JP2004202639A - パッドコンディショナ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】研磨パッドのドレッシングにおいて、ダイヤモンド砥粒の脱落を防止することができ、さらに結合材や台金の金属成分の溶出も効果的に防止することができ、ドレッシングされた研磨パッドを用いてもシリコンウエハにスクラッチ傷を生じることがない、パッドコンディショナーを提供する。
【解決手段】パッドコンディショナー1は、台金20と、台金20の表面に固着された固着めっき層13と、固着めっき層13によって固着されたダイヤモンド砥粒と、固着めっき層の表面に形成された多層樹脂層とを備え、多層樹脂膜は積層された樹脂層(フッ素樹脂:1〜30容量%+つなぎの役割を果たす樹脂:残り)からなる。
【選択図】図1
【解決手段】パッドコンディショナー1は、台金20と、台金20の表面に固着された固着めっき層13と、固着めっき層13によって固着されたダイヤモンド砥粒と、固着めっき層の表面に形成された多層樹脂層とを備え、多層樹脂膜は積層された樹脂層(フッ素樹脂:1〜30容量%+つなぎの役割を果たす樹脂:残り)からなる。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、パッドコンディショナとその製造方法に関し、特に半導体装置の製造に用いるCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)装置のパッドコンディショナとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CMP装置は、加工変質層を生じさせないでシリコンウエハ上に形成される酸化膜等の絶縁層や金属膜等の配線層の表面を平坦化するために研磨する装置である。CMP装置では、円盤状の定盤に貼り付けられた研磨パッドの上にシリコンウエハを載置し、シリコンウエハを研磨パッド上で回転させながら、研磨パッドとシリコンウエハとの間に微細な研磨粒子を混濁させた研磨液を供給して、研磨が行なわれる。研磨パッドの材料として、発泡ウレタン樹脂、ポリエステル不織布、スエードタイプ等が用いられている。研磨液としては、酸性またはアルカリ性の水溶液にシリカ等の微細な研磨粒子を混濁させたスラリーが用いられる。
【0003】
CMP装置を用いてシリコンウエハの研磨を繰返して行なうと、被削材や研磨粒子等が研磨パッドの微細な穴に入り込んで目詰まりが生じたり、または研磨パッドの平坦度が劣化する。このため、研磨パッドを常時または定期的にドレッシングして平面度の精度を保持し、目詰まりを解消する必要がある。
【0004】
このドレッシングで使われる工具は、円板状またはリング状の金属製台金の表面にダイヤモンド砥粒を固着したものでパッドコンディショナと呼ばれている。パッドコンディショナはドレッシング時に酸性またはアルカリ性のスラリーに接触するため、パッドコンディショナにおいてダイヤモンド砥粒を保持しているニッケル等の金属の結合材が溶解し、ダイヤモンド砥粒が脱落するおそれがある。脱落したダイヤモンド砥粒が研磨パッドに残存し、CMP装置を用いた研磨時にシリコンウエハの表面にスクラッチ傷を生じさせることがあった。
【0005】
また、ドレッシング時にパッドコンディショナの結合材や台金の金属成分が酸性またはアルカリ性のスラリーと反応して溶出すると、その溶出した成分が研磨パッドに残存することがあった。その研磨パッドを用いてシリコンウエハを研磨すると、シリコンウエハの表面が汚染されるという問題もあった。その結果、製造される半導体装置に不良品が生じることがあった。
【0006】
上述の問題を解決するために、台金作用面にめっきにより固着されたダイヤモンド砥粒層を有し、めっきされた金属が合成樹脂層により被覆され、ダイヤモンド砥粒の先端作用部が合成樹脂層より突出してなることを特徴とするパッドコンディショナが提案されている。(例えば、特許文献1参照)
【0007】
また、金属製台金の表面に平均粒径が30μm〜1000μmのダイヤモンド砥粒がニッケルめっきまたはロウ材を主成分とする結合材により単層固着されたCMP用パッドコンディショナで、硬質粒子を2容量%〜50容量%含有し、かつ厚みが2μm以上のフッ素樹脂被膜により、金属製台金の露出表面または結合材露出表面の少なくとも一方が被覆されているものが提案されている。(例えば、特許文献2参照)
【0008】
【特許文献1】
特開平11−33911号公報
【特許文献2】
特開2000−61813号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の公報で提案されるように、めっきされた金属を合成樹脂層で被覆する方法や結合材露出表面をフッ素樹脂被膜で被覆する方法を採用しても、樹脂層にピンホールやクラックが発生しやすいという問題があった。このため、ドレッシング時にピンホールやクラックを通じてスラリーが樹脂層の内部に侵入し、パッドコンディショナの結合材や台金の金属成分が酸性またはアルカリ性のスラリーと反応して溶出することがあった。その結果、ドレッシングされた研磨パッドを用いてシリコンウエハを研磨すると、シリコンウエハの表面が汚染され、製造される半導体装置に不良品が生じるという問題を完全に防止することができなかった。
【0010】
そこで、この発明の目的は、シリコンウエハ上に形成される絶縁層や配線層の表面を平坦化するための研磨パッドのドレッシングにおいて、ダイヤモンド砥粒の脱落を防止することができるだけでなく、結合材や台金の金属成分の溶出をも効果的に防止することができ、ドレッシングされた研磨パッドを用いてもシリコンウエハの表面に傷が生じることなく、シリコンウエハの表面を汚染することのない、パッドコンディショナを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に従ったパッドコンディショナは、台金と、台金の表面上に形成されためっき層と、めっき層によって台金の表面に固着されたダイヤモンド砥粒と、めっき層の表面を被覆するようにめっき層の表面上に形成された樹脂層とを備え、樹脂層は、フッ素樹脂:1〜50容量%を含有し、残りがつなぎの役割を果たす樹脂からなる混合物で、2層以上の積層からなることを特徴とするものである。
