JP2004204666A - 掘進工法及び掘進機並びにそれに使用する噴射ノズル装置 - Google Patents

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Kenichi Nakaguro
憲一 中黒
Hiroshi Saito
博 斉藤
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Nakaguro Kensetsu KK
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Nakaguro Kensetsu KK
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Abstract

【課題】既設構造物から離れた箇所から掘進しつつ既設構造物に接近して途中の障害物及びこの既設構造物の施工箇所を切断し、その施工箇所に新たに管路を接続等するのに好適な掘進工法及び掘進機並びに噴射ノズル装置を提供する。
【解決手段】既設構造物1と離れた位置から既設構造物1に接近する方向に向かって地盤5を掘進し、障害物や切断予定箇所4を切断して既設構造物1に管路6を接合等する。必要な場合地盤改良材を高圧ジェット水に混ぜて掘進方向前方に存在する地盤5に向けて噴射することにより地盤5を改良しながら掘削しつつ掘進機2を管路1等の切断予定箇所4に向けて進行させ、切削材を高圧ジェット水に混ぜて或は切削材とポリマー溶液との混合スラリーを高圧ジェット水で噴射することにより障害物を切断破砕したり管路1等を切断し、その切断の際に、止水材を適宜箇所に注入して止水を行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、既設構造物と離れた位置から既設構造物に接近する方向に向かって地盤を掘進しつつ進行し、必要に応じて既設構造物の切断予定箇所を切断しさらに既設構造物に管路を接合する掘進工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
市街地等の地下を掘進機で掘進する場合様々な既設構造物が埋没又は残置されていることが多く、また管路、ボックスカルバート等の既設構造物は道路の真下に埋設されていることが多く、障害物以外の既設構造物に例えば管路を接続する場合、既設構造物の接合予定箇所(切断予定箇所)に掘進機を進行させるとき、地上から行う施工作業に制約を受けるに留まらず交通にも支障を与えることがある。また、掘進機の進行経路の地盤中に大小多様な障害物が出現すれば、掘進機による作業が支障を来たし、障害物の破壊や撤去に別な作業を要することがあった。
【0003】
既設構造物の切断予定箇所を切断して既設構造物に管路を接合する掘進工法が採用され、この掘進工法には、カッタヘッドを有する掘進機が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特許第3184823号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、既設構造物と離れた位置から掘進機により地盤を掘削しつつ既設構造物に向かって掘進するのは、地盤そのものが軟弱地盤であったり、地盤中に残置矢板やH形鋼材、コンクリート壁、橋脚その他の障害物が存在することがあって、これを避けて進行方向を迂回させたり時には変更や中止さえも余儀なくされることがある。
【0006】
また、既設構造物の切断予定箇所をカッタヘッドにより切断しようとするとき、その掘進機の掘進圧力により既設構造物に過大の負荷が加わるため、この既設構造物が移動したり変形する等の不都合がある。従って、例えば管路の接合等に伴う施工には既設構造物の切断の際に補強による付加工事が必要であった。
【0007】
