JP2004203611A - エレベータかご内照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】照明装置のランプ交換回数を削減し、ランプ交換時のメンテナンススペースを十分に確保することにある。
【解決手段】エレベータかご1の一部を構成する例えば側板3や幅木8などに、直径の小さい冷陰極蛍光ランプを用いた照明装置10を取り付けることにより、エレベータかごの各構成体の小さいスペースであっても、照明装置を取り付け可能とするエレベータかご内照明装置である。
【選択図】 図2
【解決手段】エレベータかご1の一部を構成する例えば側板3や幅木8などに、直径の小さい冷陰極蛍光ランプを用いた照明装置10を取り付けることにより、エレベータかごの各構成体の小さいスペースであっても、照明装置を取り付け可能とするエレベータかご内照明装置である。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータかご内照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレベータは、図11に示すように昇降路51内に昇降可能にエレベータかご52が配置されている。このエレベータかご52は、かご床53、側板54、天板55、正面扉56と、この正面扉56上部と天板55との間に配置される幕板57、かご床53と側板54との間に取り付けられる幅木58とによって構成されている。
【0003】
このエレベータかご52は、正面扉56側をみて左右面側に対応する両側板54のほぼ中央部縦方向に取付けられる立枠59と、この両立枠59の下端部間に横架される下梁60と、両立枠59の上端部間に横架される上梁61とによって支持され、ロープ62によって吊り下げられている。
【0004】
このエレベータかご52は、エレベータかご内を照明するために天板55等に照明装置63が取り付けられている。この照明装置63は、図12に示すごとく、一般家庭用の蛍光ランプ(熱陰極管)64と、光照射方向を除いて蛍光ランプ64を囲むように設けられたランプボックス65と、光照射方向側に配置され、光を透過する照明板66とによって構成されている。
【0005】
ところで、以上のような照明装置63は、一般的には天板55に取り付けているが、種々の照明の効用を確保する観点から、エレベータかご内の天板55以外の個所にも取り付ける要望があるが、このに場合には次のような問題が出てくる。
【0006】
(1) 一般家庭用の蛍光ランプ(熱陰極管)64は、その蛍光ランプ自体が大きいだけでなく、蛍光ランプ始動時に過大な電流を必要とすることから、蛍光ランプ64を点灯する安定器を含めて全体的に大型となる。その結果、照明装置63の奥行き方向が約120mm以上のスペースを必要とするが、前述するように天板55以外の個所,例えばエレベータ背面側側板54に取り付ける場合、その背面側側板54と昇降路51の路壁との間の隙間Wが120mm以下の時、照明装置63が取り付けられない場合がある。特に、既に設置済みのエレベータかごをリニューアルする場合に大きな影響を受ける。
【0007】
(2) また、蛍光ランプ64は、照明装置63をオン・オフを繰り返すだびに寿命が短くなる特性を有している。その理由は、前述するように蛍光ランプ始動時に過大電流を必要とし、この過大電流によって陰極が損傷する為である。その結果、一般家庭用の蛍光ランプ64は、約1年に一回球切れを起こすが、その都度、保守員がエレベータに出向き、所定時間保守作業のためにエレベータを停止させて蛍光ランプ64を交換している。
【0008】
しかし、通常、天板55以外の個所に照明装置63を取り付けた場合、メンテナンススペースが確保されていないこと、また蛍光ランプ64の交換作業に長時間を要することから、エレベータを長時間停止しておかなければならない。
【0009】
(3) また、照明装置として、パソコンなどのバックライトに小形の蛍光ランプとして冷陰極蛍光ランプが用いられているが、未だエレベータかごには取り付ける工夫がなされていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って、以上のように蛍光ランプ64を用いた照明装置63では、エレベータかご内の天板55以外の個所に取り付ける場合、十分なスペースを存在しないことから取り付けが不可能であったり、取り付けてもメンテナンススペースを確保できないことから、蛍光ランプ64の交換作業が困難となり、エレベータの停止が長時間にわたる不都合があった。
【0011】
本発明は以上のような事情にかんがみてなされたもので、エレベータかご内の照明装置の交換回数を削減し、またメンテナンススペースを十分に確保可能にするエレベータかご内照明装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係るエレベータかご内照明装置は、エレベータかごの一部を構成する側板と、この側板の面部に取り付けられ、冷陰極蛍光ランプを内蔵し、かつ、この冷陰極蛍光ランプから発する光をかご内部方向に透過する照明板を設けたランプボックスとを設けた構成である。
【0013】
この発明は以上のような構成とすることにより、冷陰極蛍光ランプが従来の一般的な蛍光ランプと比較し、ランプの使用期間が延び、冷陰極蛍光ランプの交換回数を大幅に減らすことができる。しかも、冷陰極蛍光ランプの直径が非常に小さいので、全体にコンパクトに実現でき、従来の一般的な蛍光ランプではスペース的に取り付けられない場所であってもメンテナンススペースを確保しつつ取付けが可能となる。
【0014】
この冷陰極蛍光ランプは、側板だけでなく、エレベータかごの構成の一部となる幅木、幕板、側板どうしの継ぎ目である目地の比較的少ないスペースを利用して取付けることが可能となり、エレベータかごの意匠的な観点からも種々の光の効用を現出することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
(実施の形態1)
本発明に係わるエレベータかご内照明装置の実施の形態1について、図1ないし図3を参照して説明する。なお、図1はエレベータかご内の一部を実線で示した図。図2は側板に照明装置を取り付けた場合の断面図である。
【0017】
このエレベータかご1は、かご床2、かご壁となる側板3、この側板3の上部を塞ぐように設けられるかご天井となる天板4、かご正面側に所定間隔をもって立設される入口柱5、両入口柱5間に配置され、利用者の乗降時に開閉する正面扉6と、この正面扉6上部と天板4との間に取り付けられる幕板7、かご床2と側板3との間に取り付けられる幅木8を有するものである。9は側板3と側板3との継ぎ目となる目地である。通常、エレベータかご1の正面扉6を除く他の面は複数枚の側板3を継ぎ合わせて形成されている。
【0018】
図2(a)はエレベータかご1の一部を構成する側板3に照明装置10を取り付けた断面図である。
【0019】
この照明装置10は、例えば5本の直管型冷陰極蛍光ランプ11と、これら冷陰極蛍光ランプ11の両端を支持する支持台(図示せず)と、これら冷陰極蛍光ランプ11を点灯するための安定器(図示せず)と、光照射側を除いて少なくとも複数の冷陰極蛍光ランプ11およびそのランプ支持台を囲むように形成された例えば断面ほぼ凹形状のランプボックス12aと、このランプボックス12aの光照射方向側に配置され、蛍光ランプ11から発する光を透過する照明板13と、ランプボックス12a裏面側の複数箇所から突設され、ネジ山が形成されている取付部材14とによって構成されている。
【0020】
この照明装置10の取付けは、予め複数の取付部材14の取付け寸法関係を考慮して側板3に貫通孔が穿設され、この貫通孔にランプボックス12a裏面側の取付部材14を挿通し、側板3の反対面から締付部材となるナット15によりネジ止めし、側板3に取付けるものである。
【0021】
前記冷陰極蛍光ランプ11は、少なくとも1mm〜6mm程度の直径を有する透光性放電容器と、この放電容器の両端に封止された一対の冷陰極と、放電容器の内面に塗布された蛍光体と、放電容器内に封入された放電媒体とを有し、陰極が加熱されることなく発光するので、照明のオン・オフの回数によって寿命が左右されることがなく、単に発光時間に起因する特性をもっている。また、冷陰極蛍光ランプ11は、高電圧を印加すると即点灯し、発光までの時間的遅れない特徴をもっている。
【0022】
前記ランプボックス12aは、望ましくはその内側が冷陰極蛍光ランプ11から照射される光を反射する反射機能をもつ塗料が塗布され、または材料が用いられ、冷陰極蛍光ランプ11からの光が効率的にエレベータかご1内に照射可能にする。