【0012】
に前述した公報で提案されるように結合材をフッ素樹脂単体を用いると、焼成温度が約400度であり、焼成時に台金に熱歪みが生じる可能性がある。さらに前述した公報で提案されるように結合材を構成するめっき層を薄い1層の樹脂層で被覆するだけではピンホールやクラック等の欠陥が発生するため、これらの欠陥を通じてスラリーが樹脂層の内部に侵入し、めっき金属や台金の金属成分が酸性またはアルカリ性のスラリーと反応して溶出する。また、めっき層を厚い1層の樹脂層で被覆すると焼成時にクラックが発生し易くなる。
【0013】
これに対して、この発明のパッドコンディショナでは、樹脂層は、フッ素樹脂:1〜50容量%を含有し、残りがつなぎの役割を果たす樹脂からなる混合物であり樹脂層の焼成温度を低下させることができる。フッ素樹脂は、卓越した耐薬品性、耐熱性及び表面特性を有する特異な高分子材料で、その特性を活かして過酷な条件下で使用しうる工業材料として利用されている。フッ素樹脂のなかでポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、またはポリビニリデンフルオライド樹脂のいずれかを用いるのが好ましい。これら3種類のフッ素樹脂はいずれでも本発明のパッドコンディショナーにおける樹脂層に適用することができる。しかしながらパッドコンディショナーにおける樹脂層は工作物としての研磨パッドと、その切り粉に高速度で接触するため、高い耐熱性と摺動性が要求される。これらの物性については上記の3種類のフッ素樹脂のなかでポリテトラフルオロエチレン樹脂が特に優れているので、本発明におけるパッドコンディショナーの樹脂層に最適である。ポリテトラフルオロエチレン樹脂は、耐熱性に関しては有機材料中で最高の部類に属し、連続使用温度は約260℃と極めて高い。また、表面の性質は非常に特異で、卓越した疎水性、疎油性及び非粘着性を示し、このため摩擦係数は最も小さく、優れた摺動性を示すものである。
【0014】
ここで樹脂層の組成はフッ素樹脂を1〜50容量%含有し、残りがつなぎの役割を果たす樹脂からなる混合物である。樹脂層の組成はフッ素樹脂を1〜40容量%含有し、残りがつなぎの役割を果たす樹脂からなる混合物であることが好ましく、フッ素樹脂を1〜30容量%含有し、残りがつなぎの役割を果たす樹脂からなる混合物であることがより好ましい。つなぎの役割を果たす樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂から選ばれた一つ以上からなることが好ましく、エポキシ樹脂を用いるのがより好ましい。特に、図1における台金の厚みTが10mm以下の場合は、フッ素樹脂の含有率を低くすると焼成温度が低下するので、焼成時における熱歪みを少なくすることに極めて有効である。
【0015】
さらにこの発明のパッドコンディショナでは、めっき層の表面上に形成される樹脂層は2層以上の積層からなるので、樹脂層を構成する下層にピンホールやクラックが存在しても、上層が下層の欠陥を埋める働きがある。このため積層構造からなる樹脂層全体に欠陥が存在する確率が小さくなるとともに、めっき層や台金に到達するようなピンホールやクラック等の欠陥が存在しないようになる。従って、ダイヤモンド砥粒の脱落を防止することができるだけでなく、ドレッシング時にスラリーが樹脂層の内部に侵入し、めっき金属や台金の金属成分が酸性またはアルカリ性のスラリーと反応して溶出するのを防止することができる。これにより、この発明のパッドコンディショナでドレッシングした研磨パッドを用いても、シリコンウエハの表面にスクラッチ傷が生じることがなく、またシリコンウエハの表面を汚染することがない。
【0016】
この発明のパッドコンディショナにおいて、樹脂層は、台金の露出表面を被覆するように台金の表面上に形成されていることが好ましい。この場合、ドレッシング時に台金の金属成分が酸性またはアルカリ性のスラリーと反応して溶出するのを効果的に防止することができる。
【0017】
この発明のパッドコンディショナは、化学的機械的研磨用の研磨パッドのドレッシングに用いるのが好ましく、特に酸性スラリーの存在下で金属膜の表面を平坦化するために用いられるのが好ましい。
【0018】
上記のように構成されるパッドコンディショナの製造方法は、メッキ層の表面上に樹脂を塗布し、半焼成する工程を繰返すことによって、樹脂層を構成する最下層から最上層直下の層までの各々の層を形成する工程と、最上層直下の層の上に最上層を形成する樹脂を塗布した後、樹脂層を構成する最下層から最上層までの各々の層を完全焼成する工程とを備える。例えば、より具体的に説明すると、最終的にn層からなる樹脂層を積層する場合には、(n−1)層目まではスプレー塗装工程、溶剤除去工程、半焼成工程を繰り返して積層する。ここで半焼成するのは、積層された層の境界での接合力を高めるためである。その後、最後のn層は、スプレー塗装工程、溶剤除去工程、完全焼成工程を順に行って(n−1)層の上に積層する。このとき、n層目の完全焼成工程によってn層からなる樹脂層全体を完全焼成する。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の実施の形態に従ったパッドコンディショナの斜視図、図2は図1に示されるパッドコンディショナのダイヤモンド砥粒層の部分を示す部分断面図である。図1に示すようにパッドコンディショナは、ステンレス鋼などからなるリング状の台金20と、台金20の端面上に固着されたダイヤモンド砥粒層10を備える。図2に示すように下地めっき層12が台金20の表面上に形成され、下地めっき層12の上に固着めっき層13が形成されることによって、多数のダイヤモンド砥粒11が台金20の上に固着されている。ダイヤモンド砥粒の平均粒径は30〜1000μmであることが好ましく、50〜500μmであることがより好ましい。めっき層の金属としてはニッケルなどが用いられる。下地めっき層の厚みは2〜5μmであることが好ましい。
