JP2004201594A - 生体培養用基体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】セラミックス多孔体からなり、生体有害性がなく、培養液や血漿を流すための貫通孔を有して、酸素や栄養分等を全体に行き渡らせることができ、かつ製造が容易で安価な生体培養用基体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】生体培養用基体は、無数の気孔2を有するセラミックス多孔体3と、このセラミックス多孔体3を一端から他端に向けて貫通しほぼ内径が同一の貫通孔4とを有する。また、その製造方法である。
【選択図】 図1
【解決手段】生体培養用基体は、無数の気孔2を有するセラミックス多孔体3と、このセラミックス多孔体3を一端から他端に向けて貫通しほぼ内径が同一の貫通孔4とを有する。また、その製造方法である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は生体培養用基体及びその製造方法に係わり、特にセラミックス多孔体を用いた生体培養用基体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
生体培養用基体は、3次元的に高密度で培養させるために、多孔体が用いられており、酸素や栄養分等を全体に行き渡らせるために培養液や血漿を流すための貫通孔を有している。例えば、98%の空隙率を有するポリウレタンフォームブロックに多数の細管を設けたものや、95%の気孔率を有するアルミナ質円筒を組み合わせたものがある。
【0003】
さらに、多数の半透膜構造をもつ合成樹脂からなる中空糸を規則的に配管させた構造体がある(例えば、特許文献1)。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のモジュールは、ポリウレタンフォームが生体に有害なイソシアネートを原料に使用しているので、安全性に問題がある可能性がある。また、内径10mm、外径20mm、長さ200mm程度の形状で、95%の気孔率を有するアルミナ質円筒を製造する場合には以下のような問題がある。
【0005】
第1の問題点は、成形時に貫通孔を開けてしまうと、焼成時に発生する反りのために、その後外面加工をしたとしても貫通孔が曲がっているので、モジュールを組み合わせたときに貫通孔同士にずれが生じてしまい、貫通孔内を通す血漿等の流れに障害ができることである。また反り具合が大き過ぎると、不良となることもある。焼成時の反り防止対策を行おうとしても、焼成収縮があるので、重力方向には重石等で対策できるが、重力と垂直方向には困難である。その他、反り直しの対策として熱処理をする方法もあるが、よりコストがかかることになる。
【0006】
第2の問題点は、焼成体で貫通孔を開けると、低強度であるために加工時に破壊する危険性があることである。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−128660号公報(段落番号[0002]、[0016]、[0025]、[0027]、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、セラミックス多孔体からなり、生体有害性がなく、培養液や血漿等を流すための貫通孔を有して、酸素や栄養分等を全体に行き渡らせることができ、かつ製造が容易で安価な生体培養用基体及びその製造方法が要望されていた。
【0009】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、セラミックス多孔体からなり、生体有害性がなく、培養液や血漿等を流すための貫通孔有して、酸素や栄養分等を全体に行き渡らせることができ、かつ製造が容易で安価な生体培養用基体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の1つの態様によれば、無数の開気孔を有するセラミックス多孔体と、このセラミックス多孔体を一端から他端に向けて貫通しその間においてほぼ断面積が同一の貫通孔とを有することを特徴とする生体培養用基体が提供される。これにより、セラミックス多孔体からなり、生体有害性がなく、培養液や血漿等を流すための貫通孔を有して、酸素や栄養分等を全体に行き渡らせることができ、かつ製造が容易で安価な生体培養用基体が実現される。
【0011】
