JP2004203763A - 疎水性スルホニウム塩 - Google Patents
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Abstract
【課題】リチウムイオン電池、電気二重層キャパシタ、色素増感型太陽電池などの水分の混入が好ましくない電気化学デバイスの電解質等として使用可能な、疎水性が高く、かつ低粘度、高イオン伝導性の常温溶融塩を得る。
【解決手段】下記一般式(1)
R1R2R3S+・Y− (I)
(R1、R2、R3は各々独立に、炭素数7〜20の1価の有機基、Y−はファンデルワールス体積100Å3以上のアニオンである。)
で示されるスルホニウム塩を用いる。R1〜R3としては炭素数8〜16のアルキル基であることが特に好ましい。また、Y−としては、下記一般式(II)
(R4−CO−)n(R5−SO2−)2−nN― (II)
(R4,R5はいずれも、フッ素で置換された炭素数1〜10の炭化水素基を示し、nは0、1又は2である。)
で示されるイミドアニオンを採用することにより、高い耐酸化性が得られる。
【選択図】 なし
【解決手段】下記一般式(1)
R1R2R3S+・Y− (I)
(R1、R2、R3は各々独立に、炭素数7〜20の1価の有機基、Y−はファンデルワールス体積100Å3以上のアニオンである。)
で示されるスルホニウム塩を用いる。R1〜R3としては炭素数8〜16のアルキル基であることが特に好ましい。また、Y−としては、下記一般式(II)
(R4−CO−)n(R5−SO2−)2−nN― (II)
(R4,R5はいずれも、フッ素で置換された炭素数1〜10の炭化水素基を示し、nは0、1又は2である。)
で示されるイミドアニオンを採用することにより、高い耐酸化性が得られる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム一次電池、リチウム二次電池、電解コンデンサ、電気二重層キャパシタ、エレクトロクロミック表示素子、色素増感型太陽電池などの電気化学デバイスあるいは電析浴、化学合成の媒体、帯電防止剤として利用可能なオニウム塩に関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウム一次電池、リチウム二次電池、電解コンデンサ、電気二重層キャパシタ、エレクトロクロミック表示素子、色素増感型太陽電池などの電気化学デバイスにおける電解質として、使用温度で液体であるために溶媒に溶解させる必要のない電解質であるイオン性液体を応用することが提案されている。該イオン性液体としては、常温溶融塩とも呼ばれる比較的融点の低い特定のオニウム塩が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
リチウム一次電池、リチウム二次電池等に利用されているリチウムはその高いイオン化傾向から水と反応し、可燃性の水素ガスを発生する。電気二重層キャパシタ、色素増感型太陽電池およびその他の電気化学デバイスにおいても水分の混入によって副生される加水分解不純物、水の電気分解によるガスの発生のために容量の低下、サイクル特性の低下が起きることが知られている。このように電気化学デバイスにおける電解質としては水分の混入は好ましくない。一方、電気化学デバイスにおける電解質として提案されているイオン性液体はイオンのみからなる液状物質で極性分子を溶解する性質を持っており吸湿性も高い。そこで、疎水性のイオン性液体が望まれている。一般に疎水性を付与するためには、長鎖のアルキル基など炭素数の多い炭化水素基を有するものとする方法がある。しかしながら、長鎖のアルキル基をもつアンモニウム塩は通常固体であるため、上記のような目的には使用できない。また長鎖のアルキル基をもつホスホニウム塩も固体であるか、もしくは粘性の高い液体であり、やはり使用が制限される。
【特許文献1】
特開平8−259543号公報
【特許文献2】
特表2001−517205号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような背景のもと、それぞれの電気化学デバイスに適したイオン性液体の開発が望まれている。そこで、本発明は疎水性が高く、粘性が低く、且つイオン伝導性が良好な新規イオン性液体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決する手段】
本発明者らは上記課題を解決する為に鋭意検討を行った結果、広範囲の長鎖アルキルスルホニウム塩が高いイオン伝導性を有し、対応するホスホニウム塩よりも粘性が低い液体であることを見出した。またこれらのスルホニウム塩の高純度な合成法も見出すことに成功し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、下記一般式(I)
R1R2R3S+・Y− (I)
(R1、R2、R3は各々独立に、炭素数7〜20の1価の有機基、Y−はファンデルワールス体積100Å3以上のアニオンである。)
で示されるスルホニウム塩である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のスルホニウム塩は上記一般式(I)で示される。上記式(I)において、R1、R2、R3は各々独立に、炭素数7〜20の1価の有機基である。
【0007】
当該有機基としては特に制限されるものではなく、各種官能基を有していたり、あるいはヘテロ原子、不飽和結合等を含んでいても良い。
【0008】
このような有機基としては、炭素数7〜20の炭化水素基、あるいは置換基の有する炭素原子を含めた炭素数が7〜20である、置換基を有する炭化水素基等が挙げられる。
【0009】
当該炭素数7〜20の炭化水素基としては、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等の炭素数7〜20のアルキル基;ヘプテニル基、ヘプタジエニル基、ヘプタトリエニル基等の炭素数7〜20のアルケニル基;トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基等の炭素数7〜20のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜20のアラルキル基等が例示される。
【0010】
また、置換基を有する炭化水素基である場合の該置換基は特に制限されるものではなく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜13のアルコキシ基;フェニルオキシ基等の炭素数6〜13のアリールオキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基等の炭素数1〜13のアルキルチオ基;アセチル基、ベンゾイル基等の炭素数2〜13のアシル基等が例示される。これら置換基が、上記したような炭化水素基に置換基として結合する数、およびその結合位置は、これら置換基の有する炭素原子の数と母体となる炭化水素基の有する炭素原子数が7〜20の範囲となるのであれば、他は特に制限されるものではない。
