JP2004204022A - 液晶組成物および液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】組成物に必要な一般的特性、適切な光学異方性、正の誘電率異方性、低いしきい値電圧、および高い電圧保持率を有する液晶組成物、並びにこの組成物を含有し、AM素子に必要な一般的特性、小さな消費電力および大きなコントラスト比を有するAM素子を提供する。
【解決手段】式(1−1)および式(1−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物、並びに式(2−1)および式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を含有する液晶組成物。
式(1−1)、(1−2)、(2−1)、および(2−2)において、R1はアルキルであり;A1は1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンであり;X1およびX2は独立して水素またはフッ素であり;Y1はフッ素、−OCF2Hまたは−OCF3であり;そしてZ1およびZ2は独立して単結合または−(CH2)2−である。
【選択図】 なし
【解決手段】式(1−1)および式(1−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物、並びに式(2−1)および式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を含有する液晶組成物。
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【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネマチック相および正の誘電率異方性を有する液晶組成物、およびこの液晶組成物を含有する液晶表示素子に関する。さらに詳しくは、低いしきい値電圧および高い電圧保持率を有する液晶組成物、並びに小さな消費電力および大きなコントラスト比を有する液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子において、液晶の動作モードに基づいた分類は、PC(phase change)、TN(twisted nematic)、STN(super twisted nematic)、ECB(electrically controlled birefringence)、OCB(optically compensatedbend)、IPS(in-plane switching)、VA(vertical alignment)などである。素子の駆動方式に基づいた分類は、PM(passive matrix)とAM(active matrix)である。PM(passive matrix)はスタティック(static)とマルチプレックス(multiplex)などに分類され、AMはTFT(thin film transistor)、MIM(metal insulator metal)などに分類される。TFTの分類は非晶質シリコン(amorphous silicon)および多結晶シリコン(polycrystal silicon)であり、後者は製造工程によって高温型と低温型とに分類される。光源に基づいた分類は、自然光を利用する反射型、バックライトを利用する透過型、自然光とバックライトの両方を利用する半透過型である。
【0003】
これらの素子は適切な特性を有する液晶組成物を含有する。AM素子に使う組成物は、AM素子の一般的特性を向上させるため、下記の表1にまとめられた一般的特性が必要である。この一般的特性を市販されているAM素子に基づいてさらに説明する。ネマチック相の温度範囲は、素子の使用できる温度範囲に関連する。ネマチック相の好ましい上限温度は80℃以上であり、ネマチック相の好ましい下限温度は−30℃以上である。素子で動画を表示するためには短い応答時間が好ましい。したがって、組成物における小さな粘度が好ましい。低温における小さな粘度はより好ましい。
【0004】
【0005】
素子を設計する際に、組成物の光学異方性(Δn)と素子のセルギャップ(d)の積(Δn・d)を一定の値にする。この値は素子の種類によって異なる。透過型のAM素子におけるΔn・dは約0.45μmである。透過型のAM素子におけるセルギャップは、応答時間と製造技術とを考慮して4.0〜5.5μmである。したがって、透過型のAM素子には0.080〜0.120の光学異方性を有する組成物が主に用いられる。一方、反射型および半透過型のAM素子におけるΔn・dは約0.25μmである。反射型および半透過型のAM素子におけるセルギャップは、応答時間と製造技術とを考慮して2.0〜4.0μmである。したがって、反射型および半透過型のAM素子には0.060〜0.075の光学異方性を有する組成物が主に用いられる。
【0006】
組成物における低いしきい値電圧は素子における小さな消費電力と大きなコントラスト比に寄与する。したがって、低いしきい値電圧が好ましい。初期に大きな比抵抗を有する組成物も好ましい。長時間使用したあとでも大きな比抵抗を有する組成物が好ましい。これらの比抵抗は、素子の電圧保持率(VHR)に関係する。組成物における大きな比抵抗は、素子における大きな電圧保持率と大きなコントラスト比に寄与する。
【0007】
低温で製造した多結晶シリコンを有するTFT素子は、非晶質シリコンを有するTFT素子に比べて、極めて大きな周波数で駆動される。したがって、この素子には誘電率異方性の小さな周波数依存性を有する組成物が好ましい。低温で小さな周波数依存性を有する組成物がさらに好ましい。
【0008】
液晶組成物のしきい値電圧が低く、透過型のAM素子に使うことが可能な組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この組成物を加熱したあとに電圧保持率(本願の実施例ではVHR−2と表記した)を測定したところ、その値は94%以下であった。この組成物を含有する透過型のAM素子を長時間使用したあとに画像を表示させると、素子のコントラスト比が小さくなる。素子を長時間使用したあとのコントラスト比が小さい場合には、素子の商品価値が低下する。このような理由から、大きなコントラスト比で画像を表示するために、低いしきい値電圧および高い電圧保持率を有する組成物が、特に望まれている。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−235552号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、組成物に必要な一般的特性、適切な光学異方性、正の誘電率異方性、低いしきい値電圧、および高い電圧保持率を有する液晶組成物、並びにこの組成物を含有し、AM素子に必要な一般的特性、小さな消費電力および大きなコントラスト比を有するAM素子である。さらには、0.080〜0.120の光学異方性、特に低いしきい値電圧および特に高い電圧保持率を有する組成物、並びにこの組成物を含有する透過型のAM素子である。
【0011】
本発明のもう一つの目的は、組成物に必要な一般的特性、適切な光学異方性、正の誘電率異方性、低いしきい値電圧、および高い電圧保持率の特性において、幾つかの特性を充足する液晶組成物、並びにこの組成物を含有する液晶表示素子である。この目的は、幾つかの特性におけるバランスが適切である液晶組成物およびこの組成物を含有する液晶表示素子でもある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の態様は、項1〜項11のとおりである。
1. 式(1−1)および式(1−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物、並びに式(2−1)および式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を含有する液晶組成物。
式(1−1)、(1−2)、(2−1)、および(2−2)において、R1はアルキルであり;A1は1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンであり;X1およびX2は独立して水素またはフッ素であり;Y1はフッ素、−OCF2Hまたは−OCF3であり;そしてZ1およびZ2は独立して単結合または−(CH2)2−である。
【0013】
2. 液晶組成物の全重量に基づいて、式(1−1)および式(1−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を10〜60重量%の範囲で、並びに式(2−1)および式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を40〜80重量%の範囲で含有する項1に記載の液晶組成物。
【0014】
3. 式(1−1)および式(1−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物、並びに式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を含有する液晶組成物。
式(1−1)、(1−2)および(2−1)において、R1はアルキルであり;A1は1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンであり;X1およびX2は独立して水素またはフッ素であり;Y1はフッ素、−OCF2Hまたは−OCF3であり;そしてZ1およびZ2は独立して単結合または−(CH2)2−である。
【0015】
4. 液晶組成物の全重量に基づいて、式(1−1)および式(1−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を10〜60重量%の範囲で、並びに式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を40〜60重量%の範囲で含有する項3に記載の液晶組成物。
【0016】
5. 式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有することを特徴とする項3または4に記載の液晶組成物。
式(2−2)において、R1はアルキルであり;X1は水素またはフッ素であり;そしてZ1は単結合または−(CH2)2−である。
【0017】
6. 液晶組成物の全重量に基づいて、式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を40重量%以下の範囲で含有することを特徴とする項5に記載の液晶組成物。
【0018】
7. 式(1−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物、式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物、および式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を含有する液晶組成物。
式(1−1)、(2−1)および(2−2)において、R1はアルキルであり;A1は1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンであり;X1は水素またはフッ素であり;Y1はフッ素、−OCF2Hまたは−OCF3であり;そしてZ1およびZ2は独立して単結合または−(CH2)2−である。
【0019】
8. 液晶組成物の全重量に基づいて、式(1−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を10〜40重量%の範囲で、式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を40〜60重量%の範囲で、および式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を5〜40重量%の範囲で含有する項7記載の液晶組成物。
【0020】
9. 式(1−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有することを特徴とする項7または8に記載の液晶組成物。
式(1−2)において、R1はアルキルであり;A1は1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンであり;X1およびX2は独立して水素またはフッ素であり;そしてY1はフッ素、−OCF2Hまたは−OCF3である。
【0021】
10. 液晶組成物の全重量に基づいて、式(1−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を40重量%以下の範囲で含有することを特徴とする項9に記載の液晶組成物。
【0022】
11. 項1〜10いずれか1項に記載の液晶組成物を含有する液晶表示素子。
【0023】
化合物(1−1)、化合物(1−2)、化合物(2−1)、および化合物(2−2)において、R1の記号を複数の化合物に用いた。複数の化合物において、R1によって表わされる具体的な基は同一であってもよいし、異なってもよい。化合物(1−1)のR1がエチルであり、化合物(1−2)のR1がエチルであるケースがある。化合物(1−1)のR1がエチルであり、化合物(1−2)のR1がプロピルであるケースもある。同様に、A1、Z1、Z2、X1、X2、またはY1の記号によって表わされる具体的な基が、2つの化合物においてお互いに同一であってもよいし、異なってもよい。これらの記号について、好ましい態様を以下に述べる。
