JP2004204479A - 夾雑物処理装置及び夾雑物処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】合流式下水道の被処理水を好適に処理可能な夾雑物処理装置及び夾雑物処理方法を提供する。
【解決手段】水位センサ71によって取得された水路の水位と基準値との比較により、雨水の量が少なく被処理水のほとんどが汚水である場合と、汚水に比して大量の雨水が被処理水中に含まれる場合とを好適に判断し、被処理水が汚水である場合には、破砕機45dを被処理水中に浸漬して屎尿や残飯等の夾雑物を破砕させる一方、除塵機65によって夾雑物を掻き上げないことにより夾雑物を水面上に露出させず、夾雑物からの臭気の発生や虫等の発生を抑制する。これに対して、大量の雨水が被処理水中に含まれる場合には、破砕機45dを水面上に移動し、雨水中の屎尿や残飯に比して大きな夾雑物が破砕機45dに巻き込まれないようにする一方、除塵機65を稼働して被処理水中の大きな夾雑物を掻き上げる。
【選択図】 図1
【解決手段】水位センサ71によって取得された水路の水位と基準値との比較により、雨水の量が少なく被処理水のほとんどが汚水である場合と、汚水に比して大量の雨水が被処理水中に含まれる場合とを好適に判断し、被処理水が汚水である場合には、破砕機45dを被処理水中に浸漬して屎尿や残飯等の夾雑物を破砕させる一方、除塵機65によって夾雑物を掻き上げないことにより夾雑物を水面上に露出させず、夾雑物からの臭気の発生や虫等の発生を抑制する。これに対して、大量の雨水が被処理水中に含まれる場合には、破砕機45dを水面上に移動し、雨水中の屎尿や残飯に比して大きな夾雑物が破砕機45dに巻き込まれないようにする一方、除塵機65を稼働して被処理水中の大きな夾雑物を掻き上げる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被処理水中の夾雑物を破砕や掻き上げ等により処理するための夾雑物処理装置および夾雑物処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自然現象に起因する排水である雨水と、生活または事業に起因する排水である汚水と、が合流された被処理水が流れこむ合流式の下水道設備にあっては、下水道管渠を流下してきた被処理水を外部に移送するポンプ場を備えている。このようなポンプ場では、被処理水中の夾雑物によってポンプ等につまり等の不具合が生じないように夾雑物の破砕や除去を行う夾雑物処理装置が設けられている。
【0003】
このような夾雑物処理装置としては、被処理水中の夾雑物を破砕する破砕機と、破砕された夾雑物を捕集し水面上に掻き上げて被処理水から除去する除塵機と、がポンプの前段の水路に、この順で直列に設けられたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−195371号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような夾雑物処理装置を用いた場合次のような不具合が生ずることがあった。
【0006】
すなわち、晴天時には被処理水はほとんど汚水のみとなり、このような汚水中の屎尿や厨芥等の夾雑物が除塵機によって水面上に掻き上げられるので、悪臭や虫の発生等の起因となる場合があった。一方、雨天時は、汚水に比べて大量の雨水が被処理水に含まれ、この雨水には屎尿や厨芥等に比べて大きな夾雑物が多く含まれることから、当該大きな夾雑物によって破砕機のつまりや破損等を生じることがあった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、合流式下水道の被処理水を好適に処理可能な夾雑物処理装置及び夾雑物処理方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る夾雑物処理装置は、水路を流れる被処理水中の夾雑物を処理する夾雑物処理装置において、被処理水中の夾雑物を破砕する破砕手段と、破砕手段を上下に昇降させる昇降手段と、水路に設置され被処理水中の夾雑物を捕集し水面上に掻き上げ可能な除塵機と、被処理水の水量を取得する水量取得手段と、取得された被処理水の水量に関する情報に基づいて被処理水の水量が所定の基準値よりも高いか低いかを判断し、被処理水の水量が所定の基準値よりも低い場合に除塵機による夾雑物の掻き上げを停止させると共に破砕手段が被処理水に浸漬するように昇降手段を制御し、被処理水の水量が所定の基準値よりも高い場合に除塵機による夾雑物の掻き上げを行わせると共に破砕手段が被処理水の水面より上方に位置するように昇降手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る夾雑物処理方法は、水路を流れる被処理水中の夾雑物を破砕する破砕手段と、破砕手段を上下に昇降させる昇降手段と、水路に設置され被処理水中の夾雑物を捕集して水面上に掻き上げ可能な除塵機と、を備える夾雑物処理装置を用いて水路を流れる被処理水中の夾雑物を処理する夾雑物処理方法において、被処理水の水量を取得する水量取得工程と、取得された被処理水の水量に関する情報に基づいて被処理水の水量が所定の基準値よりも高いか低いかを判断し、被処理水の水量が所定の基準値よりも低い場合に除塵機による夾雑物の掻き上げを停止すると共に昇降手段により破砕手段を被処理水に浸漬させ、被処理水の水量が所定の基準値よりも高い場合に除塵機による夾雑物の掻き上げを行うと共に昇降手段により破砕手段を被処理水の水面より上方に引き上げる制御工程と、を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の夾雑物処理装置及び夾雑物処理方法によれば、被処理水の水量に関する情報を取得して水量が所定の基準値より高いか低いかを判断することにより、晴天時等で被処理水の水量が少なく雨水の量が少なくて被処理水のほとんどが汚水である場合と、雨天時で被処理水の水量が多く汚水に比して大量の雨水が被処理水中に含まれる場合とが好適に判断される。そして、被処理水のほとんどが汚水である場合には、被処理水中に浸漬される破砕手段によって被処理水中の屎尿や残飯等の夾雑物が破砕されて夾雑物の処理が好適に行われる一方、除塵機による夾雑物の掻き上げがなされないので夾雑物が水面上に露出されず、屎尿や残飯等の夾雑物からの臭気の発生や虫等の発生が抑制される。これに対して、汚水に比して大量の雨水が被処理水中に含まれる場合には、破砕手段が水面上に移動され、雨水によってもたらされ、屎尿や残飯に比して大きな夾雑物が破砕手段に巻き込まれなくされ、さらに、除塵機によって被処理水中の大きな夾雑物が好適に掻き上げられて被処理水中の夾雑物の処理が好適になされる。
【0011】
ここで、除塵機は水路で破砕手段よりも下流側に設置されると共に、破砕手段により破砕された夾雑物を通過可能とされていることが好ましい。
【0012】
これによれば、除塵機における夾雑物の掻き上げがなされない場合に、夾雑物は破砕手段により破砕されて除塵機に到達すると共に、この破砕された夾雑物が除塵機を通過可能であるので、夾雑物が、掻き上げのなされない除塵機に捕集されて蓄積することが防止される。
【0013】
また、除塵機及び破砕手段よりも下流側には、除塵機又は破砕手段によって処理がなされた被処理水を汚水処理場へ移送する汚水ポンプと、除塵機又は破砕手段によって処理がなされた被処理水を海又は河川に移送する雨水ポンプと、が設けられ、制御手段は、被処理水の水量が所定の基準値よりも低いと判断された場合に汚水ポンプを稼働させる一方、被処理水の水量が所定の基準値よりも高いと判断された場合に雨水ポンプを稼働させることが好ましい。
【0014】
これによれば、晴天時等で被処理水のほとんどが汚水である場合に、破砕手段によって夾雑物が処理された被処理水が好適に汚水処理場に移送されて処理される一方、雨天時で汚水に比して大量の雨水が被処理水中に含まれる場合に、除塵機によって夾雑物が処理された被処理水が河川等に移送されて放流される。このため、汚水がほとんどである被処理水と雨水を大量に含んだ被処理水とを各々適切に処理することが可能とされる。
【0015】
ここで、水量に関する情報は、水路の水位であることが好ましい。これによって、夾雑物の多い被処理水の水量を好適に取得することができる。
【0016】
また、破砕手段が被処理水に浸漬された状態での破砕手段の上端の高さは、所定の基準値となる水量が流入した場合の前記水路における水面位置とほぼ同等とされることが好ましい。
【0017】
これによれば、被処理水の流量が増えて水位が破砕手段の上端に達して破砕手段の処理能力の限界に達するタイミングで、被処理水の水量が基準値に達し破砕手段が上昇されるので、破砕手段を効率よく活用できる。
【0018】
また、制御手段は、被処理水の水量が所定の基準値よりも高いと判断された場合に破砕手段を停止させることが好ましい。
【0019】
これによれば、被処理水の水量が所定の基準値よりも高くなって破砕手段が水面上に位置する場合に破砕手段が停止され、動力が不要とされるので、ランニングコストを削減できる。
【0020】
また、破砕手段と共に水路を横断するように水路に設置され被処理水中の夾雑物を捕集する捕集手段と、捕集手段に捕集された夾雑物を破砕手段に移送する移送手段と、を備え、昇降手段は破砕手段の昇降運動に合わせて捕集手段及び移送手段を上下に昇降運動させることが好ましい。
【0021】
これによれば、破砕手段によって被処理水の処理が行われる際に、破砕手段に比して通過抵抗の少ない捕集手段と移送手段とによって被処理水の夾雑物の破砕処理がより好適に行える。また、除塵機によって被処理水の処理が行われる際には、捕集手段、移送手段、破砕手段が各々水面上に上昇されるので、比較的大きな夾雑物がこれら捕集手段、移送手段、破砕手段をつまらせたりすることがない。
【0022】
