JP2004202201A - 回転角度検出装置およびx線コンピュータ断層撮影装置 - Google Patents

回転角度検出装置およびx線コンピュータ断層撮影装置 Download PDF

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Masahiro Kuroda
昌寛 黒田
Mitsuyuki Yokoyama
光之 横山
Shinichi Kominato
真一 小湊
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Abstract

【課題】比較的低精度の信号生成手段を用いて回転角度を高精度に検出でき且つ時間の経過による誤差の増大を防止する。
【解決手段】検出歯車8の内周面に1つのスリット8bが形成されている。定速回転させた状態で間隔測定タイマ24は検出信号S2のパルス間隔Tpを測定し、基準周期演算手段25は基準周期Trを算出する。スイッチ手段18はa側に切り替えられており、補正係数演算手段19は基準周期Trと検出周期Tnとの比である補正係数Knを算出して記憶手段26に記憶する。撮影時において、スイッチ手段18はb側に切り替えられ、補正周期演算手段20は検出周期Tnに補正係数Knを掛けて補正周期Trnを求め、その補正周期Trnに基づいて逓倍した位置信号SA、SBを得る。検出信号S2が入力されるごとに、その直前に補正対象とされる補正周期Trnを調整して演算誤差が累積するのを防止する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転部の回転角度を検出する回転角度検出装置およびこれを用いたX線コンピュータ断層撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、比較的低精度の信号生成手段を用いた場合であっても回転角度を高精度に検出することができる回転角度検出装置およびこれを用いたX線コンピュータ断層撮影装置を開発し、特願2001−384450として出願した。
【0003】
この出願に係る発明において、回転角度演算手段は、回転部が一定の回転速度で回転している状態で、角度精度の高い第2の検出信号の信号間隔を基準時間として、第1の検出信号の各周期をその基準時間に基づいて定められる周期に補正する補正データを求める(学習段階)。そして、回転角度演算手段は、上記補正データを求めた後実際に回転角度を検出する時(検出段階)に、第1の検出信号の各周期を上記補正データを用いて補正する。
【0004】
この補正によって、第1の検出信号の各周期が上記基準時間に基づいて定められる周期に基準化されるので、その補正した各周期に基づいて回転部の回転角度を求めれば、第2の検出信号の信号間隔を基準とした高精度の回転角度が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成を備えたX線コンピュータ断層撮影装置を連続運転したところ、表示手段に表示される画像が時間の経過とともに僅かずつ回転する現象が見られた。このような現象は、検出される回転部の回転角度のずれが時間の経過とともに増加していく場合に生じる。図11は、このずれ量を測定した結果を示している。具体的には、1回転につき10800パルスのパルス信号を生成する回転角度検出装置を備えたX線コンピュータ断層撮影装置において、回転部を120rpm一定で回転させた場合のパルスのずれ量(つまり検出角度のずれ)の時間経過を示している。35秒に1パルスつまり360°/10800=0.033°ずつ角度誤差が累積していることが分かる。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、比較的低精度の信号生成手段を用いた場合であっても回転角度を高精度に検出でき且つ時間の経過による誤差の増大が生じない回転角度検出装置およびこれを用いたX線コンピュータ断層撮影装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載した回転角度検出装置は、回転部と固定部とを有する回転装置の当該回転部と固定部の何れか一方に固定され、前記回転部の円周方向に沿って周期的に変化する第1の信号を生成する第1の信号生成手段と、この第1の信号生成手段に対し前記回転部と固定部の何れか他方に固定され、前記第1の信号を検出する第1の信号検出手段と、前記回転部と固定部の何れか一方に固定され、前記回転部の円周方向に沿って前記第1の信号よりも角度精度が高い第2の信号を生成する第2の信号生成手段と、この第2の信号生成手段に対し前記回転部と固定部の何れか他方に固定され、前記第2の信号を検出する第2の信号検出手段と、前記回転部が一定の回転速度で回転している状態において、前記第1の信号検出手段から出力される第1の検出信号の各周期と前記第2の信号検出手段から出力される第2の検出信号の信号間隔とをそれぞれ測定し、前記第2の検出信号の信号間隔を基準時間として前記第1の検出信号の各周期の補正データを求め、以後は前記回転部が任意の回転速度で回転している状態において、前記第1の信号検出手段から出力される第1の検出信号の各周期を前記補正データを用いて順次補正するとともに、前記第2の信号検出手段から前記第2の検出信号が出力されるごとにその時の補正状態を一定の補正状態に初期化して新たな補正を開始し、その補正した周期に基づいて前記回転部の回転角度を求める回転角度演算手段とを有して構成されていることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、回転角度演算手段は、回転部が一定の回転速度で回転している状態で、角度精度の高い第2の検出信号の信号間隔を基準時間として、第1の検出信号の各周期をその基準時間に基づいて定められる周期に補正する補正データを求める(学習段階)。この補正データは、例えば記憶手段に記憶される。
