JP2004201847A - 遊技機 - Google Patents

遊技機 Download PDF

Info

Publication number
JP2004201847A
JP2004201847A JP2002373216A JP2002373216A JP2004201847A JP 2004201847 A JP2004201847 A JP 2004201847A JP 2002373216 A JP2002373216 A JP 2002373216A JP 2002373216 A JP2002373216 A JP 2002373216A JP 2004201847 A JP2004201847 A JP 2004201847A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
display area
area
movie
display
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002373216A
Other languages
English (en)
Inventor
Shohachi Ugawa
詔八 鵜川
Masahito Tani
雅人 谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sankyo Co Ltd filed Critical Sankyo Co Ltd
Priority to JP2002373216A priority Critical patent/JP2004201847A/ja
Publication of JP2004201847A publication Critical patent/JP2004201847A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】画像データの展開位置や変形態様にもとづいて、展開される画像が表示装置に表示される領域からはみ出しているかどうかを判定することにより、画像表示されない画像のはみ出し部分の展開処理を確実に防止することができ、マイクロコントローラの制御負担を軽減することができる遊技機を提供することを目的とする。
【解決手段】GCL81は、演出制御用CPU101から所定の変形態様で画像をVRAM84へ展開することが指示されたときには、画像をVRAM空間に所定の変形態様で変形させて展開し、所定の変形態様で変形させて画像をVRAM空間に展開するときに、展開する画像がVRAM84の表示領域内に存在するか否かを判定し、画像の少なくとも一部が表示領域外に存在すると判定されたときには、表示領域外に存在する画像の少なくとも一部の展開を禁止する。
【選択図】 図36

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技者が所定の遊技を実行可能であり、所定の遊技の結果として特定結果が得られたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御するパチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ遊技機等の遊技機においては、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)等の表示装置上で複数種類の識別情報(以下、特別図柄)の可変表示を行い、その表示結果により所定の遊技価値を付与するか否かを決定する、いわゆる可変表示ゲームによって遊技興趣を高めたものが数多く提供されている。
【0003】
可変表示ゲームには、主に、前述した表示装置を画像表示装置として用いることにより行うもの(以下、特図ゲーム)がある。特図ゲームは、所定領域を通過する遊技球の検出に伴って特別図柄の可変表示を行い、特別図柄の可変表示が完全に停止した際の停止図柄態様が特定表示態様となっている場合を「大当り」とするゲームである。特図ゲームにおいて「大当り」となると、大入賞口と呼ばれる特別電動役物を作動させ、大入賞口扉を開放状態とする。これによって、遊技者に対して遊技球の入賞が極めて容易となる状態を一定時間継続的に提供する。
【0004】
可変表示装置には、一般に、特別図柄に他に、背景画像や特別図柄とは別のキャラクタ画像等が表示される。その場合、それらの画像として静止画像やスプライト画像、ムービー画像が用いられる。静止画像は、主に背景画像を表示する際に用いられる。スプライト画像は、主にキャラクタを登場させたり変化させたりするような簡易的に動画表示を行う際に用いられる。また、ムービー画像は、主に実写画像に代表される多色画像によるリアリティのある動画表示を行う際に用いられる。静止画像、スプライト画像およびムービー画像は、それぞれ合成されて可変表示装置で表示される場合もある。例えば、背景画像の静止画部分と、可変表示される特別図柄のスプライト画像と、特別なキャラクタのムービー画像とが合成されて可変表示装置に表示されるような場合である。
【0005】
通常、可変表示装置を表示制御するための制御基板には、描画用(画像処理用)のマイクロコントローラが搭載されている。また、制御基板には、各種画像データを格納するROMが設けられるとともに、可変表示装置に表示する画像を展開するためのVRAM(ビデオRAM)が設けられている。マイクロコントローラは、表示制御を行うホストCPUからの指示にもとづいて、ROMに格納されている所定の画像データを読み出し、読み出した画像データをVRAMの所定領域に展開して、可変表示装置に画像を表示させる。なお、マイクロコントローラは、ROMに格納されている画像データが圧縮されている場合には、ROMから読み出した画像データを伸張する処理を行う。このようなマイクロコントローラには、一般に、静止画像、スプライト画像およびムービー画像を重ね合わせて(合成して)描画する機能が備えられている。
【0006】
特許文献1に記載された遊技機では、描画用プロセッサ(描画用のマイクロコントローラ)は、画像データの描画処理を行うに際して、画像データの展開領域(画像データが展開されるVRAM上の領域)が描画実領域(表示装置に実際に表示される表示領域)をはみ出す場合には、そのはみ出し部分の画像データの展開処理を行わないように構成されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−239150号公報(特許請求の範囲、段落0041−0050、図18、図19)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、画像データの展開領域が描画実領域からはみ出すか否かは、画像データが展開される位置によって変化する。また、画像データを拡大、回転等のさまざまな変形態様で変形させて展開する場合には、変形後の画像データの展開領域が描画実領域からはみ出す可能性が高くなる。
【0009】
しかし、特許文献1に記載された遊技機では、描画用プロセッサが、通常時に描画実領域に収まる画像データを回転させたときに、描画実領域からはみ出す画像のはみ出し部分を展開しないようにする構成である。このため、画像データの展開位置やさまざまな変形態様を考慮して、画像データが描画実領域からはみ出しているかどうかを判定し、描画実領域からのはみ出し部分の画像データの展開を禁止できるわけではない。
【0010】
そこで、本発明は、画像データの展開位置や変形態様にもとづいて、展開される画像が表示装置に表示される領域からはみ出しているかどうかを判定することにより、画像表示されない画像のはみ出し部分の展開処理を確実に防止することができ、マイクロコントローラの制御負担を軽減することができる遊技機を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明による遊技機は、遊技者が所定の遊技を実行可能であり、所定の遊技の結果として特定結果が得られたときに(例えば可変表示装置に可変表示される識別情報の表示結果が特定表示結果(大当り図柄)となったときに)、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御する遊技機であって、表示状態を変化可能な表示領域を有する画像表示装置(例えば可変表示装置6)を備え、画像表示装置に表示される画像は所定の部品画像(例えばスプライト画像およびムービー画像)の組み合わせにより構成され、部品画像を表示するために用いられる部品画像データ(例えば、スプライト画像データおよびムービー画像データ)が格納される画像データ格納手段(例えばCGROM83)と、画像表示装置に表示される画像を一旦展開するための仮想表示領域(例えばVRAM空間上の表示領域:図21および図25参照)を含む2次元空間の領域(例えばVRAM空間)が確保される一時格納手段(例えばVRAM、すなわちSDRAM84)と、画像データ格納手段に格納された部品画像データを用いた部品画像を一時格納手段における領域の所定位置に展開することを指示する表示制御用マイクロコンピュータ(例えば演出制御用CPU101)と、表示制御用マイクロコンピュータからの指示に応じて、画像データ格納手段に格納された部品画像データを読み出し、読み出した当該部品画像データを用いた部品画像を一時格納手段における領域の所定位置に展開する処理(例えば、ステップS101〜S105、ステップS211〜S213に示す処理)を実行するとともに、一時格納手段における領域内に含まれる仮想表示領域内に展開された画像を画像表示装置に表示する処理(例えば、ステップS105、ステップS223の処理)を実行するマイクロコントローラ(例えばGCL81)とを備え、表示制御用マイクロコンピュータは、画像表示装置に部品画像を変形表示させるとき(例えばステップS103のY、ステップS202,S221のY)に、所定の変形態様(例えば、拡大、縮小または回転)で部品画像を一時格納手段における領域に展開することを指示し(例えば、ステップS884,S865の処理を実行し)、マイクロコントローラは、所定の変形態様で部品画像を展開することが指示されたときには、部品画像を一時格納手段における領域に指示された所定の変形態様で変形させて展開する変形展開手段(例えば、ステップS104,S105、ステップS203,S222,S223を実行する部分)と、所定の変形態様で変形させて部品画像を一時格納手段における領域に展開するときに、展開する部品画像が仮想表示領域内に存在するか否かを判定する領域判定手段(例えば、ステップS105における画像の各画素が表示領域内にあるか否かを判定する部分、ステップS223における画像の各画素が表示領域内にあるか否かを判定する部分)と、領域判定手段により部品画像の少なくとも一部の領域が仮想表示領域外に存在すると判定されたときには、仮想表示領域外に存在する部品画像の領域についての画像の展開を禁止する展開禁止手段(例えば、ステップS105における表示領域外の画像の画素に対して展開を禁止する部分、ステップS223における表示領域外の画像の画素に対して展開を禁止する部分)とを含むことを特徴とする。
【0012】
部品画像にはスプライト画像(図20参照)が含まれ、表示制御用マイクロコンピュータは、マイクロコントローラに対して所定のスプライト画像の展開を指示する前に、当該所定のスプライト画像の全領域が仮想表示領域内に存在することになるか否かを判定するスプライト位置判定手段(例えば、ステップS892を実行する部分)と、スプライト位置判定手段により所定のスプライト画像の全領域が仮想表示領域外に存在することになると判定されたとき(例えば、ステップS893のY,ステップS916)には、マイクロコントローラに対する所定のスプライト画像の展開の指示を禁止する展開指示禁止手段(例えば、ステップS894,S883,S884,S864,S865を実行する部分)とを含むように構成されていてもよい。
【0013】
部品画像には、動画表示されるムービー画像(図25参照)が含まれ、表示制御用マイクロコンピュータは、マイクロコントローラに対して所定のムービー画像の展開を指示する前に、当該所定のムービー画像を展開するためのムービー画像表示領域の全領域が仮想表示領域内に存在することになるか否かを判定するムービー位置判定手段(例えば、ステップS895を実行する部分)と、ムービー位置判定手段によりムービー画像表示領域の全領域が仮想表示領域外に存在することになると判定されたとき(例えば、ステップS896のY,ステップS936)には、マイクロコントローラに対する所定のムービー画像の展開の指示を禁止する展開指示禁止手段(例えば、ステップS897,S883,S884,S864,S865を実行する部分)とを含むように構成されていてもよい。
【0014】
一時格納手段における領域内に複数の仮想表示領域(例えば、図21および図25に示す2つの表示領域0,1)が設定され、マイクロコントローラは、一の仮想表示領域(例えば表示領域0)に展開された画像が画像表示装置に表示されている間に、別の仮想表示領域(例えば表示領域1)に画像を展開する処理を実行するように構成されているのが好ましい。
【0015】
所定の変形態様は、部品画像を縮小、拡大または回転させる態様とされていてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、本実施形態における遊技機としては、LCD等からなる画像表示装置(可変表示装置)により特図ゲームを行う遊技機であり、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader )式の第1種パチンコ遊技機を例にとって説明する。しかし、適用対象となる遊技機は、これに限るものではなく、例えば、LCDを搭載したスロットマシン等の遊技機にも適用可能である。また、パチンコ遊技機等の弾球遊技機であっても、画像表示装置を有するものであれば、例えば、第2種あるいは第3種に分類される遊技機や、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。さらには、プリペイドカード(将来的にはICコイン等も含む価値媒体)によって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機だけでなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機にも適用可能である。すなわち、LCD等からなる画像表示装置を有し、特図ゲームに相当する演出表示を行うことが可能な遊技機であれば、どのような形態のものであっても構わない。
【0017】
まず、CR式第1種パチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面から見た正面図である。パチンコ遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤2と、遊技盤2が着脱可能に取り付けられる遊技機用枠3とで構成される。遊技盤2の前面には遊技領域4が形成されている。なお、遊技機1の前面側の下部右側には、打球を発射するハンドル5が設けられている。
【0018】
遊技領域4の中央付近には、それぞれが識別情報としての図柄を可変表示する複数の可変表示部を含む可変表示装置6が設けられている。可変表示装置6は、LCDによって構成され、「左」、「中」、「右」の3つ特別図柄が表示される図柄表示エリア(可変表示部)が設けられている。図柄表示エリアには、変動表示の表示結果が大当り表示態様であるか否かを特定するための有効ラインが予め設定されている。有効ライン上で最終的に停止した各特別図柄の組合せによって大当り表示態様であるか否かが特定され、有効ライン上に各特別図柄が同一図柄で揃っている場合に大当り表示態様であることが特定される。したがって、遊技者は可変表示装置6における有効ライン上の表示態様を確認することで、大当りとなったか否かを容易に認識することができる。
【0019】
また、可変表示装置6には、始動入賞口7に入った有効入賞球数すなわち始動入賞記憶数を表示する4つの特別図柄始動記憶表示エリア(以下、始動記憶表示エリア)8が設けられている。始動記憶表示エリアには、始動入賞記憶数が4未満のときの有効始動入賞に対応して、入賞表示が行われる。具体的には、通常青色表示であった表示を赤色表示に変化させる。この例では、図柄表示エリアと始動記憶表示エリア8とが区分けされて設けられているので、可変表示中も始動入賞記憶数が表示された状態とすることができる。なお、始動記憶表示エリア8を図柄表示エリアの一部に設けるようにしてもよく、この場合には、可変表示中は始動入賞記憶数の表示を中断するようにすればよい。また、この例では、始動記憶表示エリア8を可変表示装置6に設けるようにしているが、始動入賞記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器)を可変表示装置6とは別個に設けるようにしてもよい。
【0020】
可変表示装置6の下方には、開閉動作を行う普通電動役物9を兼用する始動入賞口7と、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド等を駆動することで開状態とされる大入賞口10とが上下に並んで配設されており、始動入賞口7の左側には、ゲート13が配設されている。大入賞口10は、大入賞口扉11を開閉することによって開状態あるいは閉状態とされる。ゲート13に遊技球が入賞すると、普通図柄表示装置14において表示状態が変化する可変表示が開始される。普通図柄表示装置14の近傍には、普通図柄始動入賞記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器15が設けられている。また、遊技盤2には、複数の入賞口16,17,18,19が設けられている。
【0021】
遊技機用枠3の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ20L,20Rが設けられている。また、遊技領域4の外周には、天枠ランプ21a、左枠ランプ21b及び右枠ランプ21cが設けられている。さらに、図示はしないが、遊技領域4における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾用LEDが設置されている。天枠ランプ21a、左枠ランプ21b及び右枠ランプ21c及び装飾用LEDは、遊技機に設けられている発光体の一例である。
【0022】
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図2を参照して説明する。図2は、遊技機を裏面から見た背面図である。図2に示すように、遊技機裏面側では、可変表示装置6等を制御する演出制御基板100、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)30が設置されている。また、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板40が設置されている。また、所定の電源電圧を供給するための電源回路が搭載された電源基板150や発射制御基板91が設けられている。さらに、主基板30からの各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えた盤用外部端子基板50と、賞球個数や球貸し個数等の各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えた枠用外部端子基板51とが設置されている。
【0023】
図3は、遊技制御部を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、主として、電源部(電源基板)150と、遊技制御部(主基板)30と、入力部52と、出力部53と、演出制御部(演出制御基板)100と、払出制御部(払出制御基板)40と、盤用外部端子基板50と、枠用外部端子基板51とを備えている。
【0024】
遊技制御部30は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM31、ワークメモリとして使用されるRAM32、プログラムに従って制御動作を行うCPU33及びI/Oポート部34を含む。なお、CPU33はROM31に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU33が実行する(又は、処理を行う)ということは、CPU33がプログラムに従って制御を実行することをいう。このことは、主基板30以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。また、図示はしないが、遊技制御部30は、入力部52からの信号入力を受け付けるスイッチ回路と、出力部53に向けて駆動信号の出力を行うソレノイド回路とを備えている。なお、遊技制御部30は、遊技に用いられる各種の乱数を生成する機能、演出制御部100や払出制御部40に制御コマンドを出力する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能等の各種の機能を有している。
【0025】
入力部52は、始動入賞口7への入賞球を検出する始動口スイッチ7a、ゲート13への入賞球を検出するゲートスイッチ13a、大入賞口10から遊技盤2の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域)に入った入賞球を検出する特定領域スイッチ22、大入賞口10からの入賞球を検出するカウントスイッチ23、各入賞口16,17,18,19への入賞球を検出する入賞口スイッチ16a,17a,18a,19a等の各種の検出手段によって構成される。上記の各スイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球の検出等の、各種の検出を行うことができる検出手段であれば、その名称を問わない。
【0026】
出力部53は、可変入賞球装置9を開閉するための普通電動役物ソレノイド9a、開閉板11の開閉に用いられる大入賞口扉ソレノイド11a及び大入賞口10内の経路の切り換えに用いられる大入賞口内誘導板ソレノイド12a等の各種の駆動手段によって構成される。