【0024】
好ましいR1は炭素数1〜10のアルキルである。好ましいアルキルは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、またはオクチルである。さらに好ましいアルキルは、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、またはヘプチルである。
【0025】
化合物(1−1)、化合物(1−2)、化合物(2−1)、および化合物(2−2)の1,4−シクロヘキシレンに関する立体配置は、シスよりもトランスが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】
この明細書における用語の使い方は次のとおりである。本発明の液晶組成物または本発明の液晶表示素子をそれぞれ「組成物」または「素子」と表記することがある。液晶表示素子は液晶表示パネルおよび液晶表示モジュールの総称である。液晶組成物の主成分は液晶性化合物である。これはネマチック相、スメクチック相などの液晶相を有する化合物および液晶相を有しないが組成物の成分として有用な化合物の総称である。「化合物(1)」は、式(1)で表わされる化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を意味する。「化合物(1)および化合物(2)」は、式(1)で表わされる化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を意味する。「化合物(1)および(2)」は「式(1)および(2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を意味する。光学異方性などの物性を説明する際には、実施例に記載した方法で測定した値を用いた。
【0027】
本発明の組成物は、組成物に必要な一般的特性を有し、さらに0.080〜0.120の光学異方性、正の誘電率異方性、特に低いしきい値電圧、および特に高い電圧保持率を有する。本発明のAM素子は、この組成物を含有し、そしてAM素子に必要な一般的特性、小さな消費電力および大きなコントラスト比を有する。この組成物は、透過型のAM素子に特に適する。
【0028】
本発明のもう一つの組成物は、組成物に必要な一般的特性、適切な光学異方性、正の誘電率異方性、特に低いしきい値電圧、および特に高い電圧保持率の特性において、幾つかの特性を充足する。この組成物は、幾つかの特性におけるバランスが適切である。本発明の素子は、この組成物を含有する。
【0029】
まず、第一成分が化合物(1−1)および(1−2)であり、第二成分が化合物(2−1)および(2−2)である組成物について説明する。第一のタイプの組成物は、少なくとも第一成分および第二成分を含有する。この組成物はその他の化合物をさらに含有してもよい。その他の化合物は、第一成分および第二成分とは異なる。その他の化合物は液晶性化合物や添加物などの化合物である。組成物の特性を調整するなどの目的でこれらの成分とは異なる液晶性化合物を添加してもよい。添加物を添加して組成物の特性を調整してもよい。液晶のらせん構造を誘起してねじれ角を与える目的で光学活性な化合物を添加してもよい。GH(Guest host)モードの素子に使うために二色性色素を添加してもよい。
【0030】
第二のタイプの組成物は、実質的に第一成分および第二成分のみからなる。「実質的に」は、この組成物がこれらの成分とは異なる液晶性化合物を含有しないことを意味する。「実質的に」は、組成物の成分である化合物に含まれていた不純物、光学活性な化合物、色素などの化合物をこれらの組成物がさらに含有してもよいことも意味する。
【0031】
次に、第一成分が化合物(1−1)および(1−2)であり、第二成分が化合物(2−1)である組成物について説明する。第一のタイプの組成物は、少なくとも第一成分および第二成分を含有する。この組成物は第三成分として化合物(2−2)をさらに含有してもよい。これらの組成物はその他の化合物をさらに含有してもよい。その他の化合物は、第一成分、第二成分および第三成分とは異なる。その他の化合物は液晶性化合物や添加物などの化合物である。組成物の特性を調整するなどの目的でこれらの成分とは異なる液晶性化合物を添加してもよい。添加物を添加して組成物の特性を調整してもよい。液晶のらせん構造を誘起してねじれ角を与える目的で光学活性な化合物を添加してもよい。GH(Guest host)モードの素子に使うために二色性色素を添加してもよい。
【0032】
第二のタイプの組成物は、実質的に第一成分および第二成分のみからなる、または実質的に第一成分、第二成分および第三成分のみからなる。「実質的に」は、これらの組成物がこれらの成分とは異なる液晶性化合物を含有しないことを意味する。「実質的に」は、組成物の成分である化合物に含まれていた不純物、光学活性な化合物、色素などの化合物をこれらの組成物がさらに含有してもよいことも意味する。
【0033】
最後に、第一成分が化合物(1−1)であり、第二成分が化合物(2−1)であり、第三成分が化合物(2−2)である組成物について説明する。第一のタイプの組成物は、少なくとも第一成分、第二成分および第三成分を含有する。この組成物は第四成分として化合物(1−2)をさらに含有してもよい。これらの組成物はその他の化合物をさらに含有してもよい。その他の化合物は、第一成分、第二成分、第三成分、および第四成分とは異なる。その他の化合物は液晶性化合物や添加物などの化合物である。組成物の特性を調整するなどの目的でこれらの成分とは異なる液晶性化合物を添加してもよい。添加物を添加して組成物の特性を調整してもよい。液晶のらせん構造を誘起してねじれ角を与える目的で光学活性な化合物を添加してもよい。GH(Guest host)モードの素子に使うために二色性色素を添加してもよい。
【0034】
第二のタイプの組成物は、実質的に第一成分、第二成分および第三成分のみからなる、または実質的に第一成分、第二成分、第三成分、および第四成分のみからなる。「実質的に」は、これらの組成物がこれらの成分とは異なる液晶性化合物を含有しないことを意味する。「実質的に」は、組成物の成分である化合物に含まれていた不純物、光学活性な化合物、色素などの化合物をこれらの組成物がさらに含有してもよいことも意味する。
【0035】
これらの組成物を次の順で説明する。第一に、組成物の成分である化合物の主要な特性、および化合物を組成物に添加したとき、組成物に生じた主要な効果を説明する。第二に、成分である化合物の好ましい割合およびその理由について説明する。第三に、成分である化合物の具体的な例を示す。第四に、これらの化合物の合成法を述べる。
【0036】
本発明の組成物における化合物の主要な特性を下記の表2にまとめた。表2の記号において、Lは大きいまたは高い、Mは中程度の、そしてSは小さいまたは低いことを意味する。L、M、Sの記号は、化合物における相対的な評価である。下記の説明において、上限温度はネマチック相における上限温度を意味する。下限温度はネマチック相における下限温度を意味する。
【0037】
【0038】
化合物を組成物に添加したとき、組成物に生じた主要な効果は次のとおりである。高い上限温度を有する化合物は組成物における上限温度を上げる。小さな粘度を有する化合物は組成物における粘度を下げる。小さな光学異方性を有する化合物は組成物における光学異方性を小さくする。大きな光学異方性を有する化合物は組成物における光学異方性を大きくする。大きな誘電率異方性を有する化合物は組成物における誘電率異方性を大きくし、そしてしきい値電圧を下げる。大きな比抵抗を有する化合物は素子における電圧保持率を上げる。「比抵抗が大きい」は、組成物が初期に大きな比抵抗を有し、そして長時間使用したあとでも組成物が大きな比抵抗を有することを意味する。「電圧保持率が大きい」は、素子が初期に大きな電圧保持率を有し、そして長時間使用したあとでも素子が大きな電圧保持率を有することを意味する。
【0039】
組成物の成分である化合物の好ましい割合、およびその理由は次のとおりである。割合は組成物の全重量に基づいた重量百分率(重量%)である。
【0040】
第一成分が化合物(1−1)および(1−2)であり、第二成分が化合物(2−1)および(2−2)である組成物についてまず説明する。化合物(1−1)および(1−2)の好ましい割合は、しきい値電圧を特に下げるために10%以上であり、そして下限温度を下げるために60%以下である。さらに好ましい割合は10%〜50%である。化合物(2−1)および(2−2)の好ましい割合は、粘度を下げるために40%以上であり、そして下限温度を下げるために80%以下である。さらに好ましい割合は50%〜75%である。
【0041】
第一成分が化合物(1−1)および(1−2)であり、第二成分が化合物(2−1)である組成物について次に説明する。化合物(1−1)および(1−2)の好ましい割合は、しきい値電圧を特に下げるために10%以上であり、そして下限温度を下げるために60%以下である。さらに好ましい割合は10%〜50%である。化合物(2−1)の好ましい割合は、粘度を下げるため、上限温度を上げるため、および光学異方性を小さくするために40%以上であり、そして下限温度を下げるために60%以下である。さらに好ましい割合は45%〜55%である。第三成分として化合物(2−2)をさらに添加する場合、この化合物の好ましい割合は、光学異方性を小さくするために40%以下または1〜40%を添加する。さらに好ましい割合は3%〜30%である。
【0042】
第一成分が化合物(1−1)であり、第二成分が化合物(2−1)であり、第三成分が化合物(2−2)である組成物について最後に説明する。化合物(1−1)の好ましい割合は、しきい値電圧を下げるために10%以上であり、そして下限温度を下げるために40%以下である。さらに好ましい割合は10%〜35%である。化合物(2−1)の好ましい割合は、上限温度を上げるため、および光学異方性を小さくするために40%以上であり、そして下限温度を下げるために60%以下である。さらに好ましい割合は45%〜55%である。化合物(2−2)の好ましい割合は、粘度を下げるために5%以上であり、そして下限温度を下げるため、および光学異方性を小さくするために40%以下である。さらに好ましい割合は5%〜30%である。第四成分として化合物(1−2)をさらに添加する場合、この化合物の好ましい割合は、しきい値電圧を下げるために40%以下または1〜40%である。さらに好ましい割合は1%〜20%である。
【0043】
組成物の成分である化合物(1−1)、化合物(1−2)、化合物(2−1)、および化合物(2−2)の好ましい例は、それぞれ化合物(1−1−1)〜化合物(1−1−8)、化合物(1−2−1)〜化合物(1−2−14)、化合物(2−1−1)〜化合物(2−1−3)、および化合物(2−2−1)〜化合物(2−2−3)である。これらの好ましい化合物において、R1の記号を複数の化合物に用いた。任意の2つの化合物において、R1によって表わされる具体的な基は同一であってもよいし、異なってもよい。これらの記号について、好ましい態様を以下に述べる。
【0044】
好ましいR1は炭素数1〜10のアルキルである。これらの好ましい化合物の1,4−シクロヘキシレンに関する立体配置はシスよりもトランスが好ましい。
【0045】
【0046】
【0047】
組成物の成分である化合物は、既知の方法によって合成できる。化合物(1−1−1)および化合物(1−2−1)は、特開平9−278698号公報に記載された方法を修飾することによって合成できる。化合物(2−1−1)および化合物(2−2−1)は、特開平2−233626号公報に記載された方法によって合成できる。
【0048】
その他の化合物は、オーガニック・シンセシス(Organic Syntheses, John Wiley & Sons, Inc)、オーガニック・リアクションズ(Organic Reactions, JohnWiley & Sons, Inc)、コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)などの成書に記載された方法によって合成できる。組成物は、このようにして得た化合物から公知の方法によって調製される。例えば、成分である化合物を混合し、加熱によって互いに溶解させる。
【0049】
本発明の組成物はAM素子に適する。この組成物は0.080〜0.120の光学異方性を有するので透過型のAM素子に特に適する。成分である化合物の割合を制御する、またはその他の液晶性化合物を添加することによって、0.070〜0.180の光学異方性を有する組成物、さらには0.060〜0.200の光学異方性を有する組成物を調製してもよい。したがって、この組成物はAM素子だけでなくPM素子にも使用することが可能である。この組成物は、PC、TN、STN、ECB、OCB、IPS、VAなどのモードを有する素子に使用できる。これらの素子が反射型、透過型または半透過型であってもよい。この組成物をマイクロカプセル化して作製したNCAP(nematic curvilinear aligned phase)素子や、組成物中に三次元の網目状高分子を形成させたPD(polymerdispersed)素子、例えばPN(polymer network)素子にも使用できる。
