JP2004204043A - ポリフェニレン系重合体の製造法 - Google Patents

ポリフェニレン系重合体の製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】有機溶媒への溶解性が改良された、耐熱性、発光性を有し、光・電子機能を有するポリフェニレン系重合体を高分子量且つ高収率で得る製造法を提供する。
【解決手段】m−ジハロゲノベンゼン及びp−ジハロゲノベンゼンから成るジハロゲノベンゼン並びにマグネシウムから調製されるグリニヤール試薬を、ニッケル錯塩又はニッケル錯塩及び有機リン化合物の存在下、重合させる。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機溶媒への溶解性が改良された、耐熱性、発光性を有し、光・電子機能を有するポリフェニレン系重合体を高分子量且つ高収率で得る製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリm−フェニレン・ホモポリマー及びポリp−フェニレン・ホモポリマー等のポリフェニレン・ホモポリマー類は、耐熱性を有し、酸化剤及び還元剤を添加することにより導電性を示すことが知られている。更に、発光性やエレクトロクロミズムを示すなどの電気化学的な活性物質としての報告もあり、又、焼成して炭化させたフィルム状炭素材料を基にした2次電池電極材料等に適用できるので有望視されている。しかし、これらのポリフェニレン・ホモポリマー類は分子構造が剛直な直線構造であり、有機溶媒に不溶及び不融性であるため、フィルム材料に成形できない等、成形性、賦形性に乏しく、更には、分子量が低いものは耐熱性が乏しく、光・電子材料への工業的応用が困難であるという欠点があった。
【0003】
最近、ポリフェニレン・ホモポリマー類のこれらの欠点を改良するため、メタフェニレン基とパラフェニレン基から成る高分子化合物が報告されている(特開2001−181377号公報)。この高分子化合物は、ポリフェニレン中のメタフェニレン基の割合を60〜95%にすることにより、ポリメタフェニレン・ホモポリマー及びポリパラフェニレン・ホモポリマー等のポリフェニレン・ホモポリマー類と同様の電気化学的な特性を維持しつつ、有機溶媒への不溶性を改良している。このメタフェニレン基とパラフェニレン基から成る高分子化合物の製造法としては、(A)メタジブロモベンゼンとパラジブロモベンゼンの混合物とマグネシウムを反応させた後、触媒としてジクロロ(2,2’−ビピリジン)ニッケル(II)を加えて重合させる方法(特開2001−181377号公報)がある。又、メタフェニレン基とパラフェニレン基から成る高分子化合物に関するものではないが、(B)クロム、鉄、コバルト、ニッケルあるいは銅の化合物を触媒として用い、分子内に2個以上のハロゲンを有する有機化合物をマグネシウムと反応させ重合させる方法(特開昭52−154900号公報)等が報告されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−181377号公報
【特許文献2】特開昭52−154900号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これらの従来技術には次のような種々の問題があった。即ち、(A)の技術で使用されているジクロロ(2,2’−ビピリジン)ニッケル(II)触媒では、実用化のために要求される耐熱性を持ち、有機溶媒に可溶な、高分子量の重合体が得られておらず、又、収率もあまり高くないため、実用化するには十分ではなく、(B)の技術で使用されるクロム、鉄、コバルト、ニッケル及び銅化合物のような触媒では、生成する重合体は、有機溶媒に可溶ではあるが、低分子量であり、収率も低いため、有機溶媒に溶解できるポリフェニレン系重合体を高分子量且つ高収率で得る製造法の提供が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ジハロゲノベンゼン混合物及びマグネシウムから調製されるグリニヤール試薬を重合させて、有機溶媒に溶解するポリフェニレン系重合体を高分子量且つ高収率で得る製造法について鋭意研究した結果、(a)成分 m−ジブロモベンゼン、m−ブロモクロロベンゼン又はm−ジクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物及び(b)成分 p−ジブロモベンゼン、p−ブロモクロロベンゼン又はp−ジクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物から成るジハロゲノベンゼン混合物並びにマグネシウムから調製されるグリニヤール試薬を、触媒として、式(1)
Ni(X-2〔R1 2P−R2−PR1 2〕 (1)
〔式(1)中、X-は1価の陰イオン、R1はフェニル基、R2はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
で示されるニッケル錯塩の存在下、重合させることにより、ポリフェニレン系重合体が高分子量且つ高収率で得られ、且つ有機溶媒への溶解性が改良されることを見出した。又、(a)成分 m−ジブロモベンゼン、m−ブロモクロロベンゼン又はm−ジクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物及び(b)成分 p−ジブロモベンゼン、p−ブロモクロロベンゼン又はp−ジクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物から成るジハロゲノベンゼン混合物並びにマグネシウムから調製されるグリニヤール試薬を、触媒として、式(2)
Ni(Y-2〔R3 2P−R4−PR3 2〕 (2)
〔式(2)中、Y-は1価の陰イオン、R3はフェニル基、R4は炭素数2〜5のアルキレン基又はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
で示されるニッケル錯塩及び式(3)
5 2P−R6−PR5 2 (3)
〔式(3)中、R5はフェニル基、R6は炭素数2〜5のアルキレン基又はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
〔式(2)中のR4と式(3)中のR6は互いに同一でも異なっていてもよい。〕で示される有機リン化合物の存在下、重合させることにより、ポリフェニレン系重合体が更に高分子量且つ高収率で得られ、且つ有機溶媒への溶解性が改良されることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明を更に詳細に説明する。本発明で使用されるジハロゲノベンゼン混合物は、(a)成分としてm−ジブロモベンゼン、m−ブロモクロロベンゼン又はm−ジクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物及び(b)成分としてp−ジブロモベンゼン、p−ブロモクロロベンゼン又はp−ジクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物から成る。
【0008】
本発明で使用されるジハロゲノベンゼン混合物としては、例えば、m−ジブロモベンゼンとp−ジブロモベンゼンの混合物、m−ブロモクロロベンゼンとp−ブロモクロロベンゼンの混合物、m−ジクロロベンゼンとp−ジクロロベンゼンの混合物、m−ジブロモベンゼンとp−ジクロロベンゼンの混合物、m−ジクロロベンゼンとp−ジブロモベンゼンの混合物、m−ブロモクロロベンゼンとp−ジクロロベンゼンの混合物及びm−ジクロロベンゼンとp−ブロモクロロベンゼンの混合物等が挙げられる。
【0009】
ジハロゲノベンゼン混合物中の(a)成分と(b)成分のモル比は、70対30〜90対10の範囲であり、好ましくは80対20である。(a)成分と(b)成分のモル比が70対30〜90対10の範囲以外の場合には、得られるポリフェニレン系重合体中に、有機溶媒に不溶の成分が混在し、有機溶媒に可溶な重合体の収率が低下する。
【0010】
本発明で使用されるジハロゲノベンゼン混合物から製造されるポリフェニレン系重合体は、式(4)
【0011】
【化1】
Figure 2004204043
〔式(4)中、jとkの比は、70対30〜90対10の範囲である。〕
で示されるランダム共重合体である。
【0012】
ポリフェニレン系重合体中のm−フェニレン基とp−フェニレン基の構成比は、原料として使用したジハロゲノベンゼン混合物中の(a)成分と(b)成分のモル比に実質的に等しい。又、本発明によって製造されるポリフェニレン系重合体の分子量は、600〜80000の範囲である。
【0013】
ジハロゲノベンゼン混合物に対するマグネシウムの使用量は、理論的には等倍モルであるが、通常、0.95〜1.05倍モルである。マグネシウムが0.95倍モルより少ない場合には、未反応のジハロゲノベンゼンがより多く残存し、重合体の収率が低下する。又、マグネシウムが1.05倍モルより多い場合には、
高分子量の重合体が得られない。
【0014】
本発明において使用される反応溶媒としては、グリニヤール試薬調製において通常用いられるエーテル系反応溶媒を挙げることができる。エーテル系反応溶媒の具体例としては、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル及びシクロペンチルメチルエーテル等の鎖状エーテル類、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジエチルエーテル及びトリプロピレングリコールジブチルエーテル等のアルキレングリコールエーテル類、テトラヒドロフラン及びジオキサン等の環状エーテル類等を挙げることができ、シクロペンチルメチルエーテル及びテトラヒドロフランが好ましい。又、エーテル系反応溶媒は2種以上を混合して使用することもでき、特に、シクロペンチルメチルエーテルとテトラヒドロフランを混合して使用すると更に高分子量の重合体が得られるので好ましい。
【0015】
エーテル系反応溶媒の使用量は、グリニヤール試薬に対して、通常2〜20倍モルあればよい。エーテル系反応溶媒が20倍モルより多い場合には重合反応が遅くなり、反応溶媒が2倍モルより少ない場合には、グリニヤール試薬が析出するので好ましくない。
【0016】
更に、エーテル系反応溶媒に炭化水素系反応溶媒を混合して使用することもできる。炭化水素系反応溶媒としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン及びシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン及びエチルベンゼン等の芳香族炭化水素類等を挙げることができ、好ましくは、ベンゼン、トルエン又はキシレンである。
【0017】
重合反応前のグリニヤール試薬の調製については、ジハロゲノベンゼン混合物にマグネシウムを反応させてグリニヤール試薬を調製してもよいし、又、予め(a)成分のm−ジブロモベンゼン、m−ブロモクロロベンゼン又はm−ジクロロベンゼンのグリニヤール試薬と(b)成分のp−ジブロモベンゼン、p−ブロモクロロベンゼン又はp−ジクロロベンゼンのグリニヤール試薬を別々に調製したものを重合前に混合してもよい。
【0018】
