JP2004204916A - 流体軸受部材の製造方法および設備 - Google Patents

流体軸受部材の製造方法および設備 Download PDF

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Abstract

【課題】フランジへのスラスト動圧溝の形成とシャフトの締結とを同時にかつ高精度で行え、低コストで量産性を向上させる。
【解決手段】フランジ素材を加圧して表面および裏面にスラスト動圧溝もMu,Mdを成形すると同時に、フランジ素材の軸心穴Fcに嵌合されたシャフトSを締結するに際し、基本プレス装置A1で、動圧溝の成形凸部3u,3dを有する上型1および下型2により、外径拘束板5によりフランジ素材の外径部の拡張を規制した密閉状態で加圧して、スラスト動圧溝Mu,Mdを成形するとともに、フランジFの内径部を縮径して軸心穴FcにシャフトSを締結する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハードディスク装置等に用いられる流体軸受装置において、動圧溝が形成されたシャフト付フランジを製造するための流体軸受部材の製造方法および設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年ノートパソコンに搭載されるハードディスク装置では、小型化と耐衝撃性の向上が強く要望されており、結果として流体軸受装置の部材中でシャフトとフランジとの締結強度と締結精度の向上が不可欠となってきている。
【0003】
しかしながら、従来のネジ止めや圧入等の方法では要求が満足できないため、従来では、たとえばレーザ溶接を用いてシャフトとフランジとを締結する方法および設備が採用されている。
【0004】
すなわち、図12に示すように、スラスト動圧溝を加工するフランジ51の軸心穴51aにシャフト52を締結する場合、フランジ51とシャフト52は、それぞれ別の工程で加工された後、図12(a)に示すように、フランジ51の軸心穴51aにシャフト52が挿入され、フランジ51とシャフト52の境界部が図示しないレーザ溶接機により溶接されて締結強度が確保される。このレーザ溶接による歪みは、図12(b)に示す工程で、シャフト52を基準にフランジ51の表面および裏面と全周が研磨加工されることで、シャフト52に対するフランジ51の精度を確保する。次いで図12(c)に示す工程で、フランジ51の研磨面にエッチング加工によりスラスト動圧溝が形成されることで完成する。
【0005】
また特許文献1では、切削加工により動圧発生溝を形成したフランジを鍍金処理して硬質膜を形成し、次いでフランジを固定軸に圧入あるいは挿入固定してフランジ付シャフトを形成するものが開示されている。
【0006】
さらに特許文献2では、ダミー軸を使用してコイニングにより動圧発生溝を形成したフランジを、軸に圧入するものが開示されている。
更にまた特許文献3では、軸とスラストプレートとを一体形成し、スラストプレートに動圧発生溝をコイニング加工するものが提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−314425号公報(図2,図5)
【0008】
【特許文献2】
特開2001−116047号公報(図6)
【0009】
【特許文献3】
特開2000−257635号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の加工法を用いると、レーザ溶接機や研磨装置が高価でかつ加工タクトも遅く、更にエッチング加工自体も高価な加工方法であることから、スラスト軸受装置が極めて高価になるという問題があった。
【0011】
また特許文献1,2では、動圧発生溝の形成工程と、軸の装着工程とが別にあるため加工タクトが長くなるという問題があった。
さらに特許文献3では、一体成形される軸とスラストプレートの加工精度が問題となる。
【0012】
本発明は上記問題点を解決して、高価なレーザ溶接機や研磨装置を使用せず、かつ加工タクトも短くできて、動圧溝も安価な印圧成形ですみ、締結強度と締結精度も高くかつ安価に流体軸受部材を製造することができる流体軸受部材の製造方法および設備を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の流体軸受部材の製造方法は、フランジ素材を加圧して表面および裏面の少なくとも一方に動圧溝を成形すると同時に、フランジ素材の軸心穴に嵌合されたシャフトを締結するに際し、基本プレス工程で、少なくとも一方に動圧溝を形成する成形凸部を有する上型および下型により、フランジ素材の外径部の拡張を規制した密閉状態で加圧して動圧溝を成形するとともに、フランジ素材の内径部を縮径して軸心穴にシャフトを締結するものである。
【0014】
上記構成によれば、基本プレス工程で、外径部の拡張を規制するとともに内径部の縮径をシャフトにより規制した密閉状態で、フランジ素材を加圧することにより、ランド部高さが一定の動圧溝を形成することができると同時に、シャフトをフランジの軸心穴に締結固定することができる。したがって、高価なレーザ溶接機や研磨装置を使用せず、かつ加工タクトも短くできて、動圧溝も安価な印圧成形ですみ、締結強度と締結精度も高くかつ安価に流体軸受部材を製造することができ、スラスト軸受装置のコスト削減が可能になる。
【0015】
請求項2記載の流体軸受部材の製造方法は、請求項1記載の構成において、基本プレス工程で加圧終了後に、上型と下型とによりフランジを挟んだ状態で上方または下方に移動させて、外径規制部材からフランジを離脱させるものである。
【0016】
上記構成によれば、フランジが拡径されて外径拘束板に密着していても、フランジを下型と上型で挟んで取り外すことにより、フランジの変形を防止することができ、フランジの加工精度を高めることができる。
【0017】
請求項3記載の流体軸受部材の製造方法は、請求項1または2記載の構成において、基本プレス工程で前記上型と下型とによりシャフトを軸心方向に加圧圧縮して拡径させ、上型または下型に形成されてシャフトを位置決めする位置決め穴内にシャフトを密着させるものである。
【0018】
上記構成によれば、加圧成形時に、シャフトを加圧して拡径させ位置決め穴に密着させることにより、位置決め穴とシャフトとの間の挿入用隙間を埋めて、シャフトを位置決め穴内に高精度で位置決めすることができ、フランジとシャフトとを高精度で締結することができる。
【0019】
請求項4記載の流体軸受部材の製造方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の構成において、軸部に段部を介して小径で軸心穴に嵌合される締結部を有するシャフトを使用し、上型と下型とにより、フランジ素材および段部を介して軸心方向に圧縮されるシャフトの支持位置を調整して、前記段部に対応するフランジの成形状態を調整するものである。