【0011】
上記炭素数7〜20の1価の有機基のなかでも、合成の容易さ、イオン伝導率の高さ、粘性の低さ、疎水性の高さから炭素数8〜16のものが特に好適であり、さらに炭素数8〜16の炭化水素基又は、置換基としてハロゲン原子を有する炭素数8〜16の炭化水素基がさらに好適であり、炭素数8〜16の炭化水素基であることが特に好適であり、炭素数8〜16のアルキル基であることが最も好適である。
なお、R1、R2、R3はすべてが炭素数7〜20の基である必要があり、いずれか一つでも炭素数6以下の基である場合(例えば、トリメチルスルホニウム塩、トリブチルスルホニウム塩、ブチルジオクチルスルホニウム塩等)には、このようなスルホニウム塩は吸湿性であるため、本発明の目的である疎水性が十分なものとはならない。他方、R1、R2、R3のいずれか一つでも炭素数が21以上の基である場合(例えば、トリドコシルスルホニウム塩、ドコシルジオクチルスルホニウム塩等)には、粘度が高くなりすぎたり、固体になってしまう。
【0012】
前記一般式(I)におけるY−は、ファンデルワールス体積100Å3以上のアニオンである。ファンデルワールス体積100Å3以上のアニオンとすることにより、高い疎水性を得ることができる。他方、ファンデルワールス体積100Å3未満のアニオン、例えばハロゲン化物イオン(フッ化物イオン9.42Å3、塩化物イオン24.8Å3、臭化物イオン31.5Å3、ヨウ化物イオン44.6Å3)やテトラフルオロボレートイオン(84.3Å3)である場合には、親水性が高くなりすぎる。
【0013】
ファンデルワールス体積100Å3以上のアニオンのなかでも、酸化電位の高さ(耐酸化性が優れている)からフッ素原子を含む、アミドアニオン、メチドアニオン、スルフェートアニオン又はアセテートアニオンが好ましい。
【0014】
特に酸化電位が高く、かつ粘度が低い点で、下記式(II)
(R4−CO−)n(R5−SO2−)2−nN― (II)
(R4,R5はいずれも、フッ素で置換された炭素数1〜10の炭化水素基を示し、nは0、1又は2である。)
で示されるアミドアニオンが好適である。上記式(II)において、R4,R5はいずれも、フッ素で置換された炭素数1〜10の炭化水素基を示す。当該フッ素で置換された炭化水素基としては、炭素数1〜10の炭化水素基の有す水素原子のうちの少なくとも1つがフッ素原子で置換されたものであれば特に制限されるものではない。当該炭素数1〜10の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基;フェニル基、トリル基、クメニル基等の炭素数6〜10のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜10のアラルキル基等が例示される。これら炭化水素基がフッ素原子で置換される場合の、置換位置及びその数は特に限定されるものではないが、高い耐酸化性が得られる点で、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロ炭化水素基であることが好ましい。
【0015】
このようなフッ素置換された炭化水素基を有す、R4−CO−で示される基を具体的に例示すると、トリフルオロアセチル基、ペンタフルオロプロパノイル基、ヘプタフルオロブタノイル基、ノナフルオロヘキサノイル基等のフルオロアルキルアシル基類;ペンタフルオロベンゾイル基、2,4,6−トリフルオロベンゾイル基等のフルオロアリールアシル基類;パーフルオロフェニルアセチル基、2,2−ジフルオロ―2−フェニルアセチル基等のフルオロアラルキルアシル基類を挙げることができる。
【0016】
また、R5−SO2−で示される基を具体的に例示すると、トリフルオロメタンスルホニル基、ペンタフルオロエタンスルホニル基、ヘプタフルオロプロパンスルホニル基、ノナフルオロブタンスルホニル基等のフルオロアルキルスルホニル基類;ペンタフルオロベンゼンスルホニル基、2,4,6−トリフルオロベンゼンスルホニル基等のフルオロアリールスルホニル基類;パーフルオロトルエン―α―スルホニル基、2,2−ジフルオロ―2−フェニルメタンスルホニル基等のフルオロアラルキルスルホニル基類を挙げることができる。
【0017】
これらの中でも、耐酸化性が高いという理由から、R4、R5がいずれも炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基であることが好ましい。
【0018】
上記式(II)において、nは0,1又は2である。即ち、(R4−CO−)及び(R5−SO2−)で示される基は、合計で2つが窒素原子に結合している。
【0019】
上記式(II)で示されるイミドアニオンをより具体的に例示すると、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド、トリフルオロメタンスルホニルペンタフルオロエタンスルホニルアミド、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)アミド、トリフルオロメタンスルホニルパーフルオロブタンスルホニルアミド等のnが0であるアミドアニオン;トリフルオロメタンスルホニルトリフルオロアセタミド等のnが1であるアミドアニオン;ビス(トリフルオロアセチル)イミド等のnが2であるイミドアニオン等が挙げられる。スルホニウム塩の粘度が極めて低くなる点で、nが1であるアミドアニオンであることが特に好ましい。
【0020】
これらの置換基をもつアミドアニオンのファンデルワールス体積は100Å3以上で、例えば、上記一般式(II)で示されるアミドアニオンのなかで最も小さいビス(トリフルオロアセチル)イミドのファンデルワールス体積は約115Å3である。
【0021】
本発明のスルホニウム塩の製造方法は特に制限されるものではなく、如何なる方法によって製造しても良いが、純度の高い本発明のスルホニウム塩が得られるという点で、下記式(III)
R1R2R3S+・X− (III)
(R1、R2、R3は前記式(I)と同義であり、X−は、BF4 −又はPF6 −を示す。)
で示されるスルホニウムテトラフルオロボレートあるいはスルホニウムヘキサフルオロホスフェートと、アニオン(Y−)の金属塩を溶媒中で混合し、塩交換することによって製造することが特に好ましい。
【0022】