【0027】
図3に示すように、演出制御部100は、可変表示装置6や普通図柄表示装置14等の表示に関する制御を行う表示制御部80と、スピーカ20L,20R等の音に関する制御を行う音制御部70と、天枠ランプ21a等の発光体に関する制御を行うランプ制御部60とを備えている。演出制御部100は、遊技制御部30からの制御コマンドに基づいて、特別図柄を可変表示する可変表示装置6及び普通図柄を可変表示する普通図柄表示装置14の表示制御、音声出力制御、ランプ表示制御をそれぞれ実行する。
【0028】
払出制御部40は、遊技球の貸出や賞球等の払出制御を実行する機能を有している。また、盤用外部端子基板50及び枠用外部端子基板51は、各種遊技関連情報を外部に出力する役割を果たす。さらに、電源部150は、パチンコ遊技機1内の各回路に、所定の電源電圧を供給するために設けられている。
【0029】
ここで、本例のパチンコ遊技機1における遊技の様子について説明する。打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域4に入り、その後、遊技領域4を下りてくる。打球が始動入賞口7に入り始動口スイッチ7aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、可変表示装置6において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶数を1増やす。
【0030】
可変表示装置6における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時における有効ライン上の特別図柄の組合せが大当り表示態様であると、大当り遊技状態に移行する。具体的には、大入賞口10が、一定時間経過するまで、又は、所定個数(例えば、10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、大入賞口10の開放中に打球がV入賞領域に入賞し特定領域スイッチ22で検出されると、継続権が発生し大入賞口10が再度開放される。継続権の発生は、所定回数(例えば、15ラウンド)許容される。
【0031】
停止時の可変表示装置6における特別図柄の組合せが確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)の組合せである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態(特別遊技状態)となる。
【0032】
なお、可変表示装置6上に表示される特別図柄の仮停止タイミングや変動時間等は、後述する変動パターン指定コマンドに従って一意に定まっている。すなわち、演出制御部100は、変動パターンコマンドを受け取ったタイミングから、可変表示装置6上における特別図柄の変動、スピーカ20L,20Rからの音声出力及びランプ・LED21a等の明滅表示が連動して行われるように制御を実行する。
【0033】
図4は、演出制御基板100の回路構成を示すブロック図である。演出制御基板100は、表示制御部80と、音制御部70と、ランプ制御部60と、各制御部60,70,80の制御を行う演出制御用CPU101と、演出制御用のプログラムや図柄表示・発光・音声出力等の各種の演出パターン等を記憶するROM102と、ワークメモリとして使用されるRAM103とを備えている。なお、図示はしないが、演出制御基板100には、演出制御コマンドの受信に用いられるコマンド受信回路が設けられている。
【0034】
演出制御用CPU101は、ROM102に格納されたプログラムに従って動作し、主基板30からの演出制御コマンドを受信する。そして、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従って、可変表示装置6の表示制御や、発光体の点灯/消灯制御、音出力制御、可動演出装置の駆動制御等の各種制御を行う。
【0035】
可変表示装置6の表示制御は、具体的には、演出制御コマンドに応じた指令をGCL(Graphics Controller LSI)81に与える。GCL81は、CGROM83等から必要なデータを読み出す。なお、CGROM83には、使用頻度の高いキャラクタを示すデータが格納されている。CGROM83に格納されている使用頻度の高いキャラクタとは、例えば、可変表示装置6に表示される人物、動物、又は、文字、図形もしくは記号等からなる画像である。なお、キャラクタには、実写による動画像や静止画像も含まれる。GCL81は、入力したデータに従って可変表示装置6に表示するための画像データを生成し、R(赤),G(緑),B(青)信号及び同期信号を可変表示装置6に出力する。可変表示装置6は、例えば、多数の画素(ピクセル)を用いたドットマトリクス方式による画面表示を行う。本例では、R,G,B信号がそれぞれ8ビットで表される。したがって、可変表示装置6は、GCL81からの指示に従って、R,G,Bそれぞれが256階調であり、約1670万色の多色表示を行うことができる。なお、R,G,B信号のビット数は8ビット以外のビット数であってもよく、また、R,G,B信号の各ビット数が互いに異なる数であってもよい。
【0036】
表示制御部80には、CGROM83やSDRAM(VRAM)84等の各種の記憶媒体が備えられている。SDRAM84には、フレームバッファ、キャラクタのソースデータ、表示色の特定や変更等のために用いられるパレットデータ等の表示画像に関するデータが格納される。また、表示制御部80は、GCL81と、普通図柄表示装置14に信号を出力するための普通図柄駆動回路82とを備えている。
【0037】
GCL81は、所定のパレットデータを一時的に保存するためなどに用いられるパレットデータバッファ85や、所定のCGデータを一時的に保存するためなどに用いられるCGデータバッファ86等の各種の記憶媒体の他、描画制御部と、可変表示装置6に信号を出力するための可変表示装置制御部87及びDAC(ディジタルアナログコンバータ)88と、動画圧縮処理や伸張処理を行う動画圧縮伸張部89とを含む。描画制御部は、アトリビュート解析部81aと、VRAMアドレス生成部81bと、クリッピング部81cと、半透明輝度変調部81dとを含む。アトリビュート解析部81aは、キャラクタを描画する際に使用されるパラメータ(これをアトリビュートと呼ぶ。)の解析を行う。このパラメータには、画像の描画順序、色数、拡大縮小率、パレット番号、座標等を指定するための情報が設定されている。なお、動画圧縮伸張部89は、GCL81によって制御される構成としても、演出制御用CPU101によって制御される構成としてもよい。
【0038】
音制御部70は、遊技制御部30からの制御コマンドに従って音声や効果音を発生する音声IC71と、音声データ等を記憶する音声ROM72と、音声信号を増幅してスピーカ20L,20Rに出力するための低周波増幅回路73と、低周波増幅回路73から出力される音声信号の出力レベルを設定されている音量に応じたレベルにするディジタルボリューム74とを備えている。
【0039】
ランプ制御部60は、ランプ・LED24に含まれている遊技状態飾りランプ24aに信号を出力するためのランプ駆動回路61と、ランプ・LED24に含まれている遊技状態飾りLED24bに信号を出力するためのLED駆動回路62とを備えている。
【0040】
次に遊技機の動作について説明する。図5は、主基板30における遊技制御手段(CPU33及びROM,RAM等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU33は、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU33は、まず、必要な初期設定を行う。
【0041】
初期設定処理において、CPU33は、まず、割込み禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込みモードを割込みモード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)及びPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。
【0042】
この実施の形態で用いられるCPU33は、I/Oポート(PIO)及びタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。また、CTCは、2本の外部クロック/タイマトリガ入力CLK/TRG2,3と2本のタイマ出力ZC/TO0,1を備えている。
【0043】
この実施の形態で用いられているCPU33には、マスク可能な割込のモードとして以下の3種類のモードが用意されている。なお、マスク可能な割込が発生すると、CPU33は、自動的に割込み禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
【0044】
割込みモード0:割込み要求を行った内蔵デバイスがRST命令(1バイト)又はCALL命令(3バイト)をCPUの内部データバス上に送出する。よって、CPU33は、RST命令に対応したアドレス又はCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行する。リセット時に、CPU33は自動的に割込みモード0になる。よって、割込みモード1又は割込みモード2に設定したい場合には、初期設定処理において、割込みモード1又は割込みモード2に設定するための処理を行う必要がある。
【0045】
割込みモード1:割込が受け付けられると、常に0038(h)番地に飛ぶモードである。
【0046】
割込みモード2:CPU33の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。すなわち、割込み番地は、上位アドレスが特定レジスタの値とされ下位アドレスが割込みベクタとされた2バイトで示されるアドレスである。したがって、任意の(飛び飛びではあるが)偶数番地に割込み処理を設置することができる。各内蔵デバイスは割込み要求を行うときに割込みベクタを送出する機能を有している。
【0047】
よって、割込みモード2に設定されると、各内蔵デバイスからの割込み要求を容易に処理することが可能になり、また、プログラムにおける任意の位置に割込み処理を設置することが可能になる。さらに、割込みモード1とは異なり、割込み発生要因毎のそれぞれの割込み処理を用意しておくことも容易である。上述したように、この実施の形態では、初期設定処理のステップS2において、CPU33は割込みモード2に設定される。
【0048】
次いで、CPU33は、遊技機に設けられているクリアスイッチがオン状態であるか否かを確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU33は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS12)。クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えば、パリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU33は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
【0049】
バックアップありを確認したら、CPU33は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS9)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
【0050】
初期化処理では、CPU33は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う。さらに、サブ基板(演出制御基板100、払出制御基板40)を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS11)。初期化コマンドとして、可変表示装置6に表示される初期図柄を示すコマンドや、払出可能状態であることを示す払出可能状態指定コマンド等がある。
【0051】
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込みがかかるようにCPU33に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS12)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
【0052】
初期化処理の実行(ステップS10〜S12)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS14)及び初期値用乱数更新処理(ステップS15)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理及び初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込み禁止状態とされ(ステップS13)、表示用乱数更新処理及び初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込み許可状態とされる(ステップS16)。表示用乱数とは、可変表示装置6に表示される図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用乱数発生カウンタ)等の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理において、大当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
【0053】
なお、表示用乱数更新処理が実行されるときには割込み禁止状態とされるのは、表示用乱数更新処理が後述するタイマ割込み処理でも実行されることから、タイマ割込み処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS14の処理中にタイマ割込みが発生してタイマ割込み処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS14の処理中では割込み禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
【0054】
タイマ割込みが発生すると、CPU33は、レジスタの退避処理(ステップS20)を行った後、図6に示すステップS21〜S31の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU33は、まず、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ12a、始動口スイッチ7a、カウントスイッチ23及び入賞口スイッチ16a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
【0055】
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23)。CPU33は、さらに、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS24)。
【0056】
この例では、大当りを発生させるか否かの決定に用いられる大当り判定用乱数、特別図柄の左中右のはずれ図柄の決定に用いられるはずれ図柄決定用乱数、大当りを発生させる際の特別図柄の組合せを決定する際に用いられる大当り図柄決定用乱数、特別図柄の変動パターンの決定に用いられる変動パターン決定用乱数、普通図柄に基づく当りを発生させるか否かの決定に用いられる普通図柄当り判定用乱数、各乱数の初期値の決定に用いられる初期値決定用乱数等の各種の乱数が用意されている。
【0057】
ステップS23では、CPU33は、大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、及び普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数又は初期値用乱数である。
【0058】
さらに、CPU33は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示装置14の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0059】
次いで、CPU33は、特別図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:ステップS27)。また、普通図柄に関する演出制御コマンドをRAM32の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:ステップS28)。
【0060】
さらに、CPU33は、例えば、ホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
【0061】
また、CPU33は、所定の条件が成立したときにソレノイド回路に駆動指令を行う(ステップS30)。可変入賞球装置9又は開閉板11を開状態又は閉状態としたり、大入賞口10内の遊技球通路を切り替えたりするために、主基板30が備えるソレノイド回路は、駆動指令に応じてソレノイド9a,11a,12aを駆動する。
【0062】
そして、CPU33は、入賞口スイッチ16a,17a,18a,19aの検出信号に基づく賞球個数の設定等を行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、入賞口スイッチ16a,17a,18a,19aのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板40に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板40に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置を駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS32)、割込み許可状態に設定する(ステップS33)。
【0063】
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込み処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込み処理では例えば、割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0064】
この実施の形態では、左図柄、中図柄及び右図柄として、それぞれ「1」〜「12」の図柄が、可変表示装置6において可変表示(変動)される。「1」〜「12」の図柄には、図柄番号0〜11の図柄番号が付されている。また、可変表示装置6における最終停止図柄(確定図柄)がそろった場合に大当りが発生する。そして、奇数の図柄でそろった場合に、大当りが発生する確率が向上した状態である高確率状態(確変状態)に変化する。
【0065】
図7は、CPU33が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図7に示す特別図柄プロセス処理は、図6のフローチャートにおけるステップS25の具体的な処理である。CPU33は、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理(ステップS310)及び入賞確認処理(ステップS311)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS301〜S309のうちのいずれかの処理を行う。変動短縮タイマは、特別図柄の変動時間が短縮される場合に、変動時間を設定するためのタイマである。
【0066】
入賞確認処理(ステップS311):始動入賞口7に打球入賞して始動口スイッチ7aがオンするのを待つ。始動口スイッチ7aがオンすると、始動入賞記憶数が満タン(この実施の形態での最大値である4に達している状態)でなければ、始動入賞記憶数を1加算するとともに、大当り決定用乱数等の各乱数を抽出する。そして、それらを始動入賞記憶数の値に対応した乱数値格納エリアに格納する。また、加算した後の始動入賞記憶数を指定する始動入賞記憶指定のコマンドを送信するための処理を行う。
【0067】
特別図柄通常処理(ステップS301):特別図柄の可変表示を開始できる状態(特別図柄プロセスフラグの値がステップS301を示す値となっている場合)になるのを待つ。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS301を示す値となっている場合とは、可変表示装置6において図柄の変動がなされておらず、かつ、大当り遊技中でもない場合である。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
【0068】
停止図柄設定処理(ステップS302):始動入賞記憶数=1に対応する乱数値格納エリアに格納されている値を読み出すとともに、始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、各乱数値格納エリアの値をシフトする。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する乱数値格納エリアに格納されている各値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する乱数値格納エリアに格納する。次いで、始動入賞記憶数=1に対応する乱数値格納エリアに格納されている値(大当り判定用乱数の値等)に基づいて、大当り、ハズレ、リーチとするか等を判定し、その判定結果や可変表示開始時の制御状態等に基づいて、左中右図柄の停止図柄を決定する。処理を終えると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