更には、管路等の既設構造物は通水状態を維持していたり水が溜まっていたりしており、この既設構造物を切断した際に、水が地盤中に漏れ出て道路や家屋が陥没するおそれもあるので、このような既設構造物への接近経路や既設構造物そのものに対する止水を必要とする場合もある。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、既設構造物と離れた位置から掘進し既設構造物が障害物となればこれを切断、破砕し、或は既設構造物の切断予定箇所を切断してその切断箇所に管路等を接続する一連の作業を連続的に一貫して行うのに好適な掘進工法及び掘進機並びにこれに用いる噴射ノズル装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の掘進工法は、既設構造物と離れた位置から該既設構造物に接近する方向に向かって地盤を掘進する掘進工法であって、高圧ジェット水と切削材との混合物又は前記切削材と高比重の溶液水との混合スラリーと高圧ジェット水との混合物を噴射することにより、前記既設構造物の切断予定箇所を切断することを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の掘進工法は、既設構造物と離れた位置から該既設構造物に接近する方向に向かって地盤を掘進する掘進工法であって、地盤改良材を高圧ジェット水により掘進方向前方に存在する地盤に向けて噴射することにより該地盤を改良しながら掘削することを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の掘進工法は、前記地盤改良材が懸濁型注入材、半懸濁型注入材及び溶液型注入材の群から選択された一又は複数の注入材からなることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の掘進工法は、既設構造物と離れた位置から該既設構造物の切断予定箇所に接近する方向に向かって地盤を掘進しつつ進行する掘進工法であって、地盤改良材を高圧ジェット水により掘進方向前方に存在する地盤に向けて噴射することにより該地盤を改良しながら掘削しつつ掘進機を前記切断予定箇所に向けて進行させ、前記既設構造物の前記切断予定箇所を切断することを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の掘進工法は、前記地盤改良材が懸濁型注入材、半懸濁型注入材及び溶液型注入材の群から選択された一又は複数の注入材からなることを特徴とする掘進工法。
【0014】
請求項6に記載の掘進工法は、既設構造物と離れた位置から該既設構造物の切断予定箇所に接近する方向に向かって地盤を掘進しつつ進行し、前記切断予定箇所を切断して前記既設構造物に管路を接合する掘進工法であって、地盤改良材を高圧ジェット水により掘進方向前方に存在する地盤に向けて噴射することにより該地盤を改良しながら掘削しつつ掘進機を前記切断予定箇所に向けて進行させ、前記既設構造物の前記切断予定箇所を切断すると共に前記既設構造物に管路を接合することを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の掘進工法は、前記地盤改良材が懸濁型注入材、半懸濁型注入材及び溶液型注入材の群から選択された一又は複数の注入材からなることを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の掘進工法は、前記既設構造物の切断の際に止水材を適量注入して止水を行うことを特徴とする。
【0017】
請求項9に記載の掘進工法は、前記止水材が懸濁型注入材、半懸濁型注入材及び溶液型注入材の群から選択された一又は複数の注入材からなることを特徴とする。
【0018】
請求項10に記載の掘進工法は、既設構造物と離れた位置から該既設構造物の切断予定箇所に接近する方向に向かって地盤を掘進しつつ進行し、前記切断予定箇所を切断して前記既設構造物に管路を接合する掘進工法であって、地盤改良材を高圧ジェット水により掘進方向前方に存在する地盤に向けて噴射することにより該地盤を改良しながら掘削しつつ掘進機を前記切断予定箇所に向けて進行させ、次いで、高圧ジェット水と切削材との混合物又は前記切削材と高比重の溶液水との混合スラリーと高圧ジェット水との混合物を噴射することにより、前記既設構造物の前記切断予定箇所を切断すると共に、前記既設構造物に管路を接合することを特徴とする。
【0019】
請求項11に記載の掘進工法は、前記地盤改良材が懸濁型注入材、半懸濁型注入材及び溶液型注入材の群から選択された一又は複数の注入材からなることを特徴とする。
【0020】
請求項12に記載の掘進機は、前記既設構造物の切断の際に止水材を適量注入して止水を行うことを特徴とする。
【0021】