上記一般式(III)で示されるスルホニウム塩は、通常、対応するジスルフィドとアルキルハライドとを、フッ化硼酸銀或いはフッ化リン酸銀の存在下で反応させることで得られる。当該反応は、一般的にはジスルフィドとアルキルハライドとジクロロメタン或いはクロロホルムとの混合物に室温で少量ずつフッ化硼酸銀或いはフッ化リン酸銀を加えて行われる。その後、反応混合物から沈殿をろ別して溶液を濃縮することで目的とするスルホニウム塩が得られる。
【0023】
このようにして得られた上記一般式(III)で示されるスルホニウム塩を、アニオンの金属塩とイオン交換することにより本発明のスルホニウム塩が製造できる。当該アニオンとしては目的とするスルホニウム塩に対応する、フォンデルワールス半径100Å3以上のアニオンであれば特に制限されるものではないが、前述したように、得られるスルホニウム塩が耐酸化性に優れている点で、下記一般式(IV)
(R4−CO−)n(R5−SO2−)2−nN―・M+ (IV)
(R4,R5及びnはいずれも前記式(II)と同義であり、M+は金属イオンを示す。)
で示される金属アミドであることが好ましい。
【0024】
上記一般式(IV)において、R4,R5及びnはいずれも前記式(II)と同義である。M+は金属イオンを示し、具体的にはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等が例示される。
【0025】
上記式(IV)で示される金属イミドは、対応する下記式
(R4−CO−)n(R5−SO2−)2−nNH
で示されるアミドと金属アルコキシド或いはアルキル金属とを反応させることにより容易に合成することができる。
【0026】
上記一般式(III)で示されるスルホニウム塩と、一般式(IV)で示される金属イミドをイオン交換する方法は特に制限されるものではなく、一般的なイオン交換の条件を採用すればよい。
【0027】
具体的には、上記一般式(III)で示されるスルホニウム塩と、一般式(IV)で示される金属イミドとをモル比1:1前後の範囲で、溶媒中で混合、攪拌することにより、容易にイオン交換がなされる。
【0028】
当該溶媒は特に限定されるものではないが、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテル、THF、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル、アクリロニトリル、プロピオノニトリル等のニトリル類、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ブロモプロパン、ブロモブタン、ブロモペンタン、ブロモヘキサン、よう化メチル、よう化エチル、よう化プロピル等のハロゲン化アルキル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ブチロラクトン、カプロラクトン、ヘキサノラクトン、酢酸エチル等のエステル類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、シクロヘキサン、石油エーテル、ベンジン、ケロシン、トルエン、キシレン、メシチレン、ベンゼン等の炭化水素類等のうち1種類のもの、2種類あるいはそれ以上を混合したものが好適である。また、反応物と生成物の溶解度の理由からアルコール類、ハロゲン化アルキル類、ニトリル類等比誘電率が1から80のものと水との混合溶媒が特に好適である。
【0029】
イオン交換反応は使用する溶媒が液体として存在する圧力および温度で行うことができるが、経済性等の理由から常温常圧が特に好適である。
用いる溶媒の量は、原料および生成物の溶解度から、原料となる前記一般式(III)で示されるスルホニウム塩1重量部にたいして0.1重量部から50重量部使用することが好ましい。塩交換反応の時間はとくに限定されるものではなく、用いる塩の種類に応じて適時選択すれば良いが、あまりに長すぎると着色等が起こる場合があるため、0.1〜10時間の範囲で選択するのが好適である。一般には1時間以内で充分に反応が進行する。
塩交換反応後は水洗することが好ましい。水洗することによって副生する塩を完全に除去することができる。水洗の回数は特に制限されるものではないが、一般には3〜10回程度で充分に副生塩を除去することができる。
【0030】
イオン交換反応後、水洗を行った反応液から用いた溶媒を除去・濃縮し、さらに乾燥することにより、水分がほぼ完全に取り除かれた本発明のスルホニウム塩が得られる。溶媒の除去の方法は特に限定されず、ロータリーエバポレーターによる減圧濃縮、溶媒の蒸留留去等、公知の方法で除去すればよい。
【0031】
乾燥する際の温度は目的物である本発明のスルホニウム塩の分解温度未満のすべての範囲で行うことができるが、目的物の分解温度より10から50℃低い温度が好適であり、一般には60℃から200℃の温度範囲が特に好適である。なお、本発明のスルホニウム塩の分解温度は、その構造等にもよるが一般には110〜250℃程度である。乾燥時の圧力は特に限定はされないが、水や反応溶媒の沸点の理由から100mmHg以下でおこなうことが好適である。
【0032】
このようにして得られる本発明のスルホニウム塩は常温では粘性の低い液体である。また高イオン濃度のためイオン伝導度も高く、リチウム一次電池、リチウム二次電池、電気二重層キャパシタ、色素増感型太陽電池、電解コンデンサ、エレクトロクロミック表示素子等の電気化学デバイスに利用が可能である。本発明の疎水性の塩を使うと、リチウム一次電池、リチウム二次電池や電気二重層キャパシタのサイクル特性、保存安定性、充放電容量等、水の混入が特性の低下を招く多くの電気化学デバイスに有用である。
【0033】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.各実施例、比較例で用いた原料化合物の合成方法
原料のトリフルオロメタンスルホニルトリフルオロアセトアミドカリウムは以下のように合成した。トリフルオロメタンスルホニルアミド(0.1mol)をt−ブタノール(200mL)中室温でt-ブトキシカリウム(0.1mol)を加えて60℃で3時間撹拌した。溶媒を留去し、エーテル(200mL)を加え、トリフルオロ酢酸無水物(0.1mol)を加え、室温で12時間撹拌した。真空乾燥し、結晶をエーテルで洗浄することでトリフルオロメタンスルホニルトリフルオロアセトアミドカリウムを得た。収率80%。
【0034】
ジアルキルスルフィドは市販のものか又は以下のように合成した。二硫化ナトリウム9水和物(0.1mol)、触媒量のテトラオクチルアンモニウム・ブロミド(1mmol)を水(300mL)に懸濁させてクロロアルカン(0.2mol)を加えた。80℃で3時間撹拌し、有機層を分取して減圧蒸留することでジアルキルスルフィドを得た。収率60−85%。
【0035】
2.使用機器