回転角度演算手段は、上記補正データを求めた後実際に回転角度を検出する時(検出段階)に、第1の検出信号の各周期を上記補正データを用いて補正する。この補正によって、第1の信号(第1の検出信号)の各周期が上記基準時間に基づいて定められる周期に基準化されるので、その補正した周期に基づいて回転部の回転角度を求めれば、第2の信号(第2の検出信号)の信号間隔を基準とした高精度の回転角度が得られる。
【0009】
そして、第2の信号検出手段から第2の検出信号が出力されるごとに、その時の補正状態を一定の補正状態に初期化して新たな補正を開始するので(リセット動作)、補正データを用いた各周期の補正演算の際に生じる演算誤差(例えば丸め誤差)が累積されることがなくなる。これにより、高精度であって且つ時間の経過による誤差の増大がない回転角度の検出が可能となる。
【0010】
この場合、回転角度演算手段は、計時手段を備え、第2の検出信号が出力された時点から補正した周期を順に計時手段に設定して計時するとともに、第2の検出信号が出力される直前に計時対象とされている周期については、当該周期の計時開始から第2の検出信号が出力される時点までの時間を前記補正した周期とする構成が好ましい(請求項2)。
【0011】
この構成によれば、第2の検出信号が出力される直前に計時対象とされている周期が、補正後の各周期に含まれる演算誤差を吸収するので、前回の第2の検出信号の出力時点から累積された演算誤差が当該第2の検出信号の出力時点においてゼロにクリアされる。なお、この手段によれば、回転部の加減速に伴って生じる周期の長短も吸収されることになるが、第1の検出信号の周期と第2の検出信号の周期との比がある程度大きい場合または回転部の速度変動が小さい場合にはその影響は十分に小さくなる。
【0012】
回転角度演算手段は、学習段階において、基準時間に基づいて第1の検出信号の基準周期を求め、この基準周期と第1の検出信号の各周期との比を補正データとすると良い(請求項3)。
この構成によれば、第1の信号の各周期が全て基準周期に等しい高精度の信号生成手段を用いた場合と同様の高精度の回転角度を得られる。
【0013】
さらに、学習段階から検出段階に移行した後に、前記第1の検出信号の各周期と前記第2の検出信号の信号間隔とに基づいて補正データの誤差を求め、所定値以上の誤差がある場合には再度補正データを求めると良い(請求項4)。
この構成によれば、検出段階において、機械的状態、電気的状態、磁気的状態などに変化が生じるなどして補正データに誤差が生じても、所定値以上の誤差が生じた時点で補正データが再設定されるので、角度精度を常に所定値よりも高く維持できる。
【0014】
第1の検出信号が各周期において所定の信号状態(例えば所定の向きのゼロクロス状態)に一致した時点で周期についての信号処理を開始し、第2の検出信号が各周期において所定の信号状態(例えば所定の向きのエッジ発生状態)に一致した時点で初期化等の信号処理を開始する構成であって、第1の検出信号についての信号処理開始時点と第2の検出信号についての信号処理開始時点とが接近している場合に、第1の検出信号および第2の検出信号の何れか一方の検出信号を反転して用いることが好ましい(請求項5)。
【0015】
この構成によれば、第1の検出信号についての信号処理と第2の検出信号についての信号処理とが重なり合うことがなくなるため、プロセッサ等により構成される回転角度演算手段の処理負担が軽減される。この処理は、第1の検出信号の各周期の補正データを求める学習段階に先立って行うことが好ましい(請求項6)。
【0016】
なお、回転角度演算手段を、求めた回転角度に対応したパルス状の位置信号を生成するように構成しても良く、この場合、上記補正した周期を1/n(n≧2)に等分割することにより、第1の検出信号を逓倍した位置信号を生成するように構成しても良い(請求項7)。これにより、検出する回転角度の角度分解能をより高めることができる。
【0017】
以上の各場合において、第1の信号生成手段を、磁気信号を生成する磁性体から構成し(請求項8)、さらに、この磁性体を複数に分割して製作しても良い(請求項9)。分割することにより第1の信号の角度精度は低下するが、上述したようにこの精度低下は第2の信号を用いて補償されるようになっているため回転角度検出装置の検出精度を高く維持できる。また、分割することにより、磁性体からなる第1の信号生成手段の製作が容易となり、一層のコストの低減が図られる。
【0018】
以上説明した回転角度検出装置をX線コンピュータ断層撮影装置に適用すれば(請求項10)、回転角度検出装置のコストを低く抑えつつ、断層画像の再構成処理を行う場合において必要となる極めて高精度の回転角度(X線管の回転位置)の検出が可能となる。また、X線コンピュータ断層撮影装置の回転枠は慣性モーメントが大きいので、回転速度の変動が極めて小さくなり、上述のリセット動作により演算誤差のみをゼロにクリアでき、より精度の高い補正データおよび補正周期が得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明をX線コンピュータ断層撮影装置に適用した第1の実施形態について図1ないし図7を参照しながら説明する。
図3はX線コンピュータ断層撮影装置の側面図であり、図4は図3において矢印A方向から見た正面図である。X線コンピュータ断層撮影装置1(以下、X線CT装置1と称す)は、X線管2とX線検出器3とが一体となって被検者Pの周囲を回転する回転/回転方式を採用しており、被検者Pの周囲1周(約360°)分の投影データセットから1枚の断層画像を再構成する装置である。
【0020】