【0020】
上記構成によれば、段部を有するシャフトをフランジに締結する場合、加圧成形時にシャフトも軸心方向に圧縮されることで、段部に対応するフランジ部分の平面度が他の部位と相違することになるが、シャフトの支持位置を調整することで、フランジの平面度と動圧溝の形状を最大限に高めることができる。これにより後工程の矯正をなくしたり、また矯正量を最小にすることができ、平面度や動圧溝の形状が高精度で形成されたシャフト付フランジを得ることができる。
【0021】
請求項5記載の流体軸受部材の製造方法は、請求項1乃至4のいずれか記載の構成において、シャフトの締結部に予め締結凹部を形成しておき、加圧成形によりフランジ素材の内径部を前記締結凹部に食い込ませるものである。
【0022】
上記構成によれば、加圧成形により、軸心穴内でフランジ素材をシャフトの締結部の締結凹部に食い込ませることで、フランジとシャフトとの締結強度を増大させることができる。
【0023】
請求項6記載の流体軸受部材の製造方法は、請求項1乃至5のいずれか記載の構成において、フランジ素材の外周部に、予め加工誤差で生じる体積より大きい容積の逃がし部を形成しておくものである。
【0024】
上記構成によれば、加圧成形により加工誤差により生じたフランジ材を逃がし部に収容することができるので、フランジの外径および厚みを設定値通りに高精度に形成することができ、高品質の流体軸受部材を得ることができる。
【0025】
請求項7記載の流体軸受部材の製造方法は、請求項1乃至6のいずれか記載の構成において、基本プレス工程の終了後、略平坦面の矯正面を有する上型と下型により、基本プレス工程終了後のシャフト付フランジの表面と裏面とを外周部を規制しない状態で加圧して、フランジの厚さと平面度とを加圧矯正する矯正プレス工程を行うものである。
【0026】
上記構成によれば、基本プレス工程で動圧溝が形成された表面と裏面を、略平坦面の矯正面により加圧することで、その平面度を改善して高精度の平面に形成することができる。また矯正面により動圧溝の形成面を加圧することで、その応力をランド部の上縁に集中させて角を丸く形成することができ、これにより起動・停止時に磨耗粉の発生がない信頼性に優れた流体軸受部材を提供することができる。
【0027】
請求項8記載の流体軸受部材の製造設備は、上型と下型によりフランジ素材を加圧して表面および裏面の少なくとも一方に動圧溝を成形すると同時に、フランジ素材の軸心穴に挿入されたシャフトを締結する流体軸受部材の製造設備であって、基本プレス装置は、少なくとも一方に動圧溝を成形する成形凸部が形成された上型および下型と、前記上型または下型に形成されてシャフトを位置決め可能な位置決め穴と、フランジ素材の外周部に配置されて外径部の拡径を規制する外径規制部材とを具備し、上型および/または下型を駆動して、上型および下型と外径規制部材とによりフランジ素材を密閉した密閉状態で動圧溝を加圧形成し、内径部を縮径してシャフトを軸心穴に締結するように構成されたものである。
【0028】
上記構成によれば、基本プレス装置で外径規制部材によりフランジ素材の外径部の拡張を規制するとともに内径部の縮径をシャフトにより規制した密閉状態で加圧することにより、ランド部高さが一定の動圧溝を形成することができると同時に、シャフトをフランジの軸受穴に締結固定することができる。したがって、高価なレーザ溶接機や研磨装置を使用せず、かつ加工タクトも短くできて、動圧溝も安価な印圧成形ですみ、締結強度と締結精度も高くかつ安価に流体軸受部材を製造することができ、スラスト軸受装置のコスト削減が可能になる。
【0029】
請求項9記載の流体軸受部材の製造設備は、請求項8記載の構成において、基本プレス装置に、下型を所定範囲で昇降自在に案内するガイドベースと、該下型を上方に付勢する下型付勢手段と、前記ガイドベースに取り付けられた外径部規制部材とを具備し、前記下型の下降限で上型との間でフランジを加圧成形した後、前記下型付勢手段の付勢力により、下型と上型との間にフランジを挟み込んだ状態で上型と共にフランジを上昇させて前記外径部規制部材から離脱させるように構成されたものである。
【0030】
上記構成によれば、加圧成形によりフランジが拡径されて外径拘束板に密着していても、フランジを下型と上型で挟んで取り外すので、フランジの変形を防止することができ、フランジの加工精度を高めることができる。
【0031】
請求項10記載の流体軸受部材の製造設備は、請求項8または9記載の構成において、シャフトの軸部に段部を介して小径で軸心穴に嵌合される締結部を形成して、上型と下型による加圧時にフランジおよび前記段部を介してシャフトが軸心方向に圧縮されるように構成し、位置決め穴の内径を、シャフトの軸部外径より大きく、かつ圧縮して拡径される軸部の外径より小さく形成したものである。
【0032】
上記構成によれば、加圧時にシャフトを軸心方向に圧縮して拡径させ、シャフトを位置決め穴内に密着させることにより、位置決め穴とシャフトとの挿入用の隙間を埋めて、シャフトを高精度で位置決めすることができ、シャフトとフランジとを高精度で締結することができる。
【0033】
請求項11記載の流体軸受部材の製造設備は、請求項8または9記載の構成において、シャフトを直状に形成し、上型に、加圧成形時に前記シャフトを軸心方向に圧縮する軸加圧用凸部を形成し、下型に形成された位置決め穴の内径を、シャフトの外径より大きく、かつ圧縮して拡径されるシャフトの外径より小さく形成したものである。
【0034】
上記構成によれば、加圧時に軸加圧用凸部によりシャフトを軸心方向に圧縮して拡径させ、シャフトを位置決め穴内に密着させることにより、位置決め穴とシャフトとの挿入用の隙間を埋めて、シャフトを高精度で位置決めすることができ、シャフトとフランジとを高精度で締結することができる。
【0035】
請求項12記載の流体軸受部材の製造設備は、請求項8または9記載の構成において、位置決め穴に、加圧成形時に圧縮されるシャフトの軸心方向の圧縮量に対応してシャフトを位置決めするスペーサを設け、該スペーサによりフランジの表面形状を設定するように構成したものである。
【0036】
上記構成によれば、段部を有するシャフトをフランジに締結する場合、加圧成形時にシャフトもその剛性に応じて軸心方向に圧縮されることで、段部に対応するフランジ部分の平面度が他の部位と相違することになるが、シャフトの支持位置をスペーサの高さにより調整することで、段部に対応するフランジ部分の平面度を調整して動圧溝の加工面(表面および/または裏面)の平面精度および動圧溝の形状を最大限に高めることができる。これにより後工程の矯正をなくしたり、また矯正量を最小にすることができ、平面度や動圧溝の形状が高精度で形成されたシャフト付フランジを得ることができる。
【0037】
請求項13記載の流体軸受部材の製造設備は、請求項8乃至12のいずれか記載の構成において、フランジ素材の軸心穴に嵌合されるシャフトの締結部に、加圧によりフランジ素材を食い込ませる締結凹部を予め周方向に形成したものである。