また、晴天時であって、ほとんど汚水のみが被処理水として流入する場合においても、時間帯や季節等によってその汚水の量が変化し被処理水の量が変動することがある。そこで、水路が並列する複数の小水路に分割され、除塵機、破砕手段及び昇降手段がこの小水路毎に設けられると共に、小水路には破砕手段よりも上流側に被処理水の各々の水路への流入・遮断を制御可能なゲートが各々設けられることが好ましい。
【0023】
これによれば、晴天時において、汚水を主成分とする被処理水の水量が変化する場合でも、各々のゲートを制御して被処理水を流入させる水路の数を変更することにより、被処理水中の夾雑物を各々破砕手段によって効率的に処理できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図1及び図2を参照しながら、本発明に係る夾雑物処理装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図1は本実施形態に係る夾雑物処理装置10の上面図、図2は図1のII−II矢視図、図3は図1のIII−III矢視図である。
【0025】
本実施形態に係る夾雑物処理装置10は、図1及び図2に示すように、下水道管渠1内を流下してきた被処理水を下水処理場や河川等に移送するポンプ場5に設置されている。下水道管渠1は、自然現象に起因する排水である雨水と、生活または事業に起因する排水である汚水と、が合流された被処理水が流れこむ合流式のものであり、ポンプ場5は下水道管渠1の下流端に設けられている。
【0026】
ポンプ場5は、下水道管渠1からの被処理水が流れる水路であってそこで被処理水中の夾雑物の処理がなされる水路部(水路)11と、その深さが水路部11よりも深くされ夾雑物が処理された後の被処理水が貯留される槽部12と、を有している。
【0027】
ポンプ場5内の水路部11及び槽部12は、被処理水が流入する方向と平行でかつ鉛直な第一区画壁20によって、図1の上下方向に2つに区画されている。
【0028】
水路部11の内、第一区画壁20によって区画された2つの部分は、さらに、第一区画壁20と平行な第二区画壁21、22によって、各々さらに図1の上下方向に2つの小水路に区画されている。ここでは、第二区画壁22とポンプ場5の壁とに挟まれる部分を第一水路(小水路)15、第二区画壁22と第一区画壁20とに挟まれる部分を第二水路(小水路)16、第一区画壁20と第二区画壁21とに挟まれる部分を第三水路(小水路)17、第二区画壁21とポンプ場5の壁とに挟まれる部分を第四水路(小水路)18とする。また、槽部12で第一水路15及び第二水路16からの被処理水が流入する部分を第一槽部13、槽部12で第三水路17及び第四水路18からの被処理水が流入する部分を第二槽部14とする。
【0029】
第一水路15、第二水路16、第三水路17、第四水路18には、各々上流側から順に、モータ35aによって開閉動作がなされ下水道管渠1から各々の小水路15〜18内への被処理水の流入・遮断を制御する流入ゲート35と、流入された被処理水中の夾雑物を破砕可能な破砕ユニット45と、被処理水中の夾雑物を捕集し水面上に掻き上げて除去する除塵機65と、が各々設けられている。
【0030】
また、図1〜図3に示すように、第一水路15、第二水路16、第三水路17、第四水路18で破砕ユニット45が設置される部分には、両側に一対の補助壁46,47が設けられており、この部分の小水路15〜18の幅は、除塵機65が設けられた部分の水路の幅に比べて狭くされている。なお、図2及び図3に示すように、補助壁46,47の高さは、第一区画壁20、第二区画壁21,22に比して低くされている。
【0031】
破砕ユニット45は、円筒スクリーン(捕集手段)45a及び破砕機45dを各々備え、この円筒スクリーン45aと破砕機45dとは、補助壁46、47によって横幅が狭くされた小水路15〜18を各々横断するように並設されている。
【0032】
円筒スクリーン45aは、円環状板材が上下方向に所定距離離間して複数積層された縦型円筒形状を有し、各々の小水路15〜18を流れる被処理水中の夾雑物(し渣)をその円環状板材に捕集する。そして、この円筒スクリーン45aは夾雑物が捕集された被処理水を板の間の隙間から下流側に通過させる。
【0033】
また円筒スクリーン45aは、各々の円筒スクリーン45aが捕集した夾雑物を破砕機45d側に移送する移送手段としてのスクレーパ45bを各々有している。このスクレーパ45bは、棒体が円環状板材間に対応して上下に複数積層され、円筒スクリーン45aの円環状板材の中心軸線よりも小水路15〜18の上流側に偏心された鉛直軸回りを、各々の円筒スクリーン45a毎に設けられたモータ45cによって回転されるものであり、円筒スクリーン45aの上流方向側で円筒スクリーン45aの円環状板材間から上流方向側に突出され、この円環状板材間に捕集された夾雑物を回転によりかき取って並設された破砕機45dに向かって移送する。
【0034】
破砕機45dは、各々の破砕機45dに対して設置されたモータ45eによって回転される一対の回転破砕刃(破砕手段)45f、45fを有し、被処理水が通過する際に被処理水中の夾雑物を破砕する。
【0035】
また、破砕ユニット45は、昇降装置(昇降手段)55によって、各々独立に上下に昇降可能とされている。この昇降装置55は、図2及び図3に示すように、各破砕ユニット45を個別につり上げるためのワイヤー55bと、ワイヤー55bを各々巻き上げるためのモータ55aと、各々のモータ55aが設置され水路部11上で幅方向に延在して固定側に架設される枠体55cと、を備えている。そして、この昇降装置55は、各々の破砕ユニット45を、図2に示すように水路の底面に載置された状態から、図2に仮想線で示すように水路の底面から所定距離離間された状態までつり上げ可能となっている。
【0036】
ここで、破砕機45d及び円筒スクリーン45aは、つり上げられた状態で、その下端の高さが第一区画壁20、第二区画壁21、22の上端よりも上に位置するようにされ、各々の水路に導入される被処理水の水面より上方にまで引き上げ可能とされている。
【0037】
また、破砕機45dが各々の水路の底面に載置された状態で、破砕機45dの回転破砕刃45fの上端の高さは、後述する所定の基準水位9bとほぼ同様されている。
【0038】
除塵機65は、図1及び図2に示すように、上下方向に長尺な板を所定間隔水平方向に複数配設した縦スクリーン65aを各々備えている。この縦スクリーン65aは、各々の小水路15〜18を横断し、かつ、図2に示すように、その上部が下流側(図示右側)にやや傾くように各々の小水路15〜18に対して設置されている。
【0039】
そして、この縦スクリーン65aは、上流側から流入する被処理水中の所定以上の大きさの夾雑物(し渣)を板の間で捕集する一方、夾雑物が捕集された被処理水を板の間の隙間から下流側に通過させる。ここで、縦スクリーン65aの目開きは、破砕機45dで破砕された夾雑物を通過可能な大きさとすることが好ましい。具体的には、例えば、破砕機45dの破断寸法を3cm角とした場合、縦スクリーン65aの目開きを5cmとすればよい。
【0040】
また、除塵機65は、図2に示すように、縦スクリーン65aの上流側で縦スクリーン65aに沿う周回軌道回りを周回する主務チェーン65bと、この主務チェーン65bを周回運動させるモータ65dと、主務チェーン65bに複数取り付けられ主務チェーン65bの周回運動に伴って縦スクリーン65aに捕集された夾雑物を縦スクリーン65aにそって上方に掻き上げるレーキ65cと、縦スクリーン65aの上端まで掻き上げられた夾雑物をレーキ65cから下方へ払い落とすワイパ65eと、を各々有している。なお、図1においては、除塵機65の内、縦スクリーン65aとモータ65dを除いて図示を省略している。
【0041】
そして、各々の除塵機65によって掻き上げられ払い落とされた夾雑物は、図2及び図1に示すように、ポンプ場5の上部に設けられて小水路15〜18に亘って幅方向に延在するベルトコンベア67に捕集され、図1に示すように、さらにベルトコンベア68を介してホッパ69に貯留される構成とされている。
【0042】
また、図1に示すように、水路部11で流入ゲート35よりも上流側には、水路部11の被処理水の水位を取得する水位センサ(水量取得手段)71が設けられている。
【0043】
また、第一槽部13には、第一槽部13内の被処理水を下水処理場へ移送する汚水ポンプ82が複数設けられ、第二槽部14には、第二槽部14内の被処理水を河川等に移送する雨水ポンプ81が複数設けられている。ここで、雨水ポンプ81の能力は汚水ポンプ82の能力よりも高くされている。
【0044】
さらに、第一区画壁20で、第一槽部13と第二槽部14とを区画する部分には、第一槽部13と第二槽部14とを連通可能であってモータ19aによって開閉が制御される連絡ゲート19が設けられている。
【0045】
そして、本実施形態の夾雑物処理装置10においては、水位センサ71に接続されて水路15〜18における被処理水の水位が取得可能とされ、取得された水位に応じて、各昇降装置55の駆動モータ55a、各除塵機65の駆動モータ65d等の駆動を制御する制御装置98を備えている。
【0046】
具体的には、制御装置98は、取得された水位と、図2及び図3に示す、最低水位9c、基準水位9b、最高水位9aとを比較して制御を行う。
【0047】
ここで、最低水位9cは、破砕ユニット45での破砕に最低限必要な水量に対応する水位であり、ここでは、破砕ユニット45が下降されている状態での破砕機45dの回転破砕刃45fの下端近傍の水位である。また、基準水位9bは、晴天時等で被処理水がほとんど汚水のみである場合の水量と、雨天時等で雨水が被処理水に大量に含まれる場合の水量との間の境界となる水量(所定の基準値)が、全ての小水路15〜18に導入された場合の水路の水位である。また、最高水位9aは、この夾雑物処理装置10での最大処理水量に対応する水位であり、補助壁46の上端よりも高い第一区画壁20の上端近傍とされる。
【0048】
