JP2004201990A - レンズ接合体の製造方法、レンズ接合体および内視鏡 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のレンズ接合体の製造方法は、第1レンズ321、投射レンズ42と、主として樹脂材料で構成され、各レンズ321、42に接合される支持部材(接合部材)51とを有するレンズ接合体を製造するものであり、各レンズ321、42の外周部に導電性層91を形成する工程と、導電性層91の外表面に多官能性トリアジンジチオール誘導体を含む被膜92を形成する工程と、成形型内に、被膜92が形成された各レンズ321、42を設置し、支持部材51の構成材料を溶融または軟化状態で供給して、支持部材51の構成材料が被膜92に接合するよう支持部材51を形成する工程とを有している。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズ接合体の製造方法、レンズ接合体および内視鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
医療の分野では、消化管等の検査、診断などに、内視鏡が使用されている。この内視鏡は、体腔内に挿入される挿入部(内視鏡用可撓管)と、この挿入部の基端側に設置され、挿入部の先端部を湾曲操作する操作部とを有している。
【0003】
挿入部は、曲がった体腔内に挿入され、これに追従できるよう、可撓性を有する可撓管と、その先端側において湾曲操作される湾曲部とを有する。
【0004】
このような医療用の内視鏡は、体腔内に挿入して使用されることから、この挿入時に付着した生体組織、血液、病原菌等によって汚染される。このため、検査・処理終了後には、内視鏡には、洗浄、消毒、滅菌処理等が施される。
【0005】
この内視鏡の滅菌処理には、例えば、高温高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)が広く用いられている。
【0006】
ところで、内視鏡の端部には、対物レンズや接眼レンズ等が設けられており、これらは、一般に、内視鏡本体に対して接着剤により接着されている。
【0007】
しかしながら、接着剤による接着は、分子間力(ファン・デル・ワールス力)や水素結合のような物理的なアンカー力によるものであり、化学反応によって形成される共有結合に比べて強度が小さい。このため、高温高圧蒸気滅菌の際に、熱膨張率の差に起因して各部材間で応力が生じ、高温高圧蒸気滅菌を繰り返す間に、接着剤が劣化、剥離して、かかる接着剤の剥離部分から内視鏡内に水蒸気が侵入してしまうおそれがある。
【0008】
そこで、対物レンズの外周面をメタライズ処理するとともに、内視鏡先端部の部材を金属材料で構成し、この金属製の部材と対物レンズの外周部に形成されたメタライズ層(金属層)とを、ロウ接することにより接合部の耐性を向上させた内視鏡が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0009】
ところが、内視鏡先端部に金属製の部材を用いると、湾曲部(内視鏡)の先端部の重量が大きくなることから、内視鏡の操作性が低下するという不都合が生じる。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−135196号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、重量の増大を招くことなく、高い気密性を確保することができるレンズ接合体の製造方法、かかるレンズ接合体の製造方法により製造されたレンズ接合体およびこれを備える内視鏡を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(14)の本発明により達成される。
【0013】
(1) レンズの外周部に形成された導電性層の外表面に、多官能性トリアジンジチオール誘導体を含む被膜を形成する工程と、
成形型内に、前記被膜が形成された前記レンズを設置し、主として樹脂材料で構成される材料を溶融または軟化状態で供給して、該材料が前記被膜に接合するよう接合部材を形成する工程とを有することを特徴とするレンズ接合体の製造方法。
【0014】
これにより、重量の増大を招くことなく、高い気密性を確保することができるレンズ接合体が得られる。
【0015】
(2) 溶融または軟化状態の前記材料は、前記成形型内に加圧状態で供給される上記(1)に記載のレンズ接合体の製造方法。
【0016】
これにより、樹脂材料と多官能性トリアジンジチオール誘導体との反応をより迅速に進行させることができるので、レンズ接合体の製造時間の短縮を図ることができる。
【0017】
(3) 前記導電性層は、金属層である上記(1)または(2)に記載のレンズ接合体の製造方法。
【0018】
導電性層を金属層とすることにより、多官能性トリアジンジチオール誘導体を含む被膜をより密着性よく形成することができる。