また、本発明の他の態様によれば、無数の開気孔を有する複数のセラミックス多孔体を組み合わせてなり、この組み合わせによりセラミックス多孔体の外周面に沿ってその一端から他端に達し断面積がほぼ同一の貫通孔が形成されることを特徴とする生体培養用基体が提供される。これにより、セラミックス多孔体からなり、生体有害性がなく、培養液や血漿等を流すための貫通孔有して、酸素や栄養分等を全体に行き渡らせることができ、かつ製造が容易で、安価な生体培養用基体が実現される。
【0012】
好適な一例では、前記貫通孔は、前記セラミックス多孔体の外周面に沿って設けられた空間形成部により形成される。これにより、貫通孔が容易に形成でき、生体培養用基体を容易かつ安価に製造することができる。
【0013】
また、他の好適な一例では、前記セラミックス多孔体は、3次元網状気孔構造を有し、気孔率85%以上99%以下である。これにより、担体中に固定された細胞は自発的に球状組織体(スフェロイド)を形成して、細胞が由来する組織・臓器の機能を高度に発現し、かつこの機能を長期間維持することができる。
【0014】
また、他の好適な一例では、前記セラミックス多孔体は、アルミナ、シリカ、ジルコニア、アルミナーシリカ、アルミナージルコニアのうちのいずれかからなる。これにより、生体有害性がないセラミックス多孔体からなる生体培養用基体が実現される。
【0015】
また、本発明の他の態様によれば、セラミックス原料粉末及び架橋重合により硬化し得る有機物質を溶媒に分散または溶解させたスラリを調整する工程と、このスラリに起泡剤を添加し攪拌及び気体導入の両方または一方により所定の容積まで起泡し、泡沫状態のスラリとする工程と、泡沫スラリに架橋剤及び架橋開始剤の両方または一方を添加して混合し、焼き抜き可能な糸状部材が張設された型枠に導入して架橋重合により硬化し成形体とする工程と、この成形体を焼結する、または、型枠に導入後、焼き抜き可能な糸状部材を埋入して架橋重合により硬化し成形体とする工程とを有することを特徴とする生体培養用基体の製造方法が提供される。これにより、セラミックス多孔体からなり、生体有害性がなく、培養液や血漿等を流すための貫通孔を有して、酸素や栄養分等を全体に行き渡らせることができ、かつ製造が容易で安価な生体培養用基体が製造される。
【0016】
また、本発明の他の態様によれば、セラミックス原料粉末及び架橋重合により硬化し得る有機物質を溶媒に分散または溶解させたスラリを調整する工程と、このスラリに起泡剤を添加し攪拌及び気体導入の両方または一方により所定の容積まで起泡し、泡沫状態のスラリとする工程と、泡沫スラリに架橋剤及び架橋開始剤の両方または一方を添加して混合し、セラミックス多孔体の外周面に貫通孔を形成するに必要な空間形成部が形成されるように凸部が設けられた型枠に導入して架橋重合により硬化し成形体とする工程と、この成形体を焼結してセラミックス多孔体とする工程と、前記空間形成部が設けられたセラミックス多孔体を貫通孔が形成されるように組み合わせる工程とを有することを特徴とする生体培養用基体の製造方法が提供される。これにより、セラミックス多孔体からなり、生体有害性がなく、培養液や血漿等を流すための貫通孔を有して、酸素や栄養分等を全体に行き渡らせることができ、かつ製造が容易で安価な生体培養用基体が製造される。
【0017】
また、本発明の他の態様によれば、セラミックス原料粉末及び架橋重合により硬化し得る有機物質を溶媒に分散または溶解させたスラリを調整する工程と、このスラリに起泡剤を添加し攪拌及び気体導入の両方または一方により所定の容積まで起泡し、泡沫状態のスラリとする工程と、泡沫スラリに架橋剤及び架橋開始剤の両方または一方を添加して混合し、型枠に導入して架橋重合により硬化し成形体とする工程と、この成形体を焼結してセラミックス多孔体とする工程と、このセラミックス多孔体の外周面に貫通孔を形成するのに必要な空間形成部の形成加工を施す工程と、この空間形成部が設けられたセラミックス多孔体を貫通孔が形成されるように組み合わせる工程とを有することを特徴とする生体培養用基体の製造方法が提供される。これにより、セラミックス多孔体からなり、生体有害性がなく、培養液や血漿等を流すための貫通孔を有して、酸素や栄養分等を全体に行き渡らせることができ、かつ製造が容易で安価な生体培養用基体が製造される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる生体培養用基体の第1実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0019】