【0050】
【実施例】
以下に、実施例により本発明を詳細に説明する。本発明はこれらの実施例によって限定されない。比較例および実施例に示した成分の割合は、重量百分率(重量%)である。比較例および実施例における化合物は、下記の表3の定義に基づいて記号により表した。これらの化合物において、1,4−シクロヘキシレンの立体配置はトランスである。実施例中の記号の後にあるかっこ内の番号は、好ましい化合物の番号に対応し、そして(−)はその他の成分であることを表す。最後に、組成物の特性値を示した。
【0051】
【0052】
特性値の測定は次の方法にしたがった。
ネマチック相の上限温度(NI;℃):偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、1℃/分の速度で加熱した。試料の一部がネマチック相から等方性液体に変化したときの温度を測定した。ネマチック相の上限温度を「上限温度」と表記することがある。
【0053】
ネマチック相の下限温度(TC;℃):ネマチック相を有する試料を0℃、−10℃、−20℃、−30℃、および−40℃のフリーザー中に10日間保管したあと、液晶相を観察した。例えば、試料が−20℃ではネマチック相のままであり、−30℃では結晶またはスメクチック相に変化したとき、TCを<−20℃と記載した。ネマチック相の下限温度を「下限温度」と表記することがある。
【0054】
光学異方性(Δn;25℃で測定):波長が589nmの光によりアッベ屈折計を用いて測定した。
【0055】
粘度(η;20℃で測定;mPa・s):粘度の測定にはE型粘度計を用いた。
【0056】
誘電率異方性(Δε;25℃で測定):2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が9μm、ツイスト角が80度の液晶セルに試料を入れた。このセルに10ボルトを印加して、液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。0.5ボルトを印加して、液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。正の誘電率異方性を有する組成物をこの方法によって測定した。
【0057】
しきい値電圧(Vth;25℃で測定;V):2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が(0.5/Δn)μmであり、ツイスト角が80度であるノーマリーホワイトモード(normally white mode)のTN素子に試料を入れた。このTN素子に周波数が32Hzである矩形波を印加した。印加電圧を上昇させ、素子を通過する光の透過率が90%になったときの電圧の値を測定した。
【0058】
電圧保持率(VHR;%):日本電子機械工業会規格(Standard of ElectricIndustries Association of Japan)EIAJ ED−2521Aに記載された液晶組成物および配向膜を有する素子の電圧保持率を測定する方法にしたがった。測定に用いたTN素子はポリイミド配向膜を有し、そしてセルギャップは6μmであった。25℃のTN素子に印加した電圧の波形を陰極線オシロスコープで観測し、単位周期において電圧曲線と横軸との間の面積を求めた。この面積を、TN素子を取り除いて測定した電圧の波形から同様にして求めた面積と比較して電圧保持率を算出した。この測定値をVHR−1と記載した。一方、TN素子を100℃、250時間加熱した。25℃に戻したあと、同様な方法で電圧保持率を測定した。加熱後の測定値をVHR−2と記載した。この加熱テストは、素子を長時間使用するテストの代わりに行った。
【0059】
比較例1
特開平9−235552号公報に開示された組成物の中から、最も低いしきい値電圧を有する実施例3を選んだ。この組成物において、VHR−2は低い。
2−HGB(F,F)−F 8%
3−HGB(F,F)−F 8%
4−HGB(F,F)−F 7%
5−HGB(F,F)−F 7%
3−H2HB(F,F)−F 12%
4−H2HB(F,F)−F 10%
3−HBB(F,F)−F 15%
3−HHEB(F,F)−F 10%
2−HBEB(F,F)−F 3%
3−HBEB(F,F)−F 5%
5−HBEB(F,F)−F 3%
2−HHBB(F,F)−F 3%
3−HHBB(F,F)−F 3%
4−HHBB(F,F)−F 3%
3−HH2BB(F,F)−F 3%
NI=83.1℃;TC<−30℃;Δn=0.094;η=38.0mPa・s;Vth=1.10V;VHR−1=98.3%;VHR−2=93.2%.
【0060】
実施例1
2−HBZB(F)−F (1−1−2) 3%
3−HBZB(F)−F (1−1−2) 7%
4−HBZB(F)−F (1−1−2) 6%
5−HBZB(F)−F (1−1−2) 6%
3−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 5%
5−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 5%
3−BB(F,F)ZB(F,F)−F (1−2−6) 10%
3−BB(F,F)ZB−F (1−2−8) 8%
3−HHB(F,F)−F (2−1−1) 9%
4−HHB(F,F)−F (2−1−1) 4%
3−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
5−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
3−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 10%
5−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 7%
NI=81.9℃;TC<−30℃;Δn=0.108;η=30.2mPa・s;Vth=1.10V;VHR−1=98.7%;VHR−2=97.5%.
【0061】
実施例2
3−HBZB(F)−OCF3 (1−1−3) 6%
4−HBZB(F)−OCF3 (1−1−3) 6%
5−HBZB(F)−OCF3 (1−1−3) 6%
2−BBZB(F)−F (1−1−5) 5%
3−BBZB(F)−F (1−1−5) 5%
3−HHB(F,F)−F (2−1−1) 9%
4−HHB(F,F)−F (2−1−1) 4%
3−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
5−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
3−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 10%
5−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 7%
3−HBB(F,F)−F (2−2−1) 11%
5−HBB(F,F)−F (2−2−1) 11%
NI=82.2℃;TC<−30℃;Δn=0.108;η=26.6mPa・s;Vth=1.31V;VHR−1=98.6%;VHR−2=97.3%.
【0062】
実施例3
3−HBZB(F,F)−F (1−1−1) 2%
3−BBZB(F,F)−F (1−1−4) 4%
5−BBZB(F,F)−F (1−1−4) 3%
3−BBZB(F)−F (1−1−5) 6%
5−BBZB(F)−F (1−1−5) 5%
2−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 3%
3−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 6%
5−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 6%
2−HHB(F,F)−F (2−1−1) 3%
3−HHB(F,F)−F (2−1−1) 7%
2−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 5%
3−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 11%
4−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 8%
5−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 15%
3−HBB(F,F)−F (2−2−1) 8%
5−HBB(F,F)−F (2−2−1) 8%
NI=81.3℃;TC<−30℃;Δn=0.119;η=33.1mPa・s;Vth=1.31V;VHR−1=98.5%;VHR−2=97.5%.
【0063】
実施例4
3−BBZB(F,F)−F (1−1−4) 4%
5−BBZB(F,F)−F (1−1−4) 3%
3−BBZB(F)−F (1−1−5) 6%
5−BBZB(F)−F (1−1−5) 5%
2−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 3%
3−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 6%
5−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 6%
3−HB(F,F)ZB−F (1−2−3) 2%
2−HHB(F,F)−F (2−1−1) 3%
3−HHB(F,F)−F (2−1−1) 7%
2−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 5%
3−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 11%
4−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 8%
5−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 15%
3−HBB(F,F)−F (2−2−1) 8%
5−HBB(F,F)−F (2−2−1) 8%
NI=80.3℃;TC<−30℃;Δn=0.118;η=32.8mPa・s;Vth=1.29V;VHR−1=98.6%;VHR−2=97.3%.
【0064】
実施例5
2−HBZB(F)−OCF3 (1−1−3) 4%
3−HBZB(F)−OCF3 (1−1−3) 5%
5−HBZB(F)−OCF3 (1−1−3) 5%
3−BBZB(F)−F (1−1−5) 5%
5−BBZB(F)−F (1−1−5) 5%
3−BB(F,F)ZB(F)−F (1−2−7) 4%
3−HHB(F,F)−F (2−1−1) 9%
4−HHB(F,F)−F (2−1−1) 4%
3−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
5−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
3−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 10%
5−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 7%
3−HBB(F,F)−F (2−2−1) 11%
5−HBB(F,F)−F (2−2−1) 11%
NI=80.0℃;TC<−30℃;Δn=0.107;η=26.1mPa・s;Vth=1.28V;VHR−1=98.7%;VHR−2=97.6%.
【0065】
実施例6
2−HBZB(F)−F (1−1−2) 4%
3−HBZB(F)−F (1−1−2) 6%
4−HBZB(F)−F (1−1−2) 6%
5−HBZB(F)−F (1−1−2) 6%
3−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 5%
5−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 5%
3−BB(F,F)ZB−F (1−2−8) 4%
5−BB(F,F)ZB−F (1−2−8) 4%
3−BB(F,F)ZB(F)−OCF3 (1−2−9) 5%
5−BB(F,F)ZB(F)−OCF3 (1−2−9) 5%
3−HHB(F,F)−F (2−1−1) 9%
4−HHB(F,F)−F (2−1−1) 4%
3−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
5−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
3−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 10%
5−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 7%
NI=83.5℃;TC<−30℃;Δn=0.109;η=30.7mPa・s;Vth=1.13V;VHR−1=98.2%;VHR−2=97.0%.