【0069】
変動パターン設定処理(ステップS303):停止図柄設定処理にて決定された停止図柄や変動パターン決定用乱数の値に基づいて、図柄の変動パターンを決定する。処理を終えると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
【0070】
全図柄変動処理(ステップS304):可変表示装置6において全図柄が変動開始されるように制御する。このとき、演出制御基板100に対して、左中右最終停止図柄と変動態様(変動パターン)を指令する情報(演出制御コマンド)とが送信される。具体的には、遊技制御手段は、可変表示を開始させるときに、変動パターン指定の演出制御コマンドを送信し、続いて、左図柄指定、中図柄指定、右図柄指定の演出制御コマンドを送信する。処理を終えると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。
【0071】
全図柄停止処理(ステップS305):所定時間(ステップS304でタイマにセットされる値に応じた時間)が経過すると、左右中図柄を最終停止(確定)させるために全図柄の停止を指示する演出制御コマンドを送信する。この演出制御コマンドの受信に基づいて、可変表示装置6において表示される全図柄が停止される。そして、遊技制御手段は、停止図柄が大当り図柄の組合せである場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS301に移行するように更新する。
【0072】
大入賞口開放前処理(ステップS306):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、大入賞口扉ソレノイド11aを駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当りフラグ(大当り中であることを示すフラグ)のセットを行う。処理を終えると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に移行するように更新する。
【0073】
大入賞口開放中処理(ステップS307):大入賞口ラウンド表示の演出制御コマンドデータを演出制御基板100に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最終的な大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態をステップS308に移行するように更新する。
【0074】
特定領域有効時間処理(ステップS308):特定領域スイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS306に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、又は、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS309に移行するように更新する。
【0075】
大当り終了処理(ステップS309):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知するための表示を指示する演出制御コマンドの送信を行う。その表示期間が終了したら、内部状態をステップS301に移行するように更新する。
【0076】
本例では、遊技制御手段から各電気部品制御手段に対する指示等の情報伝達は、制御コマンドによって行われる。制御コマンドは、例えば、2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。演出制御基板100に搭載されている演出制御手段は、INT信号(取込信号)が立ち上がったことを検知して、割込み処理によって1バイトのデータ(MODEデータ)の取り込み処理を開始し、その後の割込み処理によって1バイトのデータ(EXTデータ)の取り込み処理を開始する。
【0077】
次に、演出制御手段の動作を説明する。図8は、演出制御用CPU101が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込みフラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込みが発生すると、演出制御用CPU101は、割込み処理処理内でタイマ割込みフラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込みフラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
【0078】
この実施の形態では、タイマ割込みは2ms毎にかかる。すなわち、演出制御処理は、2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込み処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込み処理で演出制御処理を実行してもよい。
【0079】
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析実行処理:ステップS704)。次いで演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。そして、演出制御基板100で用いられる各種の乱数カウンタを更新する処理を実行する(ステップS706)。次いで、演出制御用CPU101は、図示しない遊技演出装置による演出を行う場合に、図示しない可動役物制御部が備えるソレノイド回路に駆動指令を行う(ソレノイド出力処理:ステップS707)。遊技演出装置を動作させるために、ソレノイド回路は、駆動指令に応じてソレノイドを駆動する。
【0080】
次いで、演出制御用CPU101は、GCL割込の発生の有無を確認する(ステップS708)。GCL割込みの発生の有無は、GCL81からVブランク開始時に出力される割込信号(INT信号)にもとづいて確認される。Vブランクは、VRAM84の表示領域(図21および図25参照)に展開された画像を可変表示装置6の表示領域に描画し終えてから、VRAM84の表示領域に次に展開された画像を可変表示装置6の表示領域に描画し始めるまでの期間をいう。GCL81は、Vブランク開始時に割込信号を演出制御用CPU101に出力してGCL割込み(Vブランク割込)をかける。例えば、1秒間に30フレームの画像が描画される場合は、約33ms毎にGCL割込がかけられることになる。
【0081】
演出制御用CPU101は、GCL81からの割込信号を受け取るための割込端子(INT端子)を備えている。演出制御用CPU101は、割込端子の入力レベルがローレベルに立ち下がると、外部割込みとしてのGCL割込みの発生を検出する。例えば、図9に示すように、演出制御用CPU101は、GCL割込みの発生を検出すると、GCL割込み有りを示すフラグをレジスタに設定する(ステップS711)。
【0082】
演出制御用CPU101は、GCL割込み有りとなると、割込み処理として画像展開指示制御処理を行う(ステップS709)。画像展開指示制御処理では、後述するように、GCL81に対して画像の展開指示を行うか否かを判定し、展開指示を行わないと判定した画像について展開指示を禁止する制御を行う。GCL割込み有りとならなかったとき、また画像展開指示制御処理を実行した後、ステップS702のタイマ割込みフラグの確認を行う処理に戻る。
【0083】
次に、主基板31からの演出制御コマンド受信処理について説明する。図10は、主基板31から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよく、例えば、図柄指定コマンド格納領域を3個(2×3=6バイトのコマンド受信バッファ)、それ以外の変動パターン指定などのコマンド格納領域を1個(2×1=2バイトのコマンド受信バッファ)のようなバッファ構成としてもよい。音声制御手段や、ランプ制御手段においても同様に、リングバッファ形式でないバッファ形式としてもよい。
【0084】
主基板31からの演出制御用のINT信号は演出制御用CPU101の割込端子に入力されている。例えば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、演出制御用CPU101において割込がかかる。そして、演出制御用CPU101は、割込処理において演出制御コマンドの受信処理を実行する。演出制御コマンドの受信処理において、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドデータを、コマンド受信個数カウンタが示す受信コマンドバッファに格納する。
【0085】
図11は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
【0086】
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+1しておく。
【0087】
受信した演出制御コマンドが特別図柄左指定の演出制御コマンド(91XX(H))であれば(ステップS613)、演出制御用CPU101は、「XX」で示される左図柄を示すデータを、RAMにおける左図柄格納領域に格納する(ステップS614)。また、特別図柄中指定の演出制御コマンド(92XX(H))であれば(ステップS616)、演出制御用CPU101は、「XX」で示される中図柄を示すデータを、RAMにおける中図柄格納領域に格納する(ステップS617)。そして、特別図柄右指定の演出制御コマンド(93XX(H))であれば(ステップS618)、演出制御用CPU101は、「XX」で示される右図柄を示すデータを、RAMにおける右図柄格納領域に格納する(ステップS619)。
【0088】
また、受信した演出制御コマンドが変動パターン指定の演出制御コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、そのコマンドのEXTデータを変動パターンデータ格納領域に格納し(ステップS622)、変動パターン受信フラグをセットする(ステップS623)。
【0089】
受信した演出制御コマンドが始動入賞記憶数指定の演出制御コマンドであれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、RAMにおける始動入賞数記憶領域の始動入賞記憶数を演出制御コマンドで指定された数に更新する(ステップS632)。また、可変表示装置6において表示色が変化する始動記憶表示エリア18の数を更新する(ステップS633)。さらに、予告乱数カウンタの値を+1する(ステップS634)。なお、予告乱数カウンタのカウント値が最大値を越えたら、その値を0に戻す。また、予告乱数カウンタが複数設けられている場合には、各予告乱数カウンタの歩進がなるべく同期しないように、例えば、予告乱数カウンタn(予告乱数カウンタが4つ設けられている場合であればn=1〜3)のカウント値が0に戻されるときに、予告乱数カウンタn+1のカウント値を+1するようにしてもよい。
【0090】
そして、ステップS612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS635)。
【0091】
図12は、図8に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
【0092】
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、変動時間を特定可能な演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、コマンド解析処理によって、変動パターン指定の演出制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる(ステップS623)。
【0093】
予告選択処理(ステップS801):大当りまたはリーチとなる可能性が高いことを遊技者に報知する予告演出を行うことになっているか否かと、行う場合の予告演出の演出態様とを確認し、予告演出に用いる演出手段を選択して演出態様を確定させる。
【0094】
全図柄変動開始処理(ステップS802):左中右図柄の変動が開始されるように制御する。
【0095】
図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行う。
【0096】
全図柄停止待ち設定処理(ステップS804):変動時間の終了時に、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(特別図柄停止の演出制御コマンド)を受信していたら、図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行う。
【0097】
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行う。
【0098】
大当たり遊技中処理(ステップS806):大当たり遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
【0099】
図13は、変動パターンテーブル毎に設定されているプロセスデータの一構成例を示す説明図である。プロセスデータは、プロセスタイマ設定値と演出制御実行データの組合せが複数集まったデータで構成されている。各演出制御実行データには、可変表示装置6等の表示制御の変動パターンを構成する各変動態様が記載されている表示制御実行データと、ランプ・LED等の表示制御の変動パターンを構成する各変動態様が記載されているランプ制御実行データとが含まれている。具体的には、表示制御実行データは、各変動態様の可変表示装置6の表示状態を示すデータが設定されている。より詳しくは、表示状態を示すデータには、可変表示装置6に可変表示される各フレーム(動画像を構成する単位となる1枚の画像)を構成する背景、図柄、キャラクタ等の画像の種類(静止画像、スプライト画像、ムービー画像)、位置、サイズを示すデータが含まれている。また、所定の画像を変形表示させる場合はその変形態様(例えば縮小、拡大または回転)を示すデータ(縮小/拡大率、回転率)が含まれている。さらに、複数の画像を重畳して(幾重にも重ねて)表示させる場合は、いずれの画像を前面側に表示させるかを示す優先度に関するデータも含まれている。なお、フレームにムービー画像が含まれている場合は、画像の位置、サイズおよび変形態様を示すデータは、ムービー画像を動画表示するムービー画像表示領域の位置、サイズおよび変形態様を示すデータとなる。ランプ制御実行データは、各変動態様のランプ・LEDの表示状態を示すデータが設定されている。
【0100】
また、プロセスタイマ設定値には、演出制御実行データの各変動態様での変動時間(変動態様の切替のタイミングに応じた時間)が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセスデータを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ演出制御実行データに設定されている変動態様で画像を変動表示させたり、発光体を点灯/消灯させたりする制御を行う。
【0101】
図13に示すプロセスデータは、演出制御基板100におけるROMに格納されており、全図柄変動開始処理(ステップS802)にて、使用テーブルとして選択された変動パターンテーブルに設定されているプロセスデータに基づく可変表示装置6およびランプ・LED24の制御が開始され、図柄変動中処理(ステップS803)にて、演出制御実行データに応じた制御が順次実行される。なお、プロセスデータは、各変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。
【0102】
このように、演出制御手段が、ROMに記憶されているプログラムおよびプロセスデータにもとづいて演出手段を制御し、複数の演出手段(この実施の形態では可変表示装置6およびランプ・LED)の制御に関わるプログラムが、演出制御基板80に搭載されているROMに格納されている。そして、それらのプログラムを格納するROMを1つのROMとして構成することができる。従って、部品点数を減らすことができる。また、ROMに記憶されているプロセスデータのうち、プロセスタイマ設定値が共通化されている。従って、演出制御手段のROM容量を節減することができる。なお、演出制御実行データについても、表示制御実行データとランプ制御実行データとを共通化できるのであれば、1つの演出制御実行データとしてもよい。このように、この実施の形態では、複数の演出手段の制御に関わるデータのうち少なくとも一部のデータを同一ROMに格納することができる。
【0103】
図14は、図12に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS871)。セットされていたら、そのフラグをリセットする(ステップS872)。そして、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS801)に対応した値に変更する(ステップS873)。
【0104】
図15は、図12に示された演出制御プロセス処理における予告選択処理(ステップS801)を示すフローチャートである。予告選択処理において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドに基づいて予告するか否かを判定する(ステップS811)。具体的には、受信した変動パターンコマンドのEXTデータを参照して、予告演出の実行を指定する変動パターンコマンドがあるか否か判定する。例えば、受信した変動パターンコマンドのEXTデータが示す値と同一の値が、図示しない予告態様判定用テーブルに設定されている予告態様判定用判定値の中に含まれているか否かを判定することによって行われる。
【0105】
次いで、演出制御用CPU101は、予告すると判定した場合には(ステップS812)、予告態様判定用テーブルを用いて、受信した変動パターンコマンドのEXTデータが示す値と同一値の予告態様判定用判定値に対応付けされている予告態様で予告演出を実行することに決定する(ステップS813)。なお、ステップS813にて決定された予告態様を示す予告態様データは、演出制御基板80が備えるRAMに設けられている演出態様バッファに記憶される。
【0106】
また、演出制御用CPU101は、演出手段決定用予告乱数を抽出し(ステップS814)、受信した変動パターンコマンドのEXTデータに基づいて判定される大当り/はずれの判定結果に応じた演出手段決定用テーブルを使用テーブルに設定する。そして、抽出した演出手段決定用予告乱数の値と同一の演出手段決定用判定値に対応する演出手段を、予告演出にて使用する演出手段に決定する(ステップS815)。なお、ステップS815にて予告演出に使用することに決定された演出手段を示す演出手段名データは、演出制御基板80が備えるRAMに設けられている演出手段名バッファに記憶される。
【0107】
そして、決定した予告演出に対応した予告開始時間決定タイマをスタートする(ステップS816)。さらに、演出制御プロセスフラグを全図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に更新する(ステップS817)。予告開始時間決定タイマは、可変表示装置6において図柄の変動が開始されてから、予告演出を開始するタイミングを決定するためのタイマである。なお、ステップS812において予告演出を行わないと判定した場合には、ステップS817に移行する。
【0108】
図16は、演出制御プロセス処理における全図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。全図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、特別図柄の可変表示の変動パターンに応じたプロセスデータを選択する(ステップS881)。そして、選択したプロセスデータにおける演出実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(ステップS882)。次いで、演出制御用CPU101は、図19のステップS894,S897においてレジスタに設定される可変表示装置6の表示領域外に存在するスプライト画像およびムービー画像の展開指示を禁止する展開指示禁止データを参照してから(ステップS883)、プロセスデータ中の表示制御実行データ1にもとづいてLCD制御を行う(ステップS884)。具体的には、演出制御用CPU101は、展開指示禁止データがレジスタに設定されていないかどうかを確認する。そして、展開指示禁止データがレジスタに設定されていない場合は、演出制御用CPU101は、表示制御実行データ1に画像をVRAM84に展開すべきことを示すデータが設定されていれば、そのデータの内容に従って、可変表示装置6に表示されるフレームに配置される各部品画像(静止画像、スプライト画像およびムービー画像)のVRAM84への展開を指示する信号をGCL81に出力する。展開指示禁止データがレジスタに設定されている場合は、可変表示装置6の表示領域外に存在する展開指示が禁止されたスプライト画像またはムービー画像を除く各部品画像のVRAM84への展開を指示する信号をGCL81に出力する。
【0109】
画像の展開指示の信号には、各部品画像の展開位置やサイズを示すデータが含まれている。また、所定の部品画像を変形(縮小、拡大または回転)させて表示させる場合には、その所定の部品画像の変形態様を示すデータ(縮小/拡大率、回転率)も含まれる。また、複数の部品画像を重畳して表示させる場合には、いずれの部品画像を前面側に表示するかを示す優先度に関するデータも含まれる。演出制御用CPU101からの画像の展開指示の信号にもとづくGCL81による画像の展開処理については後述する。なお、表示制御実行データにはROMのアドレスが設定され、そのアドレスから始まる領域に、より詳細な制御データを格納しておき、それらの制御データに従ってLCD制御を行うように構成してもよい。