請求項13に記載の掘進機は、既設構造物と離れた位置から該既設構造物の切断予定箇所に接近する方向に向かって地盤を掘進する掘進工法に使用される掘進機であって、高圧ジェット水、地盤改良材を混入した高圧ジェット、前記高圧ジェット水と切削材との混合物又は前記切削材と高比重の溶液水との混合スラリーと高圧ジェット水との混合物を切り換えて噴射可能な噴射ノズル装置と、掘進方向前方の地盤を掘削するカッタヘッドとを備えてなることを特徴とする。
【0022】
請求項14に記載の掘進機は、掘進機本体の外周部に止水材を注入する止水材注入ノズルが設けられていることを特徴とする。
【0023】
請求項15に記載の掘進機は、前記噴射ノズル装置を流体式駆動機構又は機械式駆動機構により前記カッタヘッド部に対して相対的に移動せしめるように構成したことを特徴とする。
【0024】
請求項16に記載の掘進機は、既設構造物と離れた位置から該既設構造物の切断予定箇所に接近する方向に向かって地盤を掘進し、前記切断予定箇所を切断して前記既設構造物に管路を接合する掘進工法に使用される掘進機であって、高圧ジェット水、地盤改良材を混入した高圧ジェット、前記高圧ジェット水と切削材との混合物、前記切削材と高比重の溶液水との混合スラリーと高圧ジェット水との混合物を切り換えて噴射可能な噴射ノズル装置と、掘進方向前方の地盤を掘削するカッタヘッドとを備えてなることを特徴とする。
【0025】
請求項17に記載の掘進機は、掘進機本体の外周部に止水材を注入する止水材注入ノズルが設けられていることを特徴とする。
【0026】
請求項18に記載の掘進機は、前記噴射ノズル装置を流体式駆動機構又は機械式駆動機構により前記カッタヘッド部に対して相対的に移動せしめるように構成したことを特徴とする。
【0027】
請求項19に記載の噴射ノズル装置は、既設構造物と離れた位置から該既設構造物の切断予定箇所に接近する方向に向かって地盤を掘進しつつ進行し、前記切断予定箇所を切断する掘進工法に使用される掘進機に設けられて、高圧ジェット水、地盤改良材を混入した高圧ジェット、高圧ジェット水と切削材との混合物、前記切削材と高比重の溶液水との混合スラリーと高圧ジェット水との混合物を切り換えて噴射可能な噴射ノズル装置を特徴とする。
【0028】
請求項20に記載の噴射ノズル装置は、前記高圧ジェット水と前記地盤改良材又は前記切削材もしくは前記混合スラリーとを混合する混合室と、混合物を噴射する混合物ジェット噴射ノズルと、前記高圧ジェット水を前記混合室に向けて噴射する高圧ジェット水噴射ノズルとを有することを特徴とする。
【0029】
請求項21に記載の噴射ノズル装置は、前記混合物ジェット噴射ノズルが特殊超硬材から構成され、前記高圧ジェット水噴射ノズルが表面にダイヤモンドコーティング膜が形成されたステンレス鋼材から構成されていることを特徴とする。
【0030】
請求項22に記載の噴射ノズル装置は、前記高圧ジェット水噴射ノズルと前記混合物ジェット噴射ノズルが前記混合室を間に挟んで同軸上に配設され、前記高圧ジェット水が前記軸に沿って平行方向から前記混合室に供給され、前記混合物が前記軸に交差する方向から前記混合室に供給されることを特徴とする。
【0031】
請求項23に記載の噴射ノズル装置は、前記高圧ジェット水噴射ノズルと前記混合物ジェット噴射ノズルが前記混合室を間に挟んで同軸上に配設され、前記高圧ジェット水が前記軸に沿って平行方向から前記混合室に供給され、前記混合物が前記軸に交差する方向から前記混合室に供給されることを特徴とする。
【0032】
請求項24に記載の噴射ノズル装置は、前記混合物ジェット噴射ノズルは穴径が外方に向けて拡径されたテーパ形状をなすことを特徴とする。
【0033】
請求項25に記載の噴射ノズル装置は、流体式駆動機構又は機械式駆動機構により前記カッタヘッド部に対して相対的に移動せしめるように構成したことを特徴とする。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明に係る掘進工法に用いる掘進機の概要図であって、その図1aにおいて、1は既設構造物としての管路、2は掘進機である。切断予定箇所4までの管路1に至る途中に例えば矢板、H形鋼材、擁壁、ビルの壁、柱等4′(図1b)があっても、これら障害物を切断、破壊し掘進機を進行させることが可能である。
【0035】