【0038】
上記構成によれば、加圧成形により、フランジ素材をシャフトの締結部の締結凹部に食い込ませることで、フランジとシャフトとの締結強度と引き抜き強度とを増大させることができる。
【0039】
請求項14記載の流体軸受部材の製造設備は、請求項8乃至13のいずれか記載の構成において、フランジ素材の外周部に、予め加工誤差で生じる体積より大きい容積の逃がし部を形成したものである。
【0040】
上記構成によれば、加圧成形時の加工誤差により生じたフランジ材を逃がし部に収容することができるので、フランジの外径および厚みを設定値通りに高精度に形成することができ、高品質の流体軸受部材を得ることができる。
【0041】
請求項15記載の流体軸受部材の製造設備は、請求項8乃至14のいずれか記載の構成において、基本プレス装置により形成されたシャフト付フランジの表面と裏面とを矯正する矯正プレス装置を設け、矯正プレス装置は、それぞれ形成された略平坦面の矯正面がそれぞれ形成された上型および下型と、前記下型に形成されシャフトを挿入して位置決め可能な位置決め穴とを具備し、上型または/および下型を駆動して外周部を規制しない状態で加圧して、フランジの厚さと平面度とを加圧矯正するように構成されたものである。
【0042】
上記構成によれば、基本プレス装置により動圧溝が形成されたフランジの動圧溝形成面を、略平坦面の矯正面により加圧することで、その平面度を改善して高精度の平面に形成することができる。また矯正面により動圧溝を加圧することで、その応力をランド部の上縁に集中させて角を丸く形成することができ、これにより起動・停止時に磨耗粉が発生しない信頼性の高い流体軸受部材を提供することができる。
【0043】
請求項16記載の流体軸受部材の製造設備は、請求項15記載の構成において、矯正面の略平坦面は、平坦面と、軸心位置から外周側に上方または下方に僅かな勾配で傾斜する傾斜状平坦面を含むものである。
【0044】
上記構成によれば、第1プレス装置により加圧成形されたフランジの表面と裏面が、軸心から外周側に僅かな傾斜を有していても、第2プレス装置の上型と下型により平坦面または傾斜状平坦面からなる矯正面で加圧矯正されることで、フランジの平面度をより向上させることができ、高精度な流体軸受部材を製造することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
ここで、本発明に係る流体軸受部材の製造設備および製造方法の第1の実施の形態を図1〜図2に基づいて説明する。
【0046】
この実施の形態は基本構造を示すもので、円形で中心に軸心穴Fcが形成された板状のフランジFの表面および裏面にそれぞれスラスト動圧溝Mu,Mdを印圧(プレス)加工してすると同時に、軸心穴FcにシャフトSを締結する第1プレス工程(基本プレス工程)を行う第1プレス装置(基本プレス装置)A1と、フランジFの外径部Fbを拘束せずに加圧してフランジFの厚さと平面度を高精度で矯正する第2プレス工程(矯正プレス工程)を行う第2プレス装置(矯正プレス装置)A2とが具備されている。なおこの第2プレス装置A2は、第1プレス装置A1により製造される軸受部材の精度が低かったり、より高精度に加工する必要がある場合に、必要に応じて使用されるものである。
【0047】
ここで製造されるフランジ素材は、円形で軸心位置に軸心穴Fcが形成された円板状に形成され、シャフトSは大径の軸部Scの先端側に段部Sbを介して小径の締結部Scが形成されている。
【0048】
図1(a)に示すように、第1プレス装置A1の加工部には、フランジFにスラスト動圧溝Muを印圧加工する成形凸部3uを有する上型1と、フランジFに動圧溝Mdを印圧加工する成形凸部3dを有する下型2とが配置されている。そして、図示しない加圧駆動装置により上型1が下降されて、上型1と下型2との間でフランジFを加圧圧縮してスラスト動圧溝Mu,Mdを印圧成形すると同時に、軸心穴Fcを縮径して嵌合されたシャフトSを締結固定する。なお、ここで下型2を上昇しても、上型1と下型2をそれぞれ昇降して接近させてもよい。
【0049】
前記下型2には、その上面軸心位置に、シャフトSを挿入位置決めする位置決め穴4が形成され、また外周部に外径部Fbが拡径されるのを規制するリング状の外径拘束板(外径規制部材)5が配置されている。また下型2の上面外周部に、上型1の下降限となってストロークを設定する第1ストッパ6が設けられている。
【0050】
上記第1プレス装置A1による第1プレス工程は、下型2の位置決め穴4にシャフトSの軸部Scを挿入配置し、シャフトSの締結部Scに軸心穴Fcを嵌合してフランジ素材Fを位置決めした後、上型1が矢印X方向に降下される。この時、フランジ素材Fと外径拘束板5の間およびフランジ素材FとシャフトSの間には所定の隙間δ1,δ2がそれぞれ形成されている。
【0051】
この時のフランジFの変形を詳細に説明すると、上型1がフランジ素材Fに当り加圧を開始すると、初めにフランジ素材Fの外径部が外周側に拡張変形すると同時に、成形凸部3u,3dによりスラスト動圧溝Mu,Mdが形成され始める。この時のスラスト動圧溝Mu,Mdは、外周側のランド部が高く、内周側のランド部が低く形成される。
【0052】
更に上型1が下降されると、フランジFの外径部Fbが拡張されて外径拘束板5にぶつかって拘束され、またフランジFの全体が上型1と下型2と外径拘束板5とで密閉状態で加圧されることにより、スラスト動圧溝Mu,Mdのランド部の高さも内周側と外周側でほぼ同じ高さになる。
【0053】
ここで更に上型1を下降させていくと、フランジFの内径部FaがシャフトS側へ変形していき、その結果、フランジFとシャフトSとが締結される。
次に第2プレス工程を行う第2プレス装置A2について説明する。
【0054】
図2(b)に示すように、第2プレス装置A1の加工部には、略平坦面の矯正面13uが形成された上型11と、略平坦面の矯正面13dが形成された下型12とが配置されている。そして、図示しない加圧駆動装置により上型11が下降されて、上型11と下型12との間で矯正面13u,13dにより、フランジFの厚みと平面度を矯正する。ここで矯正面13u,13dの略平坦面とは、プレス方向に垂直な平坦面と、軸心位置から外周側に工程差が数ミクロンから十数ミクロンオーダの勾配を有する(わずかな円錐凸状または円錐凹状の)傾斜面を含むものとする。なお、ここで下型12を上昇しても、上型11と下型12をそれぞれ昇降して接近させてもよい。
【0055】
前記下型12には、その中心部に、シャフトSを挿入位置決めする位置決め穴14が形成され、また下型12の上面外周部に、上型11の下降ストローク限となる第2ストッパ16が設けられて第1プレス装置A1により成形されたフランジF1の厚さを僅かに薄く加圧成形できるように設定されている。
【0056】