【0019】
(4) 前記被膜は、前記多官能性トリアジンジチオール誘導体を含む処理液を用いて、前記導電性層の外表面に電気化学的処理を施すことにより形成される上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のレンズ接合体の製造方法。
【0020】
これにより、多官能性トリアジンジチオール誘導体を分子配向させることができる。
【0021】
(5) 前記処理液における前記多官能性トリアジンジチオール誘導体の濃度は、1×10−6〜10mol/Lである上記(4)に記載のレンズ接合体の製造方法。
【0022】
これにより、十分な厚さ(膜厚)の多官能性トリアジンジチオール誘導体を含む被膜を形成することができる。
【0023】
(6) 前記処理液は、電解質を含む上記(4)または(5)に記載のレンズ接合体の製造方法。
【0024】
これにより、多官能性トリアジンジチオール誘導体の分子配向性を向上させることができる。
【0025】
(7) 前記処理液における前記電解質の濃度は、0.001N以上である上記(6)に記載のレンズ接合体の製造方法。
【0026】
これにより、多官能性トリアジンジチオール誘導体の分子配向性をより向上させることができる。
【0027】
(8) 前記多官能性トリアジンジチオール誘導体は、下記式で表されるものである上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のレンズ接合体の製造方法。
【化2】
[式中、Rは、−OR1、−OOR1、−SmR1、−NR1R2を示し、R1およびR2は、それぞれ、水素原子、または、ヒドロキシル基、カルボニル基、エーテル基、エステル基、アミド基、アミノ基、フェニル基、シクロアルキル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基のうちの少なくとも1つを含む置換基を示し、mは、1〜8の整数を示し、M1およびM2は、それぞれ、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子またはアンモニウムを示す。]
【0028】
これらの多官能性トリアジンジチオール誘導体は、特に、導電性材料および樹脂材料の双方との反応性が高い。
【0029】
(9) 前記樹脂材料は、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリルサルフォン、ポリフェニレンサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンのうちの少なくとも1種である上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のレンズ接合体の製造方法。
これらのものは、特に、耐熱性や耐薬品性に優れる点で好ましい。
【0030】
(10) 前記レンズは、内視鏡用レンズである上記(1)ないし(9)のいずれかに記載のレンズ接合体の製造方法。
【0031】
本発明は、各種レンズを接合部材に接合する場合に適用することができるが、特に、内視鏡レンズを接合部材に接合する場合に適用するのに適している。
【0032】
(11) 前記レンズは、その一部が前記内視鏡の外部に露出するレンズである上記(1)ないし(10)のいずれかに記載のレンズ接合体の製造方法。
【0033】
本発明は、特に、かかる内視鏡用レンズを接合部材に接合する場合に適用するのに適している。
【0034】
(12) 前記接合部材は、前記レンズの支持部材である上記(1)ないし(11)のいずれかに記載のレンズ接合体の製造方法。
【0035】
(13) 上記(1)ないし(12)のいずれかに記載のレンズ接合体の製造方法によって製造されたことを特徴とするレンズ接合体。
【0036】
これにより、重量の増大を招くことなく、高い気密性を確保することができる。
【0037】
(14) 上記(13)に記載のレンズ接合体を備えることを特徴とする内視鏡。
これにより、気密性、耐久性および操作性に優れるものとすることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のレンズ接合体の製造方法、レンズ接合体および内視鏡を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0039】
図1は、本発明のレンズ接合体を備える電子内視鏡(電子スコープ)を示す全体図、図2は、図1に示す電子内視鏡の挿入部可撓管の先端部を示す縦断面図、図3および図4は、それぞれ、本発明のレンズ接合体の製造方法を説明するための図(縦断面図)である。なお、以下の説明では、図1中上側を「基端」、下側を「先端」と言い、図2中左側を「先端」、右側を「基端」と言う。
【0040】
