JP2004204874A - デファレンシャル - Google Patents

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Masahiro Saito
真広 齋藤
Kunihiro Osawa
国弘 大澤
Toshihiko Kasai
敏彦 笠井
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Abstract

【課題】デファレンシャルギアの噛み合わせの最適化による耐久性の向上と異音の低減を図ることのできるデファレンシャルを提供する。
【解決手段】ピニオン12の数を3つ以上とし、ピニオンシャフト19をデフケース2内に移動可能に配設し、一対のサイドギア13とデフケース2との相互の対向面間と、ピニオン12とデフケース2との相互の対向面間とに、それぞれ滑り軸受を16,41,42を配設する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンやモータなどの原動機の駆動力を車輪駆動軸に伝達するデファレンシャルに係り、特に、密閉状のデフケース内に3つ以上のピニオンをピニオンシャフトによって回転可能に保持することのできるデファレンシャルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、3輪、4輪などの車両においては、原動機としてのエンジンあるいはモータなどの駆動力をトランスミッション(変速機)に入力して駆動力を制御し、この制御された駆動力をトランスミッションの出力軸から必要に応じてプロペラシャフト(推進軸)を介してデフと称されるデファレンシャル(差動装置)に入力し、デファレンシャルにより原動機の駆動力を車輪駆動軸に伝達するようにした駆動力伝達装置が用いられている。
【0003】
このような駆動力伝達装置のデファレンシャルとして、ピニオンを4つ設けた4ピニオンタイプのデファレンシャルが、近年の原動機の駆動力の高出力化にともなうピニオンに作用する高荷重を分散させて、1つのピニオンが分担する荷重を軽減できるなどの理由により提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、近年においては、ピニオンおよびサイドギアにより構成されるデファレンシャルギアの作動音などのデフケースの内部の摺動部位から生じる音が外部へ洩れることにより生じる騒音を容易に低減できるなどの理由により、密閉状とされたデフケースを用いた構成のデファレンシャルが提案されている。
【0005】
そこで、密閉状のデフケース内に、4つのピニオンを十字状に形成したピニオンシャフトに回転可能に保持した構成のデファレンシャルが提案されている。(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−141475号公報(図1)
【特許文献2】
特開2000−266162号公報(図3)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年の自動車などにおいては、高性能化が求められており、このためにデファレンシャルの高性能化が図られている。そして、デファレンシャルの高性能化を図るうえで、デファレンシャルギアの噛み合わせの最適化による耐久性の向上と異音の低減が求められている。
【0008】
このデファレンシャルの噛み合わせの最適化は、サイドギアとピニオンとの噛合部におけるバックラッシュによる隙間をできるだけ詰めたうえでそれぞれの隙間を均一にすることで実行できる。
【0009】
しかしながら、従来のデファレンシャルにおいては、サイドギアとピニオンとの噛合部における相互の対向面間の隙間をそれぞれ均一にするのが困難で、バックラッシュのための隙間を大きくする必要があるという問題点があった。
【0010】
また、従来のデファレンシャルにおいては、車輪駆動軸が取着されるサイドギアとデフケースとの相互の対向面間、詳しくはサイドギアの背面と、この背面に対向するデフケースの内面との相互間に形成される隙間を均一にするのが困難で、サイドギアに接続される一対の車輪駆動軸の軸方向の隙間が異なっていた。その結果、一対の車輪駆動軸の軸方向への移動量が異なってしまい、車輪、ひいてはタイヤのがたつきが左右同一にならず、商品価値を低下させしまうという問題点もあった。
【0011】