上記第2プレス装置A1による第2プレス工程は、フランジFが締結されたシャフトSを下型12の位置決め穴14へ挿入して位置決め後、上型11を矢印X方向に第2ストッパー16に当接させるまで降下させる。ここで第2ストッパー16は、第1プレス工程後のフランジFの厚みよりも少なくてもその平面の矯正量より薄く仕上がるよう設定されることで、フランジFの平面の矯正と厚み揃えを行う。当然ながら製品側の要求精度によっては、第1プレス工程だけで加工完了としても良い。
【0057】
なお、第2プレス工程の上型11と下型12による矯正面13u,13dの形状の詳細は、シャフトSの強度により大きく異なるので、次の実施の形態で説明し、ここでは省略する。
【0058】
次に図3〜図10を参照して本発明に係る流体軸受部材の製造設備および製造方法の第2の実施の形態を説明する。第1の実施の形態と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
【0059】
この実施の形態は、第1プレス工程において、プレス後のフランジFの変形を防ぐための工夫を施している。
すなわち、図3,図4に示すように、第1プレス装置(基本プレス装置)B1の加工部には、上ダイフレーム20Uに固定されてフランジFの表面にスラスト動圧溝Muを印圧加工する成形凸部23uが形成された上型21と、下ダイフレーム20Dに立設固定されたガイドベース27内に所定範囲で昇降自在に配置されてフランジFの裏面にスラスト動圧溝Mdを印圧加工する成形凸部23dが形成された下型22とを具備し、下型22はガイドベース27の内側で下ダイフレーム20Dにより下降限が規制されるとともに、ガイドベース27の規制部27aにより上昇限が規制されている。
【0060】
下ダイフレーム20Dの加工部には、下型22の上面軸心位置に所定深さの位置決め穴24が形成され、この位置決め穴24には、シャフトSが挿入されるとともに、底部にシャフトSを高さを設定するスペーサ29が内装されている。また下型22の下部で軸心位置に収容穴22aが形成され、この収容穴22aには下型22を上方に付勢する下型付勢手段であるばね28が配置されている。また下型22の成形凸部23dの外周には、外径部Fbが拡径されるの規制するリング状の外径拘束板(外径規制部材)25が配置されてガイドベース27に支持されている。
【0061】
上型21の下面外周部には、ガイドベース27の規制部27a上面に当接して上型21の下降限となり下降ストロークを設定する第1ストッパ26が設けられている。
【0062】
上記構成の第1プレス装置B1における動作を説明する。
まずプレスが動作していない時は、図3に示すように、ばね28により下型22がガイドベース27の規制部27aまで上昇されている。まず位置決め穴24にシャフトSが挿入され、シャフトSの締結部Scに軸心穴Fcを介してフランジ素材Fが嵌合されて部品のセットが完了する。このセット状態では、フランジ素材Fが外径拘束板25の上方に位置する。
【0063】
部品のセット作業をスムーズに行うために、フランジ素材Fの寸法は完成品と体積が一定のままで、厚みを約20〜50μmほど大きく形成され、また外径と内径は、外径拘束板25とシャフトSの締結部Scとの間にそれぞれ所定の割合で振り分けて形成している。またスペーサ18の高さはシャフトSの剛性により微妙に異なる調整が要求されるため、後で説明する。
【0064】
プレスが動作されて上型21が下降すると、例えば9.8N/mm2×10(100kg/cm2)に設定されたばね18に抗してフランジ素材Fは下型22との間に挟まれたまま下降され、図4に示すように、下型22が下ダイフレーム20uに当接する下降限で加圧される。
【0065】
この加圧により、上型21や下型22、シャフトS等の弾性変形、フランジFの弾性変形と塑性変形を含むので、フランジFが、たとえば外径が約6mm、厚みが約0.6mm、その材料がSUS系未焼き入れ材とした場合について、この変位を加圧力に置き換えて説明する。
【0066】
すなわち、加圧力が約9.8〜29.8N/mm2×10(1〜3t/cm2)の時、フランジ素材Fは圧縮されて外周方向へ拡張されると同時に、成形凸部23u,23dによりスラスト動圧溝Mu,Mdが形成され始める。この時のスラスト動圧溝Mu,Mdは、外周側でランド部の高さ(深さ)が高く、内周側のランド部が低い。
【0067】
さらに加圧力が39.2〜49N/mm2×10(4〜5t/cm2)になると、フランジFの外径部Fbが外径拘束板25にぶつかって拘束され、内径部Faが縮径されてシャフトSへの軽度の接触も始まり、密閉された状態での加圧となってスラスト動圧溝Mu,Mdは、ランド部が内周側も外周側もほぼ同じ高さ(深さ)に形成される。
【0068】
さらに加圧力を高めていくと、内径部Faがさらに縮径されてシャフトSが強固に締結され、十分な締結強度が得られる。
スラスト動圧溝Mu,Mdの加工とシャフトSの締結が完了すると、上型21を上昇させるが、ここで問題は、フランジFの外径部Fbが外径拘束板25に約30μmほど食い込んだ状態で密着しているため、外径拘束板25からフランジFを無理やり取り外すと、フランジFが変形する。これを防ぐためにフランジFを上型21と下型22との間にばね28の力で挟み込んだ状態で、上型21,フランジFおよび下型22を上昇させることにより、フランジFを外径拘束板25から取り出す。これによりフランジFの表面と裏面に形成されたスラスト動圧溝Mu,Mdの形状は、上型21、下金型22、およびシャフトSやフランジFの弾性変形、塑性変形で決定された安定した形状となる。
【0069】
なお、ここで上型21は第1ストッパ26により下降限の位置決めを行ったが、一般に市販されているサーボプレスで上型21の位置決めをしても良い。
ここで位置決め穴24に配置されるスペーサ29の作用について図5を参照して説明する。
【0070】
上型21により加えられるプレス荷重は、シャフトSの軸部Scの外径より大きい範囲では、フランジFを介して下型22で支持されるが、シャフトSの軸部Scの外径より小さい範囲では、フランジFから段部Sbを介して軸部Scで受け、さらにスペーサ29を介して下型22で支持する構造である。一般には、上型21および下型22は一般に超硬材により形成され、シャフトSはSUS系焼き入れ材が用いられるが、それぞれ弾性変形の指標となるヤング率やポアソン比が大きく異なっており、同一荷重でも圧縮量が大きく相違する。たとえばシャフトSの段部Sbの高さを下型21の成形凸部23dの形成面と同じ高さになるようにスペーサ29の高さを設定すると、シャフトSの長さが約5mmの場合、シャフトSは弾性変形の範囲で軸心方向に圧縮されるため、段部Sbの外径に対応する範囲のスラスト動圧溝Muが浅く(ランド部が低く)なる。これは第1の実施の形態において位置決め穴24内にシャフトSをフリーで配置して圧縮されない場合も同様である。
【0071】
