JP2004203930A - 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

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正樹 光永
Katsuhiko Hironaka
克彦 弘中
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Abstract

【課題】優れた剛性、熱安定性および耐加水分解性を兼備する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)芳香族ポリカーボネート(A成分)100重量部、(B)50〜200ミリ当量/100gの陽イオン交換容量を有する層状珪酸塩(B成分)を0.1〜50重量部、および(C)A成分との親和性を有しかつ親水性成分を有する化合物(C成分)を0.1〜50重量部からなる組成物で、該組成物の耐加水分解試験でのA成分の粘度平均分子量の低下率(ΔMratio)が20%以下であることを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。該組成物は、好ましくはさらに(D)高級脂肪酸と多価アルコールの部分エステルおよび/またはフルエステル(D成分)を0.005〜1重量部、(E)エポキシ化合物(E成分)を0.005〜3重量部、および/又は(F)ホスホン酸化合物(F成分)を0.005〜3重量部含有する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は改善された剛性、熱安定性および耐加水分解性を有する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、芳香族ポリカーボネートに特定量の陽イオン交換容量を有する層状珪酸塩及び該芳香族ポリカーボネートとの親和性を有しかつ親水性成分を有する化合物を微分散させて、樹脂組成物に高い剛性と熱安定性を付与し、かつ高温高湿下でのA成分の分子量低下割合を20%以下に抑制して耐加水分解性を大幅に改善した芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭酸エステル結合を繰返し単位にもつ芳香族ポリカーボネートは、一般に優れた耐熱性、機械特性、耐衝撃性、寸法安定性等を有しており、OA機器分野、自動車分野、電気・電子部品分野等の用途に広く用いられているが、近年の軽薄短小を指向する技術動向により、多くの用途において芳香族ポリカーボネートに対しさらに高い剛性が求められている。
【0003】
一般に、熱可塑性樹脂の剛性(曲げ弾性率)を改良する手段として、ガラス繊維等の繊維状補強材や無機充填剤を混合することが行われてきたが、かかる従来法によるものは、製品の比重が大きくなり、製品の表面外観が損なわれるという欠点がある。
【0004】
一方で、比較的少量の充填剤で高い曲げ弾性率を達成する技術の1つとして、無機充填剤として層状珪酸塩、より好ましくは層状珪酸塩の層間イオンを各種の有機オニウムイオンでイオン交換してなる層状珪酸塩、を熱可塑性樹脂中へ微分散させた樹脂組成物が提案されており、芳香族ポリカーボネートと層状珪酸塩の層間イオンを各種の有機オニウムイオンでイオン交換した層状珪酸塩とを組合せた樹脂組成物も知られている(特許文献1〜特許文献6並びに非特許文献1〜非特許文献3参照)。
【0005】
そして、このような層状珪酸塩の層間イオンをイオン交換するための有機オニウムイオンとしては、ジメチルジオクタデシルアンモニウムイオンで代表される炭素原子数12以上のアルキル基を有する有機オニウムイオンやポリエチレングリコール鎖を有するアンモニウムイオン等が提案されている(特許文献2および特許文献3参照)。さらに、熱可塑性樹脂全般に対しては、有機オニウムイオンとして炭素原子数15〜30の第4級アンモニウムイオンが好ましい(特許文献7参照)とする提案や、第4級アンモニウムイオン(またはホスホニウムイオン)であってその有機基の1つは炭素原子数8以上であり、他の3つの有機基は炭素原子数1〜4である有機オニウムイオンが好ましい(特許文献8参照)との提案もなされている。
【0006】
しかしながら、これらのいずれの提案においても、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物における耐加水分解性に関しては何ら示唆するところがなく、また現実に、かかる有機オニウムイオンでイオン交換された層状珪酸塩を含む芳香族ポリカーボネート樹脂組成物では耐加水分解性に問題があることから、かかる層状珪酸塩を含む芳香族ポリカーボネート樹脂組成物における耐加水分解性の向上は、その実用性をさらに増大させる上で重要な技術的課題となっている。
【0007】
【特許文献1】
特開平3−215558号公報
【特許文献2】
特開平7−207134号公報
【特許文献3】
特開平7−228762号公報
【特許文献4】
特開平7−331092号公報
【特許文献5】
特開平9−143359号公報
【特許文献6】
特開平10−60160号公報
【特許文献7】
特開2002−88255号公報
【特許文献8】
WO99/32403(特表2001−526313号公報)
【非特許文献1】
第51回高分子学会年次大会,第51巻(No.3),669頁,2002年
【非特許文献2】
「成型加工」'02,15頁,2002年
【非特許文献3】
第51回高分子学会討論会,第51巻(No.11),2645頁,2002年
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の主たる目的は、改善された剛性、熱安定性および耐加水分解性を有する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を提供することにある。
【0009】
本発明者らはかかる目的を達成すべく鋭意研究の結果、芳香族ポリカーボネートに特定の陽イオン交換容量を有する層状珪酸塩及び該芳香族ポリカーボネートとの親和性を有しかつ親水性成分を有する化合物(より好適にはカルボキシル基および/またはその誘導体からなる官能基を有する重合体)を特定量含有させた樹脂組成物、さらには該樹脂組成物に高級脂肪酸と多価アルコールとの部分もしくはフルエステルを特定量含有させた、エポキシ化合物を特定量含有させた、及び/またはホスホン酸化合物を特定量含有させた樹脂組成物が、特定の分散状態において高い剛性と改善された熱安定性を有すると共に高温高湿下での芳香族ポリカーボネートの加水分解を大幅に抑制する特性を有することを見出した。本発明者らはかかる知見に基づいてさらに検討を進めた結果、前記層状珪酸塩を特定の有機オニウムイオンでイオン交換されてから微分散させると、該珪酸塩の含有量が比較的少量でも優れた剛性を有しかつ良好な耐加水分解性を有する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物となり、しかも成形品の表面外観も良好になること見出し、本発明を完成した。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、(1)(A)芳香族ポリカーボネート(A成分)100重量部、(B)50〜200ミリ当量/100gの陽イオン交換容量を有する層状珪酸塩(B成分)0.1〜50重量部、及び(C)芳香族ポリカーボネート(A成分)との親和性を有しかつ親水性成分を有する化合物(C成分)0.1〜50重量部よりなる組成物で、該組成物の耐加水分解試験でのA成分の粘度平均分子量の低下率(ΔMratio)が20%以下であることを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂組成物である。
【0011】
かかる構成(1)によれば、高い剛性と改善された熱安定性および耐加水分解性を有するという格別の効果(以下単に“本発明の効果”と総称することがある)を奏する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が提供される。
【0012】
本発明の好適な態様の1つは、(2)B成分が、陽イオン交換容量の40%以上が下記一般式(I)
【0013】
【化2】
Figure 2004203930
【0014】
[上記式(I)中、Mは窒素原子またはリン原子を表わし、R1およびR2は同一もしくは互いに異なる炭素原子数6〜16のアルキル基、R3およびR4は同一もしくは互いに異なる炭素原子数1〜4のアルキル基を表わす。]
で示される有機オニウムイオンによりイオン交換されている層状珪酸塩である、前記(1)の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物である。かかる構成(2)によれば、より顕著な本発明の効果を奏する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が提供される。
【0015】
本発明のより好適な態様の1つは、(3)有機オニウムイオンを示す上記一般式(I)におけるR1およびR2が炭素原子数7〜14のアルキル基である、前記(2)の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物である。かかる構成(3)によれば、格別に顕著な本発明の効果を奏する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が提供される。
【0016】
本発明のより好適な態様の1つは、(4)C成分が親水性成分としてカルボキシル基および/またはその誘導体からなる官能基を有するスチレン含有重合体(C−1成分)である、前記(1)、(2)または(3)の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物である。かかる構成(4)によれば、より顕著な本発明の効果を奏する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が提供される。
【0017】
本発明のより好適な態様の1つは、(5)C成分がスチレン−無水マレイン酸共重合体である、前記(4)の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物である。かかる構成(5)によれば、格別に顕著な本発明の効果を奏する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が提供される。
【0018】
本発明のより好適な態様の1つは、(6)組成物が、B成分とC成分とを予め溶融混練した後に、得られた溶融混練物とA成分とを溶融混練して調製されたものである、前記(1)〜(5)のいずれか1の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物である。かかる構成(6)によれば、各成分の分散性に優れ、顕著な本発明の効果を奏する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が提供される。
【0019】
本発明のより好適な態様の1つは、(7)さらに(D)高級脂肪酸と多価アルコールの部分エステルおよび/またはフルエステル(D成分)を、A成分100重量部当り0.005〜1重量部含有した、前記(1)〜(6)のいずれか1の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物である。かかる構成(7)によれば、顕著な本発明の効果を奏し、特により優れた耐加水分解性を有する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が提供される。
【0020】
本発明のより好適な態様の1つは、(8)さらに(E)エポキシ化合物(E成分)を、A成分100重量部当り0.005〜3重量部含有した、上記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。かかる構成(8)によれば、顕著な本発明の効果を奏し、特に熱安定性及び耐加水分解性の点で優れたる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が提供される。
【0021】
