのが好ましい。
【0014】
こうすると、管5、6の曲げ圧力が本体側拡大内径部21、22の一点に集中し難くなるので、管継ぎ手1の耐圧性を高めることができる。
勿論、本体側拡大内径部21、22の内部形状は、これに限らず、要は、挿入された管5、6の挿入管部51、62がすりこ木運動可能な空間が得られればよい。
【0015】
各開口端部3、3には、当該開口端より内側の内周面に、すりこ木運動が円滑に行われるように、すりこ木運動の回動中心となる部位として、挿入される管5、6の外径に略等しい最小径部41、41を比較的狭い幅に巡らせて設けてある。
又、図1に示すように、この最小径部41、41から開口端部3、3の開口端に向けては、口径が次第に拡大するよう端部側拡大内径部43、43が設けてある。
【0016】
管継ぎ手1を上記のように構成することによって、接続作業現場の環境に応じて、設計状の管路に岩石等の障害物があっても、管継ぎ手1の固有の曲げ角度、例えば、曲がり角度が直角の図示のような管継ぎ手1においては、90度±α度の曲げ角度の範囲で自由に変更することができる。
【0017】
例えば、図示のように、両開口端部3、3の各々において、すりこ木運動が軸線(管軸)に対して5度の角度で可能なように本部側内径拡大部21、22を形成しておくと、前記α度は5度+5度で10度となり、90度±10度、即ち、固有の曲げ角度が90度の管継ぎ手1において、80度〜100度の範囲で自由な接続が可能となる。
【0018】
しかも、この管継ぎ手1に接続される2本の他の管5、6は、当該各管軸と管継ぎ手1の管軸とが直線的に接続されていたため、二次元の面においてのみの接続に制約されていたが、三次元的な曲げ角度をも得ることができるので、接続角度を更に自在に設定することができる。
【0019】
更に、固有の曲げ角度が異なる、例えば「へ」の字状に本体部2が曲げられた管継ぎ手1はα度の自由度を備えることができる。例えば、固有の曲げ角度が120度の場合では、120度±10度となるから、110度から130度の範囲で自在に用いることができる。
従って、固有の曲げ角度の異なる管継ぎ手1の角度を異にする種類は従来に比べて少なくて済む。
【0020】
上記のように、この実施の形態1のような管継ぎ手1は、ダクタイル管に限らず、容易に曲げることができない材質の管継ぎ手において、1つの固有の曲げ角度を備えた1種類の管継ぎ手1の使用領域が拡大する点で極めて有効である。
【0021】
勿論、樹脂管や鉛管等のように容易に曲げ易い管継ぎ手において適用すれば、、接続作業現場において、余計な曲げ作業を現場で行う必要がなくなり、しかも、曲げ角度の異なる管継ぎ手の種類数を少なくすることができる。
【0022】
又、この管継ぎ手1に挿入された管5、6の挿入管部51、61は、管1の本体部2の中央側に、従来に比べて深く挿入されているので、例えば、従来では精々10mm程度であるに対して図示の例では300mm(本体部側内径拡大部21、22の軸方向長さに相応)程度挿入されているので、仮に、地震や地盤沈下等の地盤変動の圧力を、例えば、管接続口1の法線方向に受けて、曲がり管路(図示せず)が所要の曲がり角度よりも大きく曲げられたり、曲がり管路が大きく曲げられた結果当該管路が管軸方向に延びたとしても、当該圧力に応じて前記最小径部41、41を中心として管軸が許容範囲において自在に傾くことができ、しかも、管継ぎ手1と接続された管5、6の挿入管部51、61の軸方向長さ分だけの余裕があるので、接続状態を十分に維持させることができる。
【0023】
又、管継ぎ手1と接続される他の管5、6は十分に深く嵌合されているので、作業現場において、管路の長さ調整が必要な場合には、管5、6を適当長さに切断する必要が無く、管継ぎ手1と管5或いは管6との重なり量、即ち、本体部側拡大内径部21、22への挿入管部51、61の挿入長さを適宜選択することによって、容易に管路の長さ調整を行うことができる。
【0024】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、管継ぎ手1の両口端部3、3側に各々本体部拡大内径部21、22を設けたが、この実施の形態2では、管継ぎ手1の一方の開口端部3側にのみ本体部拡大内径部21を設けた形態である。これを図3に示す。図3は管継ぎ手の一部断面図である。尚、図1及び図2と同じ符号は同じ内容であるので、その説明を省略する。