1H−および19F−NMRスペクトルの測定は、日本電子製核磁気共鳴装置JNM−LA500を用いた。19F−NMRのシフト値は試料に混合した1,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンのシフト値−64ppmを基準に用いた。純度は19F−NMRの基準物質以外のピーク面積に対する目的物のピーク面積を算出して求めた。
実施例1
磁気攪拌子を備えた100mLのナス形フラスコにジオクチルスルフィド(6.16g、36.6mmol)とヨウ化オクチル(23.6g、98.0mmol)をジクロロメタン50mLに懸濁させ、テトラフルオロ硼酸銀(6.44g、33.3mmol)を加えて室温で1時間攪拌した。塩をろ別して濃縮し、ヘキサン30mLで3回洗浄した後、真空乾燥機で10時間乾燥してトリオクチルスルホニウム・テトラフルオロボレート(9.01g、収率60%)を黄色の液体として得た。磁気攪拌子を備えた50mLのナス形フラスコに得られたトリオクチルスルホニウム・テトラフルオロボレート(5.01g、10.9mmol)、トリフルオロメタンスルホニルトリフルオロアセトアミドカリウム(3.09g、10.9mmol)を水10mLとジクロロメタン15mLの懸濁液中、室温で5分攪拌した。ジクロロメタン層を分取し、超純水10mLで5回洗浄した。エバポレーターで濃縮した後、真空乾燥機で10時間乾燥してトリオクチルスルホニウム・トリフルオロメタンスルホニルトリフルオロアセトアミド(5.00g、収率74%)を微黄色の液体として得た。19F−NMRによる純度は98.7%、水分量は74ppmであった。以下、NMRスペクトル、粘度、伝導度、凝固点の物性を実施例1〜5のものを表1に、実施例6、7及び比較例のものを表2に示す。
【0036】
実施例2
実施例1の操作で、超純水3mLでの洗浄を3回にしたところ、得られたトリオクチルスルホニウム・トリフルオロメタンスルホニルトリフルオロアセトアミド(1.16g、収率90%)の19F−NMRによる純度は95.9%、水分量は114ppmであった。
【0037】
比較例1
磁気攪拌子を備えた10mLのナス形フラスコにテトラオクチルアンモニウム・ブロミド(1.76g、3.22mmol)、トリフルオロメタンスルホニルトリフルオロアセトアミドカリウム(0.892g、3.15mmol)を水3mLとジクロロメタン7mLの懸濁液中、室温で5分攪拌した。ジクロロメタン層を分取し、超純水3mLで5回洗浄した。エバポレーターで濃縮してテトラオクチルアンモニウム・トリフルオロメタンスルホニルトリフルオロアセトアミド(1.84g、収率82%)を白色の固体として得た。
比較例2
比較例1のテトラオクチルアンモニウム・ブロミドの代わりにテトラオクチルホスホニウム・ブロミド(1.73g、3.07mmol)を使い同様に操作してテトラオクチルホスホニウム・トリフルオロメタンスルホニルトリフルオロアセトアミド(1.96g、収率91%)を無色の液体(粘度272mPa s)として得た。
実施例3
実施例1のトリフルオロメタンスルホニルトリフルオロアセトアミドカリウムの代わりにビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミドリチウム(3.13g、10.9mmol)を使い同様に操作してトリオクチルスルホニウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アセトアミド(4.87g、収率70%)を微黄色の液体として得た。19F−NMRによる純度は98.2%であった。水分量は82ppmであった。
【0038】
実施例4
実施例1のジオクチルスルフィド、ヨウ化オクチルの代わりにそれぞれジデシルスルフィド(6.34g、20.0mmol),ヨウ化デシル(13.1g、48.6mmol)を使い同様に操作してトリデシルスルホニウム・トリフルオロメタンスルホニルトリフルオロアセトアミド(3.96g、収率77%)を微黄色の液体として得た。19F−NMRによる純度は99.1%であった。水分量は44ppmであった。
【0039】
実施例5
実施例4のトリフルオロメタンスルホニルトリフルオロアセトアミドカリウムの代わりにビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミドリチウム(2.16g、7.53mmol)使い同様に操作してトリデシルスルホニウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(4.34g、収率78%)を微黄色の液体として得た。19F−NMRによる純度は98.8%であった。水分量は46ppmであった。
【0040】
実施例6
実施例1のジオクチルスルフィド、ヨウ化オクチルの代わりにそれぞれジドデシルスルフィド(7.44g、20.0mmol)、ヨウ化ドデシル(17.5g、59.0mmol)を使い同様に操作してトリドデシルスルホニウム・トリフルオロメタンスルホニルトリフルオロアセトアミド(4.94g、収率80%)を微黄色の液体として得た。19F−NMRによる純度は99.1%であった。水分量は32ppmであった。
【0041】
実施例7
実施例6のトリフルオロメタンスルホニルトリフルオロアセトアミドカリウムの代わりにビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミドリチウム(1.07g、3.70mmol)を使い同様に操作してトリドデシルスルホニウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(2.14g、収率74%)を微黄色の液体として得た。19F−NMRによる純度は98.8%であった。水分量は31ppmであった。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
実施例8
6mLのサンプル管に実施例1で得たスルホニウム塩1.5gを秤量して入れ、真空乾燥器(80℃、0.1mmHg)で2日間乾燥した。密封状態で室温まで冷却した後、大気に開放し、3分間放置してカールフィッシャー水分測定装置で水分量を測定した。表3に測定した水分量を示す。
【0045】
実施例9〜13、比較例3〜7
実施例8と同様にして、各種オニウム塩の吸水性を測定した。用いたオニウム塩の種類と結果を表3に示した。なお、これら試験はすべて実施例8と同時に行った。また、比較例5〜7で用いたオニウム塩は、各々対応する原料を用い、実施例1と同様にして合成した。
【0046】
【表3】
【0047】
【発明の効果】