本発明のより好適な態様の1つは、(9)さらに(F)ホスホン酸化合物(F成分)を、A成分100重量部当り0.005〜3重量部含有した、前記(1)〜(8)のいずれか1の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物である。かかる構成(9)によれば、より顕著な本発明の効果を奏し、特に熱安定性の点で格段に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が提供される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の樹脂組成物を構成する各成分、それらの配合割合、調製方法等について、順次具体的に説明する。
【0023】
<A成分について>
本発明の樹脂組成物におけるA成分は芳香族ポリカーボネートであり、該樹脂組成物の主成分を構成する。代表的な芳香族ポリカーボネートは、2価フェノールとカーボネート前駆体とを反応させて得られるものであり、反応の方法としては界面重縮合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステル交換法および環状カーボネート化合物の開環重合法等を挙げることができる。
【0024】
前記2価フェノールの具体例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ビフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称“ビスフェノールA”)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等が挙げられる。これらのなかでも、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン、特にビスフェノールA(以下“BPA”と略称することがある)が汎用されている。
【0025】
本発明では、汎用の芳香族ポリカーボネートであるビスフェノールA系のポリカーボネート以外にも、さらに良好な耐加水分解性を得る目的で、他の2価フェノール類を使用した芳香族ポリカーボネ−トをA成分として使用することが可能である。
【0026】
例えば、2価フェノール成分の一部または全部として、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(以下“BPM”と略称することがある)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(以下“Bis−TMC”と略称することがある)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンおよび9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(以下“BCF”と略称することがある)を用いた芳香族ポリカーボネ−ト(単独重合体または共重合体)は、ポリマー自体が良好な耐加水分解性を有するので、吸水による寸法変化や形態安定性の要求が特に厳しい用途に好適である。これらのBPA以外の2価フェノールは芳香族ポリカーボネートを構成する2価フェノール成分全体の5モル%以上、特に10モル%以上、使用するのが好ましい。
【0027】
殊に、高剛性かつより良好な耐加水分解性が要求される場合には、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を構成するA成分として、次の(1)〜(3)の共重合ポリカーボネートを用いるのが特に好ましい。
(1)芳香族ポリカーボネートを構成する2価フェノール成分100モル%中、BPMが20〜80モル%(好ましくは40〜75モル%、さらに好ましくは45〜65モル%)であり、かつBCFが20〜80モル%(好ましくは25〜60モル%、さらに好ましくは35〜55モル%)である共重合ポリカーボネート。
(2)芳香族ポリカーボネートを構成する2価フェノール成分100モル%中、BPAが10〜95モル%(好ましくは50〜90モル%、さらに好ましくは60〜85モル%)であり、かつBCFが5〜90モル%(好ましくは10〜50モル%、さらに好ましくは15〜40モル%)である共重合ポリカーボネート。(3)芳香族ポリカーボネートを構成する2価フェノール成分100モル%中、BPMが20〜80モル%(好ましくは40〜75モル%、さらに好ましくは45〜65モル%)であり、かつBis−TMCが20〜80モル%(好ましくは25〜60モル%、さらに好ましくは35〜55モル%)である共重合ポリカーボネート。
【0028】
これら特殊な芳香族ポリカーボネートは、単独で用いてもよく、2種以上を適宜混合して使用してもよい。また、これらを汎用されているビスフェノールA型の芳香族ポリカーボネートと混合して使用することもできる。混合して用いる場合は、重量比で90/10〜10/90の割合とするのが特に好ましい。
【0029】
これら特殊な芳香族ポリカーボネートの製法および特性については、例えば特開平6−172508号公報、特開平8−27370号公報、特開2001−55435号公報、特開2002−117580号公報等に詳しく記載されている。
【0030】
なお、上述した各種の芳香族ポリカーボネートのなかでも、共重合組成等を調整して、吸水率およびTg(ガラス転移温度)を下記の範囲内にしたものは、ポリマー自体の耐加水分解性が良好で、かつ成形後の低反り性においても格段に優れているため、形態安定性が要求されるミラー等の分野では特に好適である。
(i)吸水率が0.05〜0.15%(好ましくは0.06〜0.13%)であり、かつTgが120〜180℃である芳香族ポリカーボネート。
(ii)Tgが160〜250℃(好ましくは170〜230℃)であり、かつ吸水率が0.10〜0.30%(好ましくは0.13〜0.30%、さらに好ましくは0.14〜0.27%)である芳香族ポリカーボネート。
【0031】
ここで、芳香族ポリカーボネートの吸水率は、直径45mm、厚み3.0mmの円板状試験片を用い、ISO62−1980に準拠して23℃の水中に24時間浸漬した後の水分率を測定した値である。また、Tg(ガラス転移温度)は、JIS K7121に準拠した示差走査熱量計(DSC)測定により求められる値である。
【0032】
一方、前記2価フェノールと反応させるカーボネート前駆体としては、例えばカルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が挙げられ、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは2価フェノールのジハロホルメート等が好ましく用いられる。
【0033】
このような2価フェノールとカーボネート前駆体とから界面重合法によってポリカーボネートを製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、2価フェノールが酸化するのを防止するための酸化防止剤等を使用してもよい。また、芳香族ポリカーボネートは3官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネートであってもよい。ここで使用される3官能以上の多官能性芳香族化合物としては、例えば1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン等が挙げられる。
【0034】
分岐ポリカーボネートを生ずる多官能性化合物を含む場合、その割合は、芳香族ポリカーボネート全量中、0.001〜1モル%、さらに0.005〜0.9モル%、特に0.01〜0.8モル%であることが好ましい。また、特に溶融エステル交換法の場合、副反応として分岐構造が生ずる場合があるが、かかる分岐構造量についても、芳香族ポリカーボネート全量中、0.001〜1モル%、さらに0.005〜0.9モル%、特に0.01〜0.8モル%であることが好ましい。なお、かかる分岐構造の割合については1H−NMR測定により算出することができる。
【0035】
また、A成分となる芳香族ポリカーボネートは、芳香族もしくは脂肪族(脂環族を含む)の2官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート、2官能性アルコール(脂環族を含む)を共重合した共重合ポリカーボネート並びにかかる2官能性カルボン酸および2官能性アルコールを共に共重合したポリエステルカーボネートであってもよい。また、得られた芳香族ポリカーボネートの2種以上をブレンドした混合物でも差し支えない。
【0036】
ここで用いる脂肪族の2官能性カルボン酸としては、α,ω−ジカルボン酸が好ましい。この脂肪族の2官能性カルボン酸としては、例えばセバシン酸(デカン二酸)、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、オクタデカン二酸、イコサン二酸等の直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸およびシクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸が好ましく挙げられる。2官能性アルコールとしては、脂環族ジオールがより好適であり、例えばシクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、トリシクロデカンジメタノール等が挙げられる。
【0037】
さらに、本発明では、A成分としてポリオルガノシロキサン単位を共重合した、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の使用も可能である。
【0038】
本発明の樹脂組成物においては、A成分の芳香族ポリカーボネートとしては、上述した2価フェノールの異なるポリカーボネート、分岐成分を含有するポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体等の各種芳香族ポリカーボネートの2種以上を混合したものであってもよい。さらに、製造法の異なるポリカーボネート、末端停止剤の異なるポリカーボネート等を2種以上混合したものも使用することもできる。混合して用いる場合は、重量比で90/10〜10/90の割合とするのが特に好ましい。
【0039】
芳香族ポリカーボネートの重合反応において、界面重縮合法による反応は、通常、2価フェノールとホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機溶媒の存在下に反応させる。酸結合剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促進のために、例えばトリエチルアミン、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド等の第3級アミン、第4級アンモニウム化合物、第4級ホスホニウム化合物等の触媒を用いることもできる。その際、反応温度は通常0〜40℃、反応時間は10分〜5時間程度、反応中のpHは9以上、13以下に保つのが好ましい。
【0040】
また、かかる重合反応においては、通常、末端停止剤が使用される。この末端停止剤としては単官能フェノール類を使用するのが好ましい。この単官能フェノール類としては、例えばフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノール等の単官能フェノール類を用いるのが好ましい。また、単官能フェノール類としては、例えばデシルフェノール、ドデシルフェノール、テトラデシルフェノール、ヘキサデシルフェノール、オクタデシルフェノール、エイコシルフェノール、ドコシルフェノールおよびトリアコンチルフェノール等を用いることができる。かかる末端停止剤は単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。
【0041】
溶融エステル交換法による反応は、通常、2価フェノールとカーボネートエステルとのエステル交換反応であり、不活性ガスの存在下に2価フェノールとカーボネートエステルとを加熱しながら混合して、生成するアルコールまたはフェノールを留出させる方法により行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノールの沸点等により異なるが、殆どの場合120〜350℃の範囲である。反応後期には反応系を1.33×103〜13.3Pa程度に減圧して生成するアルコールまたはフェノールの留出を容易にさせる。反応時間は1〜4時間程度である。