一種の回転装置としてのX線CT装置1は、架台部4と被検者Pが横たわる寝台5とを備えている。架台部4は、固定枠6(固定部に相当)とこの固定枠6に回転可能に支持されたほぼ円環形状の回転枠7(回転部に相当)とから構成されている。このうち回転枠7には、例えばコーンビーム形でX線を曝射するタイプのX線管2と例えばマルチスライス形のX線検出器3とが、寝台5上の被検者Pを挟んで対向する位置関係で搭載されている。
【0021】
また、図示しないが、回転枠7には永久磁石と円環形状のロータヨークコイルとが取り付けられており、固定枠6にはコイルが取り付けられている。これらにより、回転枠7を回転駆動するダイレクトドライブモータDM(回転駆動部に相当、図2参照)が構成されている。さらに、回転枠7には、X線検出器3から出力される電流信号を電圧信号に変換するI−V変換器、この電圧信号を周期的に積分する積分器、この積分器の出力信号を増幅するアンプ、このアンプの出力信号をディジタル信号に変換するA/Dコンバータ等からなるデータ収集システムを収納するボックスや、X線管2への電力供給および信号送受信のためのスリップリング機構が回転バランスをとって配設されている。
【0022】
ダイレクトドライブモータDMの速度制御、回転枠7の停止位置制御、断層画像の再構成処理などを行うためには、回転枠7の回転角度(つまりX線管2の回転位置)の検出が必要である。特に断層画像の再構成処理には極めて高精度の回転角度が必要とされる。このため、X線CT装置1には、磁気抵抗方式による第1の信号生成手段と信号検出手段に加え、光学方式による第2の信号生成手段と信号検出手段を備えている。
【0023】
すなわち、図5に示すように、回転枠7の先端面には磁性体(例えば鉄)からなる円環状の検出歯車8が取り付けられている。検出歯車8の外周側には例えばD個(本実施形態では432個)の同一形状の歯8a(第1の信号生成手段に相当)が一定間隔に形成されており、内周面には細溝をなす1つのスリット8b(第2の信号生成手段に相当)が形成されている。本実施形態では、後述するように検出歯車8の歯8aに関する加工精度は低くても良く、そのような低精度であっても極めて高精度の回転角度を検出することができるようになっている。
【0024】
一方、図3、図4に示すように、固定枠6には検出歯車8の歯先から所定距離を隔てて歯8aに対向するように磁気抵抗式センサ9(第1の信号検出手段に相当)が取り付けられているとともに、検出歯車8の内周面から所定距離を隔ててスリット8bに対向するように光学式センサ10(第2の信号検出手段に相当)が取り付けられている。
【0025】
磁気抵抗式センサ9は、検出歯車8の周方向の向きに所定間隔を持って並設された2つの磁気抵抗素子と、この磁気抵抗素子に磁気バイアスを与えるための永久磁石(何れも図示せず)とから構成されている。2つの磁気抵抗素子は、所定の直流電位とグランド電位との間に直列に接続されており、磁気抵抗素子同士の接続点から検出信号S1(第1の検出信号に相当)が出力されるようになっている。この検出信号S1の電圧振幅は、歯8aと磁気抵抗素子との相対的な位置関係によって変化し、回転枠7が回転している状態ではほぼ正弦波形となる。
【0026】
光学式センサ10は、円環状の検出歯車8の内周面に対し光を照射する発光素子と、その内周面からの反射光を受光して電気的な検出信号S2(第2の検出信号に相当)を出力する受光素子とから構成されている。この検出信号S2は、ディジタル信号であって、回転枠7の回転に伴って光学式センサ10とスリット8bとが対向した時にのみHレベルとなる。
【0027】
さて、図2は、検出信号S1とS2の処理回路に係る概略的な電気的構成を示している。磁気抵抗式センサ9からの検出信号S1は、エンコーダ11とパルス生成回路12とに入力され、光学式センサ10からの検出信号S2は、パルス生成回路12に入力されている。
【0028】
このうちエンコーダ11は、正弦波状の検出信号S1からこれと同じ周波数(1回転につき432パルス)のパルス信号S3を生成し、これをダイレクトドライブモータDMを駆動するモータコントローラ13(回転駆動部に相当)に出力するようになっている。エンコーダ11は、入出力信号間の遅れがほとんどないが、検出信号S1の波形歪みや検出歯車8の歯8aの加工精度の影響を受けるため、回転角度について高精度を得にくい。このため、検出遅れが小さい特性を活かして、モータコントローラ13によるダイレクトドライブモータDMのフィードバック制御に用いている。
【0029】
一方、パルス生成回路12(回転角度演算手段に相当)は、検出信号S1とS2とに基づいて極めて高精度の2相の位置信号SA、SBを生成し、これを断層画像を再構成する画像再構成プロセッサ14(コンピュータ部に相当)に出力するようになっている。位置信号SA、SBは検出信号S1に対し25逓倍されており、1回転につき10800パルスのパルス信号である。なお、画像再構成プロセッサ14は、投影データに対してチャンネル間における感度不均一の補正等の前処理を実行する前処理部、この前処理部で補正された投影データに基づいて断層画像データを再構成する再構成部、断層画像データを表示するディスプレイ装置、ユーザインストラクションを入力するための入力装置、架台部4のスキャン動作を制御するスキャンコントローラ等を備えている。
【0030】
図1は、このパルス生成回路12の電気的構成をブロック図として示したものである。二点鎖線で囲まれた部分は、DSPなどのプロセッサによってソフトウェア処理されている。
ゼロクロス点検出回路15は、検出信号S1のゼロクロス点を検出し、ゼロクロス検出信号S4を出力するようになっている。このゼロクロス検出信号S4は、検出信号S1が低電位側から高電位側へと変化する時のゼロクロス点でLレベルからHレベルに変化し、高電位側から低電位側へと変化する時のゼロクロス点でHレベルからLレベルに変化する。