図1は本発明に係わる生体培養用基体の第1実施形態の概念図である。
【0020】
図1に示すように、本第1実施形態の生体培養用基体1は、無数の気孔2を有し、例えば円柱形状のセラミックス多孔体3と、このセラミックス多孔体3を一端から他端に向けて貫通しほぼ断面積が同一の貫通孔4とを有している。
【0021】
上記セラミックス多孔体3は、3次元網状気孔構造をなし、その材質は生体有害性がないものとして、アルミナ、シリカ、ジルコニア、アルミナ−シリカ、アルミナ−ジルコニアのうちのいずれかからなっており、その気孔率85%以上99%以下が好ましく、特に95%以上であるのが好ましい。また、気孔径が100μm以上1000μm以下の気孔が、セラミックス多孔体3の体積の50%以上を有することが好ましい。気孔率85%より小さいと、細胞培養効率が低下し、99%を超えると、製造が困難である。貫通孔は無数にある方が均一に栄養等が循環し、好ましい。また、貫通孔の孔径は、好ましくは0.5〜5mm、1〜2mmであるのがより好ましく、また、その孔面積は、セラミックス多孔体3の断面積の20〜50%であることが好ましく、20〜30%であるのがより好ましい。
【0022】
次に本発明に係わる第1実施形態の生体培養用基体の製造方法について説明する。
【0023】
図2に示すように、例えば焼き抜き材11が直線状に張設された所望寸法の型枠12を用意する。
【0024】
焼き抜き材11は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアシド、ポリアクリル繊維などの有機合成繊維あるいは絹繊維、セルローズ繊維を含めた天然繊維などが好ましい。貫通孔4は焼結体での孔径が1〜2mmに形成されるように、乾燥および焼成収縮を考慮して、成形時の太さを変える必要がある。人工肝臓に用いる場合には、細胞と灌流液との間の間接的接触効率や物質移動効率がよく、細胞数を適正に保て、人工肝臓の血液浄化効率を維持できる。内径が大き過ぎると含有する細胞数が減少し、人工肝臓の血液浄化効率が低下する。一方、内径が小さ過ぎると肝細胞に十分に酸素や栄養の供給が行えない。
【0025】
上記型枠12は、直方体形状をなし、主型13と、この主型13を両側から着脱自在に閉塞する側型14と、各々の側型14間に張設された多数の焼き抜き材11とからなり、この焼き抜き材11の張設は、焼き抜き材11が取り付けられた別個の取り付け板15を側型14に取り付けることによって行なわれている。なお、焼き抜き材は、取り付け板を用いず直接側型に張設されてもよい。また、型にスラリを充填した後に、焼き抜き材を埋入してもよい。
【0026】
次に、アルミナ、シリカ、ジルコニア、アルミナ−シリカ、アルミナ−ジルコニアのうちのいずれかからなるセラミックス原料粉末、界面活性剤、分散剤、セラミックス原料粉末に対して15重量%以上45重量%以下の架橋重合性樹脂をそれぞれ混ぜ合わせて起泡させ、泡沫スラリを調整する。調整された泡沫スラリに架橋剤を添加して、上記型枠12に流し込み、架橋重合で硬化させる。成形体を型枠12から取り出し、焼成する。気孔率が85%以上99%以下で、気孔径100μm以上1000μm以下の気孔を有するように起泡状態を調整してセラミックス多孔体3を得て、焼き抜き材11が焼却されるために、図1に示すように、セラミックス多孔体3を一端から他端に向けて貫通しほぼ断面積が同一の貫通孔4が形成された生体培養用基体1が得られる。なお、必要に応じて、セラミックス多孔体の外径の整形を行う。
【0027】
上記のような本発明に係わる製造方法によれば、3次元網状気孔構造を有し、その一端から他端に向けて貫通しほぼ断面積が同一の貫通孔が形成された生体培養用基体を容易かつ安価に製造することができる。
【0028】
また、本発明に係わる生体培養用基体をハイブリット型人工肝臓モジュールとして使用する例を説明する。
【0029】
人工肝臓は、急性及び慢性の肝臓障害に対する一時的な治療法として期待されており、肝細胞を多孔質担体中に充填したハイブリッド型人工肝臓が注目されている。このハイブリッド型人工肝臓を利用する治療法としては、血漿灌流法を基本技術とした体外循環システムが知られている。このシステムは、血液が循環する生体側回路と血漿が循環する人工肝臓モジュール側回路から構成され、血漿分離器を介して物質交換を行うものである。
【0030】