この時のスペーサ29の高さを基準として、スペーサ29の高さ基準高さよりを約10〜20μm高くすると、図5(b)に示すように、フランジFの表面は、軸心部が外周部より5〜10μm低い凹む傾斜形状に形成され、この時スラスト動圧溝Muのランド部の高さは一定になる。またスペーサ29の高さを基準高さより20〜30μm高くすると、図5(c)に示すように、フランジFの表面がほぼ平面形状に形成され、この時スラスト動圧溝Muのランド部の高さは一定になる。さらに、スペーサ29の高さを基準高さより30〜40μm高くすると、図5(d)に示すように、軸心部が外周部より約5〜10μm膨らむ凸状の傾斜形状に形成され、スラスト動圧溝Muのランド部の高さは一定になる。
【0072】
このように、フランジFの表面に形成されるスラスト動圧溝Muの形成面の形状から、スペーサ29の高さを実験的に調整して、図5(c)になるように設定することで、第2プレス工程での矯正量を小さくしたり、あるいは第2プレス工程を不要にすることができ、また加工しやすい面にできるので、結果として精度の高い部品を得ることができる。もちろん、図5(b)(d)に示す略平坦形状でも、第2プレス工程でこれをうち消して平坦面とすれば、それなりに高い精度で平面度や厚み、スラスト動圧溝Mu,Mdの形状を得ることができる。
【0073】
なお、上記の説明は、シャフトSが第1プレス工程で弾性変形の範囲、すなわちスペーサ29の高さ調整できる範囲にのみ成り立つ。しかし製品形状の制約からシャフトSが塑性変形する場合は、スペーサ29の高さをいくら高くしてもシャフトSが塑性変形して座屈が大きくなるだけであり、図5(c)、(d)に示す形状にならない。このような場合には、スペーサ29を図5(b)の形状となる必要最小限の高さに調整することで、シャフト14の座屈を防ぐようにして、後述する第2プレス工程で平面度と厚みを矯正すればよい。
【0074】
またシャフトSは、上型21の加圧力がフランジFを介して加わるために、シャフトSは軸心方向の圧縮力を受けることになる。具体的には軸部Saの長さが約5mm、外径が約3mmの場合、経験的には約20〜30μm程度弾性変形の範囲内で圧縮されるので、体積計算によると軸部Saの外径が6〜9μm太くなっていることが推測される。したがって、位置決め穴24の内径を、非加圧時のシャフトSの外径より2μm程度大きく、かつ6μmより小さく形成しておけば、シャフトSはスムーズに位置決め穴24へ挿入でき、かつ加圧時にシャフトSを位置決め穴24の内面に密着させて、シャフトSを高精度で位置決め穴34に締結できる。この考え方は第2プレス工程についても適用できる。
【0075】
次ぎに締結強度を改善するためのシャフトSの締結部Scの形状を図6を参照して説明する。
図6(a)に示すように、シャフトSの段部Sb上で締結部Scに、先端部が大径で基端部が小径となるテーパ面Stにより締結凹部Tを形成する。このテーパ面Stを形成したシャフトSを第1プレス工程に用いると、フランジFの変形による密着力に加え、フランジFの構成材がテーパ面Stにが流れ込んでくることで、締結部Scの先端部をカシメたようになり、シャフトSの引き抜き強度を大幅に高めることができる。なお、テーパ面Stの先端部に直状面Ssを残しているのは、引き抜き負荷によるシャフトSの割れを防ぐとともに、引き抜き強度のバラツキを小さくするためである。
【0076】
またテーパ面Stに代えて、図6(b)に示すように、基端部が小径となる締結段部Sdにより締結凹部Tを形成しても同様の効果を奏することができる。また図6(c)に示すように、締結部Scに周方向に単数または複数の締結用溝Smにより締結凹部Tを形成しても締結強度を増大することができる。
【0077】
以上のように、シャフトSの締結部Scにテーパ面Stや締結段部Sd、締結溝部Smを形成することにより、シャフトSとフランジFとを第1プレス工程により一体化すると、極めて耐衝撃性の高いスラスト軸受部材を得ることができる。
【0078】
次ぎに図7を参照して第2工程を行う第2プレス装置(矯正プレス装置)B2について説明する。
第2プレス装置B2の加工部には、上ダイフレーム30Uに固定されてフランジFを平坦面に矯正する略平坦状の矯正面33uが形成された上型31と、下ダイフレーム30Dに立設固定されたガイドベース37内に所定範囲で昇降自在に配置されてフランジFを平坦面に矯正する略平坦状の矯正面23dが形成された下型32とを具備し、下型32はガイドベース37の内側で下ダイフレーム30Dにより下降限が規制されるとともに、ガイドベース37の規制部37aにより上昇限が規制されている。
【0079】
また下型32の軸心位置には、位置決め穴34が形成され、この位置決め穴34は、シャフトSが挿脱自在で、底部にシャフトSを位置決めするスペーサ39が内装されている。また下型32の下部で軸心位置に収容穴32aが形成され、この収容穴32aには下型32を上方に付勢する下型付勢手段であるばね38が配置されている。そして上型31の下面外周部には、ガイドベース37の規制部37a上面に当接して上型31の下降限となり下降ストロークを設定する第2ストッパ36が設けられている。
【0080】
なお、前記位置決め穴34の内径は、加圧時のシャフトSが圧縮されて拡径される外径より小さく設定されている。
上記第2プレス装置B2の動作を以下に説明する。
【0081】
プレスが動作していない時、下型32はばね38がより上方へ付勢されてガイドベース37の規制部37aに規制された上昇限にある。この状態でフランジFに締結されたシャフトSを位置決め穴34に挿入することで、部品のセットが完了する。なお、スペーサ39の長さは第1プレス装置B1と同じに設定される。
【0082】
次ぎにプレスが動作されて上型31が下降しフランジFに当接すると、フランジFは例えば約9.8N/mm2×10(100kg/cm2)に設定されたばね38に抗して下型30と挟まれた状態で下降を続け、下型32が下ダイフレーム30Dに当接する下降限で停止されて加圧され、フランジFの表面および裏面の平面度および厚みの矯正がおこなわれる。
【0083】
ここでは、第2ストッパ36によるフランジFの成形厚が、第1プレス装置B1による厚みより薄く設定されており、薄くする具体量は、少なくても第1プレス工程で形成される凹凸量より大きく設定すれば良い。また、より良好なスラスト動圧溝Mu,Mdの形状を得る為には、第1プレス工程で成形されるフランジFのランド部の高さ(溝深さ)を、完成品より2〜3μm程度高く(深く)しておき、これがフランジFの完成品溝深さとなるようストッパー38を更に薄く設定すると良い。
【0084】