さらに、制御装置98は、小水路15〜18の各流入ゲート35の駆動モータ35a、各破砕ユニット45の駆動モータ45c,45e、各汚水ポンプ82、各雨水ポンプ81、連絡ゲート19の駆動モータ19a、及び、ベルトコンベア67,68の駆動モータと接続されており、これらの駆動も制御可能となっている。
【0049】
次に、このような、制御装置98,流入ゲート35、昇降装置55、破砕ユニット45、除塵機65、雨水ポンプ81、汚水ポンプ82等を有する夾雑物処理装置10における制御装置98の作用について図4及び図5のフローチャートを参照して説明する。
【0050】
予め、小水路15〜18の各流入ゲート35は各々閉鎖され、各破砕ユニット45は下降され、各破砕ユニット45、各除塵機65、汚水ポンプ82、雨水ポンプ81及びベルトコンベア67は各々停止された停止状態から説明を始める。
【0051】
まず、ステップS101において、被処理水の水位を取得しこれに基づいて判定を行う。そして、水位が最低水位9cよりも低い場合には、被処理水の量が少なく処理の必要がないとして停止状態を維持し、再びステップ101で水位に基づく判定を行う。
【0052】
一方、水位が所定の最低水位9c以上である場合には、処理の必要がありこの被処理水は汚水がほとんどであるとし、この被処理水の処理をすべくステップS103へ進む。ステップS103においては、モータ35aを駆動して第一水路15の流入ゲート35を開放し、被処理水を第一水路15に流入させると共に、第一水路15のモータ45c及びモータ45eを駆動して第一水路15の破砕ユニット45を駆動し、第一水路15に流入した被処理水中の夾雑物を破砕させ、さらに、汚水ポンプ82を各々駆動し、破砕ユニット45及び除塵機65を通過して第一槽部13に貯留される被処理水を下水処理場に移送する。このような処理がなされている場合に、除塵機65は稼働されないので、被処理水中の夾雑物が水面上に掻き上げられることはない。また、除塵機65の縦スクリーン65aの目幅は破砕機45dによって破砕された夾雑物が通過可能となっているので、破砕された夾雑物を含む被処理水は、除塵機65によって流れが滞ることなく第一槽部13に流入される。
【0053】
このようにして、被処理水の処理が行われると、ステップS105において、再び被処理水の水位に基づく判断が行われる。ここで、水位が最低水位9cよりも低くなれば、被処理水の処理は終了したとして、ステップS107において、第一水路15の流入ゲート35を閉鎖し、第一水路15の破砕ユニット45を停止し、汚水ポンプ82を停止してステップS101に戻る。
【0054】
一方、水位が最低水位9c以上であり、かつ、基準水位9bより低ければ、このままの状態で被処理水が汚水であるとしてこの処理を続け、再びステップS105において水位に基づく判断を行う。
【0055】
また、水位が基準水位9b以上となる場合には、処理量を増やすべくステップS109に進む。ステップS109においては、第二水路16の流入ゲート35を開放し、第二水路16の破砕ユニット45を駆動する。これによって、被処理水は、第一水路15と第二水路16とに流入して各々の破砕ユニット45によりその中の夾雑物が破砕され、第一槽部13から排出されることとなる。
【0056】
このようにして、被処理水の処理が行われると、ステップS111において、再び水位に基づく判断が行われる。ここで、水位が最低水位9cよりも低くなれば、被処理水の処理容量を少なくすべく、ステップS113において、第二水路16の流入ゲート35を閉鎖し、第二水路16の破砕ユニット45を停止してステップS105に戻る。これによって、第一水路15のみによって被処理水の処理が好適に行われる。
【0057】
一方、水位が最低水位9c以上であり、かつ、基準水位9b未満であれば、このままの状態で処理を続け、再びステップS111において水位に基づく判断を行う。
【0058】
一方、水位が所定の基準水位9b以上となった場合には、処理容量を増やすべくステップS115に進む。ステップS115においては、第三水路17の流入ゲート35を開放し、第三水路17の破砕ユニット45を駆動すると共に、モータ19aを駆動して連絡ゲート19を開放する。これによって、被処理水は、第一水路15及び第二水路16に加えて第三水路17によっても夾雑物の破砕がなされ、第二水路16を介して第二槽部14に流入した処理済みの被処理水は連絡ゲート19を介して第一槽部13に流入し汚水ポンプ82を介して汚水処理場に移送されることとなる。
【0059】
このようにして、被処理水の処理が行われると、ステップS117において、水位に基づく判断が行われる。ここで、水位が最低水位9cよりも低くなれば、被処理水の処理容量を少なくすべく、ステップS119において、第三水路17の流入ゲート35を閉鎖し、第三水路17の破砕ユニット45を停止すると共に連絡ゲート19を閉鎖してステップS111に戻る。これによって、第一水路15及び第二水路16のみによって被処理水の処理が行われる。
【0060】
一方、水位が最低水位9c以上であり、かつ、基準水位9b未満であれば、このままの状態で処理を続け、再びステップS117において水位に基づく判断を行う。
【0061】
また、水位が基準水位9b以上となった場合には、処理容量をさらに増やすべくステップS120に進む。ステップS120においては、第四水路18の流入ゲート35を開放し、第四水路18の破砕ユニット45を駆動する。これによって、被処理水は、第一水路15、第二水路16、第三水路17に加えて第四水路18によっても夾雑物の破砕がなされることとなる。
【0062】
このようにして、被処理水の処理が行われると、ステップS121において、水位に基づく判断が行われる。ここで、水位が最低水位9cよりも低くなれば、被処理水の処理容量を少なくすべく、ステップS123において、第四水路18の流入ゲート35を閉鎖し、第四水路18の破砕ユニット45を停止してステップS117に戻る。これによって、第一水路15、第二水路16及び第三水路17のみによって被処理水の処理が行われる。
【0063】
また、水位が最低水位9c以上であり、かつ、基準水位9b未満であれば、このままの状態で処理を続け、再びステップS121において水位に基づく判断を行う。
【0064】
また、4つの小水路15〜18を用いて夾雑物の破砕処理を行っても、水位が基準水位9b以上となった場合には、被処理水は雨水を主とするものとなると共に破砕ユニット45による処理能力の限界に達したとして、除塵機65による夾雑物の処理に切り替えるべくステップS125に進む。
【0065】
ステップS125においては、全ての破砕ユニット45を停止し、全ての昇降装置55を駆動して全ての破砕ユニット45を上昇させ、すべての除塵機65を稼働し、汚水ポンプ82を停止し、雨水ポンプ81を駆動し、コンベア67,68を駆動する。
【0066】
これによって、被処理水は破砕ユニット45によって流れが邪魔されることなく各々の小水路15〜18を通過でき、さらに、被処理水中の夾雑物は除塵機65によって捕集され掻き上げられてベルトコンベア67、68を介してホッパ69に集められ、被処理水の夾雑物が除去されて処理される。そして、夾雑物が除去された被処理水は雨水ポンプ81を介して河川等に放流される。
【0067】
このようにして、被処理水の処理が行われると、ステップS127において、水位に基づく判断が行われる。ここで、水位が基準水位9bよりも低くなれば、破砕ユニット45による処理に切り替えるべく、ステップS129において、全ての昇降装置55を駆動して全ての破砕ユニット45を下降させ、全ての破砕ユニット45を稼働し、すべての除塵機65を停止し、汚水ポンプ82を可動し、雨水ポンプ81を停止し、コンベア67,68を停止した後ステップS121に戻る。これによって、第一水路15〜第四水路18において破砕ユニット45によって被処理水の処理が行われ、処理後の汚水は汚水ポンプ82によって汚水処理増に移送される。
【0068】
また、水位が基準水位9b以上であり、かつ、最高水位9a未満であれば、被処理水は雨水であるとしてこのままの状態で除塵機65による処理を続け、再びステップS127において水位に基づく判断を行う。
【0069】
一方、除塵機65を用いて夾雑物の処理を行っても、水位が最高水位9a以上となった場合には、ステップ131において、警告を表示し、制御を停止する。
【0070】
このような、夾雑物処理装置においては、小水路15〜18の水位が取得されると共に、この水位と、適切に定められた基準水位9bとを比較することにより、晴天時等で雨水の量が少なくて被処理水の流量が少なくて水位が低く被処理水のほとんどが汚水である場合と、雨天時で雨水が大量に合流し被処理水の流量が多くて水位が高い場合とが好適に判断される。そして、水路内の水位が基準水位よりも低い場合に除塵機65による夾雑物の掻き上げが停止されると共に昇降装置55により破砕機45dが被処理水に浸漬される。このため、水路内の水位が低く被処理水のほとんどが汚水である場合に、被処理水中に浸漬される破砕機45dによって被処理水中の屎尿や残飯等の夾雑物が破砕されて夾雑物の処理が好適に行われる一方、除塵機65による夾雑物の掻き上げがなされないので夾雑物が水面上に露出されず、屎尿や残飯等の夾雑物からの臭気の発生や虫等の発生が抑制され、公衆衛生上好ましい。
【0071】
これに対して、小水路15〜18内の水位が基準水位よりも高いと判断された場合に、除塵機65による夾雑物の掻き上げがなされると共に昇降装置55により破砕ユニット45が被処理水の水面より上方に引き上げられる。このため、水路内の水位が高く汚水に比して大量の雨水が被処理水中に含まれる場合に、被処理水中の、特に雨水によってもたらされ屎尿や残飯に比して大きい夾雑物が破砕機45dに巻き込まれなくなり、破砕機45dのつまりや破損が防止されている。また、除塵機65によって被処理水中の大きな夾雑物が好適に掻き上げられて被処理水中の夾雑物の処理が好適になされる。
【0072】