【0020】
固着めっき層の13の表面を被覆するように積層構造からなる多層樹脂膜14が形成されている。また、図示されていないが、多層樹脂膜は台金の露出表面を被覆するように形成されていることがより好ましい。図2に示されているように多層樹脂膜14は3層の樹脂層14a、14b、14cから構成されるが、少なくとも2層以上から構成されれば、本発明の効果を達成できる。
【0021】
【実施例】
(実施例1)
外径Dが120mm、ダイヤモンド層の幅Wが10mm、高さTが20mmのパッドコンディショナーを以下の手順で製作した。まず、120D−10W−20Tの台金をステンレス鋼で製作し、ダイヤモンド砥粒を固着しない部分を絶縁テープ及び絶縁塗料によってマスキングを施した。次に、水酸化ナトリウム50g/リットル、炭酸ナトリウム50g/リットルの脱脂液で液温80℃とし、10A/dm2 で陰極電解脱脂及び陽極電解脱脂を行った。その後純水で洗浄後、塩酸に3分間侵漬し、再度、純水で洗浄後、ストライクめっきを5分間行った。次に、ニッケルめっき浴中で電流密度1A/dm2 、10分間の下地めっきを行った。その後、主として、六・八面体からなる結晶形態のダイヤモンド砥粒(粒度#80/#100、平均粒径180μm )を台金の上へ乗せ、電流密度0.1A/dm2 で6時間めっきした。この時、台金に接しているダイヤモンド砥粒だけを台金に固着するため、めっき浴中で1回/秒のサイクルで5分間台金を揺動させた。その後続けてめっきし、めっき層の厚みを、ダイヤモンド砥粒の平均粒径の約50%とした。
【0022】
次に、ダイヤモンド砥粒の露出表面と、めっき層の露出表面と、台金の露出表面に、ポリテトラフルオロエチレン樹脂:10容量%と、エポキシ樹脂:90容量%の混合物に溶剤としてメチルイソブチルケトンを均一に混合したものをスプレーによって塗装した後、台金を乾燥炉に入れて温度100℃にて30分間保持して溶剤を揮発させて完全消失させた。その後、台金を焼成炉に入れて温度150℃にて10分間保持して半焼成することにより、厚みが約5μmの半焼成樹脂膜を形成した(1層目)。その後、同様にスプレーによって塗装した後、台金を焼成炉に入れて温度180℃にて60分間保持して完全焼成することにより、厚みが約5μmの樹脂層が2層積層された多層樹脂膜を形成した。最後に、ダイヤモンド砥粒の先端部を被覆している樹脂膜だけを除去した。この樹脂膜の除去は、粒度が#240のアルミナ系砥粒を混濁した研削液を発泡ポリウレタンパッドに供給しながら、樹脂膜で被覆されているダイヤモンド砥粒の先端部を発泡ポリウレタンパッドの表面に押しつけることによって行った。このようにして実施例1のパッドコンディショナーを製作した。
【0023】
(実施例2)
外径Dが120mm、ダイヤモンド層の幅Wが10mm、高さTが20mmのパッドコンディショナーを以下の手順で製作した。まず、120D−10W−20Tの台金をステンレス鋼で製作し、ダイヤモンド砥粒を固着しない部分を絶縁テープ及び絶縁塗料によってマスキングを施した。次に、水酸化ナトリウム50g/リットル、炭酸ナトリウム50g/リットルの脱脂液で液温80℃とし、10A/dm2 で陰極電解脱脂及び陽極電解脱脂を行った。その後純水で洗浄後、塩酸に3分間侵漬し、再度、純水で洗浄後、ストライクめっきを5分間行った。次に、ニッケルめっき浴中で電流密度1A/dm2 、10分間の下地めっきを行った。その後、主として、六・八面体からなる結晶形態のダイヤモンド砥粒(粒度#80/#100、平均粒径180μm )を台金の上へ乗せ、電流密度0.1A/dm2 で6時間めっきした。この時、台金に接しているダイヤモンド砥粒だけを台金に固着するため、めっき浴中で1回/秒のサイクルで5分間台金を揺動させた。その後続けてめっきし、めっき層の厚みを、ダイヤモンド砥粒の平均粒径の約50%とした。
【0024】
次に、ダイヤモンド砥粒の露出表面と、めっき層の露出表面と、台金の露出表面に、ポリテトラフルオロエチレン樹脂:10容量%と、エポキシ樹脂:90容量%の混合物に溶剤としてメチルイソブチルケトンを均一に混合したものをスプレーによって塗装した後、台金を乾燥炉に入れて温度100℃にて30分間保持して溶剤を揮発させて完全消失させた。その後、台金を焼成炉に入れて温度150℃にて10分間保持して半焼成することにより、厚みが約5μmの半焼成樹脂膜を形成した(1層目)。さらに、スプレーによって塗装した後、台金を乾燥炉に入れて温度100℃にて30分間保持して溶剤を揮発させて完全消失させた。その後、台金を焼成炉に入れて温度150℃にて10分間保持して半焼成することにより、厚みが約5μmの半焼成樹脂膜を形成した(2層目)。その後、同様にスプレーによって塗装した後、台金を焼成炉に入れて温度180℃にて60分間保持して完全焼成することにより、厚みが約5μmの樹脂層が3層積層された多層樹脂膜を形成した。最後に、ダイヤモンド砥粒の先端部を被覆している樹脂膜だけを除去した。この樹脂膜の除去は、粒度が#240のアルミナ系砥粒を混濁した研削液を発泡ポリウレタンパッドに供給しながら、樹脂膜で被覆されているダイヤモンド砥粒の先端部を発泡ポリウレタンパッドの表面に押しつけることによって行った。
【0025】
(実施例3)
外径Dが120mm、ダイヤモンド層の幅Wが10mm、高さTが20mmのパッドコンディショナーを以下の手順で製作した。まず、120D−10W−20Tの台金をステンレス鋼で製作し、ダイヤモンド砥粒を固着しない部分を絶縁テープ及び絶縁塗料によってマスキングを施した。次に、水酸化ナトリウム50g/リットル、炭酸ナトリウム50g/リットルの脱脂液で液温80℃とし、10A/dm2 で陰極電解脱脂及び陽極電解脱脂を行った。その後純水で洗浄後、塩酸に3分間侵漬し、再度、純水で洗浄後、ストライクめっきを5分間行った。次に、ニッケルめっき浴中で電流密度1A/dm2 、10分間の下地めっきを行った。その後、主として、六・八面体からなる結晶形態のダイヤモンド砥粒(粒度#80/#100、平均粒径180μm )を台金の上へ乗せ、電流密度0.1A/dm2 で6時間めっきした。この時、台金に接しているダイヤモンド砥粒だけを台金に固着するため、めっき浴中で1回/秒のサイクルで5分間台金を揺動させた。その後続けてめっきし、めっき層の厚みを、ダイヤモンド砥粒の平均粒径の約50%とした。