図1に示す電子内視鏡10は、先端部に湾曲部5を備え、可撓性(柔軟性)を有する長尺の挿入部可撓管1と、挿入部可撓管1の基端部に設けられ、術者が把持して電子内視鏡10全体を操作する操作部6と、操作部6に接続された接続部可撓管7と、接続部可撓管7の先端部に設けられた光源差込部8とを有している。
【0041】
挿入部可撓管1は、生体の管腔内に挿入して使用される。この挿入部可撓管1は、図2に示すように、被写体の画像を撮影する撮像手段3と、被写体に照明光を照射する照明手段4とを有している。
【0042】
撮像手段3は、対物レンズ系32と、かかる対物レンズ系32の基端側に設置された撮像素子(CCDイメージセンサー)31とを備え、撮像素子31には、挿入部可撓管1(および接続部可撓管7)の長手方向に沿って配設された信号線311が接続されている。
【0043】
また、照明手段4は、挿入部可撓管1(および接続部可撓管7)の長手方向に沿って配設された一対の光ファイバー束(ライトガイド)41、41と、この光ファイバー束の先端部に配置された投射レンズ(投射レンズ系)42、42とを備えている。
【0044】
操作部6には、その側面に操作ノブ61、62が設置されている。この操作ノブ61、62を操作すると、挿入部可撓管1内に配設されたワイヤー(図示せず)が牽引されて、湾曲部5が4方向に湾曲し、その方向を変えることができる。
【0045】
また、この操作部6には、接続部可撓管7が接続されている。この接続部可撓管7内を通り、光ファイバー束41および信号線311は、光源差込部8に接続されている。
【0046】
光源差込部8は、その内部に、画像信号を処理する信号処理回路83を有している。また、光源差込部8は、その先端部に、光源用コネクタ81と、画像信号用コネクタ82とを有している。
【0047】
各光ファイバー束41は、それぞれ光源用コネクタ81に接続されている。また、信号線311は、信号処理回路83に接続され、信号処理回路83は、画像信号用コネクタ82に接続されている。
【0048】
これらの画像信号用コネクタ82および光源用コネクタ81は、それぞれ図示しない光源プロセッサ装置に接続される。この光源プロセッサ装置には、図示しないモニタ装置が接続されている。
【0049】
このような構成の電子内視鏡10は、光源プロセッサ装置に光源差込部8を接続し、光源プロセッサ装置を作動させると、光源プロセッサ装置から発せられた光(照明光)が、光源用コネクタ81を介して、光ファイバー束41内に入射する。この光は、光ファイバー束41内を通り、光ファイバー束41の先端から出射する。
【0050】
この出射光は、投射レンズ42を通って、観察部位(被写体)に照射される。このとき、出射光は、投射レンズ42を通ることにより、拡散、均一化される。その結果、電子内視鏡10は、観察部位を、広範囲にわたってムラなく照明することができる。
【0051】
照射された照明光は、観察部位で反射し、被写体像を形成する反射光となる。この反射光の一部は、対物レンズ系32に入射する。そして、この反射光は、撮像素子31の受光面上に結像するように導かれる。
【0052】
撮像素子31は、その受光面に導かれた反射光を、受光する。その結果、被写体像が撮像される。そして、撮像素子31からは、撮像された被写体像に対応した画像信号(CCD信号)が出力される。
【0053】
この画像信号は、信号線311を介して、光源差込部8に伝送され、信号処理回路83に入力される。そして、信号処理回路83により、画像信号に、所定の信号処理が施される。この処理が施された画像信号は、画像信号用コネクタ82を介して、光源プロセッサ装置に出力される。
【0054】
出力された画像信号は、光源プロセッサ装置により、所定のテレビジョン信号に変換される。したがって、モニタ装置を光源プロセッサ装置に接続すると、テレビジョン信号が、モニタ装置に入力される。その結果、モニタ装置では、撮像素子で撮像された被写体の画像(電子画像)、すなわち動画の内視鏡モニタ画像が、表示される。
【0055】
ここで、挿入部可撓管1(湾曲部5)の先端部の構成について、さらに詳述する。
【0056】
前述した対物レンズ系32は、最も先端側に設置された第1レンズ321と、この第1レンズ321から基端側(結像側)に向かって、互いの中心軸(光軸)がほぼ一致するように設置された第2レンズ322、第3レンズ323、第4レンズ324とで構成される対物レンズ320を有している。
【0057】
第1レンズ321は、照射手段4の2枚の投射レンズ42とともに、湾曲部5の先端部の外形を構成する支持部材(接合部材)51の先端に接合されている。また、支持部材51は、湾曲部5に収納される各部(各部材)を固定的に支持する。
【0058】
第2レンズ322、第3レンズ323および第4レンズ324は、それぞれ、円筒体325に固定され、この状態で、円筒体325は、円筒状の枠部材326を介して、支持部材51に固定されている。
【0059】
なお、第2レンズ322と第3レンズ323との間には、これらの間隔を規定する間隔リング327が設けられている。
【0060】