【0066】
実施例7
2−HBZB(F)−OCF3 (1−1−3) 3%
3−HBZB(F)−OCF3 (1−1−3) 5%
5−HBZB(F)−OCF3 (1−1−3) 5%
3−BBZB(F)−F (1−1−5) 5%
5−BBZB(F)−F (1−1−5) 5%
3−BB(F,F)ZB−OCF3 (1−2−10) 5%
3−HHB(F,F)−F (2−1−1) 9%
4−HHB(F,F)−F (2−1−1) 4%
3−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
5−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
3−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 10%
5−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 7%
3−HBB(F,F)−F (2−2−1) 11%
5−HBB(F,F)−F (2−2−1) 11%
NI=80.0℃;TC<−30℃;Δn=0.108;η=25.8mPa・s;Vth=1.26V;VHR−1=98.6%;VHR−2=97.5%.
【0067】
実施例8
2−HBZB(F)−OCF3 (1−1−3) 3%
3−HBZB(F)−OCF3 (1−1−3) 5%
4−HBZB(F)−OCF3 (1−1−3) 3%
5−HBZB(F)−OCF3 (1−1−3) 4%
3−BBZB(F)−F (1−1−5) 5%
5−BBZB(F)−F (1−1−5) 5%
3−HB(F,F)ZB−OCF3 (1−2−5) 3%
3−HHB(F,F)−F (2−1−1) 9%
4−HHB(F,F)−F (2−1−1) 4%
3−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
5−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
3−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 10%
5−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 7%
3−HBB(F,F)−F (2−2−1) 10%
5−HBB(F,F)−F (2−2−1) 7%
3−HB(F)B(F,F)−F (2−2−3) 5%
NI=80.1℃;TC<−30℃;Δn=0.106;η=26.2mPa・s;Vth=1.24V;VHR−1=98.3%;VHR−2=97.1%.
【0068】
実施例9
3−BBZB(F)−F (1−1−5) 2%
3−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 6%
5−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 6%
2−HHB(F,F)−F (2−1−1) 3%
3−HHB(F,F)−F (2−1−1) 7%
2−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 5%
3−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 11%
4−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 8%
5−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 15%
3−HBB(F,F)−F (2−2−1) 7%
5−HBB(F,F)−F (2−2−1) 7%
3−HHZB(F,F)−F (−) 5%
3−HHZB(F)−F (−) 6%
5−HHZB(F)−F (−) 5%
3−HHZB(F)−OCF3 (−) 4%
5−HHZB(F)−OCF3 (−) 3%
NI=84.1℃;TC<−30℃;Δn=0.098;η=31.0mPa・s;Vth=1.31V;VHR−1=98.5%;VHR−2=97.5%.
【0069】
実施例10
3−BBZB(F)−F (1−1−5) 2%
3−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 6%
5−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 6%
3−HB(F,F)ZB(F,F)−F (1−2−1) 3%
3−HB(F,F)ZB(F)−F (1−2−2) 3%
3−HB(F,F)ZB(F)−OCF3 (1−2−4) 3%
2−HHB(F,F)−F (2−1−1) 3%
3−HHB(F,F)−F (2−1−1) 7%
2−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 5%
3−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 11%
4−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 8%
5−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 15%
3−HBB(F,F)−F (2−2−1) 2%
3−HB(F)B(F,F)−F (2−2−3) 3%
3−HHZB(F,F)−F (−) 5%
3−HHZB(F)−F (−) 6%
5−HHZB(F)−F (−) 5%
3−HHZB(F)−OCF3 (−) 4%
5−HHZB(F)−OCF3 (−) 3%
NI=80.1℃;TC<−30℃;Δn=0.094;η=30.7mPa・s;Vth=1.22V;VHR−1=98.2%;VHR−2=97.7%.
【0070】
実施例11
3−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 5%
5−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 5%
3−BB(F,F)ZB(F,F)−F (1−2−6) 5%
5−BB(F,F)ZB(F,F)−F (1−2−6) 5%
3−BB(F,F)ZB−F (1−2−8) 4%
5−BB(F,F)ZB−F (1−2−8) 4%
3−HHB(F,F)−F (2−1−1) 9%
4−HHB(F,F)−F (2−1−1) 4%
3−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
5−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
3−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 10%
5−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 7%
2−HHZB(F)−F (−) 5%
3−HHZB(F)−F (−) 6%
4−HHZB(F)−F (−) 5%
5−HHZB(F)−F (−) 6%
NI=85.6℃;TC<−30℃;Δn=0.099;η=29.1mPa・s;Vth=1.19V;VHR−1=98.5%;VHR−2=97.1%.
【0071】
実施例12
3−BBZB(F)−F (1−1−5) 2%
3−BBZB(F)−OCF2H (1−1−8) 6%
5−BBZB(F)−OCF2H (1−1−8) 6%
3−HB(F,F)ZB(F,F)−F (1−2−1) 3%
3−HB(F,F)ZB(F)−F (1−2−2) 3%
3−HB(F,F)ZB(F)−OCF2H(1−2−11) 3%
2−HHB(F,F)−F (2−1−1) 3%
3−HHB(F,F)−F (2−1−1) 7%
2−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 5%
3−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 11%
4−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 8%
5−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 15%
3−H2BB(F,F)−F (2−2−2) 2%
3−HB(F)B(F,F)−F (2−2−3) 3%
3−HHZB(F,F)−F (−) 5%
3−HHZB(F)−F (−) 6%
5−HHZB(F)−F (−) 5%
3−HHZB(F)−OCF2H (−) 4%
5−HHZB(F)−OCF2H (−) 3%
NI=80.3℃;TC<−30℃;Δn=0.095;η=30.5mPa・s;Vth=1.25V;VHR−1=98.3%;VHR−2=97.8%.
【0072】
実施例13
3−BBZB(F)−F (1−1−5) 5%
5−BBZB(F)−F (1−1−5) 5%
2−HBZB(F)−OCF2H (1−1−7) 3%
3−HBZB(F)−OCF2H (1−1−7) 5%
5−HBZB(F)−OCF2H (1−1−7) 5%
3−BB(F,F)ZB−OCF2H (1−2−14) 5%
3−HHB(F,F)−F (2−1−1) 9%
4−HHB(F,F)−F (2−1−1) 4%
3−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
5−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
3−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 10%
5−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 7%
3−HBB(F,F)−F (2−2−1) 11%
5−HBB(F,F)−F (2−2−1) 11%
NI=80.4℃;TC<−30℃;Δn=0.105;η=25.9mPa・s;Vth=1.27V;VHR−1=98.7%;VHR−2=97.2%.
【0073】
実施例14
2−HBZB(F)−F (1−1−2) 4%
3−HBZB(F)−F (1−1−2) 6%
4−HBZB(F)−F (1−1−2) 6%
5−HBZB(F)−F (1−1−2) 6%
3−BBZB(F)−OCF2H (1−1−8) 5%
5−BBZB(F)−OCF2H (1−1−8) 5%
3−BB(F,F)ZB−F (1−2−8) 4%
5−BB(F,F)ZB−F (1−2−8) 4%
3−BB(F,F)ZB(F)−OCF2H(1−2−13) 5%
5−BB(F,F)ZB(F)−OCF2H(1−2−13) 5%
3−HHB(F,F)−F (2−1−1) 9%
4−HHB(F,F)−F (2−1−1) 4%
3−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
5−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
3−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 10%
5−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 7%
NI=83.2℃;TC<−30℃;Δn=0.105;η=30.1mPa・s;Vth=1.17V;VHR−1=98.1%;VHR−2=97.5%.
【0074】
実施例15
3−BBZB(F)−F (1−1−5) 5%
5−BBZB(F)−F (1−1−5) 5%
2−HBZB(F)−OCF2H (1−1−7) 3%
3−HBZB(F)−OCF2H (1−1−7) 5%
4−HBZB(F)−OCF2H (1−1−7) 3%
5−HBZB(F)−OCF2H (1−1−7) 4%
3−HB(F,F)ZB−OCF2H (1−2−12) 3%
3−HHB(F,F)−F (2−1−1) 9%
4−HHB(F,F)−F (2−1−1) 4%
3−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
5−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
3−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 10%
5−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 7%
3−HBB(F,F)−F (2−2−1) 10%
5−HBB(F,F)−F (2−2−1) 7%
3−HB(F)B(F,F)−F (2−2−3) 5%
NI=80.5℃;TC<−30℃;Δn=0.105;η=26.7mPa・s;Vth=1.27V;VHR−1=98.1%;VHR−2=97.2%.