【0110】
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ中のランプ制御実行データ1にもとづいてランプ・LED制御を行う(ステップS885)。例えば、ランプ制御実行データ1の内容に応じた信号をランプ制御部60に与える。ランプ制御部60は、演出制御用CPU101からの信号にもとづいて、各ランプ・LED24の点灯/消灯を制御する。なお、ランプ制御実行データにはROMのアドレスが設定され、そのアドレスから始まる領域に、より詳細な制御データを格納しておき、それらの制御データに従ってランプ・LED制御を行うように構成してもよい。
【0111】
また、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じた音番号データを音声制御部70に出力する(ステップS886)。音声制御部70において、音声IC71は、音番号データに応じたデータを音声ROM72から読み出し、読み出したデータに応じた音声や効果音を発生し低周波増幅回路73に出力する。低周波増幅回路73は、デジタルボリューム74で設定されている音量に応じた出力レベルに増幅した音声信号をスピーカ20L,20Rに出力する。
【0112】
その後、変動時間タイマ(特別図柄の変動時間に応じたタイマ)をスタートし(ステップS887)、演出制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理に対応した値にする(ステップS888)。
【0113】
図17は、演出制御プロセス処理における図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、予告開始時間決定用タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS851)。なお、図15のステップS816において予告開始時間決定タイマがスタートされていない場合は、予告演出が行われない場合である。この場合、ステップS854〜S856に移行する必要がないため、演出制御用CPU101は、予告開始時間決定タイマがスタートされていないことを確認することにより、ステップS861に移行する。
【0114】
予告開始時間決定タイマがタイムアウトしていたら、演出制御用CPU101は、演出手段名バッファに設定されている演出手段すなわち予告演出を実行することに決定されている演出手段を示すデータと演出態様バッファに設定されている演出態様とに対応したプロセスデータを選択する(ステップS854)。すなわち、以後、選択したプロセスデータを用いて演出手段の演出を制御することに決定する。また、予告演出でスピーカ20L,20Rを使用する場合には、予告の演出態様に応じた音番号データを音声制御部70に出力する(ステップS855,S856)。音声制御部70において、音声IC71は、音番号データに応じたデータを音声ROM72から読み出し、読み出したデータに応じた音声や効果音を発生し低周波増幅回路73に出力する。低周波増幅回路73は、デジタルボリューム74で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ20L,20Rに出力する。
【0115】
なお、演出制御手段は、予告演出の演出制御を、変動時間タイマがタイムアウトする前すなわち変動表示結果が確定する前に終了する。この終了時期は、リーチ演出表示態様となる旨を予告するリーチ予告報知として予告演出を実行する場合には例えば左右図柄が停止する前(リーチとなるか否かが確定する前)、大当りとなる旨を予告する大当り予告報知として予告演出を実行する場合には例えば左右図柄が揃った後(リーチとなった後)の可変表示期間中などとすればよい。このような予告演出は実際には大当り遊技などの発生を予告しているものではないが、遊技演出のバリエーションを豊富にするために効果的である。また、非確変大当り予告報知に用いられる予告の種類と確変大当り予告報知に用いられる予告の種類とを別にして、非確変大当り予告報知と確変大当り予告報知とを区別して実行するようにしてもよい。
【0116】
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS861)、プロセスデータにおける演出制御実行データの切り替えを行う(ステップS862)。すなわち、プロセスデータにおいて、次に設定されているプロセスタイマをスタートさせるとともに(ステップS863)、図19のステップS894,S897においてレジスタに設定される展開指示禁止データを参照してから(ステップS864)、次に設定されている表示制御実行データにもとづいてLCD制御を行う(ステップS865)。また、プロセスデータ中の次に設定されているランプ制御実行データにもとづいてランプ・LED制御を行う(ステップS866)。なお、展開指示禁止データの参照(ステップS864)および表示制御実行データにもとづくLCD制御(ステップS865)の処理は、上述した図16のステップS883、S884と同様である。
【0117】
そして、変動時間タイマがタイムアウトしていたら(ステップS867)、特別図柄停止の表示制御コマンドの受信を監視するための監視タイマをスタートさせ(ステップS868)、演出制御プロセスフラグの値を全図柄停止待ち処理に対応した値にする(ステップS869)。
【0118】
図18は、演出制御プロセス処理における全図柄停止待ち処理(ステップS804)を示すフローチャートである。全図柄停止待ち処理において、演出制御用CPU101は、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(特別図柄停止の演出制御コマンド)を受信しているか否か確認する(ステップS841)。全図柄停止を指示する演出制御コマンドを受信していれば、記憶されている停止図柄で図柄を停止させる制御を行う(ステップS842)。
【0119】
そして、ステップS842で大当り図柄を表示した場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS844)。
【0120】
ステップS842で大当り図柄を表示しない場合(はずれ図柄を表示した場合)には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に設定する(ステップS844)。
【0121】
全図柄停止を指定する演出制御コマンドを受信していない場合には、監視タイマがタイムアウトしているかどうか確認する(ステップS848)。タイムアウトした場合には、何らかの異常が発生したと判断して、可変表示装置6にエラー画面を表示する制御を行う(ステップS849)。そして、ステップS843に移行する。
【0122】
図19は、図8に示されたメイン処理における画像展開指示制御処理(ステップS709)の例を示すフローチャートである。画像展開指示制御処理において、まず、演出制御用CPU101は、現在用いられている特別図柄の可変表示の変動パターンに応じたプロセスデータを選択する(ステップS891)。そして、演出制御用CPU101は、選択したプロセスデータ中の現在演出制御プロセス処理において用いられている表示制御実行データの次の表示制御実行データを参照し、その表示制御実行データに、スプライト画像をVRAM84に展開すべきことを示すデータが設定されていれば、そのスプライト画像の全ての部分(スプライト画像が占める全領域)がVRAM84の表示領域外に展開されるか否かを判定するスプライト展開位置判定処理を実行する(ステップS892)。スプライト画像の全ての部分が表示領域外に展開されると判定すると、演出制御用CPU101は、レジスタに表示領域外に展開されるスプライト画像の展開指示を禁止する展開指示禁止データを設定する(ステップS893,S894)。展開指示禁止データは、上述したステップS883,S864において参照される。なお、スプライト画像をVRAM84に展開すべきことを示すデータには、VRAM84における展開位置を示す座標情報も含まれている。また、現在演出制御プロセス処理において用いられている表示制御実行データとは、ステップS862において切り替えられる前の表示制御実行データである。
【0123】
なお、スプライト展開位置判定処理では、表示制御実行データ中に複数のスプライト画像に関するデータが存在する場合、複数のスプライト画像のそれぞれについて全ての部分が表示領域外に存在するか否かを判定する。演出制御用CPU101は、複数のスプライト画像のうちの表示領域外に展開される所定のスプライト画像の展開指示を禁止する展開指示禁止データをレジスタに設定する。
【0124】
次に、演出制御用CPU101は、現在用いられているプロセスデータ中の現在用いられている表示制御実行データの次の表示制御実行データを参照して、VRAM84に展開されるべきムービー画像(すなわちムービー画像表示領域)の全ての部分(ムービー画像表示領域が占める全領域)がVRAM84の表示領域外に展開されるか否かを判定するムービー展開位置判定処理を実行する(ステップS895)。ムービー画像の全ての部分が表示領域外に展開されると判定すると、演出制御用CPU101は、レジスタに表示領域外に存在するムービー画像の展開指示を禁止する展開指示禁止データを設定する(ステップS896,S897)。展開指示禁止データも、上述したステップS883,S864において参照される。
【0125】
なお、ムービー展開位置判定処理においても、表示制御実行データ中に複数のムービー画像に関するデータが存在する場合、複数のムービー画像のそれぞれについて全ての部分が表示領域外に展開されるか否かを判定する。演出制御用CPU101は、複数のムービー画像のうちの表示領域外に展開される所定のムービー画像の展開指示を禁止する展開指示禁止データをレジスタに設定する。
【0126】
図20は、可変表示装置6に表示されるスプライト画像の表示例を示す説明図である。スプライト画像は、可変表示装置6の表示領域に表示される画像全体のうちの一部分を構成する画像であり、図20に示す例では識別情報としての特別図柄「7」とされている。当該スプライト画像のサイズは、水平サイズ(横の幅)がmであり、垂直サイズ(縦の幅)がnである。なお、スプライト画像として、図20に示す特別図柄に限られるわけではなく、例えば、リーチ演出や予告演出の際に現れる特別図柄以外のキャラクタ等であってもよい。
【0127】
図21は、VRAM空間における表示領域の設定位置およびスプライト画像の展開位置の例を示す説明図である。図21に示すように、画像メモリとしてのVRAM84は、所定サイズの2次元の空間になっている。2次元のVRAM空間は、ドット単位の2次元座標で表され、図21の例ではVRAM空間の左上座標が原点(0,0)とされている。VRAM空間の所定位置には、2つの表示領域0,1が設定されている。VRAM空間に設定された表示領域0,1は、フレームバッファとして機能するものであって、表示領域0,1内に展開された画像が可変表示装置6の表示領域(画面)に描画されることにより画像表示される。表示領域0は、左上座標が(X0,Y0)の位置に設定され、表示領域1は、左上座標が(X1,Y0)の位置に設定されている。表示領域0,1は、いずれも、水平サイズがHであり、垂直サイズがVである。
【0128】
VRAM空間に設定されたフレームバッファとしての2つの表示領域0,1を用いて、転送されてくる画像データを保持することをダブルバッファリングという。GCL81は、一方の表示領域(例えば表示領域0)に展開された画像が可変表示装置6に表示されている間に、他方の表示領域(例えば表示領域1)に画像データを展開する処理を実行する。このような構成によれば、展開処理における画像データの誤り等が少なくなり、間違った画像データによる画像表示を防止することができるようになる。なお、2つの表示領域0,1に交互に画像データが展開される必要はなく、必要な場合は、一方の表示領域に続けて画像データを展開するようにされていてもよい。また、図21に示す例では、VRAM空間には、2つの表示領域0,1が設けられていたが、3つ以上の表示領域が設けられてもよい。
【0129】
図21(A)では、図20に例示したスプライト画像の全ての部分が表示領域0内に展開されているが、図21(B)では、スプライト画像の全ての部分が表示領域0外のVRAM空間に展開されている。このように、スプライト画像を表示領域外に展開してもスプライト画像が画像表示されず、遊技者の見た目で認識されないため無意味なようにも思えるが、実際にはスプライト画像が表示領域外に展開されることも生じ得る。例えば、スプライト画像が可変表示装置6の表示領域外から現れて、表示領域内を移動し、表示領域外に消えていくような可変表示を実現するために、実際には画像表示として現れないスプライト画像であってもVRAM空間に展開しておくことがある。なお、図21の例では、スプライト画像のVRAM空間上の展開位置を特定する座標をスプライト画像の左上座標(x,y)としている。
【0130】
図22は、画像展開指示制御処理におけるスプライト展開位置判定処理(ステップS892)の例を示すフローチャートである。スプライト展開位置判定処理において、まず、演出制御用CPU101は、現在、VRAM空間の表示領域1に展開された画像が可変表示装置6に表示されている最中であるか否かを判定する(ステップS901)。表示領域1に展開された画像が表示中であるか否かは、例えば、GCL81が現在の画像表示中の表示領域に関する信号を演出制御用CPU101に出力するように構成されることにより、当該信号にもとづいて演出制御用CPU101において認識することができる。
【0131】
ステップS901において、現在、表示領域1に展開された画像が表示中であると判定された場合は、次に表示領域0に画像データが展開されることになる。この場合、演出制御用CPU101は、表示領域0に展開されるスプライト画像の展開位置を判定するために、表示領域0のVRAM空間上の位置(X0,Y0)とサイズ(H,V)を認識するとともに(ステップS902)、VRAM空間に展開されるスプライト画像の展開位置(x,y)とサイズ(m,n)を認識する(ステップS903)。表示領域0の位置とサイズを示すデータは、例えばROM102に格納されたプログラムやプロセスデータ中の表示制御実行データに予め設定されているものとする。このようなデータにもとづいて演出制御用CPU101は表示領域0の位置とサイズを認識する。また、スプライト画像の展開位置とサイズを示すデータは、プロセスデータ中の表示制御実行データに設定されている。従って、このようなデータにもとづいて演出制御用CPU101はスプライト画像の展開位置とサイズを認識する。
【0132】
演出制御用CPU101は、VRAM空間に展開されるスプライト画像の全ての部分が表示領域0の上側の境界(上辺)よりも上方に位置するか否かを判定するために、Y0−y>nという条件式を満足するかどうかを確かめる(ステップS904)。すなわち、スプライト画像の左上端がスプライト画像の垂直サイズの長さよりも表示領域0の基準点としての左上端から遠い位置に存在するかどうかを確かめる。上記の条件式を満足する場合は、VRAM空間に展開されるスプライト画像の全ての部分が表示領域0の上側の境界よりも上方に出ていることになるため、演出制御用CPU101は、スプライト画像の全ての部分が表示領域0外に存在すると認識する(ステップS916)。上記の条件式を満足しない場合は、演出制御用CPU101は、VRAM空間に展開されるスプライト画像の少なくとも一部が表示領域0の上側の境界よりも下方であると認識する。
【0133】
次に、演出制御用CPU101は、VRAM空間に展開されるスプライト画像の全ての部分が表示領域0の下側の境界(下辺)よりも下方に位置するか否かを判定するために、y−(Y0+V)>0という条件式を満足するかどうかを確かめる(ステップS905)。すなわち、スプライト画像の左上端が表示領域0の垂直サイズの長さよりも表示領域0の基準点としての左上端から遠い位置に存在するかどうかを確かめる。上記の条件式を満足する場合は、VRAM空間に展開されるスプライト画像の全ての部分が表示領域0の下側の境界よりも下方に出ていることになるため、演出制御用CPU101は、スプライト画像の全ての部分が表示領域0外に存在すると認識する(ステップS916)。上記の条件式を満足しない場合は、演出制御用CPU101は、VRAM空間に展開されるスプライト画像の少なくとも一部が表示領域0の下側の境界よりも上方であると認識する。
【0134】
次に、演出制御用CPU101は、VRAM空間に展開されるスプライト画像の全ての部分が表示領域0の左側の境界(左辺)よりも左方に位置するか否かを判定するために、X0−x>mという条件式を満足するかどうかを確かめる(ステップS906)。すなわち、スプライト画像の左上端がスプライト画像の水平サイズの長さよりも表示領域0の基準点としての左上端から遠い位置に存在するかどうかを確かめる。上記の条件式を満足する場合は、VRAM空間に展開されるスプライト画像の全ての部分が表示領域0の左側の境界よりも左方に出ていることになるため、演出制御用CPU101は、スプライト画像の全ての部分が表示領域0外に存在すると認識する(ステップS916)。上記の条件式を満足しない場合は、演出制御用CPU101は、VRAM空間に展開されるスプライト画像の少なくとも一部が表示領域0の左側の境界よりも右方であると認識する。
【0135】
次に、演出制御用CPU101は、VRAM空間に展開されるスプライト画像の全ての部分が表示領域0の右側の境界(右辺)よりも右方に位置するか否かを判定するために、x−(X0+H)>0という条件式を満足するかどうかを確かめる(ステップS907)。すなわち、スプライト画像の左上端が表示領域0の水平サイズの長さよりも表示領域0の基準点としての左上端から遠い位置に存在するかどうかを確かめる。上記の条件式を満足する場合は、VRAM空間に展開されるスプライト画像の全ての部分が表示領域0の右側の境界よりも右方に出ていることになるため、演出制御用CPU101は、スプライト画像の全ての部分が表示領域0外に存在すると認識する(ステップS916)。上記の条件式を満足しない場合は、演出制御用CPU101は、VRAM空間に展開されるスプライト画像の少なくとも一部が表示領域0の右側の境界よりも左方であると認識する。
【0136】
ステップS904〜S907の判定の結果、上記の4つの条件式を全て満足しないと判定した場合は、演出制御用CPU101は、スプライト画像の少なくとも一部が表示領域0内に存在すると認識する(ステップS908)。なお、スプライト画像の全ての部分が表示領域0外に存在するかどうかを判定するための上記の4つの条件式は、スプライト画像や表示領域0の基準点の設定の仕方によって変更される。
【0137】
ステップS901において、現在、表示領域1に展開された画像が表示中でないと判定された場合は、現在、表示領域0に展開された画像が表示中であり、次に表示領域1に画像データが展開されることになる。この場合、演出制御用CPU101は、表示領域1に展開されるスプライト画像の展開位置を判定するために、表示領域1のVRAM空間上の位置(X1,Y0)とサイズ(H,V)を認識するとともに(ステップS909)、VRAM空間に展開されるスプライト画像の展開位置(x,y)とサイズ(m,n)を認識する(ステップS910)。表示領域1の位置とサイズを示すデータは、例えばROM102に格納されたプログラムやプロセスデータ中の表示制御実行データに予め設定されているものとする。このようなデータにもとづいて演出制御用CPU101は表示領域1の位置とサイズを認識する。また、スプライト画像の展開位置とサイズを示すデータは、プロセスデータ中の表示制御実行データに設定されている。従って、このようなデータにもとづいて演出制御用CPU101はスプライト画像の展開位置とサイズを認識する。
【0138】
演出制御用CPU101は、VRAM空間に展開されるスプライト画像の全ての部分が表示領域1の上側の境界よりも上方に位置するか否かを判定するために、Y0−y>nという条件式を満足するかどうかを確かめる(ステップS911)。すなわち、スプライト画像の左上端がスプライト画像の垂直サイズの長さよりも表示領域1の基準点としての左上端から遠い位置に存在するかどうかを確かめる。上記の条件式を満足する場合は、VRAM空間に展開されるスプライト画像の全ての部分が表示領域1の上側の境界よりも上方に出ていることになるため、演出制御用CPU101は、スプライト画像の全ての部分が表示領域1外に存在すると認識する(ステップS916)。上記の条件式を満足しない場合は、演出制御用CPU101は、VRAM空間に展開されるスプライト画像の少なくとも一部が表示領域1の上側の境界よりも下方であると認識する。
【0139】
次に、演出制御用CPU101は、VRAM空間に展開されるスプライト画像の全ての部分が表示領域1の下側の境界よりも下方に位置するか否かを判定するために、y−(Y0+V)>0という条件式を満足するかどうかを確かめる(ステップS912)。すなわち、スプライト画像の左上端が表示領域1の垂直サイズの長さよりも表示領域1の基準点としての左上端から遠い位置に存在するかどうかを確かめる。上記の条件式を満足する場合は、VRAM空間に展開されるスプライト画像の全ての部分が表示領域1の下側の境界よりも下方に出ていることになるため、演出制御用CPU101は、スプライト画像の全ての部分が表示領域1外に存在すると認識する(ステップS916)。上記の条件式を満足しない場合は、演出制御用CPU101は、VRAM空間に展開されるスプライト画像の少なくとも一部が表示領域1の下側の境界よりも上方であると認識する。
【0140】