本発明におけるグリニヤール試薬は、ジハロゲノベンゼン混合物とマグネシウムを反応溶媒中で反応させ調製することができる。グリニヤール試薬の調製法については、反応開始に際してマグネシウムの活性化剤として、グリニヤール試薬、ヨウ素又はジブロモエタン等を添加してもよい。
【0019】
反応におけるジハロゲノベンゼン混合物とマグネシウムの接触方法は、特に条件は無く、マグネシウムを含む反応溶媒中に、ジハロゲノベンゼン混合物を反応溶媒に混合して一度に添加してもよいし、逐次添加してもよい。ジハロゲノベンゼン混合物は反応溶媒に混合せずにそのまま添加することもできる。
【0020】
グリニヤール試薬を調製する際の反応温度は、使用するジハロゲノベンゼン混合物のハロゲン(Br又はCl)及び反応溶媒の種類によって異なるが、通常は−10〜70℃の範囲である。反応温度が−10℃未満の場合には、グリニヤール試薬調製に時間がかかり、70℃より高い場合は、次の重合反応で高分子量の重合体が得られず、又、収率も低下する。反応時間、即ちマグネシウムが消失するまでの時間は、反応溶媒の量や反応温度等によって異なるが、通常2〜10時間である。
【0021】
本発明において使用される重合触媒は、触媒がニッケル錯塩単独である場合には、式(1)
Ni(X-2〔R1 2P−R2−PR1 2〕 (1)
〔式(1)中、X-は1価の陰イオン、R1はフェニル基、R2はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
で示されるニッケル錯塩であり、触媒がニッケル錯塩及び有機リン化合物の場合には、式(2)
Ni(Y-2〔R3 2P−R4−PR3 2〕 (2)
〔式(2)中、Y-は1価の陰イオン、R3はフェニル基、R4は炭素数2〜5のアルキレン基又はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
で示されるニッケル錯塩及び式(3)
5 2P−R6−PR5 2 (3)
〔式(3)中、R5はフェニル基、R6は炭素数2〜5のアルキレン基又はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
〔式(2)中のR4と式(3)中のR6は互いに同一でも異なっていてもよい。〕で示される有機リン化合物の併用である。触媒としてニッケル錯塩と有機リン化合物を併用することにより、ニッケル錯塩単独の場合と比べて、ポリフェニレン系重合体が更に高分子量且つ高収率で得られる。尚、触媒として、本発明で使用される式(3)の有機リン化合物を単独で使用しても、ポリフェニレン系重合体は得られない。
【0022】
式(1)中のX-は1価の陰イオンである。1価の陰イオンとしては、ハロゲン化物イオン、オキソ酸陰イオン、式(5)
7COO- (5)
〔式(5)中、R7はCH3、C25又はフェニル基を示す。〕
で示されるアルキル及びアリールのカルボキシラトイオン、式(6)
8SO3 - (6)
〔式(6)中、R8はCH3、C25又はフェニル基を示す。〕
で示されるアルキル及びアリールのスルホナトイオン並びにチオシアナト(SCN-)を挙げることができる。1価の陰イオンの具体例としては、Br-、Cl-及びI-のハロゲン化物イオン、ニトラト(NO3 -)及びパークロラト(ClO4 -)のオキソ酸陰イオン、アセタト(CH3COO-)、プロピオナト(C25COO-)及びベンゾアトのアルキル及びアリールのカルボキシラトイオン、メタンスルホナト(CH3SO3 -)、エタンスルホナト(C25SO3 -)及びベンゼンスルホナトのアルキル及びアリールのスルホナトイオン並びにチオシアナト(SCN-)を挙げることができ、好ましくは、Br-又はCl-である。
【0023】
式(1)で示されるニッケル錯塩の具体的な例としては、ジクロロ(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ジブロモ(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ジヨード(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ジニトラト(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ジパークロラト(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ビスアセタト(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ビスプロピオナト(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ビスベンゾアト(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ビス(メタンスルホナト)(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ビス(エタンスルホナト)(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ビス(ベンゼンスルホナト)(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ビスチオシアナト(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケルを挙げることができ、好ましくはジクロロ(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ジブロモ(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケルを挙げることができる。
【0024】
式(2)中のY-は1価の陰イオンである。1価の陰イオンとしては、ハロゲン化物イオン、オキソ酸陰イオン、式(7)
9COO- (7)
〔式(7)中、R9はCH3、C25又はフェニル基を示す。〕
で示されるアルキル及びアリールのカルボキシラトイオン、式(8)
10SO3 - (8)
〔式(8)中、R10はCH3、C25又はフェニル基を示す。〕
で示されるアルキル及びアリールのスルホナトイオン並びにチオシアナト(SCN-)を挙げることができる。1価の陰イオンの具体例としては、Br-、Cl-及びI-のハロゲン化物イオン、ニトラト(NO3 -)及びパークロラト(ClO4 -)のオキソ酸陰イオン、アセタト(CH3COO-)、プロピオナト(C25COO-)及びベンゾアトのアルキル及びアリールのカルボキシラトイオン、メタンスルホナト(CH3SO3 -)、エタンスルホナト(C25SO3 -)及びベンゼンスルホナトのアルキル及びアリールのスルホナトイオン並びにチオシアナト(SCN-)を挙げることができ、好ましくは、Br-又はCl-である。
【0025】
式(2)で示されるニッケル錯塩の具体的な例としては、ジクロロ(1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)ニッケル、ジクロロ(1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン)ニッケル、ジクロロ(1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン)ニッケル、ジクロロ(1,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン)ニッケル、ジクロロ(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ジブロモ(1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)ニッケル、ジブロモ(1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン)ニッケル、ジブロモ(1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン)ニッケル、ジブロモ(1,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン)ニッケル、ジブロモ(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ジヨード(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ジニトラト(1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)ニッケル、ジニトラト(1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン)ニッケル、ジニトラト(1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン)ニッケル、ジニトラト(1,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン)ニッケル、ジニトラト(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ジパークロラト(1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)ニッケル、ジパークロラト(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ビスアセタト(1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)ニッケル、ビスアセタト(1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン)ニッケル、ビスアセタト(1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン)ニッケル、ビスアセタト(1,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン)ニッケル、ビスアセタト(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ビスプロピオナト(1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)ニッケル、ビスプロピオナト(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ビスベンゾアト(1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)ニッケル、ビスベンゾアト(1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン)ニッケル、ビスベンゾアト(1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン)ニッケル、ビスベンゾアト(1,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン)ニッケル、ビスベンゾアト(