【0026】
次に、ダイヤモンド砥粒の露出表面と、めっき層の露出表面と、台金の露出表面に、ポリテトラフルオロエチレン樹脂:20容量%と、エポキシ樹脂:80容量%の混合物に溶剤としてメチルイソブチルケトンを均一に混合したものをスプレーによって塗装した後、台金を乾燥炉に入れて温度100℃にて30分間保持して溶剤を揮発させて完全消失させた。その後、台金を焼成炉に入れて温度150℃にて10分間保持して半焼成することにより、厚みが約5μmの半焼成樹脂膜を形成した(1層目)。さらに、スプレーによって塗装した後、台金を乾燥炉に入れて温度100℃にて30分間保持して溶剤を揮発させて完全消失させた。その後、台金を焼成炉に入れて温度150℃にて10分間保持して半焼成することにより、厚みが約5μmの半焼成樹脂膜を形成した(2層目)。その後、同様にスプレーによって塗装した後、台金を焼成炉に入れて温度180℃にて60分間保持して完全焼成することにより、厚みが約5μmの樹脂層が3層積層された多層樹脂膜を形成した。最後に、ダイヤモンド砥粒の先端部を被覆している樹脂膜だけを除去した。この樹脂膜の除去は、粒度が#240のアルミナ系砥粒を混濁した研削液を発泡ポリウレタンパッドに供給しながら、樹脂膜で被覆されているダイヤモンド砥粒の先端部を発泡ポリウレタンパッドの表面に押しつけることによって行った。
【0027】
(比較例1)
外径Dが120mm、ダイヤモンド層の幅Wが10mm、高さTが20mmのパッドコンディショナーを以下の手順で製作した。まず、120D−10W−20Tの台金をステンレス鋼で製作し、ダイヤモンド砥粒を固着しない部分を絶縁テープ及び絶縁塗料によってマスキングを施した。次に、水酸化ナトリウム50g/リットル、炭酸ナトリウム50g/リットルの脱脂液で液温80℃とし、10A/dm2 で陰極電解脱脂及び陽極電解脱脂を行った。その後純水で洗浄後、塩酸に3分間侵漬し、再度、純水で洗浄後、ストライクめっきを5分間行った。 次に、ニッケルめっき浴中で電流密度1A/dm2 、10分間の下地めっきを行った。その後、主として、六・八面体からなる結晶形態のダイヤモンド砥粒(粒度#80/#100、平均粒径180μm )を台金の上へ乗せ、電流密度0.1A/dm2 で6時間めっきした。この時、台金に接しているダイヤモンド砥粒だけを台金に固着するため、めっき浴中で1回/秒のサイクルで5分間台金を揺動させた。その後続けてめっきし、めっき層の厚みを、ダイヤモンド砥粒の平均粒径の約50%とした。
【0028】
次に、ダイヤモンド砥粒の露出表面と、めっき層の露出表面と、台金の露出表面に、ポリテトラフルオロエチレン樹脂:51容量%と、エポキシ樹脂:49容量%の混合物に溶剤としてメチルイソブチルケトンを均一に混合したものをスプレーによって塗装した後、台金を乾燥炉に入れて温度100℃にて30分間保持して溶剤を揮発させて完全消失させた。その後、台金を焼成炉に入れて温度150℃にて10分間保持して半焼成することにより、厚みが約5μmの半焼成樹脂膜を形成した(1層目)。その後、同様にスプレーによって塗装した後、台金を焼成炉に入れて温度180℃にて60分間保持して完全焼成することにより、厚みが約5μmの樹脂層が2層積層された多層樹脂膜を形成した。最後に、ダイヤモンド砥粒の先端部を被覆している樹脂膜だけを除去した。この樹脂膜の除去は、粒度が#240のアルミナ系砥粒を混濁した研削液を発泡ポリウレタンパッドに供給しながら、樹脂膜で被覆されているダイヤモンド砥粒の先端部を発泡ポリウレタンパッドの表面に押しつけることによって行った。
【0029】
(比較例2〜4)
比較例2は、混合物の組成をポリテトラフルオロエチレン樹脂:55容量%と、エポキシ樹脂:45容量%とし、比較例3は、混合物の組成をポリテトラフルオロエチレン樹脂:60容量%と、エポキシ樹脂:40容量%とし、比較例4は、混合物の組成をポリテトラフルオロエチレン樹脂:70容量%と、エポキシ樹脂:30容量%とし、その他は比較例1と同一とした。
【0030】
本発明の効果を確認するために実施例1〜3と比較例1〜4で製作されたパッドコンディショナの酸浸漬試験を行った。硝酸を2質量%と過酸化水素水2.5質量%を含む酸性の水溶液に各パッドコンディショナを浸漬した後、めっき層を形成しているニッケルの溶出量を測定した。その結果、ニッケルの溶出量は、実施例1〜3では平均0.1mg/リットル以下であったのに対して、比較例1では平均21mg/リットル、比較例2では平均36mg/リットル、比較例3では平均39mg/リットル、比較例4では平均41mg/リットルであった。また実施例1〜3ではダイヤモンド砥粒の脱落は確認されなかったが、比較例1〜4では脱落が確認された。
【0031】
【発明の効果】
以上ようにこの発明によればダイヤモンド砥粒の脱落を防止することができるだけでなく、ドレッシング時にスラリーが樹脂層の内部に侵入してめっき層や台金の金属成分を溶出するのを防止することができる。これにより、この発明のパッドコンディショナによってドレッシングされた研磨パッドを用いてもシリコンウエハの表面にスクラッチ傷を生じることがなく、またシシリコンウエハの表面を汚染することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一つの実施形態に従ったパッドコンディショナーの斜視図を示す。
【図2】図1に示されるパッドコンディショナーのダイヤモンド砥粒層の部分断面図を示す。
【符号の説明】
1 パッドコンディショナー
10 ダイヤモンド砥粒層
11 ダイヤモンド砥粒
12 下地めっき層
13 固着めっき層
14 多層樹脂層
14a、14b、14c 樹脂層
20 台金
【発明の属する技術分野】
