JP2004204567A - 仮設トイレ - Google Patents

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Abstract

【課題】戸外でトイレを一時的に設置して用足しする場合において、密室状の室内を仮設し、この室内に携帯用便器を配置することにより、外部からの視線を完全に遮断した状態で携帯用便器により用足しできる仮設トイレを提供する。
【解決手段】室内空間を密室状に形成し、この中に携帯用便器31を配置した仮設トイレ1であって、分解組立て可能に形成された骨組み4に対し外部からの透視を遮蔽した形態によるシート状の被覆部材3を覆い被せて所望の室内空間となる仮設室内2を形成し、この被覆部材3の当該仮設室内2の側壁26となる部分に開閉自在な開口27を備えた構成になっている。これにより、仮設トイレ1の使用者は、開口27より密室状の仮設室内2に入って開口27を閉じれば、戸外でも外部からの視線を被覆部材3によって完全に遮断された状態で、仮設室内2に配置した携帯用便器31を使用して用を足すことができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、戸外でトイレを一時的に設置して用足しする場合には、密室状の室内を仮設し、この室内に配置した携帯用便器で外部からの視線を完全に遮断した状態で用足しできる仮設トイレに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、戸外で携帯用トイレを使用して用を足す時、その使用者は、用足し時に外部からの視線を防ぐため、専用のマントを身にまとって首から下の部分を完全に隠し、恥ずかしさを隠すためにフードを頭にかぶりながら、マント内で携帯用便器を跨ぎ腰を下ろして用を足していた。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−218207(P2、[0006]、L36〜L46、図7)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特に、トイレを設備していないキャンプ場等において従来の携帯トイレを一時的なトイレとして用いた場合、この携帯トイレの使用者は、用足し時ごとにマントとフードとを身に付ける必要があり、手間がかかる。
また、このような携帯トイレは、戸外においてトイレ使用者自身の身体全体像を完全に隠すことができないため、用足し時においての外部からの視線の遮断は十分でなかった。
本発明は、このような問題点を解決するために創案されたものであり、戸外でトイレを一時的に設置して用足しする場合において、密室状の室内を仮設し、この室内に携帯用便器を配置することにより、外部からの視線を完全に遮断した状態で携帯用便器により用足しできる仮設トイレを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するための本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりの仮設トイレである。
請求項1に記載の仮設トイレによれば、室内空間を密室状に形成し、この中に携帯用便器を配置した仮設トイレであって、分解組立て可能に形成された骨組みに対し外部からの透視を遮蔽した形態によるシート状の被覆部材を覆い被せて所望の室内空間となる仮設室内を形成し、この被覆部材の当該仮設室内の側壁となる部分に開閉自在な開口を備えた構成になっている。
これにより、請求項1に記載の仮設トイレの使用者は、開口より密室状の仮設室内に入って開口を閉じれば、戸外でも外部からの視線を被覆部材によって完全に遮断された状態で、仮設室内に配置した携帯用便器を使用して用を足すことができる。
【0006】
また、本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりの仮設トイレである。
請求項2に記載の仮設トイレによれば、骨組みは、複数のパイプによる連結構造で構成されている。
これにより、仮設室内の骨格が簡単な構成で形成できるようになり、骨組み分解時でのパイプをコンパクトな状態にしてまとめることができるため、本発明の仮設トイレの携帯性は良くなる。