例えば、図3に示すように、本発明に係わる生体培養用基体1は、人工肝臓補助システム21にハイブリット型人工肝臓モジュールとして組み込まれて使用され、生体培養用基体1は、カートリッジ容器に収納された3次元網状気孔構造のセラミックス多孔体であり、このセラミックス多孔体を担体として動物細胞が播種・付着されている。
【0031】
この細胞(細胞集団)の由来は哺乳動物であれば特に制限されず、例えば、ヒト、ヒヒ、ウシ、ウマ、ブタ、イヌ、ネコ等が挙げられるが、治療しようとする生体と同種の細胞であることが好ましい。担体に細胞を播種・付着させる方法は、細胞を播種したセラミックス多孔体の担体を適当な培地あるいは血漿に含浸または浸漬するか、あるいは担体を容器に入れて培地あるいは血漿を灌流させることにより、担体中に固定された細胞は自発的に球状組織体(スフェロイド)を形成して、細胞が由来する組織・臓器の機能を高度に発現し、かつこの機能を長期間維持することができるようになる。
【0032】
人工肝臓補助システム21により肝臓の治療を受ける生体22にはポンプ等血液循環に必要な循環手段、送血側ドリップチャンバ23を介して血漿分離器24が血液循環可能に接続されている。また、この血漿分離器24には、ハイブリット型人工肝臓モジュールとしての上記生体培養用基体1が、生体22に並列かつ、ガス供給手段が接続された人工肺(ガス交換器)25、微粒子除去フィルタ26を介して接続されている。
【0033】
このような人工肝臓補助システム21において、患者(生体)22の血液を抜き出して血漿分離器24に導き、血球成分と血漿成分とに分離する。分離された血漿は、血漿循環ポンプにより、人工肺25を経て、生体培養用基体(ハイブリッド型人工臓器モジュール)1に導かれ、モジュール内を灌流することにより、細胞(球状組織体)からの有毒物質、アミノ酸、アンモニア等の除去、アルブミン、血液凝固因子等の有用成分の生産などの物質交換が行なわれる。物質交換が行なわれた血漿は、微粒子除去フィルタ26に導かれ、送血漿ポンプと血漿バイパスポンプにより血液循環回路Sに戻される。
【0034】
上記のようなハイブリッド型人工臓器モジュールの血液浄化過程において、貫通孔はその孔径が1〜2mmに形成されているので、細胞と灌流液との間の間接的接触効率や物質移動効率がよく、細胞数を適正に保て、人工肝臓の血液浄化効率を維持できる。また、担体は3次元網状気孔構造であるので、担体中に固定された細胞は自発的に球状組織体(スフェロイド)を形成して、細胞が由来する組織・臓器の機能を高度に発現し、かつこの機能を長期間維持することができ、さらに、人工臓器モジュールがセラミックス多孔体であるので、生態に無害であり、安全である。
【0035】
さらに、本発明に係わる生体培養用基体の第2実施形態について説明する。
【0036】
図1に示す上記第1実施形態は、貫通孔がセラミックス多孔体内に多数形成されているのに対し、本第2実施形態は、直方体の全外周面に溝部が設けられたセラミックス多孔体を組み合わせることにより、多数の貫通孔が形成される生体培養用基体である。
【0037】
例えば、図4(a)及び図4(b)に示すように、本第2実施形態の生体培養用基体1Aは、直方体の全外周面に溝部5Aが設けられたセラミックス多孔体3Aを、組み合わせることにより、外周面に沿ってその一端から他端に達し断面積がほぼ同一の多数の貫通孔4Aが形成されている。
【0038】
また、図4(a)及び図4(b)に示す本第2実施形態の生体培養用基体1Aは、上述した第1実施形態と同様にして得られた泡沫状態のスラリを型枠に導入して架橋重合により硬化し成形体とし、さらに、焼結して得られたセラミックス多孔体3Aの外周面に貫通孔4Aを形成するのに必要な空間形成部、例えば溝部5Aを形成する加工を施して製造される。または、図4(a)のような形状となるように凸部(凸条)が施された型枠に泡沫スラリを導入して、溝部が設けられた成形体を作製しておけば焼成だけでよい。このとき、型枠の凸部は、セラミックス多孔体に鋭角部ができない形状であることが好ましい。
【0039】
従って、セラミックス多孔体に貫通孔を穿設するのと異なり、このセラミックス多孔体の外周面を削るようにして溝部が形成されるので、加工時セラミックス多孔体にかかる力はザグリ加工の際にかかる力よりも小さくなり、低強度であっても破壊する危険がない。この研削では、組み合わせたときにセラミックス多孔体が破壊されるのを防止するため、セラミックス多孔体に鋭角部分ができないように加工することが好ましい。以上により、3次元網状気孔構造を有する低強度の部材であっても、その一端から他端に向けて貫通し断面積がほぼ同一の貫通孔が容易に形成でき、生体培養用基体を容易かつ安価に製造することができる。