【0025】
図3において、この実施の形態2に示す管継ぎ手1は、本体部側拡大内径部21を一方の開口端部3側に設け、他方の開口端部3側は他の管(図示せず)に挿入可能に、本体部2の口径をそのまま延長させた形状に形成された「へ」の字型状の管継ぎ手である。
従って、この実施の形態2に示す管継ぎ手1の構造やその作用効果は、上記実施の形態1における一方の開口端部3側に設けられた本体部拡大内径部21における構成及びその作用効果と同様である。即ち、実施の形態1の例に即していえば、固有の曲げ角度に対して±0〜5度の自由度をもつことができる。
【0026】
【発明の効果】
請求項1乃至請求項5の発明によれば、何れも、接続作業現場の環境に応じ、従来の管継ぎ手に比べて接続される管の曲げ角度を比較的自由に設定することができる。
特に、樹脂管や鉛管等とは異なって、管を曲げることが容易ではないダクタイル管等の場合には、極めて有効である。又、曲げ角度の異なる管継ぎ手の種類を少なくすることができる。
【0027】
請求項1乃至請求項5の各発明によれば、何れも、地震や地盤沈下等による地盤変動によって生ずる、埋設された管の法線方向の曲げ圧力に対して、接続状態を維持したまま柔軟に対応することができると共に、管継ぎ手に接続される他の管の軸方向の引き延ばし力に対しても十分な余裕を備えた管継ぎ手を提供することができる。
又、管と管との重なり量(挿入長さ)を適宜選択することによって、管を適当長さに切断する必要が無く、容易に管路の長さ調整を行うことができる。
【0028】
又、請求項4の発明によれば、管継ぎ手に対する曲げ圧力に対して耐久度性の高い配管用管を提供することができる。
【0029】
又、請求項6の発明によれば、一方の開口端部のみに本体部拡大内径部を備えているので、例えば、本体部がそのまま延長された形状に成形された他方の開口端部側に、同一或いは異なる曲がり角度の管継ぎ手を一本或いは複数本連続的に接続することによって、曲がり部位の管路を比較的自由に立体的に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の管継ぎ手の断面図である。
【図2】実施の形態1の管継ぎ手の接続状態を示す断面図である。
【図3】実施の形態2の管継ぎ手の断面図である。
【符号の説明】
1、10 管継ぎ手、2 本体部、3 開口端部、5、6 管、21、22 本体部拡大内径部、41 最小径部、43 端部側拡大内径部、51、61 挿入管部、52、62 挿入端部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、地下に埋設されるダクタイル管等の配管用管、例えば、所要長さの管が逐次接続されて形成される水道用管路において、当該管路の曲がり部分に用いられる管継ぎ手の構造に関する。以下、このように本体部分が曲げられた管継ぎ手を曲がり管継ぎ手、或いは単に管継ぎ手ともいう。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の管継ぎ手は、管継ぎ手の接続口である開口端部側において、当該開口端部の軸線と接続される他の管(例えば直管)の軸線とが直線状となるように接続される構造であった。このため、例えば直角に曲げられた曲がり管継ぎ手では、当該管継ぎ手の両開口端部に接続される2本の管の軸が二次元の面において直行する位置関係に限定されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、地下に埋設される管路は、地上空間に配設される管路と異なり、設計段階において予期し得ない、動かし難い岩石等の障害物の存在によって、接続作業現場の環境に応じて、適宜曲げ角度の変更を要する場合がある。
このような場合、樹脂管や鉛管等とは異なって、ダクタイル管は管を曲げることが容易ではない。従って、このような場合のため、予め、曲げ角度の異なる複数種類もの管継ぎ手を用意しておかねばならなかった。