また、撮像素子31の先端面には、撮像素子31の受光面に導かれる反射光から高周波成分を除去する光学フィルター328が固着(固定)されている。
【0061】
このようなレンズ321〜324、42および光学フィルター328は、それぞれ、光透過性を有する材料で構成されている。この光透過性を有する材料としては、例えば、各種ガラス材料、各種樹脂材料等が挙げられる。
【0062】
また、支持部材51は、主として樹脂材料(特に、比較的硬質の樹脂材料)で構成されている。これにより、電子内視鏡10(湾曲部5)の先端部での重量の増大を防止して、電子内視鏡10の操作性が低下するのを防止することができる。
【0063】
この樹脂材料の具体例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリルサルフォン、ポリフェニレンサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば2層以上の積層体として)用いることができる。
【0064】
これらの中でも、支持部材51を構成する樹脂材料としては、特に、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリルサルフォン、ポリフェニレンサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン等が好ましい。これらのものは、特に、耐熱性や耐薬品性に優れる点で好ましい。
【0065】
また、樹脂材料中には、必要に応じて、例えば、可塑剤、無機フィラー、顔料、各種安定剤(酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、滑剤)、X線造影剤、乾燥剤等の各種添加物が配合(混合)されていてもよい。
【0066】
なお、円筒体325、枠部材326および間隔リング327も、それぞれ、支持部材51で挙げたのと同様の樹脂材料で構成することができる。
【0067】
以上説明したような部材のうち、本実施形態では、第1レンズ321および2枚の投射レンズ42と、支持部材51とで、本発明のレンズ接合体が構成されている。
【0068】
図2に示すように、第1レンズ321および各投射レンズ42は、それぞれ、その先端面が電子内視鏡10の外部に露出しており、例えば、電子内視鏡10に対してオートクレーブ滅菌を施す際には、直接、水蒸気に接触することから、特に、各レンズ321、42と支持部材51との間には、高い気密性、および、電子内視鏡10に対してオートクレーブ滅菌を繰り返し施した場合でも、この高い気密性が維持される耐久性が要求される。
【0069】
本発明のレンズ接合体の製造方法によれば、かかる要求を満足するレンズ接合体が得られる。
【0070】
以下、本発明のレンズ接合体の製造方法について説明する。
本実施形態のレンズ接合体の製造方法は、導電性層の形成工程と、多官能性トリアジンジチオール誘導体を含む被膜の形成工程と、支持部材の形成工程とを有している。以下、各工程について、順次説明する。
【0071】
[1] 導電性層の形成
まず、図3(A)に示すように、第1レンズ321および2枚の投射レンズ42を用意し、その外周部に導電性層91を形成する。
【0072】
導電性層91の構成材料(導電性材料)としては、特に限定されないが、例えば、鉄、銅、ニッケル、金、銀、プラチナ、パラジウム、コバルト、亜鉛、鉛、スズ、チタン、クロム、アルミニウム、マグネシウム、マンガンまたはこれらの合金のような金属材料が挙げられる。
【0073】
これらの中でも、導電性層91の構成材料としては、各種金属材料であるのが好ましい。すなわち、導電性層91としては、金属層が好適である。導電性層91を金属層とすることにより、後述する被膜(多官能性トリアジンジチオール誘導体を含む被膜)92をより密着性よく形成することができる。
【0074】
導電性層91の形成方法としては、例えば、電解メッキ、浸漬メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、熱CVD、プラズマCVD、レーザCVD等の化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、印刷法等が挙げられ、その他、予め導電性材料で製造されたリング状部材をレンズの外周部に固着する方法、予め導電性材料で構成されたシート状部材をレンズ外周部に接合する方法等を用いることもできる。
【0075】
このような導電性層91の厚さは、特に限定されないが、0.01〜10μm程度であるのが好ましく、0.05〜5μm程度であるのがより好ましい。
【0076】
[2] 多官能性トリアジンジチオール誘導体を含む被膜の形成
次に、図3(B)に示すように、導電性層91の外表面に、多官能性トリアジンジチオール誘導体を含む被膜92を形成する。
【0077】