【0042】
前記カーボネートエステルとしては、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜10のアリール基、アラルキル基あるいは炭素原子数1〜4のアルキル基等のエステルが好ましく挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。
【0043】
また、重合速度を速めるために重合触媒を用いることができる。この重合触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、2価フェノールのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属化合物;水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素塩基性化合物等を用いることができる。さらに、アルカリ(土類)金属のアルコキシド類、アルカリ(土類)金属の有機酸塩類、ホウ素化合物類、ゲルマニウム化合物類、アンチモン化合物類、チタン化合物類、ジルコニウム化合物類等のエステル化反応、エステル交換反応に使用される触媒を用いることができる。触媒は単独で使用してもよく2種以上を組合せて使用してもよい。これらの重合触媒の使用量は、原料の2価フェノール1モルに対し、好ましくは1×10-8〜1×10-3当量、より好ましくは1×10-7〜5×10-4当量の範囲で選ばれる。
【0044】
溶融エステル交換法による反応では、生成ポリカーボネートのフェノール性末端基を減少する目的で、重縮反応の後期あるいは終了後に、例えば2−クロロフェニルフェニルカーボネート、2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネート、2−エトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネート等の化合物を加えることができる。
【0045】
さらに溶融エステル交換法では触媒の活性を中和する失活剤を用いることが好ましい。この失活剤は、残存する触媒1モルに対して0.5〜50モルの割合で用いるのが好ましい。また、重合後のポリカーボネートに対し、0.01〜500ppmの割合、さらには0.01〜300ppmの割合、特には0.01〜100ppmの割合で使用するのが好ましい。好ましい失活剤の例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等のホスホニウム塩、テトラエチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート等のアンモニウム塩が挙げられる。
【0046】
本発明において、A成分となる芳香族ポリカーボネートの粘度平均分子量は限定されない。しかしながら、粘度平均分子量は、10,000未満であると強度等が低下し、一方50,000を超えると成形加工特性が低下するようになるので、10,000〜50,000の範囲が好ましく、12,000〜30,000の範囲がより好ましく、14,000〜28,000の範囲が特に好ましい。この場合、成形性等が維持される範囲内で、粘度平均分子量が前記範囲外であるポリカーボネートを混合することも可能である。例えば、粘度平均分子量が50,000を超える高分子量の芳香族ポリカーボネート成分を配合することも可能である。
【0047】
本発明でいう粘度平均分子量は、まず、次式にて算出される比粘度(ηSP)を20℃で塩化メチレン100mlに芳香族ポリカーボネート0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求め、
【0048】
【数1】
比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0
[t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
求められた比粘度(ηSP)から次の数式により粘度平均分子量Mを算出する。
【0049】
【数2】
ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10-40.83
c=0.7
なお、本発明の樹脂組成物における粘度平均分子量を測定する場合は次の要領で行う。すなわち、該組成物をその20〜30倍重量の塩化メチレンに溶解し、そして可溶分をセライト濾過により採取した後、溶液を除去して十分に乾燥し、塩化メチレン可溶分の固体を得る。かかる固体0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液から20℃における比粘度(ηSP)を、オストワルド粘度計を用いて求め、上式によりその粘度平均分子量Mを算出する。
【0050】
<B成分について>
本発明の樹脂組成物を構成するB成分は、50〜200ミリ当量/100gの陽イオン交換容量を有し、好ましくは下記一般式(I)で示される有機オニウムイオンでイオン交換された層状珪酸塩である。
【0051】
【化3】
Figure 2004203930
【0052】
上記一般式(I)中、Mは窒素原子またはリン原子を表わす。また、R1およびR2はそれぞれ炭素原子数6〜16のアルキル基を表わし、これらは互いに同一であっても互いに相違してもよい。R3およびR4はそれぞれ炭素原子数1〜4のアルキル基を表わし、これらは互いに同一であっても互いに相違してもよい。なお、上記式(I)において、R1およびR2はいずれも直鎖状および分岐状のいずれも選択できる。また、R3およびR4がブチル基の場合、これらは直鎖状および分岐状のいずれも選択できる。
【0053】
更にこれらのR1およびR2は、好ましくは炭素原子数7〜14のアルキル基であり、より好ましくは炭素原子数7〜12のアルキル基であり、特に好ましくは炭素原子数8〜11のアルキル基である。また、R3およびR4は、好ましくは炭素原子数1〜3のアルキル基であり、より好ましくはメチル基またはエチル基であり、特に好ましくはメチル基である。したがって、R1およびR2がともに炭素原子数7〜14のアルキル基でありかつR3およびR4がメチル基であるものが最適である。
【0054】
かかる有機オニウムイオンの具体例としては、ジメチルジオクチルアンモニウム、ジメチルジデシルアンモニウム、ジメチルジドデシルアンモニウム、ジメチルジテトラデシルアンモニウム、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム、ジエチルジドデシルアンモニウム、ジエチルジテトラデシルアンモニウム、ジエチルジヘキサデシルアンモニウム、ジブチルジオクチルアンモニウム、ジブチルジデシルアンモニウムおよびジブチルジドデシルアンモニウム等が例示される。さらに、前記アンモニウムイオンの窒素原子がリン原子に置換したホスホニウムイオンが例示される。
【0055】
B成分の層状珪酸塩は、SiO2連鎖からなるSiO4四面体シート構造とAl、Mg、Li等を含む八面体シート構造との組合せからなる層からなり、その層間に交換性陽イオンの配位した珪酸塩(シリケート)または粘土鉱物(クレー)である。これら珪酸塩(シリケート)または粘土鉱物(クレー)は、スメクタイト系鉱物、バーミキュライト、ハロイサイトおよび膨潤性雲母等に代表される。具体的には、スメクタイト系鉱物としては、モンモリロナイト、ヘクトライト、フッ素ヘクトライト、サポナイト、バイデライト、スチブンサイト等が好ましく例示でき、また膨潤性雲母としては、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母、Li型四珪素フッ素雲母等の膨潤性合成雲母等が好ましく例示できる。これら層状珪酸塩は天然品および合成品のいずれも使用可能である。合成品は、例えば、水熱合成、溶融合成、固体反応によって製造される。
【0056】
かかる層状珪酸塩のなかでも、陽イオン交換容量等の点から、モンモリロナイト、ヘクトライト等のスメクタイト系粘土鉱物、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母等の膨潤性を持ったフッ素雲母が好適に用いられ、ベントナイトを精製して得られるモンモリロナイトや合成フッ素雲母が、純度等の点からより好適である。なかでも、良好な機械特性が得られる合成フッ素雲母が特に好ましい。
【0057】
前記B成分である層状珪酸塩の陽イオン交換容量(陽イオン交換能ともいう)は、50〜200ミリ当量/100gであることが必要とされ、好ましくは80〜150ミリ当量/100g、さらに好ましくは100〜150ミリ当量/100gである。陽イオン交換容量は、土壌標準分析法として国内の公定法となっているショーレンベルガー改良法によってCEC値として測定される。すなわち、層状珪酸塩の陽イオン交換容量は、A成分である芳香族ポリカーボネートへの良好な分散性を得るために、50ミリ当量/100g以上必要であるが、200ミリ当量/100gより大きくなると芳香族ポリカーボネートの熱劣化が大きくなり、それに伴って本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の熱劣化への影響が大きくなってくる。この層状珪酸塩は、そのpHの値が7〜10.5であることが好ましい。pHの値が10.5より大きくなると、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の熱安定性が低下する傾向が現れてくる。
【0058】
B成分の層状珪酸塩における有機オニウムイオンは、通常、ハロゲンイオン、ヒドロキシドイオンおよびアセテートイオン等のアニオン類との塩として取り扱われる。かかる有機オニウムイオンの塩化合物を層状珪酸塩に反応させて、B成分として好ましい層状珪酸塩が得られる。
【0059】
すなわち、層状珪酸塩への有機オニウムイオンのイオン交換は、極性溶媒中に分散させた層状珪酸塩に、上記式(I)で示される有機オニウムイオン化合物(有機オニウムイオンの塩化合物)を添加し、析出してくるイオン交換化合物を収集することによって作成することができる。通常、このイオン交換反応は、有機オニウムイオン化合物を、層状珪酸塩のイオン交換容量の1当量に対し1.0〜1.5当量の割合で加えて、ほぼ全量の層間の金属イオンを有機オニウムイオンで交換させるのが一般的である。しかし、このイオン交換容量に対する交換割合を一定の範囲に制御することも、芳香族ポリカーボネートの熱劣化を抑制する上で有効である。ここで、有機オニウムイオンでイオン交換される割合は、層状珪酸塩のイオン交換容量の40%以上であることが好ましい。かかるイオン交換の割合は、該イオン交換容量に対し、さらに好ましくは40〜95%であり、特に好ましくは40〜80%である。尚、ここで40%の割合とは、例えば層状珪酸塩の陽イオン交換容量が110ミリ当量/100gの場合には、その40%となる44ミリ当量/100g分が有機オニウムイオンでイオン交換されていることを指す。また、有機オニウムイオンの交換割合は、交換後の化合物について、熱重量測定装置等を用いて、有機オニウムイオンの熱分解による重量減少を求めることにより算出することができる。
【0060】
<C成分について>
本発明の樹脂組成物を構成するC成分は、A成分である芳香族ポリカーボネートと親和性を有しかつ親水性成分を有する化合物である。このC成分は、芳香族ポリカーボネート(A成分)および前記層状珪酸塩(B成分)の双方に対する良好な親和性を生み出す。これら双方に対する親和性はこれら2成分の相溶性を向上させ、層状珪酸塩がマトリックスとなる芳香族ポリカーボネート中で微細かつ安定して分散するようになる。
【0061】
層状珪酸塩の分散に関するC成分の機能は、異種ポリマー同士を相溶化させるために使用されるポリマーアロイ用相溶化剤(コンパティビライザー)と同様と推測される。したがって、このC成分は、低分子化合物よりも高分子化合物、すなわち重合体であることが好ましい。また、重合体の方が混練加工時の熱安定性にも優れるため有利である。該重合体の平均繰り返し単位数は5以上が好ましく、10以上がより好ましい。一方、該重合体の平均分子量の上限については数平均分子量で2,000,000以下であることが好ましい。数平均分子量がかかる上限を超えない場合には良好な成形加工性が得られる。
【0062】