すなわち、フランジ素材Fの加工は一般的な板金プレス抜き金型で得られるが、このような加工では板金の厚み誤差や、内径、外径の加工誤差すなわち体積誤差がある。このような誤差のあるフランジ素材Fを第1プレス装置B1によりより加工すると、フランジ素材FがシャフトS、外径拘束板25、上型21、下型22により密閉された空間に押し込められて加圧されるので、フランジ素材Fの体積誤差は上型21と下型22の間の厚み誤差となる。この厚み誤差を有するフランジFを第2プレス装置B2により矯正加工すると、フランジFの外径部Fbは拘束されていないので、厚み誤差を外径誤差に矯正することができる。一般的にスラスト軸受装置に要求されるフランジFの部品公差は、外径公差より厚み公差が重要視されるため、極めて最適なフランジFを得ることができる。
【0085】
さらに第2プレス装置B2により、極めて信頼性が改善できるフランジFのスラスト動圧溝Mu,Mdの形状が得られる。具体的形状は、図8に示すように、角張った形状のスラスト動圧溝Mu,Mdの先端角部が丸まったような形状となる。この理由は、上型31、下型32の矯正面33u,33dでフランジFを押圧すると、スラスト動圧溝Mu,Mdの端部に応力が集中して塑性変形した結果と考えられる。このように、先端角部が丸まったスラスト動圧溝Mu,Mdは、これをスラスト軸受装置とするときに、起動、停止時の摩耗粉の発生が押さえられるので、良好な信頼性を得ることができる。
【0086】
次ぎに図9を用いて第2プレス工程における上型31の矯正面33u(33d)の形状を説明する。
先に説明した図5(c)のように、フランジF3の表面が平面に調整できる場合は、当然上型29のフランジF3を矯正する矯正面33uを平坦面とすることで全く問題はない。図5(b),(d)の場合の形状に対する具体例を図9に示す。
【0087】
すなわち、図9(a),(b)において、Hは第1プレス工程により形成されたフランジFのスラスト動圧溝Mu,Md表面の高低差を示す。フランジFの高低差Hが例えば10μmの場合には、上型31の矯正面33uの高低差Lは12〜16μmが最適な値である。ここでフランジFの高低差Hより矯正面33uの高低差Lが大きく設定されるのは、第2プレス工程がフランジFの外径を拘束しないで加圧矯正するために、スプリングバックが起きるためである。
【0088】
上記の説明から、第1プレス工程で得られるフランジFの表面形状に対応して上型31の矯正面33uの形状を変えることで、平面度の良いフランジFが得られる。当然に下型31においても同様な考え方で、矯正面33dに工程差を設けることにより良好なフランジFが得られることは言うまでもない。
【0089】
なお、実験によれば、フランジFの高低差Hが5〜6μm以下の場合には、上型31の矯正面33uを全くの平坦面としても、実質的にフランジFの表面が十分な平面が得られることが確認されている。
【0090】
ここでシャフト付フランジFの寸法精度を改善するためのフランジ素材Fについて説明する。
すなわち、フランジ素材Fを加圧成形するときの体積誤差は、第2プレス工程でフランジF3の外径誤差となると説明した。このためフランジFの厚みも外径も寸法精度が要求される場合には、フランジ素材F自体の加工精度を高め体積誤差を小さくするしかなく、結果必然的にコストが高くなる。
【0091】
そこで、この実施の形態では、図10(a)に示すように、フランジFの加圧成形による体積誤差と同等以上の空間ができるように45°の傾斜平面(C形)面取りC、または図10(b)に示す円弧状面取りR、あるいは図8(c)に示す段形面取りNにより、加工誤差以上の容積を有する逃がし部を、スラスト動圧溝Mu,Mdを加工しない外周縁に設けることで解決している。この様なフランジ素材Fを第2プレス装置B2で上下型31,32により矯正すると、フランジFの体積誤差は、結果として面取りC,R,Nの(逃がし部)を埋めることになるので、フランジFの外径増大と厚み減少は常に設定量だけ変化し、第1プレス工程後のフランジFの厚みと外径は、体積誤差と無関係に同じ寸法に仕上がり、完成品としての寸法も安定する。
【0092】
以上のように、フランジFの外周縁に、成形による体積誤差以上の容積を持つ逃がし部を形成することにより、フランジ素材Fの加工コスト増大を押さえたままフランジFの寸法精度が改善できる。なお、逃がし部の形状は、前記面取りC,R,Nに限るものではない。
上記実施の形態では、段部を介して小径の締結部を形成したシャフトSを使用した場合を説明したが、段部を有さない直状のストレートシャフトS’を使用した場合の他の実施の形態を図11を参照して説明する。なお、先の実施の形態と同一の部材には同一の符号を付して説明を省略する。
【0093】
このようなシャフトS’を使用した場合、第1プレス装置B1では上型22によるプレス荷重がシャフトS’に負荷されないので、シャフトS’とフランジFの締結精度が、挿入のための軸心穴Fcとの隙間分だけ低下する。このため、この実施の形態では、上型21の軸心位置に、シャフトS’を直接加圧するための軸加圧用突部41を設けている。
【0094】
この突部41は、上型21の成形凸部23uがフランジ素材Fに当接する20〜30μm手前で、シャフトS’に当接するよう設定しており、突部41によりシャフトS’が軸心方向に加圧されることで弾性変形して拡径され位置決め穴24に密着する。このため、シャフトS’に対してフランジFを高精度で締結して、締結強度も向上させることができる。
【0095】
上記の説明では、第1プレス工程で説明したが、当然第2プレス工程でも同様に効果を奏することができる。
【0096】
【発明の効果】
以上に述べたごとく請求項1記載の流体軸受部材の製造方法によれば、基本プレス工程で、外径部の拡張を規制するとともに内径部の縮径をシャフトにより規制した密閉状態で、フランジ素材を加圧することにより、ランド部高さが一定の動圧溝を形成することができると同時に、シャフトをフランジの軸心穴に締結固定することができる。したがって、高価なレーザ溶接機や研磨装置を使用せず、かつ加工タクトも短くできて、動圧溝も安価な印圧成形ですみ、締結強度と締結精度も高くかつ安価に流体軸受部材を製造することができ、スラスト軸受装置のコスト削減が可能になる。
【0097】
請求項2記載の流体軸受部材の製造方法によれば、フランジが拡径されて外径拘束板に密着していても、フランジを下型と上型で挟んで取り外すことにより、フランジの変形を防止することができ、フランジの加工精度を高めることができる。
【0098】
請求項3記載の流体軸受部材の製造方法によれば、加圧成形時に、シャフトを加圧して拡径させ位置決め穴に密着させることにより、位置決め穴とシャフトとの間の挿入用隙間を埋めて、シャフトを位置決め穴内に高精度で位置決めすることができ、フランジとシャフトとを高精度で締結することができる。
【0099】
請求項4記載の流体軸受部材の製造方法によれば、段部を有するシャフトをフランジに締結する場合、加圧成形時にシャフトも軸心方向に圧縮されることで、段部に対応するフランジ部分の平面度が他の部位と相違することになるが、シャフトの支持位置を調整することで、フランジの平面度と動圧溝の形状を最大限に高めることができる。これにより後工程の矯正をなくしたり、また矯正量を最小にすることができ、平面度や動圧溝の形状が高精度で形成されたシャフト付フランジを得ることができる。
