JP2005215213A - レンズ接合体の製造方法、レンズ接合体および内視鏡 - Google Patents

レンズ接合体の製造方法、レンズ接合体および内視鏡 Download PDF

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Abstract

【課題】 低コスト化を図りつつ、レンズと枠体との接合部の気密性および耐久性を優れたものとすることができるレンズ接合体の製造方法、レンズ接合体および内視鏡を提供すること。
【解決手段】 本発明のレンズ接合体の製造方法は、金属製の先端部材9にガラス製の平凹レンズ13を接合して、レンズ接合体を得る。本発明では、先端部材9における平凹レンズ13との接合部位92に酸化膜93を形成する第1の工程と、平凹レンズ13を酸化膜93に接触させた状態で、先端部材9および平凹レンズ13のうち少なくとも接合部位92を所定の加熱温度に加熱することにより先端部材9と平凹レンズ13とを融着させて、レンズ接合体を得る第2の工程とを有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、レンズ接合体の製造方法、レンズ接合体および内視鏡に関するものである。
医療の分野では、消化管等の検査、診断などに、内視鏡が使用されている。この内視鏡は、体腔内に挿入される挿入部(内視鏡用可撓管)と、この挿入部の基端側に設置され、挿入部の先端部を湾曲操作する操作部とを有している。
挿入部は、曲がった体腔内に挿入され、これに追従できるよう、可撓性を有する可撓管と、その先端側において湾曲操作される湾曲管とを有する。
内視鏡の端部には、対物レンズや接眼レンズ等が設けられており、これらは、一般に、内視鏡本体に対して接着剤により接着されている。
このような医療用の内視鏡は、体腔内に挿入して使用されることから、この挿入時に付着した生体組織、血液、病原菌等によって汚染される。このため、検査・処理終了後には、内視鏡には、洗浄、消毒、滅菌処理等が施される。
この内視鏡の滅菌処理には、例えば、薬液処理が広く用いられている。また、近年、感染症の発生をより確実に防止する目的で、過酸化水素プラズマ滅菌のように、滅菌処理を過酷な条件で行うことがある。
しかしながら、前述の接着剤による接着は、分子間力(ファン・デル・ワールス力)や水素結合のような物理的なアンカー力によるものであり、化学反応によって形成される共有結合に比べて強度が小さい。このため、滅菌を繰り返す間に、接着剤が劣化、剥離して、かかる接着剤の剥離部分から内視鏡内に薬液が侵入してしまうおそれがある。また、過酸化水素プラズマ滅菌等の過酷な条件で行われる滅菌処理に対して、従来の内視鏡は、十分な耐薬品性を発揮することができず、特に、接着により形成された接着部において、ダメージを受け易いという傾向があった。また、高温高圧蒸気滅菌の際には、接着剤が劣化、剥離して、内視鏡内部に水蒸気が侵入してしまうおそれがあった。
そこで、対物レンズの外周面をメタライズ処理するとともに、内視鏡先端部の部材を金属材料で構成し、この金属製の部材と対物レンズの外周部に形成されたメタライズ層(金属層)とを、ロウ接することにより接合部の耐性を向上させた内視鏡が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
ところが、特許文献1に記載されたような方法で対物レンズと金属材料とを接合すると、高いコストがかかるので、内視鏡も高コスト化するという問題があった。
特開2000−212075号公報(図4、図5)
本発明の目的は、低コスト化を図りつつ、レンズと枠体との接合部の気密性および耐久性を優れたものとすることができるレンズ接合体の製造方法、レンズ接合体および内視鏡を提供することにある。
前記目的は、以下(1)〜(15)の本発明により達成される。
(1) 金属製の枠体にガラス製のレンズを接合して、レンズ接合体を得るレンズ接合体の製造方法であって、
前記枠体における前記レンズとの接合部位に酸化膜を形成する第1の工程と、
前記レンズを前記酸化膜に接触させた状態で、前記枠体および前記レンズのうち少なくとも前記接合部位を所定の加熱温度に加熱することにより前記枠体と前記レンズとを融着させて、レンズ接合体を得る第2の工程とを有することを特徴とするレンズ接合体の製造方法。
これにより、低コスト化を図りつつ、レンズと枠体との接合部の気密性および耐久性を優れたものとすることができる。
(2) 前記第1の工程に先立って、前記枠体の前記接合部位に表面処理を行う前処理工程を有する上記(1)に記載のレンズ接合体の製造方法。
これにより、酸化膜形成時には、酸化膜の均一化が図られ、前記枠体に対する前記レンズの融着時には、前記枠体に対する前記レンズの融着がより均一で強固なものとなる。その結果、レンズと枠体との接合部の気密性および耐久性をより優れたものとすることができる。
(3) 前記前処理工程は、前記枠体の前記接合部位を脱脂し、次いで水素処理する上記(2)に記載のレンズ接合体の製造方法。
これにより、枠体に形成された不均一な酸化膜が一旦除去されるので、その後の酸化膜形成時に、前記枠体に形成される酸化膜がより均一なものとなる。
