JP2004202076A - 靴用ハンガー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この発明は、 U字状の頂部付近内側に前記靴の踵部分を当接し、靴の踵部分から靴の前方に亘って靴底の周縁に沿って挟着保持するU字状挟着保持部と、当該U字状挟着保持部のそれぞれの開口側先端部に上向きに連設され、協働して靴底を横方向から挟着保持する2つの挟着凹部と、当該挟着凹部の他端から延設した吊り下げフック部とを備え、前記U字状挟着保持部と前記吊り下げフック部との角度が90°以上となるように構成した靴用ハンガーによって目的を達成した。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、靴やブーツ等をその外側から挟着保持して吊り下げて乾燥させることができる靴用ハンガーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、靴用のハンガーは、靴の内側に靴の保持部を差し入れて吊り下げる形態のものが数多く使用されている。このとき、濡れた靴を乾燥させようとする際に、水切れをよくするために靴を逆さまにして、すなわち靴の底面側を上側にし、履き入れ口側を下側にして乾燥させることがある。
【0003】
また、濡れた靴を干すために立設した棒状の保持具を逆さまにした靴の内側に差し入れたり、クリップ等で挟着したりする形態のハンガーが用いられることがある。
【0004】
さらに、靴の外部から靴を保持する形態のハンガーとして、靴の外面にベルトを掛け廻し、そのベルトを吊り下げる形態のハンガーが提案されている(特開2002−95622号公報)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−95622号公報
【0006】
【発明により解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の靴保持具やハンガーは、不便な点や、いくつかの改善すべき点があった。
【0007】
例えば、靴の内部に保持部を差し入れて吊り下げる形態のものは、吊り下げる対象となる靴が例えばブーツや長靴のように履き入れ口から靴底までの長さの長い靴の場合は、靴をしっかり掛け止めできるように保持具を靴のつま先側まで差し入れることが困難な場合がある。
【0008】
また、靴の底面側を上側にし、履き入れ口側を下側にして乾燥させるときに、立設した棒状の保持具を靴の内側に差し入れる場合も、保持具の先端が拡径していなければ靴内に差し入れることは容易であるが、靴は保持具の先端でいわば点で支えられることになり、特に踵部付近の靴内部を痛めてしまうおそれがあるし、バランスを保つのも困難であった。これは水を含んで重くなった靴では顕著であった。
【0009】
一方、保持具の先端を拡径し、保持具及び靴にかかる圧力を分散することも考えられるが、この場合は、靴内に保持部を差し入れることが困難となってしまう。
【0010】
また、靴をクリップ等で挟んだ状態で吊り下げるものは、クリップで挟持される部分を痛めてしまい、さらに、靴の重量が重い場合にはクリップが外れて靴が落下してしまうおそれもあった。
【0011】
靴の外面にベルトを掛け廻し、靴の外部から靴を保持する形態のハンガーは、ベルトにより確実に靴を支持できるものであるので、靴がハンガーから落下するおそれは解消されているが、靴の表面にベルトの跡が残ってしまい、靴を傷め易いという問題は依然として解消されていなかった。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明は、底面を上側にした靴の靴底と側革との境界付近を踵部側から靴の先端方向に向かって挟着保持すると共に、靴底を挟着抱持するようにした靴用ハンガーによって前記諸問題を解決したのである。
【0013】
すなわち、この発明の靴用ハンガーは、底面を上側にした靴を外側から挟着保持して吊り下げる靴用のハンガーであって、略U字状に成形され、当該U字状の頂部付近内側に前記靴の踵部分を当接し、靴の踵部分から靴の前方に亘って靴底の周縁に沿って挟着保持するU字状挟着保持部と、協働して靴底を横方向から挟着保持する凹部であって、靴底の厚みに対応する開口巾を有すると共に、開口側を対向させて前記U字状挟着保持部のそれぞれの開口側先端部に前記凹部の一端をそれぞれ連設した2つの挟着凹部と、当該挟着凹部の他端から延設した吊り下げフック部とを備え、前記U字状挟着保持部と前記吊り下げフック部との角度が90°以上となるように前記挟着凹部と前記U字状挟着保持部との連設部において前記挟着凹部を前記U字状挟着保持部に対して上方へ屈曲させて連設したことを特徴とする靴用ハンガーである。
