JP2004201941A - 弾球遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技開始時や遊技中において、発射ハンドルのみの操作で遊技者に任意の項目の選択等をさせることができる、自由度の高い発射ハンドルの多機能化を実現した弾球遊技機を提供する。
【解決手段】遊技盤の盤面に配置され、図柄・画面表示を行う図柄表示器6と、盤面上の遊技領域に遊技球を打ち込むための発射装置23cを操作する発射ハンドル14とを備え、制御装置22〜23がプログラムを実行して遊技を進行させる弾球遊技機において、図柄表示器6への特別画面の表示中に発射ハンドル14が回動されたとき、ハンドル・表示器関連動作モードへの移行指令s2を図柄制御装置24に出力し、発射ハンドル14の回動により特別画面を用いた所定の操作を可能にするモード切換え指令出力手段34を設けた。
【選択図】 図3
【解決手段】遊技盤の盤面に配置され、図柄・画面表示を行う図柄表示器6と、盤面上の遊技領域に遊技球を打ち込むための発射装置23cを操作する発射ハンドル14とを備え、制御装置22〜23がプログラムを実行して遊技を進行させる弾球遊技機において、図柄表示器6への特別画面の表示中に発射ハンドル14が回動されたとき、ハンドル・表示器関連動作モードへの移行指令s2を図柄制御装置24に出力し、発射ハンドル14の回動により特別画面を用いた所定の操作を可能にするモード切換え指令出力手段34を設けた。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技球の発射ハンドルを多機能化した弾球遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
弾球遊技機、例えばパチンコ機やアレンジボール遊技機には、遊技盤の盤面の遊技領域に遊技球を打ち込むための発射装置が備えられ、遊技機前面の右下方には、その発射装置を操作する発射ハンドルが前方に突出して設けられている。
一般に、この発射ハンドルは、タッチされながら回動操作されることで遊技球を発射し、また、その回動角度を大きくするほど遊技球が強く発射されるように構成されており、遊技球の発射と発射強度の調節機能をもつに過ぎなかった。
【0003】
ところで近年のパチンコ機は、盤面に配置される図柄表示器の大型化が一層顕著になってきたことからも分かるように、遊技の演出も展開も複雑化してきている。特に最近は、ビデオゲームのようなストーリィ性をもたせた遊技進行も取り入れられてきている。
このため、遊技開始時あるいは遊技中に、遊技方法の説明の表示(遊技案内表示)をするかしないかを遊技者に選択させたり、複数種あるキャラクタや遊技展開の分岐点における進路、あるいはくじ引き場面においてどのくじを引くか等を遊技者に選択させることが少なくない。
【0004】
このような選択場面においては、パチンコ機の制御装置は遊技者の選択結果を待って次処理に進むことになるので、遊技者は、何らかの操作をして選択信号を発生させ、上記制御装置に与えなければならない。
この場合、パチンコ機にスイッチ等の新たな部品を追加することは、パチンコ機操作面(ハンドル回り)の部品配置設計や追加部品の配線設計の変更等を伴い、また部品コストの上昇も伴うことから好ましくない。
そこで、従来、遊技案内表示につき、これを新たな部品を追加することなく実現可能とした遊技機が出現した(特許文献1参照)。
これは、発射ハンドルの周縁部に設けられた導電性のタッチ部に遊技者が触れていない状態で、発射装置に一時停止を指令するためのストップスイッチが操作されたときに、遊技案内表示を行わせるという遊技機である。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−248369号公報(段落番号[0008]等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術によれば、発射ハンドル(タッチ部)とストップスイッチの2つの部品が多機能化され、新たな部品を追加することなく遊技案内表示が可能になるという点で優れるが、逆に遊技案内表示を行わせるのに2つの部品を必要とすることになる。
また、上記のように発射ハンドルに遊技者が触れていない状態で、ストップスイッチが操作されたときに、何らかの動作(他の動作モードへの移行)を行わせるという方法では、遊技の開始時や中断時においては適用が容易であるが、遊技者が発射ハンドルに触れている遊技中においては適用が困難である等の問題点があった。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点を解消するためになされたもので、既存の部品である発射ハンドルのみの操作で、また遊技の開始時や中断時のみならず、遊技者が発射ハンドルに触れている遊技中においても、遊技案内表示をするか否か等、遊技者に任意の項目の選択させたり、文字入力等をさせることのできる、すなわち発射ハンドルの、自由度の高い多機能化を実現できる弾球遊技機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、遊技盤の盤面に配置され、各種図柄・画面表示を行う図柄表示器と、前記盤面上の遊技領域に遊技球を打ち込むための発射装置を操作する発射ハンドルとを備え、制御装置がプログラムを実行して遊技を進行させる弾球遊技機において、前記図柄表示器への特別画面の表示中に前記発射ハンドルが操作されたとき、現在のハンドル・表示器非関連動作モードからハンドル・表示器関連動作モードへの移行指令を出力し、前記発射ハンドルの操作により前記特別画面を用いた所定の操作を可能にするモード切換え指令出力手段を具備することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、特別画面は複数の項目の中から任意の項目を選択させるメニュー画面であって、該メニュー画面の表示中に発射ハンドルが操作されたとき、モード切換え指令出力手段がハンドル操作・カーソル移動動作モードへの移行指令を出力し、前記発射ハンドルの操作により、項目選択用カーソルが前記メニュー画面中の項目表示領域間を移動可能に構成されたことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、発射装置の動作中に発射の一時停止を指令するためのストップスイッチを備え、ハンドル操作・カーソル移動動作モード時にそのストップスイッチを操作することにより、現在、カーソルが位置している表示領域の項目の選択が決定されることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、各図間において、同一符号は同一又は相当部分を示す。