(4) 前記レンズの熱膨張係数と前記枠体の熱膨張係数との差は、80×10−7−1以下である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のレンズ接合体の製造方法。
これにより、枠体とレンズとの間に生じる応力が低減される。その結果、レンズと枠体との接合部の気密性および耐久性をより確実に優れたものとすることができる。
(5) 前記第1の工程にて、前記酸化膜は、前記枠体の前記接合部位を酸化することにより形成する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のレンズ接合体の製造方法。
これにより、枠体におけるレンズとの接合部位に酸化膜を比較的簡単に形成できる。
(6) 前記第1の工程にて、前記酸化膜は、前記枠体の前記接合部位に別途形成する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のレンズ接合体の製造方法。
これにより、枠体におけるレンズとの接合部位に酸化膜を比較的簡単に形成できる。
(7) 前記酸化膜の平均厚さは、0.01〜2μmである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のレンズ接合体の製造方法。
これにより、枠体とレンズとの間に生じる応力の低減がより確実になされる。その結果、レンズと枠体との接合部の気密性および耐久性をより確実に優れたものとすることができる。
(8) 前記レンズを構成するガラスの転移点は、350〜750℃である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のレンズ接合体の製造方法。
これにより、レンズがレンズとしての優れた特性を有しつつ、第2の工程で、加熱温度を比較的低く抑えることができるので、枠体を変質等させることなく、枠体とレンズを融着させることができる。
(9) 前記枠体は、Feを含み、かつ、Ni、Coのうち少なくとも1種を成分として含んでいるものである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のレンズ接合体の製造方法。
これにより、ガラスと熱膨張特性の近い枠体を構成することができ、枠体とレンズとの間に生じる応力がより確実に低減される。その結果、レンズと枠体との接合部の気密性および耐久性をより確実に優れたものとすることができる。
(10) 前記第2の工程において、前記レンズおよび前記枠体を加熱した後に徐冷する上記(1)ないし(9)のいずれかに記載のレンズ接合体の製造方法。
これにより、枠体とレンズとの間に生じる応力がより確実に低減される。その結果、レンズと枠体との接合部の気密性および耐久性をより確実に優れたものとすることができる。
(11) 前記徐冷は、前記加熱後の前記レンズおよび前記枠体を冷却速度0.1〜15℃/分で冷却することにより行う上記(10)に記載の接合体の製造方法。
これにより、枠体とレンズとの間に生じる応力をさらに確実に低減される。その結果、レンズと枠体との接合部の気密性および耐久性をさらに確実に優れたものとすることができる。
(12) 上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の製造方法によって得られたことを特徴とするレンズ接合体。
これにより、得られたレンズ接合体は、低コスト化を図りつつ、レンズと枠体との接合部の気密性および耐久性が優れたものとなる。
(13) 金属製の枠体にガラス製のレンズが接合されたレンズ接合体であって、
前記枠体は、前記枠体における前記レンズとの接合部位に酸化膜が形成され、
前記レンズは、融着により前記酸化膜と不明確な境界面をもって接合していることを特徴とするレンズ接合体。
これにより、得られたレンズ接合体は、低コスト化を図りつつ、レンズと枠体との接合部の気密性および耐久性が優れたものとなる。
(14) 上記(12)または(13)に記載のレンズ接合体を備えることを特徴とする内視鏡。
これにより、得られた内視鏡は、低コスト化を図りつつ、レンズと枠体との接合部の気密性および耐久性が優れたものとなる。
(15) 上記(14)のレンズ接合体のレンズが、平行平面板であることを特徴とする内視鏡。
これにより、得られた内視鏡は、低コスト化を図りつつ、レンズと枠体との接合部の気密性および耐久性が優れたものとなる。
前述の本発明によれば、低コスト化を図りつつ、レンズと枠体との接合部の気密性および耐久性を優れたものとすることができるレンズ接合体の製造方法、レンズ接合体および内視鏡を提供する。
以下、本発明の内視鏡の製造方法および内視鏡を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の内視鏡の実施形態を示す全体図、図2は、図1に示す内視鏡の先端部材と湾曲部との連結部付近を示す縦断面図、図3は、本発明のレンズ接合体の製造方法を説明するための図(縦断面図)である。なお、以下の説明では、図1中の右側を「一端」、左側を「他端」、下側(図2〜図3中の左側)を「先端」、上側(図2〜図3中の右側)を「基端」と言う。また、図中の一部においては、内視鏡の内蔵物を省略して示す。