【0014】
ここで、この発明の靴用ハンガーは、針金状の弾性材により屈曲成形して製作することができる。弾性材により屈曲成形すれば、その弾性により、靴を強固に挟着保持することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
この発明の靴用ハンガーの実施の形態につき、図面を参照しつつ、説明する。
【0016】
(1)靴用ハンガーの構成
この発明の靴用ハンガー1は、図示のように靴底2aを上側にした靴2を外側から挟着保持して吊り下げる形態の靴用のハンガーであり、大別すると以下のようなU字状挟着保持部3、2つの挟着凹部4、4、吊り下げフック部5とによって構成される。
【0017】
〔U字状挟着保持部〕
U字状挟着保持部3は、略U字状に成形され、当該U字状の頂部3a付近の内側に靴2の踵部分2bを当接し、靴2の踵部分2bから靴の前方に亘って靴底2aの周縁に沿って挟着保持するものである。
【0018】
靴2を靴用ハンガー1に掛止するときは、U字状挟着保持部3の平行部3b、3bは、靴2の靴底2に沿って、靴底2aと側革2cとの境界付近に位置し靴2を挟着保持する(図8)。
【0019】
従って、U字状の平行部3b、3bは、靴2を掛止したときに、靴2がバランスよく保持され、落下しない程度の長さを確保しておく必要がある。靴2をバランスよく保持するためには、少なくとも靴2の土踏まず部分より前方まで保持できる長さを有していることが望ましい。
【0020】
なお、このU字状挟着保持部3は、針金等の弾性材を用いて成形すれば、U字状の巾を押し広げることが可能となるので、靴2のサイズの大小や、靴底2aが幅広である等の靴の形状の差異に対応可能である。
【0021】
〔挟着凹部〕
挟着凹部4は、図示のように2つ設けられ、これら2つの挟着凹部4、4は協働して靴底を横方向(図9中矢示6、6の方向)から挟着保持する凹部である。
【0022】
図9は、履き入れ口2dを下側、靴底2aを上側とした靴2を靴用ハンガー1に挟着保持させた状態を靴2のつま先側から見た拡大説明図であるが、挟着凹部4、4の開口巾W(図9)は、靴底2aを抱持できるように靴底2aの厚みに対応させた巾としておく。
【0023】
2つの挟着凹部4、4は、開口側を対向させて前記U字状挟着保持部3のそれぞれの開口側先端部3c、3cに挟着凹部4、4の一端4a、4aをそれぞれ連設し、他端4b、4bは、U字状挟着保持部3のそれぞれの開口側先端部3c、3c(挟着凹部の一端4a、4a)よりも上方に位置するように成形する。
【0024】
これは、この靴用ハンガー1が靴底2aを上側にした靴2を外側から挟着保持して吊り下げる形態のハンガーであり、U字状挟着保持部3の平行部3b、3bを、靴2の靴底2に沿って、靴底2aと側革2cとの境界付近に位置させて靴2を挟着保持するためである。
【0025】
従って、挟着凹部4、4は、U字状挟着保持部3に対して角度を有するように上方に向いてさえいれば、例えば、挟着凹部4、4は、U字状挟着保持部3に対して90°に取り付けられていなければならない等の角度の制限はない。
【0026】
〔吊り下げフック部〕
吊り下げフック部5は、前記挟着凹部4、4の他端4b、4bから延設し、靴用ハンガー1を掛止して吊り下げるものである。ここで、挟着凹部4、4は、前記のようにU字状挟着保持部3に対して角度を有するように上方に向いて連設されているので、吊り下げフック部5もそのまま上方へ向かって連設されていればよい。
【0027】
但し、U字状挟着保持部と吊り下げフック部との角度θ(図6、7、8)は、90°以上となるようにする。これは以下に述べる理由による。
【0028】
濡れた靴2は、図8図示のように履き入れ口2dの後端部2eが最下部に位置するようにすれば水切れがよくなって、素早く乾燥させることができる。
【0029】
そこで、吊り下げフック部5は、靴用ハンガー1を吊り下げたときに、地面と垂直となって吊り下げられるので、U字状挟着保持部3と吊り下げフック部との角度θ(図6、7、8)が90°以上となっていれば、図8図示のように履き入れ口2dの後端部2eが最下部に位置させることができるからである。
【0030】
なお、吊り下げフック部5は、従来より使用されているどのような形状のものであってもよいが、鈎状のものであれば、面倒な操作をすることなく容易に靴用ハンガー1を掛止できるので、そのような形状とするのが望ましい。
【0031】
(2)靴用ハンガーの使用方法
前記のように構成した靴用ハンガー1の使用方法について説明する。
【0032】