【0023】
なお、ランプボックス12a内には、所定の間隔をもって両端側に支持台が配置され、これら両側の支持台によって各冷陰極蛍光ランプ11が支持されている。また、ランプボックス12a内には例えばインバータ機能の安定器が配置され、この安定器の一端側に複数の冷陰極蛍光ランプ11の一端が電気的に接続され、安定器の他端側には複数の冷陰極蛍光ランプ11の他端が電気的に接続されている。この安定器には電力を供給するためのコネクタが接続されている。
【0024】
従って、以上のような実施の形態によれば、エレベータかご1の側板3に、冷陰極蛍光ランプ11を用いた照明装置10を取り付けることにより、従来の一般的な蛍光ランプと比較し、ランプの長寿命化、ひいてはランプの使用期間が延び、冷陰極蛍光ランプ11の交換回数を減らすことができる。しかも、冷陰極蛍光ランプ11の直径が非常に小さいので、照明装置10全体にコンパクトに実現でき、また従来の一般的な蛍光ランプの場合にはスペースの問題から取り付けられない場所であっても取付けが可能となる。
【0025】
さらに、照明装置10全体がコンパクトであることから、側板3とランプボックス12aとの段差が目立たなくなり、エレベータかごの意匠面からも優れたものとなる。
【0026】
さらに、エレベータかご内部から照明板13を取り外すことが可能となり、冷陰極蛍光ランプ11を簡単に交換することが可能となり、エレベータを停止させずに短時間に冷陰極蛍光ランプ11を交換することが可能となる。
【0027】
なお、図2(a)はランプボックス12a裏面側に取付部材14を突設させたが、例えば側板3内側面部にネジ山を形成した取付部材14が突設され、ランプボックス12aの該当個所に貫通孔を形成し、取付部材14にランプボックス12aの貫通孔を挿通した後、ランプボックス12a内からナット15によりネジ止めし、側板3に取り付ける構成であってもよい。
【0028】
図2(b)は図2(a)と同様にエレベータかご1の一部を構成する側板3に照明装置10を取り付けた断面図である。
【0029】
この照明装置10の側板取付け構成は、先ず、エレベータかご1を構成する側板3には、エレベータかご1内部に照明を取込もうとする面積相当分の広さをもつ開口部16が穿設されている。
【0030】
一方、ランプボックス12bは、そのボックス正面部と同一面を維持するようにボックス正面端部から外側に突き出すように取付けつば部12baが設けられ、この取付けつば部12baには貫通孔が形成され、またランプボックス12bの各取付けつば部12baに形成される貫通孔相互の寸法関係を考慮し、側板3の裏面側の複数個所にはネジ山が形成された取付部材14が突設されている。15は締付け部材となるナットである。
【0031】
なお、前記照明装置10は、図2(a)と全く同様であるので、その詳しい説明は同図(a)に譲る。
【0032】
次に、以上のような照明装置10の取り付け動作について説明する。
【0033】
予め側板3に光を取込む開口部16が形成されているので、この開口部16の裏側から側板3に突設される取付部材14に向けて、冷陰極蛍光ランプ11を内蔵するランプボックス12bに設けられた取付けつば部12baの貫通孔が挿通するように嵌め込んだ後、ナット15によりネジ止めすることにより、側板3に照明装置10を取り付ける。
【0034】
特に、この照明装置10は、冷陰極蛍光ランプ11を用いているので、一般の熱陰極蛍光ランプと比較し、コンパクトに取り付けることが可能であり、側板3の裏面から殆んど出っ張らないので、側板3の近くに障害物があるような場合でも照明装置10の取付けが可能となる。また、ランプボックス12bが省スペースとなっているので、蛍光ランプの交換時のメンテナンススペースを多く確保できる。
【0035】
また、冷陰極蛍光ランプ11の直径が非常に小さいことから、冷陰極蛍光ランプ11とランプを取り付けない側板3とがサイズ的にほぼ同一となるので、同じ出荷方法で出荷することが可能である。さらに、エレベータの仕様の1つとして、風音対策のために側板3の外側に所定の間隔を有して後記する図3に示すごとく側板カバー17が取り付けられているが、この側板3と側板カバー17との隙間にランプボックス12bを十分に収めることができ、風音対策をとりつつ照明装置10を確実に取り付けることができる。
【0036】
なお、図2(b)は、エレベータかご1を構成する側板3にランプボックス12bを埋め込むような大きさな開口部16を穿設し、一方、側板3の表面側に取付部材14を取付け、エレベータかご1の内側からランプボックス12bをネジ止めする構成であってもよい。このような照明装置10の取付け時には、取付部材14にランプボックス12bを取り付け、ナット15にて締め付け固定した後、ナット15を目隠し部材で隠すようにすれば、意匠的な観点からも優れたものとなる。
【0037】
(実施の形態2)
次に、本発明に係わるエレベータかご内照明装置の実施の形態2について、図1、図4及び図5を参照して説明する。なお、図1は前述した通りであり、ここでは省略する。図4及び図5は何れもエレベータかごの一部を構成する幅木8に本発明に係わる照明装置を取り付けた場合の断面図である。
【0038】
このエレベータかご1は、かご床2と側板3との間に断面コ字状の幅木8が配置されるが、このとき例えば側板3と幅木8は平坦面部がかご内部側に面するように断面コ字状の連結部材18を介して接続されている。
【0039】
この側板3と幅木8は、側板3よりも幅木8が後退する位置関係をもって配置されている場合、側板3と幅木8との間に段差が形成されている。
【0040】
図4(a)は、側板3と幅木8との段差を利用し、当該幅木8の面部に照明装置10を取り付けた例である。
【0041】
この照明装置10は、例えば3本の直管型冷陰極蛍光ランプ11と、これら冷陰極蛍光ランプ11の両端を支持する支持台(図示せず)と、これら冷陰極蛍光ランプ11を点灯するための安定器(図示せず)と、光照射側を除いて少なくとも複数の冷陰極蛍光ランプ11およびそのランプ支持台を囲むように形成された例えば断面ほぼ凹形状のランプボックス12cと、このランプボックス12cの光照射方向側に配置され、蛍光ランプ11から発する光を透過する照明板13と、ランプボックス12c裏面側の複数箇所から突設され、ネジ山が形成される取付部材14とによって構成されている。
【0042】
一方、幅木8側には、ランプボックス12c裏面側から突設される複数の取付部材14の取付け寸法関係を考慮して貫通孔が穿設され、この貫通孔にはランプボックス12c裏面側の取付部材14が挿通され、幅木8の裏面側から締付け部材となるナット15によりネジ止めし、幅木8に照明装置10を取付ける構成である。
【0043】
なお、ランプボックス12cは、望ましくはその内側が冷陰極蛍光ランプ11から照射される光を反射する反射機能をもつ塗料が塗布され、または材料が用いられ、冷陰極蛍光ランプ11からの光が効率的にエレベータかご1内に照射可能にするものである。
【0044】
なお、ランプボックス12a内には、所定の間隔をもって両端側に支持台(図示せず)が配置され、これら両側の支持台によって各冷陰極蛍光ランプ11が支持される。また、ランプボックス12a内には例えばインバータ機能の安定器(図示せず)が配置され、この安定器の一端側に複数の冷陰極蛍光ランプ11の一端が電気的に接続され、安定器の他端側には複数の冷陰極蛍光ランプ11の他端が電気的に接続されている。この安定器には電力を供給するためのコネクタが接続されている。
【0045】
従って、以上のような実施の形態によれば、前述する図2(a)と同様の作用効果を奏する他、通常、側板3と幅木8との段差が約10mm程度あるが、照明装置10全体がコンパクトであることから、当該段差の中に確実に取り付けることができる。従って、冷陰極蛍光ランプ11を用いた照明装置10を取り付ければ、例えば昇降路やかご支持用立枠を変更することなく、照明装置10を取り付けることができる。また、照明装置10が出っ張らずに取付け可能であり、エレベータかごの意匠面からも優れたものとなる。
【0046】
なお、例えば幅木8面部にネジ山を形成した取付部材14が突設され、ランプボックス12dの該当個所に貫通孔を形成し、取付部材14にランプボックス12dの貫通孔を挿通した後、ランプボックス12d内からナット15によりネジ止めし、幅木8に取り付ける構成であってもよい。
【0047】