まず、本発明の内視鏡の全体構成について説明する。
図1に示す内視鏡(電子スコープ)1は、挿入部可撓管(内視鏡用可撓管)2と、該挿入部可撓管2の基端側に接続された操作部3と、挿入部可撓管2の先端側に接続された湾曲部4と、湾曲部4の先端側に接続された先端部材(枠体)9と、光源プロセッサ装置に差し込む光源差込部5と、操作部3と光源差込部5とを接続する接続部可撓管(内視鏡用可撓管)6とを備えている。以下、各部の構成について説明する。
挿入部可撓管2と湾曲部4と先端部材9とは、生体の管腔(管状器官)の内部に挿入する挿入部を構成するものである。
挿入部可撓管2、湾曲部4および先端部材9で構成される挿入部の内部(中空部内)には、撮像手段11、光ファイバー束によるライトガイド12、湾曲操作ワイヤー(図示せず)、処置具挿通チャンネル管(図示せず)、送気・送液用チューブ(図示せず)等が設けられている。
図2に示すように、撮像手段11は、対物レンズ系(光学系)112と、かかる対物レンズ系112の基端側に設置された撮像素子(CCD)111とを有し、これらは、湾曲部4の先端部材9に形成された孔部113内に設置されている。また、撮像素子111には、挿入部可撓管2(および接続部可撓管6)の長手方向に沿って配設された画像信号ケーブル1111が接続されている。
本実施形態においては、対物レンズ系112は、4枚のレンズ1121〜1124で構成される対物レンズ(内視鏡用レンズ)1120を有している。具体的には、対物レンズ系112は、先端部材9の先端に設置された第1レンズ1121と、この第1レンズ1121から基端側(結像側)に向かって、互いの中心軸(光軸)がほぼ一致するように設置された第2レンズ1122、第3レンズ1123、第4レンズ1124とで構成される対物レンズ1120を有している。
第1レンズ1121は、その先端面が平坦面であり、またその基端面(結像側の面)が凹面である平凹レンズで構成されている。この第1レンズ1121は、孔部113が先端部材9の先端で開放する先端開口1131の縁部に融着により接合している。
第2レンズ1122は、その先端面が平坦面であり、またその基端面が凸面である平凸レンズで構成されている。
また、第3レンズ1123と第4レンズ1124とは、接合レンズで構成されている。
第2レンズ1122、第3レンズ1123および第4レンズ1124は、それぞれ、円筒状の枠体1125に融着により接合している。また、この状態で、枠体1125は、孔部113内に挿入され、円筒状のスペーサ1126を介して先端部材9の内部(孔部113)に支持・固定(接合)されている。
なお、第2レンズ1122と第3レンズ1123との間には、これらの間隔を規定する間隔リング1127が介在している。
また、撮像素子111の先端面には、撮像素子111の受光面に導かれる前記反射光から高周波成分を除去する光学フィルター1128が固着(固定)されている。
このように、本実施形態では、対物レンズ(内視鏡用レンズ)1120、これをそれぞれ支持する部材(これにそれぞれ接合される部材)である枠体1125、スペーサ1126および間隔リング1127、さらに、光学フィルター1128のような複数の光学部品により、対物レンズ系(光学系)112が構成されている。
各レンズ1121〜1124(対物レンズ1120)を構成する材料としては、レンズとして適した特性を有していれば特に限定されず、各種ガラス材料を用いることができる。
例えば、硼珪酸ガラス等は、一般に、主としてFe、Ni、Coを含む金属材料(例えば、コバール)等と広い温度範囲で熱膨張特性が似ている。したがって、レンズを硼珪酸ガラス等で構成するとともに枠体を前記合金等で構成すると、後述のレンズ接合体の製造の際に、前記レンズと前記枠体との間に生じる応力をより確実に低減できる。その結果、各レンズ1121〜1124(対物レンズ1120)と、枠体1125もしくは先端部材9との接合部の気密性および耐久性をより確実に優れたものとすることができる。
また、各レンズ1121〜1124を構成するガラスの転移点は、350〜750℃であるのが好ましく、500〜750℃であるのがより好ましい。これにより、各レンズ1121〜1124がレンズとしての優れた特性(例えば、高屈折率、高光透過性など)を有しつつ、後述するように各レンズ1121〜1124と先端部材9や枠体1125とを融着により接合する際(融着工程の際)に、加熱時間を短くすることができるので、先端部材9や枠体1125を変質等させることなく、各レンズ1121〜1124と先端部材9や枠体1125とを融着させることができる。
各レンズ1121〜1124を構成するガラスの転移点が前記下限値未満であると、各レンズ1121〜1124がレンズとして優れた特性を得ることが難しくなる。一方、各レンズ1121〜1124を構成するガラスの転移点が前記上限値を超えると、後述の融着工程での加熱時間が長くなりすぎて、先端部材9や枠体1125の材料などによっては、先端部材9や枠体1125が変質等するおそれがある。
枠体1125は、各レンズ1122〜1124との接合部位に酸化膜(図示せず)が形成され、この酸化膜が不明確な境界面をもって各レンズ1122〜1124に融着により接合されている。