これらのような問題点は、特に、特許文献1に開示されているように、デフケースにピニオンシャフトを高精度に位置決め固定した場合に顕著である。
【0012】
勿論、上記それぞれの隙間を均一にすることは机上では可能であるが、そのためには、デファレンシャルの構成部品それぞれのより一層の高精度化と、組み立てに多大な手間をかける必要があり、近年の低コスト化の要求に応えることができず、現実的ではない。
【0013】
そこで、サイドギアと3つ以上のピニオンとの噛合部における相互の対向面間のそれぞれの隙間を容易かつ確実に均一にし、デファレンシャルギアの噛み合わせの最適化による耐久性の向上と異音の低減を図ることのできるデファレンシャルが求められている。
【0014】
本発明はこの点に鑑みてなされたものであり、デファレンシャルギアの噛み合わせの最適化による耐久性の向上と異音の低減を図ることのできるデファレンシャルを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するため特許請求の範囲の請求項1に係る本発明のデファレンシャルの特徴は、原動機の駆動力によりリングギアとともに一体回転する密閉状のデフケース内に、一対のサイドギアのそれぞれに噛合する複数のピニオンがピニオンシャフトに回転可能に保持されているデファレンシャルにおいて、前記ピニオンの数を3つ以上とし、前記ピニオンシャフトを前記デフケース内に移動可能に配設するとともに、前記一対のサイドギアと前記デフケースとの相互の対向面間と、前記各ピニオンと前記デフケースとの相互の対向面間とに、それぞれ滑り軸受を配設した点にある。そして、このような構成を採用したことにより、ピニオンシャフトがデフケース内に移動可能に配設されていることにより、一対のサイドギアと3つ以上のピニオンがバックラッシュを均等に共有できるので、バックラッシュの最小化を容易に図ることができる。したがって、デファレンシャルギアの噛み合わせの最適化による耐久性の向上と異音の低減を容易かつ確実に図ることができる。さらに、滑り軸受によって、デフケースとサイドギアおよびデフケースとピニオンとのそれぞれの相互間の摺動抵抗の低フリクション化を図ることができる。
【0016】
また、請求項2に係る本発明のデファレンシャルの特徴は、請求項1において、前記滑り軸受がスペーサである点にある。そして、このような構成を採用したことにより、ピニオンとサイドギアとの噛合部における相互の対向面間のそれぞれの隙間を組立時に同時に容易に調整することができる。
【0017】
また、請求項3に係る本発明のデファレンシャルの特徴は、請求項2において、前記スペーサのうちの1つが隙間調整を行うシムである点にある。そして、このような構成を採用したことにより、ピニオンとサイドギアとの噛合部における相互の対向面間のそれぞれの隙間を組立時に同時に容易に調整することがより簡単にできる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施形態により説明する。
【0019】
図1から図3は本発明に係るデファレンシャルの実施形態を示すものであり、図1は要部の一部切断分解斜視図、図2は要部の断面図、図3はケースへのデファレンシャルギアの装着状態を示す左側面図である。
【0020】
本実施形態はピニオンの数を4つとした4ピニオンのデファレンシャルを例示している。
【0021】
図1に示すように、本実施形態のデファレンシャル1は、デフケース2を有している。このデフケース2は、車両搭載状態において回転軸心RL(図2)がほぼ水平となるように配置されている。また、デフケース2は、図1右方に示すケース3と、図1左方に示すカバー4とに2分割形成されている。すなわち、デフケース2は、その回転軸心RLに沿って左右に2分割されている。さらに、デフケース2は、ケース3にカバー4を固定ボルト5(図2)によって締結することでその内部を密閉状態とすることができるようになっている。
【0022】
前記ケース3は、図1右方に示す小径部7と、この小径部7に接続するようにして同軸状に形成された図1左方に示す大径部8とにより全体としてほぼ段付き円筒形状に形成されている。そして、ケース3の小径部7の外周面には、軸受9を介して図示しないハウジングにデフケース2を回転自在に支持するための一対のジャーナル部10(10R,10L)のうちの一方のジャーナル部10Rが形成されている。このジャーナル部10Rの内側には、従来と同様に例えば車輪駆動軸の一方(右車輪駆動軸)の基端部が挿通可能な軸方向に貫通する車軸貫通孔11Rが形成されており、この車軸貫通孔11Rの軸心は、デフケース2の回転軸心RLと一致するように形成されている。