この発明は、パッドコンディショナとその製造方法に関し、特に半導体装置の製造に用いるCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)装置のパッドコンディショナとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CMP装置は、加工変質層を生じさせないでシリコンウエハ上に形成される酸化膜等の絶縁層や金属膜等の配線層の表面を平坦化するために研磨する装置である。CMP装置では、円盤状の定盤に貼り付けられた研磨パッドの上にシリコンウエハを載置し、シリコンウエハを研磨パッド上で回転させながら、研磨パッドとシリコンウエハとの間に微細な研磨粒子を混濁させた研磨液を供給して、研磨が行なわれる。研磨パッドの材料として、発泡ウレタン樹脂、ポリエステル不織布、スエードタイプ等が用いられている。研磨液としては、酸性またはアルカリ性の水溶液にシリカ等の微細な研磨粒子を混濁させたスラリーが用いられる。
【0003】
CMP装置を用いてシリコンウエハの研磨を繰返して行なうと、被削材や研磨粒子等が研磨パッドの微細な穴に入り込んで目詰まりが生じたり、または研磨パッドの平坦度が劣化する。このため、研磨パッドを常時または定期的にドレッシングして平面度の精度を保持し、目詰まりを解消する必要がある。
【0004】
このドレッシングで使われる工具は、円板状またはリング状の金属製台金の表面にダイヤモンド砥粒を固着したものでパッドコンディショナと呼ばれている。パッドコンディショナはドレッシング時に酸性またはアルカリ性のスラリーに接触するため、パッドコンディショナにおいてダイヤモンド砥粒を保持しているニッケル等の金属の結合材が溶解し、ダイヤモンド砥粒が脱落するおそれがある。脱落したダイヤモンド砥粒が研磨パッドに残存し、CMP装置を用いた研磨時にシリコンウエハの表面にスクラッチ傷を生じさせることがあった。
【0005】
また、ドレッシング時にパッドコンディショナの結合材や台金の金属成分が酸性またはアルカリ性のスラリーと反応して溶出すると、その溶出した成分が研磨パッドに残存することがあった。その研磨パッドを用いてシリコンウエハを研磨すると、シリコンウエハの表面が汚染されるという問題もあった。その結果、製造される半導体装置に不良品が生じることがあった。
【0006】
上述の問題を解決するために、台金作用面にめっきにより固着されたダイヤモンド砥粒層を有し、めっきされた金属が合成樹脂層により被覆され、ダイヤモンド砥粒の先端作用部が合成樹脂層より突出してなることを特徴とするパッドコンディショナが提案されている。(例えば、特許文献1参照)
【0007】
また、金属製台金の表面に平均粒径が30μm〜1000μmのダイヤモンド砥粒がニッケルめっきまたはロウ材を主成分とする結合材により単層固着されたCMP用パッドコンディショナで、硬質粒子を2容量%〜50容量%含有し、かつ厚みが2μm以上のフッ素樹脂被膜により、金属製台金の露出表面または結合材露出表面の少なくとも一方が被覆されているものが提案されている。(例えば、特許文献2参照)
【0008】
【特許文献1】
特開平11−33911号公報
【特許文献2】
特開2000−61813号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の公報で提案されるように、めっきされた金属を合成樹脂層で被覆する方法や結合材露出表面をフッ素樹脂被膜で被覆する方法を採用しても、樹脂層にピンホールやクラックが発生しやすいという問題があった。このため、ドレッシング時にピンホールやクラックを通じてスラリーが樹脂層の内部に侵入し、パッドコンディショナの結合材や台金の金属成分が酸性またはアルカリ性のスラリーと反応して溶出することがあった。その結果、ドレッシングされた研磨パッドを用いてシリコンウエハを研磨すると、シリコンウエハの表面が汚染され、製造される半導体装置に不良品が生じるという問題を完全に防止することができなかった。
【0010】
そこで、この発明の目的は、シリコンウエハ上に形成される絶縁層や配線層の表面を平坦化するための研磨パッドのドレッシングにおいて、ダイヤモンド砥粒の脱落を防止することができるだけでなく、結合材や台金の金属成分の溶出をも効果的に防止することができ、ドレッシングされた研磨パッドを用いてもシリコンウエハの表面に傷が生じることなく、シリコンウエハの表面を汚染することのない、パッドコンディショナを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に従ったパッドコンディショナは、台金と、台金の表面上に形成されためっき層と、めっき層によって台金の表面に固着されたダイヤモンド砥粒と、めっき層の表面を被覆するようにめっき層の表面上に形成された樹脂層とを備え、樹脂層は、フッ素樹脂:1〜50容量%を含有し、残りがつなぎの役割を果たす樹脂からなる混合物で、2層以上の積層からなることを特徴とするものである。
【0012】
に前述した公報で提案されるように結合材をフッ素樹脂単体を用いると、焼成温度が約400度であり、焼成時に台金に熱歪みが生じる可能性がある。さらに前述した公報で提案されるように結合材を構成するめっき層を薄い1層の樹脂層で被覆するだけではピンホールやクラック等の欠陥が発生するため、これらの欠陥を通じてスラリーが樹脂層の内部に侵入し、めっき金属や台金の金属成分が酸性またはアルカリ性のスラリーと反応して溶出する。また、めっき層を厚い1層の樹脂層で被覆すると焼成時にクラックが発生し易くなる。
【0013】
これに対して、この発明のパッドコンディショナでは、樹脂層は、フッ素樹脂:1〜50容量%を含有し、残りがつなぎの役割を果たす樹脂からなる混合物であり樹脂層の焼成温度を低下させることができる。フッ素樹脂は、卓越した耐薬品性、耐熱性及び表面特性を有する特異な高分子材料で、その特性を活かして過酷な条件下で使用しうる工業材料として利用されている。フッ素樹脂のなかでポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、またはポリビニリデンフルオライド樹脂のいずれかを用いるのが好ましい。これら3種類のフッ素樹脂はいずれでも本発明のパッドコンディショナーにおける樹脂層に適用することができる。しかしながらパッドコンディショナーにおける樹脂層は工作物としての研磨パッドと、その切り粉に高速度で接触するため、高い耐熱性と摺動性が要求される。これらの物性については上記の3種類のフッ素樹脂のなかでポリテトラフルオロエチレン樹脂が特に優れているので、本発明におけるパッドコンディショナーの樹脂層に最適である。ポリテトラフルオロエチレン樹脂は、耐熱性に関しては有機材料中で最高の部類に属し、連続使用温度は約260℃と極めて高い。また、表面の性質は非常に特異で、卓越した疎水性、疎油性及び非粘着性を示し、このため摩擦係数は最も小さく、優れた摺動性を示すものである。