図1は、本発明が適用されたパチンコ機の一実施形態を示す正面図である。
この図において、1は縦長四角形のパチンコ機本体枠であり、この本体枠1内の上方側には遊技盤2が取り付けられている。
【0012】
遊技盤2の盤面3には円弧状にレール4が取り付けられており、このレール4の内側に遊技領域5が形成されている。
上記盤面3には、種々の盤面部品が配置されている。例えば、盤面のほぼ中央には、各種図柄・画面(画像)の表示を行う、液晶表示器等からなる図柄表示器6が配置され、この図柄表示器6の直下には始動入賞口7が、この始動入賞口7の下方には大入賞口(アタッカ)8が各々配置されている。その他、盤面3には、普通入賞口9、風車10、ランプ11等が配置されている。
【0013】
上記図柄表示器6は、例えば横方向に左、中、右、3つの表示領域に分けられ、各々図柄L,C,Rが表示されるが、この3つの図柄L,C,Rは変動可能である。3つの図柄L,C,Rは、上記始動入賞口7に遊技球が入賞すると変動が開始される。全図柄L,C,Rが停止したときに、図柄L,C,Rが所定の種類、例えば数字の「7」で揃っていると大当り状態になり、大入賞口8が開いて、多数の遊技球が入賞し得る状態となる。図柄表示器6は、表示領域を分けずに各種図柄・画面を表示することも可能である。
【0014】
遊技領域5の最下部には、遊技領域5内に打ち込まれた遊技球がその遊技領域5を流下する途中で入賞口7〜9に入賞しなかった遊技球が入球するアウト口12を有する。
更に、上記各部品6〜11やアウト口12を避けた適宜箇所には、多数の遊技釘(図示せず)が打ち込まれている。遊技盤2の前面側は、遊技球が遊技盤外に飛び出さないように透明なガラス板(図示せず)によって覆われている。
【0015】
上記本体枠1内の下方側には、遊技球の受け皿13や、上記遊技領域5に遊技球を打ち込むための後述発射装置を操作する発射ハンドル14が設けられている。
この発射ハンドル14は、遊技者が握って回動することで、発射装置を作動させると共に、その回動角度が増大するに従って遊技球の発射強度も増大するように構成されている。またこの発射ハンドル14は、遊技者が手を離すと元の回動角度位置に戻るように構成されている。
発射ハンドル14の近傍には、押しボタン式のストップスイッチ15が設けられている。ストップスイッチ15は、その押圧時、発射装置に一時停止を指令し、発射装置の作動を瞬時に停止させるスイッチである。
【0016】
図2は、図1に示すパチンコ機の要部を示すブロック図である。
図示するように、パチンコ機は、入賞球検出スイッチ21…、主制御装置22、発射制御装置23、図柄制御装置24、効果音制御装置25、ランプ制御装置26、賞球払出制御装置27及び大入賞口制御装置28等を備えて構成される。
【0017】
上記入賞球検出スイッチ21は、入賞球を検出するスイッチであり、図1に示す盤面3に設けられた入賞口7,8,9に一対一対応で設けられている。
【0018】
主制御装置22は、上記制御装置23〜28等(パチンコ機全般)を制御する装置であり、入力ポート22a、CPU22b、出力ポート22c及び図示しないROM、RAM等を備えてなる。
この主制御装置22には、上記入賞球検出スイッチ21…が接続されており、主制御装置22の入力ポート22aは、それら入賞球検出スイッチ21…からの信号を受け、CPU22bに与える。
CPU22bは、入賞球を検出すると、出力ポート22cを介して図柄制御装置24、効果音制御装置25、ランプ制御装置26あるいは大入賞口制御装置28に制御信号を出力し、入賞に対応した遊技処理を行う。また、賞球払出装置27へも制御信号を出力し、入賞に対応した賞球払出処理を行う。
CPU22bは、主制御装置22内の上記ROMに格納されたプログラムを、同RAMを作業領域に用いて実行し、遊技を進行させる。
【0019】
発射制御装置23は、タッチセンサ23a及び角度センサ23bにより、遊技者の発射ハンドル14へのタッチと、発射ハンドル14の回動角度を検出し、この回動角度に応じた強度で遊技球を発射するように発射装置23cを制御する装置である。
また発射制御装置23は、ストップスイッチ15の押圧時、作動を一時的に停止し、その際の発射ハンドル14の回動角度に拘わらず遊技球の発射を停止するように発射装置23cを制御する。
【0020】
上記図柄制御装置24は、遊技中に種々の図柄・画面(画像)を、図1に示す盤面3中央に設けられた図柄表示器6に表示させる装置であり、効果音制御装置25は遊技中に種々の効果音をスピーカ等の効果音出力装置25aから発生させる装置である。
ランプ制御装置26は、遊技中に図1に示す盤面3上の種々のランプ11を点消灯させる装置であり、賞球払出装置27は、主制御装置22からの制御信号を受けて所定の賞球処理を行わせる装置である。
大入賞口制御装置28は、後述大当り時に、図1に示す大入賞口8を開放する装置である。
【0021】
ここで上記主制御装置22は、大当り決定乱数を所定の周期で生成させ、図1に示す始動入賞口7への遊技球入賞時に生成された上記乱数の値(乱数値)を、予め設定されている大当り値と比較する。そして主制御装置22は、その乱数値と大当り値とが一致する場合に大当りと判定し、大当り処理(動作)をする。以下、大当り時の動作について説明する。
【0022】
すなわち、図1に示す始動入賞口7に遊技球が入賞すると、その入賞に対する賞球の払出しを行うと共に、図柄表示器6に表示されている3つの図柄L,C,Rの変動を開始する。3つの図柄L,C,Rは、最終的に停止するが、その停止時の図柄L,C,Rが所定の組合せで揃うと大当りになる。
【0023】
大当りになると、入賞開口の広い大入賞口8が開放し、より多くの入賞、つまり賞球獲得が実現される。大入賞口8の内部にはVゾーン8aがあり、このVゾーン8aに遊技球が進入すると更に多くの賞球を獲得することができる。