また、除塵機65は小水路15〜18で破砕機45dよりも下流側に設置されると共にこの除塵機65の縦スクリーン65aの目開きは破砕機45dにより破砕された夾雑物が通過可能に設定されている。このため、除塵機65における夾雑物の掻き上げがなされない場合に、破砕機45dにより夾雑物が破砕されて除塵機65に到達すると共に、この破砕された夾雑物が除塵機65を通過可能であるので、夾雑物が、掻き上げのなされない除塵機65の縦スクリーン65aに捕集されて蓄積することが防止されている。
【0073】
さらに、除塵機65及び破砕機45dよりも下流側には、除塵機65又は破砕機45dによって処理がなされた被処理水を汚水処理場へ移送する汚水ポンプ82と、除塵機65又は破砕機45dによって処理がなされた被処理水を海又は河川に移送する雨水ポンプ81と、が設けられ、制御装置98は、水路内の水位が基準水位9bよりも低いと判断された場合に汚水ポンプ82を稼働させる一方、水路内の水位が基準水位9bよりも高いと判断された場合に雨水ポンプ81を稼働させる。
【0074】
これにより、晴天時等で被処理水のほとんどが汚水である場合に、破砕機45dによって夾雑物が処理された被処理水が汚水処理場に移送されて好適に処理される一方、雨天時で汚水に比して大量の雨水が被処理水中に含まれる場合に、除塵機65によって夾雑物が処理された被処理水が河川等に移送されて放流される。このため、汚水がほとんどである被処理水と雨水を大量に含んだ被処理水とを各々適切に処理することが可能とされる。
【0075】
また、破砕機45dが被処理水に浸漬された状態での回転破砕刃45fの上端近傍の高さは、雨水が多い場合と汚水がほとんどの場合との境界の水位に対応する基準水位の位置とほぼ同等とされているので、被処理水の流量が増えて水位が破砕機45dの上端に達して破砕機45dの処理能力の限界に達するタイミングで、被処理水の水位が基準水位に達し破砕機45dが上昇されるので、破砕機45dを効率よく活用できる。
【0076】
また、制御装置98は、小水路15〜18内の水位が基準水位よりも低いと判断された場合に破砕ユニット45を稼働させる一方、小水路15〜18内の水位が基準水位よりも高いと判断された場合に破砕ユニット45を停止させるので、破砕ユニット45が水面上に位置する場合にこの破砕ユニット45の駆動が停止され、動力が不要とされるので、ランニングコストが削減されている。
【0077】
また、破砕ユニット45は、破砕機45dと共に小水路15〜18を横断するように小水路15〜18に設置され被処理水中の夾雑物を捕集する円筒スクリーン45aと、円筒スクリーン45aに捕集された夾雑物を破砕機45dに移送するスクレーパ45bと、を備え、昇降装置55によって破砕機45dの昇降運動に合わせて円筒スクリーン45a及びスクレーパ45bが上下に昇降運動される。このため、破砕機45dで夾雑物の破砕がなされる場合に、破砕機45dに比して通過抵抗の少ない円筒スクリーン45aとスクレーパ45bとによって被処理水の夾雑物の処理がより好適に行える。また、除塵機65によって被処理水の処理が行われる際には、円筒スクリーン45a、スクレーパ45bが各々破砕機45dと共に水面上に上昇されるので、比較的大きな夾雑物がこれら円筒スクリーン45a、スクレーパ45bをつまらせることがない。
【0078】
さらに、晴天時であって、ほとんど汚水のみが被処理水として流入する場合においても、時間帯や季節等によってその汚水の量が変化し被処理水の量が変動することがある。ところが、水路部11は並列する複数の小水路15〜18に分割され、除塵機65、破砕機45dを含む破砕ユニット45及び昇降装置55がこの小水路15から18毎に設けられると共に、小水路15〜18には破砕機45dよりも上流側に被処理水の各々の水路への流入・遮断を制御可能な流入ゲート(ゲート)35が各々設けられており、晴天時において、汚水を主成分とする被処理水の水量が変化する場合でも、各々のゲート35を制御して被処理水を流入させる小水路15〜18の数を変更することにより、被処理水中の夾雑物を各々破砕機45dによって効率的に処理できている。
【0079】
なお、本発明に係る夾雑物処理装置及び夾雑物処理方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形態様をとることが可能である。
【0080】
例えば、上記実施形態においては、除塵機65を破砕機45dよりも下流側に配置しているが、汚水中の夾雑物が雨水中の夾雑物よりも十分小さい場合等には、除塵機65を破砕機45dよりも上流側に配置してもよい。
【0081】
また、各ポンプ81,82の運転の開始は、さらに、槽部12における処理済みの被処理水の水位が所定の水位を超えてからとしてもよい。
【0082】
また、上記実施形態においては、制御装置98によって、夾雑物処理装置10を自動制御しているが、被処理水の水位をオペレータ等が測定し、この水位に基づいてオペレータ等が夾雑物処理装置10の除塵機65や昇降装置55や破砕ユニット45等を制御するようにしてもよい。
【0083】
また、上記実施形態においては、水路部11が4つの小水路15〜18に分割されているが、晴天時における汚水の流量変動があまりない場合等には、分割されない一つの水路としてもよい。この場合でも、基準水位9bは、晴天時等においてほとんど汚水のみが被処理水として流入する場合の被処理水の水量と、雨天時等において雨水が大量に含まれる場合の被処理水の水量と、の間の境界の水量に対応する水位とすればよい。
【0084】
また、上記実施形態では、水位センサ71によって水路内の水位を測定しているが、水路を流れる被処理水の水量に関する情報を取得すればこれに限られず、例えば、流量計等によって被処理水の水量を取得してもよい。この場合、制御装置98は、取得された流量を、境界となる被処理水の水量(所定の基準値)と比較することにより、除塵機65や破砕機45dの制御をすればよい。
【0085】
また、上記実施形態では、夾雑物処理装置10を下水道のポンプ場での夾雑物処理に採用しているが、例えば、下水処理場の流入口での夾雑物処理、河川におけるし渣処理、雨水ポンプ場での不明水対策等、雨水が合流されて水位レベルが大きく変動する被処理水を処理する場所に適用できる。
【0086】
また、図1に点線で示すように、第二区隔壁21を第二槽部14内に延長した隔壁222によって第二槽部14内を2つに分割すると共に分割された2つの領域間の連通・遮断を制御可能とするゲート222b及びモータ222aをこの隔壁222に設置したり、第二区隔壁22を第一槽部13内に延長した隔壁220によって第一槽部13を2つに分割すると共に分割された2つの領域間の連通・遮断を制御可能とするゲート220b及びモータ220aをこの隔壁220に設置したりしても良い。
【0087】
【発明の効果】
本発明の夾雑物処理装置及び夾雑物処理方法によれば、被処理水の水量に関する情報を取得し被処理水の水量が所定の基準値より高いか低いかを判断することにより、晴天時等で雨水が少なくて被処理水の水量が少なく被処理水のほとんどが汚水である場合と、雨天時で雨水が多くて被処理水の水量が多く汚水に比して大量の雨水が被処理水中に含まれ場合とを好適に判断できる。そして、被処理水のほとんどが汚水である場合には、破砕手段を被処理水中に浸漬して被処理水中の屎尿や残飯等の夾雑物を破砕し夾雑物の処理を好適に行わせる一方、除塵機によって夾雑物を掻き上げないことにより夾雑物を水面上に露出させず、屎尿や残飯等の夾雑物からの臭気の発生や虫等の発生を抑制する。
【0088】
これに対して、汚水に比して大量の雨水が被処理水中に含まれる場合には、破砕手段を水面上に移動し、雨水によってもたらされ、屎尿や残飯に比して大きな夾雑物を破砕手段に巻き込まれないようにする一方、除塵機を稼働して被処理水中の大きな夾雑物を掻き上げ被処理水中の夾雑物の処理を行う。
【0089】
このため、雨水と汚水とが合流された被処理水が水路に供給され、天候等によって被処理水の質や量が大きく変動しても被処理水中の夾雑物を適切に処理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る夾雑物処理装置の上面図である。
【図2】図1のII−II矢視図である。
【図3】図1のIII−III矢視図である。
【図4】図1の制御装置の制御フローを示す図である。
【図5】図5に続く制御フローを示す図である。
【符号の説明】
9b…基準水位(所定の基準値)、10…夾雑物処理装置、11…水路部(水路)、15…第一水路(小水路)、16…第二水路(小水路)、17…第三水路(小水路)、18…第四水路(小水路)、35…流入ゲート(ゲート)、45b…スクレーパ(移送手段)、45a…円筒スクリーン(捕集手段)、45f…回転破砕刃(破砕手段)、55…昇降装置(昇降手段)、65…除塵機、71…水位センサ(水量取得手段)、81…雨水ポンプ、82…汚水ポンプ、98…制御装置(制御手段)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、被処理水中の夾雑物を破砕や掻き上げ等により処理するための夾雑物処理装置および夾雑物処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自然現象に起因する排水である雨水と、生活または事業に起因する排水である汚水と、が合流された被処理水が流れこむ合流式の下水道設備にあっては、下水道管渠を流下してきた被処理水を外部に移送するポンプ場を備えている。このようなポンプ場では、被処理水中の夾雑物によってポンプ等につまり等の不具合が生じないように夾雑物の破砕や除去を行う夾雑物処理装置が設けられている。
【0003】
このような夾雑物処理装置としては、被処理水中の夾雑物を破砕する破砕機と、破砕された夾雑物を捕集し水面上に掻き上げて被処理水から除去する除塵機と、がポンプの前段の水路に、この順で直列に設けられたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−195371号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような夾雑物処理装置を用いた場合次のような不具合が生ずることがあった。
【0006】