【0100】
請求項5記載の流体軸受部材の製造方法によれば、加圧成形により、軸心穴内でフランジ素材をシャフトの締結部の締結凹部に食い込ませることで、フランジとシャフトとの締結強度を増大させることができる。
【0101】
請求項6記載の流体軸受部材の製造方法によれば、加圧成形により加工誤差により生じたフランジ材を逃がし部に収容することができるので、フランジの外径および厚みを設定値通りに高精度に形成することができ、高品質の流体軸受部材を得ることができる。
【0102】
請求項7記載の流体軸受部材の製造方法によれば、基本プレス工程で動圧溝が形成された表面と裏面を、略平坦面の矯正面により加圧することで、その平面度を改善して高精度の平面に形成することができる。また矯正面により動圧溝の形成面を加圧することで、その応力をランド部の上縁に集中させて角を丸く形成することができ、これにより起動・停止時に磨耗粉の発生がない信頼性に優れた流体軸受部材を提供することができる。
【0103】
請求項8記載の流体軸受部材の製造設備によれば、基本プレス装置で外径規制部材によりフランジ素材の外径部の拡張を規制するとともに内径部の縮径をシャフトにより規制した密閉状態で加圧することにより、ランド部高さが一定の動圧溝を形成することができると同時に、シャフトをフランジの軸受穴に締結固定することができる。したがって、高価なレーザ溶接機や研磨装置を使用せず、かつ加工タクトも短くできて、動圧溝も安価な印圧成形ですみ、締結強度と締結精度も高くかつ安価に流体軸受部材を製造することができ、スラスト軸受装置のコスト削減が可能になる。
【0104】
請求項9記載の流体軸受部材の製造設備によれば、加圧成形によりフランジが拡径されて外径拘束板に密着していても、フランジを下型と上型で挟んで取り外すので、フランジの変形を防止することができ、フランジの加工精度を高めることができる。
【0105】
請求項10記載の流体軸受部材の製造設備によれば、加圧時にシャフトを軸心方向に圧縮して拡径させ、シャフトを位置決め穴内に密着させることにより、位置決め穴とシャフトとの挿入用の隙間を埋めて、シャフトを高精度で位置決めすることができ、シャフトとフランジとを高精度で締結することができる。
【0106】
請求項11記載の流体軸受部材の製造設備によれば、加圧時に軸加圧用凸部によりシャフトを軸心方向に圧縮して拡径させ、シャフトを位置決め穴内に密着させることにより、位置決め穴とシャフトとの挿入用の隙間を埋めて、シャフトを高精度で位置決めすることができ、シャフトとフランジとを高精度で締結することができる。
【0107】
請求項12記載の流体軸受部材の製造設備によれば、段部を有するシャフトをフランジに締結する場合、加圧成形時にシャフトもその剛性に応じて軸心方向に圧縮されることで、段部に対応するフランジ部分の平面度が他の部位と相違することになるが、シャフトの支持位置をスペーサの高さにより調整することで、段部に対応するフランジ部分の平面度を調整して動圧溝の加工面(表面および/または裏面)の平面精度および動圧溝の形状を最大限に高めることができる。これにより後工程の矯正をなくしたり、また矯正量を最小にすることができ、平面度や動圧溝の形状が高精度で形成されたシャフト付フランジを得ることができる。
【0108】
請求項13記載の流体軸受部材の製造設備によれば、加圧成形により、フランジ素材をシャフトの締結部の締結凹部に食い込ませることで、フランジとシャフトとの締結強度と引き抜き強度とを増大させることができる。
【0109】
請求項14記載の流体軸受部材の製造設備によれば、加圧成形時の加工誤差により生じたフランジ材を逃がし部に収容することができるので、フランジの外径および厚みを設定値通りに高精度に形成することができ、高品質の流体軸受部材を得ることができる。
【0110】
請求項15記載の流体軸受部材の製造設備によれば、基本プレス装置により動圧溝が形成されたフランジの動圧溝形成面を、略平坦面の矯正面により加圧することで、その平面度を改善して高精度の平面に形成することができる。また矯正面により動圧溝を加圧することで、その応力をランド部の上縁に集中させて角を丸く形成することができ、これにより起動・停止時に磨耗粉が発生しない信頼性の高い流体軸受部材を提供することができる。
【0111】
請求項16記載の流体軸受部材の製造設備によれば、第1プレス装置により加圧成形されたフランジの表面と裏面が、軸心から外周側に僅かな傾斜を有していても、第2プレス装置の上型と下型により平坦面または傾斜状平坦面からなる矯正面で加圧矯正されることで、フランジの平面度をより向上させることができ、高精度な流体軸受部材を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る軸受部材の製造設備の第1の実施の形態を示し、(a)は第1プレス装置のプレス前の側面中央断面図、(b)は同下型の平面図、(c)は(a)の要部拡大図である。
【図2】(a)は第2プレス装置のプレス前の側面中央断面図、(b)は同下型の平面図である。
【図3】本発明に係る軸受部材の製造設備の第2の実施の形態を示し、(a)は第1プレス装置のプレス前の側面中央断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。
【図4】同第1プレス装置のプレス状態を示し、(a)は第1プレス装置の縦断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。
【図5】(a)〜(d)はそれぞれ第1プレス装置による動圧溝形成面の形状を示すもので、(a)は段部と下型の成形凸部の形成面と同じ位置にスペーサを設定した場合のフランジ形状を誇張した部分断面図、(b)は段部を成形凸部の形成面より上位となるスペーサを使用した場合のフランジ形状を誇張した部分断面図、(c)は段部を(b)より上位となるスペーサを使用した場合のフランジ形状を誇張した部分断面図、(d)は段部を(c)より上位となるスペーサを使用した場合のフランジ形状を誇張した部分断面図である。
【図6】(a)〜(c)はそれぞれシャフトの締結部の形状を示す側面図である。
【図7】第2の実施の形態の第2プレス装置を示し、(a)は第2プレス装置のプレス前の側面中央断面図、(b)は(a)のプレス中の要部拡大図である。
【図8】同第2プレス装置により矯正されたフランジの動圧溝の形成面を誇張して示す側面断面図である。
【図9】(a)(b)は、それぞれフランジの動圧溝の形成面に対応する第2プレス装置の強制面の形状を示す断面図である。
【図10】(a)〜(c)はそれぞれフランジ素材の逃がし部を示す断面図である。
【図11】直状シャフトを使用した場合の第3の実施の形態の第1プレス装置を示す側面断面図である。
【図12】(a)〜(c)はそれぞれ従来のシャフト付フランジの製造手順を示す説明図図である。
【符号の説明】