掘進機2は、管路1の延びる方向と交差する方向からその切断予定箇所4に接近する方向に向かって地盤5を掘進しつつ進行し、切断予定箇所4を切断して管路1に管体(例えば、ヒューム管、セグメント)6を接合する掘進工法に使用される。
【0036】
その掘進機2は掘進機本体7とカッタヘッド部8とから大略構成される。カッタヘッド部8は図2に示すように回転軸Oを中心に回転されながら地盤5を掘削する。そのカッタヘッド部8には図3に示す噴射ノズル装置9が設けられている。
【0037】
この噴射ノズル装置9は、高圧ジェット水を貫流させたり、高圧ジェット水と切削材との混合物、切削材と高比重の溶液水からなる混合スラリーと高圧ジェット水との混合物を混合する、或は、高圧ジェット水と地盤改良材や切削材とを混合する混合室10と、混合物を噴射する混合物ジェット噴射ノズル11と、この混合物ジェット噴射ノズル11内部に開口し高圧ジェット水を混合室10に向けて噴射する高圧ジェット水噴射ノズル12とを有する。
【0038】
混合物ジェット噴射ノズル11は特殊超硬材から構成され、高圧ジェット水噴射ノズル12は表面にダイヤモンドコーティング膜12aが形成されたステンレス鋼材から構成されることが好適である。混合室10は混合物ジェット噴射ノズル11に向かって縮径されている。
【0039】
高圧ジェット水噴射ノズル12と混合物ジェット噴射ノズル11とは混合室10を間に挟んで同軸上に配設され、高圧ジェット水と地盤改良材や切削材とは軸に沿って平行な二重管路13、14を通じて混合室10に供給される。その管路13、14はステンレス鋼材から形成されることが好適である。その混合物ジェット噴射ノズル11は、カッタヘッド部8の進行方向前面に設けられて混合物質としての地盤改良材が混じった高圧ジェットと、混合物質としての切削材または切削材混合スラリーが混じった高圧ジェット水とを切り換えて使用する兼用ノズル15と、そのカッタヘッド部8の外周部に設けられて混合物質としての地盤改良材が混じった高圧ジェットを半径方向外方に向けて噴射する専用ノズル16とから構成されている。
【0040】
掘削機本体7には、その外周部に止水材を注入する固定式の止水材注入ノズル17と回転式の止水材注入ノズル18とが設けられている。その地盤改良材と止水材とには主にセメントミルク等セメント系の懸濁型注入材、固化剤としてベントナイトやフライアッシュ等を用いる半懸濁型注入材、水ガラス等を用いる溶液型注入材から一又は複数の注入材を施工条件に応じて選択して用い、また切削材にはガーネット系等の研磨剤或はこの研磨剤を水よりも高比重のポリマーと水を混和したスラリーが用いられる。
【0041】
以下に、本発明に係る掘進工法及び掘進機について説明する。
まず、図4に示すように、地盤改良を必要とする場合、カッタヘッド部8を回転軸Oを中心に回転させながらその兼用ノズル15から地盤改良材の混じった高圧ジェットJ1を進行方向前方の地盤5に向けて噴射し、改良地盤Gを造成する。次いで、図5に示すように、カッタヘッド部8を回転させながら掘進機2を矢印方向に向けて掘進させ、改良地盤Gを掘削する。改良地盤G中の進行方向前方に矢板その他の障害物があるときには、地盤改良材の混じった高圧ジェットから、切削材又は切削材と高比重溶液水との混合スラリーの混じった高圧ジェット水に切り換えて、進行方向前方の障害物を切断、破砕する。
【0042】
次いで、掘進機1に設置の前方探査装置(図示を略す)により管路1の存在をキャッチし、図6に示すように管路1の直前で掘進機1の掘進を停止する。ここで、図7に示すように、カッタヘッド部8を回転させながら専用ノズル16から半径方向外方に向けて地盤改良材の混じった高圧ジェットJ2を噴射し、管路1の回り又は切断予定箇所の近傍の地盤の改良を行う。
【0043】
その地盤5の改良は例えば以下のようにして行う。まず、最初に、図8に示すように、地盤改良材の混じった超高圧ジェットJ2を噴射し、掘進機2から半径方向遠方の改良範囲Q1を改良する。次いで、地盤改良材の混じった高圧ジェットを噴射し、その改良範囲Q1の内側の改良範囲Q2を改良する。次いで、地盤改良材の混じった低圧のジェットを噴射し、改良範囲Q2の内側の改良範囲Q3を改良する。これによって、管路1の周囲の地盤5の改良が良好に行われる。管路1の周囲地盤5の改良範囲は土質に応じて設定され、超高圧の混合物ジェットJ2の噴射圧力とカッタヘッド部8の回転数とによって改良範囲Q1ないしQ3が適宜変更される。