本発明のスルホニウム塩は、高い疎水性を有し、また低粘度であり良好な電気伝導性を有する。従って、リチウムイオン電池、電気二重層キャパシタ、色素増感型太陽電池などの水分の混入が好ましくない電気化学デバイスの電解質等として好適に使用できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム一次電池、リチウム二次電池、電解コンデンサ、電気二重層キャパシタ、エレクトロクロミック表示素子、色素増感型太陽電池などの電気化学デバイスあるいは電析浴、化学合成の媒体、帯電防止剤として利用可能なオニウム塩に関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウム一次電池、リチウム二次電池、電解コンデンサ、電気二重層キャパシタ、エレクトロクロミック表示素子、色素増感型太陽電池などの電気化学デバイスにおける電解質として、使用温度で液体であるために溶媒に溶解させる必要のない電解質であるイオン性液体を応用することが提案されている。該イオン性液体としては、常温溶融塩とも呼ばれる比較的融点の低い特定のオニウム塩が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
リチウム一次電池、リチウム二次電池等に利用されているリチウムはその高いイオン化傾向から水と反応し、可燃性の水素ガスを発生する。電気二重層キャパシタ、色素増感型太陽電池およびその他の電気化学デバイスにおいても水分の混入によって副生される加水分解不純物、水の電気分解によるガスの発生のために容量の低下、サイクル特性の低下が起きることが知られている。このように電気化学デバイスにおける電解質としては水分の混入は好ましくない。一方、電気化学デバイスにおける電解質として提案されているイオン性液体はイオンのみからなる液状物質で極性分子を溶解する性質を持っており吸湿性も高い。そこで、疎水性のイオン性液体が望まれている。一般に疎水性を付与するためには、長鎖のアルキル基など炭素数の多い炭化水素基を有するものとする方法がある。しかしながら、長鎖のアルキル基をもつアンモニウム塩は通常固体であるため、上記のような目的には使用できない。また長鎖のアルキル基をもつホスホニウム塩も固体であるか、もしくは粘性の高い液体であり、やはり使用が制限される。
【特許文献1】
特開平8−259543号公報
【特許文献2】
特表2001−517205号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような背景のもと、それぞれの電気化学デバイスに適したイオン性液体の開発が望まれている。そこで、本発明は疎水性が高く、粘性が低く、且つイオン伝導性が良好な新規イオン性液体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決する手段】
本発明者らは上記課題を解決する為に鋭意検討を行った結果、広範囲の長鎖アルキルスルホニウム塩が高いイオン伝導性を有し、対応するホスホニウム塩よりも粘性が低い液体であることを見出した。またこれらのスルホニウム塩の高純度な合成法も見出すことに成功し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、下記一般式(I)
R1R2R3S+・Y− (I)
(R1、R2、R3は各々独立に、炭素数7〜20の1価の有機基、Y−はファンデルワールス体積100Å3以上のアニオンである。)
で示されるスルホニウム塩である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のスルホニウム塩は上記一般式(I)で示される。上記式(I)において、R1、R2、R3は各々独立に、炭素数7〜20の1価の有機基である。
【0007】
当該有機基としては特に制限されるものではなく、各種官能基を有していたり、あるいはヘテロ原子、不飽和結合等を含んでいても良い。
【0008】
このような有機基としては、炭素数7〜20の炭化水素基、あるいは置換基の有する炭素原子を含めた炭素数が7〜20である、置換基を有する炭化水素基等が挙げられる。
【0009】
当該炭素数7〜20の炭化水素基としては、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等の炭素数7〜20のアルキル基;ヘプテニル基、ヘプタジエニル基、ヘプタトリエニル基等の炭素数7〜20のアルケニル基;トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基等の炭素数7〜20のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜20のアラルキル基等が例示される。
【0010】
また、置換基を有する炭化水素基である場合の該置換基は特に制限されるものではなく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜13のアルコキシ基;フェニルオキシ基等の炭素数6〜13のアリールオキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基等の炭素数1〜13のアルキルチオ基;アセチル基、ベンゾイル基等の炭素数2〜13のアシル基等が例示される。これら置換基が、上記したような炭化水素基に置換基として結合する数、およびその結合位置は、これら置換基の有する炭素原子の数と母体となる炭化水素基の有する炭素原子数が7〜20の範囲となるのであれば、他は特に制限されるものではない。
【0011】
上記炭素数7〜20の1価の有機基のなかでも、合成の容易さ、イオン伝導率の高さ、粘性の低さ、疎水性の高さから炭素数8〜16のものが特に好適であり、さらに炭素数8〜16の炭化水素基又は、置換基としてハロゲン原子を有する炭素数8〜16の炭化水素基がさらに好適であり、炭素数8〜16の炭化水素基であることが特に好適であり、炭素数8〜16のアルキル基であることが最も好適である。
なお、R1、R2、R3はすべてが炭素数7〜20の基である必要があり、いずれか一つでも炭素数6以下の基である場合(例えば、トリメチルスルホニウム塩、トリブチルスルホニウム塩、ブチルジオクチルスルホニウム塩等)には、このようなスルホニウム塩は吸湿性であるため、本発明の目的である疎水性が十分なものとはならない。他方、R1、R2、R3のいずれか一つでも炭素数が21以上の基である場合(例えば、トリドコシルスルホニウム塩、ドコシルジオクチルスルホニウム塩等)には、粘度が高くなりすぎたり、固体になってしまう。
【0012】
前記一般式(I)におけるY−は、ファンデルワールス体積100Å3以上のアニオンである。ファンデルワールス体積100Å3以上のアニオンとすることにより、高い疎水性を得ることができる。他方、ファンデルワールス体積100Å3未満のアニオン、例えばハロゲン化物イオン(フッ化物イオン9.42Å3、塩化物イオン24.8Å3、臭化物イオン31.5Å3、ヨウ化物イオン44.6Å3)やテトラフルオロボレートイオン(84.3Å3)である場合には、親水性が高くなりすぎる。