本発明は、このような課題を解消する管継ぎ手の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1の管継ぎ手の発明は、本体部分が曲げられた管継ぎ手において、管継ぎ手の開口端部から本体部側に向けて挿入された他の管が前記開口端部を中心としてすりこ木運動可能となるよう前記本体部側に、本体部側拡大内径部が設けられたことを特徴とする。
【0005】
請求項2の管継ぎ手の発明は、本体部分が曲げられた管継ぎ手において、管継ぎ手の両開口端部から各々挿入された他の管が、挿入された状態において、各々開口端部を中心としてすりこ木運動可能となるよう前記本体部側に、挿入された各管に対応する本体部側拡大内径部が設けられたことを特徴とする。
【0006】
請求項3の管継ぎ手の発明は、請求項1又は請求項2に記載の管継ぎ手において、本体部側拡大内径部は、管継ぎ手の開口端部側から、挿入された他の管の挿入端側に向って径が次第に拡大する形状であることを特徴とする。
【0007】
請求項4の管継ぎ手の発明は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の管継ぎ手において、すりこ木運動の中心となる開口端部は、本体部側から開口端側に向けて次第に径が拡大する端部側拡大内径部が設けられたことを特徴とする。
【0008】
請求項5の管継ぎ手の発明は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の管継ぎ手において、本体部が直角若しくは「へ」の字状に曲げられた継ぎ手であることを特徴とする。
【0009】
請求項6の管継ぎ手の発明は、請求項1、請求項3乃至請求項5の何れかに記載の管継ぎ手において、本体部側拡大内径部は、一方の開口端部側に形成され、他方の開口端部側は他の管に挿入可能に形成されたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
実施の形態1は、本体部分が曲げられた管継ぎ手の両開口端部から各々挿入された2本の管が、挿入された状態において、各々管継ぎ手の開口端部を中心としてすりこ木運動可能となるように、管継ぎ手の本体部側に、挿入された前記各管に対応する本体部側拡大内径部を各々設けられた管継ぎ手である。
以下、この管継ぎ手を図1及び図2に基づいて説明する。図1は管の断面図、図2は接続状態の一例を示す断面図である。
【0011】
図1及び図2において、1は管継ぎ手である。この管継ぎ手1は、管継ぎ手の曲がり部位を含む本体部2の面端部側に接続口としての開口端部3を備えた形態のものである。ここで本体部2とは管1において開口端部3を除いた管部分をいう。
尚、図1乃至2中の符号4、4は、図示されていない押し輪や止め輪等の在来型の接続手段が装着されるフランジ部である。
【0012】
図2において、本体部2の両開口端部3、3から管継ぎ手1の本体部2の中央側に向けて、各々挿入された他の管、例えば在来型の直管5、6が図2に示すように深く挿入された状態で、各々、前記開口端部3、3の最小径部41、41を中心として、挿入された他の管5、6の挿入管部51、61が各々すりこ木運動が可能となるよう、受け入れ側である管継ぎ手1の本体部2の両開口端部3、3側に、挿入された各挿入管部51、61に対応して、すりこ木運動を許容するように本体部側拡大内径部21、22が設けられている。
【0013】
この実施の形態1の本体側拡大内径部21、22は、管継ぎ手1の開口端部3、3側から当該管継ぎ手1に挿入された他の管5、6の挿入端52、62側に向って、管継ぎ手1の内径即ち本体部の2の内径が次第に拡大する形状としてある。
この場合、図2の管5、6で示すように、当該各管5、6が最大に傾いた状態において、当該管5、6の外周面の一部と本体側拡大内径部21、22の内周面の一部とが管軸方向において均等に接触する形状とするのが好ましい。
【0014】
こうすると、管5、6の曲げ圧力が本体側拡大内径部21、22の一点に集中し難くなるので、管継ぎ手1の耐圧性を高めることができる。
勿論、本体側拡大内径部21、22の内部形状は、これに限らず、要は、挿入された管5、6の挿入管部51、62がすりこ木運動可能な空間が得られればよい。