すなわち、晴天時には被処理水はほとんど汚水のみとなり、このような汚水中の屎尿や厨芥等の夾雑物が除塵機によって水面上に掻き上げられるので、悪臭や虫の発生等の起因となる場合があった。一方、雨天時は、汚水に比べて大量の雨水が被処理水に含まれ、この雨水には屎尿や厨芥等に比べて大きな夾雑物が多く含まれることから、当該大きな夾雑物によって破砕機のつまりや破損等を生じることがあった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、合流式下水道の被処理水を好適に処理可能な夾雑物処理装置及び夾雑物処理方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る夾雑物処理装置は、水路を流れる被処理水中の夾雑物を処理する夾雑物処理装置において、被処理水中の夾雑物を破砕する破砕手段と、破砕手段を上下に昇降させる昇降手段と、水路に設置され被処理水中の夾雑物を捕集し水面上に掻き上げ可能な除塵機と、被処理水の水量を取得する水量取得手段と、取得された被処理水の水量に関する情報に基づいて被処理水の水量が所定の基準値よりも高いか低いかを判断し、被処理水の水量が所定の基準値よりも低い場合に除塵機による夾雑物の掻き上げを停止させると共に破砕手段が被処理水に浸漬するように昇降手段を制御し、被処理水の水量が所定の基準値よりも高い場合に除塵機による夾雑物の掻き上げを行わせると共に破砕手段が被処理水の水面より上方に位置するように昇降手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る夾雑物処理方法は、水路を流れる被処理水中の夾雑物を破砕する破砕手段と、破砕手段を上下に昇降させる昇降手段と、水路に設置され被処理水中の夾雑物を捕集して水面上に掻き上げ可能な除塵機と、を備える夾雑物処理装置を用いて水路を流れる被処理水中の夾雑物を処理する夾雑物処理方法において、被処理水の水量を取得する水量取得工程と、取得された被処理水の水量に関する情報に基づいて被処理水の水量が所定の基準値よりも高いか低いかを判断し、被処理水の水量が所定の基準値よりも低い場合に除塵機による夾雑物の掻き上げを停止すると共に昇降手段により破砕手段を被処理水に浸漬させ、被処理水の水量が所定の基準値よりも高い場合に除塵機による夾雑物の掻き上げを行うと共に昇降手段により破砕手段を被処理水の水面より上方に引き上げる制御工程と、を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の夾雑物処理装置及び夾雑物処理方法によれば、被処理水の水量に関する情報を取得して水量が所定の基準値より高いか低いかを判断することにより、晴天時等で被処理水の水量が少なく雨水の量が少なくて被処理水のほとんどが汚水である場合と、雨天時で被処理水の水量が多く汚水に比して大量の雨水が被処理水中に含まれる場合とが好適に判断される。そして、被処理水のほとんどが汚水である場合には、被処理水中に浸漬される破砕手段によって被処理水中の屎尿や残飯等の夾雑物が破砕されて夾雑物の処理が好適に行われる一方、除塵機による夾雑物の掻き上げがなされないので夾雑物が水面上に露出されず、屎尿や残飯等の夾雑物からの臭気の発生や虫等の発生が抑制される。これに対して、汚水に比して大量の雨水が被処理水中に含まれる場合には、破砕手段が水面上に移動され、雨水によってもたらされ、屎尿や残飯に比して大きな夾雑物が破砕手段に巻き込まれなくされ、さらに、除塵機によって被処理水中の大きな夾雑物が好適に掻き上げられて被処理水中の夾雑物の処理が好適になされる。
【0011】
ここで、除塵機は水路で破砕手段よりも下流側に設置されると共に、破砕手段により破砕された夾雑物を通過可能とされていることが好ましい。
【0012】
これによれば、除塵機における夾雑物の掻き上げがなされない場合に、夾雑物は破砕手段により破砕されて除塵機に到達すると共に、この破砕された夾雑物が除塵機を通過可能であるので、夾雑物が、掻き上げのなされない除塵機に捕集されて蓄積することが防止される。
【0013】
また、除塵機及び破砕手段よりも下流側には、除塵機又は破砕手段によって処理がなされた被処理水を汚水処理場へ移送する汚水ポンプと、除塵機又は破砕手段によって処理がなされた被処理水を海又は河川に移送する雨水ポンプと、が設けられ、制御手段は、被処理水の水量が所定の基準値よりも低いと判断された場合に汚水ポンプを稼働させる一方、被処理水の水量が所定の基準値よりも高いと判断された場合に雨水ポンプを稼働させることが好ましい。
【0014】
これによれば、晴天時等で被処理水のほとんどが汚水である場合に、破砕手段によって夾雑物が処理された被処理水が好適に汚水処理場に移送されて処理される一方、雨天時で汚水に比して大量の雨水が被処理水中に含まれる場合に、除塵機によって夾雑物が処理された被処理水が河川等に移送されて放流される。このため、汚水がほとんどである被処理水と雨水を大量に含んだ被処理水とを各々適切に処理することが可能とされる。
【0015】
ここで、水量に関する情報は、水路の水位であることが好ましい。これによって、夾雑物の多い被処理水の水量を好適に取得することができる。
【0016】
また、破砕手段が被処理水に浸漬された状態での破砕手段の上端の高さは、所定の基準値となる水量が流入した場合の前記水路における水面位置とほぼ同等とされることが好ましい。
【0017】
これによれば、被処理水の流量が増えて水位が破砕手段の上端に達して破砕手段の処理能力の限界に達するタイミングで、被処理水の水量が基準値に達し破砕手段が上昇されるので、破砕手段を効率よく活用できる。
【0018】
また、制御手段は、被処理水の水量が所定の基準値よりも高いと判断された場合に破砕手段を停止させることが好ましい。
【0019】
これによれば、被処理水の水量が所定の基準値よりも高くなって破砕手段が水面上に位置する場合に破砕手段が停止され、動力が不要とされるので、ランニングコストを削減できる。
【0020】
また、破砕手段と共に水路を横断するように水路に設置され被処理水中の夾雑物を捕集する捕集手段と、捕集手段に捕集された夾雑物を破砕手段に移送する移送手段と、を備え、昇降手段は破砕手段の昇降運動に合わせて捕集手段及び移送手段を上下に昇降運動させることが好ましい。
【0021】
これによれば、破砕手段によって被処理水の処理が行われる際に、破砕手段に比して通過抵抗の少ない捕集手段と移送手段とによって被処理水の夾雑物の破砕処理がより好適に行える。また、除塵機によって被処理水の処理が行われる際には、捕集手段、移送手段、破砕手段が各々水面上に上昇されるので、比較的大きな夾雑物がこれら捕集手段、移送手段、破砕手段をつまらせたりすることがない。
【0022】
また、晴天時であって、ほとんど汚水のみが被処理水として流入する場合においても、時間帯や季節等によってその汚水の量が変化し被処理水の量が変動することがある。そこで、水路が並列する複数の小水路に分割され、除塵機、破砕手段及び昇降手段がこの小水路毎に設けられると共に、小水路には破砕手段よりも上流側に被処理水の各々の水路への流入・遮断を制御可能なゲートが各々設けられることが好ましい。
【0023】
これによれば、晴天時において、汚水を主成分とする被処理水の水量が変化する場合でも、各々のゲートを制御して被処理水を流入させる水路の数を変更することにより、被処理水中の夾雑物を各々破砕手段によって効率的に処理できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図1及び図2を参照しながら、本発明に係る夾雑物処理装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図1は本実施形態に係る夾雑物処理装置10の上面図、図2は図1のII−II矢視図、図3は図1のIII−III矢視図である。
【0025】
本実施形態に係る夾雑物処理装置10は、図1及び図2に示すように、下水道管渠1内を流下してきた被処理水を下水処理場や河川等に移送するポンプ場5に設置されている。下水道管渠1は、自然現象に起因する排水である雨水と、生活または事業に起因する排水である汚水と、が合流された被処理水が流れこむ合流式のものであり、ポンプ場5は下水道管渠1の下流端に設けられている。
【0026】
ポンプ場5は、下水道管渠1からの被処理水が流れる水路であってそこで被処理水中の夾雑物の処理がなされる水路部(水路)11と、その深さが水路部11よりも深くされ夾雑物が処理された後の被処理水が貯留される槽部12と、を有している。
【0027】
ポンプ場5内の水路部11及び槽部12は、被処理水が流入する方向と平行でかつ鉛直な第一区画壁20によって、図1の上下方向に2つに区画されている。
【0028】
水路部11の内、第一区画壁20によって区画された2つの部分は、さらに、第一区画壁20と平行な第二区画壁21、22によって、各々さらに図1の上下方向に2つの小水路に区画されている。ここでは、第二区画壁22とポンプ場5の壁とに挟まれる部分を第一水路(小水路)15、第二区画壁22と第一区画壁20とに挟まれる部分を第二水路(小水路)16、第一区画壁20と第二区画壁21とに挟まれる部分を第三水路(小水路)17、第二区画壁21とポンプ場5の壁とに挟まれる部分を第四水路(小水路)18とする。また、槽部12で第一水路15及び第二水路16からの被処理水が流入する部分を第一槽部13、槽部12で第三水路17及び第四水路18からの被処理水が流入する部分を第二槽部14とする。
【0029】
第一水路15、第二水路16、第三水路17、第四水路18には、各々上流側から順に、モータ35aによって開閉動作がなされ下水道管渠1から各々の小水路15〜18内への被処理水の流入・遮断を制御する流入ゲート35と、流入された被処理水中の夾雑物を破砕可能な破砕ユニット45と、被処理水中の夾雑物を捕集し水面上に掻き上げて除去する除塵機65と、が各々設けられている。
【0030】