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ビス(メタンスルホナト)(1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)ニッケル、ビス(メタンスルホナト)(1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン)ニッケル、ビス(メタンスルホナト)(1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン)ニッケル、ビス(メタンスルホナト)(1,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン)ニッケル、ビス(メタンスルホナト)(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ビス(エタンスルホナト)(1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)ニッケル、ビス(エタンスルホナト)(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ビス(ベンゼンスルホナト)(1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)ニッケル、ビス(ベンゼンスルホナト)(1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン)ニッケル、ビス(ベンゼンスルホナト)(1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン)ニッケル、ビス(ベンゼンスルホナト)(1,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン)ニッケル、ビス(ベンゼンスルホナト)(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ビスチオシアナト(1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)ニッケル、ビスチオシアナト(1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン)ニッケル、ビスチオシアナト(1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン)ニッケル、ビスチオシアナト(1,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン)ニッケル及びビスチオシアナト(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル等を挙げることができ、好ましくは、ジクロロ(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ジブロモ(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ジヨード(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ジニトラト(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ジパークロラト(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ビスアセタト(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ビスプロピオナト(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ビスベンゾアト(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ビス(メタンスルホナト)(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ビス(エタンスルホナト)(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル、ビス(ベンゼンスルホナト)(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル及びビスチオシナト(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル等を挙げることができ、最も好ましくはジクロロ(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル及びジブロモ(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケルを挙げることができる。
【0026】
式(3)で示される有機リン化合物の具体例としては、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン及び1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンを挙げることができ、好ましくは、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンを挙げることができる。
【0027】
本発明で使用される触媒が、式(2)で示されるニッケル錯塩と式(3)で示される有機リン化合物の併用の場合には、ニッケル錯塩のホスフィン配位子と有機リン化合物が同一でも異なっていてもよいが、同一である方が好ましい。特に、式(2)で示されるニッケル錯塩がジクロロ(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル又はジブロモ(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケルであり、式(3)で示される有機リン化合物が1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンの組み合わせの場合には、ポリフェニレン系重合体が最も高分子量且つ高収率で得られるので好ましい。
【0028】
本発明で使用される式(1)又は式(2)で示されるニッケル錯塩の使用量は、グリニヤール試薬に対し、0.5〜2.0モル%であり、好ましくは、0.8〜1.5モル%である。ニッケル錯塩の使用量が0.5モル%より少ない場合には、高分子量の重合体が得られない。ニッケル錯塩の使用量が2.0モル%より多い場合には、収率が低下し、又、高価なニッケル錯塩を過剰に使用することになり、経済的ではない。
【0029】
本発明で使用される式(3)で示される有機リン化合物の使用量は、式(2)で示されるニッケル錯塩に対して、0.5〜2.0倍モルであり、好ましくは、1.0〜1.5倍モルである。有機リン化合物の使用量が、ニッケル錯塩に対して0.5倍モルより少ない場合には、添加による効果が得られず、又、2.0倍モルより多い場合には、増量による予期した効果が得られない。
【0030】
グリニヤール試薬調製後、続けて、本発明で使用される触媒をグリニヤール試薬に添加して重合反応を行うことができる。重合の反応温度は、本発明のグリニヤール試薬調製に使用される反応溶媒によって異なり、0℃から反応溶媒の沸点までであり、通常は0〜110℃、好ましくは60〜110℃である。反応時間は、反応温度によって異なるが、通常3〜10時間であり、更に反応を続けても、重合体の分子量及び収率に影響はしない。
【0031】
重合反応後、例えば、反応混合物を塩酸とメタノールの混合液中に投入し、固体を濾別することにより、ポリフェニレン系重合体を得ることが出来る。
【0032】
本発明で製造されるポリフェニレン系重合体は、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド及びクロロホルム等の溶解用有機溶媒に溶解することができる。
【0033】
本発明の実施に当っては、次のような実施態様を挙げることができる。
【0034】
(1)(a)成分 m−ジブロモベンゼン、m−ブロモクロロベンゼン又はm−ジクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
及び
(b)成分 p−ジブロモベンゼン、p−ブロモクロロベンゼン又はp−ジクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
から成るジハロゲノベンゼン混合物並びにマグネシウムから調製されるグリニヤール試薬を、触媒として、式(1)
Ni(X-2〔R1 2P−R2−PR1 2〕 (1)
〔式(1)中、X-は1価の陰イオン、R1はフェニル基、R2はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
で示されるニッケル錯塩の存在下、重合させることを特徴とするポリフェニレン系重合体の製造法。
【0035】
(2)(a)成分 m−ジブロモベンゼン又はm−ブロモクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物、
及び
(b)成分 p−ジブロモベンゼン又はp−ブロモクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
から成るジハロゲノベンゼン混合物並びにマグネシウムから調製されるグリニヤール試薬を、触媒として、式(1)
NiX2〔R1 2P−R2−PR1 2〕 (1)
〔式(1)中、X-は1価の陰イオン、R1はフェニル基、R2はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
で示されるニッケル錯塩の存在下、重合させることを特徴とするポリフェニレン系重合体の製造法。
【0036】
(3)(a)成分 m−ジブロモベンゼン、m−ブロモクロロベンゼン又はm−ジクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
及び
(b)成分 p−ジブロモベンゼン、p−ブロモクロロベンゼン又はp−ジクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
から成るジハロゲノベンゼン混合物並びにマグネシウムから調製されるグリニヤール試薬を、触媒として、式(1)
Ni(X-2〔R1 2P−R2−PR1 2〕 (1)
〔式(1)中、X-はハロゲン化物イオン、オキソ酸陰イオン、式(5)
7COO- (5)
〔式(5)中、R7はCH3、C25又はフェニル基を示す。〕
で示されるアルキル及びアリールのカルボキシラトイオン、式(6)
8SO3 - (6)
〔式(6)中、R8はCH3、C25又はフェニル基を示す。〕
で示されるアルキル及びアリールのスルホナトイオン並びにチオシアナト(SCN-)、R1はフェニル基、R2はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
で示されるニッケル錯塩の存在下、重合させることを特徴とするポリフェニレン系重合体の製造法。
【0037】