【0031】
周期測定タイマ16は、クロック発生回路17で生成される基準クロック信号S5を用いてゼロクロス検出信号S4の各周期を測定し、その検出周期Tn(n=1、2、…、432)を順次出力するようになっている。
【0032】
スイッチ手段18は、この出力された検出周期Tnを補正係数演算手段19または補正周期演算手段20の何れか一方に与えるための選択手段であって、後述するように学習段階においては補正係数演算手段19側(図1に示すa側)に切り替えられ、検出段階においては補正周期演算手段20側(図1に示すb側)に切り替えられるようになっている。
【0033】
補正周期演算手段20、除算手段21、遅延手段22およびパルス発生手段23は検出段階において動作するものである。このうち補正周期演算手段20は、検出信号S2、検出周期Tnおよび補正係数Kn(n=1、2、…、432)を入力し、検出周期Tnを補正係数Knで補正した補正周期Trn(n=1、2、…、432)を演算するようになっている。また、補正周期演算手段20は、計時手段たるカウンタ20aを備えており、このカウンタ20aと検出信号S2とを用いることにより、プロセッサが補正周期Trnを演算する際に生じる演算誤差(具体的には丸め誤差)をリセットするようになっている。除算手段21、遅延手段22およびパルス発生手段23は、逓倍された位置信号SA、SBを生成するものであり、補正周期Trnと同期して動作するようになっている。
【0034】
一方、間隔測定タイマ24、基準周期演算手段25および補正係数演算手段19は学習段階において動作するもので、このうち間隔測定タイマ24は、基準クロック信号S5を用いて検出信号S2のパルス間隔Tp(基準時間に相当)を測定し出力するようになっている。また、基準周期演算手段25はパルス間隔Tpに基づいて基準周期Trを演算し、補正係数演算手段19は基準周期Trと検出周期Tnとに基づいて各周期ごとの補正係数Kn(補正データに相当)を演算するようになっている。記憶手段26は、学習段階において演算された補正係数Knを記憶する不揮発性メモリである。
【0035】
なお、本発明でいう回転角度検出装置は、上述した検出歯車8(歯8a、スリット8b)、磁気抵抗式センサ9、光学式センサ10およびパルス生成回路12から構成されている。
【0036】
次に、本実施形態の作用について図6および図7も参照しながら説明する。 被検者Pの断層撮影を行う場合、X線CT装置1は、寝台5に被検者Pが横たわっている状態で回転枠7を回転させながらX線管2からX線を曝射し、X線検出器3によりその投影量を検出する。そして、被検者Pの周囲1周分の投影データに基づいて断層画像の再構成を行う。上述したように、この断層画像の再構成には回転枠7の回転角度(X線管2の回転位置)を示す高精度の位置信号SA、SBが必要となる。
【0037】
検出歯車8の歯数D(=432)は決まっているため、磁気抵抗式センサ9から出力される検出信号S1の各周期Tnに相当する回転角度Δθnは、ほぼ360°/Dとなっている。しかし、検出歯車8の歯8aには加工ばらつきがあり、また検出歯車8の径が大きくなるほど検出信号S1の歪みが大きくなるため、上記回転角度Δθnも歯8aごとにばらついてしまう。従って、検出信号S1のみを用いて得た位置信号SA、SBには、上記加工ばらつきや波形歪みに相当する誤差が生じる。
【0038】
そこで、本実施形態のX線CT装置1は、断層撮影に先立って検出歯車8の各歯8aごとの上記回転角度Δθn(実際には後述する補正係数Kn)を学習し(学習段階)、断層撮影を行う場合にはその学習結果に基づいて回転角度の検出を行う(検出段階)。以下、学習段階と検出段階とについてそれぞれ説明する。
【0039】
[学習段階]
まず、モータコントローラ13がダイレクトドライブモータDMをフィードバック制御して、回転枠7を比較的高い一定の回転速度例えば120rpm(もしくはそれ以上)で回転させる。回転枠7はイナーシャが大きく、計算によれば120rpmで回転中に駆動トルクが0になった場合でも約0.8%の回転むらしか生じない。このことは、回転枠7が120rpmで回転中には、1回転につき1パルスだけ出力される光学式センサ10の検出信号S2のパルス間隔Tpと、検出信号S2のパルスからの経過時間とに基づいて回転角度を0.8%以下の誤差で求めることができることを意味している。実際には、モータコントローラ13がダイレクトドライブモータDMを定速駆動するため、角度精度はさらに高くなる。
【0040】
この定速回転状態において、間隔測定タイマ24は基準クロック信号S5を用いて検出信号S2のパルス間隔Tpを測定し、基準周期演算手段25は次の(1)式に基づいて基準周期Trを算出する。この基準周期Trは、歯8aが等間隔に形成された理想的な検出歯車8を用いるとともに検出信号S1に歪みが存在しない場合、つまり上記回転角度Δθnに歯8aごとのばらつきが存在しない場合において周期測定タイマ16が出力する検出周期Tnに等しい。
Tr=Tp/D …(1)
【0041】
スイッチ手段18はa側に切り替えられており、補正係数演算手段19は、基準周期Trと周期測定タイマ16が出力する検出周期Tnとを入力し、次の(2)式に従って各周期ごとの補正係数Knを算出する。得られた補正係数Knは、記憶手段26に記憶される。
Kn=Tr/Tn …(2)
【0042】
なお、検出歯車8の歯8aの加工ばらつきは検出歯車8を交換しない限り変化せず、検出信号S1の波形歪みも検出歯車8や磁気抵抗式センサ9を交換しない限り変化しにくい(繰り返し精度が高い)と考えられる。従って、補正係数Knの算出(学習段階)は断層撮影のたびに行う必要はない。
【0043】
[検出段階]