大当り処理は、上記大入賞口開放を大入賞口制御装置28によって行うことの他、図柄制御装置24、効果音制御装置25及びランプ制御装置26等による種々の演出処理を含む。これら制御装置24〜26,28は、主制御装置22により制御される。
【0024】
図柄表示器6は、上記図柄変動や大当り時の演出画像の他、各種キャラクタを含む種々の図柄・画面(画像)を表示し、遊技の興趣を高めるための演出をする。ここでは、ビデオゲームのようなストーリィ性をもたせた遊技を展開させるための画像も、表示領域を分けずに、あるいは適時分けながら表示する。
図柄表示器6は、図柄制御装置24又は主制御装置22で実行されるプログラムにより定義された特別画面も表示する。この特別画面には、遊技開始時あるいは遊技中に、遊技案内表示をするか否かを遊技者に選択させたり、複数種あるキャラクタや遊技展開の分岐点における進路、あるいはくじ引き場面においてどのくじを引くか等を遊技者に選択させるためのメニュー画面が含まれる。遊技者の名前等の文字を入力させるための文字入力画面も特別画面の1つである。
【0025】
図3は、図2中の発射制御装置23の具体例をその周辺装置と共に示すブロック図である。
この図に示すように、発射制御装置23は、2つのインタフェース31,32、A/D変換器33、CPU34、RAM35、ROM36、発射制御回路37を備えて構成される。この発射制御装置23における以下の動作は、CPU34がROM36に格納されたプログラムを、RAM35を作業領域に用いて実行することにより行われる。
【0026】
すなわち図3において、発射ハンドル14に設けられたタッチセンサ23a及びストップスイッチ15からの2値信号はインタフェース32を介してCPU34に与えられる。また、発射ハンドル14に設けられた角度センサ23bからの電圧信号は、インタフェース31を介して発射制御回路37に与えられると共に、A/D変換器33を介してCPU34に与えられる。
発射制御回路37は、角度センサ23bからの電圧信号の大きさに応じた強度で遊技球を発射するように発射装置23cを制御する。この発射制御回路37が実際に動作するのは、CPU34から発射許可信号s1が与えられているときである。
A/D変換器33は、角度センサ23bからの電圧信号、換言すれば、発射ハンドル14の回動操作角をデジタル値に変換して、CPU34に与える。
【0027】
CPU34は、タッチセンサ23aからの2値信号が例えばH(高)レベルであり、かつストップスイッチ15からの2値信号が例えばL(低)レベルであるときに、発射許可信号s1を発射制御回路37に与え、この発射制御回路37による発射装置23cの制御を開始させる。ストップスイッチ15からの2値信号がH(高)レベルであるときには、CPU34はタッチセンサ23aからの2値信号のレベルや角度センサ23bからの電圧信号の大きさに拘わらず、発射許可信号s1の発射制御回路37への出力を抑止する。すなわち、遊技球の発射を停止させる。
【0028】
またCPU34は、図柄表示器6に上記特別画面が表示されているときに、発射ハンドル14の回動操作が後述する操作条件を満たすと、現在のハンドル・表示器非関連動作モードからハンドル・表示器関連動作モードへの移行指令s2を図柄制御装置24に出力する、モード切換え指令出力手段としても機能する。この例では、発射ハンドル14の回動操作が後述する操作条件を満たすと、発射制御装置23自身もハンドル・表示器関連動作モードへ移行し、発射ハンドル14の回動操作により特別画面を用いた所定の操作が可能になる。
CPU34は、ハンドル・表示器関連動作モードへの移行後、発射ハンドル14の回動操作角に応じた値を上記移行指令s2の伝送ラインから図柄制御装置24に与え、特別画面を用いた操作、例えば後述するカーソル移動等の操作に供する。
ここで、発射ハンドル14の回動操作が後述する操作条件を満たすか否かは、CPU34がA/D変換器33の出力値を、発射ハンドル14の所定の回動角度に相当する基準値と比較することによって判定される。
【0029】
上記図柄表示器6に特別画面を表示させるのは図柄制御装置24であり、したがって、図柄表示器6が特別画面表示状態にある旨の信号を、図柄制御装置24からCPU34(発射制御装置23)に与えることは可能である。信号s3は、このような特別画面表示状態信号であり、この例では、図柄表示器6が特別画面表示状態にある間、遊技球の発射を停止する構成であるので、特別画面表示状態信号s3は遊技球の発射停止信号も兼ねている。
特別画面は、ここでは遊技者に複数の項目の中から任意の項目を選択させるためのメニュー画面である。このメニュー画面は、図柄制御装置24又は主制御装置22で実行され、一定時間経過するまでこの画面による項目の選択、決定を待つように作成されたプログラムで呼び出される。
ハンドル・表示器非関連動作モードとは、発射ハンドル14の操作が図柄表示器6の動作と関連性をもたない動作モードであり、現在のハンドル・表示器非関連動作モードとは、ここではメニュー画面が図柄表示器6により表示され、遊技者が任意の項目を選択するのを待つモード(選択待機動作モード)である。
また、ハンドル・表示器関連動作モードとは、発射ハンドル14の操作が図柄表示器6の動作と関連性をもつ動作モードであり、ここではメニュー画面上で、遊技者が望む項目を実際に選択可能とするモードである。メニュー画面中に項目選択用カーソルを表示し、このカーソルを、発射ハンドル14の回動操作によって上記メニュー画面中の項目表示領域を順次移動させ、任意の項目を選択可能にした場合は、このようなハンドル操作・カーソル移動動作モードが上記ハンドル・表示器関連動作モードである。なお、ハンドル操作・カーソル移動動作モードを、以下、カーソル移動動作モードと略記する。
発射ハンドル14は、その回動操作により、上記選択待機動作モードからカーソル移動動作モードへの移行を指令でき、多機能化が実現されている。
【0030】
発射制御装置23が、上記選択待機動作モードからカーソル移動動作モードへの移行指令s2を図柄制御装置24に出力するための、発射ハンドル14の回動操作の条件(態様)を以下に述べる。