【0023】
前記ケース3の大径部8の内側には、4つのピニオン12および一対のサイドギア13からなるデファレンシャルギア14のうちの4つのピニオン12と図1の右方に示す一方のサイドギア13とを内部に装着可能なギア装着孔15が形成されている。このギア装着孔15は、ピニオン12の外周面が球面滑り軸受16を介して摺接可能な曲率半径により形成された球状面17を有している。
【0024】
すなわち、ケース3と4つのピニオン12との相互の対向面間、詳しくは4つのピニオン12の背面と、これらの背面に対向するケース3のギア装着孔15の球状面17との相互間には、スペーサを兼ねた球面滑り軸受16がそれぞれ配設されている。
【0025】
前記ギア装着孔15の内周面には、図3の上下に示す上下方向両内周面、および、図3の左右に示す左右方向両内周面の総計4カ所に、ギア装着孔15の軸方向(図2左右方向)に延在しギア装着孔15の大径の開口端側(図1左側)に開口する4つのシャフト装着溝18が上下方向および左右方向においてそれぞれ対向するようにしてそれぞれ形成されている。
【0026】
すなわち、4つのシャフト装着溝18は、ケース3の大径部8側の内周面に、回転軸心RLを中心として、等距離位置に隣り合う相互間距離が等しくなるように90度の角度をもって等角度配置されている。また、図2に示すように、各シャフト装着溝18の対向する一対の内側面18aは相互にほぼ平行に形成されている。
【0027】
前記4つのピニオン12は、図3に示すように、十字状に形成されたピニオンシャフト19の4つの先端部よりやや中央寄りにそれぞれ回転自在に装着されている。このピニオンシャフト19は、同一形状に形成された2つのストレートピニオンシャフト20を十字状に配置することにより構成されている。
【0028】
前記ストレートピニオンシャフト20は、図1に示すように、全体としてほぼ円柱形に形成されており、その軸方向の中央部には、軸方向に対して直交する方向に沿って嵌合凹部21が形成されている。この嵌合凹部21は、外側から内側である外周側から軸心に向かう方向を深さ方向とし、軸心に平面状の底面21aが形成されている。そして、一方のストレートピニオンシャフト20の嵌合凹部21の底面21aを他方のストレートピニオンシャフト20の嵌合凹部21の底面21aに非接触状態で対向させることで、2つのストレートピニオンシャフト20を容易に十字状に形成することができるようになっている。
【0029】
すなわち、2つのストレートピニオンシャフト20の嵌合凹部21の底面21aを相互に対向するように配置することにより、2つのストレートピニオンシャフト20を十字状に形成したピニオンシャフト19を容易かつ簡単に得ることができるようになっている。
【0030】
前記ストレートピニオンシャフト20の外周面の両先端部近傍には、相互にほぼ平行な2つの平行面からなる取着部22が前記嵌合凹部21の底面21aと直交する方向にそれぞれ形成されている。そして、ストレートピニオンシャフト20の取着部22が前記シャフト装着溝18にギア装着孔15の図1左方に示す開口側から挿入されるようになっている。これにより、組立性が向上し、低コスト化を図ることができるようになっている。さらに、ストレートピニオンシャフト20の先端部に形成されている平行面からなる各取着部22をシャフト装着溝18の内側面18a,18aと対向するようにして挿入することにより、ストレートピニオンシャフト20がその軸心を中心として回転するのを防止することができるようにされている。このシャフト装着溝18の2つの内側面18aが対向する方向の幅寸法は、ストレートピニオンシャフト20の取着部22の間隔より若干大きく形成されている。その結果、ストレートピニオンシャフト20は、移動可能(自在)なフリー状態でデフケース2の内部、詳しくはケース3のギア装着孔15の内部に配設されている。また、ストレートピニオンシャフト20の両端部には小径の突起が同軸状に形成されている。
【0031】
前記ギア装着孔15の内部の図1右方に示す一端たる底部側には、前記ピニオンシャフト19に装着された4つのピニオン12にそれぞれ噛合する一対のサイドギア13のうちの一方がその軸心をデフケース2の回転軸心RLとほぼ一致するようにして配設されている。