実際に被検者Pの断層撮影を行う場合、ダイレクトドライブモータDM(回転枠7)はモータコントローラ13により様々な回転速度で定速駆動され、これに伴って断層画像の構成に必要となる投影データが収集される。この場合、スイッチ手段18はb側に切り替えられている。
【0044】
図6は、この検出段階における各信号波形を示している。ここでは、検出信号S2の立ち上がりとゼロクロス検出信号S4の立ち上がりとが一致する場合を示している。周期測定タイマ16は、ゼロクロス検出信号S4の立ち上がりエッジの間隔を計測することにより、ゼロクロス検出信号S4の各周期Tnを測定している。
【0045】
この場合、パルス生成回路12が検出信号S2を入力した時点で、周期測定タイマ16による周期T432の測定が完了する。そこで、補正周期演算手段20は、この周期T432に補正係数K432を乗算して補正周期Tr432を算出すし、その補正周期Tr432に相当するカウント値を計時手段たるカウンタ20aにセットしてカウントを開始する。続いて、周期測定タイマ16により周期T1の測定が完了すると、補正周期演算手段20は、この周期T1に補正係数K1を乗算して補正周期Tr1を算出し、その補正周期Tr1に相当するカウント値をカウンタ20aにセットしてカウントを開始する。
【0046】
すなわち、検出信号S2が入力された時点から、周期測定タイマ16は周期Tn(n=1、2、…、431)の測定を行う。そして、補正周期演算手段20は、その周期Tnと補正係数Knを用いて次の(3)式に従って補正周期Trnを演算し、その補正周期Trn(n=432、1、2、…、430)を連続的に順次計時する。
Trn=Tn×Kn …(3)
【0047】
補正係数Knにより補正された補正周期Trnは、歯8aが等間隔に形成された理想的な検出歯車8を用いるとともに検出信号S1に歪みが存在しない場合に周期測定タイマ16が出力する検出周期Tnに等しくなる。従って、検出周期Tnに替えて補正周期Trnを用いることは、実質的に上記理想的な検出歯車8を用い且つ波形歪みを除去したことと等価となる。
【0048】
なお、検出信号S2が入力された時点からカウンタ20aによる補正周期Tr432のカウントを開始したが、その開始した後の過程において、検出周期Tnの測定完了時点が補正周期Tr(n−1)のカウント終了時点よりも遅れる場合も考えられる。こうした状況が発生する場合には、検出信号S2が入力された時点から補正周期Tr431のカウントを開始するようにすれば良い。
【0049】
ところで、上記(3)式に示す演算はプロセッサによるディジタル演算であるため、演算結果である補正周期Trnには演算誤差(丸め誤差)が含まれる。カウンタ20aにより補正周期Tr432からTr430までの431個の補正周期を順に連続して計時すると、上記演算誤差が累積される。
【0050】
そこで、補正周期演算手段20は、補正周期Tr430のカウントが終了した時点から次の検出信号S2が入力される時点までの期間をカウンタ20aを用いて測定し、その測定時間を補正周期Tr431とする。つまり、検出信号S2が入力された時点で、前回の検出信号S2の入力時点から累積された演算誤差を一旦クリア(リセット)する。このリセット動作のために、検出信号S2が入力される直前に計時対象とされていた補正周期Tr431が調整される。なお、図6には、周期T431に補正係数K431を乗算した場合に得られる補正周期Tr431も参考として表示している。この図6に示す周期Tr431は誇張して表されており、実際の補正周期Tr431と(T431×K431)との差は極めて小さい。
【0051】
このようにして周期が補正されたゼロクロス検出信号S4を逓倍するため、除算手段21は次の(4)式に従って各補正周期Trnごとに時間Tcnを算出する。ここで、mpは、ゼロクロス検出信号S4(検出信号S1)に対する位置信号SA、SBの逓倍係数であり、本実施形態では25としている。
Tcn=Trn/(4×mp) …(4)
【0052】
遅延手段22は、検出信号S1の出力から位置信号SA、SBの出力までの時間遅れが所定時間例えば2周期となるように出力タイミングを調整する。例えば、検出信号S2が出力された後の検出信号S1の最初の検出周期T1は、(3)式により補正された後、検出周期T1の開始時点から2周期後に出力される位置信号SA、SBに反映されることとなる。
【0053】
パルス発生手段23は、図7に示すように、時間Tcnを用いて補正周期Trnの1/mpの周期(mp倍の周波数)を持つ位置信号SA、SBを生成する。位置信号SAは位置信号SBに対し90°の進み位相となっている。
【0054】
なお、上述の説明から分かるように、ゼロクロス検出信号S4の周期測定が必要であるため、検出周期Tnと位置信号SA、SBとの間には例えば2周期程度の遅れが発生する。しかし、回転枠7のイナーシャは非常に大きく、ダイレクトドライブモータDMのトルク変動は十分に小さいため、2周期程度の遅れによる回転角度のずれは極めて小さくなり実質的な誤差は生じない。
【0055】
また、位置信号SA、SBと補正周期Trnとは同期しているため、位置信号SA、SBの生成段階で演算誤差が生じることはない。図6においては、補正周期Tr432の計時終了時点と、当該補正周期Tr432に基づく位置信号SA、SBの生成開始時点とが一致するようになっている。
【0056】
以上説明したように、本実施形態のX線CT装置1は、断層撮影に先立つ学習段階において、回転枠7を定速回転させて検出信号S1の各周期Tnと検出信号S2のパルス間隔Tpとを測定し、そのパルス間隔Tpを歯数Dで除して得た基準周期Trと各周期Tnとの比である補正係数Knを算出し記憶手段26に記憶する構成とした。これにより、補正係数Knは、加工ばらつきを持つ検出歯車8を用いた場合あるいは検出信号S1の波形が歪んでいる場合の検出周期Tnを、加工ばらつきのない理想的な検出歯車8を用い且つ検出信号S1に歪みがない場合の基準周期Trに補正する補正データとなる。