また、パイプどうしの連結構造は、比較的簡単な構造で形成することができるため、結果的に骨組みの分解及び組立性は良好になる。
【0007】
また、本発明の第3発明は、請求項3に記載されたとおりの仮設トイレである。
請求項3に記載の仮設トイレによれば、骨組みには、骨組みを地面側に押圧するための保持部が設けられている。
これにより、保持部を地面側に押圧した状態にすれば、骨組みは地面側に対してより安定した状態で配置されるようになり、仮設室内の立設状態は良好になる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、図1〜図5を用いて説明する。
本実施の形態の仮設トイレ1は、例えば、トイレが設備されていないキャンプ場等の戸外において、トイレを一時的に設置する必要がある場合に用いられる。
【0009】
仮設トイレ1は、図1に示すように、シート状の被覆部材3を骨組み4の外側に覆い被せて密室状の室内空間を形成した仮設室内2と、この仮設室内2に配置された携帯用便器31とでなり、その骨組み4には、仮設室内2の設置状態を安定させる保持部8が構成されている。
【0010】
本実施の形態の仮設室内2は、骨組み4に対して被覆部材3を覆い被せられた仮設室内2の断面を方形状とした立体的な形態で構成されている。そして、仮設室内2の骨組み4は、例えば、図2に示すように、金属製でなる同一穴径の複数種のパイプを複数本組合わせて連結してそれぞれ略方形状に形成した2つの枠組5、6を、両枠組5、6の梁部のほぼ中央でクロスさせて組付けた構造で構成されている。
なお、仮設室内2の断面形状は、方形に限定されるものではなく、例えば、円形等でも良く、種々変更可能である。
【0011】
一つの枠組5は、図2に示すように、両端部が中空状態のパイプを略コ字形状に形成した梁用骨材11と、ストレート形状のパイプでなりパイプの中空穴に対して嵌接状態で挿入可能な突起形状の連結部12をパイプの一端側に備えた支柱用骨材13と、ストレート形状のパイプでなり連結部12をパイプの両端側に備えた支柱用骨材14とからなっている。
【0012】
そして、枠組5は、支柱用骨材14の一方側の連結部12を支柱用骨材13の他端側の端部の中空穴に挿入して支柱用骨材13と支柱用骨材14とを連結させた1本状の支柱7を2本形成し、支柱7の両端側、すなわち支柱用骨材13の一方側と支柱用骨材14の他端側の連結部12、12を上方側と下方側との両梁用骨材11、11における両端部の中空穴に挿入することによって矩形状に形成される。
【0013】
また、他の枠組6は、端部が中空状態のパイプを、梁用骨材11とのクロス箇所で梁用骨材11を跨いだ状態になるように、2本連結して略コ字形状に形成した梁用骨材15と、梁用骨材15の片方のパイプを、端部に連結部12を備えたストレート形状のパイプに替えた梁用骨材16と、支柱用骨材13、14と、保持部付骨材17とからなっている。
【0014】
保持部付骨材17は、端部が中空状態のパイプを略L字形状に形成した骨材18、19と、端部が中空状態のストレート形状のパイプでなる骨材20との一体構造で形成され、これらの骨材18、19、20を一束状に並列配置して形成される保持部8を備えている。
【0015】
なお、骨組み4は、保持部付骨材17を金属製で形成し、それ以外の骨材11、13、14、15、16、18、19、20を樹脂製のパイプで構成しても良い。
【0016】
枠組6は、枠組5と同様、支柱用骨材13と支柱用骨材14とを連結させた支柱7を2本形成し、1本の支柱7については、梁用骨材15と梁用骨材16とにおける一端側の中空穴に支柱7の両端側の連結部12、12をそれぞれ挿入し、もう1本の支柱7については、支柱7の上端側の連結部12を梁用骨材15の他端側の中空穴に挿入すると共に、梁用骨材16の連結部12を骨材20の中空穴に挿入することによって矩形状に形成される。
【0017】
骨組み4では、図1に示すように、後述する被係留部材30と係留可能な係留部材29が、下方側の梁用骨材11と梁用骨材16との角部や、保持部付骨材17の骨材19の角部に配設されている。
【0018】