【0032】
なお、各サイドギア13の内周面には、図示しない車輪駆動軸、あるいは車輪駆動軸に接続される出力軸の基端部がスプラインなどの結合手段によりそれぞれ一体回転可能なように結合されている。
【0033】
前記ケース3の大径部8の図1左方に示す開口端の外周面には、径方向外側に向けて延出された円環状のフランジ部23が形成されており、このフランジ部23には、板厚方向に貫通する12箇所の雌ねじ24(図2に1箇所のみ図示)がデフケース2の回転軸心RLから等距離位置に隣位する2つの雌ねじ24の中心間距離が等しくなるように等角度配置されている。
【0034】
前記カバー4は、図1左方に示す小径部31と、この小径部31に接続するようにして同軸状に形成された図1右方に示す大径部32とにより全体としてほぼ段付き円筒形状に形成されている。そして、カバー4の図1左方に示す小径部31の外周面には、軸受9を介して図示しないハウジングにデフケース2を回転自在に支持するための一対のジャーナル部10(10R,10L)のうちの他方のジャーナル部10Lが形成されている。この他方のジャーナル部10Lの内側には、従来と同様に例えば車輪駆動軸の他方(左車輪駆動軸)の基端部が挿通可能な軸方向に貫通する車軸貫通孔11Lが形成されており、この車軸貫通孔11Lの軸心は、デフケース2の回転軸心RLと一致するように形成されている。また、各車軸貫通孔11R,11Lは、それぞれの軸心が一致するように形成されている。
【0035】
前記カバー4の大径部32の図1左方に示す外側面の外周側には、リングギア33(図2)を装着するための円環状のリングギア装着溝34が形成されており、このリングギア装着溝34には、デフケース2の回転軸心RLに対して平行となるように板厚方向に貫通する12箇所の貫通孔35が前記ケース3の雌ねじ24と同様に等角度配置されている。また、リングギア33にも、その板厚方向に貫通する12箇所のねじ貫通孔36(図2)が前記ケース3の雌ねじ24と同様に等角度配置されている。
【0036】
そして、リングギア33のねじ貫通孔36と、カバー4の貫通孔35とにこの順に挿通される固定ボルト5を、ケース3のフランジ部23に形成された雌ねじ24に螺入することで、ケース3の大径部8の開口端をカバー4の大径部32で塞ぐように一体化して密閉状のデフケース2を形成するとともに、デフケース2にリングギア33を固着することができるようになっている。
【0037】
なお、固定ボルト5の代わりに図示しないリベットなどの公知の締結部材を用いてもよい。さらに、固定ボルト5の使用数は、強度などの必要に応じて増減することができる。
【0038】
前記デフケース2とサイドギア13との相互の対向面間、詳しくはサイドギア13の背面と、この背面に対向するデフケース2の内面との相互間には、図1右方に示す一方にスペーサを兼ねた環状のスラスト滑り軸受41が配設されており、図1左方に示す他方にスペーサを兼ねた環状のスラスト滑り軸受42が配設されている。また、図1左方に示すスペーサを兼ねた環状のスラスト滑り軸受42は、後述するように隙間調整を行うシムも兼ねている。
【0039】
その他の構成は、従来公知のデファレンシャルと同様とされているので、その詳しい説明は省略する。
【0040】
つぎに、前述した構成からなる本実施形態の作用について説明する。
【0041】
本実施形態のデファレンシャル1によれば、デファレンシャルギア14の噛み合わせの最適化による耐久性の向上と異音の低減を容易かつ確実に図ることができる。
【0042】
すなわち、本実施形態のデファレンシャル1によれば、ピニオン12を回転可能に保持するピニオンシャフト19がデフケース2の内部に移動可能に配設されているので、一対のサイドギア13と4つのピニオン12がバックラッシュを均等に共有できるので、バックラッシュの最小化を容易に図ることができる。このことは、車輪駆動軸が取着されるサイドギア13とデフケース2との相互の対向面間、詳しくはサイドギア13の背面と、この背面に対向するデフケース2の内面との相互間に形成される隙間を均一にできる。その結果、サイドギア13に接続される一対の車輪駆動軸の軸方向の隙間を均等にできるので、一対の車輪駆動軸の軸方向への移動量を均一にでき、車輪、ひいてはタイヤのがたつきを左右同一とすることができるので、商品価値の向上を図ることができる。
【0043】