図4(b)は、同図(a)と同様に側板3と幅木8との間の段差を利用し、幅木8に照明装置10を取り付ける例であるが、同図(a)と異なるところは、幅木8の面部にエレベータかご1内部にかご内に照明を取込もうとする面積相当分の広さをもつ開口部19を穿設する一方、ランプボックス12dの正面部と同一面を維持するようにボックス正面端部から外側に突き出すように取付けつば部12daが設けられ、この取付けつば部12daには貫通孔が形成されている。一方、幅木8の裏面側の複数個所にはネジ山を形成した取付部材14が突設されている。15は締付け部材となるナットである。
【0048】
なお、照明装置10は、図2(a)と全く同様であるので、詳しくは図2(a)に譲る。
【0049】
次に、以上のような照明装置10の取り付け動作について説明する。
【0050】
幅木8に光を取込む開口部19が形成されているので、この開口部19の裏側から幅木8に突設される取付部材14に向けて、冷陰極蛍光ランプ11を内蔵するランプボックス12dに設けた取付けつば部12daの貫通孔を挿通した後、ナット15によりネジ止めすることにより、幅木8に照明装置10を取り付けるものである。
【0051】
従って、以上のような実施の形態によれば、図2(b)と同様の作用効果を奏する他、エレベータの1つの仕様である風音対策を行う場合には図3に示すような幅木8の外側に幅木カバー20が施こすが、この幅木8と幅木カバー21との隙間にランプボックス12dを十分に収めることができ、風音対策をとりつつ照明装置10を確実に取り付けることが可能となる。
【0052】
なお、図2(b)と同様に、幅木8にランプボックス12dを埋め込むような大きさの開口部を穿設し、一方、幅木8の表面側に取付部材14を取付け、エレベータかご1の内側からランプボックス12dをネジ止めする構成であってもよい。このような照明装置10の取付け時には、取付部材14にランプボックス12dを取り付け、ナット15にて締め付け固定し、かご内部から照明装置10を取り付ける。
【0053】
図5は、側板3と幅木8との段差を利用して照明装置10を取り付けるもう1つの例である。
【0054】
すなわち、側板3と幅木8との間に段差が存在する場合、側板3の下端部を幅木8の一部を覆うように突き出すようにすれば、その突き出し部分と幅木8との間に空間部22を形成することができる。そこで、この空間部22を利用してランプボックス(図示せず)を埋め込んで冷陰極蛍光ランプ11を設置するか、或いは側板3と幅木8とを連結する連結部材18に前記支持台を含んで冷陰極蛍光ランプ11を取り付ければ、側板3の突き出し部分と幅木8との隙間を有効に利用して照明装置10を取り付けることができる。
【0055】
従って、以上のような実施の形態によれば、側板3と幅木8との間の段差が少ない場合でも、スペースを有効に活用して照明装置10を取り付けることができる。例えば側板3と幅木8との段差が5mmであっても、当該段差の中に冷陰極蛍光ランプ11を収めることができる。
【0056】
(実施の形態3)
次に、本発明に係わるエレベータかご内照明装置の実施の形態3について、図1、図6を参照して説明する。なお、図1は前述した通りであり、ここでは省略する。図6はエレベータかごの一部を構成する幕板7に本発明に係わるエレベータかご内照明装置を取り付けた場合の断面図である。
【0057】
エレベータかご1は、図示点線で示す正面扉6上部と天板4の間に幕板7が配置されるが、この幕板7は利用客の乗降方向,奥行き方向にある幅をもって形成されている。
【0058】
そこで、図6(a)では、当該幕板7の底面部を利用し、冷陰極蛍光ランプ11を用いた照明装置10を取り付けるものである。
【0059】
具体的には、照明装置10は、所要本数の直管型冷陰極蛍光ランプ11と、これら冷陰極蛍光ランプ11の両端を支持する支持台(図示せず)と、これら冷陰極蛍光ランプ11を点灯するための安定器(図示せず)と、光照射側を除いて少なくとも複数の冷陰極蛍光ランプ11およびそのランプ支持台を囲むように形成された例えば断面ほぼ凹形状のランプボックス12fと、このランプボックス12fの光照射方向側に配置され、蛍光ランプ11から発する光を透過する照明板13と、ランプボックス12f裏面側の複数箇所から突設され、ネジ山が形成される取付部材14とによって構成されている。
【0060】
この照明装置10の取付けは、予め複数の取付部材14の取付け寸法関係を考慮して幕板7に貫通孔を穿設し、この貫通孔にランプボックス12f裏面側の取付部材14を挿通し、幕板7の裏側から締付け部材となるナット15によりネジ止めし、幕板7に取付ける。
【0061】
この実施の形態によれば、図2(a)と同様の作用効果を奏する他、冷陰極蛍光ランプ11を用いた照明装置10を非常にコンパクトに実現できるので、幕板7下面部にそれほど取付スペースがなくても、また従来取り付けられないスペースであっても、照明装置10の取付けが可能となる。
【0062】
図6(b)は幕板7に照明装置11を取り付ける点で同図(a)と同様であるが、特に異なるところは、幕板7の下面部にエレベータかご1内部に照明を取込もうとする面積相当分の広さをもつ開口部23を穿設する一方、ランプボックス12gの正面部と同一面を維持するようにボックス正面端部から外側に突き出すように取付けつば部12gaが設けられ、この取付けつば部12gaには貫通孔が形成されている。一方、幕板7の裏面側の複数個所にはネジ山を形成した取付部材14が突設されている。15は締付け部材となるナットである。
【0063】
なお、照明装置10は、図2と全く同様であるので、その詳しい説明は図2に譲る。
【0064】
従って、この実施の形態によれば、幕板7に開けられた開口部23の裏側から当該幕板7に突設される取付部材14に向けて、冷陰極蛍光ランプ11を内蔵するランプボックス12gに設けられた取付けつば部12gaの貫通孔が挿通するように嵌め込んだ後、ナット15によりネジ止めすることにより、幕板7に照明装置10を取り付けることが可能である。
【0065】
従って、以上のような実施の形態によれば、この照明装置10は、冷陰極蛍光ランプ11を用いているので、一般の熱陰極蛍光ランプと比較し、コンパクトに取り付けることが可能であり、幕板7の裏面から殆んど出っ張らないので、幕板7の近くに障害物があるような場合でも取付可能となる。また、ランプボックス12gが省スペースとなるので、蛍光ランプの交換時のメンテナンススペースを多く確保できる。
【0066】
(実施の形態4)
次に、本発明に係わるエレベータかご内照明装置の実施の形態4について、図1、図7を参照して説明する。なお、図1は前述した通りであり、ここでは省略する。図7は側板3と隣接する側板3との継ぎ目となる目地9を利用し、照明装置10を取り付ける例である。
【0067】
図7(a)は目地9に照明装置10を取り付ける一つの例を示す図である。このエレベータかご内照明装置は、相隣接する2つの側板3の折り曲げ部により形成される目地9の隙間或いは意図的に多少の隙間を設けた目地9の奥部に裏側から点検用ブラケット31を嵌め込むとともに、このこの点検用ブラケット31と目地9との間に支持台を含む冷陰極蛍光ランプ11を取付け、表面目地9を目張りするように表面側から冷陰極蛍光ランプ11から発する光を透過する照明部材32aを嵌め込んだ構成である。
【0068】
従って、以上のような実施の形態によれば、前述する図2(a)及び図2(b)と同様の作用効果を奏する他、狭い目地9を有効に利用して冷陰極蛍光ランプ11を取付けることが可能である。特に、相隣接する2つの側板3の折り曲げ部により形成される表面目地9に対し、予めボックス状となる照明装置10を組込んでおけば、現地で簡単に目地9に照明装置10を取り付けることが可能である。また、相隣接する2つの側板3の継ぎ目である表面目地9を有効に利用し、エレベータかご1内を照明することができ、さらに照明部材32aに所要とする色を施すことにより、審美的な照明を現出でき、意匠的な効果を高めることができる。
【0069】
図7(b)は目地9に照明装置10を取り付ける他の例を示す図である。このエレベータかご内照明装置は、相隣接する2つの側板3の折り曲げ部の一方に光を通す孔33を形成するとともに、目地9の隙間に光を透過する照明部材32bを埋め込む。そして、孔33の近くに冷陰極蛍光ランプ11を用いた照明装置10を配置し、冷陰極蛍光ランプ11から発する光が孔33を通り、照明部材32bから間接光として出力する構成である。
【0070】
この実施の形態によれば、前述する図2(a)及び図2(b)と同様の作用効果を奏する他、側板3の折り曲げ部に形成された孔33の近傍に冷陰極蛍光ランプ11を配置するので、冷陰極蛍光ランプ11からの光が照明板13を通って目地9から出力させることができ、図7(a)とは異なる意匠的な効果を現出させることができる。