【0057】
そして、断層撮影を行う検出段階において、検出信号S1の各周期Tnを補正係数Knにより補正した上で用いる構成としたので、各周期Tnが基準周期Tr(つまり正確に360°に対応するパルス間隔Tp)に基づいて基準化されることとなり、高精度の回転角度を得ることができる。
【0058】
この場合、補正周期演算手段20は、検出信号S2が入力されるごとに、前回の検出信号S2の入力時点から累積された演算誤差を補正周期Tr431に吸収させるので、前回の第2の検出信号の入力時点から累積された演算誤差がその次の第2の検出信号の入力時点においてゼロにクリア(一定の補正状態に初期化)される。これにより、補正データを用いた各周期の補正演算の際に生じる演算誤差(丸め誤差)が、検出信号S2の入力時点を越えて累積されることがなくなり、時間の経過による誤差の増大を防止することができる。特に、X線コンピュータ断層撮影装置の回転枠7は慣性モーメントが大きいので、回転速度の変動が極めて小さくなり、回転速度の変動の影響を受けることなく、演算誤差のみをゼロクリアできる。
【0059】
また、検出信号S1について繰り返し精度は必要となるが角度精度は必要とならない。このため、検出歯車8の歯8aの加工精度を比較的低く設定でき、製造コストを下げることができる。また、検出信号S1の波形歪みによる影響を受けないため、検出歯車8の径を大きくすることができる。さらに、検出信号S2には、断層画像を再構成する上で要求される角度精度に応じた高い精度が必要とされるが、スリット8bは1つだけ設けられているので、パルス間隔Tpは正確に360°に対応することとなり容易に高い精度を得られる。
【0060】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図8ないし図10を参照しながら説明する。本実施形態は、第1の実施形態の一部に変更を加えたものであり、図8、図9において、それぞれ図1、図4と同一構成部分には同一符号を付して示している。
【0061】
図9は、X線CT装置の正面図である。X線CT装置27は、回転枠7の回転角度を検出するため、磁気抵抗方式による第1の信号生成手段および第1の信号検出手段と、光学方式による第2の信号生成手段および第2の信号検出手段とを備えている。
【0062】
すなわち、回転枠7の端部には、その外周側に位置して磁性体(例えば鉄)からなる円環平板状の検出板28が取り付けられている。この検出板28には、周方向に沿ってD個(本実施形態では432個)の矩形孔28a(第1の信号生成手段に相当)が一定間隔に設けられている。また、検出板28の外周部には、1回転につき1箇所だけ凸部28b(第2の信号生成手段に相当)が形成されている。矩形孔28aの加工精度は低くても良く、そのような低精度であっても極めて高精度の回転角度を検出することができるようになっている。
【0063】
固定枠6には、検出板28の矩形孔28aに対向するように磁気抵抗式センサ29(第1の信号検出手段に相当)が取り付けられている。また、検出板28の凸部28bに対向し得るように光学式センサ30(第2の信号検出手段に相当)が取り付けられている。磁気抵抗式センサ29が出力する検出信号S1の電圧振幅は、矩形孔28aと磁気抵抗素子との相対的な位置関係によって変化し、回転枠7が回転している状態ではほぼ正弦波形となる。また、光学式センサ30は、例えばフォトインタラプタにより構成されており、凸部28bにより出射光が遮られることに対応してレベルが変化する検出信号S2を出力するようになっている。
【0064】
図8は、パルス生成回路31の電気的構成をブロック図として示したものである。二点鎖線で囲まれた部分は、DSPなどのプロセッサによってソフトウェア処理されている。
信号極性決定手段32は、光学式センサ30から検出信号S2を入力し、ゼロクロス点検出回路15からゼロクロス検出信号S4を入力しており、エッジ検出開始信号が入力されると検出信号S2の極性を決定するように構成されている。この極性とは、補正周期演算手段20と間隔測定タイマ24に対し、検出信号S2をそのまま出力するか反転して出力するかを意味する。信号極性決定手段32は、検出信号S2の極性を一旦決定すると、その極性を不揮発性メモリに記憶し、極性切替回路33に対して上記決定した極性に対応した極性切替信号を出力し続けるようになっている。
【0065】
その極性切替回路33は、光学式センサ30から補正周期演算手段20および間隔測定タイマ24に至る信号経路に設けられており、スイッチ34並びにこのスイッチ34に並列に接続されたインバータ35とスイッチ36との直列回路とから構成されている。スイッチ34と36は、上記極性切替信号によって何れか一方のみがオンとなるように切り替えられ、検出信号S2をそのまま或いは反転した検出信号S2′を出力するようになっている。
【0066】
次に、本実施形態の作用について図10も参照しながら説明する。
検出段階では、補正周期演算手段20は、ゼロクロス検出信号S4の立ち上がりエッジの発生(所定の信号状態に相当)により割り込み処理を開始し、補正周期の演算や周期測定タイマの再スタートなどの処理を実行する。一方、補正周期演算手段20は、検出信号S2(本実施形態では後述するように検出信号S2′)の立ち上がりエッジの発生(所定の信号状態に相当)により割り込み処理を開始し、上述したリセット処理などを実行する。これらの処理にはある程度の時間を要し、両処理が競合することにより何れか一方の割り込み処理が待たされると、処理の遅れによる誤差が発生する虞がある。
【0067】