枠体1125を構成する材料としては、特に限定されず、各種金属を用いることができるが、この中でも特に、Feを含み、Ni、Coのうち少なくとも1種を成分として含んでいる金属材料を用いるのが好ましい。これにより、前述したように、このような金属材料は硼珪酸ガラス等と広い温度範囲で熱膨張特性が似ているので、レンズを硼珪酸ガラス等で構成するとともに枠体を前述の金属材料で構成すると、後述のレンズ接合体の製造の際に、前記レンズと前記枠体との間に生じる応力をより確実に低減できる。その結果、各レンズ1122〜1124と枠体1125との接合部の気密性および耐久性をより確実に優れたものとすることができる。
前述の各レンズ1121〜1124の熱膨張係数と、枠体1125もしくは先端部材9の熱膨張係数との差は、80×10−7−1以下であるのが好ましく、50×10−7−1以下であるのがより好ましい。これにより、枠体1125もしくは先端部材9と各レンズ1121〜1124との間に生じる応力がより確実に低減される。その結果、各レンズ1121〜1124と枠体1125もしくは先端部材9との接合部の気密性および耐久性をより確実に優れたものとすることができる。
これらの熱膨張係数の差が前記上限値を超えると、各レンズ1121〜1124と、枠体1125もしくは先端部材9との接合部におけるこれらの寸法差などによっては、後述の融着工程時などに前記接合部に比較的大きな応力が生じてしまうおそれがある。
挿入部可撓管2は、図示しない、螺旋管と、該螺旋管の外周を被覆する網状管(編組体)と、該網状管の外周を被覆する外皮とを有して構成され、内蔵物を収納する中空部(内腔)が形成されている。前記外皮の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、可撓性を有する各種樹脂や、各種エラストマーのうち少なくとも1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
挿入部可撓管2の先端に接続された湾曲部4は、図2に示すように、互いに回動自在に連結された複数の節輪41と、節輪41の外周に被覆された網状管42と、該網状管の外周に被覆された外皮43とで構成されている。このような湾曲部4は、後述するように、その湾曲の方向・度合いを操作部3から遠隔操作することができるようになっている。外皮43の構成材料は、特に限定されないが、例えば、挿入部可撓管2の外皮の構成材料として例示したもの等を用いることができる。
さらに、湾曲部4の先端には、先端部材9が設けられている(図2参照)。
前述したように、挿入部可撓管2、湾曲部4および先端部材9で構成される挿入部の内部(中空部内)には、撮像手段11、光ファイバー束によるライトガイド12、湾曲操作ワイヤー(図示せず)、処置具挿通チャンネル管(図示せず)、送気・送液用チューブ(図示せず)等が配されている。
また、先端部材9の先端部付近には、ガラス製の平凹レンズ13や、対物レンズ1120、鉗子(処置具)チャンネル(図示せず)、送気・送液口(図示せず)等が設けられている。
平凹レンズ13は、先端部材9に融着により接合しており、ライトガイド12を構成する光ファイバーの先端から出射された光を、観察部位(被写体)に向けて、拡散、均一化して照射する機能を有するものである。
平凹レンズ13を構成する材料としては、レンズとして適した特性を有していれば特に限定されず、各種ガラス材料を用いることができる。
例えば、平凹レンズ13を構成する材料として硼珪酸ガラス等を用いると、前述の各レンズ1121〜1124と、枠体1125もしくは先端部材9との接合部と同様に、平凹レンズ13と先端部材9との接合部の気密性および耐久性をより確実に優れたものとすることができる。
また、平凹レンズ13を構成するガラスの転移点は、350〜750℃であるのが好ましく、500〜750℃であるのがより好ましい。これにより、平凹レンズ13がレンズとしての優れた特性(例えば、高屈折率、高光透過性など)を有しつつ、後述するように平凹レンズ13と先端部材9とを融着により接合する際(融着工程の際)に、加熱温度を比較的低く抑えることができるので、先端部材9を変質等させることなく、先端部材9と平凹レンズ13を融着させることができる。
平凹レンズ13を構成するガラスの転移点が前記下限値未満であると、平凹レンズ13がレンズとして優れた特性を得ることが難しくなる。一方、平凹レンズ13を構成するガラスの転移点が前記上限値を超えると、後述の融着工程での加熱温度が高くなりすぎて、先端部材9の材料などによっては、先端部材9が変質するおそれがある。
また、対物レンズ1120は、観察部位で反射された光(被写体像を形成する反射光)を、撮像素子111の受光面に結像するように導く機能を有するものである。
先端部材9は、レンズ1121や平凹レンズ13との接合部位に酸化膜(図示せず)が形成され、この酸化膜が不明確な境界面をもってレンズ1121や平凹レンズ13に融着により接合されている。