(4)(a)成分 m−ジブロモベンゼン、m−ブロモクロロベンゼン又はm−ジクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
及び
(b)成分 p−ジブロモベンゼン、p−ブロモクロロベンゼン又はp−ジクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
から成るジハロゲノベンゼン混合物並びにマグネシウムから調製されるグリニヤール試薬を、触媒として、式(1)
Ni(X-2〔R1 2P−R2−PR1 2〕 (1)
〔式(1)中、X-はBr-、Cl-、I-、ニトラト(NO3 -)、パークロラト(ClO4 -)、アセタト(CH3COO-)、プロピオナト(C25COO-)、ベンゾアト、メタンスルホナト(CH3SO3 -)、エタンスルホナト(C25SO3 -)、ベンゼンスルホナト又はチオシアナト(SCN-)、R1はフェニル基、R2はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
で示されるニッケル錯塩の存在下、重合させることを特徴とするポリフェニレン系重合体の製造法。
【0038】
(5)(a)成分 m−ジブロモベンゼン、m−ブロモクロロベンゼン又はm−ジクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
及び
(b)成分 p−ジブロモベンゼン、p−ブロモクロロベンゼン又はp−ジクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
から成るジハロゲノベンゼン混合物並びにマグネシウムから調製されるグリニヤール試薬を、触媒として、式(1)
Ni(X-2〔R1 2P−R2−PR1 2〕 (1)
〔式(1)中、X-はBr-又はCl-、R1はフェニル基、R2はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
で示されるニッケル錯塩の存在下、重合させることを特徴とするポリフェニレン系重合体の製造法。
【0039】
(6)(a)成分 m−ジブロモベンゼン又はm−ブロモクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
及び
(b)成分 p−ジブロモベンゼン又はp−ブロモクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
から成るジハロゲノベンゼン混合物並びにマグネシウムから調製されるグリニヤール試薬を、触媒として、式(1)
Ni(X-2〔R1 2P−R2−PR1 2〕 (1)
〔式(1)中、X-はBr-又はCl-、R1はフェニル基、R2はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
で示されるニッケル錯塩の存在下、重合させることを特徴とするポリフェニレン系重合体の製造法。
【0040】
(7)(a)成分 m−ジブロモベンゼン又はm−ブロモクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
及び
(b)成分 p−ジブロモベンゼン又はp−ブロモクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
がモル比で70対30〜の90対10の組成から成るジハロゲノベンゼン混合物並びにマグネシウムから調製されるグリニヤール試薬を、触媒として、式(1)
Ni(X-2〔R1 2P−R2−PR1 2〕 (1)
〔式(1)中、X-はBr-又はCl-、R1はフェニル基、R2はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
で示されるニッケル錯塩の存在下、重合させることを特徴とするポリフェニレン系重合体の製造法。
【0041】
(8)(a)成分 m−ジブロモベンゼン又はm−ブロモクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
及び
(b)成分 p−ジブロモベンゼン又はp−ブロモクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
がモル比で80対20組成から成るジハロゲノベンゼン混合物並びにマグネシウムから調製されるグリニヤール試薬を、触媒として、式(1)
Ni(X-2〔R1 2P−R2−PR1 2〕 (1)
〔式(1)中、X-はBr-又はCl-、R1はフェニル基、R2はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
で示されるニッケル錯塩の存在下、重合させることを特徴とするポリフェニレン系重合体の製造法。
【0042】
(9)(a)成分 m−ジブロモベンゼン、m−ブロモクロロベンゼン又はm−ジクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
及び
(b)成分 p−ジブロモベンゼン、p−ブロモクロロベンゼン又はp−ジクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
から成るジハロゲノベンゼン混合物並びにマグネシウムから調製されるグリニヤール試薬を、触媒として、式(2)
Ni(Y-2〔R3 2P−R4−PR3 2〕 (2)
〔式(2)中、Y-は1価の陰イオン、R3はフェニル基、R4は炭素数2〜5のアルキレン基又はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
で示されるニッケル錯塩及び式(3)
5 2P−R6−PR5 2 (3)
〔式(3)中、R5はフェニル基、R6は炭素数2〜5のアルキレン基又はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
〔式(2)中のR4と式(3)中のR6は互いに同一でも異なっていてもよい。〕で示される有機リン化合物の存在下、重合させることを特徴とするポリフェニレン系重合体の製造法。
【0043】
(10)(a)成分 m−ジブロモベンゼン、m−ブロモクロロベンゼン又はm−ジクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
及び
(b)成分 p−ジブロモベンゼン、p−ブロモクロロベンゼン又はp−ジクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
から成るジハロゲノベンゼン混合物並びにマグネシウムから調製されるグリニヤール試薬を、触媒として、式(2)
Ni(Y-2〔R3 2P−R4−PR3 2〕 (2)
〔式(2)中、Y-は1価の陰イオン、R3はフェニル基、R4はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
で示されるニッケル錯塩及び式(3)
5 2P−R6−PR5 2 (3)
〔式(3)中、R5はフェニル基、R6は炭素数2〜5のアルキレン基又はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
〔式(2)中のR4と式(3)中のR6は互いに同一でも異なっていてもよい。〕で示される有機リン化合物の存在下、重合させることを特徴とするポリフェニレン系重合体の製造法。
【0044】
(11)(a)成分 m−ジブロモベンゼン、m−ブロモクロロベンゼン又はm−ジクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
及び
(b)成分 p−ジブロモベンゼン、p−ブロモクロロベンゼン又はp−ジクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
から成るジハロゲノベンゼン混合物並びにマグネシウムから調製されるグリニヤール試薬を、触媒として、式(2)
Ni(Y-2〔R3 2P−R4−PR3 2〕 (2)
〔式(2)中、Y-は1価の陰イオン、R3はフェニル基、R4はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
で示されるニッケル錯塩及び式(3)
5 2P−R6−PR5 2 (3)
〔式(3)中、R5はフェニル基、R6はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
で示される有機リン化合物の存在下、重合させることを特徴とするポリフェニレン系重合体の製造法。
【0045】
(12)(a)成分 m−ジブロモベンゼン又はm−ブロモクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
及び
(b)成分 p−ジブロモベンゼン又はp−ブロモクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
から成るジハロゲノベンゼン混合物並びにマグネシウムから調製されるグリニヤール試薬を、触媒として、式(2)
Ni(Y-2〔R3 2P−R4−PR3 2〕 (2)
〔式(2)中、Y-は1価の陰イオン、R3はフェニル基、R4はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
で示されるニッケル錯塩及び式(3)
5 2P−R6−PR5 2 (3)
〔式(3)中、R5はフェニル基、R6はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
で示される有機リン化合物の存在下、重合させることを特徴とするポリフェニレン系重合体の製造法。
【0046】
(13)(a)成分 m−ジブロモベンゼン、m−ブロモクロロベンゼン又はm−ジクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
及び
(b)成分 p−ジブロモベンゼン、p−ブロモクロロベンゼン又はp−ジクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
から成るジハロゲノベンゼン混合物並びにマグネシウムから調製されるグリニヤール試薬を、触媒として、式(2)
Ni(Y-2〔R3 2P−R4−PR3 2〕 (2)
〔式(2)中、Y-はハロゲン化物イオン、オキソ酸陰イオン、式(7)
9COO- (7)
〔式(7)中、R9はCH3、C25又はフェニル基を示す。〕
で示されるアルキル及びアリールのカルボキシラトイオン、式(8)
10SO3 - (8)
〔式(8)中、R10はCH3、C25又はフェニル基を示す。〕で示されるアルキル若しくはアリールのスルホナトイオン又はチオシアナト(SCN-)、R3はフェニル基、R4は炭素数2〜5のアルキレン基又はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
で示されるニッケル錯塩及び式(3)
5 2P−R6−PR5 2 (3)
〔式(3)中、R5はフェニル基、R6は炭素数2〜5のアルキレン基又はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
〔式(2)中のR4と式(3)中のR6は互いに同一でも異なっていてもよい。〕で示される有機リン化合物の存在下、重合させることを特徴とするポリフェニレン系重合体の製造法。
【0047】