また、図1〜図3に示すように、第一水路15、第二水路16、第三水路17、第四水路18で破砕ユニット45が設置される部分には、両側に一対の補助壁46,47が設けられており、この部分の小水路15〜18の幅は、除塵機65が設けられた部分の水路の幅に比べて狭くされている。なお、図2及び図3に示すように、補助壁46,47の高さは、第一区画壁20、第二区画壁21,22に比して低くされている。
【0031】
破砕ユニット45は、円筒スクリーン(捕集手段)45a及び破砕機45dを各々備え、この円筒スクリーン45aと破砕機45dとは、補助壁46、47によって横幅が狭くされた小水路15〜18を各々横断するように並設されている。
【0032】
円筒スクリーン45aは、円環状板材が上下方向に所定距離離間して複数積層された縦型円筒形状を有し、各々の小水路15〜18を流れる被処理水中の夾雑物(し渣)をその円環状板材に捕集する。そして、この円筒スクリーン45aは夾雑物が捕集された被処理水を板の間の隙間から下流側に通過させる。
【0033】
また円筒スクリーン45aは、各々の円筒スクリーン45aが捕集した夾雑物を破砕機45d側に移送する移送手段としてのスクレーパ45bを各々有している。このスクレーパ45bは、棒体が円環状板材間に対応して上下に複数積層され、円筒スクリーン45aの円環状板材の中心軸線よりも小水路15〜18の上流側に偏心された鉛直軸回りを、各々の円筒スクリーン45a毎に設けられたモータ45cによって回転されるものであり、円筒スクリーン45aの上流方向側で円筒スクリーン45aの円環状板材間から上流方向側に突出され、この円環状板材間に捕集された夾雑物を回転によりかき取って並設された破砕機45dに向かって移送する。
【0034】
破砕機45dは、各々の破砕機45dに対して設置されたモータ45eによって回転される一対の回転破砕刃(破砕手段)45f、45fを有し、被処理水が通過する際に被処理水中の夾雑物を破砕する。
【0035】
また、破砕ユニット45は、昇降装置(昇降手段)55によって、各々独立に上下に昇降可能とされている。この昇降装置55は、図2及び図3に示すように、各破砕ユニット45を個別につり上げるためのワイヤー55bと、ワイヤー55bを各々巻き上げるためのモータ55aと、各々のモータ55aが設置され水路部11上で幅方向に延在して固定側に架設される枠体55cと、を備えている。そして、この昇降装置55は、各々の破砕ユニット45を、図2に示すように水路の底面に載置された状態から、図2に仮想線で示すように水路の底面から所定距離離間された状態までつり上げ可能となっている。
【0036】
ここで、破砕機45d及び円筒スクリーン45aは、つり上げられた状態で、その下端の高さが第一区画壁20、第二区画壁21、22の上端よりも上に位置するようにされ、各々の水路に導入される被処理水の水面より上方にまで引き上げ可能とされている。
【0037】
また、破砕機45dが各々の水路の底面に載置された状態で、破砕機45dの回転破砕刃45fの上端の高さは、後述する所定の基準水位9bとほぼ同様されている。
【0038】
除塵機65は、図1及び図2に示すように、上下方向に長尺な板を所定間隔水平方向に複数配設した縦スクリーン65aを各々備えている。この縦スクリーン65aは、各々の小水路15〜18を横断し、かつ、図2に示すように、その上部が下流側(図示右側)にやや傾くように各々の小水路15〜18に対して設置されている。
【0039】
そして、この縦スクリーン65aは、上流側から流入する被処理水中の所定以上の大きさの夾雑物(し渣)を板の間で捕集する一方、夾雑物が捕集された被処理水を板の間の隙間から下流側に通過させる。ここで、縦スクリーン65aの目開きは、破砕機45dで破砕された夾雑物を通過可能な大きさとすることが好ましい。具体的には、例えば、破砕機45dの破断寸法を3cm角とした場合、縦スクリーン65aの目開きを5cmとすればよい。
【0040】
また、除塵機65は、図2に示すように、縦スクリーン65aの上流側で縦スクリーン65aに沿う周回軌道回りを周回する主務チェーン65bと、この主務チェーン65bを周回運動させるモータ65dと、主務チェーン65bに複数取り付けられ主務チェーン65bの周回運動に伴って縦スクリーン65aに捕集された夾雑物を縦スクリーン65aにそって上方に掻き上げるレーキ65cと、縦スクリーン65aの上端まで掻き上げられた夾雑物をレーキ65cから下方へ払い落とすワイパ65eと、を各々有している。なお、図1においては、除塵機65の内、縦スクリーン65aとモータ65dを除いて図示を省略している。
【0041】
そして、各々の除塵機65によって掻き上げられ払い落とされた夾雑物は、図2及び図1に示すように、ポンプ場5の上部に設けられて小水路15〜18に亘って幅方向に延在するベルトコンベア67に捕集され、図1に示すように、さらにベルトコンベア68を介してホッパ69に貯留される構成とされている。
【0042】
また、図1に示すように、水路部11で流入ゲート35よりも上流側には、水路部11の被処理水の水位を取得する水位センサ(水量取得手段)71が設けられている。
【0043】
また、第一槽部13には、第一槽部13内の被処理水を下水処理場へ移送する汚水ポンプ82が複数設けられ、第二槽部14には、第二槽部14内の被処理水を河川等に移送する雨水ポンプ81が複数設けられている。ここで、雨水ポンプ81の能力は汚水ポンプ82の能力よりも高くされている。
【0044】
さらに、第一区画壁20で、第一槽部13と第二槽部14とを区画する部分には、第一槽部13と第二槽部14とを連通可能であってモータ19aによって開閉が制御される連絡ゲート19が設けられている。
【0045】
そして、本実施形態の夾雑物処理装置10においては、水位センサ71に接続されて水路15〜18における被処理水の水位が取得可能とされ、取得された水位に応じて、各昇降装置55の駆動モータ55a、各除塵機65の駆動モータ65d等の駆動を制御する制御装置98を備えている。
【0046】
具体的には、制御装置98は、取得された水位と、図2及び図3に示す、最低水位9c、基準水位9b、最高水位9aとを比較して制御を行う。
【0047】
ここで、最低水位9cは、破砕ユニット45での破砕に最低限必要な水量に対応する水位であり、ここでは、破砕ユニット45が下降されている状態での破砕機45dの回転破砕刃45fの下端近傍の水位である。また、基準水位9bは、晴天時等で被処理水がほとんど汚水のみである場合の水量と、雨天時等で雨水が被処理水に大量に含まれる場合の水量との間の境界となる水量(所定の基準値)が、全ての小水路15〜18に導入された場合の水路の水位である。また、最高水位9aは、この夾雑物処理装置10での最大処理水量に対応する水位であり、補助壁46の上端よりも高い第一区画壁20の上端近傍とされる。
【0048】
さらに、制御装置98は、小水路15〜18の各流入ゲート35の駆動モータ35a、各破砕ユニット45の駆動モータ45c,45e、各汚水ポンプ82、各雨水ポンプ81、連絡ゲート19の駆動モータ19a、及び、ベルトコンベア67,68の駆動モータと接続されており、これらの駆動も制御可能となっている。
【0049】
次に、このような、制御装置98,流入ゲート35、昇降装置55、破砕ユニット45、除塵機65、雨水ポンプ81、汚水ポンプ82等を有する夾雑物処理装置10における制御装置98の作用について図4及び図5のフローチャートを参照して説明する。
【0050】
予め、小水路15〜18の各流入ゲート35は各々閉鎖され、各破砕ユニット45は下降され、各破砕ユニット45、各除塵機65、汚水ポンプ82、雨水ポンプ81及びベルトコンベア67は各々停止された停止状態から説明を始める。
【0051】
まず、ステップS101において、被処理水の水位を取得しこれに基づいて判定を行う。そして、水位が最低水位9cよりも低い場合には、被処理水の量が少なく処理の必要がないとして停止状態を維持し、再びステップ101で水位に基づく判定を行う。
【0052】
一方、水位が所定の最低水位9c以上である場合には、処理の必要がありこの被処理水は汚水がほとんどであるとし、この被処理水の処理をすべくステップS103へ進む。ステップS103においては、モータ35aを駆動して第一水路15の流入ゲート35を開放し、被処理水を第一水路15に流入させると共に、第一水路15のモータ45c及びモータ45eを駆動して第一水路15の破砕ユニット45を駆動し、第一水路15に流入した被処理水中の夾雑物を破砕させ、さらに、汚水ポンプ82を各々駆動し、破砕ユニット45及び除塵機65を通過して第一槽部13に貯留される被処理水を下水処理場に移送する。このような処理がなされている場合に、除塵機65は稼働されないので、被処理水中の夾雑物が水面上に掻き上げられることはない。また、除塵機65の縦スクリーン65aの目幅は破砕機45dによって破砕された夾雑物が通過可能となっているので、破砕された夾雑物を含む被処理水は、除塵機65によって流れが滞ることなく第一槽部13に流入される。
【0053】
このようにして、被処理水の処理が行われると、ステップS105において、再び被処理水の水位に基づく判断が行われる。ここで、水位が最低水位9cよりも低くなれば、被処理水の処理は終了したとして、ステップS107において、第一水路15の流入ゲート35を閉鎖し、第一水路15の破砕ユニット45を停止し、汚水ポンプ82を停止してステップS101に戻る。
【0054】
一方、水位が最低水位9c以上であり、かつ、基準水位9bより低ければ、このままの状態で被処理水が汚水であるとしてこの処理を続け、再びステップS105において水位に基づく判断を行う。
【0055】
また、水位が基準水位9b以上となる場合には、処理量を増やすべくステップS109に進む。ステップS109においては、第二水路16の流入ゲート35を開放し、第二水路16の破砕ユニット45を駆動する。これによって、被処理水は、第一水路15と第二水路16とに流入して各々の破砕ユニット45によりその中の夾雑物が破砕され、第一槽部13から排出されることとなる。
【0056】