【0075】
【発明の効果】
本発明の組成物は、組成物に必要な一般的特性を有し、さらに0.080〜0.120の光学異方性、正の誘電率異方性、特に低いしきい値電圧、および特に高い電圧保持率を有する。本発明のAM素子は、この組成物を含有し、そしてAM素子に必要な一般的特性、小さな消費電力および大きなコントラスト比を有する。この組成物は、透過型のAM素子に特に適する。
【0076】
本発明のもう一つの組成物は、組成物に必要な一般的特性、適切な光学異方性、正の誘電率異方性、特に低いしきい値電圧、および特に高い電圧保持率の特性において、幾つかの特性を充足する。この組成物は、幾つかの特性におけるバランスが適切である。本発明の素子は、この組成物を含有する。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネマチック相および正の誘電率異方性を有する液晶組成物、およびこの液晶組成物を含有する液晶表示素子に関する。さらに詳しくは、低いしきい値電圧および高い電圧保持率を有する液晶組成物、並びに小さな消費電力および大きなコントラスト比を有する液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子において、液晶の動作モードに基づいた分類は、PC(phase change)、TN(twisted nematic)、STN(super twisted nematic)、ECB(electrically controlled birefringence)、OCB(optically compensatedbend)、IPS(in-plane switching)、VA(vertical alignment)などである。素子の駆動方式に基づいた分類は、PM(passive matrix)とAM(active matrix)である。PM(passive matrix)はスタティック(static)とマルチプレックス(multiplex)などに分類され、AMはTFT(thin film transistor)、MIM(metal insulator metal)などに分類される。TFTの分類は非晶質シリコン(amorphous silicon)および多結晶シリコン(polycrystal silicon)であり、後者は製造工程によって高温型と低温型とに分類される。光源に基づいた分類は、自然光を利用する反射型、バックライトを利用する透過型、自然光とバックライトの両方を利用する半透過型である。
【0003】
これらの素子は適切な特性を有する液晶組成物を含有する。AM素子に使う組成物は、AM素子の一般的特性を向上させるため、下記の表1にまとめられた一般的特性が必要である。この一般的特性を市販されているAM素子に基づいてさらに説明する。ネマチック相の温度範囲は、素子の使用できる温度範囲に関連する。ネマチック相の好ましい上限温度は80℃以上であり、ネマチック相の好ましい下限温度は−30℃以上である。素子で動画を表示するためには短い応答時間が好ましい。したがって、組成物における小さな粘度が好ましい。低温における小さな粘度はより好ましい。
【0004】
【0005】
素子を設計する際に、組成物の光学異方性(Δn)と素子のセルギャップ(d)の積(Δn・d)を一定の値にする。この値は素子の種類によって異なる。透過型のAM素子におけるΔn・dは約0.45μmである。透過型のAM素子におけるセルギャップは、応答時間と製造技術とを考慮して4.0〜5.5μmである。したがって、透過型のAM素子には0.080〜0.120の光学異方性を有する組成物が主に用いられる。一方、反射型および半透過型のAM素子におけるΔn・dは約0.25μmである。反射型および半透過型のAM素子におけるセルギャップは、応答時間と製造技術とを考慮して2.0〜4.0μmである。したがって、反射型および半透過型のAM素子には0.060〜0.075の光学異方性を有する組成物が主に用いられる。
【0006】
組成物における低いしきい値電圧は素子における小さな消費電力と大きなコントラスト比に寄与する。したがって、低いしきい値電圧が好ましい。初期に大きな比抵抗を有する組成物も好ましい。長時間使用したあとでも大きな比抵抗を有する組成物が好ましい。これらの比抵抗は、素子の電圧保持率(VHR)に関係する。組成物における大きな比抵抗は、素子における大きな電圧保持率と大きなコントラスト比に寄与する。
【0007】
低温で製造した多結晶シリコンを有するTFT素子は、非晶質シリコンを有するTFT素子に比べて、極めて大きな周波数で駆動される。したがって、この素子には誘電率異方性の小さな周波数依存性を有する組成物が好ましい。低温で小さな周波数依存性を有する組成物がさらに好ましい。
【0008】
液晶組成物のしきい値電圧が低く、透過型のAM素子に使うことが可能な組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この組成物を加熱したあとに電圧保持率(本願の実施例ではVHR−2と表記した)を測定したところ、その値は94%以下であった。この組成物を含有する透過型のAM素子を長時間使用したあとに画像を表示させると、素子のコントラスト比が小さくなる。素子を長時間使用したあとのコントラスト比が小さい場合には、素子の商品価値が低下する。このような理由から、大きなコントラスト比で画像を表示するために、低いしきい値電圧および高い電圧保持率を有する組成物が、特に望まれている。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−235552号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、組成物に必要な一般的特性、適切な光学異方性、正の誘電率異方性、低いしきい値電圧、および高い電圧保持率を有する液晶組成物、並びにこの組成物を含有し、AM素子に必要な一般的特性、小さな消費電力および大きなコントラスト比を有するAM素子である。さらには、0.080〜0.120の光学異方性、特に低いしきい値電圧および特に高い電圧保持率を有する組成物、並びにこの組成物を含有する透過型のAM素子である。
【0011】
本発明のもう一つの目的は、組成物に必要な一般的特性、適切な光学異方性、正の誘電率異方性、低いしきい値電圧、および高い電圧保持率の特性において、幾つかの特性を充足する液晶組成物、並びにこの組成物を含有する液晶表示素子である。この目的は、幾つかの特性におけるバランスが適切である液晶組成物およびこの組成物を含有する液晶表示素子でもある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の態様は、項1〜項11のとおりである。
1. 式(1−1)および式(1−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物、並びに式(2−1)および式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を含有する液晶組成物。
式(1−1)、(1−2)、(2−1)、および(2−2)において、R1はアルキルであり;A1は1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンであり;X1およびX2は独立して水素またはフッ素であり;Y1はフッ素、−OCF2Hまたは−OCF3であり;そしてZ1およびZ2は独立して単結合または−(CH2)2−である。
【0013】
2. 液晶組成物の全重量に基づいて、式(1−1)および式(1−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を10〜60重量%の範囲で、並びに式(2−1)および式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を40〜80重量%の範囲で含有する項1に記載の液晶組成物。
【0014】
3. 式(1−1)および式(1−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物、並びに式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を含有する液晶組成物。
式(1−1)、(1−2)および(2−1)において、R1はアルキルであり;A1は1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンであり;X1およびX2は独立して水素またはフッ素であり;Y1はフッ素、−OCF2Hまたは−OCF3であり;そしてZ1およびZ2は独立して単結合または−(CH2)2−である。
【0015】
4. 液晶組成物の全重量に基づいて、式(1−1)および式(1−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を10〜60重量%の範囲で、並びに式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を40〜60重量%の範囲で含有する項3に記載の液晶組成物。
【0016】
5. 式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有することを特徴とする項3または4に記載の液晶組成物。
式(2−2)において、R1はアルキルであり;X1は水素またはフッ素であり;そしてZ1は単結合または−(CH2)2−である。
【0017】
6. 液晶組成物の全重量に基づいて、式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を40重量%以下の範囲で含有することを特徴とする項5に記載の液晶組成物。
【0018】
7. 式(1−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物、式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物、および式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を含有する液晶組成物。
式(1−1)、(2−1)および(2−2)において、R1はアルキルであり;A1は1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンであり;X1は水素またはフッ素であり;Y1はフッ素、−OCF2Hまたは−OCF3であり;そしてZ1およびZ2は独立して単結合または−(CH2)2−である。
【0019】
8. 液晶組成物の全重量に基づいて、式(1−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を10〜40重量%の範囲で、式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を40〜60重量%の範囲で、および式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を5〜40重量%の範囲で含有する項7記載の液晶組成物。
【0020】
9. 式(1−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有することを特徴とする項7または8に記載の液晶組成物。
式(1−2)において、R1はアルキルであり;A1は1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンであり;X1およびX2は独立して水素またはフッ素であり;そしてY1はフッ素、−OCF2Hまたは−OCF3である。
【0021】
10. 液晶組成物の全重量に基づいて、式(1−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を40重量%以下の範囲で含有することを特徴とする項9に記載の液晶組成物。
【0022】
11. 項1〜10いずれか1項に記載の液晶組成物を含有する液晶表示素子。
【0023】
化合物(1−1)、化合物(1−2)、化合物(2−1)、および化合物(2−2)において、R1の記号を複数の化合物に用いた。複数の化合物において、R1によって表わされる具体的な基は同一であってもよいし、異なってもよい。化合物(1−1)のR1がエチルであり、化合物(1−2)のR1がエチルであるケースがある。化合物(1−1)のR1がエチルであり、化合物(1−2)のR1がプロピルであるケースもある。同様に、A1、Z1、Z2、X1、X2、またはY1の記号によって表わされる具体的な基が、2つの化合物においてお互いに同一であってもよいし、異なってもよい。これらの記号について、好ましい態様を以下に述べる。
【0024】
好ましいR1は炭素数1〜10のアルキルである。好ましいアルキルは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、またはオクチルである。さらに好ましいアルキルは、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、またはヘプチルである。
【0025】
化合物(1−1)、化合物(1−2)、化合物(2−1)、および化合物(2−2)の1,4−シクロヘキシレンに関する立体配置は、シスよりもトランスが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】