ここで、多官能性トリアジンジチオール誘導体としては、各種のものを用いることができるが、下記式で表されるものが好適である。これらの多官能性トリアジンジチオール誘導体は、特に、導電性材料および樹脂材料の双方との反応性が高い。
【0078】
【化3】
[式中、Rは、−OR1、−OOR1、−SmR1、−NR1R2を示し、R1およびR2は、それぞれ、水素原子、または、ヒドロキシル基、カルボニル基、エーテル基、エステル基、アミド基、アミノ基、フェニル基、シクロアルキル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基のうちの少なくとも1つを含む置換基を示し、mは、1〜8の整数を示し、M1およびM2は、それぞれ、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子またはアンモニウムを示す。]
【0079】
前記R1およびR2の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、イソプロペンニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−シクロヘキセニル基、フェニル基、トシル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、ジフェニルメチル基(ベンズヒドリル基)、トリフェニルメチル基、スチリル基、シンナミル基、ビフェニリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ヒドロキシル基、ヒドロペルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチロキシ基、フェノキシ基、ベンジロキシ基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ホルミロキシ基、アセトキシ基、ベンゾイロキシ基、アセトニル基、フェナシル基、サリシル基、アニシル基、アニソイル基、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、トルイジノ基、キシリジノ基、フェニルイミノ基、ヒドロキシアミノ基、ヒドロキシイミノ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、サクシイミノ基、カルバモイル基、ピクリル基、ヒドラジノ基、フェニラゾ基、ナフチラゾ基、ウレイド基、アミジノ基、グアニジノ基等が挙げられる。
以下、多官能性トリアジンジチオール誘導体を、単に「誘導体」と言う。
【0080】
この被膜92は、各種の成膜法により形成することができるが、特に、前記誘導体を含有する処理液を用いて、導電性層91の外表面に電気化学的処理を施すことにより形成するのが好ましい。これにより、前記誘導体を、SM(M1、M2)基が導電性層91(導電性材料)と結合(共有結合)し、樹脂材料との結合(反応)に有利なR基を外側に向けて分子配向させることができる。その結果、第1レンズ321および各投射レンズ42と、支持部材51との接合性(密着性)をより向上させることができる。
【0081】
処理液における前記誘導体の濃度は、特に限定されないが、1×10−6〜10mol/L程度であるのが好ましく、1×10−5〜1mol/L程度であるのがより好ましい。前記誘導体の濃度が低すぎると、前記誘導体の種類等によっては、導電性層91の外表面に、十分な厚さ(膜厚)の被膜92を形成することができない場合があり、一方、前記誘導体の濃度を前記上限値を超えて多くしても、それ以上の効果の増大が見込めない。
【0082】
処理液に用いる溶媒としては、前記誘導体を溶解し得るものであればよく、特に限定されないが、例えば、硝酸、硫酸、アンモニア、過酸化水素、水、二硫化炭素、四塩化炭素、エチレンカーボネイト等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、グリセリン等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、ジエチレングリコールエチルエーテル(カルビトール)等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル系溶媒、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸系溶媒のような各種有機溶媒またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0083】
また、この処理液中には、各種電解質を添加するようにするのが好ましい。処理液中に電解質を添加することにより、被膜92における前記誘導体の分子配向性を向上させることができる。
【0084】