【0071】
(実施の形態5)
本発明に係わるエレベータかご内照明装置の実施の形態5について、図1、図8ないし図10を参照して説明する。なお、図1は前述した通りであり、ここでは省略する。
【0072】
図8はエレベータかごの一部を構成するかご床2に照明装置10を取り付ける例を示す図である。
【0073】
このエレベータかご内照明装置は、かご床2の全部或いは一部に光を透過する照明床2aを敷設するとともに、照明床2aの下部側に複数のコ字状部材36を介して照明取付板37が取り付けられ、この照明取付板37に図2(a)または同図(b)に示す照明装置10を設置すれば、冷陰極蛍光ランプ11から発する光が照明床2aを通り、かご内部を照明する構成である。
【0074】
このような実施の形態によれば、前述する図2(a)及び図2(b)と同様の作用効果を奏する他、かご床下部の少ないスペースを利用してかご床2からエレベータかご内を照明することができる。また、かご床2を床照明とすることにより、かご床2の重量を軽くすることが可能である。
【0075】
図9及び図10は同じくかご床2に照明装置10を取り付ける他の例を示す図である。図9はかご床の面部を示す図、図10は図9のかご床の断面図である。
【0076】
このかご床2は、当該かご床2の面部に直線状となるように光を透過する断面凸形状の床目地38を敷設するとともに、この床目地38の凸形状部分に上側から押さえ込むように2つ逆凹形状の床目地押え部材39が設けられている。この2つの目地押え部材39の裏面側にはそれぞれネジ山を形成した複数の取付部材40が突設され、それぞれ中間ブロック41を介して床基礎板42に貫通し、この床基礎板42の裏側から締付部材であるナット43にて締付け、床目地38が抜け出ないような構成となっている。そして、床目地38と対をなす2つの中間ブロック41と床基礎板42とで形成される空間部分に冷陰極蛍光ランプ11を用いた照明装置10が収納されている。
【0077】
従って、以上のような実施の形態によれば、図2(a)、図2(b)と同様の作用効果を奏する他、冷陰極蛍光ランプ11を用いた照明装置10をコンパクトに実現できるので、比較的細い床目地38の裏でも照明装置10を取り付けることができ、またかご床2の意匠的な効用も期待することができる。
【0078】
なお、本願発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。図1はエレベータかご1の1つの形態例を示したものであり、ユーザ等の要望によって種々の形態のエレベータかごが存在するが、これら全ての形態のエレベータかご1に適用できるものである。また、各図にそれぞれ所要の方向で冷陰極蛍光ランプ11が配置されているが、特に配置方向は限定されるものではない。
【0079】
上記実施の形態では、照明装置10に冷陰極蛍光ランプ11を用いた例を説明したが、当該冷陰極蛍光ランプ11に替えて、例えばLED(発光ダイオード)や有機EL(エレクトロルミネッセンス)等の素子を用いて光を照射するように構成してもよい。この照明装置10としてのLEDや有機EL等の素子は、棒状(蛍光ランプ)、リング状(サークライン)或いは二次元平面状に配列し、照明装置10を構成する。なお、1個のLEDや有機EL等の素子を用いて、棒状、リング状或いは二次元平面状に構成することも可能である。また、照明装置10の一部を構成するランプボックス等内には、LEDのみを組み込む場合であっても、有機ELのみを組み込む場合であっても、或いは冷陰極蛍光ランプ11とELDと有機ELとを適宜に組み合わせて構成することもできる。
【0080】
さらに、ELDや有機ELは白色のものを用いる場合のほか、周囲環境、光量、使用時間帯、使用季節等に応じて他の色のものを用いることも可能であり、また複数の色のLEDや有機ELを混在させることも可能である。また、LEDや有機EL等の素子を発光させるために、従来一般に使用されている駆動制御装置を用いることは言うまでもない。
【0081】
さらに、各実施の形態は可能な限り組み合わせて実施することが可能であり、その場合には組み合わせによる効果が得られる。さらに、上記各実施の形態には種々の上位,下位段階の発明が含まれており、開示された複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得るものである。例えば問題点を解決するための手段に記載される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されうることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、エレベータかご内に設置される照明装置のランプ交換回数を削減でき、またエレベータかごの一部を構成する構成体の少ないスペースを利用して照明装置を取付けでき、冷陰極蛍光ランプ交換時のメンテナンススペースを十分に確保できるエレベータかご内照明装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエレベータかご内照明装置を適用するエレベータかご内部を示す構成図。
【図2】図1に示す側板に照明装置を取り付けた場合の断面図。
【図3】図1に示す側板及び幅木の外側に風音防止手段を施した場合の照明装置の取り付け状態を説明する図。
【図4】図1に示す幅木に照明装置を取り付けた場合の断面図。
【図5】図1に示す幅木に照明装置を取り付けた場合の断面図。
【図6】図1に示す幕板に照明装置を取り付けた場合の断面図。
【図7】図1に示す2つの側板の継ぎ目である目地に照明装置を取り付けた場合の断面図。
【図8】図1に示すかご床に照明装置を取り付けた場合の断面図。
【図9】同じくかご床に照明装置を取り付けた場合のかご床面部を示す図。
【図10】図10に示すかご床の断面図。
【図11】エレベータの概略構成を説明する図。
【図12】従来の照明装置を説明する断面図。
【符号の説明】
1…エレベータかご
2…かご床(2a:照明床)
3…側板
4…天板
5…入口柱
6…正面扉
7…幕板
8…幅木
9…目地
10…照明装置
11…冷陰極蛍光ランプ(LED、有機EL)
12a〜12f…ランプボックス
13…照明板
14…取付部材
16,19…開口部
17…側板カバー
21…幅木カバー
32a,32b…照明部材
38…床目地
39…床目地押え部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータかご内照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレベータは、図11に示すように昇降路51内に昇降可能にエレベータかご52が配置されている。このエレベータかご52は、かご床53、側板54、天板55、正面扉56と、この正面扉56上部と天板55との間に配置される幕板57、かご床53と側板54との間に取り付けられる幅木58とによって構成されている。
【0003】
このエレベータかご52は、正面扉56側をみて左右面側に対応する両側板54のほぼ中央部縦方向に取付けられる立枠59と、この両立枠59の下端部間に横架される下梁60と、両立枠59の上端部間に横架される上梁61とによって支持され、ロープ62によって吊り下げられている。
【0004】
このエレベータかご52は、エレベータかご内を照明するために天板55等に照明装置63が取り付けられている。この照明装置63は、図12に示すごとく、一般家庭用の蛍光ランプ(熱陰極管)64と、光照射方向を除いて蛍光ランプ64を囲むように設けられたランプボックス65と、光照射方向側に配置され、光を透過する照明板66とによって構成されている。
【0005】
ところで、以上のような照明装置63は、一般的には天板55に取り付けているが、種々の照明の効用を確保する観点から、エレベータかご内の天板55以外の個所にも取り付ける要望があるが、このに場合には次のような問題が出てくる。
【0006】
(1) 一般家庭用の蛍光ランプ(熱陰極管)64は、その蛍光ランプ自体が大きいだけでなく、蛍光ランプ始動時に過大な電流を必要とすることから、蛍光ランプ64を点灯する安定器を含めて全体的に大型となる。その結果、照明装置63の奥行き方向が約120mm以上のスペースを必要とするが、前述するように天板55以外の個所,例えばエレベータ背面側側板54に取り付ける場合、その背面側側板54と昇降路51の路壁との間の隙間Wが120mm以下の時、照明装置63が取り付けられない場合がある。特に、既に設置済みのエレベータかごをリニューアルする場合に大きな影響を受ける。