【0014】
ここで樹脂層の組成はフッ素樹脂を1〜50容量%含有し、残りがつなぎの役割を果たす樹脂からなる混合物である。樹脂層の組成はフッ素樹脂を1〜40容量%含有し、残りがつなぎの役割を果たす樹脂からなる混合物であることが好ましく、フッ素樹脂を1〜30容量%含有し、残りがつなぎの役割を果たす樹脂からなる混合物であることがより好ましい。つなぎの役割を果たす樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂から選ばれた一つ以上からなることが好ましく、エポキシ樹脂を用いるのがより好ましい。特に、図1における台金の厚みTが10mm以下の場合は、フッ素樹脂の含有率を低くすると焼成温度が低下するので、焼成時における熱歪みを少なくすることに極めて有効である。
【0015】
さらにこの発明のパッドコンディショナでは、めっき層の表面上に形成される樹脂層は2層以上の積層からなるので、樹脂層を構成する下層にピンホールやクラックが存在しても、上層が下層の欠陥を埋める働きがある。このため積層構造からなる樹脂層全体に欠陥が存在する確率が小さくなるとともに、めっき層や台金に到達するようなピンホールやクラック等の欠陥が存在しないようになる。従って、ダイヤモンド砥粒の脱落を防止することができるだけでなく、ドレッシング時にスラリーが樹脂層の内部に侵入し、めっき金属や台金の金属成分が酸性またはアルカリ性のスラリーと反応して溶出するのを防止することができる。これにより、この発明のパッドコンディショナでドレッシングした研磨パッドを用いても、シリコンウエハの表面にスクラッチ傷が生じることがなく、またシリコンウエハの表面を汚染することがない。
【0016】
この発明のパッドコンディショナにおいて、樹脂層は、台金の露出表面を被覆するように台金の表面上に形成されていることが好ましい。この場合、ドレッシング時に台金の金属成分が酸性またはアルカリ性のスラリーと反応して溶出するのを効果的に防止することができる。
【0017】
この発明のパッドコンディショナは、化学的機械的研磨用の研磨パッドのドレッシングに用いるのが好ましく、特に酸性スラリーの存在下で金属膜の表面を平坦化するために用いられるのが好ましい。
【0018】
上記のように構成されるパッドコンディショナの製造方法は、メッキ層の表面上に樹脂を塗布し、半焼成する工程を繰返すことによって、樹脂層を構成する最下層から最上層直下の層までの各々の層を形成する工程と、最上層直下の層の上に最上層を形成する樹脂を塗布した後、樹脂層を構成する最下層から最上層までの各々の層を完全焼成する工程とを備える。例えば、より具体的に説明すると、最終的にn層からなる樹脂層を積層する場合には、(n−1)層目まではスプレー塗装工程、溶剤除去工程、半焼成工程を繰り返して積層する。ここで半焼成するのは、積層された層の境界での接合力を高めるためである。その後、最後のn層は、スプレー塗装工程、溶剤除去工程、完全焼成工程を順に行って(n−1)層の上に積層する。このとき、n層目の完全焼成工程によってn層からなる樹脂層全体を完全焼成する。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の実施の形態に従ったパッドコンディショナの斜視図、図2は図1に示されるパッドコンディショナのダイヤモンド砥粒層の部分を示す部分断面図である。図1に示すようにパッドコンディショナは、ステンレス鋼などからなるリング状の台金20と、台金20の端面上に固着されたダイヤモンド砥粒層10を備える。図2に示すように下地めっき層12が台金20の表面上に形成され、下地めっき層12の上に固着めっき層13が形成されることによって、多数のダイヤモンド砥粒11が台金20の上に固着されている。ダイヤモンド砥粒の平均粒径は30〜1000μmであることが好ましく、50〜500μmであることがより好ましい。めっき層の金属としてはニッケルなどが用いられる。下地めっき層の厚みは2〜5μmであることが好ましい。
【0020】
固着めっき層の13の表面を被覆するように積層構造からなる多層樹脂膜14が形成されている。また、図示されていないが、多層樹脂膜は台金の露出表面を被覆するように形成されていることがより好ましい。図2に示されているように多層樹脂膜14は3層の樹脂層14a、14b、14cから構成されるが、少なくとも2層以上から構成されれば、本発明の効果を達成できる。
【0021】
【実施例】
(実施例1)
外径Dが120mm、ダイヤモンド層の幅Wが10mm、高さTが20mmのパッドコンディショナーを以下の手順で製作した。まず、120D−10W−20Tの台金をステンレス鋼で製作し、ダイヤモンド砥粒を固着しない部分を絶縁テープ及び絶縁塗料によってマスキングを施した。次に、水酸化ナトリウム50g/リットル、炭酸ナトリウム50g/リットルの脱脂液で液温80℃とし、10A/dm2 で陰極電解脱脂及び陽極電解脱脂を行った。その後純水で洗浄後、塩酸に3分間侵漬し、再度、純水で洗浄後、ストライクめっきを5分間行った。次に、ニッケルめっき浴中で電流密度1A/dm2 、10分間の下地めっきを行った。その後、主として、六・八面体からなる結晶形態のダイヤモンド砥粒(粒度#80/#100、平均粒径180μm )を台金の上へ乗せ、電流密度0.1A/dm2 で6時間めっきした。この時、台金に接しているダイヤモンド砥粒だけを台金に固着するため、めっき浴中で1回/秒のサイクルで5分間台金を揺動させた。その後続けてめっきし、めっき層の厚みを、ダイヤモンド砥粒の平均粒径の約50%とした。