そこで、学習段階が開始されるのに先立って信号極性決定手段32に対しエッジ検出開始信号が与えられ、信号極性決定手段32は、ゼロクロス検出信号S4の立ち上がりエッジと検出信号S2の立ち上がりエッジとの時間間隔を内部タイマを用いて測定する。信号極性決定手段32は、この時間間隔が上記処理時間よりも長い場合には、極性切替回路33に対しスイッチ34をオン、スイッチ36をオフとする極性切替信号を出力し、上記処理時間以下の場合には、極性切替回路33に対しスイッチ34をオフ、スイッチ36をオンとする極性切替信号を出力する。
【0068】
図10は、スイッチ34をオフ、スイッチ36をオンとした場合における検出段階での信号波形および処理のタイミングを示している。上から順に検出信号S2′、検出信号S2′に係る処理時間、検出信号S1、ゼロクロス検出信号S4、検出信号S1に係る処理時間を示している。処理時間の矢印部分は、プロセッサが処理中であることを示している。
【0069】
検出信号S2を反転せずにそのまま検出信号S2′として用いると処理の競合状態が発生するのに対し、この図10に示すように検出信号S2を反転して検出信号S2′とすれば、ゼロクロス検出信号S4に係る割り込み処理と検出信号S2′に係る割り込み処理とが重なり合うことがなくなる。その結果、処理の遅延による誤差の発生を防止できる。また、上記競合状態が生じないように、X線CT装置27の設置時に検出板28の矩形孔28aの位置と凸部28bの位置とを調整(位置合わせ)する手間も省け、設置作業を容易化することができる。
【0070】
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記した各実施形態に限定されるものではなく、以下のような変形あるいは拡大が可能である。
検出歯車8、検出板28を固定枠6に取り付け、磁気抵抗式センサ9、29および光学式センサ10、30を回転枠7に取り付ける構成としても良い。また、磁気抵抗式センサ9、29と光学式センサ10、30を、それぞれ固定枠6と回転枠7あるいは回転枠7と固定枠6に取り付ける構成としても良い。
検出歯車8にスリット8bを複数個設けても良い。この場合、スリット8bの角度間隔には、回転角度検出装置に要求される角度精度に応じた精度が必要とされる。検出板28の凸部28bについても同様である。
【0071】
第1、第2の信号生成手段は検出歯車8(歯8a、スリット8b)、検出板28(矩形孔28a、凸部28b)に限られない。第1の信号生成手段は、円周方向に沿って周期的に変化する信号を生成するものであれば良い。第1、第2の信号検出手段には、第1、第2の信号生成手段で生成される第1、第2の信号を繰り返し精度良く検出できるものを使用すれば良い。例えば、円環状の板、円板など(磁性体に限らない)に対しプレス加工(打ち抜き)を行い、周方向に一定間隔で一定寸法の孔部を設けたものを第1の信号生成手段としても良い。この場合の第1の信号検出手段には、発光素子と受光素子とからなる透過式の光学式センサを用いると良い。
【0072】
検出歯車8、検出板28は複数に分割されて製作されていても良い。分割や上述した打ち抜き加工を用いると第1の検出信号の角度精度が低下するが、この精度低下は第2の検出信号を用いて補償されるようになっているため位置信号SA、SBの角度精度を高く維持できる。また、分割や打ち抜き加工を用いることにより製作が容易となり、一層のコスト低減が図られる。
【0073】
スイッチ手段18を除いて検出周期Tnを補正係数演算手段19と補正周期演算手段20とに与え、断層撮影を行う検出段階において回転枠7が例えば120rpmで定速回転している時に、補正係数演算手段19が補正係数Knを演算するように構成しても良い。そして、演算された補正係数Knと記憶手段26に記憶されている補正係数Knとが所定値以上異なる場合には、記憶されている補正係数Knを演算された補正係数Knで置き換えたり、再度学習段階に移行するようにしても良い。
この構成によれば、検出段階において、機械的状態、電気的状態、磁気的状態などに変化が生じるなどして補正係数Knに誤差が生じても、所定値以上の誤差が生じた時点で補正係数Knが再設定されるので、角度精度を常に所定値よりも高く維持できる。
【0074】
逓倍処理は必要に応じて行えば良い。
回転角度検出装置は、X線CT装置に限らず、固定部と回転部を有する他の回転装置に対しても適用可能である。
第2の実施形態において検出信号S2を反転可能なように構成したが、ゼロクロス検出信号S4を反転可能なように構成しても良い。
【0075】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1記載の回転角度検出装置によれば、第1の検出信号の各周期が第2の検出信号の信号間隔に基づいて定められる基準周期に補正されるとともに、第2の検出信号が出力されるごとにその時の補正状態が一定の補正状態に初期化されて新たな補正が開始されるので、その補正された周期に基づいて回転部の回転角度を求めることにより、補正演算の際に生じる演算誤差が累積されることがなくなる。これにより、高精度であって且つ時間の経過による誤差の増大がない回転角度の検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すパルス生成回路の電気的構成図
【図2】検出信号S1とS2の処理回路に係る概略的な電気的構成図
【図3】X線コンピュータ断層撮影装置の側面図
【図4】X線コンピュータ断層撮影装置の正面図
【図5】検出歯車の取り付け態様を示す斜視図
【図6】検出段階における各信号波形を示す図
【図7】位置信号SA、SBの詳細図
【図8】本発明の第2の実施形態を示す図1相当図
【図9】図4相当図
【図10】検出段階における信号波形および処理タイミングを示す図
【図11】先に開発したX線コンピュータ断層撮影装置における回転角度のずれを示す図
【符号の説明】