【0015】
各開口端部3、3には、当該開口端より内側の内周面に、すりこ木運動が円滑に行われるように、すりこ木運動の回動中心となる部位として、挿入される管5、6の外径に略等しい最小径部41、41を比較的狭い幅に巡らせて設けてある。
又、図1に示すように、この最小径部41、41から開口端部3、3の開口端に向けては、口径が次第に拡大するよう端部側拡大内径部43、43が設けてある。
【0016】
管継ぎ手1を上記のように構成することによって、接続作業現場の環境に応じて、設計状の管路に岩石等の障害物があっても、管継ぎ手1の固有の曲げ角度、例えば、曲がり角度が直角の図示のような管継ぎ手1においては、90度±α度の曲げ角度の範囲で自由に変更することができる。
【0017】
例えば、図示のように、両開口端部3、3の各々において、すりこ木運動が軸線(管軸)に対して5度の角度で可能なように本部側内径拡大部21、22を形成しておくと、前記α度は5度+5度で10度となり、90度±10度、即ち、固有の曲げ角度が90度の管継ぎ手1において、80度〜100度の範囲で自由な接続が可能となる。
【0018】
しかも、この管継ぎ手1に接続される2本の他の管5、6は、当該各管軸と管継ぎ手1の管軸とが直線的に接続されていたため、二次元の面においてのみの接続に制約されていたが、三次元的な曲げ角度をも得ることができるので、接続角度を更に自在に設定することができる。
【0019】
更に、固有の曲げ角度が異なる、例えば「へ」の字状に本体部2が曲げられた管継ぎ手1はα度の自由度を備えることができる。例えば、固有の曲げ角度が120度の場合では、120度±10度となるから、110度から130度の範囲で自在に用いることができる。
従って、固有の曲げ角度の異なる管継ぎ手1の角度を異にする種類は従来に比べて少なくて済む。
【0020】
上記のように、この実施の形態1のような管継ぎ手1は、ダクタイル管に限らず、容易に曲げることができない材質の管継ぎ手において、1つの固有の曲げ角度を備えた1種類の管継ぎ手1の使用領域が拡大する点で極めて有効である。
【0021】
勿論、樹脂管や鉛管等のように容易に曲げ易い管継ぎ手において適用すれば、、接続作業現場において、余計な曲げ作業を現場で行う必要がなくなり、しかも、曲げ角度の異なる管継ぎ手の種類数を少なくすることができる。
【0022】
又、この管継ぎ手1に挿入された管5、6の挿入管部51、61は、管1の本体部2の中央側に、従来に比べて深く挿入されているので、例えば、従来では精々10mm程度であるに対して図示の例では300mm(本体部側内径拡大部21、22の軸方向長さに相応)程度挿入されているので、仮に、地震や地盤沈下等の地盤変動の圧力を、例えば、管接続口1の法線方向に受けて、曲がり管路(図示せず)が所要の曲がり角度よりも大きく曲げられたり、曲がり管路が大きく曲げられた結果当該管路が管軸方向に延びたとしても、当該圧力に応じて前記最小径部41、41を中心として管軸が許容範囲において自在に傾くことができ、しかも、管継ぎ手1と接続された管5、6の挿入管部51、61の軸方向長さ分だけの余裕があるので、接続状態を十分に維持させることができる。
【0023】
又、管継ぎ手1と接続される他の管5、6は十分に深く嵌合されているので、作業現場において、管路の長さ調整が必要な場合には、管5、6を適当長さに切断する必要が無く、管継ぎ手1と管5或いは管6との重なり量、即ち、本体部側拡大内径部21、22への挿入管部51、61の挿入長さを適宜選択することによって、容易に管路の長さ調整を行うことができる。
【0024】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、管継ぎ手1の両口端部3、3側に各々本体部拡大内径部21、22を設けたが、この実施の形態2では、管継ぎ手1の一方の開口端部3側にのみ本体部拡大内径部21を設けた形態である。これを図3に示す。図3は管継ぎ手の一部断面図である。尚、図1及び図2と同じ符号は同じ内容であるので、その説明を省略する。
【0025】