(14)(a)成分 m−ジブロモベンゼン、m−ブロモクロロベンゼン又はm−ジクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
及び
(b)成分 p−ジブロモベンゼン、p−ブロモクロロベンゼン又はp−ジクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
から成るジハロゲノベンゼン混合物並びにマグネシウムから調製されるグリニヤール試薬を、触媒として、式(2)
Ni(Y-2〔R3 2P−R4−PR3 2〕 (2)
〔式(2)中、Y-はBr-、Cl-、I-、ニトラト(NO3 -)、パークロラト(ClO4 -)、アセタト(CH3COO-)、プロピオナト(C25COO-)、ベンゾアト、メタンスルホナト(CH3SO3 -)、エタンスルホナト(C25SO3 -)、ベンゼンスルホナト又はチオシアナト(SCN-)、R3はフェニル基、R4は炭素数2〜5のアルキレン基又はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕で示されるニッケル錯塩及び式(3)
5 2P−R6−PR5 2 (3)
〔式(3)中、R5はフェニル基、R6は炭素数2〜5のアルキレン基又はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
〔式(2)中のR4と式(3)中のR6は互いに同一でも異なっていてもよい。〕で示される有機リン化合物の存在下、重合させることを特徴とするポリフェニレン系重合体の製造法。
【0048】
(15)(a)成分 m−ジブロモベンゼン、m−ブロモクロロベンゼン又はm−ジクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
及び
(b)成分 p−ジブロモベンゼン、p−ブロモクロロベンゼン又はp−ジクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
から成るジハロゲノベンゼン混合物並びにマグネシウムから調製されるグリニヤール試薬を、触媒として、式(2)
Ni(Y-2〔R3 2P−R4−PR3 2〕 (2)
〔式(2)中、Y-はBr-又はCl-、R3はフェニル基、R4はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
で示されるニッケル錯塩及び式(3)
5 2P−R6−PR5 2 (3)
〔式(3)中、R5はフェニル基、R6はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
で示される有機リン化合物の存在下、重合させることを特徴とするポリフェニレン系重合体の製造法。
【0049】
(16)(a)成分 m−ジブロモベンゼン又はm−ブロモクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
及び
(b)成分 p−ジブロモベンゼン又はp−ブロモクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
から成るジハロゲノベンゼン混合物並びにマグネシウムから調製されるグリニヤール試薬を、触媒として、式(2)
Ni(Y-2〔R3 2P−R4−PR3 2〕 (2)
〔式(2)中、Y-はBr-又はCl-、R3はフェニル基、R4はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
で示されるニッケル錯塩及び式(3)
5 2P−R6−PR5 2 (3)
〔式(3)中、R5はフェニル基、R6はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
で示される有機リン化合物の存在下、重合させることを特徴とするポリフェニレン系重合体の製造法。
【0050】
(17)(a)成分 m−ジブロモベンゼン又はm−ブロモクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
及び
(b)成分 p−ジブロモベンゼン又はp−ブロモクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
がモル比で70対30〜90対10の組成から成るジハロゲノベンゼン混合物並びにマグネシウムから調製されるグリニヤール試薬を、触媒として、式(2)
Ni(Y-2〔R3 2P−R4−PR3 2〕 (2)
〔式(2)中、Y-はBr-又はCl-、R3はフェニル基、R4はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
で示されるニッケル錯塩及び式(3)
5 2P−R6−PR5 2 (3)
〔式(3)中、R5はフェニル基、R6はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
で示される有機リン化合物の存在下、重合させることを特徴とするポリフェニレン系重合体の製造法。
【0051】
(18)(a)成分 m−ジブロモベンゼン又はm−ブロモクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
及び
(b)成分 p−ジブロモベンゼン又はp−ブロモクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
がモル比で80対20の組成から成るジハロゲノベンゼン混合物並びにマグネシウムから調製されるグリニヤール試薬を、触媒として、式(2)
Ni(Y-2〔R3 2P−R4−PR3 2〕 (2)
〔式(2)中、Y-はBr-又はCl-、R3はフェニル基、R4はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
で示されるニッケル錯塩及び式(3)
5 2P−R6−PR5 2 (3)
〔式(3)中、R5はフェニル基、R6はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
で示される有機リン化合物の存在下、重合させることを特徴とするポリフェニレン系重合体の製造法。
【0052】
(19)m−ジブロモベンゼン及びp−ジブロモベンゼンがモル比で80対20の組成から成るジハロゲノベンゼン混合物並びにマグネシウムから調製されるグリニヤール試薬を、触媒として、式(2)
Ni(Y)2〔R3 2P−R4−PR3 2〕 (2)
〔式(2)中、Y-はBr-又はCl-、R3はフェニル基、R4はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
で示されるニッケル錯塩及び式(3)
5 2P−R6−PR5 2 (3)
〔式(3)中、R5はフェニル基、R6はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
で示される有機リン化合物の存在下、重合させることを特徴とするポリフェニレン系重合体の製造法。
【0053】
(20)m−ブロモクロロベンゼン及びp−ブロモクロロベンゼンがモル比で80対20の組成から成るジハロゲノベンゼン混合物並びにマグネシウムから調製されるグリニヤール試薬を、触媒として、式(2)
Ni(Y-2〔R3 2P−R4−PR3 2〕 (2)
〔式(2)中、Y-はBr-又はCl-、R3はフェニル基、R4はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
で示されるニッケル錯塩及び式(3)
5 2P−R6−PR5 2 (3)
〔式(3)中、R5はフェニル基、R6はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
で示される有機リン化合物の存在下、重合させることを特徴とするポリフェニレン系重合体の製造法。
【0054】
本発明の好ましい実施の形態としては、前記の実施態様(3)〜(20)が挙げられ、更に好ましい実施の形態としては、前記の実施態様(9)〜(20)が挙げられ、特に好ましい実施の形態としては、前記の実施態様(16)〜(20)が挙げられ、最も好ましい実施の形態としては、前記の実施態様(19)及び(20)が挙げられる。
【0055】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
【0056】
実施例中、モル比とはジハロゲノベンゼン混合物中の(a)成分と(b)成分のモル比を、又、dppfは1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンを示す。尚、実施例及び比較例の収率とは、反応に使用したジハロゲノベンゼン混合物が全て重合した場合を収率100%として計算した。
【0057】
[本発明で用いられるニッケル錯塩]
A−1 :ジクロロ(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル[NiCl2(dppf)]
A−2 :ジブロモ(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル[NiBr2(dppf)]
A−3 :ジクロロ(1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)ニッケル
A−4 :ジクロロ(1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン)ニッケル
A−5 :ビスチオシナト(1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)ニッケル
A−6 :ビスチオシアナト(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル[Ni(SCN)2(dppf)]
A−7 :ビスアセタト(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル[Ni(CH3COO)2(dppf)]
A−8 :ビスアセタト(1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン)ニッケル
A−9 :ジニトラト(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル[Ni(NO32(dppf)]
A−10:ジニトラト(1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)ニッケル
[本発明で用いられる有機リン化合物]
B−1 :1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン[dppf]
B−2 :1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン
B−3 :1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン
B−4 :1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン
[本発明以外の触媒]
C−1 :ジクロロ(2,2’−ビピリジン)ニッケル