【0022】
次に、ダイヤモンド砥粒の露出表面と、めっき層の露出表面と、台金の露出表面に、ポリテトラフルオロエチレン樹脂:10容量%と、エポキシ樹脂:90容量%の混合物に溶剤としてメチルイソブチルケトンを均一に混合したものをスプレーによって塗装した後、台金を乾燥炉に入れて温度100℃にて30分間保持して溶剤を揮発させて完全消失させた。その後、台金を焼成炉に入れて温度150℃にて10分間保持して半焼成することにより、厚みが約5μmの半焼成樹脂膜を形成した(1層目)。その後、同様にスプレーによって塗装した後、台金を焼成炉に入れて温度180℃にて60分間保持して完全焼成することにより、厚みが約5μmの樹脂層が2層積層された多層樹脂膜を形成した。最後に、ダイヤモンド砥粒の先端部を被覆している樹脂膜だけを除去した。この樹脂膜の除去は、粒度が#240のアルミナ系砥粒を混濁した研削液を発泡ポリウレタンパッドに供給しながら、樹脂膜で被覆されているダイヤモンド砥粒の先端部を発泡ポリウレタンパッドの表面に押しつけることによって行った。このようにして実施例1のパッドコンディショナーを製作した。
【0023】
(実施例2)
外径Dが120mm、ダイヤモンド層の幅Wが10mm、高さTが20mmのパッドコンディショナーを以下の手順で製作した。まず、120D−10W−20Tの台金をステンレス鋼で製作し、ダイヤモンド砥粒を固着しない部分を絶縁テープ及び絶縁塗料によってマスキングを施した。次に、水酸化ナトリウム50g/リットル、炭酸ナトリウム50g/リットルの脱脂液で液温80℃とし、10A/dm2 で陰極電解脱脂及び陽極電解脱脂を行った。その後純水で洗浄後、塩酸に3分間侵漬し、再度、純水で洗浄後、ストライクめっきを5分間行った。次に、ニッケルめっき浴中で電流密度1A/dm2 、10分間の下地めっきを行った。その後、主として、六・八面体からなる結晶形態のダイヤモンド砥粒(粒度#80/#100、平均粒径180μm )を台金の上へ乗せ、電流密度0.1A/dm2 で6時間めっきした。この時、台金に接しているダイヤモンド砥粒だけを台金に固着するため、めっき浴中で1回/秒のサイクルで5分間台金を揺動させた。その後続けてめっきし、めっき層の厚みを、ダイヤモンド砥粒の平均粒径の約50%とした。
【0024】
次に、ダイヤモンド砥粒の露出表面と、めっき層の露出表面と、台金の露出表面に、ポリテトラフルオロエチレン樹脂:10容量%と、エポキシ樹脂:90容量%の混合物に溶剤としてメチルイソブチルケトンを均一に混合したものをスプレーによって塗装した後、台金を乾燥炉に入れて温度100℃にて30分間保持して溶剤を揮発させて完全消失させた。その後、台金を焼成炉に入れて温度150℃にて10分間保持して半焼成することにより、厚みが約5μmの半焼成樹脂膜を形成した(1層目)。さらに、スプレーによって塗装した後、台金を乾燥炉に入れて温度100℃にて30分間保持して溶剤を揮発させて完全消失させた。その後、台金を焼成炉に入れて温度150℃にて10分間保持して半焼成することにより、厚みが約5μmの半焼成樹脂膜を形成した(2層目)。その後、同様にスプレーによって塗装した後、台金を焼成炉に入れて温度180℃にて60分間保持して完全焼成することにより、厚みが約5μmの樹脂層が3層積層された多層樹脂膜を形成した。最後に、ダイヤモンド砥粒の先端部を被覆している樹脂膜だけを除去した。この樹脂膜の除去は、粒度が#240のアルミナ系砥粒を混濁した研削液を発泡ポリウレタンパッドに供給しながら、樹脂膜で被覆されているダイヤモンド砥粒の先端部を発泡ポリウレタンパッドの表面に押しつけることによって行った。
【0025】
(実施例3)
外径Dが120mm、ダイヤモンド層の幅Wが10mm、高さTが20mmのパッドコンディショナーを以下の手順で製作した。まず、120D−10W−20Tの台金をステンレス鋼で製作し、ダイヤモンド砥粒を固着しない部分を絶縁テープ及び絶縁塗料によってマスキングを施した。次に、水酸化ナトリウム50g/リットル、炭酸ナトリウム50g/リットルの脱脂液で液温80℃とし、10A/dm2 で陰極電解脱脂及び陽極電解脱脂を行った。その後純水で洗浄後、塩酸に3分間侵漬し、再度、純水で洗浄後、ストライクめっきを5分間行った。次に、ニッケルめっき浴中で電流密度1A/dm2 、10分間の下地めっきを行った。その後、主として、六・八面体からなる結晶形態のダイヤモンド砥粒(粒度#80/#100、平均粒径180μm )を台金の上へ乗せ、電流密度0.1A/dm2 で6時間めっきした。この時、台金に接しているダイヤモンド砥粒だけを台金に固着するため、めっき浴中で1回/秒のサイクルで5分間台金を揺動させた。その後続けてめっきし、めっき層の厚みを、ダイヤモンド砥粒の平均粒径の約50%とした。
【0026】
次に、ダイヤモンド砥粒の露出表面と、めっき層の露出表面と、台金の露出表面に、ポリテトラフルオロエチレン樹脂:20容量%と、エポキシ樹脂:80容量%の混合物に溶剤としてメチルイソブチルケトンを均一に混合したものをスプレーによって塗装した後、台金を乾燥炉に入れて温度100℃にて30分間保持して溶剤を揮発させて完全消失させた。その後、台金を焼成炉に入れて温度150℃にて10分間保持して半焼成することにより、厚みが約5μmの半焼成樹脂膜を形成した(1層目)。さらに、スプレーによって塗装した後、台金を乾燥炉に入れて温度100℃にて30分間保持して溶剤を揮発させて完全消失させた。その後、台金を焼成炉に入れて温度150℃にて10分間保持して半焼成することにより、厚みが約5μmの半焼成樹脂膜を形成した(2層目)。その後、同様にスプレーによって塗装した後、台金を焼成炉に入れて温度180℃にて60分間保持して完全焼成することにより、厚みが約5μmの樹脂層が3層積層された多層樹脂膜を形成した。最後に、ダイヤモンド砥粒の先端部を被覆している樹脂膜だけを除去した。この樹脂膜の除去は、粒度が#240のアルミナ系砥粒を混濁した研削液を発泡ポリウレタンパッドに供給しながら、樹脂膜で被覆されているダイヤモンド砥粒の先端部を発泡ポリウレタンパッドの表面に押しつけることによって行った。