本発明の樹脂組成物に配合されるC成分が重合体である場合、その基本的構造としては、例えば、以下のようなものが挙げられる。
ア)前記芳香族ポリカーボネートに親和性を有する成分をα、親水性成分をβとするとき、αとβとからなるグラフト共重合体(主鎖がα、グラフト鎖がβ、並びに主鎖がβ、グラフト鎖がαのいずれも選択できる。)、αとβとからなるブロック共重合体(ジ−、トリ、等ブロックセグメント数は2以上を選択でき、ラジアルブロックタイプ等を含む。)並びにαとβとからなるランダム共重合体。
イ)前記芳香族ポリカーボネートに親和性を有する成分をα、親水性成分をβとするとき、αの機能は重合体全体によって発現され、βが該α内に含まれる構造を有する重合体。
【0063】
前記構造ア)において、αおよびβは重合体セグメント単位および単量体単位のいずれをも意味するが、αは芳香族ポリカーボネートとの親和性の観点から重合体セグメント単位であることが好ましい。また、前記構造イ)は、α単独では芳香族ポリカーボネートとの親和性が十分ではないものの、αとβとが組み合わされ一体化されることにより、良好な親和性が発現する場合である。α単独の場合にも芳香族ポリカーボネートとの親和性が良好であって、かつβとの組合せによってさらに親和性が向上する場合もある。したがって、これらの構造ア)およびイ)はその一部において重複することがある。
【0064】
本発明におけるC成分としては、αのみでも芳香族ポリカーボネートに対する親和性が高く、さらにβが付加したC成分全体においてその親和性が一段と高くなるものが好適である。
【0065】
次に、C成分における芳香族ポリカーボネートに親和性を有する成分(以下、αと称する場合がある)について詳述する。前記の如くC成分は、ポリマーアロイにおける相溶化剤との同様の働きをすると考えられることから、αには相溶化剤と同様の重合体に対する親和性が求められる。したがって、αは非反応型と反応型とに大略分類できる。
【0066】
非反応型では、以下の要因を有する場合に親和性が良好となる。すなわち、芳香族ポリカーボネートとαとの間に、▲1▼化学構造の類似性、▲2▼溶解度パラメータの近似性(溶解度パラメータの差が1(cal/cm31/2以内、すなわち約2.05(MPa)1/2以内が目安とされる)、▲3▼分子間相互作用(水素結合、イオン間相互作用等)およびランダム重合体特有の擬引力的相互作用等の要因を有することが望まれる。これらの要因は相溶化剤とポリマーアロイのベースになる重合体との親和性を判断する指標としても知られている。反応型では、相溶化剤において芳香族ポリカーボネートと反応性を有する官能基を有するものを挙げることができる。例えば、芳香族ポリカーボネートに対して反応性を有する、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、エポキシ基、オキサゾリン基、エステル基、エステル結合、カーボネート基およびカーボネート結合等を例示することができる。
【0067】
一方で、芳香族ポリカーボネートとαとが良好な親和性をもつ場合、その結果として芳香族ポリカーボネートとαとの混合物において単一のガラス転移温度(Tg)を示すか、または芳香族ポリカーボネートのTgがαのTgの側に移動する挙動が認められるので、芳香族ポリカーボネートと親和性を有する成分(α)は、かかる挙動により判別することができる。
【0068】
上述の如く、C成分における芳香族ポリカーボネートと親和性を有する成分(α)は、非反応型であることが好ましく、殊に溶解度パラメータが近似することにより良好な親和性を発揮することが好ましい。これは反応型に比較して芳香族ポリカーボネート(A成分)との親和性により優れるためである。また反応型は過度に反応性を高めた場合、副反応によって重合体の熱劣化が促進される欠点がある。
【0069】
芳香族ポリカーボネートおよびC成分のαの溶解度パラメータは次の関係を有することが好ましい。すなわち、芳香族ポリカーボネートの溶解度パラメータをδA((MPa)1/2)とし、C成分におけるαの溶解度パラメータまたはC成分全体の溶解度パラメータをδα((MPa)1/2)としたとき、次式:
【0070】
【数3】
δα=δA±2 ((MPa)1/2
の関係を有することが好ましい。
【0071】
例えば、A成分である芳香族ポリカーボネートの溶解度パラメータは、通常、約10(cal/cm31/2(すなわち約20.5((MPa)1/2))とされていることから、δαは18.5〜22.5((MPa)1/2)の範囲が好ましく、19〜22((MPa)1/2)の範囲がより好ましい。
【0072】
かかる溶解度パラメータδαを満足する重合体成分の具体例としては、スチレンポリマー、アルキル(メタ)アクリレートポリマー、アクリロニトリルポリマー(例えばポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリメチルメタクリレート、スチレン−メチルメタクリレート共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体等に代表される)等のビニル系重合体を好ましく挙げることができる。本発明の樹脂組成物の耐熱性を保持するためには、Tgの高い重合体成分を用いることが好ましい。
【0073】
ここで溶解度パラメータは、「ポリマー・ハンドブック 第4版」(A WILEY-INTERSCIENCE PUBLICATION,1999年)中に記載されたSmallの値を用いた置換基寄与法(Group contribution methods)による理論的な推算方法が利用できる。芳香族ポリカーボネートのTgは既に述べたようにJIS K7121に準拠した示差走査熱量計(DSC)測定により求めることが可能である。
【0074】
前記のA成分の芳香族ポリカーボネートと親和性を有する成分αは、C成分中5重量%以上であることが好ましく、10重量%以上がより好ましく、30重量%以上がさらに好ましく、50重量%以上が特に好ましい。C成分全体をαとする態様も可能であることから、上限は100重量%であってよい。
【0075】
一方、C成分における親水性成分(以下、βと称する場合がある)は、親水基(水との相互作用の強い有機性の原子団)を有する単量体および親水性重合体成分(重合体セグメント)より選択される。親水基はそれ自体広く知られ、下記の基が例示される。
1)強親水性の基:−SO3H、−SO3M、−OSO3H、−OSO3H、−COOM、−NR3X(R:アルキル基、X:ハロゲン原子、M:アルカリ金属、−NH4) 等、
2)やや小さい親水性を有する基:−COOH、−NH2、−CN、−OH、−NHCONH2 等、
3)親水性が無いかまたは小さい基:−CH2OCH3、−OCH3、−COOCH3、−CS 等。
【0076】
本発明の樹脂組成物を構成するC成分としては、親水基が前記1)または2)に分類されるものが好ましく使用され、なかでも、前記2)の親水基は芳香族ポリカーボネートの溶融加工時の熱安定性により優れるため好ましい。親水性が高すぎる場合には芳香族ポリカーボネートの熱劣化が生じやすくなる。これはかかる親水基が直接カーボネート結合と反応し、熱分解反応を生じるためである。
【0077】
なお、かかる親水基は1価および2価以上の基のいずれであってもよい。C成分が重合体の場合、2価以上の官能基とは該基が重合体の主鎖を構成しないものを指し、主鎖を構成するものは結合として官能基とは区別する。具体的には、主鎖を構成する炭素等の原子に付加した基、側鎖の基および分子鎖末端の基は、2価以上であっても官能基である。
【0078】
親水基のより具体的な指標は、溶解度パラメータである。溶解度パラメータの値が大きいほど親水性が高くなることは広く知られている。基ごとの溶解度パラメータは、Fedorsによる基ごとの凝集エネルギー(Ecoh)および基ごとのモル体積(V)より算出することができる(「ポリマー・ハンドブック 第4版」(A WILEY-INTERSCIENCE PUBLICATION),VII/685頁、1999年、Polym.Eng.Sci.,第14巻,147および472頁,1974年、等参照)。さらに親水性の大小関係のみを比較する観点からは、凝集エネルギー(Ecoh)をモル体積(V)で除した数値(Ecoh/V;以下単位は“J/cm3”とする)を親水性の指標として使用できる。
【0079】
C成分の親水性成分(β)に含まれる親水基は、Ecoh/Vが600以上であることが好ましく、より好ましくはEcoh/Vは800以上である。800以上の場合にはA成分の芳香族ポリカーボネートにおけるカーボネート結合のEcoh/Vを超え、カーボネート結合よりも高い親水性を有する。Ecoh/Vは900以上がさらに好ましく、950以上が特に好ましい。一方、親水性が高すぎる場合には、既に述べたように芳香族ポリカーボネートの熱劣化が生じ易くなる。このため、Ecoh/Vは2,500以下が好ましく、2,000以下がより好ましく、1,500以下が特に好ましい。
【0080】
C成分の親水性成分(β)として親水性重合体成分(重合体セグメント)も選択され得る。C成分の重合体中に含まれる親水性重合体のセグメントはβとなる親水性重合体としては、ポリアルキレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸金属塩(キレート型を含む)、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシエチルメタクリレート等が例示される。これらのなかでも、ポリアルキレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、ポリヒドロキシエチルメタクリレートが好ましく例示される。これらは良好な親水性と芳香族ポリカーボネート(A成分)に対する熱安定性(溶融加工時の芳香族ポリカーボネートの熱分解の抑制)とが両立するため好適である。なお、ポリアルキレンオキシドとしては、ポリエチレンオキシドおよびポリプロピレンオキシドが好ましい。
【0081】
親水基を有する単量体および親水性重合体成分のいずれにおいても、βは酸性の官能基(以下単に“酸性基”と称することがある)を有するのが好ましい。かかる酸性基は、樹脂組成物の溶融加工時の熱劣化を抑制する。とりわけ、窒素原子を含まない酸性基がより好適である。好適な酸性基としては、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、スルホン酸基、スルフィン酸基、ホスホン酸基およびホスフィン酸基等が例示される。
【0082】
これに比して、アミド基やイミド基等の窒素原子を含む官能基は溶融加工時の芳香族ポリカーボネートの熱劣化を十分には抑制しない場合がある。これは窒素原子が局所的に塩基性を有しカーボネート結合の熱分解を生じさせるためと考えられる。
【0083】
C成分におけるβの割合は、βが親水基を有する単量体の場合、官能基1つ当たりの分子量である官能基当量として、60〜10,000であり、70〜8,000が好ましく、80〜6,000がより好ましく、100〜3,000が特に好ましい。また、βが親水性重合体セグメントの場合、C成分100重量%中βが5〜95重量%の範囲にあることが好ましく、10〜90重量%がより好ましい。とりわけ30〜70重量%が好ましく、30〜50重量%がさらに好ましい。
【0084】
前記芳香族ポリカーボネートに対して親和性を有する成分(α)と親水性成分(β)とを有する有機化合物(C成分)の製造方法としては、βの単量体とαを構成する単量体とを共重合する方法、βの重合体成分をαとブロックまたはグラフト共重合する方法、およびβをαに直接反応させて付加する方法、等が例示される。
【0085】
かかるC成分の具体例として、A成分である芳香族ポリカーボネートとの親和性を有しかつ酸性の官能基を有する重合体、A成分との親和性を有しかつポリアルキレンオキシドセグメントを有する重合体、A成分との親和性を有しかつオキサゾリン基を有する重合体、A成分との親和性を有しかつ水酸基を有する重合体等、が例示される。これらのC成分として好ましい重合体は、その分子量が重量平均分子量において1万〜100万であるの好ましく、5万〜50万がより好ましい。かかる重量平均分子量は標準ポリスチレン樹脂による較正直線を使用したGPC測定によりポリスチレン換算の値として算出される。
【0086】
<C-1成分について>