C−2 :ジブロムビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル
[実施例1]〜[実施例4]
100mlの4ツ口フラスコに、マグネシウム1.22g(50mmol)を入れ、窒素雰囲気下、表1に記載の(a)成分及び(b)成分から成るジハロゲノベンゼン混合物3mmol、1,2−ジブロモエタン0.09g(0.5mmol)及びテトラヒドロフラン4ml(49mmol)を加え加熱下攪拌し、マグネシウムを活性化した。反応が開始したことを確認した後、表1に記載の(a)成分及び(b)成分から成るジハロゲノベンゼン混合物47mmol、シクロペンチルメチルエーテル33ml(254mmol)及びトルエン33mlから成る溶液を30℃で30分間かけ添加し、50℃でマグネシウムが消失するまで攪拌を続けた。マグネシウムが消失した後、5℃まで冷却し、ジクロロ(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル[NiCl2(dppf)]0.342g(0.5mmol)を添加した。徐々に温度を上昇させ、20〜25℃で1時間、次いで100〜105℃で6時間攪拌し、室温まで冷却した。反応液は、メタノール600ml及び濃塩酸10mlの混合液に添加し、固体を濾過・乾燥し、ポリフェニレン系重合体を表1に記載した収量及び収率で得た。
【0058】
【表1】
Figure 2004204043
[実施例5]
100mlの4ツ口フラスコに、マグネシウム1.22g(50mmol)を入れ、窒素雰囲気下、m−ジクロロベンゼン及びp−ジクロロベンゼンがモル比で90対10の組成から成るジハロゲノベンゼン混合物0.44g(3mmol)、1,2−ジブロモエタン0.09g(0.5mmol)及びテトラヒドロフラン4ml(49mmol)を加え加熱下攪拌し、マグネシウムを活性化した。反応が開始したことを確認した後、m−ジクロロベンゼン及びp−ジクロロベンゼンがモル比で90対10の組成から成るジハロゲノベンゼン混合物6.91g(47mmol)、シクロペンチルメチルエーテル33ml(254mmol)及びトルエン33mlから成る溶液を50℃で30分間かけ添加し、70℃でマグネシウムが消失するまで攪拌を続けた。マグネシウムが消失した後、5℃まで冷却し、NiCl2(dppf)0.342g(0.5mmol)を添加した。徐々に温度を上昇させ、20〜25℃で1時間、次いで100〜105℃で6時間攪拌し、室温まで冷却した。反応液は、メタノール600ml及び濃塩酸10mlの混合液に添加し、固体を濾過・乾燥し、ポリフェニレン系重合体を収量3.09g(収率81%)で得た。
[実施例6]
100mlの4ツ口フラスコに、マグネシウム0.85g(35mmol)を入れ、窒素雰囲気下、m−ジクロロベンゼン0.31g(2.1mmol)、1,2−ジブロモエタン0.08g(0.4mmol)及びテトラヒドロフラン3.2ml(39mmol)を加え加熱下攪拌し、マグネシウムを活性化した。反応が開始したことを確認した後、m−ジクロロベンゼン4.84g(32.9mmol)、シクロペンチルメチルエーテル24ml(185mmol)及びトルエン24mlから成る溶液を50℃で30分間かけて添加し、70℃でマグネシウムが消失するまで攪拌を続けた。マグネシウムが消失した後、5℃まで冷却した。別に、50mlの4ツ口フラスコに、マグネシウム0.37g(15mmol)を入れ、窒素雰囲気下、p−ブロモクロロベンゼン0.17g(0.9mmol)、1,2−ジブロモエタン0.02g(0.1mmol)及びテトラヒドロフラン0.8ml(10mmol)を加え加熱下攪拌し、マグネシウムを活性化した。反応が開始したことを確認した後、p−ブロモクロロベンゼン2.70g(14.1mmol)、シクロペンチルメチルエーテル9ml(69mmol)及びトルエン9mlから成る溶液を50℃で30分間かけて添加し、70℃でマグネシウムが消失するまで攪拌を続けた。マグネシウムが消失した後、5℃まで冷却し、m−ジクロロベンゼンとマグネシウムから調製したグリニヤール試薬と混合した(モル比 70対30)。次いで、NiCl2(dppf)0.342g(0.5mmol)を添加し、徐々に温度を上昇させ、20〜25℃で1時間、次いで100〜105℃で6時間攪拌し、室温まで冷却した。反応液は、メタノール600ml及び濃塩酸10mlの混合液に添加し、固体を濾過・乾燥し、ポリフェニレン系重合体を収量3.16g(収率83%)で得た。
[実施例7]〜[実施例9]
100mlの4ツ口フラスコに、マグネシウム0.97g(40mmol)を入れ、窒素雰囲気下、表2に記載の(a)成分2.4mmol、1,2−ジブロモエタン0.08g(0.4mmol)及びテトラヒドロフラン3.2ml(39mmol)を加え加熱下攪拌し、マグネシウムを活性化した。反応が開始したことを確認した後、表2に記載の(a)成分37.6mmol、シクロペンチルメチルエーテル24ml(185mmol)及びトルエン24mlから成る溶液を50℃で30分間かけて添加し、70℃でマグネシウムが消失するまで攪拌を続けた。マグネシウムが消失した後、5℃まで冷却した。別に、50mlの4ツ口フラスコに、マグネシウム0.25g(10mmol)を入れ、窒素雰囲気下、表2に記載の(b)成分0.6mmol、1,2−ジブロモエタン0.02g(0.1mmol)及びテトラヒドロフラン0.8ml(10mmol)を加え加熱下攪拌し、マグネシウムを活性化した。反応が開始したことを確認した後、表2に記載の(b)成分9.4mmol、シクロペンチルメチルエーテル9ml(69mmol)及びトルエン9mlから成る溶液を50℃で30分間かけて添加し、70℃でマグネシウムが消失するまで攪拌を続けた。マグネシウムが消失した後、5℃まで冷却し、(a)成分とマグネシウムから調製したグリニヤール試薬と混合した。次いで、NiCl2(dppf)0.342g(0.5mmol)を添加し、徐々に温度を上昇させ、20〜25℃で1時間、次いで100〜105℃で6時間攪拌し、室温まで冷却した。反応液は、メタノール600ml及び濃塩酸10mlの混合液に添加し、固体を濾過・乾燥し、ポリフェニレン系重合体を表2に記載した収量及び収率で得た。
【0059】
【表2】
Figure 2004204043
[実施例10]
触媒にビスチオシアナト(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ニッケル[Ni(SCN)2(dppf)]0.365g(0.5mmol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、ポリフェニレン系重合体を収量3.20g(収率84%)で得た。
[実施例11]
100mlの4ツ口フラスコに、マグネシウム1.22g(50mmol)を入れ、窒素雰囲気下、m−ジブロモベンゼン及びp−ジブロモベンゼンがモル比で80対20の組成から成るジハロゲノベンゼン混合物0.71g(3mmol)及びテトラヒドロフラン4ml(49mmol)を添加し室温下攪拌し、マグネシウムを活性化した。反応が開始したことを確認した後、m−ジブロモベンゼン 及びp−ジブロモベンゼンがモル比で80対20の組成から成るジハロゲノベンゼン混合物11.09g(47mmol)、シクロペンチルメチルエーテル33ml(254mmol)及びトルエン33mlから成る溶液を一度に添加し、30℃で1時間、その後55℃でマグネシウムが消失するまで攪拌を続けた。マグネシウムが消失した後、5℃まで冷却し、NiCl2(dppf)0.342g(0.5mmol)及びdppf0.277g(0.5mmol)を添加した。徐々に温度を上昇させ、20〜25℃で1時間、次いで100〜105℃で6時間攪拌し、室温まで冷却した。反応液は、メタノール600ml及び濃塩酸10mlの混合液に添加し、固体を濾過・乾燥し、ポリフェニレン系重合体を収量3.65g(収率96%)で得た。
[実施例12]
100mlの4ツ口フラスコに、マグネシウム1.27g(52.3mmol)を入れ、窒素雰囲気下、m−ジブロモベンゼン及びp−ジブロモベンゼンがモル比で70対30の組成から成るジハロゲノベンゼン混合物0.71g(3mmol)及びテトラヒドロフラン4ml(49mmol)を添加し室温下攪拌し、マグネシウムを活性化した。反応が開始したことを確認した後、m−ジブロモベンゼン及びp−ジブロモベンゼンがモル比で70対30の組成から成るジハロゲノベンゼン混合物11.09g(47mmol)、シクロペンチルメチルエーテル33ml(254mmol)及びトルエン33mlから成る溶液を一度に添加し、以後、実施例11と同様の操作を行い、ポリフェニレン系重合体を収量3.62g(収率95%)で得た。
[実施例13]
100mlの4ツ口フラスコに、マグネシウム1.15g(47.3mmol)を入れ、窒素雰囲気下、m−ジブロモベンゼン及びp−ジブロモベンゼンがモル比で90対10の組成から成るジハロゲノベンゼン混合物0.71g(3mmol)及びテトラヒドロフラン4ml(49mmol)を添加し室温下攪拌し、マグネシウムを活性化した。反応が開始したことを確認した後、m−ジブロモベンゼン及びp−ジブロモベンゼンがモル比で90対10の組成から成るジハロゲノベンゼン混合物11.09g(47mmol)、シクロペンチルメチルエーテル33ml(254mmol)及びトルエン33mlから成る溶液を一度に添加し、以後、実施例11と同様の操作を行い、ポリフェニレン系重合体を収量3.53g(収率93%)で得た。
[実施例14]
100mlの4ツ口フラスコに、マグネシウム1.22g(50mmol)を入れ、窒素雰囲気下、m−ブロモクロロベンゼン及びp−ブロモクロロベンゼンがモル比で80対20の組成から成るジハロゲノベンゼン混合物0.57g(3mmol)及びテトラヒドロフラン4ml(49mmol)を添加し室温下攪拌し、マグネシウムを活性化した。反応が開始したことを確認した後、m−ブロモクロロベンゼン及びp−ブロモクロロベンゼンがモル比で80対20の組成から成るジハロゲノベンゼン混合物9.00g(47mmol)、シクロペンチルメチルエーテル33ml(254mmol)及びトルエン33mlから成る溶液を一度に添加し、以後、実施例11と同様の操作を行い、ポリフェニレン系重合体を収量3.60g(収率95%)で得た。
[実施例15]
100mlの4ツ口フラスコに、マグネシウム1.22g(50mmol)を入れ、窒素雰囲気下、m−ジクロロベンゼン及びp−ジクロロベンゼンがモル比で80対20の組成から成るジハロゲノベンゼン混合物0.44g(3mmol)、1,2−ジブロモエタン0.09g(0.5mmol)及びテトラヒドロフラン4ml(49mmol)を加え、加熱下攪拌し、マグネシウムを活性化した。反応が開始したことを確認した後、m−ジクロロベンゼン及びp−ジクロロベンゼンがモル比で80対20の組成から成るジハロゲノベンゼン混合物6.91g(47mmol)、シクロペンチルメチルエーテル33ml(254mmol)及びトルエン33mlから成る溶液を50℃で30分間かけて添加し、70℃でマグネシウムが消失するまで攪拌を続けた。マグネシウムが消失した後、5℃まで冷却し、NiCl2(dppf)0.342g(0.5mmol)、dppf0.277g(0.5mmol)及びトルエン5mlの懸濁液を添加した。徐々に温度を上昇させ、20〜25℃で1時間、次いで90〜100℃で6時間攪拌し、室温まで冷却した。反応液は、メタノール600ml及び濃塩酸10mlの混合液に添加し、固体を濾過・乾燥し、ポリフェニレン系重合体を収量3.54g(収率93%)で得た。