【0040】
また、本発明に係わる生体培養用基体の第3実施形態について説明する。
【0041】
図4に示す上記第2実施形態は、直方体の全外周面に溝部が設けられたセラミックス多孔体を組み合わせることにより、多数の貫通孔が形成されるのに対して、本第3実施形態は、平板の一表面及び他表面に交互に溝部が平行に設けられたセラミックス多孔体を組み合わせることにより、多数の貫通孔が形成される生体培養用基体である。
【0042】
例えば、図5(a)及び図5(b)に示すように、本第3実施形態の生体培養用基体1Bは、平板の平面に溝部5Bが設けられたセラミックス多孔体3Bを、平板の一表面3Ba及び他表面3Bbに交互に溝部5Bが平行に設けられたセラミックス多孔体3Bを組み合わせることにより、外周面に沿ってその一端から他端に達し断面積がほぼ同一の多数の貫通孔4Bが形成される生体培養用基体である。組み合わせることにより、多数の貫通孔4Bが形成される。従って、培養液や血漿を流すための貫通孔が容易かつ確実に形成でき、また、セラミックス多孔体3Bは、平板であるので、成形体に重石を載せて焼成すれば反りが防止でき、焼成した板を短冊状に切断すれば角形状も作製できる。また、この基材の加工は面上を削るようにするが、この加工でのセラミックス多孔体にかかる力はザグリ加工の際にかかる力よりも小さくなるので、低強度であっても破壊する危険性がない。さらに、図5(a)のような形状となるように、凸部のある型枠を使用して溝部が設けられた板状の成形体を作製しておけば、焼成だけで一表面及び他表面に多数の溝部を簡単に形成できる。以上により、3次元網状気孔構造を有する低強度の部材であっても、その一端から他端に向けて貫通し断面積がほぼ同一の貫通孔が容易に形成でき、生体培養用基体を容易かつ安価に製造することができる。
【0043】
また、本発明に係わる生体培養用基体の第4実施形態について説明する。
【0044】
図4に示す上記第2実施形態は、直方体の全外周面に溝部が設けられたセラミックス多孔体を組み合わせることにより、多数の貫通孔が形成されるのに対して、本第4実施形態は、直方体の隣接する2外周面に溝部が設けられたセラミックス多孔体を組み合わせることにより、多数の貫通孔が形成される生体培養用基体である。
【0045】
例えば、図6(a)及び図6(b)に示すように、本第4実施形態の生体培養用基体1Cは、直方体の隣接する2外周面に空間形成部、例えば溝部5Cが設けられたセラミックス多孔体3Cを、組み合わせることにより、外周面に沿ってその一端から他端に達し断面積がほぼ同一の溝部5Cと外周面3C1間に多数の貫通孔4Cが形成されている。従って、培養液や血漿を流すための貫通孔が容易かつ確実に形成できる。また、2外周面に溝部が設けられるので、型枠の凸部が減るので脱型による不良が少なくなり、外周面研削でも加工部が少なくなって溝形成工程が簡単になる。以上により、3次元網状気孔構造を有する低強度の部材であっても、その一端から他端に向けて貫通し断面積がほぼ同一の貫通孔が容易に形成でき、生体培養用基体を容易かつ安価に製造することができる。
【0046】
また、本発明に係わる生体培養用基体の第5実施形態について説明する。
【0047】
図4に示す上記第2実施形態は、直方体の全外周面に溝部が設けられたセラミックス多孔体を組み合わせることにより、多数の貫通孔が形成されるのに対して、本第5実施形態は、直方体の全角部が角取りされて空間形成部、例えば角取部が設けられたセラミックス多孔体を組み合わせることにより、多数の貫通孔が形成される生体培養用基体である。
【0048】
例えば、図7(a)及び図7(b)に示すように、本第5実施形態の生体培養用基体1Dは、直方体の全角部が角取りされて角取部5Dが設けられたセラミックス多孔体3Dを組み合わせることにより、角取部5Dによって、外周面に沿ってその一端から他端に達し断面積がほぼ同一の多数の貫通孔4Dが形成される。図7(a)のような形状となるような型枠を使用して成形体を作製しておけば、焼成だけでよい。外周面研削により、3次元網状気孔構造を有する低強度の部材であっても、その一端から他端に向けて貫通し断面積がほぼ同一の貫通孔が容易に形成でき、生体培養用基体を容易かつ安価に製造することができる。
【0049】
また、本発明に係わる生体培養用基体の第6実施形態について説明する。