このようにして、被処理水の処理が行われると、ステップS111において、再び水位に基づく判断が行われる。ここで、水位が最低水位9cよりも低くなれば、被処理水の処理容量を少なくすべく、ステップS113において、第二水路16の流入ゲート35を閉鎖し、第二水路16の破砕ユニット45を停止してステップS105に戻る。これによって、第一水路15のみによって被処理水の処理が好適に行われる。
【0057】
一方、水位が最低水位9c以上であり、かつ、基準水位9b未満であれば、このままの状態で処理を続け、再びステップS111において水位に基づく判断を行う。
【0058】
一方、水位が所定の基準水位9b以上となった場合には、処理容量を増やすべくステップS115に進む。ステップS115においては、第三水路17の流入ゲート35を開放し、第三水路17の破砕ユニット45を駆動すると共に、モータ19aを駆動して連絡ゲート19を開放する。これによって、被処理水は、第一水路15及び第二水路16に加えて第三水路17によっても夾雑物の破砕がなされ、第二水路16を介して第二槽部14に流入した処理済みの被処理水は連絡ゲート19を介して第一槽部13に流入し汚水ポンプ82を介して汚水処理場に移送されることとなる。
【0059】
このようにして、被処理水の処理が行われると、ステップS117において、水位に基づく判断が行われる。ここで、水位が最低水位9cよりも低くなれば、被処理水の処理容量を少なくすべく、ステップS119において、第三水路17の流入ゲート35を閉鎖し、第三水路17の破砕ユニット45を停止すると共に連絡ゲート19を閉鎖してステップS111に戻る。これによって、第一水路15及び第二水路16のみによって被処理水の処理が行われる。
【0060】
一方、水位が最低水位9c以上であり、かつ、基準水位9b未満であれば、このままの状態で処理を続け、再びステップS117において水位に基づく判断を行う。
【0061】
また、水位が基準水位9b以上となった場合には、処理容量をさらに増やすべくステップS120に進む。ステップS120においては、第四水路18の流入ゲート35を開放し、第四水路18の破砕ユニット45を駆動する。これによって、被処理水は、第一水路15、第二水路16、第三水路17に加えて第四水路18によっても夾雑物の破砕がなされることとなる。
【0062】
このようにして、被処理水の処理が行われると、ステップS121において、水位に基づく判断が行われる。ここで、水位が最低水位9cよりも低くなれば、被処理水の処理容量を少なくすべく、ステップS123において、第四水路18の流入ゲート35を閉鎖し、第四水路18の破砕ユニット45を停止してステップS117に戻る。これによって、第一水路15、第二水路16及び第三水路17のみによって被処理水の処理が行われる。
【0063】
また、水位が最低水位9c以上であり、かつ、基準水位9b未満であれば、このままの状態で処理を続け、再びステップS121において水位に基づく判断を行う。
【0064】
また、4つの小水路15〜18を用いて夾雑物の破砕処理を行っても、水位が基準水位9b以上となった場合には、被処理水は雨水を主とするものとなると共に破砕ユニット45による処理能力の限界に達したとして、除塵機65による夾雑物の処理に切り替えるべくステップS125に進む。
【0065】
ステップS125においては、全ての破砕ユニット45を停止し、全ての昇降装置55を駆動して全ての破砕ユニット45を上昇させ、すべての除塵機65を稼働し、汚水ポンプ82を停止し、雨水ポンプ81を駆動し、コンベア67,68を駆動する。
【0066】
これによって、被処理水は破砕ユニット45によって流れが邪魔されることなく各々の小水路15〜18を通過でき、さらに、被処理水中の夾雑物は除塵機65によって捕集され掻き上げられてベルトコンベア67、68を介してホッパ69に集められ、被処理水の夾雑物が除去されて処理される。そして、夾雑物が除去された被処理水は雨水ポンプ81を介して河川等に放流される。
【0067】
このようにして、被処理水の処理が行われると、ステップS127において、水位に基づく判断が行われる。ここで、水位が基準水位9bよりも低くなれば、破砕ユニット45による処理に切り替えるべく、ステップS129において、全ての昇降装置55を駆動して全ての破砕ユニット45を下降させ、全ての破砕ユニット45を稼働し、すべての除塵機65を停止し、汚水ポンプ82を可動し、雨水ポンプ81を停止し、コンベア67,68を停止した後ステップS121に戻る。これによって、第一水路15〜第四水路18において破砕ユニット45によって被処理水の処理が行われ、処理後の汚水は汚水ポンプ82によって汚水処理増に移送される。
【0068】
また、水位が基準水位9b以上であり、かつ、最高水位9a未満であれば、被処理水は雨水であるとしてこのままの状態で除塵機65による処理を続け、再びステップS127において水位に基づく判断を行う。
【0069】
一方、除塵機65を用いて夾雑物の処理を行っても、水位が最高水位9a以上となった場合には、ステップ131において、警告を表示し、制御を停止する。
【0070】
このような、夾雑物処理装置においては、小水路15〜18の水位が取得されると共に、この水位と、適切に定められた基準水位9bとを比較することにより、晴天時等で雨水の量が少なくて被処理水の流量が少なくて水位が低く被処理水のほとんどが汚水である場合と、雨天時で雨水が大量に合流し被処理水の流量が多くて水位が高い場合とが好適に判断される。そして、水路内の水位が基準水位よりも低い場合に除塵機65による夾雑物の掻き上げが停止されると共に昇降装置55により破砕機45dが被処理水に浸漬される。このため、水路内の水位が低く被処理水のほとんどが汚水である場合に、被処理水中に浸漬される破砕機45dによって被処理水中の屎尿や残飯等の夾雑物が破砕されて夾雑物の処理が好適に行われる一方、除塵機65による夾雑物の掻き上げがなされないので夾雑物が水面上に露出されず、屎尿や残飯等の夾雑物からの臭気の発生や虫等の発生が抑制され、公衆衛生上好ましい。
【0071】
これに対して、小水路15〜18内の水位が基準水位よりも高いと判断された場合に、除塵機65による夾雑物の掻き上げがなされると共に昇降装置55により破砕ユニット45が被処理水の水面より上方に引き上げられる。このため、水路内の水位が高く汚水に比して大量の雨水が被処理水中に含まれる場合に、被処理水中の、特に雨水によってもたらされ屎尿や残飯に比して大きい夾雑物が破砕機45dに巻き込まれなくなり、破砕機45dのつまりや破損が防止されている。また、除塵機65によって被処理水中の大きな夾雑物が好適に掻き上げられて被処理水中の夾雑物の処理が好適になされる。
【0072】
また、除塵機65は小水路15〜18で破砕機45dよりも下流側に設置されると共にこの除塵機65の縦スクリーン65aの目開きは破砕機45dにより破砕された夾雑物が通過可能に設定されている。このため、除塵機65における夾雑物の掻き上げがなされない場合に、破砕機45dにより夾雑物が破砕されて除塵機65に到達すると共に、この破砕された夾雑物が除塵機65を通過可能であるので、夾雑物が、掻き上げのなされない除塵機65の縦スクリーン65aに捕集されて蓄積することが防止されている。
【0073】
さらに、除塵機65及び破砕機45dよりも下流側には、除塵機65又は破砕機45dによって処理がなされた被処理水を汚水処理場へ移送する汚水ポンプ82と、除塵機65又は破砕機45dによって処理がなされた被処理水を海又は河川に移送する雨水ポンプ81と、が設けられ、制御装置98は、水路内の水位が基準水位9bよりも低いと判断された場合に汚水ポンプ82を稼働させる一方、水路内の水位が基準水位9bよりも高いと判断された場合に雨水ポンプ81を稼働させる。
【0074】
これにより、晴天時等で被処理水のほとんどが汚水である場合に、破砕機45dによって夾雑物が処理された被処理水が汚水処理場に移送されて好適に処理される一方、雨天時で汚水に比して大量の雨水が被処理水中に含まれる場合に、除塵機65によって夾雑物が処理された被処理水が河川等に移送されて放流される。このため、汚水がほとんどである被処理水と雨水を大量に含んだ被処理水とを各々適切に処理することが可能とされる。
【0075】
また、破砕機45dが被処理水に浸漬された状態での回転破砕刃45fの上端近傍の高さは、雨水が多い場合と汚水がほとんどの場合との境界の水位に対応する基準水位の位置とほぼ同等とされているので、被処理水の流量が増えて水位が破砕機45dの上端に達して破砕機45dの処理能力の限界に達するタイミングで、被処理水の水位が基準水位に達し破砕機45dが上昇されるので、破砕機45dを効率よく活用できる。
【0076】
また、制御装置98は、小水路15〜18内の水位が基準水位よりも低いと判断された場合に破砕ユニット45を稼働させる一方、小水路15〜18内の水位が基準水位よりも高いと判断された場合に破砕ユニット45を停止させるので、破砕ユニット45が水面上に位置する場合にこの破砕ユニット45の駆動が停止され、動力が不要とされるので、ランニングコストが削減されている。
【0077】
また、破砕ユニット45は、破砕機45dと共に小水路15〜18を横断するように小水路15〜18に設置され被処理水中の夾雑物を捕集する円筒スクリーン45aと、円筒スクリーン45aに捕集された夾雑物を破砕機45dに移送するスクレーパ45bと、を備え、昇降装置55によって破砕機45dの昇降運動に合わせて円筒スクリーン45a及びスクレーパ45bが上下に昇降運動される。このため、破砕機45dで夾雑物の破砕がなされる場合に、破砕機45dに比して通過抵抗の少ない円筒スクリーン45aとスクレーパ45bとによって被処理水の夾雑物の処理がより好適に行える。また、除塵機65によって被処理水の処理が行われる際には、円筒スクリーン45a、スクレーパ45bが各々破砕機45dと共に水面上に上昇されるので、比較的大きな夾雑物がこれら円筒スクリーン45a、スクレーパ45bをつまらせることがない。
【0078】