先端部材9を構成する材料としては、特に限定されず、各種金属材料を用いることができるが、前述の枠体1125と同様に、この中でも特に、Feを含み、Ni、Coのうち少なくとも1種を成分として含んでいるものが好ましい。これにより、平凹レンズ13やレンズ1121と先端部材9との接合部の気密性および耐久性が優れたレンズ接合体をより確実に得ることができる。
前述の平凹レンズ13やレンズ1121の熱膨張係数と、先端部材9の熱膨張係数との差は、前述の枠体1125の熱膨張係数とレンズ1122〜1124の熱膨張係数との差と同様に、80×10−7−1以下であるのが好ましく、50×10−7−1以下であるのがより好ましい。これにより、先端部材9と平凹レンズ13やレンズ1121との間に生じる応力がより確実に低減される。その結果、平凹レンズ13やレンズ1121と先端部材9との接合部の気密性および耐久性をより優れたものとすることができる。
これらの熱膨張係数の差が前記上限値を超えると、平凹レンズ13やレンズ1121と、先端部材9との接合部におけるこれらの寸法差などによっては、後述の融着工程時などに前記接合部に比較的大きな応力が生じてしまうおそれがある。
また、本実施形態の内視鏡1では、先端部材9(小径部91)と外皮43とが接着により固定されている。
先端部材9(小径部91)と外皮43とは、液密に固定されているのが好ましい。また、先端部材9(小径部91)と外皮43とは、全周にわたって接着部10により固定されているのが好ましい。
挿入部可撓管2の基端部は、操作部3に連結(接続)されている。操作部3は、術者が把持して、内視鏡1全体を操作する部分であり、ハウジング(筐体)31と、操作ノブ32、33とを有している。操作ノブ32、33を操作すると、挿入部可撓管2および湾曲部4内に配設された湾曲操作ワイヤー(図示せず)が牽引され、湾曲部4の湾曲方向および湾曲の度合いを自由に操作することができる。
光源差込部5と、接続部可撓管6とは、光源プロセッサ装置(図示せず)に対する接続部を構成するものである。
光源差込部5は、ケーシング53と、画像信号用コネクタ51と、光源用コネクタ52とを有している。この画像信号用コネクタ51と光源用コネクタ52とを光源プロセッサ装置に差し込むことにより、内視鏡1は、光源プロセッサ装置と電気的および光学的に接続される。なお、光源プロセッサ装置は、ケーブルを介してモニタ装置(図示せず)に接続される。
接続部可撓管6は、可撓性を有する長尺物であり、操作部3と光源差込部5とを接続するように設けられている。
接続部可撓管6は、可撓性(弾力性)を有する長尺物であり、前述した挿入部可撓管2とほぼ同様の構成になっている。
光源プロセッサ装置内の光源から発せられた光は、光源差込部5内、接続部可撓管6内、操作部3内、挿入部可撓管2内および湾曲部4内に連続して配設されたライトガイド12を通り、平凹レンズ13を介して、先端部材9の先端部より観察部位に照射され、照明する。
前記照明光により照明された観察部位からの反射光(被写体像)は、撮像素子(CCD)111で撮像される。撮像素子111で撮像された被写体像に応じた画像信号は、バッファ(図示せず)を介して出力される。
この画像信号は、挿入部可撓管2内、操作部3内および接続部可撓管6内に連続して配設され、撮像素子111と画像信号用コネクタ51とを接続する画像信号ケーブル1111を介して、光源差込部5に伝達される。
そして、光源差込部5内および光源プロセッサ装置内で所定の処理(例えば、信号処理、画像処理等)がなされ、その後、モニタ装置に入力される。モニタ装置では、撮像素子111で撮像された画像(電子画像)、すなわち動画の内視鏡モニタ画像が表示される。
以上説明したように、本実施形態の内視鏡1では、平凹レンズ13、レンズ1121と先端部材9との接合が融着によりなされ、これと同様に、レンズ1122〜1124と枠体1125との接合も融着によりなされている。本発明では、このような接合部および接合部の形成方法に特徴を有する。以下、接合部の形成方法を図3に基づいて詳細に説明する。以下の説明では、接合部として、先端部材(枠体)9と平凹レンズ13との接合部について説明するが、先端部材9とレンズ1121との接合部、レンズ1122〜1124と枠体1125との接合部等についても同様である。
本実施形態では、先端部材9の前処理工程、先端部材9に酸化膜を形成する酸化膜形成工程、先端部材9に平凹レンズ13を溶着させる溶着工程を順次行って、先端部材9と平凹レンズ13とを接合する。以下、各工程の詳細を順に説明する。
<前処理工程>
まず、図3(A)に示すような、平凹レンズ13を接合するべき先端部材9を用意する。このような先端部材9は、プレス、切削など公知の加工方法により形成することができる。また、必要に応じて、例えば、平凹レンズ13との接合前に先端部材9をアニールして、前記加工時などにより先端部材9に生じた残留応力を除去することが好ましい。これにより、後述の溶着工程の後に、先端部材9と平凹レンズ13との間に生じる応力を低減でき、当該応力によって先端部材9と平凹レンズ13との接合部が割れることを確実に防止できる。加工方法や先端部材9の形状によって先端部材9の接合部位92に生じる汚染や変質が異なるので、このアニールは、加工方法や先端部材9の形状に応じて、先端部材9の接合部位92の汚染や変質を除去することが好ましい。