次に、演出制御用CPU101は、VRAM空間に展開されるスプライト画像の全ての部分が表示領域1の左側の境界よりも左方に位置するか否かを判定するために、X1−x>mという条件式を満足するかどうかを確かめる(ステップS913)。すなわち、スプライト画像の左上端がスプライト画像の水平サイズの長さよりも表示領域1の基準点としての左上端から遠い位置に存在するかどうかを確かめる。上記の条件式を満足する場合は、VRAM空間に展開されるスプライト画像の全ての部分が表示領域1の左側の境界よりも左方に出ていることになるため、演出制御用CPU101は、スプライト画像の全ての部分が表示領域1外に存在すると認識する(ステップS916)。上記の条件式を満足しない場合は、演出制御用CPU101は、VRAM空間に展開されるスプライト画像の少なくとも一部が表示領域1の左側の境界よりも右方であると認識する。
【0141】
次に、演出制御用CPU101は、VRAM空間に展開されるスプライト画像の全ての部分が表示領域1の右側の境界よりも右方に位置するか否かを判定するために、x−(X1+H)>0という条件式を満足するかどうかを確かめる(ステップS914)。すなわち、スプライト画像の左上端が表示領域1の水平サイズの長さよりも表示領域1の基準点としての左上端から遠い位置に存在するかどうかを確かめる。上記の条件式を満足する場合は、VRAM空間に展開されるスプライト画像の全ての部分が表示領域1の右側の境界よりも右方に出ていることになるため、演出制御用CPU101は、スプライト画像の全ての部分が表示領域1外に存在すると認識する(ステップS916)。上記の条件式を満足しない場合は、演出制御用CPU101は、VRAM空間に展開されるスプライト画像の少なくとも一部が表示領域1の右側の境界よりも左方であると認識する。
【0142】
ステップS911〜S914の判定の結果、上記の4つの条件式を全て満足しないと判定した場合は、演出制御用CPU101は、スプライト画像の少なくとも一部が表示領域1内に存在すると認識する(ステップS915)。なお、スプライト画像の全ての部分が表示領域1外に存在するかどうかを判定するための上記の4つの条件式は、スプライト画像や表示領域1の基準点の設定の仕方によって変更される。
【0143】
なお、上記のスプライト展開位置判定処理では、VRAM空間に展開される複数のスプライト画像が存在する場合は、複数のスプライト画像のそれぞれについて各スプライト画像が表示領域0,1外に存在するか否かを判定する。
【0144】
なお、上記のスプライト展開位置判定処理では、スプライト画像が表示領域外に存在するかどうかの判定を行うためのに、VRAM空間に定められた絶対座標を用いていたが、このような構成に限られるわけではなく、表示領域とスプライト画像の相対位置を特定するための相対座標を用いてもよい。具体的には、表示領域の左上座標(あるいは中心座標)を基準点とする。そして、基準点からスプライト画像の左上座標までの距離をスプライト画像が展開される相対位置と決める。例えば、スプライト画像の左上座標が基準点から水平方向にx’ドット、垂直方向にy’ドットであるとすると、スプライト画像の相対位置を特定する相対座標は(x’,y’)となる。この相対座標はプロセスデータの表示制御実行データ中のスプライト画像の展開位置を示すデータとして設定される。このような相対座標を用いてスプライト展開位置判定処理を行う場合は、2つの表示領域0,1のどちらにスプライト画像が展開されるかは関係なくなる。従って、ステップS901において、現在表示中の画像がどちらの表示領域0,1に展開されているかどうかについて判定する必要がなくなる。また、表示領域0に展開される場合と表示領域1に展開される場合とに分けて判定する必要もなくなる。このような構成によれば、演出制御用CPU101において現在表示中の画像がどちらの表示領域に展開されているかを認識することができない場合、すなわち、GCL81から演出制御用CPU101に現在の画像表示中の表示領域に関する信号が出力されない場合でも、スプライト画像が表示領域外に存在するかどうかの判定を行うことができることになる。
【0145】
なお、複数のスプライト画像が可変表示装置6の表示領域に重畳して表示される場合に、一のスプライト画像が前面側に表示される他のスプライト画像によって完全に隠れてしまい、当該一のスプライト画像が画像表示されないことがある。この場合、他のスプライト画像によって隠されて画像表示されない一のスプライト画像をVRAM空間に展開する必要はないので、演出制御用CPU101は、当該一のスプライト画像の展開指示を行わないように構成されるのが好ましい。このような構成を実現するためには、演出制御用CPU101は、表示制御実行データに設定されているデータを用いて、複数のスプライト画像の展開位置やサイズを認識するとともに、いずれのスプライト画像を前面側に表示するかを示す優先度を認識し、一のスプライト画像の全ての部分が他のスプライト画像によって完全に隠されてしまうかどうかを判定する。そして、他のスプライト画像によって完全に隠されてしまう一のスプライト画像が存在すると判定した場合には、レジスタに当該一のスプライト画像の展開指示の禁止を設定する(ステップS894参照)。このような構成によれば、複数のスプライト画像のうち優先して表示されるスプライト画像に隠れて画像表示されないスプライト画像に関する処理をマイクロコントローラに行わせる必要がなくなり、マイクロコントローラの制御負担をより一層軽減させることができるようになる。
【0146】
図23は、可変表示装置6の表示領域におけるムービー画像表示領域の設定位置の例を示す説明図である。図23に示すように、可変表示装置6の表示領域には、特別図柄表示領域が設けられている。本例では、ムービー画像を動画表示するためのムービー画像表示領域は、特別図柄表示領域内の中図柄の可変表示領域に設けられる。このように、ムービー画像表示領域は、可変表示装置6の表示領域の一部分を構成する。なお、特別図柄表示領域は、特別図柄の可変表示演出が実行される表示領域を意味する。この例では、特別図柄の可変表示演出が実行されている特別図柄表示領域中のムービー画像表示領域にて、ムービー画像による演出表示が実行される。ムービー画像表示領域のサイズは、水平サイズ(横の幅)がmであり、垂直サイズ(縦の幅)がnである。
【0147】
図24は、動画再生しているときのムービー画像の表示例を示す説明図である。ここでは、特別図柄表示領域にてリーチ表示がなされたあとのリーチ演出において、ムービー画像による演出表示が実行される場合を例に説明する。本例では、特別図柄の可変表示演出において、特別図柄表示領域の左右図柄が「7」で揃ってリーチとなり、その後に変動表示されている最終停止図柄である中図柄が低速変動となる。そして、中図柄の停止位置に「6」が近づいてきたとき(図24(A))にムービー画像によるリーチ演出が開始される。ムービー画像によるリーチ演出が開始されると、特別図柄表示領域中のムービー画像表示領域に表示される画像は、特別図柄のスプライト画像(図24(A))から、ムービー画像における最初の画像に切り替えられる。本例では、ムービー画像における最初の画像として、例えば図24(B)に示すような「6」を模したキャラクタ画像が用いられる。
【0148】
次いで、ムービー画像における最初の画像から、ムービー画像データに基づく動画演出が実行される。例えば、図24(C)に示すような「7」を模したキャラクタが現れ、「6」を模したキャラクタをムービー画像表示領域から追い出していく映像が動画再生される。そして、「6」を模したキャラクタがムービー画像表示領域から完全に消失し、「6」を模したキャラクタを追い出した「7」を模したキャラクタが、ムービー画像表示領域の中心位置(例えば特別図柄表示領域における図柄停止位置)に移動していくような映像が動画再生される。ムービー画像において、最終的に、図24(D)に示すような、「7」を模したキャラクタがムービー画像表示領域の中心位置で正面を向いたような画像が表示される。
【0149】
ムービー画像のうちの最終画像(例えば図24(D)に示す画像)が表示され、ムービー画像によるリーチ演出が終了すると、特別図柄表示領域中のムービー画像表示領域に表示されているムービー画像における最後の画像(例えば図24(D)に示す画像)から、所定の特別図柄を示すスプライト画像に切り替えられる。本例では、ムービー画像における最後の画像から切り替えられる特別図柄を示すスプライト画像として、例えば図24(E)に示すような「7」の中図柄を示す画像が用いられる。そして、この例では、左中右図柄が「7」で確定表示され、大当り表示とされる。その後、大当り遊技に移行する。
【0150】
上記のように、特別図柄が表示される特別図柄表示領域の一部に、ムービー画像を表示するためのムービー画像表示領域を設定し、ムービー画像表示領域に、キャラクタ等が登場するムービー画像の動画再生を行う構成とすると、ムービー画像による演出を目立つようにすることができ、たとえ特別図柄が表示されていたとしても、遊技者の注意をムービー画像による演出に向けさせることができるようになる。このように、遊技者の注意をムービー画像に引き付けさせることができるので、ムービー画像による演出を有効なものとすることができ、ムービー画像による演出を用いてリーチ演出などの様々な報知を行うことができる。つまり、ムービー画像による演出を用いて、リーチ演出、リーチ予告演出、大当り予告演出、大当り演出などの様々な報知を有効に行うことができる。
【0151】
なお、上記の例では、特別図柄に手足が付加されているキャラクタによってムービー画像表示領域でのムービー画像によるリーチ演出が行われる場合を例に説明したが、ムービー画像表示領域に登場するキャラクタは、どのようなキャラクタであってもよい。例えば、特別図柄とは無関係な人物や動物のキャラクタなどである。このようなキャラクタは、予告演出や大当り演出などに用いることができる。
【0152】
また、上記の例では、ムービー画像は、特別図柄が「6」から「7」に変化する過程を動画表示するものであったが、このような動画表示態様に限られず、任意の数字の特別図柄が変化する過程を動画表示するものであってもよい。また、複数種類の特別図柄のぞれぞれについてムービー画像を設けてるようにしてもよい。この場合、複数種類の識別情報の画像のそれぞれを多色画像による動画表示で変化させることができるようになり、画像表示装置に表示されるムービー画像による演出効果を一層向上させることができる。
【0153】
また、ムービー画像の元となるムービー画像データは、動画撮影装置によって撮影された実写画像を動画再生するためのデータであっても、アニメーションによる動画を再生するためのデータであってもよく、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置によって描画されたコンピュータグラフィクス(CG)を用いたCG画像を動画再生するためのデータであってもよい。実写画像によるムービー画像データを用いる構成とした場合には、人物や動物などの動きをリアルに表現することができるようになる。また、CG画像によるムービー画像データを用いる構成とした場合には、コンピュータグラフィクスによって自由に画像を作成することができるので、実写によっては得ることが困難な画像であっても簡単に作成することができ、必要とするムービー画像を含めたムービー画像データを容易に作成することができるようになる。なお、実写画像とCG画像とを組み合わせてムービー画像データを作成するようにしてもよい。
【0154】
図25は、VRAM空間における表示領域の設定位置およびムービー画像の展開位置の例を示す説明図である。図25においても図21に示した場合と同様に、画像メモリとしてのVRAM84が所定サイズの2次元の空間となっており、VRAM空間の左上座標が原点(0,0)とされている。VRAM空間の所定位置には、2つの表示領域0,1が設定されている。表示領域0は、左上座標が(X0,Y0)の位置に設定され、表示領域1は、左上座標が(X1,Y0)の位置に設定されている。表示領域0,1は、いずれも、水平サイズがHであり、垂直サイズがVである。
【0155】
図25(A)では、ムービー画像を展開するため領域であるムービー画像表示領域の全ての部分が表示領域0内に設定されているが、図25(B)では、ムービー画像表示領域の全ての部分が表示領域0外のVRAM空間に設定されている。このように、ムービー画像表示領域が表示領域外に設定されると、ムービー画像が表示領域外に展開されることになるため意味のないようにも思えるが、実際にはムービー画像表示領域が表示領域外に設定されることも生じ得る。例えば、ムービー画像表示領域が可変表示装置6の表示領域外から現れて、ムービー画像を動画再生しながら表示領域内を徐々に移動し、表示領域外に消えていくような動画表示を実現するために、実際には画像表示として現れないムービー画像であってもVRAM空間に展開しておくことがある。なお、図25の例では、ムービー画像表示領域のVRAM空間上の設定位置を特定する座標をムービー画像表示領域の左上座標(x,y)としている。
【0156】
図26は、画像展開指示制御処理におけるムービー展開位置判定処理(ステップS895)の例を示すフローチャートである。ムービー展開位置判定処理において、まず、演出制御用CPU101は、現在、VRAM空間の表示領域1に展開された画像が可変表示装置6に表示されている最中であるか否かを判定する(ステップS921)。図22のステップS901で説明した場合と同様に、表示領域1に展開された画像が表示中であるか否かは、例えば、GCL81が現在の画像表示中の表示領域に関する信号を演出制御用CPU101に出力するように構成されることにより、当該信号にもとづいて演出制御用CPU101において認識することができるようになる。
【0157】
ステップS921において、現在、表示領域1に展開された画像が表示中であると判定された場合は、次に表示領域0に画像データが展開されることになる。この場合、演出制御用CPU101は、表示領域0に設定されるムービー画像表示領域の設定位置を判定するために、表示領域0のVRAM空間上の位置(X0,Y0)とサイズ(H,V)を認識するとともに(ステップS922)、VRAM空間に設定されるムービー画像表示領域の設定位置(x,y)とサイズ(m,n)を認識する(ステップS923)。表示領域0の位置とサイズを示すデータは、例えばROM102に格納されたプログラムやプロセスデータ中の表示制御実行データに予め設定されているものとする。このようなデータにもとづいて演出制御用CPU101は表示領域0の位置とサイズを認識する。また、ムービー画像表示領域の設定位置とサイズを示すデータは、プロセスデータ中の表示制御実行データに設定されている。従って、このようなデータにもとづいて演出制御用CPU101はムービー画像表示領域の設定位置とサイズを認識する。
【0158】
演出制御用CPU101は、VRAM空間に設定されるムービー画像表示領域の全ての部分が表示領域0の上側の境界よりも上方に位置するか否かを判定するために、Y0−y>nという条件式を満足するかどうかを確かめる(ステップS924)。すなわち、ムービー画像表示領域の左上端がムービー画像表示領域の垂直サイズの長さよりも表示領域0の基準点としての左上端から遠い位置に存在するかどうかを確かめる。上記の条件式を満足する場合は、VRAM空間に設定されるムービー画像表示領域の全ての部分が表示領域0の上側の境界よりも上方に出ていることになるため、演出制御用CPU101は、ムービー画像表示領域の全ての部分が表示領域0外に存在すると認識する(ステップS936)。上記の条件式を満足しない場合は、演出制御用CPU101は、VRAM空間に設定されるムービー画像表示領域の少なくとも一部が表示領域0の上側の境界よりも下方であると認識する。
【0159】
次に、演出制御用CPU101は、VRAM空間に設定されるムービー画像表示領域の全ての部分が表示領域0の下側の境界よりも下方に位置するか否かを判定するために、y−(Y0+V)>0という条件式を満足するかどうかを確かめる(ステップS925)。すなわち、ムービー画像表示領域の左上端が表示領域0の垂直サイズの長さよりも表示領域0の基準点としての左上端から遠い位置に存在するかどうかを確かめる。上記の条件式を満足する場合は、VRAM空間に設定されるムービー画像表示領域の全ての部分が表示領域0の下側の境界よりも下方に出ていることになるため、演出制御用CPU101は、ムービー画像表示領域の全ての部分が表示領域0外に存在すると認識する(ステップS936)。上記の条件式を満足しない場合は、演出制御用CPU101は、VRAM空間に設定されるムービー画像表示領域の少なくとも一部が表示領域0の下側の境界よりも上方であると認識する。
【0160】
次に、演出制御用CPU101は、VRAM空間に設定されるムービー画像表示領域の全ての部分が表示領域0の左側の境界よりも左方に位置するか否かを判定するために、X0−x>mという条件式を満足するかどうかを確かめる(ステップS926)。すなわち、ムービー画像表示領域の左上端がムービー画像表示領域の水平サイズの長さよりも表示領域0の基準点としての左上端から遠い位置に存在するかどうかを確かめる。上記の条件式を満足する場合は、VRAM空間に設定されるムービー画像表示領域の全ての部分が表示領域0の左側の境界よりも左方に出ていることになるため、演出制御用CPU101は、ムービー画像表示領域の全ての部分が表示領域0外に存在すると認識する(ステップS936)。上記の条件式を満足しない場合は、演出制御用CPU101は、VRAM空間に設定されるムービー画像表示領域の少なくとも一部が表示領域0の左側の境界よりも右方であると認識する。
【0161】
次に、演出制御用CPU101は、VRAM空間に設定されるムービー画像表示領域の全ての部分が表示領域0の右側の境界よりも右方に位置するか否かを判定するために、x−(X0+H)>0という条件式を満足するかどうかを確かめる(ステップS927)。すなわち、ムービー画像表示領域の左上端が表示領域0の水平サイズの長さよりも表示領域0の基準点としての左上端から遠い位置に存在するかどうかを確かめる。上記の条件式を満足する場合は、VRAM空間に設定されるムービー画像表示領域の全ての部分が表示領域0の右側の境界よりも右方に出ていることになるため、演出制御用CPU101は、ムービー画像表示領域の全ての部分が表示領域0外に存在すると認識する(ステップS936)。上記の条件式を満足しない場合は、演出制御用CPU101は、VRAM空間に設定されるムービー画像表示領域の少なくとも一部が表示領域0の右側の境界よりも左方であると認識する。
【0162】
ステップS924〜S927の判定の結果、上記の4つの条件式を全て満足しないと判定した場合は、演出制御用CPU101は、ムービー画像表示領域の少なくとも一部が表示領域0内に存在すると認識する(ステップS928)。なお、ムービー画像表示領域の全ての部分が表示領域0外に存在するかどうかを判定するための上記の4つの条件式は、ムービー画像表示領域や表示領域0の基準点の設定の仕方によって変更される。
【0163】
ステップS921において、現在、表示領域1に展開された画像が表示中でないと判定された場合は、現在、表示領域0に展開された画像が表示中であり、次に表示領域1に画像データが展開されることになる。この場合、演出制御用CPU101は、表示領域1に設定されるムービー画像表示領域の設定位置を判定するために、表示領域1のVRAM空間上の位置(X1,Y0)とサイズ(H,V)を認識するとともに(ステップS929)、VRAM空間に設定されるムービー画像表示領域の設定位置(x,y)とサイズ(m,n)を認識する(ステップS930)。表示領域1の位置とサイズを示すデータは、例えばROM102に格納されたプログラムやプロセスデータ中の表示制御実行データに予め設定されているものとする。このようなデータにもとづいて演出制御用CPU101は表示領域1の位置とサイズを認識する。また、ムービー画像表示領域の設定位置とサイズを示すデータは、プロセスデータ中の表示制御実行データに設定されている。従って、このようなデータにもとづいて演出制御用CPU101はムービー画像表示領域の設定位置とサイズを認識する。
【0164】
演出制御用CPU101は、VRAM空間に設定されるムービー画像表示領域の全ての部分が表示領域1の上側の境界よりも上方に位置するか否かを判定するために、Y0−y>nという条件式を満足するかどうかを確かめる(ステップS931)。すなわち、ムービー画像表示領域の左上端がムービー画像表示領域の垂直サイズの長さよりも表示領域1の基準点としての左上端から遠い位置に存在するかどうかを確かめる。上記の条件式を満足する場合は、VRAM空間に設定されるムービー画像表示領域の全ての部分が表示領域1の上側の境界よりも上方に出ていることになるため、演出制御用CPU101は、ムービー画像表示領域の全ての部分が表示領域1外に存在すると認識する(ステップS936)。上記の条件式を満足しない場合は、演出制御用CPU101は、VRAM空間に設定されるムービー画像表示領域の少なくとも一部が表示領域1の上側の境界よりも下方であると認識する。
【0165】
次に、演出制御用CPU101は、VRAM空間に設定されるムービー画像表示領域の全ての部分が表示領域1の下側の境界よりも下方に位置するか否かを判定するために、y−(Y0+V)>0という条件式を満足するかどうかを確かめる(ステップS932)。すなわち、ムービー画像表示領域の左上端が表示領域1の垂直サイズの長さよりも表示領域1の基準点としての左上端から遠い位置に存在するかどうかを確かめる。上記の条件式を満足する場合は、VRAM空間に設定されるムービー画像表示領域の全ての部分が表示領域1の下側の境界よりも下方に出ていることになるため、演出制御用CPU101は、ムービー画像表示領域の全ての部分が表示領域1外に存在すると認識する(ステップS936)。上記の条件式を満足しない場合は、演出制御用CPU101は、VRAM空間に設定されるムービー画像表示領域の少なくとも一部が表示領域1の下側の境界よりも上方であると認識する。
【0166】