上述したC成分のなかでも、芳香族ポリカーボネートとの親和性を有しかつ酸性の官能基を有する重合体が好ましく、さらには芳香族ポリカーボネートとの親和性を有しかつ親水性成分としてカルボキシル基および/またはその誘導体からなる官能基を有する重合体が好ましい。また、芳香族ポリカーボネートの耐熱性保持効果の観点から、該重合体は芳香環成分を主鎖に有するものおよびスチレン成分を主鎖に有するものが好ましい。これらの観点から、親水性成分としてカルボキシル基および/またはその誘導体からなる官能基を有するスチレン含有重合体(C-1成分)が本発明の樹脂組成物におけるC成分として特に好適である。ここでスチレン含有重合体とは、スチレン等の芳香族ビニル化合物を重合した繰返し単位を重合体成分として含有する重合体を指す。
【0087】
C-1成分中のカルボキシル基および/またはその誘導体からなる官能基の割合は、0.1〜12ミリ当量/gが好ましく、0.5〜5ミリ当量/gがより好ましい。ここでC-1成分における1当量とは、カルボキシル基が1モル存在することをいい、その値は水酸化カリウム等の逆滴定により算出することが可能である。
【0088】
カルボキシル基の誘導体からなる官能基としては、カルボキシル基の水酸基を(i)金属イオンで置換した金属塩(キレート塩を含む)、(ii)塩素原子で置換した酸塩化物、(iii)−ORで置換したエステル(Rは一価の炭化水素基)、(iv)−O(CO)Rで置換した酸無水物(Rは一価の炭化水素基)、(v)−NR2で置換したアミド(Rは水素または一価の炭化水素基)、(vi)2つのカルボキシル基の水酸基を=NRで置換したイミド(Rは水素または一価の炭化水素基)等を挙げることができる。
【0089】
カルボキシル基および/またはその誘導体からなる官能基(以下、単に“カルボキシル基類”と称することがある)を有するスチレン含有重合体の製造方法としては、従来公知の方法を用いることができる。例えば、(a)カルボキシル基類を有する単量体とスチレン系単量体とを共重合する方法、(b)スチレン含有重合体に対してカルボキシル基類を有する化合物または単量体を結合または共重合する方法等を挙げることができる。
【0090】
前記(a)の方法では、溶液重合、懸濁重合、塊状重合等のラジカル重合法の他、アニオンリビング重合法やグループトランスファー重合法等の各種重合方法を採用することができる。さらに一旦マクロモノマーを形成した後重合する方法も可能である。共重合体の形態はランダム共重合体の他に、交互共重合体、ブロック共重合体、テーパード共重合体等の各種形態の共重合体として使用することができる。前記(b)の方法では、一般的にはスチレン含有重合体または共重合体に、必要に応じて、パーオキサイドや2,3−ジメチル−2,3ジフェニルブタン(通称“ジクミル”)等のラジカル発生剤を加え、高温下で反応または共重合する方法を採用することができる。かかる方法はスチレン含有重合体または共重合体に熱的に反応活性点を生成し、かかる活性点に反応する化合物または単量体を反応させるものである。反応に要する活性点を生成するその他の方法として、放射線や電子線の照射やメカノケミカル手法による外力の付与等の方法も挙げられる。さらにスチレン含有共重合体中に予め反応に要する活性点を生成する単量体を共重合しておく方法も挙げられる。反応のための活性点としては不飽和結合、パーオキサイド結合、立体障害が高く熱的に安定なニトロオキシドラジカル等を挙げることができる。
【0091】
前記カルボキシル基類を有する化合物または単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和モノカルボン酸およびその誘導体、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド等の無水マレイン酸の誘導体、グルタルイミド構造やアクリル酸と多価の金属イオンで形成されたキレート構造等が挙げられる。これらのなかでも金属イオンや窒素原子を含まない官能基を有する単量体が好適であり、カルボキシル基またはカルボン酸無水物基を有する単量体、特に無水マレイン酸が好適である。
【0092】
また、スチレン系単量体化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン、α−メチルビニルトルエン、ジメチルスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ビニルナフタレン等を用いることができるが、特にスチレンが好ましい。さらに、これらのスチレン系単量体化合物と共重合可能な他の化合物、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等を共重合成分として使用しても差し支えない。
【0093】
本発明におけるC-1成分として好適なものは、カルボキシル基類を有する単量体を共重合してなるスチレン含有共重合体である。かかる共重合体においては比較的多くのカルボキシル基類を安定してスチレン含有重合体中に含むことが可能となるためである。より好適な態様としてカルボキシル基類を有する単量体とスチレン系単量体とを共重合してなるスチレン含有共重合体を挙げることができ、なかでも好適なものはスチレン−無水マレイン酸共重合体である。このスチレン−無水マレイン酸共重合体は、層状珪酸塩中のイオン成分および芳香族ポリカーボネートのいずれに対しても高い相溶性を有することから、層状珪酸塩(B成分)を良好に微分散させることができ、好適な条件を選べばナノオーダーに微分散させることも可能である。さらに、カルボン酸無水物基の作用により層状珪酸塩、殊に有機化層状珪酸塩を含有する樹脂組成物において良好な熱安定性が得られる。またかかる共重合体はそれ自体の熱安定性が良好であるため、芳香族ポリカーボネート樹脂の溶融加工に必要な高温条件に対しても高い安定性を有する。
【0094】
カルボキシル基類を有する単量体を共重合してなるスチレン含有共重合体の組成については、上述のβの割合における条件を満足する限り制限されないが、カルボキシル基類を有する単量体からの成分を1〜30重量%(特に5〜25重量%)、スチレン系単量体化合物成分を99〜70重量%(特に95〜75重量%)含み、共重合可能な他の化合物成分を0〜29重量%含むものを用いるのが好ましく、カルボキシル基類を有する単量体を1〜30重量%(特に5〜25重量%)、スチレン系単量体化合物を99〜70重量%(特に95〜75重量%)含む共重合体が特に好ましい。
【0095】
前記C-1成分の分子量は特に制限されないが、その重量平均分子量は1万〜100万の範囲にあることが好ましく、5万〜50万がより好ましい。なお、ここいう重量平均分子量は、標準ポリスチレン樹脂による較正直線を使用したGPC測定によりポリスチレン換算の値として算出されるものである。
【0096】
<他のC成分について>
他の好適なC成分としては、親水基としてオキサゾリン基を含有するスチレン含有共重合体(C-2成分)が挙げられる。かかる共重合体を形成するスチレン系単量体化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン、α−メチルビニルトルエン、ジメチルスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ビニルナフタレン等を用いることができる。さらに、これらの化合物と共重合可能な他の化合物、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等を共重合成分として使用しても差し支えない。特に好適なC−2成分の具体例としては、スチレン(2−イソプロペニル−2−オキサゾリン)−スチレン−アクリロニトリル共重合体が例示される。
【0097】
また、他の好適なC成分としては、ポリアルキレンオキシドセグメントを有するポリエーテルエステル共重合体(C-3成分)がある。このポリエーテルエステル共重合体は、ジカルボン酸、アルキレングリコールおよびポリ(アルキレンオキシド)グリコール並びにこれらの誘導体から重縮合を行うことにより製造される重合体である。かかるC-3成分として特に好適なものは、重合度10〜120のポリ(アルキレンオキシド)グリコールあるいはその誘導体、テトラメチレングリコールを65モル%以上含有するアルキレングリコールあるいはその誘導体およびテレフタル酸を60モル%以上含有するジカルボン酸あるいはその誘導体から製造される共重合体である。
【0098】
<D成分について>
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物において含有することが好適なD成分は、高級脂肪酸と多価アルコールとの部分エステルおよび/またはフルエステルである。かかるD成分は、層状珪酸塩を含む芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の耐加水分解性をさらに向上させる効果を発揮する。かかる耐加水分解性の向上の原因は明らかではないものの、加水分解の原因となるイオン性の化合物を捕捉し、中和する作用があるものと予想される。
【0099】
ここで、高級脂肪酸とは炭素原子数10〜32の脂肪族カルボン酸を指し、その具体例としては、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸(ステアリン酸)、ノナデカン酸、イコサン酸、ドコサン酸、ヘキサコサン酸等の飽和脂肪族カルボン酸、並びに、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコセン酸、エイコサペンタエン酸、セトレイン酸等の不飽和脂肪族カルボン酸を挙げることができる。これらのなかでも脂肪族カルボン酸としては炭素原子数10〜22のものが好ましく、炭素原子数14〜20であるものがさらに好ましい。特に炭素原子数14〜20の飽和脂肪族カルボン酸、特にステアリン酸およびパルミチン酸が好ましい。ステアリン酸等の脂肪族カルボン酸は、通常、炭素原子数の異なる他のカルボン酸成分を含む混合物である。前記D成分においても、かかる天然油脂類から製造され他のカルボン酸成分を含む混合物の形態からなるステアリン酸やパルミチン酸から得られたエステル化合物が好ましく使用される。
【0100】
一方、多価アルコールとしては炭素原子数3〜32のものが好ましい。かかる多価アルコールの具体例としては、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン(例えばデカグリセリン等)、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジエチレングリコールおよびプロピレングリコール等が好ましく挙げられる。
【0101】
これらの中で、特にD成分としてより好ましいものは、ステアリン酸を主成分とする高級脂肪酸とグリセリンとの部分エステルであり、この部分エステルは、例えば理研ビタミン(株)より「リケマールS−100A」という商品名で市販されており、市場から容易に入手することができる。
【0102】
<E成分について>
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物において含有することが好適なE成分は、エポキシ化合物である。このエポキシ化合物を含む場合にはより良好な熱安定性及び耐加水分解性が得られる。
【0103】