F フランジ
Fa 内径部
Fb 外径部
Fc 軸心穴
Mu,Md スラスト動圧溝
S,S’ シャフト
Sb 段部
Sc 締結部
A1 第1プレス装置
1 上型
2 下型
3u 成形凸部
3d 成形凸部
4 位置決め穴
5 外径拘束板
6 第1ストッパ
A2 第2プレス装置
11 上型
12 下型
13u,13d 矯正面
14 位置決め穴
16 第2ストッパ
21 上型
22 下型
23u 成形凸部
23d 成形凸部
24 位置決め穴
25 外径拘束板
26 第1ストッパ
27 ガイドベース
28 ばね
31 上型
32 下型
33u,33d 矯正面
36 ストッパ
41 軸加圧用突部
C,R,N 面取り(逃がし部)

Claims (16)

  1. フランジ素材を加圧して表面および裏面の少なくとも一方に動圧溝を成形すると同時に、フランジ素材の軸心穴に嵌合されたシャフトを締結するに際し、
    基本プレス工程で、少なくとも一方に動圧溝を形成する成形凸部を有する上型および下型により、フランジ素材の外径部の拡張を規制した密閉状態で加圧して動圧溝を成形するとともに、フランジ素材の内径部を縮径して軸心穴にシャフトを締結する
    ことを特徴とする流体軸受部材の製造方法。
  2. 基本プレス工程で加圧終了後に、上型と下型とによりフランジを挟んだ状態で上方または下方に移動させて、外径規制部材からフランジを離脱させる
    ことを特徴とする請求項1記載の流体軸受部材の製造方法。
  3. 基本プレス工程で前記上型と下型とによりシャフトを軸心方向に加圧圧縮して拡径させ、上型または下型に形成されてシャフトを位置決めする位置決め穴内にシャフトを密着させる
    ことを特徴とする請求項1または2記載の流体軸受部材の製造方法。
  4. 軸部に段部を介して小径で軸心穴に嵌合される締結部を有するシャフトを使用し、
    上型と下型とにより、フランジ素材および段部を介して軸心方向に圧縮されるシャフトの支持位置を調整して、前記段部に対応するフランジの成形状態を調整する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の流体軸受部材の製造方法。
  5. シャフトの締結部に予め締結凹部を形成しておき、加圧成形によりフランジ素材の内径部を前記締結凹部に食い込ませる
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の流体軸受部材の製造方法。
  6. フランジ素材の外周部に、予め加工誤差で生じる体積より大きい容積の逃がし部を形成しておく
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の流体軸受部材の製造方法。
  7. 基本プレス工程の終了後、略平坦面の矯正面を有する上型と下型により、基本プレス工程終了後のシャフト付フランジの表面と裏面とを外周部を規制しない状態で加圧して、フランジの厚さと平面度とを加圧矯正する矯正プレス工程を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか記載の流体軸受部材の製造方法。
  8. 上型と下型によりフランジ素材を加圧して表面および裏面の少なくとも一方に動圧溝を成形すると同時に、フランジ素材の軸心穴に挿入されたシャフトを締結する流体軸受部材の製造設備であって、
    基本プレス装置は、少なくとも一方に動圧溝を成形する成形凸部が形成された上型および下型と、前記上型または下型に形成されてシャフトを位置決め可能な位置決め穴と、フランジ素材の外周部に配置されて外径部の拡径を規制する外径規制部材とを具備し、上型および/または下型を駆動して、上型および下型と外径規制部材とによりフランジ素材を密閉した密閉状態で動圧溝を加圧形成し、内径部を縮径してシャフトを軸心穴に締結するように構成された
    ことを特徴とする流体軸受部材の製造設備。
  9. 基本プレス装置に、下型を所定範囲で昇降自在に案内するガイドベースと、該下型を上方に付勢する下型付勢手段と、前記ガイドベースに取り付けられた外径部規制部材とを具備し、前記下型の下降限で上型との間でフランジを加圧成形した後、前記下型付勢手段の付勢力により、下型と上型との間にフランジを挟み込んだ状態で上型と共にフランジを上昇させて前記外径部規制部材から離脱させるように構成された
    ことを特徴とする請求項8記載の流体軸受部材の製造設備。
  10. シャフトの軸部に段部を介して小径で軸心穴に嵌合される締結部を形成して、上型と下型による加圧時にフランジおよび前記段部を介してシャフトが軸心方向に圧縮されるように構成し、
    位置決め穴の内径を、シャフトの軸部外径より大きく、かつ圧縮して拡径される軸部の外径より小さく形成した
    ことを特徴とする請求項8または9記載の流体軸受部材の製造設備。
  11. シャフトを直状に形成し、
    上型に、加圧成形時に前記シャフトを軸心方向に圧縮する軸加圧用凸部を形成し、
    下型に形成された位置決め穴の内径を、シャフトの外径より大きく、かつ圧縮して拡径されるシャフトの外径より小さく形成した
    ことを特徴とする請求項8または9記載の流体軸受部材の製造設備。
  12. 位置決め穴に、加圧成形時に圧縮されるシャフトの軸心方向の圧縮量に対応してシャフトを位置決めするスペーサを設け、
    該スペーサによりフランジの表面形状を設定するように構成した
    ことを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載の流体軸受部材の製造設備。
  13. フランジ素材の軸心穴に嵌合されるシャフトの締結部に、加圧によりフランジ素材を食い込ませる締結凹部を予め周方向に形成した
    ことを特徴とする請求項8乃至12のいずれか記載の流体軸受部材の製造設備。
  14. フランジ素材の外周部に、予め加工誤差で生じる体積より大きい容積の逃がし部を形成した
    ことを特徴とする請求項8乃至13のいずれか記載の流体軸受部材の製造設備。
  15. 基本プレス装置により形成されたシャフト付フランジの表面と裏面とを矯正する矯正プレス装置を設け、
    矯正プレス装置は、それぞれ形成された略平坦面の矯正面がそれぞれ形成された上型および下型と、前記下型に形成されシャフトを挿入して位置決め可能な位置決め穴とを具備し、上型または/および下型を駆動して外周部を規制しない状態で加圧して、フランジの厚さと平面度とを加圧矯正するように構成された
    ことを特徴とする請求項8乃至14のいずれか記載の流体軸受部材の製造設備。
  16. 矯正面の略平坦面は、平坦面と、軸心位置から外周側に上方または下方に僅かな勾配で傾斜する傾斜状平坦面を含む
    ことを特徴とする請求項15記載の流体軸受部材の製造設備。
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