次に、演出制御用CPU101は、VRAM空間に設定されるムービー画像表示領域の全ての部分が表示領域1の左側の境界よりも左方に位置するか否かを判定するために、X1−x>mという条件式を満足するかどうかを確かめる(ステップS933)。すなわち、ムービー画像表示領域の左上端がムービー画像表示領域の水平サイズの長さよりも表示領域1の基準点としての左上端から遠い位置に存在するかどうかを確かめる。上記の条件式を満足する場合は、VRAM空間に設定されるムービー画像表示領域の全ての部分が表示領域1の左側の境界よりも左方に出ていることになるため、演出制御用CPU101は、ムービー画像表示領域の全ての部分が表示領域1外に存在すると認識する(ステップS936)。上記の条件式を満足しない場合は、演出制御用CPU101は、VRAM空間に設定されるムービー画像表示領域の少なくとも一部が表示領域1の左側の境界よりも右方であると認識する。
【0167】
次に、演出制御用CPU101は、VRAM空間に設定されるムービー画像表示領域の全ての部分が表示領域1の右側の境界よりも右方に位置するか否かを判定するために、x−(X1+H)>0という条件式を満足するかどうかを確かめる(ステップS934)。すなわち、ムービー画像の左上端が表示領域1の水平サイズの長さよりも表示領域1の基準点としての左上端から遠い位置に存在するかどうかを確かめる。上記の条件式を満足する場合は、VRAM空間に設定されるムービー画像表示領域の全ての部分が表示領域1の右側の境界よりも右方に出ていることになるため、演出制御用CPU101は、ムービー画像表示領域の全ての部分が表示領域1外に存在すると認識する(ステップS936)。上記の条件式を満足しない場合は、演出制御用CPU101は、VRAM空間に設定されるムービー画像表示領域の少なくとも一部が表示領域1の右側の境界よりも左方であると認識する。
【0168】
ステップS931〜S934の判定の結果、上記の4つの条件式を全て満足しないと判定した場合は、演出制御用CPU101は、ムービー画像表示領域の少なくとも一部が表示領域1内に存在すると認識する(ステップS935)。なお、ムービー画像表示領域の全ての部分が表示領域1外に存在するかどうかを判定するための上記の4つの条件式は、ムービー画像表示領域や表示領域1の基準点の設定の仕方によって変更される。
【0169】
なお、上記のムービー展開位置判定処理では、VRAM空間に展開される複数のムービー画像が存在する場合、すなわち、VRAM空間に複数のムービー画像表示領域が設定される場合は、複数のムービー画像表示領域のそれぞれについて各ムービー画像表示領域が表示領域0,1外に存在するか否かを判定する。
【0170】
なお、上記のムービー展開位置判定処理では、ムービー画像表示領域が表示領域外に存在するかどうかの判定を行うために、VRAM空間に定められた絶対座標を用いていたが、このような構成に限られるわけではなく、表示領域とムービー画像表示領域の相対位置を特定するための相対座標を用いてもよい。具体的には、表示領域の左上座標(あるいは中心座標)を基準点とする。そして、基準点からムービー画像表示領域の左上座標までの距離をムービー画像表示領域が設定される相対位置と決める。例えば、ムービー画像表示領域の左上座標が基準点から水平方向にx’ドット、垂直方向にy’ドットであるとすると、ムービー画像表示領域の相対位置を特定する相対座標は(x’,y’)となる。この相対座標はプロセスデータの表示制御実行データ中のムービー画像表示領域の設定位置を示すデータとして設定される。このような相対座標を用いてムービー展開位置判定処理を行う場合は、2つの表示領域0,1のどちらにムービー画像が展開されるか(すなわちムービー画像表示領域が設定されるか)は関係なくなる。従って、ステップS921において、現在表示中の画像がどちらの表示領域0,1に展開されているかどうかについて判定する必要がなくなる。また、表示領域0に展開される場合と表示領域1に展開される場合とに分けて判定する必要もなくなる。このような構成によれば、演出制御用CPU101において現在表示中の画像がどちらの表示領域に展開されているかを認識することができない場合、すなわち、GCL81から演出制御用CPU101に現在の画像表示中の表示領域に関する信号が出力されない場合でも、ムービー画像表示領域が表示領域外に存在するかどうかの判定を行うことができることになる。
【0171】
次に、演出制御基板100における表示制御部80の動作について、スプライト画像の表示制御とムービー画像の表示制御とに分けて説明する。
【0172】
まず、スプライト画像の表示制御について説明する。図27は、CGROM83に記憶されているCGデータのデータ構成を示す説明図である。図27に示すように、CGROM83には、圧縮/非圧縮のCGデータおよび非圧縮のパレットデータが格納されている。CGデータは、キャラクタのデータのことをいい、スプライト画像の元となるスプライト画像データも含まれている。ここでは、CGデータをスプライト画像データとして説明する。なお、CGROM83は、1次元の空間(最大容量までの連続空間)になっている。
【0173】
図28は、GCL81が実行するスプライト画像復号化表示処理の例を示すフローチャートである。スプライト画像復号化表示処理において、GCL81は、演出制御用CPU101から所定のスプライト画像データの展開指示を受けると、CGROM83に格納されている指示された所定のスプライト画像データを読み出す(ステップS101)。次いで、GCL81は、読み出したスプライト画像データが圧縮されている場合は、動画圧縮・伸張部89を制御して読み出したスプライト画像データを復号化する(ステップS102)。
【0174】
GCL81は、演出制御用CPU101からスプライト画像の変形の指示があったか否かについて判定する(ステップS103)。スプライト画像の変形の指示がなかった場合には、GCL81は、画像データの変形処理を実行せずに、ステップS105に移行する。スプライト画像の変形の指示があった場合には、GCL81は、指示された所定の変形態様(拡大、縮小または回転)で画像データの変形処理を実行する(ステップS104)。具体的には、まず、GCL81は、変形を行わない場合の画像データを展開するVRAM空間の各ドット(各画素)の座標を認識する。そして、演出制御用CPU101から指示された所定の変形態様が拡大または縮小である場合、GCL81は、演出制御用CPU101から出力された拡大/縮小率のデータにもとづいて、拡大または縮小した後の画像データを展開するVRAM空間の各ドットの座標を演算する。また、演出制御用CPU101から指示された所定の変形態様が回転である場合、GCL81は、演出制御用CPU101から出力された回転率のデータにもとづいて、回転した後の画像データを展開するVRAM空間の各ドットの座標を演算する。
【0175】
なお、画像データの拡大/縮小処理は、画像データを水平方向および垂直方向に等倍率で拡大または縮小させる処理に限られない。また、画像データを水平方向のみ拡大または縮小させる処理や、画像データを垂直方向のみ拡大または縮小させる処理であってもよい。また、画像データの回転処理としては、画像の中心位置を回転中心として所定角回転させる場合や、所定の基準点(例えば表示領域の左上座標)を回転中心として所定角回転させる場合などがある。さらに、画像データの拡大/縮小処理と回転処理を同時に行うことも可能である。
【0176】
次いで、GCL81は、変形処理されたまたは変形処理されていない画像データを、演出制御用CPU101から指定されたVRAM(画像メモリ)84上の所定の展開位置に展開する。このとき、GCL81は、画像データを展開するVRAM84上の各ドット(各画素)の座標が表示領域内の座標であるか否かを判定する。そして、GCL81は、表示領域内のドットに対してのみ画像データを展開する。すなわち、表示領域外のドットに対する画像データの展開を禁止する。例えば、図29(A)に示すように、変形処理が行われていない場合には表示領域内に収まるスプライト画像が、図29(B)に示すように、変形処理(ここでは回転処理)が行われたことにより表示領域外にはみ出してしまう場合、スプライト画像のはみ出し部分のVRAM空間への展開処理が禁止される。その後、画像の表示タイミングになると、GCL81は、表示領域内に展開された画像を可変表示装置(LCD)6に出力して、画像を可変表示装置6の表示領域に表示させる(ステップS105)。
【0177】
次に、ムービー画像の表示制御について説明する。図30は、ムービー画像データのデータ構造の一例を示す説明図である。ムービー画像データは、例えばMPEG2と呼ばれる符号化技術によりデータ圧縮された状態で演出制御基板100が備えるCGROM83に格納されている。
【0178】
本例では、複数種類のムービー画像データが予め用意されてCGROM83に格納されている。なお、この例では、大当り遊技演出時に使用されるムービー画像データ、リーチ演出時に使用されるムービー画像データなど、使用される演出毎に区別されてCGROM83に格納されている。そして、GCL81は、演出制御用CPU101からの指示にもとづいて、複数種類のムービー画像データの中からムービー画像演出に使用する所定のムービー画像データを選択する。
【0179】
図30に示すように、ムービー画像データは、シーケンスと呼ばれるストリームデータによって構成される。シーケンスは、画像の大きさを示す情報などのシーケンス全体に関連する情報が含まれているシーケンスヘッダで始まり、シーケンスエンドで終了する。このシーケンスは、例えば、ムービー画像による1単位の遊技演出を実現するためのビデオプログラム全体の符号化データによって構成されている。すなわち、本例では、ムービー画像による遊技演出の種類毎に予めシーケンスが用意され、ムービー画像による遊技演出を実行するためのムービー画像データは、1つのシーケンスによって構成されている。シーケンスは、MPEG2機能拡張情報と、少なくとも1つのGOP(Group Of Picture)とを含む。シーケンスに含まれているMPEG2機能拡張情報は、MPEG2に準拠した符号化データであることを示す情報などの各種の情報を含む。
【0180】
各GOPは、GOPヘッダと、Iピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャのうち少なくとも1つのピクチャとを含む。ここで、Iピクチャは、フレーム内符号化によって符号化されているピクチャである。Pピクチャは、過去のフレームのみを用いて前方向の動き補償予測を行うピクチャである。Bピクチャは、過去及び未来の両方のフレームを用いて双方向の動き補償予測を行うピクチャである。
【0181】
各ピクチャは、ピクチャヘッダと、MPEG2機能拡張情報と、少なくとも1つのスライスとを含む。ピクチャヘッダには、Iピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャのいずれかを識別するための情報や、各ピクチャの表示順序を指定する情報などが含まれている。ピクチャに含まれているMPEG2機能拡張情報には、例えば、フレーム構造やフィールド構造を設定するための情報などが含まれる。スライスは、分割フレーム内符号化を実現するためにピクチャが細分化された1つの単位を意味する。
【0182】
各スライスは、スライス情報と、少なくとも1つのマクロブロックとを含む。スライス情報は、スライス内で使用される符号化情報が含まれている。符号化情報には、例えば、量子化特性を示す情報が該当する。
【0183】
各マクロブロックは、マクロブロック情報と、複数のブロックとを含む。1つのマクロブロックには、例えば、4個の輝度信号ブロックと、2個(Cr信号、Cb信号各1個)の色差信号ブロックとが含まれる。マクロブロック情報には、マクロブロック単位で符号化制御を行うための情報などが含まれる。各ブロックは、輝度信号、Cr信号、Cb信号のいずれかのDCT(離散コサイン変換)係数データ(離散コサイン変換によって得られる係数群)から構成される。なお、各ブロックは、EOB(End Of Block)コードで終了する。
【0184】
なお、本例では、各シーケンスは、再生時に表示されるキャラクタなどの表示物体が速い動きをする部分には、キーフレームとして用いられるIピクチャを多く用いるようにしている。また、各シーケンスは、再生時に表示されるキャラクタなどの表示物体の動きが少ない部分には、PピクチャやBピクチャを多く用いた構成とされている。特に表示物体の動きがない部分や、動きが特に少ない部分には、最もデータ量の少ないBピクチャを多く用いた構成とされている。
【0185】
上記のように、表示物体の動きが速い部分にはキーフレームデータ(例えばIピクチャデータ)を多く用いてムービー画像データを構成しているので、動きの速い物体が表示されるムービー画像によって演出を行う場合であっても、情報の欠落がほとんどない良好な画像品質の画像を復号化によって得ることができ、そのような良質の画像によってムービー画像演出を行うことができる。よって、表示物体の動きが速い部分の画像品質を向上させることができる。
【0186】
また、上記のように、表示物体の動きが遅い部分には前方向予測符号化フレームデータ(例えばPピクチャデータ)や双方向予測符号化フレームデータ(例えばBピクチャデータ)を多く用いてムービー画像データを構成しているので、画像品質を劣化させることなく、ムービー画像データのデータ量を削減することができる。このような効果は、データ圧縮率が向上するので、ムービー画像データによって再生されるムービー画像における表示物体の動きが速い部分が少ないほど著しい。
【0187】
つまり、上記のように、表示物体の動きが速い部分にはキーフレームデータを多く用い、表示物体の動きが遅い部分には前方向予測符号化フレームデータや双方向予測符号化フレームデータを多く用いるようにしてムービー画像データを作成しているので、全体としての画像品質を向上させることができるとともに、ムービー画像データのデータ総量を低減させることができるようになる。
【0188】
図31は、GCL81が実行するムービー画像表示領域設定処理の例を示すフローチャートである。ムービー画像表示領域設定処理は、例えば、ムービー画像データにもとづくムービー画像による遊技演出が開始されるときに実行される。本例では、シーケンスによる一連のムービー画像演出が開始される毎に、ムービー画像表示領域設定処理が実行されるものとする。このような構成によれば、複数のムービー画像演出が開始される毎に、ムービー画像表示領域の設定位置を変更させていくことができるようになり、ムービー画像表示領域においてムービー画像を動画表示させながらムービー画像の表示位置を変更することが可能となり、画像表示装置に表示されるムービー画像による演出効果をより一層向上させることができる。
【0189】
ムービー画像表示領域設定処理において、GCL81は、まず、CGROM83に格納されている演出制御用CPU101より指示されたムービー画像データ(シーケンス)に領域指定データが設定されているか否かを確認する(ステップS201)。領域指定データは、例えば、各シーケンスにおけるシーケンスヘッダのあとのMPEG2機能拡張情報に含まれている。従って、GCL81は、シーケンスのMPEG2機能拡張情報を確認することで、領域指定データが設定されているか否かを判定することができる。また、領域指定データには、各シーケンスにもとづくムービー画像の動画表示を行うムービー画像表示領域を特定するため情報が含まれている。
【0190】
ムービー画像データに領域指定データが設定されていた場合には、GCL81は、演出制御用CPU101からムービー画像表示領域の変形の指示があったか否かについて判定する(ステップS202)。ムービー画像表示領域の変形の指示があった場合には、GCL81は、指示された所定の変形態様(拡大、縮小または回転)でムービー画像表示領域の変形処理を実行する(ステップS203)。具体的には、まず、GCL81は、領域指定データ中に設定されているムービー画像表示領域を特定するため情報にもとづいて、VRAM空間におけるムービー画像表示領域の設定位置およびサイズを座標で認識する。ここで、演出制御用CPU101から指示された所定の変形態様が拡大または縮小である場合、GCL81は、演出制御用CPU101から出力された拡大/縮小率のデータにもとづいて、当該拡大/縮小率で拡大または縮小した後のムービー画像表示領域の設定位置およびサイズを演算する。また、演出制御用CPU101から指示された所定の変形態様が回転である場合、GCL81は、演出制御用CPU101から出力された回転率のデータにもとづいて、当該回転率で回転した後のムービー画像表示領域の設定位置およびサイズを演算する。
【0191】
なお、ムービー画像表示領域の拡大/縮小処理は、ムービー画像表示領域を水平方向および垂直方向に等倍率で拡大または縮小させる処理に限られない。また、ムービー画像表示領域を水平方向のみ拡大または縮小させる処理や、ムービー画像表示領域を垂直方向のみ拡大または縮小させる処理であってもよい。また、ムービー画像表示領域の回転処理としては、ムービー画像表示領域の中心位置を回転中心として所定角回転させる場合や、所定の基準点(例えば表示領域の左上座標)を回転中心として所定角回転させる場合などがある。さらに、ムービー画像表示領域の拡大/縮小処理と回転処理を同時に行うことも可能である。
【0192】
GCL81は、変形処理されたまたは変形処理されていないムービー画像表示領域を、演出制御用CPU101から指定されたVRAM(画像メモリ)84上の所定位置に設定する(ステップS204)。
【0193】
図32は、GCL81が実行するムービー画像復号化処理の例を示すフローチャートである。ムービー画像復号化処理において、GCL81は、まず、CGROM83に格納されている演出制御用CPU101より指示されたムービー画像データ(シーケンス)からピクチャを示すピクチャデータを読み出す(ステップS211)。ピクチャデータは、ムービー画像データにて配列されている順番に従って再生することができるような順番で読み出される。なお、再生される順番と復号化される順番は必ずしも一致しない。例えば、Bピクチャは、その後に配されているIピクチャ又はPピクチャを復号化したあとに復号化される。
【0194】
次いで、GCL81は、動画圧縮・伸張部89を制御して読み出したピクチャデータを復号化し(ステップS212)、展開領域指定ポインタが指す画像メモリの展開領域に、復号化したピクチャデータをフレーム単位で展開する(ステップS213)。なお、復号化を行うときには、動画圧縮・伸張部89は、対象となるピクチャデータがIピクチャデータであるか、Pピクチャデータであるか、Bピクチャデータであるかに応じた復号化処理を実行する。そして、GCL81は、展開領域指定ポインタが次に使用される展開領域を指すようにしておくために、展開領域指定ポインタの値を更新する(ステップS214)。
【0195】
なお、画像メモリには、フレーム単位で画像データを展開するための展開領域が複数設けられている。展開領域指定ポインタは、VRAM84の所定の領域に設けられ、復号化した画像データを展開する展開領域を指すポインタである。例えば、画像メモリに展開領域0から展開領域11までの12個の展開領域が設けられている場合には、展開領域指定ポインタは、0〜11までの範囲の値をとる。そして、ステップS214にて、展開領域指定ポインタの値が、復号化された画像データが再生される順番で画像メモリに展開されるような値に更新される。そして、GCL81によって、次回の復号化処理のステップS213にて、展開領域指定ポインタの値と同一の値が設定されている展開領域が画像データを展開する領域として選択される。
【0196】
具体的には、例えばIピクチャ、B1ピクチャ、B2ピクチャ、Pピクチャの順番で再生される場合には、Iピクチャ、Pピクチャ、B1ピクチャ、B2ピクチャの順番で復号化されることになる。この場合、Iピクチャの画像データを画像メモリに展開したあと展開領域指定ポインタの値を3加算し、加算後の展開領域指定ポインタが指す展開領域にPピクチャの画像データを展開したあと展開領域指定ポインタの値を2減算し、減算後の展開領域指定ポインタが指す展開領域にB1ピクチャの画像データを展開したあと展開領域指定ポインタの値を1加算し、加算後の展開領域指定ポインタが指す展開領域にB2ピクチャの画像データを展開したあと展開領域指定ポインタの値を次に復号化されるピクチャに応じて更新するようにすればよい。なお、展開領域指定ポインタの値が12となった場合には0に戻される。
【0197】
図33は、GCL81が実行するムービー画像再生処理の例を示すフローチャートである。ムービー画像再生処理において、GCL81は、ステップS203にてムービー画像表示領域の変形処理が行われているか否かを判定する(ステップS221)。ムービー画像表示領域の変形処理が行われている場合には、GCL81は、変形処理が行われたムービー画像表示領域の設定位置およびサイズに合わせて、再生領域指定ポインタが指す画像メモリの展開領域に展開されている画像データの変形処理を実行する(ステップS222)。具体的には、まず、GCL81は、変形を行わない場合のフレームデータを展開するVRAM空間の各ドット(各画素)の座標を認識する。ここで、ムービー画像表示領域が拡大/縮小処理されている場合は、GCL81は、ムービー画像表示領域の拡大/縮小率にもとづいて、拡大または縮小した後のムービー画像表示領域内に展開する画像データの各ドットの座標を演算する。また、ムービー画像表示領域が回転処理されている場合は、GCL81は、ムービー画像表示領域の回転率にもとづいて、回転した後のムービー画像表示領域内に展開する画像データの各ドットの座標を演算する。
【0198】
次いで、GCL81は、変形処理されていない画像データを、変形処理されていないムービー画像表示領域に展開する。または、変形処理された画像データを、変形処理されたムービー画像表示領域に展開する。このとき、GCL81は、画像データを展開するVRAM84上の各ドット(各画素)の座標が表示領域内の座標であるか否かを判定する。そして、GCL81は、表示領域内のドットに対してのみ画像データを展開する。すなわち、表示領域外のドットに対する画像データの展開を禁止する。例えば、図34(A)に示すように、変形処理が行われていない場合には表示領域内に収まるムービー画像表示領域が、図34(B)に示すように、変形処理(ここでは縦に拡大)が行われたことにより表示領域外にはみ出してしまう場合、ムービー画像表示領域のはみ出し部分への画像データの展開処理が禁止される。その後、画像の表示タイミングになると、GCL81は、表示領域内に展開された画像を可変表示装置(LCD)6に出力して、画像を可変表示装置6の表示領域に表示させる(ステップS223)。そして、GCL81は、再生領域指定ポインタが次に使用される展開領域を指すようにしておくために、再生領域指定ポインタの値を更新する(ステップS224)。