このエポキシ化合物としては、1分子中にエポキシ基を1個以上有する化合物が用いられる。具体的には、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、2,3−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、4−(3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシル)ブチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチレンオキシド、シクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−6’−メチルシロヘキシルカルボキシレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAグリシジルエーテル、フタル酸のジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸のジグリシジルエステル、ビス−エポキシジシクロペンタジエニルエーテル、ビス−エポキシエチレングリコール、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−アジペート、ブタジエンジエポキシド、テトラフェニルエチレンエポキシド、オクチルエポキシタレート、エポキシ化ポリブタジエン、3,4−ジメチル−1,2−エポキシシクロヘキサン、3,5−ジメチル−1,2−エポキシシクロヘキサン、3−メチル−5−tert−ブチル−1,2−エポキシシクロヘキサン、オクタデシル−2,2−ジメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、N−ブチル−2,2−ジメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、シクロヘキシル−2−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、N−ブチル−2−イソプロピル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、オクタデシル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、2−エチルヘキシル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、4,6−ジメチル−2,3−エポキシシクロヘキシル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、4,5−エポキシ無水テトラヒドロフタル酸、3−tert−ブチル−4,5−エポキシ無水テトラヒドロフタル酸、ジエチル4,5−エポキシ−シス−1,2−シクロヘキシルジカルボキシレート、ジ−n−ブチル−3−tert−ブチル−4,5−エポキシ−シス−1,2−シクロヘキシルジカルボキシレート、エポキシブチルステアレート、エポキシオクチルステアレート、p−ブチルフェニルグリシジルエーテル、スチレンオキシド、ネオヘキセンオキシド、ジグリシジルアジペート、ジグリシジルセバシネート、ビス−エポキシジシクロペンタジエニルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、エポキシ化スチレン−ブタジエン系共重合体、エポキシ化水素化スチレン−ブタジエン系共重合体、ビスフェノール−A型エポキシ化合物、ビスフェノール−S型エポキシ化合物、フエノールノボラック型エポキシ化合物、レゾルシノール型エポキシ化合物、3,4−エポキシシクロヘキシルグリシジルエーテルなどの脂環式エポキシ化合物などを挙げることができる。これらは単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
【0104】
その他珪素原子を含有するエポキシ化合物として、3−グリシジルプロポキシ−トリエトキシシラン、3−グリシジルプロポキシ−トリブトキシシラン、3−グリシジルプロポキシ−トリヘキソキシシラン、3−グリシジルプロポキシ−トリオクトキシシラン、テトラキス−(2,3−エポキシ−プロポキシ)−シラン、およびメチル−トリス−(2,3−エポキシ−プロポキシ)−シランなどが例示される。
【0105】
これらのうち、脂環族エポキシ化合物が好ましく用いられ、特に3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレートが好ましく用いられる。
【0106】
<F成分について>
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物において含有することが好適なF成分は、ホスホン酸化合物である。このホスホン酸化合物を含む場合にはより良好な熱安定性及び耐加水分解性が得られる。
【0107】
このホスホン酸化合物としては、ホスホン酸、ホスホン酸モノエステルなどが好ましく例示され、具体的にはアルキルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ホスホン酸モノアルキルエステル、ホスホン酸モノフェニルエステル等が好ましく例示される。
【0108】
<各成分の組成割合について>
次に、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物における前記各成分の組成割合(含有量)について説明する。
【0109】
芳香族ポリカーボネート樹脂組成物におけるB成分の層状珪酸塩の組成割合は、A成分100重量部当り0.1〜50重量部であり、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.5〜15重量部、さらに好ましくは1〜10重量部、特に好ましくは2〜10重量部である。B成分の組成割合が前記下限より少ないときには、層状珪酸塩を配合した効果が十分発現せず、したがって高剛性を実現する上で不十分となる。他方、B成分の組成割合が前記上限より多いときには、樹脂組成物の耐熱性や熱安定性の低下により、環境安定性が悪化するので好ましくない。
【0110】
なお、樹脂組成物の剛性向上効果は、樹脂組成物中におけるB成分(珪酸塩)中の無機分の含有量に影響されるが、本発明の樹脂組成物では前記無機分の含有量が全体の10重量%以下の少量でも樹脂組成物成形品の剛性を有意に向上することができるので、B成分の配合による他の特性への悪影響なしに剛性の向上を図ることができ、しかも、特定の有機オニウムイオンでイオン交換したB成分の使用によって耐加水分解性の顕著な改善が達成される。
【0111】
C成分、すなわちA成分の芳香族ポリカーボネートと親和性を有しかつ親水性成分を有する化合物の組成割合は、A成分100重量部当り0.1〜50重量部である。A成分100重量部当りのC成分の組成割合は、好ましくは0.5〜20重量部であり、さらに好ましくは1〜15重量部である。前記範囲においては層状珪酸塩の良好な微分散(ナノ分散)および熱安定性の向上が達成されるため、高剛性および熱安定性においてより優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が提供される。この熱安定性の向上によって、高温高湿下での環境安定性も良好となる。
【0112】
D成分の高級脂肪酸と多価アルコールの部分エステルおよび/またはフルエステルの組成割合は、A成分100重量部当り、0.005〜1重量部であることが好ましい。より好ましくは0.01〜1重量部、さらに好ましくは0.02〜0.8重量部、特に好ましくは0.03〜0.5重量部である。前記範囲においては樹脂組成物の耐加水分解性がさらに向上する。D成分のかかる組成割合が前記下限より小さい場合には耐加水分解性のさらなる改良効果が小さく、またD成分のかかる組成割合が前記上限より大きい場合にはD成分自体の熱劣化を生じやすくなるので、好ましくない。
【0113】
E成分のエポキシ化合物の組成割合は、A成分100重量部当り、0.005〜3重量部であることが好ましい。より好ましくは0.01〜2重量部、さらに好ましくは0.05〜2重量部、特に好ましくは0.1〜1.5重量部である。前記範囲においては樹脂組成物の熱安定性や耐加水分解性がさらに向上する。E成分のかかる組成割合が前記下限より小さい場合には熱安定性や耐加水分解性のさらなる改良効果が小さく、またE成分のかかる組成割合が前記上限より大きい場合には樹脂組成物の成形加工性が低下するので、好ましくない。
【0114】
さらにF成分のホスホン酸化合物の組成割合は、A成分100重量部当り、0.005〜3重量部であることが好ましい。より好ましくは0.01〜2重量部、さらに好ましくは0.01〜1重量部、特に好ましくは0.05〜0.5重量部である。前記範囲においては樹脂組成物の熱安定性や耐加水分解性がさらに向上する。F成分のかかる組成割合が前記下限より小さい場合には熱安定性や耐加水分解性のさらなる改良効果が小さく、またF成分のかかる組成割合が前記上限より大きい場合には樹脂組成物の熱安定性が低下するので、好ましくない。
【0115】
本発明の樹脂組成物において耐加水分解性向上作用を示す上記のD成分、E成分、およびF成分は、単独の使用だけでなく2種以上を併用して使用することができ、殊にD成分に加えてE成分および/またはF成分を使用することが好ましい。
【0116】
<樹脂組成物の耐加水分解性について>
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、組成物の耐加水分解試験でのA成分の粘度平均分子量の低下率(ΔMratio)が20%以下である。この低下率(ΔMratio)は、好ましくは18%以下、さらに好ましくは15%以下である。この粘度平均分子量の低下率が20%より大きくなると、樹脂組成物の実用上の耐加水分解性が不足することになるので、好ましくない。
【0117】
ここで、A成分の粘度平均分子量の低下率(ΔMratio)は、試験片(寸法:長さ127mm×幅12.7mm×厚み6.4mm)を温度105℃、相対湿度100%のプレッシャークッカーに10時間放置して処理した後、温度23℃、相対湿度50%の環境下で24時間放置した試験片(処理後の試験片)を用いて測定するA成分の粘度平均分子量と、温度23℃、相対湿度50%の環境下で74時間放置した試験片(処理前の試験片)を用いて測定するA成分の粘度平均分子量を、下記数式にしたがって計算し、恒温恒湿試験後の粘度平均分子量の低下率(ΔMratio)を算出する。なお、A成分の粘度平均分子量は前記した粘度平均分子量の測定方法によって求める。
【0118】
【数4】
ΔMratio=100×[(処理前の試験片の粘度平均分子量)−(処理後の試験片の粘度平均分子量)]/(処理前の試験片の粘度平均分子量)
この数値が小さいほど成形した樹脂組成物の耐加水分解性が良好であることを示す。
【0119】
<必要により配合し得る付加的成分について>
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、A成分、B成分及びC成分で構成されるが、好ましくはさらにD成分、E成分および/またはF成分を含む組成で構成される。さらに芳香族ポリカーボネート樹脂組成物には、必要に応じ、付加的成分として前記各成分以外の重合体やその他の添加剤を付加的成分として添加しても差し支えない。かかる付加的成分となり得る重合体としては、前記C成分以外のスチレン系樹脂および芳香族ポリエステル樹脂等を例示することができる。
【0120】
前記スチレン系樹脂としては、ポリスチレン(PS)(シンジオタクチックポリスチレンを含む)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体(MBS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)が好ましく使用され、なかでもABS樹脂が最も好ましい。これらスチレン系樹脂は2種以上混合して使用することも可能である。これらスチレン系樹脂を添加する場合は、その量が、A成分100重量部当り、1〜100重量部、さらには5〜50重量部であることが好ましい。
【0121】
前記芳香族ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリへキシレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリエチレン−1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレート等の他、1,4−シクロヘキサンジメタノールを共重合したポリエチレンテレフタレート(いわゆるPET−G)、ポリエチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレートのような共重合ポリエステルも使用できる。なかでも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレートが好ましい。また、成形性および機械的性質のバランスが求められる場合、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレートが好ましく、さらに重量比でポリブチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレートが2〜10の範囲のブレンドや共重合体が好ましい。芳香族ポリエステル樹脂の分子量については特に制限されないが、o−クロロフェノールを溶媒として35℃で測定した固有粘度が0.4〜1.2、好ましくは0.6〜1.15である。これら芳香族ポリエステル樹脂を添加する場合は、その量が、A成分100重量部当り、1〜100重量部、さらには5〜50重量部であることが好ましい。