まず、休止位置(遊技者が触れていないときの位置)から時計回りにのみ回動する通常の発射ハンドル14では、時計回りに回動して行き、遊技球の発射開始までの遊び角内における所定の角度(スイッチON角度)を超えた場合に移行指令s2を出力する例が挙げられる。
次に、発射ハンドル14を休止位置から所定の角度までは反時計回りにも回動するように構成された発射ハンドル14では、その所定の角度まで反時計回りに回動操作された場合に移行指令s2を出力する例が挙げられる。
【0031】
なお、本実施形態においては、図柄制御装置24が図柄表示器6にメニュー画面を表示させてから、一定時間経過するまで又はメニュー画面を利用した項目の選択、決定が済むまでのうちの、いずれか早いときまで、発射制御回路37のCPU34には図柄制御装置24からの発射停止信号s3が与えられている。すなわち、CPU34から発射制御回路37に発射許可信号s1が与えられず、遊技球の発射が抑止されている。
これによれば、上記遊び角を超えるまで発射ハンドル14を回動操作しても遊技球は発射されず、項目の選択、決定操作を阻害しない。したがって、上記通常の発射ハンドル14の場合であっても、移行指令s2を出力するための発射ハンドル14の回動操作角を、遊び角の範囲内という制約を受けることなく設定できる。
いずれにしても、発射ハンドル14の回動操作が動作モード移行指令s2を出力するための角度(スイッチON角度)を超えたときに、それをクリック感等で体感できる構造を付加することが望ましい。
【0032】
図4のフローチャートは、本発明により多機能化された発射ハンドル14によって、メニュー画面中の複数の項目の中から任意の項目が選択されるまでの手順を示す。以下、これについて図3及び図5を併用して説明する。
【0033】
いま、図柄制御装置24で実行されているプログラムにより図柄表示器6に、図5に例示するメニュー画面51、すなわち大当りを予告する3種類のキャラクタ、「いぬ」、「ねこ」、「ねずみ」のうちのいずれか1種類を選択するメニュー画面が表示されているものとする(ステップ401)。
【0034】
この状態(選択待機動作モード)で、遊技者が発射ハンドル14を回動操作して上記操作条件を満たすと、ここでは発射ハンドル14が休止位置からスイッチON角度を超えて回動操作されると(ステップ402)、発射制御装置23はカーソル移動動作モードに移行する。同時に、動作モード移行指令s2が発射制御装置23から図柄制御装置24に出力され、図柄制御装置24もカーソル移動動作モードに移行する。
【0035】
両装置23,24がカーソル移動動作モードに移行すると、メニュー画面51中に表示された項目選択用カーソル52の移動が可能になる(ステップ403)。
カーソル52の移動は、発射ハンドル14を、例えば休止位置から上記スイッチON角度までの回動操作を繰り返す毎に1項目(表示領域)分行われ、全項目、「いぬ」、「ねこ」、「ねずみ」に対してサイクリックに行われる(図5中、矢印イ〜ハ参照)。
カーソル52の移動を所望の項目、例えば「ねこ」で止めると、一定時間後、項目「ねこ」が選択される(ステップ404)。
【0036】
ステップ402で発射ハンドル14を回動操作することなく、予め設定された時間、例えば20秒経過すると、メニュー画面51の表示を終了する。すなわち、項目(大当り予告キャラクタ)の選択なしに決定される。この場合は、「いぬ」が自動的に決定される。20秒経過前であれば、ステップ402の判定処理を繰り返す(ステップ405→402→405)。
【0037】
なお、ステップ404で選択された項目、例えば「ねこ」は、所定の操作、ここではストップスイッチ15の押圧操作をすることにより決定される(ステップ406)。
ストップスイッチ15は、発射装置23cにより遊技球を発射する電動パチンコ機に通常備えられているので、このストップスイッチ15を項目選択の決定に用いれば、新たな部品を追加することなく選択された項目の決定が可能になる。
【0038】
ステップ404で選択された項目の決定(ステップ406)を、ステップ404における選択のための時間の経過後、カーソル52を移動させることなく更に所定の時間を経過させることにより、自動的に行われるようにしてもよい。この場合は、ストップスイッチ15の操作も不要となる。
【0039】
なお上述実施形態では、本発明をパチンコ機に適用した場合について説明したが、例えばアレンジボール遊技機等、他の弾球遊技機にも適用できる。
また上述実施形態では、特別画面がメニュー画面である場合について述べたがこれのみに限定されず、更に、発射ハンドルの回動操作により移行される動作モードも、カーソル移動動作モードのみに限定されることはない。
【0040】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、既存の部品である発射ハンドルのみの操作で、また遊技の開始時や中断時のみならず、遊技者が発射ハンドルに触れている遊技中においても(遊技者が発射ハンドルから手を離さなくとも)、遊技者に任意の項目の選択をさせたり、文字入力等をさせることができる。すなわち発射ハンドルの、自由度の高い多機能化を実現できる。
また、請求項2に記載の発明によれば、メニュー画面からのカーソルを用いた項目の選択を、発射ハンドルの操作のみで行うことができる。
更に、請求項3に記載の発明によれば、発射装置の動作中に発射の一時停止を指令するためのストップスイッチを備えた弾球遊技機において、メニュー画面からのカーソルを用いた項目の選択の決定を部品を追加することなく実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたパチンコ機の一実施形態を示す正面図である。
【図2】図1に示すパチンコ機の要部を示すブロック図である。
【図3】図2中の発射制御装置の具体例をその周辺装置と共に示すブロック図である。
【図4】本発明により多機能化された発射ハンドルによるメニュー画面からの項目選択手順例を示すフローチャートである。
【図5】同上メニュー画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
6 図柄表示器
14 発射ハンドル
22 主制御装置
23 発射制御装置(モード切換え指令出力手段)
23c 発射装置