【0044】
次いで、兼用ノズル16から噴射される混合物を地盤改良材から切削材又は切削材とポリマー等高比重溶液水との混合スラリーに切り換え、図9に示すように切削材が又は切削材混合物スラリー混入した高圧ジェット水J3を切断予定箇所4に噴射しながらカッタヘッド部8を回転させると共に掘進機2を掘進させる。これにより、管路1はその切断予定箇所4が円形に切断され、図10に示すように掘進機2が管路1の切断予定箇所4に貫入する。また、必要な場合、図10に示す管路1への貫入直前から図11に示す管路1への貫通後にかけて、止水材注入ノズル17、18から止水材J4を掘進機2の外周部分に存在する地盤5、切断箇所4の内壁部4aに向けて注入する。これにより、管路1からの又は管路周辺の水が地盤5に漏れ出たり管路1に浸入することが防止される。
【0045】
この掘進工法によれば、高圧ジェット水の噴射圧力を超高圧から低圧まで調節することにより地中障害物の切断破砕と、土質に応じて地盤改良の長さと幅、掘進途上における射程又は到達範囲を設定することができる。
【0046】
また、既設構造物を高圧ジェット水、切削材或は切削材混合スラリーを用いて切断するので、掘進機1の掘進圧力により過大な負荷が既設構造物に加わるのを避けることができる。更に、地盤改良を行いながら掘進するので、地下水が噴出するのも防止できる。加えて、止水を行いながら新たな管路を既設構造物に接合等するので、管路内の流水や地下水の漏出も避け、地盤の階段を防止することができる。この他、建設副産物としての排出物の発生も抑制することができる。
【0047】
(噴射ノズル装置の他の構成の説明)
図3に示す噴射ノズル装置9では、混合物ジェット噴射ノズル11はその穴径を内方から外方に向けて一定としたが、図12に示すように、混合物ジェット噴射ノズル11はその穴径が外方に向けて拡径されたテーパ形状であっても良い。
【0048】
また、図3に示す噴射ノズル装置9では、高圧ジェット水と地盤改良材や切削材などの混合物質とが軸に沿って平行な管路13、14から混合室10に供給される構成としたが、図13に示すように混合物質は軸に交差する方向から混合室10に供給される構成としても良い。
【0049】
以上発明の実施の形態では、兼用ノズル15をカッタヘッド部8に固定して、カッタヘッド部8を回転させて切断予定箇所4を円形に切断することにしたが、噴射ノズル装置9を流体(油圧)式駆動機構又は機械式駆動機構を設けて、この駆動機構により兼用ノズル15をカッタへッド部8に対して相対的にその径方向や上下左右前後方向に移動する構成とすれば、障害物及び又は切断予定箇所に対してこれを直線状又は矩形状等適宜形状に切断したり、カッタヘッド部の回転と上記噴射ノズル装置との移動との混成に沿った切断経路で障害物又は切断予定箇所を細断することができる。
【0050】
【発明の効果】
本発明に係る掘進工法及び掘進機によれば、既設構造物と離れた位置から掘進しつつ既設構造物に接近してこの既設構造物の切断予定箇所を切断し、その切断箇所に新たに管路を接続するなどの施工作業を効率よくしかも支障なく行うことができる。
【0051】
本発明に係る噴射ノズル装置によれば、地盤改良材を混入した高圧ジェットの噴射と、切削材或は切削材混合スラリーと高圧ジェット水との混合物の噴射とを兼用するので、地盤改良から構造物の切削、切断、破砕までを迅速にしかも確実に行うことができる。
【0052】
また、高圧ジェット水を噴射するジェット水噴射ノズルと混合物ジェット噴射ノズルとを同軸上に配設して、高圧ジェット水、高圧ジェットを軸線方向から直線的に噴射させる構成とすれば、掘進機の前面からかなり遠くまで高圧ジェット水、高圧ジェットを噴射することもできる。
【0053】
更に、混合物ジェット噴射ノズルにテーパ形状の穴径のものを用いれば、地盤改良材の噴射範囲が拡大するので、効率よく地盤改良を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1aは、本発明に係る掘進工法の概要を示す説明図であり、
図1bは、障害物が存在する場合の同様の図である。
【図2】本発明に係る掘進機のカッタヘッド部の概要を示す模式図である。