【0122】
さらに、本発明の目的および効果を損なわない範囲で、前記スチレン系樹脂や芳香族ポリエステル樹脂以外にも、非晶性熱可塑性樹脂や結晶性熱可塑性樹脂を含むことができる。また、必要に応じ、難燃剤(例えば、臭素化エポキシ樹脂、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリカーボネート、臭素化ポリアクリレート、モノホスフェート化合物、ホスフェートオリゴマ化合物、ホスホネートオリゴマ化合物、ホスホニトリルオリゴマー化合物、ホスホン酸アミド化合物、有機スルホン酸アルカリ(土類)金属塩、シリコーン系難燃剤等)、難燃助剤(例えば、アンチモン酸ナトリウム、三酸化アンチモン等)、滴下防止剤(フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン等)、酸化防止剤(例えば、ヒンダードフェノール系化合物、イオウ系酸化防止剤等)、紫外線吸収剤、光安定剤、衝撃改良剤、離型剤、滑剤、染料、顔料、帯電防止剤、流動改質剤、無機もしくは有機の抗菌剤、光触媒系防汚剤(例えば、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛等)、赤外線吸収剤、フォトクロミック剤、および蛍光増白剤等を配合してもよい。
【0123】
前記染料類のうち、好ましい染料としてはペリレン系染料、クマリン系染料、チオインジゴ系染料、アンスラキノン系染料、チオキサントン系染料、紺青等のフェロシアン化物、ペリノン系染料、キノリン系染料、キナクリドン系染料、ジオキサジン系染料、イソインドリノン系染料、フタロシアニン系染料等が例示される。さらに、アンスラキノン系染料、ペリレン系染料、クマリン系染料、チオインジゴ系染料、チオキサントン系染料等に代表される各種の蛍光染料が例示される。また、蛍光増白剤としては、ビスベンゾオキサゾリル−スチルベン誘導体、ビスベンゾオキサゾリル−ナフタレン誘導体、ビスベンゾオキサゾリル−チオフェン誘導体およびクマリン誘導体等の蛍光増白剤が例示される。これら染料類の配合割合は、A成分当り、0.001〜3重量%、さらには0.005〜0.5重量%であることが好ましい。また、蛍光増白剤の配合割合は、A成分当り、0.0001〜1重量%、さらには0.001〜0.1重量%であることが好ましい。
【0124】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、F成分以外のリン含有熱安定剤を含むことができる。このリン含有熱安定剤としては、トリメチルホスフェート等のリン酸エステル、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリト−ルジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリト−ルジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等の亜リン酸エステル、並びに、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト等の亜ホスホン酸エステル等が例示される。かかるリン含有熱安定剤は全組成物100重量%中0.001〜1重量%を含むことが好ましく、0.01〜0.5重量%を含むことがさらに好ましく、0.01〜0.2重量%を含むことが特に好ましい。かかるリン含有熱安定剤の配合によりさらに熱安定性が向上し、良好な成形加工特性を得ることができる。
【0125】
<樹脂組成物の調製および成形>
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を製造するには、任意の方法が採用される。例えば各成分、並びに任意に他の成分を予備混合し、その後溶融混練し、ペレット化する方法を挙げることができる。予備混合の手段としては、ナウターミキサー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、メカノケミカル装置、押出混合機等を用いることができる。予備混合においては場合により押出造粒器やブリケッティングマシーン等により造粒を行うこともできる。予備混合後、ベント式二軸押出機に代表される溶融混練機で溶融混練し、ペレタイザー等の機器によりペレット化する。溶融混練機としてはこの他にバンバリーミキサー、混練ロール、恒熱撹拌容器等を挙げることができるが、ベント式二軸押出機に代表される多軸押出機が好ましい。かかる多軸押出機を用いることにより強力なせん断力で層状珪酸塩がマトリックス樹脂であるA成分中に微分散させられる。
【0126】
さらに、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の溶融混練機による溶融混練において次の態様がより好適である。すなわち、B成分とC成分(好適にはC-1成分)とを予め溶融混練しておき、その後得られた溶融混練物とA成分である芳香族ポリカーボネートとを溶融混合する方法が好ましい。かかる溶融混練方法によれば層状珪酸塩の微分散が達成され、好ましくはナノオーダーの分散が実現する。さらにかかる溶融混練方法は芳香族ポリカーボネートの熱安定性を向上させるという効果も奏するので、実用上好ましい。
【0127】
もちろん他の混合方法によっても本発明の効果は発揮される。例えば、A成分とD成分との樹脂組成物のペレットとB成分とC成分とを予め溶融混練したペレットとを成形加工機(例えば射出成形機)に同時に供給して成形加工機中において混合する製造方法が挙げられる。
【0128】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の有利な製造法としては、例えば、(i)B成分とC成分をベント式二軸押出機にて溶融混練しペレット化したものを、再度A成分と溶融混練する方法や、(ii)B成分とC成分をベント式二軸押出機の主供給口より投入し、A成分の一部または全部を二軸押出機の途中段階に設けられた供給口から、B成分とC成分が既に溶融混練された状態の中へ投入する方法等を挙げることができる。これらB成分とC成分とを予め溶融混練する方法においては、その溶融混練時に、A成分の一部を含んでいても構わない。
【0129】
なお、D成分、E成分、F成分、および/またはその他の成分を配合する場合は、任意の段階で配合することができ、例えば、予めD成分をA成分と混合しておき他の成分と混練する方法、B成分とC成分とを溶融混練する際に添加する方法、最終段階のペレット化工程で添加する方法等、任意に選択することが可能である。
【0130】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、通常、前記の如く製造されたペレットを射出成形することにより、各種の製品(成形品)を製造することができる。かかる射出成形においては、通常の成形方法だけでなく、適宜目的に応じて、射出圧縮成形、射出プレス成形、ガスアシスト射出成形、発泡成形(超臨界流体の注入によるものを含む)、インサート成形、インモールドコーティング成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形、二色成形、サンドイッチ成形、超高速射出成形等の射出成形法を用いて成形品を得ることができる。これら各種成形法の利点は既に広く知られるところである。また、成形方式はコールドランナー方式およびホットランナー方式のいずれも選択することができる。
【0131】
また、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、押出成形により各種異形押出成形品、シート、フィルム等の形で使用することもできる。また、シート、フィルムの成形にはインフレーション法、カレンダー法、キャスティング法等も使用可能である。さらに特定の延伸操作をかけることにより熱収縮チューブとして成形することも可能である。さらに、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を回転成形やブロー成形等により中空成形品とすることも可能である。
【0132】
さらに、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、光ディスク、各種電子・電気機器、OA機器、車両部品、機械部品、その他農業資材、漁業資材、搬送容器、包装容器、および雑貨等の各種用途にも有用である。
【0133】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の成形品には、表面改質を施すことによりさらに他の機能を付与するとこが可能である。ここでいう表面改質とは、蒸着(物理蒸着、化学蒸着等)、メッキ(電気メッキ、無電解メッキ、溶融メッキ等)、塗装、コーティング、印刷等の樹脂成形品の表層上に新たな層を形成させるものであり、通常の樹脂成形品に用いられる方法が適用できる。
【0134】
樹脂成形品の表面に金属層または金属酸化物層を積層する方法としては、例えば蒸着法、溶射法、メッキ法等が挙げられる。蒸着法としては真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の物理蒸着法、並びに、熱CVD法、プラズマCVD法、光CVD法等の化学蒸着(CVD)法が例示される。溶射法としては大気圧プラズマ溶射法、減圧プラズマ溶射法等が例示される。メッキ法としては、無電解メッキ(化学メッキ)法、溶融メッキ法、電気メッキ法等が挙げられ、電気メッキ法においてはレーザーメッキ法を使用することができる。
【0135】
前記の各方法のなかでも、蒸着法およびメッキ法が本発明の樹脂成形品の金属層を形成する上で好ましく、蒸着法が本発明の樹脂成形品の金属酸化物層を形成する上で特に好ましい。蒸着法およびメッキ法は両者を組合せて使用することもでき、例えば蒸着法で形成された金属層を利用し電気メッキを行う方法等が採用可能である。
【0136】
【実施例】
以下に実施例および比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、樹脂組成物の評価は下記の(1)〜(5)の方法によって行った。また、以下の文中で“部”とあるのは特に断らない限り全て「重量部」を意味する。
(1)層状珪酸塩(無機分)の含有量
各試料(樹脂組成物)について、射出成形機(東芝機械(株)製:IS−150EN)により、シリンダー温度260℃、金型温度80℃、成形サイクル40秒で射出成形して試験片(寸法:長さ127mm×幅12.7mm×厚み6.4mm)を成形し、得られた試験片を切削してるつぼに入れて秤量し、600℃まで昇温し、そのまま6時間保持した後に放冷し、るつぼに残った灰化残渣を秤量することで樹脂組成物中の層状珪酸塩(無機分)の量を測定した。すなわち、樹脂組成物の曲げ弾性率(剛性)等の特性は無機分の割合によって影響されるため、各実施例および比較例2、3では、試験片中の無機分の割合を測定し、表1にB成分の無機分の割合(重量%)として表示した。
(2)ポリカーボネート樹脂組成物の粘度平均分子量
上記(1)と同条件で成形した同形状の試験片(寸法:長さ127mm×幅12.7mm×厚み6.4mm)の粘度平均分子量を本文中記載の方法にて測定した。すなわち、該試験片をその20〜30倍重量の塩化メチレンに溶解し、可溶分をセライト濾過により採取した後、溶液を除去して十分に乾燥し、塩化メチレン可溶分の固体を得、かかる固体0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液から20℃における比粘度(ηSP)をオストワルド粘度計を用いて求め、次式によりPCの粘度平均分子量Mを算出した。
【0137】
【数5】
ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10-40.83
c=0.7
【0138】
(3)耐加水分解性:ΔMratio(%)