[実施例16]
100mlの4ツ口フラスコに、マグネシウム0.97g(40mmol)を入れ、窒素雰囲気下、m−ジブロモベンゼン0.57g(2.4mmol)及びテトラヒドロフラン3.2ml(39mmol)を加え室温下攪拌し、マグネシウムを活性化した。反応が開始したことを確認した後、m−ジブロモベンゼン 8.87g(37.6mmol)、シクロペンチルメチルエーテル24ml(185mmol)及びトルエン24mlから成る溶液を一度に添加し、30℃で1時間、その後50℃でマグネシウムが消失するまで攪拌を続けた。マグネシウムが消失した後、5℃まで冷却した。別に、50mlの4ツ口フラスコに、マグネシウム0.25g(10mmol)を入れ、窒素雰囲気下、p−ジクロロベンゼン 0.09g(0.6mmol)、1,2−ジブロモエタン0.02g(0.1mmol)及びテトラヒドロフラン0.8ml(10mmol)を加え加熱下攪拌し、マグネシウムを活性化した。反応が開始したことを確認した後、p−ジクロロベンゼン1.38g(9.4mmol)、シクロペンチルメチルエーテル9ml(69mmol)及びトルエン9mlから成る溶液を50℃で30分間かけて添加し、70℃でマグネシウムが消失するまで攪拌を続けた。マグネシウムが消失した後、5℃まで冷却し、m−ジブロモベンゼンとマグネシウムから調製したグリニヤール試薬と混合した(モル比 80対20)。次にNiCl2(dppf)0.342g(0.5mmol)及びdppf0.277g(0.5mmol)を添加し、徐々に温度を上昇させ、20〜25℃で1時間、次いで70〜80℃で6時間攪拌し、室温まで冷却した。反応液は、メタノール600ml及び濃塩酸10mlの混合液に添加し、固体を濾過・乾燥し、ポリフェニレン系重合体を収量3.63g(収率95%)で得た。
[実施例17]
200mlの4ツ口フラスコに、マグネシウム0.97g(40mmol)を入れ、窒素雰囲気下、m−ジクロロベンゼン0.35g(2.4mmol)、1,2−ジブロモエタン0.08g(0.4mmol)及びテトラヒドロフラン3.2ml(39mmol)を加え加熱下攪拌し、マグネシウムを活性化した。反応が開始したことを確認した後、m−ジクロロベンゼン5.53g(37.6mmol)、テトラヒドロフラン21ml(258mmol)及びトルエン85mlから成る溶液を50℃で30分間かけて添加し、70℃でマグネシウムが消失するまで攪拌を続けた。マグネシウムが消失した後、5℃まで冷却した。別に、50mlの4ツ口フラスコに、マグネシウム0.25g(10mmol)を入れ、窒素雰囲気下、p−ジブロモベンゼン0.14g(0.6mmol)及びテトラヒドロフラン0.8ml(10mmmol)を加え室温下攪拌し、マグネシウムを活性化した。反応が開始したことを確認した後、p−ジブロモベンゼン2.22g(9.4mmol)、テトラヒドロフラン5ml(61mmol)及びトルエン21mlから成る溶液を一度に添加し、30℃で1時間、その後50℃でマグネシウムが消失するまで攪拌を続けた。マグネシウムが消失した後、5℃まで冷却し、m−ジクロロベンゼンとマグネシウムから調製したグリニヤール試薬と混合した(モル比 80対20)。このグリニヤール試薬にNiCl2(dppf)0.342g(0.5mmol)及びdppf0.277g(0.5mmol)を添加し、徐々に温度を上昇させ、30℃で30分間、次いで100〜105℃で4時間攪拌し、室温まで冷却した。反応液は、メタノール600ml及び濃塩酸10mlの混合液に添加し、固体を濾過・乾燥し、ポリフェニレン系重合体を収量3.64g(収率96%)で得た。
[実施例18]
200mlの4ツ口フラスコに、マグネシウム1.22g(50mmol)を入れ、窒素雰囲気下、m−ジブロモベンゼン及びp−ブロモクロロベンゼンがモル比で80対20の組成から成るジハロゲノベンゼン混合物0.68g(3mmol)及びテトラヒドロフラン4ml(49mmol)を加え室温下攪拌し、マグネシウムを活性化した。反応が開始したことを確認した後、m−ジブロモベンゼン及びp−ブロモクロロベンゼンがモル比で80対20の組成から成るジハロゲノベンゼン混合物10.67g(47mmol)及びシクロペンチルメチルエーテル120ml(925mmol)から成る溶液を30℃で30分間かけて添加し、30℃で1時間、その後55℃でマグネシウムが消失するまで攪拌を続けた。マグネシウムが消失した後、5℃まで冷却し、NiCl2(dppf)0.342g(0.5mmol)及びdppf0.277g(0.5mmol)を添加した。徐々に反応温度を上昇させ、30℃で1時間、次いで107℃で6時間攪拌し、室温まで冷却した。反応液は、メタノール600ml及び濃塩酸10mlの混合液に添加し、固体を濾過・乾燥し、ポリフェニレン系重合体を収量3.61g(収率95%)を得た。
[実施例19]
50mlの4ツ口フラスコに、マグネシウム1.22g(50mmol)を入れ、窒素雰囲気下、m−ブロモクロロベンゼン及びp−ジブロモベンゼンがモル比で80対20の組成から成るジハロゲノベンゼン混合物0.60g(3mmol)、テトラヒドロフラン17ml(209mmol)及びトルエン18mlを加え室温下攪拌し、マグネシウムを活性化した。反応が開始したことを確認した後、m−ブロモクロロベンゼン及びp−ジブロモベンゼンがモル比で80対20の組成から成るジハロゲノベンゼン混合物9.42g(47mmol)を一度に添加し、30℃で1時間、その後55℃でマグネシウムが消失するまで攪拌を続けた。マグネシウムが消失した後、5℃まで冷却し、NiCl2(dppf)0.342g(0.5mmol)及びdppf0.277g(0.5mmol)を添加した。徐々に温度を上昇させ、30℃で1時間、次いで67℃で6時間攪拌し、室温まで冷却した。反応液は、メタノール600ml及び濃塩酸10mlの混合液に添加し、固体を濾過・乾燥し、ポリフェニレン系重合体を収量3.59g(収率94%)を得た。
[実施例20]
200mlの4ツ口フラスコに、マグネシウム0.97g(40mmol)を入れ、窒素雰囲気下、m−ブロモクロロベンゼン0.46g(2.4mmol)及びテトラヒドロフラン3.2ml(39mmol)を加え室温下攪拌し、マグネシウムを活性化した。反応が開始したことを確認した後、m−ブロモクロロベンゼン7.20g(37.6mmol)、テトラヒドロフラン10ml(123mmol)及びシクロペンチルメチルエーテル72ml(555mmol)から成る溶液を30℃で30分間かけて添加し、30℃で1時間、その後50℃でマグネシウムが消失するまで攪拌を続けた。マグネシウムが消失した後、5℃まで冷却した。別に、50mlの4ツ口フラスコに、マグネシウム0.25g(10mmol)を入れ、窒素雰囲気下、p−ジクロロベンゼン0.09g(0.6mmol)、1,2−ジブロモエタン0.02g(0.1mmol)及びテトラヒドロフラン0.8ml(10mmol)を加え加熱下攪拌し、マグネシウムを活性化した。反応が開始したことを確認した後、p−ジクロロベンゼン1.38g(9.4mmol)、テトラヒドロフラン3ml(37mmol)及びシクロペンチルメチルエーテル18ml(139mmol)から成る溶液を50℃で30分間かけて添加し、70℃でマグネシウムが消失するまで攪拌を続けた。マグネシウムが消失した後、5℃まで冷却し、m−ブロモクロロベンゼンとマグネシウムから調製したグリニヤール試薬と混合した。次にNiCl2(dppf)0.342g(0.5mmol)及びdppf0.277g(0.5mmol)を添加し、徐々に温度を上昇させ、30℃で30分間、次いで90〜95℃で9時間攪拌し、室温まで冷却した。反応液は、メタノール600ml及び濃塩酸10mlの混合液に添加し、固体を濾過・乾燥し、ポリフェニレン系重合体を収量3.56g(収率94%)で得た。
[実施例21]
200mlの4ツ口フラスコに、マグネシウム0.97g(40mmol)を入れ、窒素雰囲気下、m−ジクロロベンゼン0.35g(2.4mmol)、1,2−ジブロモエタン0.08g(0.4mmol)及びテトラヒドロフラン3.2ml(39mmol)を加え加熱下攪拌し、マグネシウムを活性化した。反応が開始したことを確認した後、m−ジクロロベンゼン5.53g(37.6mmol)、シクロペンチルメチルエーテル52ml(401mmol)及びトルエン24mlから成る溶液を50℃で30分間かけて添加し、70℃でマグネシウムが消失するまで攪拌を続けた。マグネシウムが消失した後、5℃まで冷却した。別に、50mlの4ツ口フラスコに、マグネシウム0.25g(10mmol)を入れ、窒素雰囲気下、p−ブロモクロロベンゼン0.11g(0.6mmol)及びテトラヒドロフラン0.8ml(10mmol)を加え室温下攪拌し、マグネシウムを活性化した。反応が開始したことを確認した後、p−ブロモクロロベンゼン1.80g(9.4mmol)、シクロペンチルメチルエーテル13ml(100mmol)及びトルエン6mlから成る溶液を一度に添加し、30℃で1時間、その後50℃でマグネシウムが消失するまで攪拌を続けた。マグネシウムが消失した後、5℃まで冷却し、m−ジクロロベンゼンとマグネシウムから調製したグリニヤール試薬と混合した。このグリニヤール試薬にNiCl2(dppf)0.342g(0.5mmol)及びdppf0.277g(0.5mmol)を添加し、徐々に温度を上昇させ、20〜25℃で1時間、次いで100〜105℃で8時間攪拌し、室温まで冷却した。反応液は、メタノール600ml及び濃塩酸10mlの混合液に添加し、固体を濾過・乾燥し、ポリフェニレン系重合体を収量3.61g(収率95%)で得た。
[実施例22]〜[実施例34]
表3に記載した触媒を用いた以外は、実施例11と同様の操作を行い、ポリフェニレン系重合体を表3に記載の収量及び収率で得た。
【0060】
【表3】
Figure 2004204043
[比較例1]
200mlの4ツ口フラスコに、マグネシウム1.22g(50mmol)を入れ、窒素雰囲気下、m−ジブロモベンゼン及びp−ジブロモベンゼンがモル比で80対20の組成から成るジハロゲノベンゼン混合物0.71g(3mmol)及びテトラヒドロフラン4ml(49mmol)を加え室温下攪拌し、マグネシウムを活性化した。反応が開始したことを確認した後、m−ジブロモベンゼン及びp−ジブロモベンゼンがモル比で80対20の組成から成るジハロゲノベンゼン混合物11.09g(47mmol)、テトラヒドロフラン33ml(405mmol)及びトルエン53mlから成る溶液を一度に添加し、30℃で1時間、その後50℃でマグネシウムが消失するまで攪拌を続けた。マグネシウムが消失した後、5℃まで冷却し、ジクロロ(2,2’−ビピリジン)ニッケル0.143g(0.5mmol)を添加した。徐々に温度を上昇させ、20〜25℃で1時間、次いで100℃で6時間攪拌し、室温まで冷却した。反応液は、メタノール600ml及び濃塩酸10mlの混合液に添加し、固体を濾過・乾燥し、ポリフェニレン系重合体を収量2.77g(収率73%)で得た。
[比較例2]