電解質としては、前記溶媒に溶解して通電性を示すものの中から選択され、特に限定されないが、例えば、NaOH、Na2CO3、Na2SO4、K2SO3、Na2SO4、K2CO3、NaNO2、KNO2、NaNO3、NaClO4、CH3COONa、Na2B2O7、NaBO3、NaH2PO2、(NaPO3)6、Na2MnO4、Na3SiO3等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの電解質は、いずれも化学的安定が高いという利点も有している。
【0085】
処理液に電解質を添加する場合、その濃度(添加量)は、特に限定されないが、0.001N以上(0.001N〜飽和濃度程度)であるのが好ましく、0.01〜0.1N程度であるのがより好ましい。これにより、被膜92における前記誘導体の分子配向性をより向上させることができる。
【0086】
このような処理液を処理槽に貯留(収納)し、この処理槽内に導電性層91が形成された第1レンズ321および各投射レンズ42と、例えば、白金、チタン、カーボン、アルミニウム、ステンレス鋼等で構成された電極板とを設置(浸漬)する。
【0087】
なお、導電性層91の外表面に、例えば有機物や酸化物等の異物が付着している場合には、導電性層91が形成された各第1レンズ321、42を処理槽へ設置(浸漬)するのに先立って、異物を除去しておくのが好ましい。これにより、より均質かつ均一な被膜92を形成することができる。
【0088】
次いで、導電性層91を陽極とし、前記電極板を陰極として、例えば、サイクリック法、定電位法、定電流法、パルス定電位法、パルス定電流法等による電気化学的処理を施す。これにより、被膜92が形成される。この被膜92中では、前述したように前記誘導体が分子配向する。
【0089】
サイクリック法を用いる場合、電位幅が小さ過ぎると前記誘導体を十分に配向させることができず、一方、電位幅が大き過ぎると溶剤等が分解するおそれがあることから、電位幅は、溶媒の種類等に応じて、適宜選択するのが好ましい。また、走査速度は、0.001〜100mV/sec程度であるのが好ましく、0.01〜50mV/sec程度であるのがより好ましい。
【0090】
定電位法およびパルス定電位法を用いる場合、電位差は、特に限定されないが、0.01〜100V程度であるのが好ましく、自然電位〜酸化電位程度であるのがより好ましい。
【0091】
定電流法およびパルス定電流法を用いる場合、電流密度は、5×10−5〜50mA/cm2程度であるのが好ましく、1×10−3〜10mA/cm2程度であるのがより好ましい。
【0092】
また、パルス法(パルス定電位法およびパルス定電流法)を用いる場合、時間幅(パルス幅)は、0.01〜10分間程度であるのが好ましく、0.1〜2分間程度であるのがより好ましい。
【0093】
このような被膜92の厚さは、特に限定されないが、0.001〜0.1μm程度であるのが好ましく、0.001〜0.01μm程度であるのがより好ましい。これにより、次工程[3]での第1レンズ321および各投射レンズ42と、支持部材51との接合強度をより大きくすることができる。
【0094】
[3] 支持部材の形成
次に、図4に示すように、被膜92が形成された第1レンズ321および各投射レンズ42を、それぞれ、支持部材51の形状の内腔部101を有する成形型100内に設置(固定)する。
【0095】
そして、成形型100の内腔部101内に、主として樹脂材料で構成される支持部材51の構成材料(以下、「支持部材材料」と言う。)を溶融または軟化状態で供給すると、溶融または軟化状態の支持部材材料が被膜92に接合するようにして、支持部材51が成形される。
【0096】
このとき、被膜92中の前記誘導体と樹脂材料とが反応する。その結果、図3(C)に示すように、導電性層91と支持部材51との間に、導電性材料および樹脂材料と、前記誘導体との反応物で構成される反応層(拡散層)93が形成される。これにより、各レンズ321、42と支持部材51とが、導電性層91および反応層(拡散層)93を介して接合される。
【0097】
なお、図3(C)では、導電性層91と反応層93との界面、反応層93と支持部材51との界面は、それぞれ、明確に示されているが、実際には、これらの界面は、不明確となる。
【0098】
このように、反応層93は、化学反応により形成される層であるため、各レンズ321、42と支持部材51との接合を、物理的なアンカー力を用いる接着剤を用いて行う場合に比べて、各レンズ321、42と支持部材51とは、極めて高い接合力により接合される。
【0099】
このため、例えば電子内視鏡10に対してオートクレーブ滅菌処理を施した際に、各レンズ321、42と支持部材51との熱膨張率の差によって応力が生じた場合でも、これらの接合部(反応層93)に隙間が生じるのが防止される。また、この高い接合力は、繰り返しオートクレーブ滅菌を行った場合でも、好適に維持され、高い気密性が確保される。
【0100】