図3において、この実施の形態2に示す管継ぎ手1は、本体部側拡大内径部21を一方の開口端部3側に設け、他方の開口端部3側は他の管(図示せず)に挿入可能に、本体部2の口径をそのまま延長させた形状に形成された「へ」の字型状の管継ぎ手である。
従って、この実施の形態2に示す管継ぎ手1の構造やその作用効果は、上記実施の形態1における一方の開口端部3側に設けられた本体部拡大内径部21における構成及びその作用効果と同様である。即ち、実施の形態1の例に即していえば、固有の曲げ角度に対して±0〜5度の自由度をもつことができる。
【0026】
【発明の効果】
請求項1乃至請求項5の発明によれば、何れも、接続作業現場の環境に応じ、従来の管継ぎ手に比べて接続される管の曲げ角度を比較的自由に設定することができる。
特に、樹脂管や鉛管等とは異なって、管を曲げることが容易ではないダクタイル管等の場合には、極めて有効である。又、曲げ角度の異なる管継ぎ手の種類を少なくすることができる。
【0027】
請求項1乃至請求項5の各発明によれば、何れも、地震や地盤沈下等による地盤変動によって生ずる、埋設された管の法線方向の曲げ圧力に対して、接続状態を維持したまま柔軟に対応することができると共に、管継ぎ手に接続される他の管の軸方向の引き延ばし力に対しても十分な余裕を備えた管継ぎ手を提供することができる。
又、管と管との重なり量(挿入長さ)を適宜選択することによって、管を適当長さに切断する必要が無く、容易に管路の長さ調整を行うことができる。
【0028】
又、請求項4の発明によれば、管継ぎ手に対する曲げ圧力に対して耐久度性の高い配管用管を提供することができる。
【0029】
又、請求項6の発明によれば、一方の開口端部のみに本体部拡大内径部を備えているので、例えば、本体部がそのまま延長された形状に成形された他方の開口端部側に、同一或いは異なる曲がり角度の管継ぎ手を一本或いは複数本連続的に接続することによって、曲がり部位の管路を比較的自由に立体的に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の管継ぎ手の断面図である。
【図2】実施の形態1の管継ぎ手の接続状態を示す断面図である。
【図3】実施の形態2の管継ぎ手の断面図である。
【符号の説明】
1、10 管継ぎ手、2 本体部、3 開口端部、5、6 管、21、22 本体部拡大内径部、41 最小径部、43 端部側拡大内径部、51、61 挿入管部、52、62 挿入端部。
Claims (6)
- 本体部分が曲げられた管継ぎ手において、管継ぎ手の開口端部から本体部側に向けて挿入された他の管が前記開口端部を中心としてすりこ木運動可能となるよう前記本体部側に、本体部側拡大内径部が設けられたことを特徴とする管継ぎ手。
- 本体部分が曲げられた管継ぎ手において、管継ぎ手の両開口端部から各々挿入された他の管が、挿入された状態において、各々開口端部を中心としてすりこ木運動可能となるよう前記本体部側に、挿入された各管に対応する本体部側拡大内径部が設けられたことを特徴とする管継ぎ手。
- 本体部側拡大内径部は、管継ぎ手の開口端部側から、挿入された他の管の挿入端側に向って径が次第に拡大する形状であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の管継ぎ手。
- すりこ木運動の中心となる開口端部は、本体部側から開口端側に向けて次第に径が拡大する端部側拡大内径部が設けられたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の管継ぎ手。
- 本体部が直角若しくは「へ」の字状に曲げられた継ぎ手であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の管継ぎ手。
- 本体部側拡大内径部は、一方の開口端部側に形成され、他方の開口端部側は他の管に挿入可能に形成されたことを特徴とする請求項1、請求項3乃至請求項5の何れかに記載の管継ぎ手。
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2002
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