触媒にジブロムビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル0.372g(0.5mmol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、ポリフェニレン系重合体を収量2.47g(収率65%)で得た。
[比較例3]
200mlの4ツ口フラスコに、マグネシウム1.22g(50mmol)を入れ、窒素雰囲気下、m−ジブロモベンゼン及びp−ジブロモベンゼンがモル比で80対20の組成から成るジハロゲノベンゼン混合物0.71g(3mmol)及びテトラヒドロフラン4ml(49mmol)を加え室温下攪拌し、マグネシウムを活性化した。反応が開始したことを確認した後、m−ジブロモベンゼン及びp−ジブロモベンゼンがモル比で80対20の組成から成るジハロゲノベンゼン混合物11.09g(47mmol)、テトラヒドロフラン33ml(405mmol)及びトルエン53mlから成る溶液を添加し、30℃で1時間、その後50℃でマグネシウムが消失するまで攪拌を続けた。マグネシウムが消失した後、5℃まで冷却しジクロロ(1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)ニッケル0.264g(0.5mmol)を添加した。徐々に温度を上昇させ、20〜25℃で1時間、次いで100℃で6時間攪拌し、室温まで冷却した。反応液は、メタノール600ml及び濃塩酸10mlの混合液に添加し、固体を濾過・乾燥し、ポリフェニレン系重合体を収量2.99g(収率79%)で得た。
[比較例4]
マグネシウム0.98g(40mmol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、ポリフェニレン系重合体を収量2.65g(収率70%)で得た。
[比較例5]
マグネシウム1.46g(60mmol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、ポリフェニレン系重合体を収量2.95g(収率78%)で得た。
[比較例6]
触媒にNiCl2(dppf)0.103g(0.15mmol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、ポリフェニレン系重合体を収量2.99g(収率79%)で得た。
[比較例7]
触媒にNiCl2(dppf)0.855g(1.25mmol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、ポリフェニレン系重合体を収量2.76g(収率73%)で得た。
[比較例8]
200mlの4ツ口フラスコに、マグネシウム1.22g(50mmol)を入れ、窒素雰囲気下、m−ジブロモベンゼン及びp−ジブロモベンゼンがモル比で60対40の組成から成るジハロゲノベンゼン混合物0.71g(3mmol)及びテトラヒドロフラン4ml(49mmol)を添加し、室温で攪拌し、マグネシウムを活性化した。反応が開始したことを確認した後、m−ジブロモベンゼン及びp−ジブロモベンゼンがモル比で60対40の組成から成るジハロゲノベンゼン混合物11.09g(47mmol)、シクロペンチルメチルエーテル33ml(254mmol)及びトルエン33mlを添加し、30℃で1時間、その後60℃でマグネシウムが消失するまで攪拌を続けた。マグネシウムが消失した後、5℃まで冷却し、NiCl2(dppf)0.342g(0.5mmol)及びdppf0.277g(0.5mmol)を添加した。徐々に温度を上昇させ、20〜25℃で1時間、次いで100〜105℃で6時間攪拌し、室温まで冷却した。反応液は、メタノール600ml及び濃塩酸10mlの混合液に添加し、固体を濾過・乾燥し、ポリフェニレン系重合体を収量3.42g(収率90%)で得た。得られたポリフェニレン系重合体にテトラヒドロフラン200mlを加えて溶解し、不溶分を濾過で取り除き、炉液を乾固して、テトラヒドロフランに可溶なポリフェニレン系重合体を収量2.10g(収率55%)で得た。
[比較例9]
200mlの4ツ口フラスコに、マグネシウム1.22g(50mmol)を入れ、窒素雰囲気下、m−ジブロモベンゼン及びp−ジブロモベンゼンがモル比で95対5の組成から成るジハロゲノベンゼン混合物0.71g(3mmol)及びテトラヒドロフラン4ml(49mmol)を添加し、室温で攪拌し、マグネシウムを活性化した。反応が開始したことを確認した後、m−ジブロモベンゼン及びp−ジブロモベンゼンがモル比で95対5の組成から成るジハロゲノベンゼン混合物11.09g(47mmol)、シクロペンチルメチルエーテル33ml(254mmol)及びトルエン33mlから成る溶液を添加し、30℃で1時間、その後60℃でマグネシウムが消失するまで攪拌を続けた。マグネシウムが消失した後、5℃まで冷却し、NiCl2(dppf)0.342g(0.5mmol)及びdppf0.277g(0.5mmol)を添加した。徐々に温度を上昇させ、20〜25℃で1時間、次いで100〜105℃で6時間攪拌し、室温まで冷却した。反応液は、メタノール600ml及び濃塩酸10mlの混合液に添加し、固体を濾過・乾燥し、ポリフェニレン系重合体を収量3.35g(収率88%)で得た。得られたポリフェニレン系重合体にテトラヒドロフラン200mlを加えて溶解し、不溶分を濾過で取り除き、炉液を乾固して、テトラヒドロフランに可溶なポリフェニレン系重合体を収量2.17g(収率57%)で得た。
[ポリフェニレン系重合体の分子量測定]
実施例1〜34及び比較例1〜9で得られたポリフェニレン系重合体の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。使用した機器等は以下の通りである。尚、比較例8及び9で得られたポリフェニレン系重合体には、テトラヒドロフランに不溶な重合体が含まれているため、テトラヒドロフラン可溶分のみ分子量を測定した。
検出機:SPD−2A(株式会社島津製作所)
ポンプ:LC−5A(株式会社島津製作所)
カラム:TSK−GEL G4000HXL(東ソー株式会社)
データー処理装置:D−2500(株式会社日立製作所)
標準試薬:Shodex STANDARD ポリスチレン(昭和電工株式会社)
移動相:テトラヒドロフラン
検出方法:波長260nmの吸収
ポリフェニレン系重合体の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布の結果を表4に示す。
[有機溶媒への溶解性試験]
実施例1〜34及び比較例1〜9で得られたポリフェニレン系重合体10mgを溶解用有機溶媒1mlに溶解し、溶解用有機溶媒への溶解性を試験した。結果を表5に示す。溶解性の結果は、S:溶解、SN:一部溶解、N:不溶で示した。又、表5中、溶解用有機溶媒のうち、THFはテトラヒドロフラン、DMFはジメチルホルムアミド、DMSOはジメチルスルホキシドを示す。尚、比較例8及び9で得られたポリフェニレン系重合体には、THFに不溶な重合体が含まれているため、THF可溶分についても溶解性試験を行なった。
【0061】
【表4】
Figure 2004204043
(表4続き)
Figure 2004204043
【0062】
【表5】
Figure 2004204043
(表5続き)
Figure 2004204043
表4及び表5から明らかの如く、本発明の製造法によれば、有機溶媒への溶解性が改良されたポリフェニレン系重合体が高分子量且つ高収率で得ることができる。又、実施例1〜10と実施例11〜34を比較すれば明らかの如く、触媒としてニッケル錯塩と有機リン化合物を併用することにより、ニッケル錯塩単独の場合と比べて、ポリフェニレン系重合体が更に高分子量且つ高収率で得ることができる。尚、比較例1及び2の如く、本発明以外の触媒を用いた場合、及び、比較例3の如く、dppfを含まないニッケル錯塩を単独で触媒に使用した場合には、ポリフェニレン系重合体を高収率及び高分子量で得ることができない。又、比較例4の如く、グリニヤール試薬調製時のマグネシウムの使用量が本発明の使用量より少ない場合、及び、比較例7の如く、触媒のニッケル錯塩の使用量が本発明の使用量より多い場合には、ポリフェニレン系重合体を高収率で得ることができない。更に、比較例5の如く、グリニヤール試薬調製時のマグネシウムの使用量が本発明の使用量より多い場合、及び、比較例6の如く、触媒のニッケル錯塩の使用量が本発明の使用量より少ない場合には、ポリフェニレン系重合体を高分子量で得ることができない。又、比較例8及び9の如く、本発明の触媒を使用しても、ジハロゲノベンゼン混合物中の(a)成分と(b)成分のモル比が本発明の範囲外の場合には、ポリフェニレン系重合体は高収率で得られるものの、得られたポリフェニレン系重合体中に有機溶媒に不溶の成分が混在し、有機溶媒に可溶な重合体の収率が低下する。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、m−フェニレン基とp−フェニレン基から成る、有機溶媒への溶解性が改善されたポリフェニレン系重合体を高分子量且つ高収率で製造することができる。

Claims (2)

  1. (a)成分 m−ジブロモベンゼン、m−ブロモクロロベンゼン又はm−ジクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
    及び
    (b)成分 p−ジブロモベンゼン、p−ブロモクロロベンゼン又はp−ジクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
    から成るジハロゲノベンゼン混合物並びにマグネシウムから調製されるグリニヤール試薬を、触媒として、式(1)
    Ni(X-2〔R1 2P−R2−PR1 2〕 (1)
    〔式(1)中、X-は1価の陰イオン、R1はフェニル基、R2はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
    で示されるニッケル錯塩の存在下、重合させることを特徴とするポリフェニレン系重合体の製造法。
  2. (a)成分 m−ジブロモベンゼン、m−ブロモクロロベンゼン又はm−ジクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
    及び
    (b)成分 p−ジブロモベンゼン、p−ブロモクロロベンゼン又はp−ジクロロベンゼンから選ばれる1種の化合物
    から成るジハロゲノベンゼン混合物並びにマグネシウムから調製されるグリニヤール試薬を、触媒として、式(2)
    Ni(Y-2〔R3 2P−R4−PR3 2〕 (2)
    〔式(2)中、Y-は1価の陰イオン、R3はフェニル基、R4は炭素数2〜5のアルキレン基又はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
    で示されるニッケル錯塩及び式(3)
    5 2P−R6−PR5 2 (3)
    〔式(3)中、R5はフェニル基、R6は炭素数2〜5のアルキレン基又はフェロセン−1,1’−ジイル基を示す。〕
    〔式(2)中のR4と式(3)中のR6は互いに同一でも異なっていてもよい。〕で示される有機リン化合物の存在下、重合させることを特徴とするポリフェニレン系重合体の製造法。
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