支持部材51の成形時の温度(成形型100の温度)は、樹脂材料の種類や前記誘導体の種類等によっても若干異なり、特に限定されないが、0〜500℃程度であるのが好ましく、0〜400℃程度であるのがより好ましい。これにより、樹脂材料と前記誘導体との反応を効率よく進行させることができる。なお、成形型の温度が高過ぎると、第1レンズ321および各投射レンズ42の光学特性を損なうおそれがあり、好ましくない。
【0101】
また、溶融または軟化状態の支持部材材料は、成形型100の内腔部101内に加圧状態で供給されるのが好ましい。これにより、樹脂材料と前記誘導体との反応をより迅速に進行させることができるので、レンズ接合体の製造時間の短縮を図ることができる。
【0102】
この圧力(成形圧力)は、支持部材51の形状や成形型100の温度等によっても若干異なり、特に限定されないが、1〜500MPa程度であるのが好ましく、10〜300MPa程度であるのがより好ましい。これにより、前記効果をより向上させることができる。
【0103】
以上の工程を経て、第1レンズ321および各投射レンズ42と、支持部材51とが接合される。すなわち、本発明のレンズ接合体が得られる。
【0104】
以上、本発明のレンズ接合体の製造方法、レンズ接合体および内視鏡を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0105】
例えば、前記実施形態では、内視鏡の外部に露出する部分に設けられるレンズを接合部材に接合する場合を一例に説明したが、本発明は、その他の部分に設けられるレンズ(前述したようなレンズ322〜324)を接合部材(支持部材51)に接合する場合に適用してもよい。
【0106】
また、前記実施形態では、内視鏡の一例として電子内視鏡を代表に説明したが、本発明の内視鏡は、光学式内視鏡(ファイバースコープ)に適用することができることは言うまでもなく、さらに、医療用に限定されず、工業用(産業用)に用いられる内視鏡に適用することもできる。
【0107】
さらに、本発明は、内視鏡用レンズを接合部材に接合する場合への適用に限定されず、例えば、カメラレンズ、硬性鏡、カメラヘッド等の各種レンズを接合部材に接合する場合に適用するようにしてもよい。
【0108】
【実施例】
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
【0109】
(実施例1)
まず、いずれもサファイア製の第1レンズおよび各投射レンズを用意した。
【0110】
また、多官能性トリアジンジチオール誘導体(R:−OCH2CH3、M1:Na、M2:H)とNa2CO3(電解質)とを、それぞれ、濃度が5×10−3mol/Lおよび0.1Nとなるよう蒸留水に溶解して、電解液(処理液)を調製した。
【0111】
次に、各レンズの外周部に、銅を真空蒸着することにより、厚さ2μmの金属層(導電性層)を形成した。
【0112】
次に、電解槽(処理槽)内に貯留された電解液中へ、金属層を形成した各レンズと、白金板とを浸漬し、金属層を陽極として、白金板を陰極として通電(定電流法)を行った。なお、電解槽の温度は60℃、電流密度は0.1mA/cm2、通電時間は10分間とした。これにより、金属層の外表面に、厚さ0.1μmの被膜(前記多官能性トリアジンジチオール誘導体を含む被膜)を形成した。
【0113】
次に、被膜が形成された各レンズを、それぞれ、図4に示すような成形型内に設置し、この成形型を射出成形機のノズルに固定して、溶融状態のポリサルフォン(支持部材の構成材料)を射出して支持部材(接合部材)を形成した。なお、金型温度は130℃、射出圧力は180MPaとした。これにより、レンズ接合体を得た。
【0114】
次に、このレンズ接合体を用いて、図1に示すような電子内視鏡(上部消化管用内視鏡)を製造した。
【0115】
(実施例2〜10)
支持部材の構成材料を、表1に示すものに変更した以外は、前記実施例1と同様にしてレンズ接合体を製造し、このレンズ接合体を用いて電子内視鏡を製造した。
【0116】
(比較例)
まず、いずれもサファイア製の第1レンズおよび各投射レンズと、ポリサルフォン製の支持部材(接合部材)とを用意した。
【0117】
次に、これらをエポキシ系接着剤により接合した。これにより、レンズ接合体を得た。
【0118】
次に、このレンズ接合体を用いて、図1に示すような電子内視鏡(上部消化管用内視鏡)を製造した。
【0119】
[評価]
各実施例および比較例で製造した電子内視鏡に対して、それぞれ、オートクレーブ滅菌(気圧:約2気圧、温度132℃、滅菌時間:5分)を200回繰り返し行った。
【0120】
そして、各電子内視鏡について、それぞれ、各回の滅菌処理後、第1レンズおよび各投射レンズのレンズの曇りを目視により観察し、以下の4段階の基準に従って評価した。
◎:滅菌処理200回後においても、レンズの曇りが認められない。
○:滅菌処理200回後において、僅かにレンズの曇りが認められた。
△:滅菌処理150回程度から、レンズの曇りが認められた。
×:滅菌処理100回程度から、レンズの曇りが認められた。