【0007】
(2) また、蛍光ランプ64は、照明装置63をオン・オフを繰り返すだびに寿命が短くなる特性を有している。その理由は、前述するように蛍光ランプ始動時に過大電流を必要とし、この過大電流によって陰極が損傷する為である。その結果、一般家庭用の蛍光ランプ64は、約1年に一回球切れを起こすが、その都度、保守員がエレベータに出向き、所定時間保守作業のためにエレベータを停止させて蛍光ランプ64を交換している。
【0008】
しかし、通常、天板55以外の個所に照明装置63を取り付けた場合、メンテナンススペースが確保されていないこと、また蛍光ランプ64の交換作業に長時間を要することから、エレベータを長時間停止しておかなければならない。
【0009】
(3) また、照明装置として、パソコンなどのバックライトに小形の蛍光ランプとして冷陰極蛍光ランプが用いられているが、未だエレベータかごには取り付ける工夫がなされていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って、以上のように蛍光ランプ64を用いた照明装置63では、エレベータかご内の天板55以外の個所に取り付ける場合、十分なスペースを存在しないことから取り付けが不可能であったり、取り付けてもメンテナンススペースを確保できないことから、蛍光ランプ64の交換作業が困難となり、エレベータの停止が長時間にわたる不都合があった。
【0011】
本発明は以上のような事情にかんがみてなされたもので、エレベータかご内の照明装置の交換回数を削減し、またメンテナンススペースを十分に確保可能にするエレベータかご内照明装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係るエレベータかご内照明装置は、エレベータかごの一部を構成する側板と、この側板の面部に取り付けられ、冷陰極蛍光ランプを内蔵し、かつ、この冷陰極蛍光ランプから発する光をかご内部方向に透過する照明板を設けたランプボックスとを設けた構成である。
【0013】
この発明は以上のような構成とすることにより、冷陰極蛍光ランプが従来の一般的な蛍光ランプと比較し、ランプの使用期間が延び、冷陰極蛍光ランプの交換回数を大幅に減らすことができる。しかも、冷陰極蛍光ランプの直径が非常に小さいので、全体にコンパクトに実現でき、従来の一般的な蛍光ランプではスペース的に取り付けられない場所であってもメンテナンススペースを確保しつつ取付けが可能となる。
【0014】
この冷陰極蛍光ランプは、側板だけでなく、エレベータかごの構成の一部となる幅木、幕板、側板どうしの継ぎ目である目地の比較的少ないスペースを利用して取付けることが可能となり、エレベータかごの意匠的な観点からも種々の光の効用を現出することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
(実施の形態1)
本発明に係わるエレベータかご内照明装置の実施の形態1について、図1ないし図3を参照して説明する。なお、図1はエレベータかご内の一部を実線で示した図。図2は側板に照明装置を取り付けた場合の断面図である。
【0017】
このエレベータかご1は、かご床2、かご壁となる側板3、この側板3の上部を塞ぐように設けられるかご天井となる天板4、かご正面側に所定間隔をもって立設される入口柱5、両入口柱5間に配置され、利用者の乗降時に開閉する正面扉6と、この正面扉6上部と天板4との間に取り付けられる幕板7、かご床2と側板3との間に取り付けられる幅木8を有するものである。9は側板3と側板3との継ぎ目となる目地である。通常、エレベータかご1の正面扉6を除く他の面は複数枚の側板3を継ぎ合わせて形成されている。
【0018】
図2(a)はエレベータかご1の一部を構成する側板3に照明装置10を取り付けた断面図である。
【0019】
この照明装置10は、例えば5本の直管型冷陰極蛍光ランプ11と、これら冷陰極蛍光ランプ11の両端を支持する支持台(図示せず)と、これら冷陰極蛍光ランプ11を点灯するための安定器(図示せず)と、光照射側を除いて少なくとも複数の冷陰極蛍光ランプ11およびそのランプ支持台を囲むように形成された例えば断面ほぼ凹形状のランプボックス12aと、このランプボックス12aの光照射方向側に配置され、蛍光ランプ11から発する光を透過する照明板13と、ランプボックス12a裏面側の複数箇所から突設され、ネジ山が形成されている取付部材14とによって構成されている。
【0020】
この照明装置10の取付けは、予め複数の取付部材14の取付け寸法関係を考慮して側板3に貫通孔が穿設され、この貫通孔にランプボックス12a裏面側の取付部材14を挿通し、側板3の反対面から締付部材となるナット15によりネジ止めし、側板3に取付けるものである。
【0021】
前記冷陰極蛍光ランプ11は、少なくとも1mm〜6mm程度の直径を有する透光性放電容器と、この放電容器の両端に封止された一対の冷陰極と、放電容器の内面に塗布された蛍光体と、放電容器内に封入された放電媒体とを有し、陰極が加熱されることなく発光するので、照明のオン・オフの回数によって寿命が左右されることがなく、単に発光時間に起因する特性をもっている。また、冷陰極蛍光ランプ11は、高電圧を印加すると即点灯し、発光までの時間的遅れない特徴をもっている。
【0022】
前記ランプボックス12aは、望ましくはその内側が冷陰極蛍光ランプ11から照射される光を反射する反射機能をもつ塗料が塗布され、または材料が用いられ、冷陰極蛍光ランプ11からの光が効率的にエレベータかご1内に照射可能にする。
【0023】
なお、ランプボックス12a内には、所定の間隔をもって両端側に支持台が配置され、これら両側の支持台によって各冷陰極蛍光ランプ11が支持されている。また、ランプボックス12a内には例えばインバータ機能の安定器が配置され、この安定器の一端側に複数の冷陰極蛍光ランプ11の一端が電気的に接続され、安定器の他端側には複数の冷陰極蛍光ランプ11の他端が電気的に接続されている。この安定器には電力を供給するためのコネクタが接続されている。
【0024】
従って、以上のような実施の形態によれば、エレベータかご1の側板3に、冷陰極蛍光ランプ11を用いた照明装置10を取り付けることにより、従来の一般的な蛍光ランプと比較し、ランプの長寿命化、ひいてはランプの使用期間が延び、冷陰極蛍光ランプ11の交換回数を減らすことができる。しかも、冷陰極蛍光ランプ11の直径が非常に小さいので、照明装置10全体にコンパクトに実現でき、また従来の一般的な蛍光ランプの場合にはスペースの問題から取り付けられない場所であっても取付けが可能となる。
【0025】
さらに、照明装置10全体がコンパクトであることから、側板3とランプボックス12aとの段差が目立たなくなり、エレベータかごの意匠面からも優れたものとなる。
【0026】
さらに、エレベータかご内部から照明板13を取り外すことが可能となり、冷陰極蛍光ランプ11を簡単に交換することが可能となり、エレベータを停止させずに短時間に冷陰極蛍光ランプ11を交換することが可能となる。
【0027】
なお、図2(a)はランプボックス12a裏面側に取付部材14を突設させたが、例えば側板3内側面部にネジ山を形成した取付部材14が突設され、ランプボックス12aの該当個所に貫通孔を形成し、取付部材14にランプボックス12aの貫通孔を挿通した後、ランプボックス12a内からナット15によりネジ止めし、側板3に取り付ける構成であってもよい。
【0028】
図2(b)は図2(a)と同様にエレベータかご1の一部を構成する側板3に照明装置10を取り付けた断面図である。
【0029】
この照明装置10の側板取付け構成は、先ず、エレベータかご1を構成する側板3には、エレベータかご1内部に照明を取込もうとする面積相当分の広さをもつ開口部16が穿設されている。
【0030】
一方、ランプボックス12bは、そのボックス正面部と同一面を維持するようにボックス正面端部から外側に突き出すように取付けつば部12baが設けられ、この取付けつば部12baには貫通孔が形成され、またランプボックス12bの各取付けつば部12baに形成される貫通孔相互の寸法関係を考慮し、側板3の裏面側の複数個所にはネジ山が形成された取付部材14が突設されている。15は締付け部材となるナットである。
【0031】
なお、前記照明装置10は、図2(a)と全く同様であるので、その詳しい説明は同図(a)に譲る。
【0032】
次に、以上のような照明装置10の取り付け動作について説明する。
【0033】