【0013】
ファンデルワールス体積100Å3以上のアニオンのなかでも、酸化電位の高さ(耐酸化性が優れている)からフッ素原子を含む、アミドアニオン、メチドアニオン、スルフェートアニオン又はアセテートアニオンが好ましい。
【0014】
特に酸化電位が高く、かつ粘度が低い点で、下記式(II)
(R4−CO−)n(R5−SO2−)2−nN― (II)
(R4,R5はいずれも、フッ素で置換された炭素数1〜10の炭化水素基を示し、nは0、1又は2である。)
で示されるアミドアニオンが好適である。上記式(II)において、R4,R5はいずれも、フッ素で置換された炭素数1〜10の炭化水素基を示す。当該フッ素で置換された炭化水素基としては、炭素数1〜10の炭化水素基の有す水素原子のうちの少なくとも1つがフッ素原子で置換されたものであれば特に制限されるものではない。当該炭素数1〜10の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基;フェニル基、トリル基、クメニル基等の炭素数6〜10のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜10のアラルキル基等が例示される。これら炭化水素基がフッ素原子で置換される場合の、置換位置及びその数は特に限定されるものではないが、高い耐酸化性が得られる点で、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロ炭化水素基であることが好ましい。
【0015】
このようなフッ素置換された炭化水素基を有す、R4−CO−で示される基を具体的に例示すると、トリフルオロアセチル基、ペンタフルオロプロパノイル基、ヘプタフルオロブタノイル基、ノナフルオロヘキサノイル基等のフルオロアルキルアシル基類;ペンタフルオロベンゾイル基、2,4,6−トリフルオロベンゾイル基等のフルオロアリールアシル基類;パーフルオロフェニルアセチル基、2,2−ジフルオロ―2−フェニルアセチル基等のフルオロアラルキルアシル基類を挙げることができる。
【0016】
また、R5−SO2−で示される基を具体的に例示すると、トリフルオロメタンスルホニル基、ペンタフルオロエタンスルホニル基、ヘプタフルオロプロパンスルホニル基、ノナフルオロブタンスルホニル基等のフルオロアルキルスルホニル基類;ペンタフルオロベンゼンスルホニル基、2,4,6−トリフルオロベンゼンスルホニル基等のフルオロアリールスルホニル基類;パーフルオロトルエン―α―スルホニル基、2,2−ジフルオロ―2−フェニルメタンスルホニル基等のフルオロアラルキルスルホニル基類を挙げることができる。
【0017】
これらの中でも、耐酸化性が高いという理由から、R4、R5がいずれも炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基であることが好ましい。
【0018】
上記式(II)において、nは0,1又は2である。即ち、(R4−CO−)及び(R5−SO2−)で示される基は、合計で2つが窒素原子に結合している。
【0019】
上記式(II)で示されるイミドアニオンをより具体的に例示すると、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド、トリフルオロメタンスルホニルペンタフルオロエタンスルホニルアミド、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)アミド、トリフルオロメタンスルホニルパーフルオロブタンスルホニルアミド等のnが0であるアミドアニオン;トリフルオロメタンスルホニルトリフルオロアセタミド等のnが1であるアミドアニオン;ビス(トリフルオロアセチル)イミド等のnが2であるイミドアニオン等が挙げられる。スルホニウム塩の粘度が極めて低くなる点で、nが1であるアミドアニオンであることが特に好ましい。
【0020】
これらの置換基をもつアミドアニオンのファンデルワールス体積は100Å3以上で、例えば、上記一般式(II)で示されるアミドアニオンのなかで最も小さいビス(トリフルオロアセチル)イミドのファンデルワールス体積は約115Å3である。
【0021】
本発明のスルホニウム塩の製造方法は特に制限されるものではなく、如何なる方法によって製造しても良いが、純度の高い本発明のスルホニウム塩が得られるという点で、下記式(III)
R1R2R3S+・X− (III)
(R1、R2、R3は前記式(I)と同義であり、X−は、BF4 −又はPF6 −を示す。)
で示されるスルホニウムテトラフルオロボレートあるいはスルホニウムヘキサフルオロホスフェートと、アニオン(Y−)の金属塩を溶媒中で混合し、塩交換することによって製造することが特に好ましい。
【0022】
上記一般式(III)で示されるスルホニウム塩は、通常、対応するジスルフィドとアルキルハライドとを、フッ化硼酸銀或いはフッ化リン酸銀の存在下で反応させることで得られる。当該反応は、一般的にはジスルフィドとアルキルハライドとジクロロメタン或いはクロロホルムとの混合物に室温で少量ずつフッ化硼酸銀或いはフッ化リン酸銀を加えて行われる。その後、反応混合物から沈殿をろ別して溶液を濃縮することで目的とするスルホニウム塩が得られる。
【0023】
このようにして得られた上記一般式(III)で示されるスルホニウム塩を、アニオンの金属塩とイオン交換することにより本発明のスルホニウム塩が製造できる。当該アニオンとしては目的とするスルホニウム塩に対応する、フォンデルワールス半径100Å3以上のアニオンであれば特に制限されるものではないが、前述したように、得られるスルホニウム塩が耐酸化性に優れている点で、下記一般式(IV)
(R4−CO−)n(R5−SO2−)2−nN―・M+ (IV)
(R4,R5及びnはいずれも前記式(II)と同義であり、M+は金属イオンを示す。)
で示される金属アミドであることが好ましい。
【0024】
上記一般式(IV)において、R4,R5及びnはいずれも前記式(II)と同義である。M+は金属イオンを示し、具体的にはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等が例示される。
【0025】
上記式(IV)で示される金属イミドは、対応する下記式
(R4−CO−)n(R5−SO2−)2−nNH
で示されるアミドと金属アルコキシド或いはアルキル金属とを反応させることにより容易に合成することができる。
【0026】
上記一般式(III)で示されるスルホニウム塩と、一般式(IV)で示される金属イミドをイオン交換する方法は特に制限されるものではなく、一般的なイオン交換の条件を採用すればよい。
【0027】