【0027】
(比較例1)
外径Dが120mm、ダイヤモンド層の幅Wが10mm、高さTが20mmのパッドコンディショナーを以下の手順で製作した。まず、120D−10W−20Tの台金をステンレス鋼で製作し、ダイヤモンド砥粒を固着しない部分を絶縁テープ及び絶縁塗料によってマスキングを施した。次に、水酸化ナトリウム50g/リットル、炭酸ナトリウム50g/リットルの脱脂液で液温80℃とし、10A/dm2 で陰極電解脱脂及び陽極電解脱脂を行った。その後純水で洗浄後、塩酸に3分間侵漬し、再度、純水で洗浄後、ストライクめっきを5分間行った。 次に、ニッケルめっき浴中で電流密度1A/dm2 、10分間の下地めっきを行った。その後、主として、六・八面体からなる結晶形態のダイヤモンド砥粒(粒度#80/#100、平均粒径180μm )を台金の上へ乗せ、電流密度0.1A/dm2 で6時間めっきした。この時、台金に接しているダイヤモンド砥粒だけを台金に固着するため、めっき浴中で1回/秒のサイクルで5分間台金を揺動させた。その後続けてめっきし、めっき層の厚みを、ダイヤモンド砥粒の平均粒径の約50%とした。
【0028】
次に、ダイヤモンド砥粒の露出表面と、めっき層の露出表面と、台金の露出表面に、ポリテトラフルオロエチレン樹脂:51容量%と、エポキシ樹脂:49容量%の混合物に溶剤としてメチルイソブチルケトンを均一に混合したものをスプレーによって塗装した後、台金を乾燥炉に入れて温度100℃にて30分間保持して溶剤を揮発させて完全消失させた。その後、台金を焼成炉に入れて温度150℃にて10分間保持して半焼成することにより、厚みが約5μmの半焼成樹脂膜を形成した(1層目)。その後、同様にスプレーによって塗装した後、台金を焼成炉に入れて温度180℃にて60分間保持して完全焼成することにより、厚みが約5μmの樹脂層が2層積層された多層樹脂膜を形成した。最後に、ダイヤモンド砥粒の先端部を被覆している樹脂膜だけを除去した。この樹脂膜の除去は、粒度が#240のアルミナ系砥粒を混濁した研削液を発泡ポリウレタンパッドに供給しながら、樹脂膜で被覆されているダイヤモンド砥粒の先端部を発泡ポリウレタンパッドの表面に押しつけることによって行った。
【0029】
(比較例2〜4)
比較例2は、混合物の組成をポリテトラフルオロエチレン樹脂:55容量%と、エポキシ樹脂:45容量%とし、比較例3は、混合物の組成をポリテトラフルオロエチレン樹脂:60容量%と、エポキシ樹脂:40容量%とし、比較例4は、混合物の組成をポリテトラフルオロエチレン樹脂:70容量%と、エポキシ樹脂:30容量%とし、その他は比較例1と同一とした。
【0030】
本発明の効果を確認するために実施例1〜3と比較例1〜4で製作されたパッドコンディショナの酸浸漬試験を行った。硝酸を2質量%と過酸化水素水2.5質量%を含む酸性の水溶液に各パッドコンディショナを浸漬した後、めっき層を形成しているニッケルの溶出量を測定した。その結果、ニッケルの溶出量は、実施例1〜3では平均0.1mg/リットル以下であったのに対して、比較例1では平均21mg/リットル、比較例2では平均36mg/リットル、比較例3では平均39mg/リットル、比較例4では平均41mg/リットルであった。また実施例1〜3ではダイヤモンド砥粒の脱落は確認されなかったが、比較例1〜4では脱落が確認された。
【0031】
【発明の効果】
以上ようにこの発明によればダイヤモンド砥粒の脱落を防止することができるだけでなく、ドレッシング時にスラリーが樹脂層の内部に侵入してめっき層や台金の金属成分を溶出するのを防止することができる。これにより、この発明のパッドコンディショナによってドレッシングされた研磨パッドを用いてもシリコンウエハの表面にスクラッチ傷を生じることがなく、またシシリコンウエハの表面を汚染することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一つの実施形態に従ったパッドコンディショナーの斜視図を示す。
【図2】図1に示されるパッドコンディショナーのダイヤモンド砥粒層の部分断面図を示す。
【符号の説明】
1 パッドコンディショナー
10 ダイヤモンド砥粒層
11 ダイヤモンド砥粒
12 下地めっき層
13 固着めっき層
14 多層樹脂層
14a、14b、14c 樹脂層
20 台金
Claims (5)
- 台金と、
前記台金の表面上に形成されためっき層と、
前記めっき層によって前記台金の表面に固着されたダイヤモンド砥粒と、
前記めっき層の表面を被覆するように前記めっき層の表面上に形成された樹脂層とを備え、
前記樹脂層は、フッ素樹脂を1〜50容量%と、残りがつなぎの役割を果たす樹脂からなる混合物で、2層以上の積層からなることを特徴とするパッドコンディショナ。 - 前記のつなぎの役割を果たす樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂から選ばれた一つ以上からなることを特徴とする請求項1記載のパッドコンディショナ。
- 前記樹脂層は、前記台金の露出表面を被覆するように前記台金の表面上に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のパッドコンディショナ。
- 化学的機械的研磨用の研磨パッドのドレッシングに用いられることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のパッドコンディショナ。
- 前記メッキ層の表面上に樹脂を塗布し、半焼成する工程を繰返すことによって、前記樹脂層を構成する最下層から最上層直下の層までの各々の層を形成する工程と、
前記上層直下の層の上に最上層を形成する樹脂を塗布した後、前記樹脂層を構成する最下層から最上層までの各々の層を完全焼成する工程とを備えたことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のパッドコンディショナの製造方法。
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