予め側板3に光を取込む開口部16が形成されているので、この開口部16の裏側から側板3に突設される取付部材14に向けて、冷陰極蛍光ランプ11を内蔵するランプボックス12bに設けられた取付けつば部12baの貫通孔が挿通するように嵌め込んだ後、ナット15によりネジ止めすることにより、側板3に照明装置10を取り付ける。
【0034】
特に、この照明装置10は、冷陰極蛍光ランプ11を用いているので、一般の熱陰極蛍光ランプと比較し、コンパクトに取り付けることが可能であり、側板3の裏面から殆んど出っ張らないので、側板3の近くに障害物があるような場合でも照明装置10の取付けが可能となる。また、ランプボックス12bが省スペースとなっているので、蛍光ランプの交換時のメンテナンススペースを多く確保できる。
【0035】
また、冷陰極蛍光ランプ11の直径が非常に小さいことから、冷陰極蛍光ランプ11とランプを取り付けない側板3とがサイズ的にほぼ同一となるので、同じ出荷方法で出荷することが可能である。さらに、エレベータの仕様の1つとして、風音対策のために側板3の外側に所定の間隔を有して後記する図3に示すごとく側板カバー17が取り付けられているが、この側板3と側板カバー17との隙間にランプボックス12bを十分に収めることができ、風音対策をとりつつ照明装置10を確実に取り付けることができる。
【0036】
なお、図2(b)は、エレベータかご1を構成する側板3にランプボックス12bを埋め込むような大きさな開口部16を穿設し、一方、側板3の表面側に取付部材14を取付け、エレベータかご1の内側からランプボックス12bをネジ止めする構成であってもよい。このような照明装置10の取付け時には、取付部材14にランプボックス12bを取り付け、ナット15にて締め付け固定した後、ナット15を目隠し部材で隠すようにすれば、意匠的な観点からも優れたものとなる。
【0037】
(実施の形態2)
次に、本発明に係わるエレベータかご内照明装置の実施の形態2について、図1、図4及び図5を参照して説明する。なお、図1は前述した通りであり、ここでは省略する。図4及び図5は何れもエレベータかごの一部を構成する幅木8に本発明に係わる照明装置を取り付けた場合の断面図である。
【0038】
このエレベータかご1は、かご床2と側板3との間に断面コ字状の幅木8が配置されるが、このとき例えば側板3と幅木8は平坦面部がかご内部側に面するように断面コ字状の連結部材18を介して接続されている。
【0039】
この側板3と幅木8は、側板3よりも幅木8が後退する位置関係をもって配置されている場合、側板3と幅木8との間に段差が形成されている。
【0040】
図4(a)は、側板3と幅木8との段差を利用し、当該幅木8の面部に照明装置10を取り付けた例である。
【0041】
この照明装置10は、例えば3本の直管型冷陰極蛍光ランプ11と、これら冷陰極蛍光ランプ11の両端を支持する支持台(図示せず)と、これら冷陰極蛍光ランプ11を点灯するための安定器(図示せず)と、光照射側を除いて少なくとも複数の冷陰極蛍光ランプ11およびそのランプ支持台を囲むように形成された例えば断面ほぼ凹形状のランプボックス12cと、このランプボックス12cの光照射方向側に配置され、蛍光ランプ11から発する光を透過する照明板13と、ランプボックス12c裏面側の複数箇所から突設され、ネジ山が形成される取付部材14とによって構成されている。
【0042】
一方、幅木8側には、ランプボックス12c裏面側から突設される複数の取付部材14の取付け寸法関係を考慮して貫通孔が穿設され、この貫通孔にはランプボックス12c裏面側の取付部材14が挿通され、幅木8の裏面側から締付け部材となるナット15によりネジ止めし、幅木8に照明装置10を取付ける構成である。
【0043】
なお、ランプボックス12cは、望ましくはその内側が冷陰極蛍光ランプ11から照射される光を反射する反射機能をもつ塗料が塗布され、または材料が用いられ、冷陰極蛍光ランプ11からの光が効率的にエレベータかご1内に照射可能にするものである。
【0044】
なお、ランプボックス12a内には、所定の間隔をもって両端側に支持台(図示せず)が配置され、これら両側の支持台によって各冷陰極蛍光ランプ11が支持される。また、ランプボックス12a内には例えばインバータ機能の安定器(図示せず)が配置され、この安定器の一端側に複数の冷陰極蛍光ランプ11の一端が電気的に接続され、安定器の他端側には複数の冷陰極蛍光ランプ11の他端が電気的に接続されている。この安定器には電力を供給するためのコネクタが接続されている。
【0045】
従って、以上のような実施の形態によれば、前述する図2(a)と同様の作用効果を奏する他、通常、側板3と幅木8との段差が約10mm程度あるが、照明装置10全体がコンパクトであることから、当該段差の中に確実に取り付けることができる。従って、冷陰極蛍光ランプ11を用いた照明装置10を取り付ければ、例えば昇降路やかご支持用立枠を変更することなく、照明装置10を取り付けることができる。また、照明装置10が出っ張らずに取付け可能であり、エレベータかごの意匠面からも優れたものとなる。
【0046】
なお、例えば幅木8面部にネジ山を形成した取付部材14が突設され、ランプボックス12dの該当個所に貫通孔を形成し、取付部材14にランプボックス12dの貫通孔を挿通した後、ランプボックス12d内からナット15によりネジ止めし、幅木8に取り付ける構成であってもよい。
【0047】
図4(b)は、同図(a)と同様に側板3と幅木8との間の段差を利用し、幅木8に照明装置10を取り付ける例であるが、同図(a)と異なるところは、幅木8の面部にエレベータかご1内部にかご内に照明を取込もうとする面積相当分の広さをもつ開口部19を穿設する一方、ランプボックス12dの正面部と同一面を維持するようにボックス正面端部から外側に突き出すように取付けつば部12daが設けられ、この取付けつば部12daには貫通孔が形成されている。一方、幅木8の裏面側の複数個所にはネジ山を形成した取付部材14が突設されている。15は締付け部材となるナットである。
【0048】
なお、照明装置10は、図2(a)と全く同様であるので、詳しくは図2(a)に譲る。
【0049】
次に、以上のような照明装置10の取り付け動作について説明する。
【0050】
幅木8に光を取込む開口部19が形成されているので、この開口部19の裏側から幅木8に突設される取付部材14に向けて、冷陰極蛍光ランプ11を内蔵するランプボックス12dに設けた取付けつば部12daの貫通孔を挿通した後、ナット15によりネジ止めすることにより、幅木8に照明装置10を取り付けるものである。
【0051】
従って、以上のような実施の形態によれば、図2(b)と同様の作用効果を奏する他、エレベータの1つの仕様である風音対策を行う場合には図3に示すような幅木8の外側に幅木カバー20が施こすが、この幅木8と幅木カバー21との隙間にランプボックス12dを十分に収めることができ、風音対策をとりつつ照明装置10を確実に取り付けることが可能となる。
【0052】
なお、図2(b)と同様に、幅木8にランプボックス12dを埋め込むような大きさの開口部を穿設し、一方、幅木8の表面側に取付部材14を取付け、エレベータかご1の内側からランプボックス12dをネジ止めする構成であってもよい。このような照明装置10の取付け時には、取付部材14にランプボックス12dを取り付け、ナット15にて締め付け固定し、かご内部から照明装置10を取り付ける。
【0053】
図5は、側板3と幅木8との段差を利用して照明装置10を取り付けるもう1つの例である。
【0054】
すなわち、側板3と幅木8との間に段差が存在する場合、側板3の下端部を幅木8の一部を覆うように突き出すようにすれば、その突き出し部分と幅木8との間に空間部22を形成することができる。そこで、この空間部22を利用してランプボックス(図示せず)を埋め込んで冷陰極蛍光ランプ11を設置するか、或いは側板3と幅木8とを連結する連結部材18に前記支持台を含んで冷陰極蛍光ランプ11を取り付ければ、側板3の突き出し部分と幅木8との隙間を有効に利用して照明装置10を取り付けることができる。
【0055】
従って、以上のような実施の形態によれば、側板3と幅木8との間の段差が少ない場合でも、スペースを有効に活用して照明装置10を取り付けることができる。例えば側板3と幅木8との段差が5mmであっても、当該段差の中に冷陰極蛍光ランプ11を収めることができる。
【0056】
(実施の形態3)
次に、本発明に係わるエレベータかご内照明装置の実施の形態3について、図1、図6を参照して説明する。なお、図1は前述した通りであり、ここでは省略する。図6はエレベータかごの一部を構成する幕板7に本発明に係わるエレベータかご内照明装置を取り付けた場合の断面図である。