具体的には、上記一般式(III)で示されるスルホニウム塩と、一般式(IV)で示される金属イミドとをモル比1:1前後の範囲で、溶媒中で混合、攪拌することにより、容易にイオン交換がなされる。
【0028】
当該溶媒は特に限定されるものではないが、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテル、THF、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル、アクリロニトリル、プロピオノニトリル等のニトリル類、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ブロモプロパン、ブロモブタン、ブロモペンタン、ブロモヘキサン、よう化メチル、よう化エチル、よう化プロピル等のハロゲン化アルキル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ブチロラクトン、カプロラクトン、ヘキサノラクトン、酢酸エチル等のエステル類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、シクロヘキサン、石油エーテル、ベンジン、ケロシン、トルエン、キシレン、メシチレン、ベンゼン等の炭化水素類等のうち1種類のもの、2種類あるいはそれ以上を混合したものが好適である。また、反応物と生成物の溶解度の理由からアルコール類、ハロゲン化アルキル類、ニトリル類等比誘電率が1から80のものと水との混合溶媒が特に好適である。
【0029】
イオン交換反応は使用する溶媒が液体として存在する圧力および温度で行うことができるが、経済性等の理由から常温常圧が特に好適である。
用いる溶媒の量は、原料および生成物の溶解度から、原料となる前記一般式(III)で示されるスルホニウム塩1重量部にたいして0.1重量部から50重量部使用することが好ましい。塩交換反応の時間はとくに限定されるものではなく、用いる塩の種類に応じて適時選択すれば良いが、あまりに長すぎると着色等が起こる場合があるため、0.1〜10時間の範囲で選択するのが好適である。一般には1時間以内で充分に反応が進行する。
塩交換反応後は水洗することが好ましい。水洗することによって副生する塩を完全に除去することができる。水洗の回数は特に制限されるものではないが、一般には3〜10回程度で充分に副生塩を除去することができる。
【0030】
イオン交換反応後、水洗を行った反応液から用いた溶媒を除去・濃縮し、さらに乾燥することにより、水分がほぼ完全に取り除かれた本発明のスルホニウム塩が得られる。溶媒の除去の方法は特に限定されず、ロータリーエバポレーターによる減圧濃縮、溶媒の蒸留留去等、公知の方法で除去すればよい。
【0031】
乾燥する際の温度は目的物である本発明のスルホニウム塩の分解温度未満のすべての範囲で行うことができるが、目的物の分解温度より10から50℃低い温度が好適であり、一般には60℃から200℃の温度範囲が特に好適である。なお、本発明のスルホニウム塩の分解温度は、その構造等にもよるが一般には110〜250℃程度である。乾燥時の圧力は特に限定はされないが、水や反応溶媒の沸点の理由から100mmHg以下でおこなうことが好適である。
【0032】
このようにして得られる本発明のスルホニウム塩は常温では粘性の低い液体である。また高イオン濃度のためイオン伝導度も高く、リチウム一次電池、リチウム二次電池、電気二重層キャパシタ、色素増感型太陽電池、電解コンデンサ、エレクトロクロミック表示素子等の電気化学デバイスに利用が可能である。本発明の疎水性の塩を使うと、リチウム一次電池、リチウム二次電池や電気二重層キャパシタのサイクル特性、保存安定性、充放電容量等、水の混入が特性の低下を招く多くの電気化学デバイスに有用である。
【0033】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.各実施例、比較例で用いた原料化合物の合成方法
原料のトリフルオロメタンスルホニルトリフルオロアセトアミドカリウムは以下のように合成した。トリフルオロメタンスルホニルアミド(0.1mol)をt−ブタノール(200mL)中室温でt-ブトキシカリウム(0.1mol)を加えて60℃で3時間撹拌した。溶媒を留去し、エーテル(200mL)を加え、トリフルオロ酢酸無水物(0.1mol)を加え、室温で12時間撹拌した。真空乾燥し、結晶をエーテルで洗浄することでトリフルオロメタンスルホニルトリフルオロアセトアミドカリウムを得た。収率80%。
【0034】
ジアルキルスルフィドは市販のものか又は以下のように合成した。二硫化ナトリウム9水和物(0.1mol)、触媒量のテトラオクチルアンモニウム・ブロミド(1mmol)を水(300mL)に懸濁させてクロロアルカン(0.2mol)を加えた。80℃で3時間撹拌し、有機層を分取して減圧蒸留することでジアルキルスルフィドを得た。収率60−85%。
【0035】
2.使用機器
1H−および19F−NMRスペクトルの測定は、日本電子製核磁気共鳴装置JNM−LA500を用いた。19F−NMRのシフト値は試料に混合した1,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンのシフト値−64ppmを基準に用いた。純度は19F−NMRの基準物質以外のピーク面積に対する目的物のピーク面積を算出して求めた。
実施例1
磁気攪拌子を備えた100mLのナス形フラスコにジオクチルスルフィド(6.16g、36.6mmol)とヨウ化オクチル(23.6g、98.0mmol)をジクロロメタン50mLに懸濁させ、テトラフルオロ硼酸銀(6.44g、33.3mmol)を加えて室温で1時間攪拌した。塩をろ別して濃縮し、ヘキサン30mLで3回洗浄した後、真空乾燥機で10時間乾燥してトリオクチルスルホニウム・テトラフルオロボレート(9.01g、収率60%)を黄色の液体として得た。磁気攪拌子を備えた50mLのナス形フラスコに得られたトリオクチルスルホニウム・テトラフルオロボレート(5.01g、10.9mmol)、トリフルオロメタンスルホニルトリフルオロアセトアミドカリウム(3.09g、10.9mmol)を水10mLとジクロロメタン15mLの懸濁液中、室温で5分攪拌した。ジクロロメタン層を分取し、超純水10mLで5回洗浄した。エバポレーターで濃縮した後、真空乾燥機で10時間乾燥してトリオクチルスルホニウム・トリフルオロメタンスルホニルトリフルオロアセトアミド(5.00g、収率74%)を微黄色の液体として得た。19F−NMRによる純度は98.7%、水分量は74ppmであった。以下、NMRスペクトル、粘度、伝導度、凝固点の物性を実施例1〜5のものを表1に、実施例6、7及び比較例のものを表2に示す。
【0036】
実施例2