本実施の形態では、保持部付骨材17の骨材18の端部の中空穴には、ホルダスタンド21の連結部12が挿入されるようになっている。
すなわち、ホルダスタンド21は、図2に示すように、骨組み4と同一穴径のパイプでなり、その一端部に連結部12を備えると共に、例えば、自然長に近い状態で引張りコイルバネ等をリング状に繋いで当該ホルダスタンド21に固定し、バネの復元力(弾性力)によってペットボトル等の容器23を保持可能に形成したホルダ22を備えている。
ホルダ22は、通常、水が入った容器23の容器口24を開栓状態で上方側にして容器23のほぼ中央部の外周囲を保持しており、用足し後の手洗い等時では、図2の矢印方向に容器23ごとホルダ22を回転させ、容器口24を下方側にして容器23内の水が落下できるようになっている。
【0019】
被覆部材3は、図1に示すように、例えば合成繊維によるシート状の生地や布生地等を透視不可な形態(透視を遮蔽した形態)にして形成され、骨組み4の外側を仮設室内2の天井壁25や側壁26として覆う被せることができる形状に一体成形されている。
被覆部材3における仮設室内2の一つの側壁26となる部分には、人が出入りできる大きさの開口27が設けられている。この開口27には、例えば、ファスナ、スナップ、ボタン等の開閉具28が取付けられ、開口27は、開閉具28の開閉が仮設室内2の室内や室外から自在にできるように構成されている。
【0020】
また、被覆部材3を骨組み4に覆い被せた状態において、被覆部材3における骨組み4の支柱7が位置する部分の裾には、係留部材29の配設数分(図1では4つ)の被係留部材30が配設されている。
仮設室内2は、図1に示すように、骨組み4に被覆部材3を覆い被せた後、係留部材29と被係留部材30とを係留させることにより被覆部材3を骨組み4に固定して形成される。
【0021】
なお、係留部材29と被係留部材30としては、例えば、被貼付部材と、被貼付部材と共に繰返し着脱を可能とした貼付部材(テープ)の他、フックとリング、スナップの凸部と凹部等のように、係留部材29と被係留部材30との着脱が自在にできるものが好ましい。
【0022】
携帯用便器31は、図3及び図4に示すように、便器本体32と、便器本体32の上面開口部33の周りに載置されている便座34と、上面開口部33を閉鎖する蓋35とからなり、上面開口部33から便器本体32内に便容器36が懸架されている。
【0023】
携帯用便器31を仮設室内2に配置する際、携帯用便器31の便器本体32と、梁用骨材11や梁用骨材15(場合によっては保持部付骨材17の骨材20)によるパイプとの緩衝を回避するため、便器本体32下方の四隅には、便器本体32を底上げする脚部37が設けられている。
携帯用便器31は、図1に示すように、脚部37を地面等に置いた状態で仮設室内2に配置される。
【0024】
便容器36は、図3及び図4に示すように、一定の深さの収容部38を有し、当該便容器36の上縁にはフランジ39を備え、このフランジ39を便器本体32の上面開口部33の周囲のフランジ40に載置することによって便器本体32内に懸架される。
【0025】
便座34は、その根端を便器本体32後端にヒンジ部(図示省略)を介して螺着されており、蓋35は、その根端を便座34と共にヒンジ部(図示省略)を介して便器本体32の後端に螺着されている。
【0026】
便袋41には、図5に示すように、例えば、その前後に鍔部42を備え保水性の高い材料で形成された紙おむつ等が用いられ、紙おむつとしては市販されているペット用の紙おむつが好ましい。
便袋41は、便容器36の収容部38に敷かれ、その鍔部42を便容器36のフランジ39と便座34の間に挟み込んで便袋41を固定した状態で携帯用便器31にセットされ、この便袋41のセット状態が、すなわち用足し時での使用状態(図3及び図4の状態)となる。
【0027】
以上により、戸外でトイレを一時的に設置する場合、上記した構成の仮設トイレ1を用いれば、仮設室内2は外部からの透視を遮蔽した形態の被覆部材3によって密室状に構成されているため、開口27より仮設室内2に入って開口27を閉じれば、被覆部材3により外部からの視線を完全に遮断した状態で、仮設室内2に配置した携帯用便器31で用を足すことができる。
【0028】