そして、後述の酸化膜形成に先立って、先端部材9の接合部位の表面処理を行う。これにより、後述の酸化膜形成工程時には、酸化膜93の均一化が図られ、後述の融着工程時には、先端部材9に対する平凹レンズ13の融着がより均一で強固なものとなる。その結果、低コスト化を図りつつ、平凹レンズ13と先端部材9との接合部の気密性および耐久性をより確実に優れたものとすることができる。
本工程(前処理工程)における表面処理としては、例えば、先端部材9の酸化膜93の形成されるべき部位92を脱脂し、次いで水素処理(ウエット水素処理)する。これにより、先端部材9に形成された不均一な酸化膜が一旦除去されるので、後述の酸化膜形成工程時に、先端部材9に形成される酸化膜93がより均一なものとなる。
なお、本工程は、先端部材9、そして先端部材9の酸化膜93の形成されるべき部位92がすでに後述の酸化膜形成工程に適した状態となっている場合などには、必ずしも行わなくてもよい。
<酸化膜形成工程(第1の工程)>
次に、先端部材9の酸化膜93の形成されるべき部位(接合部位)92に酸化膜93を形成する。これにより、後述の融着工程で平凹レンズ13が先端部材9に好適に融着できるようになる。
酸化膜93を形成する方法としては、特に限定されないが、例えば、先端部材9を酸化雰囲気下で電気炉、バーナ、レーザ、高周波(電磁誘導)等で加熱することなどが挙げられる。これにより、比較的簡単な方法で酸化膜93を形成できる。
酸化膜93の平均厚さは、0.01〜2μmであるのが好ましく、0.05〜1μmであるのがより好ましい。これにより、酸化膜93が先端部材9の熱膨張にほとんど影響を与えることがないので、先端部材9と平凹レンズ13との間に生じる応力の低減がより確実になされる。その結果、先端部材9と平凹レンズ13との接合部の気密性および耐久性をより確実に優れたものとすることができる。
酸化膜93の平均厚さが前記下限値未満であると、先端部材9や平凹レンズ13を構成する材料などによっては、先端部材9と平凹レンズ13との溶着による接合強度が十分に得られないおそれがある。一方、酸化膜93の平均厚さが前記上限値を超えると、酸化膜93を構成する材料などによっては、先端部材9の熱膨張に影響を与えて、先端部材9と平凹レンズ13との間に生じる応力が大きくなってしまうおそれがある。
<融着工程(第2の工程)>
しかる後に、図3(C)に示すように、先端部材9の酸化膜93に平凹レンズ13を接触させ、この状態で、先端部材9と平凹レンズ13とを加熱して、平凹レンズ13を先端部材9との接触部位にて、これらを融着(封着)させる。その際、前述の酸化膜が、平凹レンズ13における先端部材9との接触部位に拡散されて、平凹レンズ13と先端部材9との接合がなされる。
本工程における前記加熱の方法としては、特に限定されないが、例えば、電気炉、バーナ、レーザ、高周波(電磁誘導)等による加熱が挙げられる。このような加熱は、非酸化性雰囲気下で行われるのが好ましい。
なお、本工程における前記加熱は、先端部材9と平凹レンズ13とを融着できれば、先端部材9および平凹レンズ13のうち少なくとも接合部位92が加熱されていればよい。先端部材9および平凹レンズ13を部分的に加熱した場合には、先端部材9および平凹レンズ13の全体をアニールして残留応力を除去するのが好ましい。
かくして、先端部材9は、酸化膜93が不明確な境界面をもって平凹レンズ13に融着により接合されている。
平凹レンズ13を構成するガラスの転移点は、350〜750℃であるのが好ましく、500〜750℃であるのがより好ましい。これにより、平凹レンズ13がレンズとしての優れた特性(例えば、高屈折率、高光透過性など)を有しつつ、後述するように平凹レンズ13と先端部材9とを融着により接合する際(融着工程の際)に、加熱温度を比較的低く抑えることができるので、先端部材9を変質等させることなく、先端部材9と平凹レンズ13を融着させることができる。
平凹レンズ13を構成するガラスの融点が前記下限値未満であると、平凹レンズ13がレンズとして優れた特性を得ることが難しくなる。一方、平凹レンズ13を構成するガラスの融点が前記上限値を超えると、後述の融着工程での加熱温度が高くなりすぎて、先端部材9の材料などによっては、先端部材9が変質するおそれがある。
融着時における加熱温度は、ガラス転移点以上〜1600℃程度であることが望ましい。
また、平凹レンズ13および先端部材9を加熱した後に徐冷して、平凹レンズ13を先端部材9に融着させることが好ましい。これにより、得られたレンズ接合体における、先端部材9と平凹レンズ13との間に生じる応力が低減される。その結果、平凹レンズ13と先端部材9との接合部の気密性および耐久性をより優れたものとすることができる。
前記徐冷は、前記加熱後の前記レンズおよび前記枠体を、冷却速度0.1〜15℃/分で冷却するのが好ましく、1〜10℃/分で冷却するのがより好ましい。これにより、先端部材9と平凹レンズ13との間に生じる応力の低減がより確実になされる。その結果、先端部材9と平凹レンズ13との接合部の気密性および耐久性をさらに確実に優れたものとすることができる。