1、27はX線コンピュータ断層撮影装置(回転装置)、2はX線管、3はX線検出器、6は固定枠(固定部)、7は回転枠(回転部)、8aは歯(第1の信号生成手段)、8bはスリット(第2の信号生成手段)、9、29は磁気抵抗式センサ(第1の信号検出手段)、10、30は光学式センサ(第2の信号検出手段)、12、31はパルス生成回路(回転角度演算手段)、14は画像再構成プロセッサ(コンピュータ部)、20aはカウンタ(計時手段)、28aは矩形孔(第1の信号生成手段)、28bは凸部(第2の信号生成手段)、DMはダイレクトドライブモータ(回転駆動部)である。

Claims (10)

  1. 回転部と固定部とを有する回転装置の当該回転部と固定部の何れか一方に固定され、前記回転部の円周方向に沿って周期的に変化する第1の信号を生成する第1の信号生成手段と、
    この第1の信号生成手段に対し前記回転部と固定部の何れか他方に固定され、前記第1の信号を検出する第1の信号検出手段と、
    前記回転部と固定部の何れか一方に固定され、前記回転部の円周方向に沿って前記第1の信号よりも角度精度が高い第2の信号を生成する第2の信号生成手段と、
    この第2の信号生成手段に対し前記回転部と固定部の何れか他方に固定され、前記第2の信号を検出する第2の信号検出手段と、
    前記回転部が一定の回転速度で回転している状態において、前記第1の信号検出手段から出力される第1の検出信号の各周期と前記第2の信号検出手段から出力される第2の検出信号の信号間隔とをそれぞれ測定し、前記第2の検出信号の信号間隔を基準時間として前記第1の検出信号の各周期の補正データを求め、以後は前記回転部が任意の回転速度で回転している状態において、前記第1の信号検出手段から出力される第1の検出信号の各周期を前記補正データを用いて順次補正するとともに、前記第2の信号検出手段から前記第2の検出信号が出力されるごとにその時の補正状態を一定の補正状態に初期化して新たな補正を開始し、その補正した周期に基づいて前記回転部の回転角度を求める回転角度演算手段とを有して構成されていることを特徴とする回転角度検出装置。
  2. 前記回転角度演算手段は、計時手段を備え、前記第2の検出信号が出力された時点から前記補正した周期を順に前記計時手段に設定して計時するとともに、前記第2の検出信号が出力される直前に計時対象とされている周期については、当該周期の計時開始から前記第2の検出信号が出力される時点までの時間を前記補正した周期とすることを特徴とする請求項1記載の回転角度検出装置。
  3. 前記回転角度演算手段は、前記回転部を一定の回転速度で回転させた状態において、前記基準時間に基づいて前記第1の検出信号の基準周期を求め、この基準周期と前記第1の検出信号の各周期との比を補正データとすることを特徴とする請求項1または2記載の回転角度検出装置。
  4. 前記回転角度演算手段は、前記補正データを求めた後、前記回転部が一定の回転速度で回転している時に、前記第1の信号検出手段から出力される第1の検出信号の各周期と前記第2の信号検出手段から出力される第2の検出信号の信号間隔とに基づいて前記補正データの誤差を求め、所定値以上の誤差がある場合には再度補正データを求めることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の回転角度検出装置。
  5. 前記回転角度演算手段は、前記第1の検出信号が各周期において所定の信号状態に一致した時点で当該周期についての信号処理を開始し、前記第2の検出信号が各周期において所定の信号状態に一致した時点で前記初期化等の信号処理を開始するように構成されており、前記第1の検出信号についての信号処理開始時点と前記第2の検出信号についての信号処理開始時点とが接近している場合に、前記第1の検出信号および第2の検出信号の何れか一方の検出信号を反転して用いるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の回転角度検出装置。
  6. 前記回転角度演算手段は、前記第1の検出信号の各周期の補正データを求めるのに先立って、前記第1の検出信号についての信号処理開始時点と前記第2の検出信号についての信号処理開始時点との時間差を測定し、その時間差が所定値以下である場合に前記検出信号の反転処理を行うように構成されていることを特徴とする請求項5記載の回転角度検出装置。
  7. 前記回転角度演算手段は、前記補正した周期を1/n(n≧2)に等分割することにより、前記第1の検出信号を逓倍した位置信号を生成するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の回転角度検出装置。
  8. 前記第1の信号生成手段は、磁気信号を生成する磁性体から構成されていることを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載の回転角度検出装置。
  9. 前記第1の信号生成手段は複数に分割されて製作されていることを特徴とする請求項8記載の回転角度検出装置。
  10. 固定枠と、
    この固定枠に対して回転可能に支持された回転枠と、
    この回転枠に取り付けられたX線管と、
    このX線管から出射され被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、
    前記回転枠を回転駆動する回転駆動部と、
    前記回転枠の回転による前記X線管の回転位置を検出する請求項1ないし9の何れかに記載の回転角度検出装置と、
    前記X線検出器の出力と前記回転枠の回転による前記X線管の回転位置とに基づいて前記被検体の断層画像データを再構成するコンピュータ部とを有するX線コンピュータ断層撮影装置。
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