また、骨組み4は、複数種のパイプを複数本組合わせて連結した構造で形成されているため、仮設室内2の骨格を簡単に構成することができる。そして、仮設室内2は、このような骨組み4にシート状の被覆部材3を覆い被せ、係留部材29と被係留部材30とを係留して被覆部材3を骨組み4に固定して形成されるため、仮設室内2の立設やその解体が容易にできる。
【0029】
また、骨組み4においてのパイプの連結構造は、端部が中空状態でなる一方のパイプと、パイプの中空穴に対して嵌接可能な突起形状の連結部12を端部に備えた他方のパイプとを組合せ、一方のパイプの中空穴に他方のパイプの連結部12を挿入して一方のパイプと他方のパイプとを連結させるため、パイプどうしの連結やその解除が簡単にでき、結果的に骨組み4の分解及び組立性は良好になる。
【0030】
また、骨組み4を複数本からなるパイプの連結構造で構成し、被覆部材3を単一のシート状で形成することにより、仮設室内2の解体時において被覆部材3を折り畳み、骨組み4を分解すれば、仮設室内2をコンパクトな状態にまとめることができ、仮設トイレ1の携帯性は良くなる。
【0031】
また、図1の矢印に示すように、例えば、自動車のタイヤ部分を保持部8に載せ、車重の一部を保持部8にかける方法等で保持部8を地面側に押圧することにより、骨組み4は地面側に対してより安定した状態で配置できるようになり、仮設室内2の立設状態は良好になる。
【0032】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更してもよい。
例えば、骨組み4を、複数のパイプを略方形状に連結した2つの枠組5、6を両枠組5、6の梁部のほぼ中央でクロスさせて組付けた構造で構成したが、骨組みの構造や構成は、実施の形態の構造や構成に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【0033】
また、本実施の形態の連結部12は、パイプと一体構造で構成したが、パイプどうしの連結手段は、パイプとは別体で構成しても良い。この場合、連結手段を、例えば、その中央部にパイプの中空穴より大きい外周でなるフランジを形成し、フランジの両側に中空穴に対して嵌接可能な突起形状の挿入部を形成して構成すると、連結手段の各挿入部がそれぞれの中空穴に挿入されれば、パイプは、フランジを挟んで連結される。
また、ホルダスタンド21の設置は省略しても良い。
【0034】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明による仮設トイレを用いれば、戸外において密室状な仮設室内を簡単に構成することができるため、被覆部材の開口より仮設室内に入って開口を閉じれば、戸外でも外部からの視線を被覆部材によって完全に遮断された状態で、仮設室内に配置した携帯用便器を使用して用を足すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の仮設トイレを示す斜視図である。
【図2】骨組みの構造を説明するための斜視図である。
【図3】使用状態での携帯用便器を示す概略図である。
【図4】携帯用便器の側面断面図である。
【図5】便袋を示す概略図である。
【符号の説明】
1…仮設トイレ
2…仮設室内
3…被覆部材
4…骨組み
8…保持部
27…開口
31…携帯用便器

Claims (3)

  1. 室内空間を密室状に形成し、この中に携帯用便器を配置した仮設トイレであって、
    分解組立て可能に形成された骨組みに対し外部からの透視を遮蔽した形態によるシート状の被覆部材を覆い被せて所望の室内空間となる仮設室内を形成し、この被覆部材の当該仮設室内の側壁となる部分に開閉自在な開口を備えた構成になっていることを特徴とする仮設トイレ。
  2. 請求項1に記載の仮設トイレであって、骨組みは、複数のパイプによる連結構造で構成されていることを特徴とする仮設トイレ。
  3. 請求項1または2に記載の仮設トイレであって、骨組みには、骨組みを地面側に押圧するための保持部が設けられていることを特徴とする仮設トイレ。
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