24 図柄制御装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技球の発射ハンドルを多機能化した弾球遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
弾球遊技機、例えばパチンコ機やアレンジボール遊技機には、遊技盤の盤面の遊技領域に遊技球を打ち込むための発射装置が備えられ、遊技機前面の右下方には、その発射装置を操作する発射ハンドルが前方に突出して設けられている。
一般に、この発射ハンドルは、タッチされながら回動操作されることで遊技球を発射し、また、その回動角度を大きくするほど遊技球が強く発射されるように構成されており、遊技球の発射と発射強度の調節機能をもつに過ぎなかった。
【0003】
ところで近年のパチンコ機は、盤面に配置される図柄表示器の大型化が一層顕著になってきたことからも分かるように、遊技の演出も展開も複雑化してきている。特に最近は、ビデオゲームのようなストーリィ性をもたせた遊技進行も取り入れられてきている。
このため、遊技開始時あるいは遊技中に、遊技方法の説明の表示(遊技案内表示)をするかしないかを遊技者に選択させたり、複数種あるキャラクタや遊技展開の分岐点における進路、あるいはくじ引き場面においてどのくじを引くか等を遊技者に選択させることが少なくない。
【0004】
このような選択場面においては、パチンコ機の制御装置は遊技者の選択結果を待って次処理に進むことになるので、遊技者は、何らかの操作をして選択信号を発生させ、上記制御装置に与えなければならない。
この場合、パチンコ機にスイッチ等の新たな部品を追加することは、パチンコ機操作面(ハンドル回り)の部品配置設計や追加部品の配線設計の変更等を伴い、また部品コストの上昇も伴うことから好ましくない。
そこで、従来、遊技案内表示につき、これを新たな部品を追加することなく実現可能とした遊技機が出現した(特許文献1参照)。
これは、発射ハンドルの周縁部に設けられた導電性のタッチ部に遊技者が触れていない状態で、発射装置に一時停止を指令するためのストップスイッチが操作されたときに、遊技案内表示を行わせるという遊技機である。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−248369号公報(段落番号[0008]等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術によれば、発射ハンドル(タッチ部)とストップスイッチの2つの部品が多機能化され、新たな部品を追加することなく遊技案内表示が可能になるという点で優れるが、逆に遊技案内表示を行わせるのに2つの部品を必要とすることになる。
また、上記のように発射ハンドルに遊技者が触れていない状態で、ストップスイッチが操作されたときに、何らかの動作(他の動作モードへの移行)を行わせるという方法では、遊技の開始時や中断時においては適用が容易であるが、遊技者が発射ハンドルに触れている遊技中においては適用が困難である等の問題点があった。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点を解消するためになされたもので、既存の部品である発射ハンドルのみの操作で、また遊技の開始時や中断時のみならず、遊技者が発射ハンドルに触れている遊技中においても、遊技案内表示をするか否か等、遊技者に任意の項目の選択させたり、文字入力等をさせることのできる、すなわち発射ハンドルの、自由度の高い多機能化を実現できる弾球遊技機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、遊技盤の盤面に配置され、各種図柄・画面表示を行う図柄表示器と、前記盤面上の遊技領域に遊技球を打ち込むための発射装置を操作する発射ハンドルとを備え、制御装置がプログラムを実行して遊技を進行させる弾球遊技機において、前記図柄表示器への特別画面の表示中に前記発射ハンドルが操作されたとき、現在のハンドル・表示器非関連動作モードからハンドル・表示器関連動作モードへの移行指令を出力し、前記発射ハンドルの操作により前記特別画面を用いた所定の操作を可能にするモード切換え指令出力手段を具備することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、特別画面は複数の項目の中から任意の項目を選択させるメニュー画面であって、該メニュー画面の表示中に発射ハンドルが操作されたとき、モード切換え指令出力手段がハンドル操作・カーソル移動動作モードへの移行指令を出力し、前記発射ハンドルの操作により、項目選択用カーソルが前記メニュー画面中の項目表示領域間を移動可能に構成されたことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、発射装置の動作中に発射の一時停止を指令するためのストップスイッチを備え、ハンドル操作・カーソル移動動作モード時にそのストップスイッチを操作することにより、現在、カーソルが位置している表示領域の項目の選択が決定されることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、各図間において、同一符号は同一又は相当部分を示す。
図1は、本発明が適用されたパチンコ機の一実施形態を示す正面図である。
この図において、1は縦長四角形のパチンコ機本体枠であり、この本体枠1内の上方側には遊技盤2が取り付けられている。
【0012】
遊技盤2の盤面3には円弧状にレール4が取り付けられており、このレール4の内側に遊技領域5が形成されている。
上記盤面3には、種々の盤面部品が配置されている。例えば、盤面のほぼ中央には、各種図柄・画面(画像)の表示を行う、液晶表示器等からなる図柄表示器6が配置され、この図柄表示器6の直下には始動入賞口7が、この始動入賞口7の下方には大入賞口(アタッカ)8が各々配置されている。その他、盤面3には、普通入賞口9、風車10、ランプ11等が配置されている。
【0013】