また、本実施形態のデファレンシャル1によれば、デフケース2とサイドギア13との相互間には球面滑り軸受16スラスト滑り軸受41,42が配設されており、デフケース2とピニオン12と相互間には球面滑り軸受16が配設されているので、これらの滑り軸受16,41,42によって、デフケース2とサイドギア13およびデフケース2とピニオン12とのそれぞれの相互間の摺動抵抗の低フリクション化を図ることができるので、耐久性の向上と異音の低減を容易かつ確実に図ることができる。
【0044】
さらに、本実施形態のデファレンシャル1によれば、滑り軸受16,41,42がスペーサを兼ねているので、4つのピニオン12と一対のサイドギア13との噛合部における相互の対向面間のそれぞれの隙間を組立時に同時に容易に調整することができる。その結果、組立性の向上を確実に図ることができる。
【0045】
さらにまた、本実施形態のデファレンシャル1によれば、滑り軸受16,41,42のうちのスラスト滑り軸受42がシムを兼ねているので、スラスト滑り軸受42の厚さを変更するという簡単な作業によって、4つのピニオン12と一対のサイドギア13との噛合部における相互の対向面間のそれぞれの隙間を組立時に同時に調整することがより簡単にできる。その結果、組立性の向上をより図ることができる。
【0046】
すなわち、4つのピニオン12と一対のサイドギア13との噛合部における隙間であるバックラッシュの調整を、厚さの異なる複数種のスラスト滑り軸受42から選択することで実行できる。言い換えると、球面滑り軸受16およびスラスト滑り軸受41をそのままにして、スペーサおよびシムを兼ねたスラスト滑り軸受42のみを厚さの異なるものと交換するという簡単な作業によりピニオン12とサイドギア13とのすべての噛合部におけるバックラッシュの調整を同時に一括して行うことができる。この時、スラスト滑り軸受42の交換作業は、ケース3からカバー4を外すことで実行できるので、間隔調整の作業性が格段に向上する。
【0047】
なお、このような組立性および間隔調整の作業性の向上は、ピニオン12の数が2つより増加するほど効果が大きい。
【0048】
また、本実施形態のデファレンシャル1によれば、デフケース2の内部にピニオンシャフト19を移動可能なフリー状態で配設してあるので、デファレンシャル1の回転、すなわち、デフケース2の回転に伴ってデファレンシャルギア14は、一対のサイドギア13と4つのピニオン12との噛合部におけるそれぞれのバックラッシュが均等になるように自動調心される。このことは、デフケース2を加工する際の加工精度を低減することができるとともに、組立性を向上することにつながり、デファレンシャル1の低コスト化を図ることができる。
【0049】
なお、本実施形態のデファレンシャル1によれば、デフケース2の回転に伴ってフリー状態のピニオンシャフト19が移動した場合、ピニオン12は、球状面17に沿って円弧状に動くことになる。この時、ピニオン12とピニオンシャフト19との装着部分におけるピニオン12の内径とピニオンシャフト19の外径とのクリアランスの範囲内でピニオン12が傾くが、クリアランスによるピニオン12の傾きを調心によるピニオン12の傾きより大きく設定することで、調心によるピニオン12の傾きによるピニオン12の内径とピニオンシャフト19の外径との干渉の発生を確実に防止することができる。その結果、ピニオンシャフト19の移動範囲内では、ピニオン12の自動調心は正常に作動する。
【0050】
図4は、デファレンシャルの他の実施形態を示すものである。本実施形態のデファレンシャル1Aは、ピニオン12の数を3つとした3ピニオンタイプのデファレンシャル1Aである。このデファレンシャル1Aにおいては、図4に示すように、デフケース2のケース3の大径部8側の内周面に、回転軸心RLを中心として、等距離位置に隣り合う相互間距離が等しくなるように、3つのシャフト装着溝18が形成されている。そして、3つのシャフト装着溝18の一対の内側面18aには、3つの短ストレートピニオンシャフト43の先端部に形成されている取着部22が挿入されている。これらの短ストレートピニオンシャフト43は、両端が小径の円柱状に形成されており、図4の径方向外側に示す先端部には相互にほぼ平行な2つの平行面からなる取着部22がそれぞれ形成されている。