【0199】
再生領域指定ポインタは、例えばVRAM84の所定の領域に設けられ、動画再生を行うために次に用いられる画像データが展開されている展開領域を指すポインタである。例えば、画像メモリに展開領域0から展開領域11までの12個の展開領域が設けられている場合には、再生領域指定ポインタは、0〜11までの範囲の値をとり、ステップS224にて再生領域指定ポインタの値が1加算されるように構成される。なお、再生領域指定ポインタの値が12となった場合には0に戻される。そして、GCL81によって、ステップS222にて、再生領域指定ポインタの値と同一の値が設定されている展開領域が、動画再生のために次に使用する画像データが格納されている領域として選択される。
【0200】
なお、上述したムービー画像再生処理は、例えば、上述したムービー画像復号化処理のあとに続けて実行される。ただし、画像データが復号化される順番と再生される順番が異なるので、ムービー画像再生処理よりもムービー画像復号化処理が少なくとも数回分先行して実行される必要がある。このムービー画像復号化処理及びムービー画像再生処理は、ムービー画像による遊技演出が行われるときに呼び出されて繰り返し実行される。ムービー画像復号化処理及びムービー画像再生処理が繰り返し実行されることで、LCD6の表示領域中のムービー画像表示領域上に、圧縮されているムービー画像データに基づくムービー画像が動画表示され、遊技演出が実行される。
【0201】
図35は、スクロールされる画像の展開開始位置を示す説明図である。図35に示す例では、画像(スプライト画像またはムービー画像)が表示領域を横スクロールする場合における表示領域と画像の展開開始位置との関係を示している。水平サイズmで垂直サイズnである画像(特別図柄「6」)は、VRAM空間の展開開始位置では表示領域から完全にはみ出している。このとき、ステップS892(図22)またはステップS895(図26)において、画像の全ての部分が表示領域外に存在すると判定されるため(ステップS893のYまたはステップS896のY)、レジスタに展開指示禁止データが設定され(ステップS894,S897)、ステップS884またはステップS865において、演出制御用CPU101から当該画像の展開指示がGCL81に送られないことになる。
【0202】
画像(特別図柄「6」)が徐々に横方向(水平方向)に移動していくと、次に、水平サイズm’で垂直サイズn’である画像(特別図柄「7」)がVRAM空間の展開開始位置に展開されることになる。ここで、画像(特別図柄「7」)は、画像(特別図柄「6」)よりも水平サイズが大きいので(すなわちm’>m)、展開開始位置において表示領域から完全にははみ出していない(画像の一部が表示領域内に入っている)。従って、ステップS892(図22)またはステップS895(図26)において、画像の少なくとも一部が表示領域内に存在すると判定され(ステップS893のNまたはステップS896のN)、結果的に、ステップS884またはステップS865において、演出制御用CPU101から当該画像の展開指示がGCL81に送られることになる。但し、ステップS105またはステップS223において、表示領域外に存在する画像の部分についての画像データの展開処理は行われない。
【0203】
図35では、横スクロール表示される各特別図柄の画像の水平サイズがそれぞれ異なっている場合を例示したが、各特別図柄の画像の水平サイズが同じ大きさである場合もある。また、縦スクロール表示される各特別図柄の画像の垂直サイズは同じ大きさとされるのが一般的である。そして、通常、各特別図柄の画像は同じ展開開始位置から展開が開始される。そのような場合、各特別図柄の画像が展開開始位置に存在するフレームまたはその後の数フレームは、必ず特別図柄の画像の全ての部分が表示領域外に位置するという規則性が生じることになる。このような規則性をROM102に格納されたプログラムに反映させることにより、所定の画像に対するスプライト展開位置判定処理(ステップS892)やムービー展開位置判定処理(ステップS895)を省略することができるようになり、演出制御用CPU101の制御の簡略化を図ることができるようになる。または、上記の規則性にもとづいて、ROMに記憶されているプロセスデータの表示制御実行データ中の所定データを共通化させることもできるようになる。その結果、演出制御手段のROM容量を節減することができるようになる。
【0204】
図36は、本発明の概要を示す概念図である。本発明の遊技機では、画像表示装置6に表示される画像は所定の部品画像の組み合わせにより構成され、部品画像を表示するために用いられる部品画像データが格納される画像データ格納手段83と、画像表示装置6に表示される画像を一旦展開するための仮想表示領域を含む2次元空間の領域が確保される一時格納手段84と、画像データ格納手段83に格納された部品画像データにもとづく部品画像を一時格納手段84における領域の所定位置に展開することを指示する表示制御用マイクロコンピュータ101と、表示制御用マイクロコンピュータ101からの指示にもとづいて、画像データ格納手段83に格納された部品画像データを読み出し、読み出した当該部品画像データにもとづく部品画像を一時格納手段84における領域の所定位置に展開する処理を実行するとともに、一時格納手段84における領域内に含まれる仮想表示領域内に展開された画像を画像表示装置6に表示する処理を実行するマイクロコントローラ81とを備えている。また、表示制御用マイクロコンピュータ101は、画像表示装置6に部品画像を変形表示させるときに、所定の変形態様で部品画像を一時格納手段84における領域に展開することを指示する。また、マイクロコントローラ81は、所定の変形態様で部品画像を展開することが指示されたときには、部品画像を一時格納手段84における領域に指示された所定の変形態様で変形させて展開する変形展開手段81Aと、所定の変形態様で変形させて部品画像を一時格納手段84における領域に展開するときに、展開する部品画像が仮想表示領域内に存在するか否かを判定する領域判定手段81Bと、領域判定手段81Bにより部品画像の少なくとも一部が仮想表示領域外に存在すると判定されたときには、仮想表示領域外に存在する部品画像の少なくとも一部の展開を禁止する展開禁止手段81Cとを含んでいる。
【0205】
以上に説明したように、この実施の形態では、演出制御用CPU101が、GCL81に対して所定のスプライト画像の展開を指示する前に、所定のスプライト画像の全てが表示領域0,1内に存在するか否かを判定するスプライト展開位置判定処理(ステップS892)を実行し、スプライト展開位置判定処理にて所定のスプライト画像の全てが表示領域0,1外に存在すると判定されたときには、GCL81に対する所定のスプライト画像の展開の指示を禁止する(ステップS894,S883,S864)ように構成されているので、全く画像表示されずに遊技者の見た目で認識されないスプライト画像に関する表示制御処理をGCL81に行わせる必要がなくなる。その結果、GCL81の制御負担を軽減させることができるようになる。また、表示領域0,1から大きくはみ出してスプライト画像がVRAM空間に展開されることがなくなるので、VRAM84を効率良く使用することができるようになる。
【0206】
また、演出制御用CPU101が、GCL81に対して所定のムービー画像の展開を指示する前に、所定のムービー画像を表示するムービー画像表示領域の全てが表示領域0,1内に存在するか否かを判定するムービー展開位置判定処理(ステップS895)を実行し、ムービー展開位置判定処理にてムービー画像表示領域の全てが表示領域0,1外に存在すると判定されたときには、GCL81に対する当該ムービー画像表示領域へのムービー画像の展開の指示を禁止する(ステップS897,S883,S864)ように構成されているので、全く画像表示されずに遊技者の見た目で認識されないムービー画像に関する表示制御処理をGCL81に行わせる必要がなくなる。その結果、GCL81の制御負担を軽減させることができるようになる。また、表示領域0,1から大きくはみ出してムービー画像がVRAM空間に展開されることがなくなるので、VRAM84をより一層効率良く使用することができるようになる。
【0207】
また、スプライト展開位置判定処理およびムービー展開位置判定処理において、表示領域の左上座標からスプライト画像およびムービー画像表示領域の左上座標までの距離を演算し、その演算の演算結果によりスプライト画像およびムービー画像表示領域の全領域が仮想表示領域内に存在するか否かを判定する(ステップS902〜S916,S922〜S936)ので、確実に画像の位置判定を行うことができるようになる。
【0208】
また、スプライト展開位置判定処理およびムービー展開位置判定処理では、画像表示されるフレーム内に複数のスプライト画像およびムービー画像が含まれている場合には、各スプライト画像およびムービー画像について展開位置判定を行うとともに、表示領域外に存在すると判定されたスプライト画像およびムービー画像についてのVRAM空間への展開指示が禁止されるように構成されているので、複数のスプライト画像およびムービー画像のうちの画像表示されない画像に関する表示制御処理をGCL81に行わせる必要がなくなり、GCL81の制御負担をより一層軽減させることができるようになる。
【0209】
また、図35に示したように、複数種類の特別図柄にはサイズの異なる図柄が含まれ、複数種類の特別図柄それぞれに対応して定められた複数種類のスプライト画像により表示される場合において、演出制御用CPU101は、可変表示装置6の表示領域外から表示領域内にむけて各スプライト画像を可変表示させるときに、スプライト画像を展開する位置をVRAM空間の所定の展開開始位置から演算により更新しながら指定する。このとき、所定の展開開始位置が、全てのスプライト画像の全領域が表示領域外に存在する位置に定められると、各スプライト画像が所定の展開開始位置に存在する場合は必ずスプライト画像の全領域が表示領域外に位置するという規則性が生じることになり、このような規則性をスプライト画像の展開指示の制御に反映させることによって、展開指示の制御を簡略化することができるようになる。
【0210】
また、GCL81は、スプライト画像およびムービー画像をVRAM空間に展開する際に、それらの画像を構成する各画素について表示領域0,1内に存在するか否かを判定し、表示領域0,1外に存在する画素に対する画像の展開を禁止している(ステップS105,S224)ので、画像表示されない画像の一部分に関する展開処理を省くことができ、GCL81の制御負担がさらに軽減される。
【0211】
また、GCL81は、画像を変形表示させる機能を備え(ステップS104,S203,S222)、変形処理された画像を展開するときであっても、画像を構成する各画素について表示領域0,1内に存在するか否かを判定し、表示領域0,1外に存在する画素に対する画像の展開を禁止することができるように構成されている(ステップS105,S224)。従って、表示領域0,1からはみ出す可能性の高い変形画像の展開処理においても、画像表示されない変形画像のはみ出し部分の展開処理を確実に防止することができ、GCL81の制御負担を軽減することができるようになる。
【0212】
なお、上記の実施の形態では、スプライト画像およびムービー画像のいずれも表示できるように構成されている。従って、例えば、特別図柄をスプライト画像およびムービー画像の両方で構成しておき、通常の可変表示時においては、スプライト画像で可変表示を行い、特別な可変表示時(例えば、リーチ演出時、または予告演出時など)においては、ムービー画像で可変表示を行うように構成することも可能となる。このような構成によれば、可変表示装置6に表示される画像による演出効果を向上させることができるようになる。なお、このような態様とは逆の態様で可変表示を行うように構成されていてもよい。
【0213】
なお、上記の実施の形態のパチンコ遊技機1は、始動入賞にもとづいて可変表示装置9に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第1種パチンコ遊技機であった。すなわち、可変表示手段において複数種類の識別情報の可変表示を行い、識別情報の表示結果が特定表示結果(例えば大当り図柄)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)とする遊技機であった。しかし、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第2種パチンコ遊技機や、所定の電動役物への入賞があると所定の権利発生状態が発生または継続する第3種パチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。
【0214】
すなわち、遊技領域に遊技球を打ち込むことにより遊技者が遊技を行い、遊技者にとって有利な第1の状態(例えば開放状態)と、遊技者によって不利な第2の状態(例えば閉鎖状態)とに変化する可変入賞装置を備え、遊技領域に設けられた始動領域を遊技球が通過したことにもとづいて所定の始動態様で可変入賞装置を第2の状態から第1の状態に制御する始動遊技を行い、始動遊技により可変入賞装置に入賞した遊技球が可変入賞装置に設けられた複数の領域のうち、特定領域に進入したことにもとづいて始動態様よりも遊技者に有利な特定態様で可変入賞装置を第2の状態から第1の状態に制御する特定遊技状態を発生させる第2種パチンコ遊技機であって、特定遊技状態において継続可能なラウンド回数等を報知するために識別情報の可変表示遊技を行う可変表示手段を備えた遊技機に本発明を適用することもできる。
【0215】
また、遊技領域に遊技球を打ち込むことにより遊技者が遊技を行い、特別領域に設けられた特別検出手段で遊技球が検出されたことを条件に権利発生状態となり、権利発生状態となっている期間中に、始動領域に設けられた始動検出手段により遊技球が検出されたことにもとづいて、可変入賞装置を遊技者にとって不利な状態から遊技者にとって有利な状態に変化させる制御を行うことが可能な第3種パチンコ遊技機であって、可変入賞装置の構造を、特別領域に遊技球が進入可能な状態にすることに決定されたか否かを報知するために識別情報の可変表示遊技を行う可変表示手段を備えた遊技機に本発明を適用することもできる。
【0216】
さらに、上記の実施の形態のパチンコ遊技機1は、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader )式の第1種パチンコ遊技機であったが、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機だけでなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機にも適用可能である。
【0217】
また、パチンコ遊技機に限られず、可変表示装置と画像表示装置とを別個に備えたスロット機等の他の遊技機においても、本発明を適用することができる。すなわち、遊技球を用いて1ゲームに賭ける賭数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生可能であるスロットマシンであって、遊技に応じた演出画像を表示するLCD等の画像表示装置を備えたスロットマシンにおいて、画像表示装置に対して本発明を適用することができる。
【0218】
以下、本発明を、他の遊技機の一例であるスロット機に適用した場合の例について説明する。
【0219】
図37はスロット機(スロットマシン)500を正面から見た正面図である。図37に示すように、スロット機500は、中央付近に遊技パネル501が着脱可能に取り付けられている。また、遊技パネル501の前面の中央付近には、複数種類の図柄が可変表示される可変表示装置502が設けられている。この実施の形態では、可変表示装置502には、「左」、「中」、「右」の3つの図柄表示エリアがあり、各図柄表示エリアに対応してそれぞれ図柄表示リール502a,502b,502cが設けられている。
【0220】
遊技パネル501の下部には、遊技者が各種の操作を行うための各種入力スイッチ等が配される操作テーブル520が設けられている。操作テーブル520の奥側には、コインを1枚ずつBETする(かける)ためのBETスイッチ521、1ゲームでかけることのできる最高枚数(本例では3枚)ずつコインをBETするためのMAXBETスイッチ522、精算スイッチ523、及びコイン投入口524が設けられている。コイン投入口524に投入されたコインは、図示しない投入コインセンサによって検知される。
【0221】
操作テーブル520の手前側には、スタートスイッチ525、左リールストップスイッチ526a、中リールストップスイッチ526b、右リールストップスイッチ526c及びコイン詰まり解消スイッチ527が設けられている。操作テーブル520の手前左右には、それぞれランプ528a,528bが設けられている。操作テーブル520の下部には、効果音等を出力するスピーカ530が設けられている。
【0222】
遊技パネル501の上部には、遊技者に遊技方法や遊技状態等を報知する画像表示装置(LCD:液晶表示装置)540が設けられている。例えば、入賞発生時に、キャラクタが所定動作を行う画像を画像表示装置540に表示することで、後述する当選フラグが設定されていることを遊技者に報知する。本例では、この画像表示装置540の飾り図柄表示領域で、スプライト画像データにもとづくスプライト画像やムービー画像データにもとづくムービー画像が表示される。そして、スロット機500においても上述したパチンコ遊技機と同様に、画像表示に関する各種処理(例えば、画像展開指示制御処理を含む演出制御メイン処理、スプライト画像復号化表示処理、ムービー画像表示領域設定処理、ムービー画像復号化処理、ムービー画像再生処理)が実行される。また、画像表示装置540の左右には、効果音を発する2つのスピーカ541L,541Rが設けられている。
【0223】
なお、スロット機500で発生する入賞役には、小役入賞と、リプレイ入賞と、ビッグボーナス入賞と、レギュラーボーナス入賞とがある。スロット機500では、スタートスイッチ525を操作したタイミングで乱数が抽出され、上記いずれかの入賞役による入賞の発生を許容するか否かを決定する。入賞の発生が許容されていることを、「内部当選している」という。内部当選した場合、その旨を示す当選フラグがスロット機500の内部で設定される。当選フラグが設定された状態でのゲームでは、その当選フラグに対応する入賞役を引き込むことが可能なようにリール502a〜502cが制御される。一方、当選フラグが設定されていない状態でのゲームでは、入賞が発生しないようにリール502a〜502cが制御される。
【0224】
次に、スロット機により提供されるゲームの概要について説明する。
例えば、コイン投入口524からコインが投入されBETスイッチ521又はMAXBETスイッチ522が押下される等してかけ数が設定されると、スタートスイッチ525の操作が有効となる。そして、遊技者によってスタートスイッチ525が操作されると、可変表示装置502に設けられている各図柄表示リール502a〜502cが回転を始める。また、スタートスイッチ525を操作したタイミングで、レギュラーボーナス入賞又はビッグボーナス入賞が内部当選した場合には、例えば、画像表示装置540に所定のキャラクタが所定の動作を行っている画面を表示する等して、内部当選した旨が遊技者等に報知される。
【0225】
各図柄表示リール502a〜502cが回転を始めてから所定時間が経過すると、各リールストップスイッチ526a〜526cの操作が有効となる。この状態で、遊技者が各リールストップスイッチ526a〜526cのいずれかを押下すれば、操作されたストップスイッチに対応するリールの回転が停止する。なお、各図柄表示リール502a〜502cを停止させずに、所定期間以上放置した場合には、各図柄表示リール502a〜502cが自動的に停止する。
【0226】
すべての図柄表示リール502a〜502cが停止した時点で、可変表示装置502に表示されている各図柄表示リール502a〜502cの上段、中段、下段の3段の図柄中、かけ数に応じて定められる有効な入賞ライン上に位置する図柄の組合せによって入賞したか否かが定められる。かけ数が1の場合には、可変表示装置502における中段の横1列の入賞ラインのみが有効となる。かけ数が2の場合には、可変表示装置502における上段、中段、下段の横3列の入賞ラインが有効となる。かけ数が3の場合には、可変表示装置502における横3列と斜め対角線上2列の合計5本の入賞ラインが有効ラインとなる。
【0227】
有効ライン上の図柄の組合せが、予め定められた特定の表示態様となって入賞が発生した場合には、音、光、画像表示装置540の表示等によって所定の遊技演出がなされ、入賞の発生に応じたゲームが開始される。
【0228】
図38は、スロット機500に備えられる主基板(遊技制御基板)600の回路構成の一例を示すブロック図である。図38には、演出制御基板630及びリールユニット650も示されている。なお、主基板600には電源基板や中継基板等の他の基板も接続されるが、図38には示されていない。主基板600は、プログラムに従って制御動作を行うCPU602、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM603、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM604及びI/Oポート部605を含む構成とされている。
【0229】