その結果を表1に示す。
【0121】
【表1】
【0122】
表1に示すように、実施例1〜10の電子内視鏡(本発明の内視鏡)は、いずれも、滅菌処理200回後においても、レンズの曇りが認められなかった。これは、各レンズと支持部材との接合状態が良好に保たれ、電子内視鏡の内部への水蒸気の侵入がないことを示すものである。
【0123】
これに対して、比較例の電子内視鏡は、早い段階でレンズの曇りが認められ、滅菌処理200回後には、レンズが支持部材から脱落してしまった。
【0124】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、レンズと接合部材との高い気密性を確保することができる。また、接合部材が主として樹脂材料で構成されているので、重量の増大が防止される。
【0125】
したがって、本発明を内視鏡に適用した場合には、例えばオートクレーブ滅菌等に際して、内視鏡内部への水蒸気(水分)の侵入が好適に防止することができるとともに、重量増大に伴う操作性の低下を防止することができる。
【0126】
また、レンズと接合部材との接合強度が高いことから、オートクレーブ滅菌を繰り返しても、高い気密性が維持(持続)される。すなわち、内視鏡を耐久性に優れるものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレンズ接合体を備える電子内視鏡(電子スコープ)を示す全体図である。
【図2】図1に示す電子内視鏡の挿入部可撓管の先端部を示す縦断面図である。
【図3】本発明のレンズ接合体の製造方法を説明するための図(縦断面図)である。
【図4】本発明のレンズ接合体の製造方法を説明するための図(縦断面図)である。
【符号の説明】
10 電子内視鏡
1 挿入部可撓管
3 撮像手段
31 撮像素子
311 信号線
32 対物レンズ系
320 対物レンズ
321 第1レンズ
322 第2レンズ
323 第3レンズ
324 第4レンズ
325 円筒体
326 枠部材
327 間隔リング
328 光学フィルター
4 照明手段
41 光ファイバー束
42 投射レンズ
5 湾曲部
51 支持部材
6 操作部
61、62 操作ノブ
7 接続部可撓管
8 光源差込部
81 光源用コネクタ
82 画像信号用コネクタ
83 信号処理回路
91 導電性層
92 多官能性トリアジンジチオール誘導体を含む被膜
93 反応層
100 成形型
101 内腔部
Claims (14)
- レンズの外周部に形成された導電性層の外表面に、多官能性トリアジンジチオール誘導体を含む被膜を形成する工程と、
成形型内に、前記被膜が形成された前記レンズを設置し、主として樹脂材料で構成される材料を溶融または軟化状態で供給して、該材料が前記被膜に接合するよう接合部材を形成する工程とを有することを特徴とするレンズ接合体の製造方法。 - 溶融または軟化状態の前記材料は、前記成形型内に加圧状態で供給される請求項1に記載のレンズ接合体の製造方法。
- 前記導電性層は、金属層である請求項1または2に記載のレンズ接合体の製造方法。
- 前記被膜は、前記多官能性トリアジンジチオール誘導体を含む処理液を用いて、前記導電性層の外表面に電気化学的処理を施すことにより形成される請求項1ないし3のいずれかに記載のレンズ接合体の製造方法。
- 前記処理液における前記多官能性トリアジンジチオール誘導体の濃度は、1×10−6〜10mol/Lである請求項4に記載のレンズ接合体の製造方法。
- 前記処理液は、電解質を含む請求項4または5に記載のレンズ接合体の製造方法。
- 前記処理液における前記電解質の濃度は、0.001N以上である請求項6に記載のレンズ接合体の製造方法。
- 前記樹脂材料は、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリルサルフォン、ポリフェニレンサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンのうちの少なくとも1種である請求項1ないし8のいずれかに記載のレンズ接合体の製造方法。
- 前記レンズは、内視鏡用レンズである請求項1ないし9のいずれかに記載のレンズ接合体の製造方法。
- 前記レンズは、その一部が前記内視鏡の外部に露出するレンズである請求項1ないし10のいずれかに記載のレンズ接合体の製造方法。
- 前記接合部材は、前記レンズの支持部材である請求項1ないし11のいずれかに記載のレンズ接合体の製造方法。
- 請求項1ないし12のいずれかに記載のレンズ接合体の製造方法によって製造されたことを特徴とするレンズ接合体。
- 請求項13に記載のレンズ接合体を備えることを特徴とする内視鏡。
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-
2002
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