上記図柄表示器6は、例えば横方向に左、中、右、3つの表示領域に分けられ、各々図柄L,C,Rが表示されるが、この3つの図柄L,C,Rは変動可能である。3つの図柄L,C,Rは、上記始動入賞口7に遊技球が入賞すると変動が開始される。全図柄L,C,Rが停止したときに、図柄L,C,Rが所定の種類、例えば数字の「7」で揃っていると大当り状態になり、大入賞口8が開いて、多数の遊技球が入賞し得る状態となる。図柄表示器6は、表示領域を分けずに各種図柄・画面を表示することも可能である。
【0014】
遊技領域5の最下部には、遊技領域5内に打ち込まれた遊技球がその遊技領域5を流下する途中で入賞口7〜9に入賞しなかった遊技球が入球するアウト口12を有する。
更に、上記各部品6〜11やアウト口12を避けた適宜箇所には、多数の遊技釘(図示せず)が打ち込まれている。遊技盤2の前面側は、遊技球が遊技盤外に飛び出さないように透明なガラス板(図示せず)によって覆われている。
【0015】
上記本体枠1内の下方側には、遊技球の受け皿13や、上記遊技領域5に遊技球を打ち込むための後述発射装置を操作する発射ハンドル14が設けられている。
この発射ハンドル14は、遊技者が握って回動することで、発射装置を作動させると共に、その回動角度が増大するに従って遊技球の発射強度も増大するように構成されている。またこの発射ハンドル14は、遊技者が手を離すと元の回動角度位置に戻るように構成されている。
発射ハンドル14の近傍には、押しボタン式のストップスイッチ15が設けられている。ストップスイッチ15は、その押圧時、発射装置に一時停止を指令し、発射装置の作動を瞬時に停止させるスイッチである。
【0016】
図2は、図1に示すパチンコ機の要部を示すブロック図である。
図示するように、パチンコ機は、入賞球検出スイッチ21…、主制御装置22、発射制御装置23、図柄制御装置24、効果音制御装置25、ランプ制御装置26、賞球払出制御装置27及び大入賞口制御装置28等を備えて構成される。
【0017】
上記入賞球検出スイッチ21は、入賞球を検出するスイッチであり、図1に示す盤面3に設けられた入賞口7,8,9に一対一対応で設けられている。
【0018】
主制御装置22は、上記制御装置23〜28等(パチンコ機全般)を制御する装置であり、入力ポート22a、CPU22b、出力ポート22c及び図示しないROM、RAM等を備えてなる。
この主制御装置22には、上記入賞球検出スイッチ21…が接続されており、主制御装置22の入力ポート22aは、それら入賞球検出スイッチ21…からの信号を受け、CPU22bに与える。
CPU22bは、入賞球を検出すると、出力ポート22cを介して図柄制御装置24、効果音制御装置25、ランプ制御装置26あるいは大入賞口制御装置28に制御信号を出力し、入賞に対応した遊技処理を行う。また、賞球払出装置27へも制御信号を出力し、入賞に対応した賞球払出処理を行う。
CPU22bは、主制御装置22内の上記ROMに格納されたプログラムを、同RAMを作業領域に用いて実行し、遊技を進行させる。
【0019】
発射制御装置23は、タッチセンサ23a及び角度センサ23bにより、遊技者の発射ハンドル14へのタッチと、発射ハンドル14の回動角度を検出し、この回動角度に応じた強度で遊技球を発射するように発射装置23cを制御する装置である。
また発射制御装置23は、ストップスイッチ15の押圧時、作動を一時的に停止し、その際の発射ハンドル14の回動角度に拘わらず遊技球の発射を停止するように発射装置23cを制御する。
【0020】
上記図柄制御装置24は、遊技中に種々の図柄・画面(画像)を、図1に示す盤面3中央に設けられた図柄表示器6に表示させる装置であり、効果音制御装置25は遊技中に種々の効果音をスピーカ等の効果音出力装置25aから発生させる装置である。
ランプ制御装置26は、遊技中に図1に示す盤面3上の種々のランプ11を点消灯させる装置であり、賞球払出装置27は、主制御装置22からの制御信号を受けて所定の賞球処理を行わせる装置である。
大入賞口制御装置28は、後述大当り時に、図1に示す大入賞口8を開放する装置である。
【0021】
ここで上記主制御装置22は、大当り決定乱数を所定の周期で生成させ、図1に示す始動入賞口7への遊技球入賞時に生成された上記乱数の値(乱数値)を、予め設定されている大当り値と比較する。そして主制御装置22は、その乱数値と大当り値とが一致する場合に大当りと判定し、大当り処理(動作)をする。以下、大当り時の動作について説明する。
【0022】
すなわち、図1に示す始動入賞口7に遊技球が入賞すると、その入賞に対する賞球の払出しを行うと共に、図柄表示器6に表示されている3つの図柄L,C,Rの変動を開始する。3つの図柄L,C,Rは、最終的に停止するが、その停止時の図柄L,C,Rが所定の組合せで揃うと大当りになる。
【0023】
大当りになると、入賞開口の広い大入賞口8が開放し、より多くの入賞、つまり賞球獲得が実現される。大入賞口8の内部にはVゾーン8aがあり、このVゾーン8aに遊技球が進入すると更に多くの賞球を獲得することができる。
大当り処理は、上記大入賞口開放を大入賞口制御装置28によって行うことの他、図柄制御装置24、効果音制御装置25及びランプ制御装置26等による種々の演出処理を含む。これら制御装置24〜26,28は、主制御装置22により制御される。
【0024】
図柄表示器6は、上記図柄変動や大当り時の演出画像の他、各種キャラクタを含む種々の図柄・画面(画像)を表示し、遊技の興趣を高めるための演出をする。ここでは、ビデオゲームのようなストーリィ性をもたせた遊技を展開させるための画像も、表示領域を分けずに、あるいは適時分けながら表示する。
図柄表示器6は、図柄制御装置24又は主制御装置22で実行されるプログラムにより定義された特別画面も表示する。この特別画面には、遊技開始時あるいは遊技中に、遊技案内表示をするか否かを遊技者に選択させたり、複数種あるキャラクタや遊技展開の分岐点における進路、あるいはくじ引き場面においてどのくじを引くか等を遊技者に選択させるためのメニュー画面が含まれる。遊技者の名前等の文字を入力させるための文字入力画面も特別画面の1つである。
【0025】
図3は、図2中の発射制御装置23の具体例をその周辺装置と共に示すブロック図である。
この図に示すように、発射制御装置23は、2つのインタフェース31,32、A/D変換器33、CPU34、RAM35、ROM36、発射制御回路37を備えて構成される。この発射制御装置23における以下の動作は、CPU34がROM36に格納されたプログラムを、RAM35を作業領域に用いて実行することにより行われる。