前記冷却速度が前記下限値未満であると、レンズ接合体の製造に長時間を要するだけでなく、平凹レンズ13や先端部材9の材料などによっては、平凹レンズ13や先端部材9の変質などをもたらすおそれがある。一方、前記冷却速度が前記上限値を超えると、平凹レンズ13や先端部材9の材料や形状などによっては、平凹レンズ13や先端部材9の内部応力や残留ひずみなどを十分に除去できないことがある。
かくして、接着剤を使うことなく、安価に、先端部材9と平凹レンズ13とが気密そして強固に接合される。
以上、本発明のレンズ接合体の製造方法、レンズ接合体および内視鏡について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、本発明の内視鏡は、前述した実施形態のものに限定されず、内視鏡を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
また、前述した実施形態では、電子内視鏡について説明したが、本発明は、ファイバー内視鏡を含め各種の内視鏡に適用することができる。
また、前述したようなレンズと枠体との融着による接合は、前述したような部位に限定されず、いかなる部位であってもよい。例えば、接眼レンズとその枠体とを前述と同様に融着して接合してもよい。
また、前述した実施形態は、医療用に用いられる内視鏡であるが、本発明は、これに限られず、工業用等に用いられる内視鏡であってもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.内視鏡の作製
(実施例1)
まず、54wt%Fe−29wt%Ni−17wt%Coの合金材料を切削して、図2に示す先端部材9および枠体1125のような形状の枠体をそれぞれ得た。
その後、各枠体を不活性ガス雰囲気のもと900℃に1時間保持した。しかる後に、前記枠体を脱脂し、次いでウエット水素処理により表面処理(前処理)を行った。
次に、前記枠体におけるレンズの接合されるべき部位を酸化性雰囲気下のもと500℃で30分間加熱して、前記枠体の表面に酸化膜を形成した。この酸化膜の平均厚さは、0.9μmであった。
しかる後に、図2に示す平凹レンズ13やレンズ1121〜1124のような形状をもつ硼珪酸ガラス製(転移点560℃)のレンズを各枠体のそれぞれの対応部位に組み込み接触させた。このようにレンズの組み込まれた各枠体を、不活性ガス雰囲気のもと、高周波加熱により、1秒間加熱(約1300℃)し、その後当該各枠体を冷却速度15℃/分で冷却(徐冷)して、レンズが接合された各枠体、すなわちレンズ接合体を得た。
前述のレンズ接合体において、各レンズの熱膨張係数Aは、46.0×10−7−1であり、各枠体の熱膨張係数Bは、54.0×10−7−1であり、これらの熱膨張係数の差は、8.0×10−7−1であった。
次に、このようなレンズ接合体を用いて、図1に示すような電子内視鏡(上部消化管用内視鏡)を製造した。
(実施例2〜3)
枠体の構成材料を、表1に示すものに変更した以外は、前記実施例1と同様にしてレンズ接合体を製造し、このレンズ接合体を用いて電子内視鏡を製造した。
(実施例4)
アニール処理を省略した以外は、前記実施例1と同様にしてレンズ接合体を製造し、このレンズ接合体を用いて電子内視鏡を製造した。
(実施例5)
前処理を省略した以外は、前記実施例1と同様にしてレンズ接合体を製造し、このレンズ接合体を用いて電子内視鏡を製造した。
(実施例6)
各レンズをランタン系ガラスレンズ(融点730℃)で構成し、各枠体を54wt%Fe−29wt%Ni−17wt%Coで構成した以外は、前記実施例1と同様にしてレンズ接合体を製造し、このレンズ接合体を用いて電子内視鏡を製造した。
前述のレンズ接合体において、各レンズの熱膨張係数は、79.0×10−7−1であり、各枠体の熱膨張係数は、54.0×10−7−1であり、これらの熱膨張係数の差は、25.0×10−7−1であった。
(比較例)
まず、図2に示すようなレンズと枠体とを用意し、これらをエポキシ系接着剤により接合した。これにより、レンズ接合体を得た。
次に、このレンズ接合体を用いて、図1に示すような電子内視鏡(上部消化管用内視鏡)を製造した。
Figure 2005215213
[評価]
2−1 高温高圧水蒸気耐性評価
各実施例および比較例で製造した電子内視鏡に対して、それぞれ、オートクレーブ滅菌(気圧:約2気圧、温度132℃、滅菌時間:5分)を200回繰り返し行った。
そして、各電子内視鏡について、それぞれ、各回の滅菌処理後、第1レンズおよび各投射レンズのレンズの曇りを目視により観察し、以下の4段階の基準に従って評価した。
◎:滅菌処理200回後においても、レンズの曇りが認められない。
○:滅菌処理200回後において、僅かにレンズの曇りが認められた。
△:滅菌処理150回程度から、レンズの曇りが認められた。
×:滅菌処理100回程度から、レンズの曇りが認められた。
2−2 過酸化水素耐性評価
容器内に入れられた30wt%の過酸化水素水溶液(液温:25℃)中に、各実施例および比較例で得られた各内視鏡を60分間浸漬し、その後、各内視鏡を容器内から取り出し、温度:25℃、湿度:60%RHの雰囲気下に、30分間放置した。
上記のような操作(溶液の浸漬、溶液外での放置)を5000回繰り返し行った。