この明細書における用語の使い方は次のとおりである。本発明の液晶組成物または本発明の液晶表示素子をそれぞれ「組成物」または「素子」と表記することがある。液晶表示素子は液晶表示パネルおよび液晶表示モジュールの総称である。液晶組成物の主成分は液晶性化合物である。これはネマチック相、スメクチック相などの液晶相を有する化合物および液晶相を有しないが組成物の成分として有用な化合物の総称である。「化合物(1)」は、式(1)で表わされる化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を意味する。「化合物(1)および化合物(2)」は、式(1)で表わされる化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を意味する。「化合物(1)および(2)」は「式(1)および(2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を意味する。光学異方性などの物性を説明する際には、実施例に記載した方法で測定した値を用いた。
【0027】
本発明の組成物は、組成物に必要な一般的特性を有し、さらに0.080〜0.120の光学異方性、正の誘電率異方性、特に低いしきい値電圧、および特に高い電圧保持率を有する。本発明のAM素子は、この組成物を含有し、そしてAM素子に必要な一般的特性、小さな消費電力および大きなコントラスト比を有する。この組成物は、透過型のAM素子に特に適する。
【0028】
本発明のもう一つの組成物は、組成物に必要な一般的特性、適切な光学異方性、正の誘電率異方性、特に低いしきい値電圧、および特に高い電圧保持率の特性において、幾つかの特性を充足する。この組成物は、幾つかの特性におけるバランスが適切である。本発明の素子は、この組成物を含有する。
【0029】
まず、第一成分が化合物(1−1)および(1−2)であり、第二成分が化合物(2−1)および(2−2)である組成物について説明する。第一のタイプの組成物は、少なくとも第一成分および第二成分を含有する。この組成物はその他の化合物をさらに含有してもよい。その他の化合物は、第一成分および第二成分とは異なる。その他の化合物は液晶性化合物や添加物などの化合物である。組成物の特性を調整するなどの目的でこれらの成分とは異なる液晶性化合物を添加してもよい。添加物を添加して組成物の特性を調整してもよい。液晶のらせん構造を誘起してねじれ角を与える目的で光学活性な化合物を添加してもよい。GH(Guest host)モードの素子に使うために二色性色素を添加してもよい。
【0030】
第二のタイプの組成物は、実質的に第一成分および第二成分のみからなる。「実質的に」は、この組成物がこれらの成分とは異なる液晶性化合物を含有しないことを意味する。「実質的に」は、組成物の成分である化合物に含まれていた不純物、光学活性な化合物、色素などの化合物をこれらの組成物がさらに含有してもよいことも意味する。
【0031】
次に、第一成分が化合物(1−1)および(1−2)であり、第二成分が化合物(2−1)である組成物について説明する。第一のタイプの組成物は、少なくとも第一成分および第二成分を含有する。この組成物は第三成分として化合物(2−2)をさらに含有してもよい。これらの組成物はその他の化合物をさらに含有してもよい。その他の化合物は、第一成分、第二成分および第三成分とは異なる。その他の化合物は液晶性化合物や添加物などの化合物である。組成物の特性を調整するなどの目的でこれらの成分とは異なる液晶性化合物を添加してもよい。添加物を添加して組成物の特性を調整してもよい。液晶のらせん構造を誘起してねじれ角を与える目的で光学活性な化合物を添加してもよい。GH(Guest host)モードの素子に使うために二色性色素を添加してもよい。
【0032】
第二のタイプの組成物は、実質的に第一成分および第二成分のみからなる、または実質的に第一成分、第二成分および第三成分のみからなる。「実質的に」は、これらの組成物がこれらの成分とは異なる液晶性化合物を含有しないことを意味する。「実質的に」は、組成物の成分である化合物に含まれていた不純物、光学活性な化合物、色素などの化合物をこれらの組成物がさらに含有してもよいことも意味する。
【0033】
最後に、第一成分が化合物(1−1)であり、第二成分が化合物(2−1)であり、第三成分が化合物(2−2)である組成物について説明する。第一のタイプの組成物は、少なくとも第一成分、第二成分および第三成分を含有する。この組成物は第四成分として化合物(1−2)をさらに含有してもよい。これらの組成物はその他の化合物をさらに含有してもよい。その他の化合物は、第一成分、第二成分、第三成分、および第四成分とは異なる。その他の化合物は液晶性化合物や添加物などの化合物である。組成物の特性を調整するなどの目的でこれらの成分とは異なる液晶性化合物を添加してもよい。添加物を添加して組成物の特性を調整してもよい。液晶のらせん構造を誘起してねじれ角を与える目的で光学活性な化合物を添加してもよい。GH(Guest host)モードの素子に使うために二色性色素を添加してもよい。
【0034】
第二のタイプの組成物は、実質的に第一成分、第二成分および第三成分のみからなる、または実質的に第一成分、第二成分、第三成分、および第四成分のみからなる。「実質的に」は、これらの組成物がこれらの成分とは異なる液晶性化合物を含有しないことを意味する。「実質的に」は、組成物の成分である化合物に含まれていた不純物、光学活性な化合物、色素などの化合物をこれらの組成物がさらに含有してもよいことも意味する。
【0035】
これらの組成物を次の順で説明する。第一に、組成物の成分である化合物の主要な特性、および化合物を組成物に添加したとき、組成物に生じた主要な効果を説明する。第二に、成分である化合物の好ましい割合およびその理由について説明する。第三に、成分である化合物の具体的な例を示す。第四に、これらの化合物の合成法を述べる。
【0036】
本発明の組成物における化合物の主要な特性を下記の表2にまとめた。表2の記号において、Lは大きいまたは高い、Mは中程度の、そしてSは小さいまたは低いことを意味する。L、M、Sの記号は、化合物における相対的な評価である。下記の説明において、上限温度はネマチック相における上限温度を意味する。下限温度はネマチック相における下限温度を意味する。
【0037】
【0038】
化合物を組成物に添加したとき、組成物に生じた主要な効果は次のとおりである。高い上限温度を有する化合物は組成物における上限温度を上げる。小さな粘度を有する化合物は組成物における粘度を下げる。小さな光学異方性を有する化合物は組成物における光学異方性を小さくする。大きな光学異方性を有する化合物は組成物における光学異方性を大きくする。大きな誘電率異方性を有する化合物は組成物における誘電率異方性を大きくし、そしてしきい値電圧を下げる。大きな比抵抗を有する化合物は素子における電圧保持率を上げる。「比抵抗が大きい」は、組成物が初期に大きな比抵抗を有し、そして長時間使用したあとでも組成物が大きな比抵抗を有することを意味する。「電圧保持率が大きい」は、素子が初期に大きな電圧保持率を有し、そして長時間使用したあとでも素子が大きな電圧保持率を有することを意味する。
【0039】
組成物の成分である化合物の好ましい割合、およびその理由は次のとおりである。割合は組成物の全重量に基づいた重量百分率(重量%)である。
【0040】
第一成分が化合物(1−1)および(1−2)であり、第二成分が化合物(2−1)および(2−2)である組成物についてまず説明する。化合物(1−1)および(1−2)の好ましい割合は、しきい値電圧を特に下げるために10%以上であり、そして下限温度を下げるために60%以下である。さらに好ましい割合は10%〜50%である。化合物(2−1)および(2−2)の好ましい割合は、粘度を下げるために40%以上であり、そして下限温度を下げるために80%以下である。さらに好ましい割合は50%〜75%である。
【0041】
第一成分が化合物(1−1)および(1−2)であり、第二成分が化合物(2−1)である組成物について次に説明する。化合物(1−1)および(1−2)の好ましい割合は、しきい値電圧を特に下げるために10%以上であり、そして下限温度を下げるために60%以下である。さらに好ましい割合は10%〜50%である。化合物(2−1)の好ましい割合は、粘度を下げるため、上限温度を上げるため、および光学異方性を小さくするために40%以上であり、そして下限温度を下げるために60%以下である。さらに好ましい割合は45%〜55%である。第三成分として化合物(2−2)をさらに添加する場合、この化合物の好ましい割合は、光学異方性を小さくするために40%以下または1〜40%を添加する。さらに好ましい割合は3%〜30%である。
【0042】
第一成分が化合物(1−1)であり、第二成分が化合物(2−1)であり、第三成分が化合物(2−2)である組成物について最後に説明する。化合物(1−1)の好ましい割合は、しきい値電圧を下げるために10%以上であり、そして下限温度を下げるために40%以下である。さらに好ましい割合は10%〜35%である。化合物(2−1)の好ましい割合は、上限温度を上げるため、および光学異方性を小さくするために40%以上であり、そして下限温度を下げるために60%以下である。さらに好ましい割合は45%〜55%である。化合物(2−2)の好ましい割合は、粘度を下げるために5%以上であり、そして下限温度を下げるため、および光学異方性を小さくするために40%以下である。さらに好ましい割合は5%〜30%である。第四成分として化合物(1−2)をさらに添加する場合、この化合物の好ましい割合は、しきい値電圧を下げるために40%以下または1〜40%である。さらに好ましい割合は1%〜20%である。
【0043】
組成物の成分である化合物(1−1)、化合物(1−2)、化合物(2−1)、および化合物(2−2)の好ましい例は、それぞれ化合物(1−1−1)〜化合物(1−1−8)、化合物(1−2−1)〜化合物(1−2−14)、化合物(2−1−1)〜化合物(2−1−3)、および化合物(2−2−1)〜化合物(2−2−3)である。これらの好ましい化合物において、R1の記号を複数の化合物に用いた。任意の2つの化合物において、R1によって表わされる具体的な基は同一であってもよいし、異なってもよい。これらの記号について、好ましい態様を以下に述べる。
【0044】
好ましいR1は炭素数1〜10のアルキルである。これらの好ましい化合物の1,4−シクロヘキシレンに関する立体配置はシスよりもトランスが好ましい。
【0045】
【0046】
【0047】
組成物の成分である化合物は、既知の方法によって合成できる。化合物(1−1−1)および化合物(1−2−1)は、特開平9−278698号公報に記載された方法を修飾することによって合成できる。化合物(2−1−1)および化合物(2−2−1)は、特開平2−233626号公報に記載された方法によって合成できる。
【0048】
その他の化合物は、オーガニック・シンセシス(Organic Syntheses, John Wiley & Sons, Inc)、オーガニック・リアクションズ(Organic Reactions, JohnWiley & Sons, Inc)、コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)などの成書に記載された方法によって合成できる。組成物は、このようにして得た化合物から公知の方法によって調製される。例えば、成分である化合物を混合し、加熱によって互いに溶解させる。
【0049】
本発明の組成物はAM素子に適する。この組成物は0.080〜0.120の光学異方性を有するので透過型のAM素子に特に適する。成分である化合物の割合を制御する、またはその他の液晶性化合物を添加することによって、0.070〜0.180の光学異方性を有する組成物、さらには0.060〜0.200の光学異方性を有する組成物を調製してもよい。したがって、この組成物はAM素子だけでなくPM素子にも使用することが可能である。この組成物は、PC、TN、STN、ECB、OCB、IPS、VAなどのモードを有する素子に使用できる。これらの素子が反射型、透過型または半透過型であってもよい。この組成物をマイクロカプセル化して作製したNCAP(nematic curvilinear aligned phase)素子や、組成物中に三次元の網目状高分子を形成させたPD(polymerdispersed)素子、例えばPN(polymer network)素子にも使用できる。
【0050】
【実施例】
以下に、実施例により本発明を詳細に説明する。本発明はこれらの実施例によって限定されない。比較例および実施例に示した成分の割合は、重量百分率(重量%)である。比較例および実施例における化合物は、下記の表3の定義に基づいて記号により表した。これらの化合物において、1,4−シクロヘキシレンの立体配置はトランスである。実施例中の記号の後にあるかっこ内の番号は、好ましい化合物の番号に対応し、そして(−)はその他の成分であることを表す。最後に、組成物の特性値を示した。
【0051】
【0052】
特性値の測定は次の方法にしたがった。
ネマチック相の上限温度(NI;℃):偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、1℃/分の速度で加熱した。試料の一部がネマチック相から等方性液体に変化したときの温度を測定した。ネマチック相の上限温度を「上限温度」と表記することがある。
【0053】