靴用ハンガー1に靴2を掛止するときには、靴2の靴底2aを挟着凹部4、4に通過させ、U字状挟着保持部3へ踵部分2b側から矢示7(図1、8)の方向に差し入れて、踵部分2bをU字状挟着保持部3の頂部3aに当接させる。
【0033】
靴2がU字状挟着保持部3から抜け落ちないように挟着凹部4、4で靴底2aの前側部分を挟着抱持させたら、吊り下げフック部5のフック5aを適当な横桟やロープに掛止すればよい。
【0034】
以上の簡単な工程で、靴2を履き入れ口2dの後端部2eが最下部に位置する状態(図8)に保つことができ、靴2を迅速に乾燥させることができる。
【0035】
このとき、靴用ハンガー1は、靴2の構成要素の中で比較的堅牢な部分である靴底2a及び靴底2aと側革2cとの境界付近を中心に接触しているので、靴2aを傷める心配が少なく、また、安定した状態で吊り下げることができる。
【0036】
なお、靴や靴底の形状によっては踵部分2bをU字状挟着保持部3の頂部3aに当接させ難い場合もあるが、踵部分2bがU字状挟着保持部3の頂部3aに当接させることができなくても、U字状挟着保持部3の平行部3b、3bや挟着凹部4、4の弾性によって、しっかりと挟着されるので、靴2を安定した状態で保持できる。
【0037】
一方、靴2を靴用ハンガー1から取り外すときは、矢示8(図1、8)の方向に靴2を引き抜いてやるだけでよい。
【0038】
以上、この発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照して説明したが、この発明はかかる実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々な形態に変更可能である。
【0039】
【発明の効果】
この発明の靴用ハンガーは、略U字状に成形され、当該U字状の頂部付近内側に前記靴の踵部分を当接し、靴の踵部分から靴の前方に亘って靴底の周縁に沿って挟着保持するU字状挟着保持部を備えているので、靴の内部及び靴の側革をハンガーで痛めることなく靴をその底面を上側にした状態で靴の外側から容易に挟着保持して吊り下げることができる。
【0040】
また、協働して靴底を横方向から挟着保持する2つの挟着凹部を備えているので、靴底を安定して抱持でき、靴の落下を防止すると共に靴を安定した状態で吊り下げることができる。
【0041】
さらに、前記U字状挟着保持部と前記吊り下げフック部との角度が90°以上となるように前記挟着凹部と前記U字状挟着保持部との連設部において前記挟着凹部を前記U字状挟着保持部に対して上方へ屈曲させて連設したので、靴の履き入れ口の後端部が最下部に位置するように吊り下げることができる。
【0042】
すなわち、例えばジェットスキー等の際に着用したブーツのように濡れた靴であっても、効率よく、素早く乾燥させることができる。
【0043】
また、この発明の靴用ハンガーは、その形状が、針金状の弾性材により屈曲成形できる形状であるので、その製作が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の靴用ハンガーに靴を掛止した状態の斜視図である。
【図2】この発明の靴用ハンガーの正面図である。
【図3】同じく背面図である。
【図4】同じく平面図である。
【図5】同じく底面図である。
【図6】同じく右側面図である。
【図7】同じく左側面図である。
【図8】図1図示の状態の靴用ハンガーの側面から見た説明図である。
【図9】図8図示の靴用ハンガーを正面(靴のつま先側)から見た拡大説明図である。
【符号の説明】
1 靴用ハンガー
2 靴
2a 靴底
2b 踵部分
2c 側革
3 U字状挟着保持部
4 挟着凹部
5 吊り下げフック部
Claims (2)
- 底面を上側にした靴を外側から挟着保持して吊り下げる靴用のハンガーであって、
略U字状に成形され、当該U字状の頂部付近内側に前記靴の踵部分を当接し、靴の踵部分から靴の前方に亘って靴底の周縁に沿って挟着保持するU字状挟着保持部と、
協働して靴底を横方向から挟着保持する凹部であって、靴底の厚みに対応する開口巾を有すると共に、開口側を対向させて前記U字状挟着保持部のそれぞれの開口側先端部に前記凹部の一端をそれぞれ連設した2つの挟着凹部と、
当該挟着凹部の他端から延設した吊り下げフック部とを備え、
前記U字状挟着保持部と前記吊り下げフック部との角度が90°以上となるように前記挟着凹部と前記U字状挟着保持部との連設部において前記挟着凹部を前記U字状挟着保持部に対して上方へ屈曲させて連設した
ことを特徴とする靴用ハンガー。 - 針金状の弾性材により屈曲成形したことを特徴とする請求項1記載の靴用ハンガー。
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