そして、これらの短ストレートピニオンシャフト43の回転軸心RL側に位置する基端部は、円環状の支持リング44に形成された厚さ方向に貫通する支持孔45によって支持されており、3つの短ストレートピニオンシャフト43を3つのシャフト装着溝18と1つの支持リング44によって支持することで、全体として回転軸心RLを中心として三つ又状のピニオンシャフト19Aが形成されている。そして、3つの短ストレートピニオンシャフト43のそれぞれにピニオン12が装着されている。また、ケース3と3つのピニオン12との相互の対向面間、詳しくは3つのピニオン12の背面と、これらの背面に対向するケース3のギア装着孔15の球状面17との相互間には、スペーサを兼ねた球面滑り軸受16がそれぞれ配設されている。なお、支持リング44は、一対のサイドギア13(図1および図2参照)の対向面間に配置されるようになっている。
【0051】
その他の構成は、前述した実施形態のデファレンシャル1と同様とされているので、その詳しい説明は省略する。
【0052】
このような構成により、本実施形態のデファレンシャル1Aは、前述した実施形態のデファレンシャル1と同様の効果を奏することができる。
【0053】
本発明は、従来からある各種のデファレンシャルに適用することができる。
【0054】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することができる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に係る本発明のデファレンシャルによれば、デファレンシャルギアの噛み合わせの最適化による耐久性の向上と異音の低減を図ることができるなどの極めて優れた効果を奏する。
【0056】
また、請求項2に係る本発明のデファレンシャルによれば、ピニオンとサイドギアとの噛合部における相互の対向面間のそれぞれの隙間を組立時に同時に容易に調整することができるなどの極めて優れた効果を奏する。
【0057】
また、請求項3に係る本発明のデファレンシャルによれば、ピニオンとサイドギアとの噛合部における相互の対向面間のそれぞれの隙間を組立時に同時に容易に調整することがより簡単にできるなどの極めて優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るデファレンシャルの実施形態の要部の一部切断分解斜視図
【図2】図1のデファレンシャルの組み立て状態における要部の断面図
【図3】図1のデファレンシャルのケースへのピニオンシャフトの装着状態を示す左側断面図
【図4】本発明に係るデファレンシャルの他の実施形態のデファレンシャルのケースへのピニオンシャフトの装着状態を示す左側断面図
【符号の説明】
1、1A デファレンシャル
2 デフケース
3 ケース
4 カバー
12 ピニオン
13 サイドギア
14 デファレンシャルギア
16 球面滑り軸受
19、19A ピニオンシャフト
20 ストレートピニオンシャフト
21 嵌合凹部
21a (嵌合凹部の)底面
41、42 スラスト滑り軸受
43 短ストレートピニオンシャフト
44 支持リング
45 支持孔
RL (デフケースの)回転軸心

Claims (3)

  1. 原動機の駆動力によりリングギアとともに一体回転する密閉状のデフケース内に、一対のサイドギアのそれぞれに噛合する複数のピニオンがピニオンシャフトに回転可能に保持されているデファレンシャルにおいて、
    前記ピニオンの数を3つ以上とし、
    前記ピニオンシャフトを前記デフケース内に移動可能に配設するとともに、
    前記一対のサイドギアと前記デフケースとの相互の対向面間と、前記各ピニオンと前記デフケースとの相互の対向面間とに、それぞれ滑り軸受を配設したことを特徴とするデファレンシャル。
  2. 前記滑り軸受がスペーサであることを特徴とする請求項1に記載のデファレンシャル。
  3. 前記スペーサのうちの1つが隙間調整を行うシムであることを特徴とする請求項2に記載のデファレンシャル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007263339A (ja) * 2006-03-30 2007-10-11 Yamaichi Seiko:Kk デファレンシャル機構
JP2017187136A (ja) * 2016-04-07 2017-10-12 株式会社ジェイテクト 差動装置

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