【0057】
エレベータかご1は、図示点線で示す正面扉6上部と天板4の間に幕板7が配置されるが、この幕板7は利用客の乗降方向,奥行き方向にある幅をもって形成されている。
【0058】
そこで、図6(a)では、当該幕板7の底面部を利用し、冷陰極蛍光ランプ11を用いた照明装置10を取り付けるものである。
【0059】
具体的には、照明装置10は、所要本数の直管型冷陰極蛍光ランプ11と、これら冷陰極蛍光ランプ11の両端を支持する支持台(図示せず)と、これら冷陰極蛍光ランプ11を点灯するための安定器(図示せず)と、光照射側を除いて少なくとも複数の冷陰極蛍光ランプ11およびそのランプ支持台を囲むように形成された例えば断面ほぼ凹形状のランプボックス12fと、このランプボックス12fの光照射方向側に配置され、蛍光ランプ11から発する光を透過する照明板13と、ランプボックス12f裏面側の複数箇所から突設され、ネジ山が形成される取付部材14とによって構成されている。
【0060】
この照明装置10の取付けは、予め複数の取付部材14の取付け寸法関係を考慮して幕板7に貫通孔を穿設し、この貫通孔にランプボックス12f裏面側の取付部材14を挿通し、幕板7の裏側から締付け部材となるナット15によりネジ止めし、幕板7に取付ける。
【0061】
この実施の形態によれば、図2(a)と同様の作用効果を奏する他、冷陰極蛍光ランプ11を用いた照明装置10を非常にコンパクトに実現できるので、幕板7下面部にそれほど取付スペースがなくても、また従来取り付けられないスペースであっても、照明装置10の取付けが可能となる。
【0062】
図6(b)は幕板7に照明装置11を取り付ける点で同図(a)と同様であるが、特に異なるところは、幕板7の下面部にエレベータかご1内部に照明を取込もうとする面積相当分の広さをもつ開口部23を穿設する一方、ランプボックス12gの正面部と同一面を維持するようにボックス正面端部から外側に突き出すように取付けつば部12gaが設けられ、この取付けつば部12gaには貫通孔が形成されている。一方、幕板7の裏面側の複数個所にはネジ山を形成した取付部材14が突設されている。15は締付け部材となるナットである。
【0063】
なお、照明装置10は、図2と全く同様であるので、その詳しい説明は図2に譲る。
【0064】
従って、この実施の形態によれば、幕板7に開けられた開口部23の裏側から当該幕板7に突設される取付部材14に向けて、冷陰極蛍光ランプ11を内蔵するランプボックス12gに設けられた取付けつば部12gaの貫通孔が挿通するように嵌め込んだ後、ナット15によりネジ止めすることにより、幕板7に照明装置10を取り付けることが可能である。
【0065】
従って、以上のような実施の形態によれば、この照明装置10は、冷陰極蛍光ランプ11を用いているので、一般の熱陰極蛍光ランプと比較し、コンパクトに取り付けることが可能であり、幕板7の裏面から殆んど出っ張らないので、幕板7の近くに障害物があるような場合でも取付可能となる。また、ランプボックス12gが省スペースとなるので、蛍光ランプの交換時のメンテナンススペースを多く確保できる。
【0066】
(実施の形態4)
次に、本発明に係わるエレベータかご内照明装置の実施の形態4について、図1、図7を参照して説明する。なお、図1は前述した通りであり、ここでは省略する。図7は側板3と隣接する側板3との継ぎ目となる目地9を利用し、照明装置10を取り付ける例である。
【0067】
図7(a)は目地9に照明装置10を取り付ける一つの例を示す図である。このエレベータかご内照明装置は、相隣接する2つの側板3の折り曲げ部により形成される目地9の隙間或いは意図的に多少の隙間を設けた目地9の奥部に裏側から点検用ブラケット31を嵌め込むとともに、このこの点検用ブラケット31と目地9との間に支持台を含む冷陰極蛍光ランプ11を取付け、表面目地9を目張りするように表面側から冷陰極蛍光ランプ11から発する光を透過する照明部材32aを嵌め込んだ構成である。
【0068】
従って、以上のような実施の形態によれば、前述する図2(a)及び図2(b)と同様の作用効果を奏する他、狭い目地9を有効に利用して冷陰極蛍光ランプ11を取付けることが可能である。特に、相隣接する2つの側板3の折り曲げ部により形成される表面目地9に対し、予めボックス状となる照明装置10を組込んでおけば、現地で簡単に目地9に照明装置10を取り付けることが可能である。また、相隣接する2つの側板3の継ぎ目である表面目地9を有効に利用し、エレベータかご1内を照明することができ、さらに照明部材32aに所要とする色を施すことにより、審美的な照明を現出でき、意匠的な効果を高めることができる。
【0069】
図7(b)は目地9に照明装置10を取り付ける他の例を示す図である。このエレベータかご内照明装置は、相隣接する2つの側板3の折り曲げ部の一方に光を通す孔33を形成するとともに、目地9の隙間に光を透過する照明部材32bを埋め込む。そして、孔33の近くに冷陰極蛍光ランプ11を用いた照明装置10を配置し、冷陰極蛍光ランプ11から発する光が孔33を通り、照明部材32bから間接光として出力する構成である。
【0070】
この実施の形態によれば、前述する図2(a)及び図2(b)と同様の作用効果を奏する他、側板3の折り曲げ部に形成された孔33の近傍に冷陰極蛍光ランプ11を配置するので、冷陰極蛍光ランプ11からの光が照明板13を通って目地9から出力させることができ、図7(a)とは異なる意匠的な効果を現出させることができる。
【0071】
(実施の形態5)
本発明に係わるエレベータかご内照明装置の実施の形態5について、図1、図8ないし図10を参照して説明する。なお、図1は前述した通りであり、ここでは省略する。
【0072】
図8はエレベータかごの一部を構成するかご床2に照明装置10を取り付ける例を示す図である。
【0073】
このエレベータかご内照明装置は、かご床2の全部或いは一部に光を透過する照明床2aを敷設するとともに、照明床2aの下部側に複数のコ字状部材36を介して照明取付板37が取り付けられ、この照明取付板37に図2(a)または同図(b)に示す照明装置10を設置すれば、冷陰極蛍光ランプ11から発する光が照明床2aを通り、かご内部を照明する構成である。
【0074】
このような実施の形態によれば、前述する図2(a)及び図2(b)と同様の作用効果を奏する他、かご床下部の少ないスペースを利用してかご床2からエレベータかご内を照明することができる。また、かご床2を床照明とすることにより、かご床2の重量を軽くすることが可能である。
【0075】
図9及び図10は同じくかご床2に照明装置10を取り付ける他の例を示す図である。図9はかご床の面部を示す図、図10は図9のかご床の断面図である。
【0076】
このかご床2は、当該かご床2の面部に直線状となるように光を透過する断面凸形状の床目地38を敷設するとともに、この床目地38の凸形状部分に上側から押さえ込むように2つ逆凹形状の床目地押え部材39が設けられている。この2つの目地押え部材39の裏面側にはそれぞれネジ山を形成した複数の取付部材40が突設され、それぞれ中間ブロック41を介して床基礎板42に貫通し、この床基礎板42の裏側から締付部材であるナット43にて締付け、床目地38が抜け出ないような構成となっている。そして、床目地38と対をなす2つの中間ブロック41と床基礎板42とで形成される空間部分に冷陰極蛍光ランプ11を用いた照明装置10が収納されている。
【0077】
従って、以上のような実施の形態によれば、図2(a)、図2(b)と同様の作用効果を奏する他、冷陰極蛍光ランプ11を用いた照明装置10をコンパクトに実現できるので、比較的細い床目地38の裏でも照明装置10を取り付けることができ、またかご床2の意匠的な効用も期待することができる。
【0078】
なお、本願発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。図1はエレベータかご1の1つの形態例を示したものであり、ユーザ等の要望によって種々の形態のエレベータかごが存在するが、これら全ての形態のエレベータかご1に適用できるものである。また、各図にそれぞれ所要の方向で冷陰極蛍光ランプ11が配置されているが、特に配置方向は限定されるものではない。
【0079】