【図3】本発明に係る掘進工法に用いる噴射ノズル装置の一例を示す模式図である。
【図4】地盤改良材の混じった高圧ジェットを進行方向前方に向けて噴射して地盤改良を行っている状態を示す模式図である。
【図5】改良地盤を掘進している状態を示す模式図である。
【図6】既設構造物をキャッチして掘進機の掘進を停止させた状態を示す模式図である。
【図7】半径方向外方に向けて地盤改良材の混じった高圧ジェットを噴射している状態を示す模式図である。
【図8】半径方向外方に向けて地盤改良材の混じった高圧ジェットの噴射による改良範囲の説明図である。
【図9】切断予定箇所に向けて切削材の混じった高圧ジェット水又は切削材混合スラリーと高圧ジェット水の混合物を噴射している状態を示す模式図である。
【図10】切断予定箇所の既設構造物に掘進機が貫入した状態を示す模式図である。
【図11】切断予定箇所の既設構造物に掘進機が貫通した状態を示す模式図である。
【図12】本発明に係る掘進工法及び掘進機に用いる噴射ノズル装置の他の例を示す模式図である。
【図13】本発明に係る掘進工法及び掘進機に用いる噴射ノズル装置の更に他の例を示す模式図である。
【符号の説明】
1…管路(既設構造物)
2…掘進機
4…切断予定箇所
4′…障害物
5…地盤
8…カッタヘッド部
9…噴射ノズル装置

Claims (25)

  1. 既設構造物と離れた位置から該既設構造物に接近する方向に向かって地盤を掘進する掘進工法であって、高圧ジェット水と切削材との混合物又は前記切削材と高比重の溶液水との混合スラリーと高圧ジェット水との混合物を噴射することにより、前記既設構造物の切断予定箇所を切断することを特徴とする掘進工法。
  2. 既設構造物と離れた位置から該既設構造物に接近する方向に向かって地盤を掘進する掘進工法であって、地盤改良材を高圧ジェット水により掘進方向前方に存在する地盤に向けて噴射することにより該地盤を改良しながら掘削することを特徴とする掘進工法。
  3. 前記地盤改良材が懸濁型注入材、半懸濁型注入材及び溶液型注入材の群から選択された一又は複数の注入材からなることを特徴とする請求項2に記載の掘進工法。
  4. 既設構造物と離れた位置から該既設構造物の切断予定箇所に接近する方向に向かって地盤を掘進しつつ進行する掘進工法であって、地盤改良材を高圧ジェット水により掘進方向前方に存在する地盤に向けて噴射することにより該地盤を改良しながら掘削しつつ掘進機を前記切断予定箇所に向けて進行させ、前記既設構造物の前記切断予定箇所を切断することを特徴とする掘進工法。
  5. 前記地盤改良材が懸濁型注入材、半懸濁型注入材及び溶液型注入材の群から選択された一又は複数の注入材からなることを特徴とする請求項4に記載の掘進工法。
  6. 既設構造物と離れた位置から該既設構造物の切断予定箇所に接近する方向に向かって地盤を掘進しつつ進行し、前記切断予定箇所を切断して前記既設構造物に管路を接合する掘進工法であって、地盤改良材を高圧ジェット水により掘進方向前方に存在する地盤に向けて噴射することにより該地盤を改良しながら掘削しつつ掘進機を前記切断予定箇所に向けて進行させ、前記既設構造物の前記切断予定箇所を切断すると共に前記既設構造物に管路を接合することを特徴とする掘進工法。
  7. 前記地盤改良材が懸濁型注入材、半懸濁型注入材及び溶液型注入材の群から選択された一又は複数の注入材からなることを特徴とする請求項6に記載の掘進工法。
  8. 前記既設構造物の切断の際に止水材を適量注入して止水を行うことを特徴とする請求項6又は7に記載の掘進工法。
  9. 前記止水材が懸濁型注入材、半懸濁型注入材及び溶液型注入材の群から選択された一又は複数の注入材からなることを特徴とする請求項8に記載の掘進工法。
  10. 既設構造物と離れた位置から該既設構造物の切断予定箇所に接近する方向に向かって地盤を掘進しつつ進行し、前記切断予定箇所を切断して前記既設構造物に管路を接合する掘進工法であって、地盤改良材を高圧ジェット水により掘進方向前方に存在する地盤に向けて噴射することにより該地盤を改良しながら掘削しつつ掘進機を前記切断予定箇所に向けて進行させ、次いで、高圧ジェット水と切削材との混合物又は前記切削材と高比重の溶液水との混合スラリーと高圧ジェット水との混合物を噴射することにより、前記既設構造物の前記切断予定箇所を切断すると共に、前記既設構造物に管路を接合することを特徴とする掘進工法。