リールユニット650には、リールモータ651と、リールランプ652と、リールセンサ653とが格納されている。リールモータ651は、各リール502a〜502cを回転させるためのモータである。リールランプ652は、各リール502a〜502cの内部に設けられ、各リール502a〜502cに描かれた図柄のうち、可変表示装置502にて視認される図柄をリールの内側から照らすためのランプである。リールセンサ653は、各リール502a〜502cの回転状態や回転数等を感知するためのセンサである。
【0230】
この実施の形態では、演出制御基板630に搭載されている演出制御手段が、スロット機500に設けられている画像表示装置540の表示制御や、リールランプ652の点灯制御を行う。画像表示装置540には、演出制御手段の制御によって、飾り図柄の変動表示や、遊技状態や遊技方法を報知するための表示等の様々な情報が表示される。この例では、演出制御基板630に搭載されている演出制御手段には、演出制御用のCPUやGCL等が含まれる。したがって、演出制御基板630に搭載されている演出制御手段は、上述したパチンコ遊技機と同様に、各種画像による遊技演出を実行することができる構成とされている。なお、演出制御基板630に搭載されている演出制御手段は、スロット機500に設けられている各種の遊技効果ランプ550,551,552,553の点灯制御、及びスロット機500に設けられているスピーカ501,541L,541Rの音出力制御を行う。
【0231】
この例では、演出制御基板630は、主基板600から受信した制御コマンドに基づく演出パターンに従って、画像表示装置540や、遊技効果ランプ550等や、スピーカ530等を制御する。画像表示装置540では、所定の画像表示パターン(演出パターンの一例)に従って、飾り図柄の変動表示がなされる。飾り図柄の変動表示演出では、例えば、パチンコ機における特別図柄の変動表示のような図柄組合せ演出表示や、リール502a〜502cの変動表示のような図柄組合せ演出等の演出が実行される。予め複数設けられている演出パターンから何れの演出パターンを用いるかについては、例えば、スタートスイッチ525が操作されたタイミングで、CPU602によって決定される。
【0232】
なお、上述したスロット機500では、スプライト画像やムービー画像による演出等がなされるが、それらの演出は、例えば、入賞していない通常の遊技期間中、レギュラーボーナス入賞によってレギュラーボーナスゲームが行われている期間中、ビッグボーナス入賞によるビッグボーナスゲームが行われている期間中等に実行される、飾り図柄の可変表示演出の実行中などに行われるようにすればよい。
【0233】
以上説明したように、本発明をスロット機に適用することができ、スロット機に適用した場合であっても上述した実施の形態における効果を得ることができる。
【0234】
上述した各遊技機は、可変表示装置における変動表示の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに所定の遊技価値を遊技者に与える構成とされている。遊技価値とは、例えば、遊技機の遊技領域に設けられた可変入賞球装置が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、遊技者にとって有利な状態となるための権利を発生させたりすることや、景品遊技媒体払出の条件が成立しやすくなる状態になることである。
【0235】
なお、上述した実施の形態において、「リーチ表示状態」とは、可変表示装置において最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、特定表示態様と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している表示状態、又は、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している表示状態をいう。また、リーチ表示状態において行われる演出をリーチ演出という。さらに、リーチ表示状態やその様子をリーチ表示態様という。
【0236】
また、「特定遊技状態」とは、所定の遊技価値が付与された遊技者にとって有利な状態を意味する。具体的には、「特定遊技状態」は、例えば、可変入賞球装置の状態が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態(大当り遊技状態)、遊技者にとって有利な状態となるための権利が発生した状態、景品遊技媒体払出の条件が成立しやすくなる状態等の、所定の遊技価値が付与された状態である。
【0237】
さらに、「特別遊技状態」とは、大当りとなりやすい遊技者にとって有利な状態を意味する。具体的には、「特別遊技状態」は、例えば、特別図柄が大当り図柄でそろう確率が高確率状態とされる確変状態、単位時間あたりの普通図柄の変動回数が高められる時短状態、可変入賞球装置9の開成期間や開成回数が高められる開放延長状態等の大当りとなる確率が高められている高確率状態である。なお、時短状態は、可変入賞球装置9の開放回数が高められていることから単位時間あたりの入賞回数が増加し、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数が高められるので、大当りとなる確率が高められている状態といえる。また、同様に、開放延長状態は、可変入賞球装置9の開成期間や開成回数が高められていることから単位時間あたりの入賞回数が増加し、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数が高められるので、大当りとなる確率が高められている状態といえる。
【0238】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明では、画像表示装置に表示される画像が所定の部品画像の組み合わせにより構成され、部品画像を表示するために用いられる部品画像データが格納される画像データ格納手段と、画像表示装置に表示される画像を一旦展開するための仮想表示領域を含む2次元空間の領域が確保される一時格納手段と、画像データ格納手段に格納された部品画像データを用いた部品画像を一時格納手段における領域の所定位置に展開することを指示する表示制御用マイクロコンピュータと、表示制御用マイクロコンピュータからの指示に応じて、画像データ格納手段に格納された部品画像データを読み出し、読み出した部品画像データを用いた部品画像を一時格納手段における領域の所定位置に展開する処理を実行するとともに、一時格納手段における領域内に含まれる仮想表示領域内に展開された画像を画像表示装置に表示する処理を実行するマイクロコントローラとを備え、表示制御用マイクロコンピュータが、画像表示装置に部品画像を変形表示させるときに、所定の変形態様で部品画像を一時格納手段における領域に展開することを指示し、マイクロコントローラが、所定の変形態様で部品画像を展開することが指示されたときには、部品画像を一時格納手段における領域に指示された所定の変形態様で変形させて展開する変形展開手段と、所定の変形態様で変形させて部品画像を一時格納手段における領域に展開するときに、展開する部品画像が仮想表示領域内に存在するか否かを判定する領域判定手段と、領域判定手段により部品画像の少なくとも一部の領域が仮想表示領域外に存在すると判定されたときには、仮想表示領域外に存在する部品画像の領域についての画像の展開を禁止する展開禁止手段とを含むように構成されているので、画像表示されない画像のはみ出し部分の展開処理を確実に防止することができ、マイクロコントローラの制御負担を軽減することができる。
【0239】
請求項2記載の発明では、部品画像にはスプライト画像が含まれ、表示制御用マイクロコンピュータが、マイクロコントローラに対して所定のスプライト画像の展開を指示する前に、所定のスプライト画像の全領域が仮想表示領域内に存在することになるか否かを判定するスプライト位置判定手段と、スプライト位置判定手段により所定のスプライト画像の全領域が仮想表示領域外に存在することになると判定されたときには、マイクロコントローラに対する所定のスプライト画像の展開の指示を禁止する展開指示禁止手段とを含むように構成されているので、全く画像表示されないスプライト画像に関する処理をマイクロコントローラに行わせることがなくなり、マイクロコントローラの制御負担を軽減させることができる。
【0240】
請求項3記載の発明では、部品画像には、動画表示されるムービー画像が含まれ、表示制御用マイクロコンピュータは、マイクロコントローラに対して所定のムービー画像の展開を指示する前に、当該所定のムービー画像を展開するためのムービー画像表示領域の全領域が仮想表示領域内に存在することになるか否かを判定するムービー位置判定手段と、ムービー位置判定手段によりムービー画像表示領域の全領域が仮想表示領域外に存在することになると判定されたときには、マイクロコントローラに対する所定のムービー画像の展開の指示を禁止する展開指示禁止手段とを含むように構成されているので、全く画像表示されないムービー画像に関する処理をマイクロコントローラに行わせることがなくなり、マイクロコントローラの制御負担を軽減させることができる。
【0241】
請求項4記載の発明では、一時格納手段における領域内に複数の仮想表示領域が設定され、マイクロコントローラが、一の仮想表示領域に展開された画像が画像表示装置に表示されている間に、別の仮想表示領域に画像を展開する処理を実行するように構成されているので、展開処理における画像データの誤り等が少なくなり、間違った画像データによる画像表示を防止することができるようになる。
【0242】
請求項5記載の発明では、所定の変形態様は、部品画像を縮小、拡大または回転させる態様とされているので、部品画像の表示態様が多様となり、画像表示による遊技演出の興趣が向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。
【図2】遊技機を裏面から見た背面図である。
【図3】遊技制御部を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。
【図4】演出制御基板の回路構成例を示すブロック図である。
【図5】主基板におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図6】2msタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【図7】特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図8】演出制御用CPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図9】GCL割込み処理を示すフローチャートである。
【図10】コマンド受信バッファの構成を示す説明図である。
【図11】コマンド解析処理を示すフローチャートである。
【図12】演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図13】プロセスデータの一構成例を示す説明図である。
【図14】変動パターンコマンドコマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。
【図15】予告選択処理を示すフローチャートである。
【図16】全図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
【図17】図柄変動中処理を示すフローチャートである。
【図18】全図柄停止待ち処理を示すフローチャートである。
【図19】画像展開指示制御処理の例を示すフローチャートである。
【図20】スプライト画像の表示例を示す説明図である。
【図21】VRAM空間における表示領域の設定位置およびスプライト画像の展開位置の例を示す説明図である。
【図22】スプライト展開位置判定処理の例を示すフローチャートである。
【図23】ムービー画像表示領域の設定位置の例を示す説明図である。
【図24】ムービー画像の表示例を示す説明図である。
【図25】VRAM空間における表示領域の設定位置およびムービー画像の展開位置の例を示す説明図である。
【図26】ムービー展開位置判定処理の例を示すフローチャートである。
【図27】CGROMに記憶されるCGデータのデータ構成を示す説明図である。
【図28】スプライト画像復号化表示処理の例を示すフローチャートである。
【図29】表示領域外にはみ出したスプライト画像の例を示す説明図である。
【図30】ムービー画像データのデータ構造の例を示す説明図である。
【図31】ムービー画像表示領域設定処理の例を示すフローチャートである。
【図32】ムービー画像復号化処理の例を示すフローチャートである。
【図33】ムービー画像再生処理の例を示すフローチャートである。
【図34】表示領域外にはみ出したムービー画像表示領域の例を示す説明図である。
【図35】スクロールされる画像の展開開始位置を示す説明図である。
【図36】本発明の概要を示す概念図である。
【図37】スロット機を正面から見た正面図である。
【図38】スロット機に搭載されている主基板の回路構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
6 可変表示装置(画像表示装置)
30 主基板
33 CPU
60 ランプ制御部
70 音制御部
80 表示制御部
81 GCL
83 CGROM
84 SDRAM(VRAM)
100 演出制御基板
101 演出制御用CPU
102 ROM
500 スロット機
540 画像表示装置
600 主基板
630 演出制御基板

Claims (5)

  1. 遊技者が所定の遊技を実行可能であり、所定の遊技の結果として特定結果が得られたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって、
    表示状態を変化可能な表示領域を有する画像表示装置を備え、
    前記画像表示装置に表示される画像は所定の部品画像の組み合わせにより構成され、
    前記部品画像を表示するために用いられる部品画像データが格納される画像データ格納手段と、
    前記画像表示装置に表示される前記画像を一旦展開するための仮想表示領域を含む2次元空間の領域が確保される一時格納手段と、
    前記画像データ格納手段に格納された前記部品画像データに用いた前記部品画像を前記一時格納手段における領域の所定位置に展開することを指示する表示制御用マイクロコンピュータと、
    前記表示制御用マイクロコンピュータからの指示に応じて、前記画像データ格納手段に格納された前記部品画像データを読み出し、読み出した当該部品画像データを用いた部品画像を前記一時格納手段における領域の所定位置に展開する処理を実行するとともに、前記一時格納手段における領域内に含まれる前記仮想表示領域内に展開された画像を前記画像表示装置に表示する処理を実行するマイクロコントローラとを備え、
    前記表示制御用マイクロコンピュータは、前記画像表示装置に部品画像を変形表示させるときに、所定の変形態様で前記部品画像を前記一時格納手段における領域に展開することを指示し、
    前記マイクロコントローラは、前記所定の変形態様で前記部品画像を展開することが指示されたときには、前記部品画像を前記一時格納手段における領域に指示された前記所定の変形態様で変形させて展開する変形展開手段と、
    前記所定の変形態様で変形させて前記部品画像を前記一時格納手段における領域に展開するときに、展開する前記部品画像が前記仮想表示領域内に存在するか否かを判定する領域判定手段と、
    前記領域判定手段により前記部品画像の少なくとも一部の領域が前記仮想表示領域外に存在すると判定されたときには、前記仮想表示領域外に存在する前記部品画像の領域についの画像の展開を禁止する展開禁止手段とを含む
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 部品画像にはスプライト画像が含まれ、
    表示制御用マイクロコンピュータは、マイクロコントローラに対して所定のスプライト画像の展開を指示する前に、当該所定のスプライト画像の全領域が仮想表示領域内に存在することになるか否かを判定するスプライト位置判定手段と、
    前記スプライト位置判定手段により前記所定のスプライト画像の全領域が前記仮想表示領域外に存在することになると判定されたときには、前記マイクロコントローラに対する前記所定のスプライト画像の展開の指示を禁止する展開指示禁止手段とを含む
    請求項1記載の遊技機。
  3. 部品画像には、動画表示されるムービー画像が含まれ、
    表示制御用マイクロコンピュータは、マイクロコントローラに対して所定のムービー画像の展開を指示する前に、当該所定のムービー画像を展開するためのムービー画像表示領域の全領域が仮想表示領域内に存在することになるか否かを判定するムービー位置判定手段と、
    前記ムービー位置判定手段により前記ムービー画像表示領域の全領域が前記仮想表示領域外に存在することになると判定されたときには、前記マイクロコントローラに対する前記所定のムービー画像の展開の指示を禁止する展開指示禁止手段とを含む
    請求項1または請求項2記載の遊技機。
  4. 一時格納手段における領域内に複数の仮想表示領域が設定され、
    マイクロコントローラは、一の仮想表示領域に展開された画像が画像表示装置に表示されている間に、別の仮想表示領域に画像を展開する処理を実行する
    請求項1から請求項3のうちのいずれかに記載の遊技機。
  5. 所定の変形態様は、部品画像を縮小、拡大または回転させる態様である
    請求項1から請求項4のうちのいずれかに記載の遊技機。
JP2002373216A 2002-12-24 2002-12-24 遊技機 Withdrawn JP2004201847A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002373216A JP2004201847A (ja) 2002-12-24 2002-12-24 遊技機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002373216A JP2004201847A (ja) 2002-12-24 2002-12-24 遊技機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004201847A true JP2004201847A (ja) 2004-07-22

Family

ID=32811582

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002373216A Withdrawn JP2004201847A (ja) 2002-12-24 2002-12-24 遊技機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004201847A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020137648A (ja) * 2019-02-27 2020-09-03 株式会社藤商事 遊技機
JP2020137646A (ja) * 2019-02-27 2020-09-03 株式会社藤商事 遊技機
JP7312568B2 (ja) 2019-02-27 2023-07-21 株式会社藤商事 遊技機

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020137648A (ja) * 2019-02-27 2020-09-03 株式会社藤商事 遊技機
JP2020137646A (ja) * 2019-02-27 2020-09-03 株式会社藤商事 遊技機
JP7312568B2 (ja) 2019-02-27 2023-07-21 株式会社藤商事 遊技機
JP7396800B2 (ja) 2019-02-27 2023-12-12 株式会社藤商事 遊技機
JP7396799B2 (ja) 2019-02-27 2023-12-12 株式会社藤商事 遊技機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2004222876A (ja) 遊技機、演出表示制御方法、および演出表示制御プログラム
JP2004201845A (ja) 遊技機
JP4435491B2 (ja) 遊技機、遊技機の演出制御方法および遊技演出プログラム
JP2005013477A (ja) 遊技機
JP4405199B2 (ja) 遊技機
JP4255780B2 (ja) 遊技機
JP2005013515A (ja) 遊技機
JP4472379B2 (ja) 遊技機
JP2004073447A (ja) 遊技機
JP2004174116A (ja) 遊技機
JP4364506B2 (ja) 遊技機
JP2004201847A (ja) 遊技機
JP2004008483A (ja) 遊技機
JP2004201846A (ja) 遊技機
JP4004942B2 (ja) 遊技機
JP2004089285A (ja) 遊技機
JP2004201858A (ja) 遊技機
JP2004089487A (ja) 遊技機
JP2004049568A (ja) 遊技機
JP2004215767A (ja) 遊技機
JP2004073255A (ja) 遊技機
JP2004057409A (ja) 遊技機
JP2004057309A (ja) 遊技機
JP2004073390A (ja) 遊技機
JP2004073459A (ja) 遊技機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040831

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20051205

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20060125

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20080425