上記実施の形態では、照明装置10に冷陰極蛍光ランプ11を用いた例を説明したが、当該冷陰極蛍光ランプ11に替えて、例えばLED(発光ダイオード)や有機EL(エレクトロルミネッセンス)等の素子を用いて光を照射するように構成してもよい。この照明装置10としてのLEDや有機EL等の素子は、棒状(蛍光ランプ)、リング状(サークライン)或いは二次元平面状に配列し、照明装置10を構成する。なお、1個のLEDや有機EL等の素子を用いて、棒状、リング状或いは二次元平面状に構成することも可能である。また、照明装置10の一部を構成するランプボックス等内には、LEDのみを組み込む場合であっても、有機ELのみを組み込む場合であっても、或いは冷陰極蛍光ランプ11とELDと有機ELとを適宜に組み合わせて構成することもできる。
【0080】
さらに、ELDや有機ELは白色のものを用いる場合のほか、周囲環境、光量、使用時間帯、使用季節等に応じて他の色のものを用いることも可能であり、また複数の色のLEDや有機ELを混在させることも可能である。また、LEDや有機EL等の素子を発光させるために、従来一般に使用されている駆動制御装置を用いることは言うまでもない。
【0081】
さらに、各実施の形態は可能な限り組み合わせて実施することが可能であり、その場合には組み合わせによる効果が得られる。さらに、上記各実施の形態には種々の上位,下位段階の発明が含まれており、開示された複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得るものである。例えば問題点を解決するための手段に記載される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されうることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、エレベータかご内に設置される照明装置のランプ交換回数を削減でき、またエレベータかごの一部を構成する構成体の少ないスペースを利用して照明装置を取付けでき、冷陰極蛍光ランプ交換時のメンテナンススペースを十分に確保できるエレベータかご内照明装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエレベータかご内照明装置を適用するエレベータかご内部を示す構成図。
【図2】図1に示す側板に照明装置を取り付けた場合の断面図。
【図3】図1に示す側板及び幅木の外側に風音防止手段を施した場合の照明装置の取り付け状態を説明する図。
【図4】図1に示す幅木に照明装置を取り付けた場合の断面図。
【図5】図1に示す幅木に照明装置を取り付けた場合の断面図。
【図6】図1に示す幕板に照明装置を取り付けた場合の断面図。
【図7】図1に示す2つの側板の継ぎ目である目地に照明装置を取り付けた場合の断面図。
【図8】図1に示すかご床に照明装置を取り付けた場合の断面図。
【図9】同じくかご床に照明装置を取り付けた場合のかご床面部を示す図。
【図10】図10に示すかご床の断面図。
【図11】エレベータの概略構成を説明する図。
【図12】従来の照明装置を説明する断面図。
【符号の説明】
1…エレベータかご
2…かご床(2a:照明床)
3…側板
4…天板
5…入口柱
6…正面扉
7…幕板
8…幅木
9…目地
10…照明装置
11…冷陰極蛍光ランプ(LED、有機EL)
12a〜12f…ランプボックス
13…照明板
14…取付部材
16,19…開口部
17…側板カバー
21…幅木カバー
32a,32b…照明部材
38…床目地
39…床目地押え部材
Claims (14)
- エレベータかごの一部を構成する側板と、
この側板の面部に取り付けられ、冷陰極蛍光ランプを内蔵し、かつ、この冷陰極蛍光ランプから発する光をかご内部方向に透過する照明板を設けたランプボックスとを備えたことを特徴とするエレベータかご内照明装置。 - エレベータかごの一部を構成する側板と、
この側板の面部に開けられた開口部と、
前記側板に開けられた開口部に取り付けられ、冷陰極蛍光ランプを内蔵し、かつ、この冷陰極蛍光ランプから発する光をかご内部方向に透過する照明板を設けたランプボックスとを備えたことを特徴とするエレベータかご内照明装置。 - 請求項2に記載のエレベータかご内照明装置において、
前記側板の外側に配置される風音防止用の側板カバーを設け、
この前記側板と風音防止用の側板カバーとの間に収めるように前記ランプボックスを取り付けたことを特徴とするエレベータかご内照明装置。 - エレベータかごの一部を構成するかご床と側板との間に、当該側板の面部よりも後退方向に段差を形成するように配置された幅木と、
この幅木の面部に取り付けられ、冷陰極蛍光ランプを内蔵し、かつ、この冷陰極蛍光ランプから発する光をかご内部方向に透過する照明板を設けたランプボックスとを備えたことを特徴とするエレベータかご内照明装置。 - エレベータかごの一部を構成するかご床と側板との間に、当該側板の面部よりも後退方向に段差を形成するように配置された幅木と、
この幅木の面部に開けられた開口部と、
前記幅木に開けられた開口部に取り付けられ、冷陰極蛍光ランプを内蔵し、かつ、この冷陰極蛍光ランプから発する光をかご内部方向に透過する照明板を設けたランプボックスとを備えたことを特徴とするエレベータかご内照明装置。 - 請求項5に記載のエレベータかご内照明装置において、
前記幅木の外側に配置される風音防止用の幅木カバーを設け、
この前記幅木と風音防止用の側板カバーとの間に収めるように前記ランプボックスを取り付けたことを特徴とするエレベータかご内照明装置。 - エレベータかごの一部を構成するかご床と側板との間に、当該側板の面部よりも後退方向に段差を形成するように配置された幅木と、
前記側板の下端部から前記幅木の一部を覆うように突出された突き出し部と、
この突き出し部と前記幅木との隙間に配置され、当該隙間からかご内部の方向に光を照射する冷陰極蛍光ランプとを備えたことを特徴とするエレベータかご内照明装置。 - エレベータかごの一部を構成する扉上部と天板との間に配置される幕板と、
この幕板の面部に取り付けられ、冷陰極蛍光ランプを内蔵し、かつ、この冷陰極蛍光ランプから発する光をかご内部方向に透過する照明板を設けたランプボックスとを備えたことを特徴とするエレベータかご内照明装置。 - エレベータかごの一部を構成する扉上部と天板との間に配置される幕板と、
この幕板の面部に開けられた開口部と、
前記幕板に開けられた開口部に取り付けられ、冷陰極蛍光ランプを内蔵し、かつ、この冷陰極蛍光ランプから発する光をかご内部方向に透過する照明板を設けたランプボックスとを備えたことを特徴とするエレベータかご内照明装置。 - エレベータかごの一部を構成する側板どうしの継ぎ目となる目地と、
この目地の奥部に当該目地裏側から嵌合される着脱可能な点検用部材と、
この点検用部材と目地との隙間に配置される冷陰極蛍光ランプと、
前記隙間に装着され、冷陰極蛍光ランプから発する光を透過する前記目地となる照明部材とを備えたことを特徴とするエレベータかご内照明装置。 - エレベータかごの一部を構成する側板どうしの継ぎ目となる目地と、
この目地に形成される一方の側板の折り曲げ部に形成された孔と、
前記目地の隙間に嵌合される光を透過する照明部材と、
前記孔の近傍に配置され、光を発する冷陰極蛍光ランプとを備えたことを特徴とするエレベータかご内照明装置。 - エレベータかごの一部を構成するかご床の一部または全部に設けられ、光を透過する照明板と、
この照明板の下部に配置され、前記照明板方向に光を照射する冷陰極蛍光ランプとを備えたことを特徴とするエレベータかご内照明装置。 - エレベータかごの一部を構成するかご床に所要形状をなすように設けられた光を透過する断面凸形状の床目地と、
この床目地の凸形状に上側から押圧嵌合する逆凹形状の床目地押え部材と、
前記床目地の下部に配置され、当該床目地の方向に光を照射する冷陰極蛍光ランプとを備えたことを特徴とするエレベータかご内照明装置。 - 請求項1ないし請求項13の何れか一項に記載のエレベータかご内照明装置において、
前記冷陰極蛍光ランプに替えて、発光ダイオード及び有機エレクトロルミネッセンスのうち何れか一方を用いて光を照射するように構成することを特徴とするエレベータかご内照明装置。
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JP2012082044A (ja) * | 2010-10-08 | 2012-04-26 | Hitachi Building Systems Co Ltd | エレベータの乗かご内照明装置 |
-
2003
- 2003-01-28 JP JP2003019199A patent/JP2004203611A/ja active Pending
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