実施例1の操作で、超純水3mLでの洗浄を3回にしたところ、得られたトリオクチルスルホニウム・トリフルオロメタンスルホニルトリフルオロアセトアミド(1.16g、収率90%)の19F−NMRによる純度は95.9%、水分量は114ppmであった。
【0037】
比較例1
磁気攪拌子を備えた10mLのナス形フラスコにテトラオクチルアンモニウム・ブロミド(1.76g、3.22mmol)、トリフルオロメタンスルホニルトリフルオロアセトアミドカリウム(0.892g、3.15mmol)を水3mLとジクロロメタン7mLの懸濁液中、室温で5分攪拌した。ジクロロメタン層を分取し、超純水3mLで5回洗浄した。エバポレーターで濃縮してテトラオクチルアンモニウム・トリフルオロメタンスルホニルトリフルオロアセトアミド(1.84g、収率82%)を白色の固体として得た。
比較例2
比較例1のテトラオクチルアンモニウム・ブロミドの代わりにテトラオクチルホスホニウム・ブロミド(1.73g、3.07mmol)を使い同様に操作してテトラオクチルホスホニウム・トリフルオロメタンスルホニルトリフルオロアセトアミド(1.96g、収率91%)を無色の液体(粘度272mPa s)として得た。
実施例3
実施例1のトリフルオロメタンスルホニルトリフルオロアセトアミドカリウムの代わりにビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミドリチウム(3.13g、10.9mmol)を使い同様に操作してトリオクチルスルホニウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アセトアミド(4.87g、収率70%)を微黄色の液体として得た。19F−NMRによる純度は98.2%であった。水分量は82ppmであった。
【0038】
実施例4
実施例1のジオクチルスルフィド、ヨウ化オクチルの代わりにそれぞれジデシルスルフィド(6.34g、20.0mmol),ヨウ化デシル(13.1g、48.6mmol)を使い同様に操作してトリデシルスルホニウム・トリフルオロメタンスルホニルトリフルオロアセトアミド(3.96g、収率77%)を微黄色の液体として得た。19F−NMRによる純度は99.1%であった。水分量は44ppmであった。
【0039】
実施例5
実施例4のトリフルオロメタンスルホニルトリフルオロアセトアミドカリウムの代わりにビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミドリチウム(2.16g、7.53mmol)使い同様に操作してトリデシルスルホニウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(4.34g、収率78%)を微黄色の液体として得た。19F−NMRによる純度は98.8%であった。水分量は46ppmであった。
【0040】
実施例6
実施例1のジオクチルスルフィド、ヨウ化オクチルの代わりにそれぞれジドデシルスルフィド(7.44g、20.0mmol)、ヨウ化ドデシル(17.5g、59.0mmol)を使い同様に操作してトリドデシルスルホニウム・トリフルオロメタンスルホニルトリフルオロアセトアミド(4.94g、収率80%)を微黄色の液体として得た。19F−NMRによる純度は99.1%であった。水分量は32ppmであった。
【0041】
実施例7
実施例6のトリフルオロメタンスルホニルトリフルオロアセトアミドカリウムの代わりにビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミドリチウム(1.07g、3.70mmol)を使い同様に操作してトリドデシルスルホニウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(2.14g、収率74%)を微黄色の液体として得た。19F−NMRによる純度は98.8%であった。水分量は31ppmであった。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
実施例8
6mLのサンプル管に実施例1で得たスルホニウム塩1.5gを秤量して入れ、真空乾燥器(80℃、0.1mmHg)で2日間乾燥した。密封状態で室温まで冷却した後、大気に開放し、3分間放置してカールフィッシャー水分測定装置で水分量を測定した。表3に測定した水分量を示す。
【0045】
実施例9〜13、比較例3〜7
実施例8と同様にして、各種オニウム塩の吸水性を測定した。用いたオニウム塩の種類と結果を表3に示した。なお、これら試験はすべて実施例8と同時に行った。また、比較例5〜7で用いたオニウム塩は、各々対応する原料を用い、実施例1と同様にして合成した。
【0046】
【表3】
【0047】
【発明の効果】
本発明のスルホニウム塩は、高い疎水性を有し、また低粘度であり良好な電気伝導性を有する。従って、リチウムイオン電池、電気二重層キャパシタ、色素増感型太陽電池などの水分の混入が好ましくない電気化学デバイスの電解質等として好適に使用できる。
Claims (5)
- 下記一般式(I)
R1R2R3S+・Y− (I)
(R1、R2、R3は各々独立に、炭素数7〜20の1価の有機基、Y−はファンデルワールス体積100Å3以上のアニオンである。)
で示されるスルホニウム塩。 - ファンデルワールス体積100Å3以上のアニオンが、下記一般式(II)
(R4−CO−)n(R5−SO2−)2−nN― (II)
(R4,R5はいずれも、フッ素で置換された炭素数1〜10の炭化水素基を示し、nは0、1又は2である。)
で示されるイミドアニオンである請求項1記載のスルホニウム塩。 - 下記一般式(III)
R1R2R3S+・X− (III)
(R1、R2、R3は各々独立に、炭素数7〜20の1価の有機基、X−は、BF4 −又はPF6 −を示す。)
で示されるスルホニウム塩と、ファンデルワールス体積100Å3以上のアニオンの金属塩とをイオン交換させる、請求項1記載のスルホニウム塩の製造方法。 - 下記一般式(III)
R1R2R3S+・X− (III)
(R1、R2、R3は各々独立に、炭素数7〜20の1価の有機基、X−は、BF4 −又はPF6 −を示す。)
で示されるスルホニウム塩と、下記一般式(IV)
(R4−CO−)n(R5−SO2−)2−nN―・M+ (IV)
(R4,R5はいずれも、フッ素で置換された炭素数1〜10の炭化水素基を示し、nは0、1又は2であり、M+は金属イオンを示す。)
で示される金属アミドをイオン交換させる、請求項2記載のスルホニウム塩の製造方法。 - 請求項1または請求項2に記載のスルホニウム塩を用いた非水電気化学デバイス。
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