ネマチック相の下限温度(TC;℃):ネマチック相を有する試料を0℃、−10℃、−20℃、−30℃、および−40℃のフリーザー中に10日間保管したあと、液晶相を観察した。例えば、試料が−20℃ではネマチック相のままであり、−30℃では結晶またはスメクチック相に変化したとき、TCを<−20℃と記載した。ネマチック相の下限温度を「下限温度」と表記することがある。
【0054】
光学異方性(Δn;25℃で測定):波長が589nmの光によりアッベ屈折計を用いて測定した。
【0055】
粘度(η;20℃で測定;mPa・s):粘度の測定にはE型粘度計を用いた。
【0056】
誘電率異方性(Δε;25℃で測定):2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が9μm、ツイスト角が80度の液晶セルに試料を入れた。このセルに10ボルトを印加して、液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。0.5ボルトを印加して、液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。正の誘電率異方性を有する組成物をこの方法によって測定した。
【0057】
しきい値電圧(Vth;25℃で測定;V):2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が(0.5/Δn)μmであり、ツイスト角が80度であるノーマリーホワイトモード(normally white mode)のTN素子に試料を入れた。このTN素子に周波数が32Hzである矩形波を印加した。印加電圧を上昇させ、素子を通過する光の透過率が90%になったときの電圧の値を測定した。
【0058】
電圧保持率(VHR;%):日本電子機械工業会規格(Standard of ElectricIndustries Association of Japan)EIAJ ED−2521Aに記載された液晶組成物および配向膜を有する素子の電圧保持率を測定する方法にしたがった。測定に用いたTN素子はポリイミド配向膜を有し、そしてセルギャップは6μmであった。25℃のTN素子に印加した電圧の波形を陰極線オシロスコープで観測し、単位周期において電圧曲線と横軸との間の面積を求めた。この面積を、TN素子を取り除いて測定した電圧の波形から同様にして求めた面積と比較して電圧保持率を算出した。この測定値をVHR−1と記載した。一方、TN素子を100℃、250時間加熱した。25℃に戻したあと、同様な方法で電圧保持率を測定した。加熱後の測定値をVHR−2と記載した。この加熱テストは、素子を長時間使用するテストの代わりに行った。
【0059】
比較例1
特開平9−235552号公報に開示された組成物の中から、最も低いしきい値電圧を有する実施例3を選んだ。この組成物において、VHR−2は低い。
2−HGB(F,F)−F 8%
3−HGB(F,F)−F 8%
4−HGB(F,F)−F 7%
5−HGB(F,F)−F 7%
3−H2HB(F,F)−F 12%
4−H2HB(F,F)−F 10%
3−HBB(F,F)−F 15%
3−HHEB(F,F)−F 10%
2−HBEB(F,F)−F 3%
3−HBEB(F,F)−F 5%
5−HBEB(F,F)−F 3%
2−HHBB(F,F)−F 3%
3−HHBB(F,F)−F 3%
4−HHBB(F,F)−F 3%
3−HH2BB(F,F)−F 3%
NI=83.1℃;TC<−30℃;Δn=0.094;η=38.0mPa・s;Vth=1.10V;VHR−1=98.3%;VHR−2=93.2%.
【0060】
実施例1
2−HBZB(F)−F (1−1−2) 3%
3−HBZB(F)−F (1−1−2) 7%
4−HBZB(F)−F (1−1−2) 6%
5−HBZB(F)−F (1−1−2) 6%
3−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 5%
5−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 5%
3−BB(F,F)ZB(F,F)−F (1−2−6) 10%
3−BB(F,F)ZB−F (1−2−8) 8%
3−HHB(F,F)−F (2−1−1) 9%
4−HHB(F,F)−F (2−1−1) 4%
3−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
5−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
3−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 10%
5−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 7%
NI=81.9℃;TC<−30℃;Δn=0.108;η=30.2mPa・s;Vth=1.10V;VHR−1=98.7%;VHR−2=97.5%.
【0061】
実施例2
3−HBZB(F)−OCF3 (1−1−3) 6%
4−HBZB(F)−OCF3 (1−1−3) 6%
5−HBZB(F)−OCF3 (1−1−3) 6%
2−BBZB(F)−F (1−1−5) 5%
3−BBZB(F)−F (1−1−5) 5%
3−HHB(F,F)−F (2−1−1) 9%
4−HHB(F,F)−F (2−1−1) 4%
3−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
5−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
3−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 10%
5−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 7%
3−HBB(F,F)−F (2−2−1) 11%
5−HBB(F,F)−F (2−2−1) 11%
NI=82.2℃;TC<−30℃;Δn=0.108;η=26.6mPa・s;Vth=1.31V;VHR−1=98.6%;VHR−2=97.3%.
【0062】
実施例3
3−HBZB(F,F)−F (1−1−1) 2%
3−BBZB(F,F)−F (1−1−4) 4%
5−BBZB(F,F)−F (1−1−4) 3%
3−BBZB(F)−F (1−1−5) 6%
5−BBZB(F)−F (1−1−5) 5%
2−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 3%
3−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 6%
5−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 6%
2−HHB(F,F)−F (2−1−1) 3%
3−HHB(F,F)−F (2−1−1) 7%
2−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 5%
3−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 11%
4−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 8%
5−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 15%
3−HBB(F,F)−F (2−2−1) 8%
5−HBB(F,F)−F (2−2−1) 8%
NI=81.3℃;TC<−30℃;Δn=0.119;η=33.1mPa・s;Vth=1.31V;VHR−1=98.5%;VHR−2=97.5%.
【0063】
実施例4
3−BBZB(F,F)−F (1−1−4) 4%
5−BBZB(F,F)−F (1−1−4) 3%
3−BBZB(F)−F (1−1−5) 6%
5−BBZB(F)−F (1−1−5) 5%
2−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 3%
3−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 6%
5−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 6%
3−HB(F,F)ZB−F (1−2−3) 2%
2−HHB(F,F)−F (2−1−1) 3%
3−HHB(F,F)−F (2−1−1) 7%
2−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 5%
3−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 11%
4−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 8%
5−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 15%
3−HBB(F,F)−F (2−2−1) 8%
5−HBB(F,F)−F (2−2−1) 8%
NI=80.3℃;TC<−30℃;Δn=0.118;η=32.8mPa・s;Vth=1.29V;VHR−1=98.6%;VHR−2=97.3%.
【0064】
実施例5
2−HBZB(F)−OCF3 (1−1−3) 4%
3−HBZB(F)−OCF3 (1−1−3) 5%
5−HBZB(F)−OCF3 (1−1−3) 5%
3−BBZB(F)−F (1−1−5) 5%
5−BBZB(F)−F (1−1−5) 5%
3−BB(F,F)ZB(F)−F (1−2−7) 4%
3−HHB(F,F)−F (2−1−1) 9%
4−HHB(F,F)−F (2−1−1) 4%
3−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
5−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
3−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 10%
5−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 7%
3−HBB(F,F)−F (2−2−1) 11%
5−HBB(F,F)−F (2−2−1) 11%
NI=80.0℃;TC<−30℃;Δn=0.107;η=26.1mPa・s;Vth=1.28V;VHR−1=98.7%;VHR−2=97.6%.
【0065】
実施例6
2−HBZB(F)−F (1−1−2) 4%
3−HBZB(F)−F (1−1−2) 6%
4−HBZB(F)−F (1−1−2) 6%
5−HBZB(F)−F (1−1−2) 6%
3−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 5%
5−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 5%
3−BB(F,F)ZB−F (1−2−8) 4%
5−BB(F,F)ZB−F (1−2−8) 4%
3−BB(F,F)ZB(F)−OCF3 (1−2−9) 5%
5−BB(F,F)ZB(F)−OCF3 (1−2−9) 5%
3−HHB(F,F)−F (2−1−1) 9%
4−HHB(F,F)−F (2−1−1) 4%
3−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
5−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
3−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 10%
5−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 7%
NI=83.5℃;TC<−30℃;Δn=0.109;η=30.7mPa・s;Vth=1.13V;VHR−1=98.2%;VHR−2=97.0%.
【0066】
実施例7
2−HBZB(F)−OCF3 (1−1−3) 3%
3−HBZB(F)−OCF3 (1−1−3) 5%
5−HBZB(F)−OCF3 (1−1−3) 5%
3−BBZB(F)−F (1−1−5) 5%
5−BBZB(F)−F (1−1−5) 5%
3−BB(F,F)ZB−OCF3 (1−2−10) 5%
3−HHB(F,F)−F (2−1−1) 9%
4−HHB(F,F)−F (2−1−1) 4%
3−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
5−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
3−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 10%
5−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 7%
3−HBB(F,F)−F (2−2−1) 11%
5−HBB(F,F)−F (2−2−1) 11%
NI=80.0℃;TC<−30℃;Δn=0.108;η=25.8mPa・s;Vth=1.26V;VHR−1=98.6%;VHR−2=97.5%.