その後、各内視鏡について、接着部における外観を以下の4段階の基準に従って評価した。
◎:外観変化が認められない。
○:変色または着色がわずかに認められる。
△:変色または着色がはっきりと認められる。
×:接着部の劣化が著しく、接着による固定が不可能。または、外皮等の変形
、劣化が著しく内視鏡としての使用に適さない。
これらの結果を表2に示す。
Figure 2005215213
高温高圧水蒸気耐性評価に関し、表2に示すように、実施例1〜7の電子内視鏡(本発明の内視鏡)は、いずれも、滅菌処理200回後においても、レンズの曇りが認められなかった。これは、各レンズと支持部材との接合状態が良好に保たれ、電子内視鏡の内部への水蒸気の侵入がないことを示すものである。
これに対して、比較例の電子内視鏡は、早い段階でレンズの曇りが認められ、滅菌処理200回後には、レンズが支持部材から脱落してしまった。
また、過酸化水素耐性評価に関し、表2から明らかなように、実施例1〜7の内視鏡は、いずれも過酸化水素に対する優れた耐性を有していた。
これに対し、比較例の内視鏡は、本発明の内視鏡に比べて過酸化水素に対する耐性に劣っていた。
本発明のレンズ接合体を備える電子内視鏡(電子スコープ)を示す全体図である。 図1に示す電子内視鏡の挿入部可撓管の先端部を示す縦断面図である。 本発明のレンズ接合体の製造方法を説明するための図(縦断面図)である。
符号の説明
1 内視鏡
2 挿入部可撓管
3 操作部
31 ハウジング
32、33 操作ノブ
4 湾曲部
41 節輪
42 網状管
43 外皮
5 光源差込部
51 画像信号用コネクタ
52 光源用コネクタ
53 ケーシング
6 接続部可撓管
9 先端部材
91 小径部
92 接合部位
93 酸化膜
10 接着部
11 撮像手段
12 ライトガイド
13 平凹レンズ
111 撮像素子(CCD)
1111 画像信号ケーブル
112 対物レンズ系
1120 対物レンズ
1121 第1レンズ
1122 第2レンズ
1123 第3レンズ
1124 第4レンズ
1125 枠体
1126 スペーサ
1127 間隔リング
1128 光学フィルター
113 孔部
1131 先端開口

Claims (15)

  1. 金属製の枠体にガラス製のレンズを接合して、レンズ接合体を得るレンズ接合体の製造方法であって、
    前記枠体における前記レンズとの接合部位に酸化膜を形成する第1の工程と、
    前記レンズを前記酸化膜に接触させた状態で、前記枠体および前記レンズのうち少なくとも前記接合部位を所定の加熱温度に加熱することにより前記枠体と前記レンズとを融着させて、レンズ接合体を得る第2の工程とを有することを特徴とするレンズ接合体の製造方法。
  2. 前記第1の工程に先立って、前記枠体の前記接合部位に表面処理を行う前処理工程を有する請求項1に記載のレンズ接合体の製造方法。
  3. 前記前処理工程は、前記枠体の前記接合部位を脱脂し、次いで水素処理する請求項2に記載のレンズ接合体の製造方法。
  4. 前記レンズの熱膨張係数と前記枠体の熱膨張係数との差は、80×10−7−1以下である請求項1ないし3のいずれかに記載のレンズ接合体の製造方法。
  5. 前記第1の工程にて、前記酸化膜は、前記枠体の前記接合部位を酸化することにより形成する請求項1ないし4のいずれかに記載のレンズ接合体の製造方法。
  6. 前記第1の工程にて、前記酸化膜は、前記枠体の前記接合部位に別途形成する請求項1ないし4のいずれかに記載のレンズ接合体の製造方法。
  7. 前記酸化膜の平均厚さは、0.01〜2μmである請求項1ないし6のいずれかに記載のレンズ接合体の製造方法。
  8. 前記レンズを構成するガラスの転移点は、350〜750℃である請求項1ないし7のいずれかに記載のレンズ接合体の製造方法。
  9. 前記枠体は、Feを含み、かつ、Ni、Coのうち少なくとも1種を成分として含んでいるものである請求項1ないし8のいずれかに記載のレンズ接合体の製造方法。
  10. 前記第2の工程において、前記レンズおよび前記枠体を加熱した後に徐冷する請求項1ないし9のいずれかに記載のレンズ接合体の製造方法。
  11. 前記徐冷は、前記加熱後の前記レンズおよび前記枠体を冷却速度0.1〜15℃/分で冷却することにより行う請求項10に記載の接合体の製造方法。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載の製造方法によって得られたことを特徴とするレンズ接合体。
  13. 金属製の枠体にガラス製のレンズが接合されたレンズ接合体であって、
    前記枠体は、前記枠体における前記レンズとの接合部位に酸化膜が形成され、
    前記レンズは、融着により前記酸化膜と不明確な境界面をもって接合していることを特徴とするレンズ接合体。
  14. 請求項12または13に記載のレンズ接合体を備えることを特徴とする内視鏡。
  15. 請求項14のレンズ接合体のレンズが、平行平面板であることを特徴とする内視鏡。
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