【0026】
すなわち図3において、発射ハンドル14に設けられたタッチセンサ23a及びストップスイッチ15からの2値信号はインタフェース32を介してCPU34に与えられる。また、発射ハンドル14に設けられた角度センサ23bからの電圧信号は、インタフェース31を介して発射制御回路37に与えられると共に、A/D変換器33を介してCPU34に与えられる。
発射制御回路37は、角度センサ23bからの電圧信号の大きさに応じた強度で遊技球を発射するように発射装置23cを制御する。この発射制御回路37が実際に動作するのは、CPU34から発射許可信号s1が与えられているときである。
A/D変換器33は、角度センサ23bからの電圧信号、換言すれば、発射ハンドル14の回動操作角をデジタル値に変換して、CPU34に与える。
【0027】
CPU34は、タッチセンサ23aからの2値信号が例えばH(高)レベルであり、かつストップスイッチ15からの2値信号が例えばL(低)レベルであるときに、発射許可信号s1を発射制御回路37に与え、この発射制御回路37による発射装置23cの制御を開始させる。ストップスイッチ15からの2値信号がH(高)レベルであるときには、CPU34はタッチセンサ23aからの2値信号のレベルや角度センサ23bからの電圧信号の大きさに拘わらず、発射許可信号s1の発射制御回路37への出力を抑止する。すなわち、遊技球の発射を停止させる。
【0028】
またCPU34は、図柄表示器6に上記特別画面が表示されているときに、発射ハンドル14の回動操作が後述する操作条件を満たすと、現在のハンドル・表示器非関連動作モードからハンドル・表示器関連動作モードへの移行指令s2を図柄制御装置24に出力する、モード切換え指令出力手段としても機能する。この例では、発射ハンドル14の回動操作が後述する操作条件を満たすと、発射制御装置23自身もハンドル・表示器関連動作モードへ移行し、発射ハンドル14の回動操作により特別画面を用いた所定の操作が可能になる。
CPU34は、ハンドル・表示器関連動作モードへの移行後、発射ハンドル14の回動操作角に応じた値を上記移行指令s2の伝送ラインから図柄制御装置24に与え、特別画面を用いた操作、例えば後述するカーソル移動等の操作に供する。
ここで、発射ハンドル14の回動操作が後述する操作条件を満たすか否かは、CPU34がA/D変換器33の出力値を、発射ハンドル14の所定の回動角度に相当する基準値と比較することによって判定される。
【0029】
上記図柄表示器6に特別画面を表示させるのは図柄制御装置24であり、したがって、図柄表示器6が特別画面表示状態にある旨の信号を、図柄制御装置24からCPU34(発射制御装置23)に与えることは可能である。信号s3は、このような特別画面表示状態信号であり、この例では、図柄表示器6が特別画面表示状態にある間、遊技球の発射を停止する構成であるので、特別画面表示状態信号s3は遊技球の発射停止信号も兼ねている。
特別画面は、ここでは遊技者に複数の項目の中から任意の項目を選択させるためのメニュー画面である。このメニュー画面は、図柄制御装置24又は主制御装置22で実行され、一定時間経過するまでこの画面による項目の選択、決定を待つように作成されたプログラムで呼び出される。
ハンドル・表示器非関連動作モードとは、発射ハンドル14の操作が図柄表示器6の動作と関連性をもたない動作モードであり、現在のハンドル・表示器非関連動作モードとは、ここではメニュー画面が図柄表示器6により表示され、遊技者が任意の項目を選択するのを待つモード(選択待機動作モード)である。
また、ハンドル・表示器関連動作モードとは、発射ハンドル14の操作が図柄表示器6の動作と関連性をもつ動作モードであり、ここではメニュー画面上で、遊技者が望む項目を実際に選択可能とするモードである。メニュー画面中に項目選択用カーソルを表示し、このカーソルを、発射ハンドル14の回動操作によって上記メニュー画面中の項目表示領域を順次移動させ、任意の項目を選択可能にした場合は、このようなハンドル操作・カーソル移動動作モードが上記ハンドル・表示器関連動作モードである。なお、ハンドル操作・カーソル移動動作モードを、以下、カーソル移動動作モードと略記する。
発射ハンドル14は、その回動操作により、上記選択待機動作モードからカーソル移動動作モードへの移行を指令でき、多機能化が実現されている。
【0030】
発射制御装置23が、上記選択待機動作モードからカーソル移動動作モードへの移行指令s2を図柄制御装置24に出力するための、発射ハンドル14の回動操作の条件(態様)を以下に述べる。
まず、休止位置(遊技者が触れていないときの位置)から時計回りにのみ回動する通常の発射ハンドル14では、時計回りに回動して行き、遊技球の発射開始までの遊び角内における所定の角度(スイッチON角度)を超えた場合に移行指令s2を出力する例が挙げられる。
次に、発射ハンドル14を休止位置から所定の角度までは反時計回りにも回動するように構成された発射ハンドル14では、その所定の角度まで反時計回りに回動操作された場合に移行指令s2を出力する例が挙げられる。
【0031】
なお、本実施形態においては、図柄制御装置24が図柄表示器6にメニュー画面を表示させてから、一定時間経過するまで又はメニュー画面を利用した項目の選択、決定が済むまでのうちの、いずれか早いときまで、発射制御回路37のCPU34には図柄制御装置24からの発射停止信号s3が与えられている。すなわち、CPU34から発射制御回路37に発射許可信号s1が与えられず、遊技球の発射が抑止されている。
これによれば、上記遊び角を超えるまで発射ハンドル14を回動操作しても遊技球は発射されず、項目の選択、決定操作を阻害しない。したがって、上記通常の発射ハンドル14の場合であっても、移行指令s2を出力するための発射ハンドル14の回動操作角を、遊び角の範囲内という制約を受けることなく設定できる。
いずれにしても、発射ハンドル14の回動操作が動作モード移行指令s2を出力するための角度(スイッチON角度)を超えたときに、それをクリック感等で体感できる構造を付加することが望ましい。
【0032】