また、上記の試験片を温度105℃、相対湿度100%のプレッシャークッカーに10時間放置して処理した後、温度23℃、相対湿度50%の環境下で24時間放置した試験片(処理後の試験片)を用いて測定した粘度平均分子量と、温度23℃、相対湿度50%の環境下で74時間放置した試験片(処理前の試験片)を用いて測定した粘度平均分子量を、下記数式にしたがって計算し、恒温恒湿試験後の粘度平均分子量の低下率(ΔMratio(%))を算出した。
【0139】
【数6】
ΔMratio=100×[(処理前の試験片の粘度平均分子量)−(処理後の試験片の粘度平均分子量)]/(処理前の試験片の粘度平均分子量)]
この数値が小さいほど成形した樹脂組成物の耐加水分解性が良好であることを示す。
(4)高温高湿試験後の試験片の表面状態
前記(1)と同条件で成形した同形状の試験片(寸法:長さ127mm×幅12.7mm×厚み6.4mm)に前記(2)と同条件で処理した試験片の表面状態を、目視にて観察し、処理後の試験片表面に膨れや皺といった平滑異常が全く見られないものを○、平滑異常が見られるものを×として判定した。
(5)曲げ弾性率
前記(1)と同条件で成形した同形状の試験片(寸法:長さ127mm×幅12.7mm×厚み6.4mm)を、温度23℃および相対湿度50%RHの雰囲気下においてASTM−D790に準拠の方法により曲げ弾性率(MPa)を測定した。この数値が大きいほど成形した樹脂組成物の剛性が優れていることを意味する。
【0140】
[実施例1〜7、比較例1〜3]
一部の実験(比較例1)において、表1記載の各成分を、表1記載の配合割合でポリエチレン袋中に入れ、その袋を上下方向および左右方向に十分に回転させることにより、各成分を均一にドライブレンドした。このドライブレンドされた混合物から、スクリュー直径30mのベント付2軸押出機[(株)日本製鋼所製:TEX30XSST;完全噛み合い、同方向回転、2条ネジスクリュー]を用いて溶融混練しペレットを製造した。このときの押出量は20,000g/hrに設定し、押出温度は全ての区間を250℃とした。また、スクリュー回転数は150rpm、ベントの真空度は3kPaに設定した。この方法を表1中“方法1”と表示する。
【0141】
一方、他の実験(実施例1〜7、比較例2〜3)においては、B成分とC成分とを予め前記と同様の装置を用いて一旦ペレット化(シリンダー温度200℃)した後に、このペレットとA成分等の他の成分とを混合する方法によって、前記と同様の条件でペレットを作成した。この方法を表1中“方法2”と表示する。
【0142】
なお、比較例1を含む全ての実験において、下記のTMP(トリメチルホスフェート)を、A成分100重量部に対して0.1重量部となる割合で配合した。
【0143】
このようにして得られた各ペレットを、それぞれ、100℃で5時間熱風循環式乾燥機により乾燥した後、射出成形機[住友重機械工業(株):SG−150U]を用いて所定の試験片(寸法:長さ127mm×幅12.7mm×厚み6.4mm)を作成した。成形条件はシリンダー温度260℃、金型温度80℃、射速30mm/秒、保圧50MPa前後とした。これらの試験片についての評価結果を表1に示す。なお、表1記載の各成分を示す記号は、それぞれ下記のものを意味する。
【0144】
<A成分>
粘度平均分子量23,800のビスフェノールA型芳香族ポリカ−ボネ−ト樹脂パウダー[帝人化成(株)製「パンライトL−1250WP」]
【0145】
<B成分>
〔B−1〕:下記方法により製造されたジメチルジ−n−デシルアンモニウムクロライドでほぼ完全にイオン交換された有機化合成フッ素雲母(合成フッ素雲母の陽イオン交換容量:110ミリ当量/100g)。
〔B−1の製造法〕:合成フッ素雲母(コープケミカル(株)製「ソマシフ ME−100」)約100部を精秤し、これを室温の水(イオン交換水)10000部に撹拌分散し、ここに前記オニウムイオンのクロライド(ジメチルジ−n−デシルアンモニウムクロライド)を合成フッ素雲母の陽イオン交換当量に対して1.2倍当量を添加して6時間撹拌した。生成した沈降性の固体を濾別し、次いで30000部のイオン交換水中で撹拌洗浄後再び濾別した。この洗浄と濾別の操作を各3回行った。得られた固体は5日の風乾後乳鉢で粉砕し、さらに50℃の温風乾燥を10時間行い、再度乳鉢で最大粒径が100μm程度となるまで粉砕した。かかる温風乾燥により窒素気流下120℃で1時間保持した場合の熱重量減少で評価した残留水分量が3重量%とし、B−1を得た。
〔B−2〕:下記方法により製造されたジメチルジデシルアンモニウムクロライドで陽イオン交換容量の55%分がイオン交換された有機化合成フッ素雲母(合成フッ素雲母の陽イオン交換容量:110ミリ当量/100g)。
〔B−2の製造法〕:前記B−1の製造法において、ジメチルジデシルアンモニウムクロライドを合成フッ素雲母の陽イオン交換当量に対して0.8倍当量を添加した以外は、前記B−1の場合と同様にして製造された。
〔B−3〕:前記ジメチルジデシルアンモニウムクロライドに代えてトリオクチルメチルアンモニウムクロライドを使用した以外は前記B−2と同様にして製造された合成フッ素雲母(コープケミカル(株)製「ソマシフ ME−100」)にトリオクチルメチルアンモニウムクロライドで陽イオン交換容量の55%分がイオン交換した有機化合成フッ素雲母(合成フッ素雲母の陽イオン交換容量:110ミリ当量/100g)
〔B−4〕:前記コープケミカル(株)製「ソマシフ ME−100」に代えてトピー工業(株)製「DMA−80E」を使用した以外は前記B−1と同様にして製造された合成フッ素雲母にジデシルジメチルアンモニウムクロライドでほぼ完全にイオン交換した有機化合成フッ素雲母(合成フッ素雲母の陽イオン交換容量:110ミリ当量/100g)
比較のため、特定の有機オニウムイオンでイオン交換された層状珪酸塩である下記のB−5およびB−6を使用した。
〔B−5〕:トリオクチルメチルアンモニウムクロライドでほぼ完全にイオン交換された有機化合成フッ素雲母(コープケミカル(株)製:「ソマシフ MTE」、合成フッ素雲母の陽イオン交換容量:110ミリ当量/100g)
〔B−6〕:ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロライドでほぼ完全にイオン交換された有機化合成フッ素雲母(コープケミカル(株)製:「ソマシフ MAE」、合成フッ素雲母の陽イオン交換容量:110ミリ当量/100g)
【0146】
<C成分>
スチレン−無水マレイン酸共重合体(ノヴァケミカルジャパン(株)製:「DYLARK 332−80」、無水マレイン酸量約15重量%)
<D成分>
高級脂肪酸と多価アルコールの部分またはフルエステル(理研ビタミン(株)製:「リケマール S−100A」)
<E成分>
エポキシ化合物(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、ダイセル化学(株)製:「セロキサイド2021P」)
<F成分>
フェニルホスホン酸(東京化成工業(株)製試薬)
<その他の成分>
TMP:トリメチルホスフェート(大八化学工業(株)製:TMP)、添加量はA成分100重量部当り0.1重量部。
【0147】
また、表1中に示す組成における各成分の配合量は、全てA成分100重量部当りの重量部で表わす。
【0148】
【表1】
Figure 2004203930
【0149】
表1に示す結果から、本発明で特定した耐加水分解性範囲にある芳香族ポリカーボネート樹脂組成物(実施例1〜4)は、高温高湿環境に放置したときの分子量低下が少なく耐加水分解性に優れているだけでなく、成形品の表面外観が良好で、しかも高い曲げ弾性率(剛性)を示すことが分かる。これに対し、層状珪酸塩を含まない通常の芳香族ポリカーボネート樹脂(比較例1)は剛性が不足し、本発明で特定した範囲外の樹脂組成物(比較例2〜3)は、剛性は向上しているが、耐加水分解性が悪く、成形品の外観においても劣るため、実用には適さない。また、本発明で特定した耐加水分解性範囲にある芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、さらに他の耐加水分解性向上剤を加えると、それらの効果が一層高まるという利点を得ることができる(実施例5〜7)。
【0150】
【発明の効果】
本発明によれば、従来にない高剛性でかつ良好な熱安定性および耐加水分解性を有する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を提供することができる。さらに、該組成物は成形性が良好であり、かつ表面外観特に表面平滑性の良好な成形品を与えるという利点も有する。かかる特性は、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物のより幅広い用途における実用性を高め、各種電子・電気機器、OA機器、車両部品、機械部品、その他農業資材、漁業資材、搬送容器、包装容器、雑貨等の幅広い分野において有用であり、その産業的価値は極めて高い。

Claims (9)

  1. (A)芳香族ポリカーボネート(A成分)100重量部、(B)50〜200ミリ当量/100gの陽イオン交換容量を有する層状珪酸塩(B成分)0.1〜50重量部、及び(C)芳香族ポリカーボネート(A成分)との親和性を有しかつ親水性成分を有する化合物(C成分)0.1〜50重量部よりなる組成物で、該組成物の耐加水分解試験でのA成分の粘度平均分子量の低下率(ΔMratio)が20%以下であることを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  2. B成分が、陽イオン交換容量の40%以上が下記一般式(I)
    Figure 2004203930
    [上記式(I)中、Mは窒素原子またはリン原子を表わし、R1およびR2は同一もしくは互いに異なる炭素原子数6〜16のアルキル基、R3およびR4は同一もしくは互いに異なる炭素原子数1〜4のアルキル基を表わす。]
    で示される有機オニウムイオンによりイオン交換されている層状珪酸塩である、請求項1に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 有機オニウムイオンを示す上記一般式(I)におけるR1およびR2が炭素原子数7〜14のアルキル基である、請求項2に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  4. C成分が親水性成分としてカルボキシル基および/またはその誘導体からなる官能基を有するスチレン含有重合体である、請求項1、2または3に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  5. C成分がスチレン−無水マレイン酸共重合体である、請求項4に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  6. 組成物が、B成分とC成分とを予め溶融混練した後に、得られた溶融混練物とA成分とを溶融混練して調製されたものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  7. さらに(D)高級脂肪酸と多価アルコールの部分エステルおよび/またはフルエステル(D成分)を、A成分100重量部当り0.005〜1重量部含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  8. さらに(E)エポキシ化合物(E成分)を、A成分100重量部当り0.005〜3重量部含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  9. さらに(F)ホスホン酸化合物(F成分)を、A成分100重量部当り0.005〜3重量部含有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007169433A (ja) * 2005-12-21 2007-07-05 Idemitsu Kosan Co Ltd ポリカーボネート樹脂組成物、その成形品並びにフィルム及びシート
JPWO2005075569A1 (ja) * 2004-02-04 2007-10-11 旭化成ケミカルズ株式会社 複合材料およびそれを用いてなる熱可塑性樹脂複合材料
JP2017206613A (ja) * 2016-05-18 2017-11-24 凸版印刷株式会社 脂環式エポキシ化合物および樹脂組成物ならびに硬化物

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