さらに、晴天時であって、ほとんど汚水のみが被処理水として流入する場合においても、時間帯や季節等によってその汚水の量が変化し被処理水の量が変動することがある。ところが、水路部11は並列する複数の小水路15〜18に分割され、除塵機65、破砕機45dを含む破砕ユニット45及び昇降装置55がこの小水路15から18毎に設けられると共に、小水路15〜18には破砕機45dよりも上流側に被処理水の各々の水路への流入・遮断を制御可能な流入ゲート(ゲート)35が各々設けられており、晴天時において、汚水を主成分とする被処理水の水量が変化する場合でも、各々のゲート35を制御して被処理水を流入させる小水路15〜18の数を変更することにより、被処理水中の夾雑物を各々破砕機45dによって効率的に処理できている。
【0079】
なお、本発明に係る夾雑物処理装置及び夾雑物処理方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形態様をとることが可能である。
【0080】
例えば、上記実施形態においては、除塵機65を破砕機45dよりも下流側に配置しているが、汚水中の夾雑物が雨水中の夾雑物よりも十分小さい場合等には、除塵機65を破砕機45dよりも上流側に配置してもよい。
【0081】
また、各ポンプ81,82の運転の開始は、さらに、槽部12における処理済みの被処理水の水位が所定の水位を超えてからとしてもよい。
【0082】
また、上記実施形態においては、制御装置98によって、夾雑物処理装置10を自動制御しているが、被処理水の水位をオペレータ等が測定し、この水位に基づいてオペレータ等が夾雑物処理装置10の除塵機65や昇降装置55や破砕ユニット45等を制御するようにしてもよい。
【0083】
また、上記実施形態においては、水路部11が4つの小水路15〜18に分割されているが、晴天時における汚水の流量変動があまりない場合等には、分割されない一つの水路としてもよい。この場合でも、基準水位9bは、晴天時等においてほとんど汚水のみが被処理水として流入する場合の被処理水の水量と、雨天時等において雨水が大量に含まれる場合の被処理水の水量と、の間の境界の水量に対応する水位とすればよい。
【0084】
また、上記実施形態では、水位センサ71によって水路内の水位を測定しているが、水路を流れる被処理水の水量に関する情報を取得すればこれに限られず、例えば、流量計等によって被処理水の水量を取得してもよい。この場合、制御装置98は、取得された流量を、境界となる被処理水の水量(所定の基準値)と比較することにより、除塵機65や破砕機45dの制御をすればよい。
【0085】
また、上記実施形態では、夾雑物処理装置10を下水道のポンプ場での夾雑物処理に採用しているが、例えば、下水処理場の流入口での夾雑物処理、河川におけるし渣処理、雨水ポンプ場での不明水対策等、雨水が合流されて水位レベルが大きく変動する被処理水を処理する場所に適用できる。
【0086】
また、図1に点線で示すように、第二区隔壁21を第二槽部14内に延長した隔壁222によって第二槽部14内を2つに分割すると共に分割された2つの領域間の連通・遮断を制御可能とするゲート222b及びモータ222aをこの隔壁222に設置したり、第二区隔壁22を第一槽部13内に延長した隔壁220によって第一槽部13を2つに分割すると共に分割された2つの領域間の連通・遮断を制御可能とするゲート220b及びモータ220aをこの隔壁220に設置したりしても良い。
【0087】
【発明の効果】
本発明の夾雑物処理装置及び夾雑物処理方法によれば、被処理水の水量に関する情報を取得し被処理水の水量が所定の基準値より高いか低いかを判断することにより、晴天時等で雨水が少なくて被処理水の水量が少なく被処理水のほとんどが汚水である場合と、雨天時で雨水が多くて被処理水の水量が多く汚水に比して大量の雨水が被処理水中に含まれ場合とを好適に判断できる。そして、被処理水のほとんどが汚水である場合には、破砕手段を被処理水中に浸漬して被処理水中の屎尿や残飯等の夾雑物を破砕し夾雑物の処理を好適に行わせる一方、除塵機によって夾雑物を掻き上げないことにより夾雑物を水面上に露出させず、屎尿や残飯等の夾雑物からの臭気の発生や虫等の発生を抑制する。
【0088】
これに対して、汚水に比して大量の雨水が被処理水中に含まれる場合には、破砕手段を水面上に移動し、雨水によってもたらされ、屎尿や残飯に比して大きな夾雑物を破砕手段に巻き込まれないようにする一方、除塵機を稼働して被処理水中の大きな夾雑物を掻き上げ被処理水中の夾雑物の処理を行う。
【0089】
このため、雨水と汚水とが合流された被処理水が水路に供給され、天候等によって被処理水の質や量が大きく変動しても被処理水中の夾雑物を適切に処理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る夾雑物処理装置の上面図である。
【図2】図1のII−II矢視図である。
【図3】図1のIII−III矢視図である。
【図4】図1の制御装置の制御フローを示す図である。
【図5】図5に続く制御フローを示す図である。
【符号の説明】
9b…基準水位(所定の基準値)、10…夾雑物処理装置、11…水路部(水路)、15…第一水路(小水路)、16…第二水路(小水路)、17…第三水路(小水路)、18…第四水路(小水路)、35…流入ゲート(ゲート)、45b…スクレーパ(移送手段)、45a…円筒スクリーン(捕集手段)、45f…回転破砕刃(破砕手段)、55…昇降装置(昇降手段)、65…除塵機、71…水位センサ(水量取得手段)、81…雨水ポンプ、82…汚水ポンプ、98…制御装置(制御手段)。
Claims (9)
- 水路を流れる被処理水中の夾雑物を処理する夾雑物処理装置において、
前記被処理水中の夾雑物を破砕する破砕手段と、
前記破砕手段を上下に昇降させる昇降手段と、
前記水路に設置され前記被処理水中の夾雑物を捕集し水面上に掻き上げ可能な除塵機と、
前記被処理水の水量に関する情報を取得する水量取得手段と、
前記取得された被処理水の水量に関する情報に基づいて前記被処理水の水量が所定の基準値よりも高いか低いかを判断し、前記被処理水の水量が所定の基準値よりも低い場合に前記除塵機による夾雑物の掻き上げを停止させると共に前記破砕手段が前記被処理水に浸漬するように前記昇降手段を制御し、前記被処理水の水量が所定の基準値よりも高い場合に前記除塵機による夾雑物の掻き上げを行わせると共に前記破砕手段が前記被処理水の水面より上方に位置するように前記昇降手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする夾雑物処理装置。 - 前記除塵機は前記水路で前記破砕手段よりも下流側に設置されると共に、前記破砕手段により破砕された夾雑物を通過可能とされていることを特徴とする、請求項1に記載の夾雑物処理装置。
- 前記除塵機及び前記破砕手段よりも下流側には、前記除塵機又は前記破砕手段によって処理がなされた被処理水を汚水処理場へ移送する汚水ポンプと、前記除塵機又は前記破砕手段によって処理がなされた被処理水を海又は河川に移送する雨水ポンプと、が設けられ、前記制御手段は、前記被処理水の水量が所定の基準値よりも低い場合に前記汚水ポンプを稼働させる一方、前記被処理水の水量が所定の基準値よりも高い場合に前記雨水ポンプを稼働させることを特徴とする、請求項1又は2に記載の夾雑物処理装置。
- 前記水量に関する情報は、前記水路の水位であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の夾雑物処理装置。
- 前記破砕手段が前記被処理水に浸漬された状態での前記破砕手段の上端の高さは、前記所定の基準値となる水量が流入した場合の前記水路における水面位置とほぼ同等とされたことを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の夾雑物処理装置。
- 前記制御手段は、前記被処理水の水量が所定の基準値よりも高い場合に前記破砕手段を停止させることを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載の夾雑物処理装置。
- 前記破砕手段と並んで前記水路を横断するように前記水路に配設され前記被処理水中の夾雑物を捕集する捕集手段と、前記捕集手段に捕集された夾雑物を前記破砕手段に移送する移送手段と、を備え、前記昇降手段は前記破砕手段の昇降運動に合わせてさらに前記捕集手段及び前記移送手段を上下に昇降運動させることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の夾雑物処理装置。
- 前記水路は並列する複数の小水路に分割されており、前記除塵機、前記破砕手段及び前記昇降手段は前記小水路毎に設けられると共に、前記小水路には前記破砕手段よりも上流側に前記被処理水の前記小水路への流入・遮断を制御可能なゲートが各々設けられたことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の夾雑物処理装置。
- 水路を流れる被処理水中の夾雑物を破砕する破砕手段と、前記破砕手段を上下に昇降させる昇降手段と、前記水路に設置され前記被処理水中の夾雑物を捕集し水面上に掻き上げ可能な除塵機と、を備える夾雑物処理装置を用いて前記水路を流れる被処理水中の夾雑物を処理する夾雑物処理方法において、
前記被処理水の水量に関する情報を取得する水量取得工程と、
前記取得された被処理水の水量に関する情報に基づいて前記被処理水の水量が所定の基準値より高いか低いかを判断し、前記被処理水の水量が所定の基準値よりも低い場合に前記除塵機による夾雑物の掻き上げを停止すると共に前記昇降手段により前記破砕手段を前記被処理水に浸漬させ、前記水路内の水量が所定の基準値よりも高い場合に前記除塵機による夾雑物の掻き上げを行うと共に前記昇降手段により前記破砕手段を前記被処理水の水面より上方に引き上げる制御工程と、
を含むことを特徴とする夾雑物処理方法。
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