図4のフローチャートは、本発明により多機能化された発射ハンドル14によって、メニュー画面中の複数の項目の中から任意の項目が選択されるまでの手順を示す。以下、これについて図3及び図5を併用して説明する。
【0033】
いま、図柄制御装置24で実行されているプログラムにより図柄表示器6に、図5に例示するメニュー画面51、すなわち大当りを予告する3種類のキャラクタ、「いぬ」、「ねこ」、「ねずみ」のうちのいずれか1種類を選択するメニュー画面が表示されているものとする(ステップ401)。
【0034】
この状態(選択待機動作モード)で、遊技者が発射ハンドル14を回動操作して上記操作条件を満たすと、ここでは発射ハンドル14が休止位置からスイッチON角度を超えて回動操作されると(ステップ402)、発射制御装置23はカーソル移動動作モードに移行する。同時に、動作モード移行指令s2が発射制御装置23から図柄制御装置24に出力され、図柄制御装置24もカーソル移動動作モードに移行する。
【0035】
両装置23,24がカーソル移動動作モードに移行すると、メニュー画面51中に表示された項目選択用カーソル52の移動が可能になる(ステップ403)。
カーソル52の移動は、発射ハンドル14を、例えば休止位置から上記スイッチON角度までの回動操作を繰り返す毎に1項目(表示領域)分行われ、全項目、「いぬ」、「ねこ」、「ねずみ」に対してサイクリックに行われる(図5中、矢印イ〜ハ参照)。
カーソル52の移動を所望の項目、例えば「ねこ」で止めると、一定時間後、項目「ねこ」が選択される(ステップ404)。
【0036】
ステップ402で発射ハンドル14を回動操作することなく、予め設定された時間、例えば20秒経過すると、メニュー画面51の表示を終了する。すなわち、項目(大当り予告キャラクタ)の選択なしに決定される。この場合は、「いぬ」が自動的に決定される。20秒経過前であれば、ステップ402の判定処理を繰り返す(ステップ405→402→405)。
【0037】
なお、ステップ404で選択された項目、例えば「ねこ」は、所定の操作、ここではストップスイッチ15の押圧操作をすることにより決定される(ステップ406)。
ストップスイッチ15は、発射装置23cにより遊技球を発射する電動パチンコ機に通常備えられているので、このストップスイッチ15を項目選択の決定に用いれば、新たな部品を追加することなく選択された項目の決定が可能になる。
【0038】
ステップ404で選択された項目の決定(ステップ406)を、ステップ404における選択のための時間の経過後、カーソル52を移動させることなく更に所定の時間を経過させることにより、自動的に行われるようにしてもよい。この場合は、ストップスイッチ15の操作も不要となる。
【0039】
なお上述実施形態では、本発明をパチンコ機に適用した場合について説明したが、例えばアレンジボール遊技機等、他の弾球遊技機にも適用できる。
また上述実施形態では、特別画面がメニュー画面である場合について述べたがこれのみに限定されず、更に、発射ハンドルの回動操作により移行される動作モードも、カーソル移動動作モードのみに限定されることはない。
【0040】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、既存の部品である発射ハンドルのみの操作で、また遊技の開始時や中断時のみならず、遊技者が発射ハンドルに触れている遊技中においても(遊技者が発射ハンドルから手を離さなくとも)、遊技者に任意の項目の選択をさせたり、文字入力等をさせることができる。すなわち発射ハンドルの、自由度の高い多機能化を実現できる。
また、請求項2に記載の発明によれば、メニュー画面からのカーソルを用いた項目の選択を、発射ハンドルの操作のみで行うことができる。
更に、請求項3に記載の発明によれば、発射装置の動作中に発射の一時停止を指令するためのストップスイッチを備えた弾球遊技機において、メニュー画面からのカーソルを用いた項目の選択の決定を部品を追加することなく実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたパチンコ機の一実施形態を示す正面図である。
【図2】図1に示すパチンコ機の要部を示すブロック図である。
【図3】図2中の発射制御装置の具体例をその周辺装置と共に示すブロック図である。
【図4】本発明により多機能化された発射ハンドルによるメニュー画面からの項目選択手順例を示すフローチャートである。
【図5】同上メニュー画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
6 図柄表示器
14 発射ハンドル
22 主制御装置
23 発射制御装置(モード切換え指令出力手段)
23c 発射装置
24 図柄制御装置
Claims (3)
- 遊技盤の盤面に配置され、各種図柄・画面表示を行う図柄表示器と、前記盤面上の遊技領域に遊技球を打ち込むための発射装置を操作する発射ハンドルとを備え、制御装置がプログラムを実行して遊技を進行させる弾球遊技機において、
前記図柄表示器への特別画面の表示中に前記発射ハンドルが操作されたとき、現在のハンドル・表示器非関連動作モードからハンドル・表示器関連動作モードへの移行指令を出力し、前記発射ハンドルの操作により前記特別画面を用いた所定の操作を可能にするモード切換え指令出力手段を具備することを特徴とする弾球遊技機。 - 請求項1に記載の弾球遊技機において、特別画面は複数の項目の中から任意の項目を選択させるメニュー画面であって、該メニュー画面の表示中に発射ハンドルが操作されたとき、モード切換え指令出力手段がハンドル操作・カーソル移動動作モードへの移行指令を出力し、前記発射ハンドルの操作により、項目選択用カーソルが前記メニュー画面中の項目表示領域間を移動可能に構成されたことを特徴とする弾球遊技機。
- 請求項2に記載の弾球遊技機において、発射装置の動作中に発射の一時停止を指令するためのストップスイッチを備え、ハンドル操作・カーソル移動動作モード時にそのストップスイッチを操作することにより、現在、カーソルが位置している表示領域の項目の選択が決定されることを特徴とする弾球遊技機。
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