【0067】
実施例8
2−HBZB(F)−OCF3 (1−1−3) 3%
3−HBZB(F)−OCF3 (1−1−3) 5%
4−HBZB(F)−OCF3 (1−1−3) 3%
5−HBZB(F)−OCF3 (1−1−3) 4%
3−BBZB(F)−F (1−1−5) 5%
5−BBZB(F)−F (1−1−5) 5%
3−HB(F,F)ZB−OCF3 (1−2−5) 3%
3−HHB(F,F)−F (2−1−1) 9%
4−HHB(F,F)−F (2−1−1) 4%
3−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
5−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
3−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 10%
5−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 7%
3−HBB(F,F)−F (2−2−1) 10%
5−HBB(F,F)−F (2−2−1) 7%
3−HB(F)B(F,F)−F (2−2−3) 5%
NI=80.1℃;TC<−30℃;Δn=0.106;η=26.2mPa・s;Vth=1.24V;VHR−1=98.3%;VHR−2=97.1%.
【0068】
実施例9
3−BBZB(F)−F (1−1−5) 2%
3−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 6%
5−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 6%
2−HHB(F,F)−F (2−1−1) 3%
3−HHB(F,F)−F (2−1−1) 7%
2−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 5%
3−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 11%
4−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 8%
5−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 15%
3−HBB(F,F)−F (2−2−1) 7%
5−HBB(F,F)−F (2−2−1) 7%
3−HHZB(F,F)−F (−) 5%
3−HHZB(F)−F (−) 6%
5−HHZB(F)−F (−) 5%
3−HHZB(F)−OCF3 (−) 4%
5−HHZB(F)−OCF3 (−) 3%
NI=84.1℃;TC<−30℃;Δn=0.098;η=31.0mPa・s;Vth=1.31V;VHR−1=98.5%;VHR−2=97.5%.
【0069】
実施例10
3−BBZB(F)−F (1−1−5) 2%
3−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 6%
5−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 6%
3−HB(F,F)ZB(F,F)−F (1−2−1) 3%
3−HB(F,F)ZB(F)−F (1−2−2) 3%
3−HB(F,F)ZB(F)−OCF3 (1−2−4) 3%
2−HHB(F,F)−F (2−1−1) 3%
3−HHB(F,F)−F (2−1−1) 7%
2−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 5%
3−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 11%
4−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 8%
5−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 15%
3−HBB(F,F)−F (2−2−1) 2%
3−HB(F)B(F,F)−F (2−2−3) 3%
3−HHZB(F,F)−F (−) 5%
3−HHZB(F)−F (−) 6%
5−HHZB(F)−F (−) 5%
3−HHZB(F)−OCF3 (−) 4%
5−HHZB(F)−OCF3 (−) 3%
NI=80.1℃;TC<−30℃;Δn=0.094;η=30.7mPa・s;Vth=1.22V;VHR−1=98.2%;VHR−2=97.7%.
【0070】
実施例11
3−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 5%
5−BBZB(F)−OCF3 (1−1−6) 5%
3−BB(F,F)ZB(F,F)−F (1−2−6) 5%
5−BB(F,F)ZB(F,F)−F (1−2−6) 5%
3−BB(F,F)ZB−F (1−2−8) 4%
5−BB(F,F)ZB−F (1−2−8) 4%
3−HHB(F,F)−F (2−1−1) 9%
4−HHB(F,F)−F (2−1−1) 4%
3−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
5−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
3−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 10%
5−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 7%
2−HHZB(F)−F (−) 5%
3−HHZB(F)−F (−) 6%
4−HHZB(F)−F (−) 5%
5−HHZB(F)−F (−) 6%
NI=85.6℃;TC<−30℃;Δn=0.099;η=29.1mPa・s;Vth=1.19V;VHR−1=98.5%;VHR−2=97.1%.
【0071】
実施例12
3−BBZB(F)−F (1−1−5) 2%
3−BBZB(F)−OCF2H (1−1−8) 6%
5−BBZB(F)−OCF2H (1−1−8) 6%
3−HB(F,F)ZB(F,F)−F (1−2−1) 3%
3−HB(F,F)ZB(F)−F (1−2−2) 3%
3−HB(F,F)ZB(F)−OCF2H(1−2−11) 3%
2−HHB(F,F)−F (2−1−1) 3%
3−HHB(F,F)−F (2−1−1) 7%
2−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 5%
3−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 11%
4−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 8%
5−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 15%
3−H2BB(F,F)−F (2−2−2) 2%
3−HB(F)B(F,F)−F (2−2−3) 3%
3−HHZB(F,F)−F (−) 5%
3−HHZB(F)−F (−) 6%
5−HHZB(F)−F (−) 5%
3−HHZB(F)−OCF2H (−) 4%
5−HHZB(F)−OCF2H (−) 3%
NI=80.3℃;TC<−30℃;Δn=0.095;η=30.5mPa・s;Vth=1.25V;VHR−1=98.3%;VHR−2=97.8%.
【0072】
実施例13
3−BBZB(F)−F (1−1−5) 5%
5−BBZB(F)−F (1−1−5) 5%
2−HBZB(F)−OCF2H (1−1−7) 3%
3−HBZB(F)−OCF2H (1−1−7) 5%
5−HBZB(F)−OCF2H (1−1−7) 5%
3−BB(F,F)ZB−OCF2H (1−2−14) 5%
3−HHB(F,F)−F (2−1−1) 9%
4−HHB(F,F)−F (2−1−1) 4%
3−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
5−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
3−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 10%
5−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 7%
3−HBB(F,F)−F (2−2−1) 11%
5−HBB(F,F)−F (2−2−1) 11%
NI=80.4℃;TC<−30℃;Δn=0.105;η=25.9mPa・s;Vth=1.27V;VHR−1=98.7%;VHR−2=97.2%.
【0073】
実施例14
2−HBZB(F)−F (1−1−2) 4%
3−HBZB(F)−F (1−1−2) 6%
4−HBZB(F)−F (1−1−2) 6%
5−HBZB(F)−F (1−1−2) 6%
3−BBZB(F)−OCF2H (1−1−8) 5%
5−BBZB(F)−OCF2H (1−1−8) 5%
3−BB(F,F)ZB−F (1−2−8) 4%
5−BB(F,F)ZB−F (1−2−8) 4%
3−BB(F,F)ZB(F)−OCF2H(1−2−13) 5%
5−BB(F,F)ZB(F)−OCF2H(1−2−13) 5%
3−HHB(F,F)−F (2−1−1) 9%
4−HHB(F,F)−F (2−1−1) 4%
3−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
5−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
3−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 10%
5−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 7%
NI=83.2℃;TC<−30℃;Δn=0.105;η=30.1mPa・s;Vth=1.17V;VHR−1=98.1%;VHR−2=97.5%.
【0074】
実施例15
3−BBZB(F)−F (1−1−5) 5%
5−BBZB(F)−F (1−1−5) 5%
2−HBZB(F)−OCF2H (1−1−7) 3%
3−HBZB(F)−OCF2H (1−1−7) 5%
4−HBZB(F)−OCF2H (1−1−7) 3%
5−HBZB(F)−OCF2H (1−1−7) 4%
3−HB(F,F)ZB−OCF2H (1−2−12) 3%
3−HHB(F,F)−F (2−1−1) 9%
4−HHB(F,F)−F (2−1−1) 4%
3−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
5−H2HB(F,F)−F (2−1−2) 10%
3−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 10%
5−HH2B(F,F)−F (2−1−3) 7%
3−HBB(F,F)−F (2−2−1) 10%
5−HBB(F,F)−F (2−2−1) 7%
3−HB(F)B(F,F)−F (2−2−3) 5%
NI=80.5℃;TC<−30℃;Δn=0.105;η=26.7mPa・s;Vth=1.27V;VHR−1=98.1%;VHR−2=97.2%.
【0075】
【発明の効果】
本発明の組成物は、組成物に必要な一般的特性を有し、さらに0.080〜0.120の光学異方性、正の誘電率異方性、特に低いしきい値電圧、および特に高い電圧保持率を有する。本発明のAM素子は、この組成物を含有し、そしてAM素子に必要な一般的特性、小さな消費電力および大きなコントラスト比を有する。この組成物は、透過型のAM素子に特に適する。
【0076】
本発明のもう一つの組成物は、組成物に必要な一般的特性、適切な光学異方性、正の誘電率異方性、特に低いしきい値電圧、および特に高い電圧保持率の特性において、幾つかの特性を充足する。この組成物は、幾つかの特性におけるバランスが適切である。本発明の素子は、この組成物を含有する。
Claims (11)
- 液晶組成物の全重量に基づいて、式(1−1)および(1−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を10〜60重量%の範囲で、並びに式(2−1)および(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を40〜80重量%の範囲で含有する請求項1に記載の液晶組成物。
- 液晶組成物の全重量に基づいて、式(1−1)および(1−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を10〜60重量%の範囲で、並びに式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を40〜60重量%の範囲で含有する請求項3に記載の液晶組成物。
- 液晶組成物の全重量に基づいて、式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を40重量%以下の範囲で含有することを特徴とする請求項5に記載の液晶組成物。
- 液晶組成物の全重量に基づいて、式(1−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を10〜40重量%の範囲で、式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を40〜60重量%の範囲で、および式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を5〜40重量%の範囲で含有する請求項7記載の液晶組成物。
- 液晶組成物の全重量に基づいて、式(1−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を40重量%以下の範囲で含有することを特徴とする請求項9に記載の液晶組成物。
- 請求項1〜10いずれか1項に記載の液晶組成物を含有する液晶表示素子。
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JP2002374192A JP2004204022A (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 液晶組成物および液晶表示素子 |
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- 2002-12-25 JP JP2002374192A patent/JP2004204022A/ja active Pending
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