  11. 前記地盤改良材が懸濁型注入材、半懸濁型注入材及び溶液型注入材の群から選択された一又は複数の注入材からなることを特徴とする請求項10に記載の掘進工法。
  12. 前記既設構造物の切断の際に止水材を適量注入して止水を行うことを特徴とする請求項10又は11に記載の掘進工法。
  13. 既設構造物と離れた位置から該既設構造物の切断予定箇所に接近する方向に向かって地盤を掘進する掘進工法に使用される掘進機であって、
    高圧ジェット水、地盤改良材を混入した高圧ジェット、前記高圧ジェット水と切削材との混合物、前記切削材と高比重の溶液水との混合スラリーと高圧ジェット水との混合物、を切り換えて噴射可能な噴射ノズル装置と、
    掘進方向前方の地盤を掘削するカッタヘッドと、
    を備えてなることを特徴とする掘進機。
  14. 掘進機本体の外周部に止水材を注入する止水材注入ノズルが設けられていることを特徴とする請求項13に記載の掘進機。
  15. 前記噴射ノズル装置を流体式駆動機構又は機械式駆動機構により前記カッタヘッド部に対して相対的に移動せしめるように構成したことを特徴とする請求項13に記載の掘進機。
  16. 既設構造物と離れた位置から該既設構造物の切断予定箇所に接近する方向に向かって地盤を掘進し、前記切断予定箇所を切断して前記既設構造物に管路を接合する掘進工法に使用される掘進機であって、
    高圧ジェット水、地盤改良材を混入した高圧ジェット、前記高圧ジェット水と切削材との混合物又は前記切削材と高比重の溶液水との混合スラリーと高圧ジェット水との混合物を切り換えて噴射可能な噴射ノズル装置と、
    掘進方向前方の地盤を掘削するカッタヘッドと、
    を備えてなることを特徴とする掘進機。
  17. 掘進機本体の外周部に止水材を注入する止水材注入ノズルが設けられていることを特徴とする請求項16に記載の掘進機。
  18. 前記噴射ノズル装置を流体式駆動機構又は機械式駆動機構により前記カッタヘッド部に対して相対的に移動せしめるように構成したことを特徴とする請求項16に記載の掘進機。
  19. 既設構造物と離れた位置から該既設構造物の切断予定箇所に接近する方向に向かって地盤を掘進しつつ進行し、前記切断予定箇所を切断する掘進工法に使用される掘進機に設けられて、高圧ジェット水、地盤改良材を混入した高圧ジェット、高圧ジェット水と切削材との混合物、前記切削材と高比重の溶液水との混合スラリーと高圧ジェット水との混合物、を切り換えて噴射可能な噴射ノズル装置。
  20. 前記高圧ジェット水と前記地盤改良材又は前記切削材もしくは前記混合スラリーとを混合する混合室と、混合物を噴射する混合物ジェット噴射ノズルと、前記高圧ジェット水を前記混合室に向けて噴射する高圧ジェット水噴射ノズルとを有することを特徴とする請求項19に記載の噴射ノズル装置。
  21. 前記混合物ジェット噴射ノズルが特殊超硬材から構成され、前記高圧ジェット水噴射ノズルが表面にダイヤモンドコーティング膜が形成されたステンレス鋼材から構成されていることを特徴とする請求項19又は20に記載の噴射ノズル装置。
  22. 前記高圧ジェット水噴射ノズルと前記混合物ジェット噴射ノズルが前記混合室を間に挟んで同軸上に配設され、前記高圧ジェット水と前記混合物とが前記軸に沿って平行方向から前記混合室に供給されることを特徴とする請求項19から21のいずれか一に記載の噴射ノズル装置。
  23. 前記高圧ジェット水噴射ノズルと前記混合物ジェット噴射ノズルが前記混合室を間に挟んで同軸上に配設され、前記高圧ジェット水が前記軸に沿って平行方向から前記混合室に供給され、前記混合物が前記軸に交差する方向から前記混合室に供給されることを特徴とする請求項19から21のいずれか一に記載の噴射ノズル装置。
  24. 前記混合物ジェット噴射ノズルは穴径が外方に向けて拡径されたテーパ形状をなすことを特徴とする請求項19から23のいずれか一に記載の噴射ノズル装置。
  25. 流体式駆動機構又は機械式駆動機構により前記カッタヘッド部に対して相対的に移動せしめるように構成したことを特徴とする請求項19から24のいずれか一に記載の噴射ノズル装置。
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