【0050】
図7に示す上記第5実施形態は、直方体の全角部が角取りされて角取部が設けられたセラミックス多孔体を組み合わせることにより、多数の貫通孔が形成されるのに対して、本第6実施形態は、小直径の円柱体のセラミックス多孔体を組み合わせることにより、多数の貫通孔が形成される生体培養用基体である。
【0051】
例えば、図8(a)及び図8(b)に示すように、本第6実施形態の生体培養用基体1Eは、小直径の円柱体のセラミックス多孔体3Eを組み合わせることにより、セラミックス多孔体3Eには、空間形成部としての円弧部5Eが形成されており、互いのセラミックス多孔体3Eは線接触されて、外周面に沿ってその一端から他端に達し断面積がほぼ同一の多数の貫通孔4Eが形成される。円弧部5Eの形成は、成形時に一体的に行われるので、3次元網状気孔構造を有する低強度の部材であっても、その一端から他端に向けて貫通し断面積がほぼ同一の貫通孔が容易に形成でき、生体培養用基体を容易かつ安価に製造することができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明に係わる生体培養用基体及びその製造方法によれば、セラミックス多孔体からなり、生体有害性がなく、培養液や血漿等を流すための貫通孔有して、酸素や栄養分等を全体に行き渡らせることができ、かつ製造が容易で安価な生体培養用基体及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる生体培養用基体の第1実施形態を一部切欠して示す斜視図。
【図2】本発明に係わる生体培養用基体の第1実施形態の製造方法を示す概念図。
【図3】本発明に係わる生体培養用基体の使用方法を示す概念図。
【図4】(a)は本発明に係わる生体培養用基体の第2実施形態に用いられるセラミックス体の斜視図であり、(b)は第2実施形態の正面図。
【図5】(a)は本発明に係わる生体培養用基体の第3実施形態に用いられるセラミックス体の斜視図であり、(b)は第3実施形態の正面図。
【図6】(a)は本発明に係わる生体培養用基体の第4実施形態に用いられるセラミックス体の斜視図であり、(b)は第4実施形態の正面図。
【図7】(a)は本発明に係わる生体培養用基体の第5実施形態に用いられるセラミックス体の斜視図であり、(b)は第5実施形態の正面図。
【図8】(a)は本発明に係わる生体培養用基体の第6実施形態に用いられるセラミックス体の斜視図であり、(b)は第6実施形態の正面図。
【符号の説明】
1 生体培養用基体
2 気孔
3 セラミックス多孔体
4 貫通孔
【発明の属する技術分野】
本発明は生体培養用基体及びその製造方法に係わり、特にセラミックス多孔体を用いた生体培養用基体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
生体培養用基体は、3次元的に高密度で培養させるために、多孔体が用いられており、酸素や栄養分等を全体に行き渡らせるために培養液や血漿を流すための貫通孔を有している。例えば、98%の空隙率を有するポリウレタンフォームブロックに多数の細管を設けたものや、95%の気孔率を有するアルミナ質円筒を組み合わせたものがある。
【0003】
さらに、多数の半透膜構造をもつ合成樹脂からなる中空糸を規則的に配管させた構造体がある(例えば、特許文献1)。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のモジュールは、ポリウレタンフォームが生体に有害なイソシアネートを原料に使用しているので、安全性に問題がある可能性がある。また、内径10mm、外径20mm、長さ200mm程度の形状で、95%の気孔率を有するアルミナ質円筒を製造する場合には以下のような問題がある。
【0005】
第1の問題点は、成形時に貫通孔を開けてしまうと、焼成時に発生する反りのために、その後外面加工をしたとしても貫通孔が曲がっているので、モジュールを組み合わせたときに貫通孔同士にずれが生じてしまい、貫通孔内を通す血漿等の流れに障害ができることである。また反り具合が大き過ぎると、不良となることもある。焼成時の反り防止対策を行おうとしても、焼成収縮があるので、重力方向には重石等で対策できるが、重力と垂直方向には困難である。その他、反り直しの対策として熱処理をする方法もあるが、よりコストがかかることになる。
【0006】
第2の問題点は、焼成体で貫通孔を開けると、低強度であるために加工時に破壊する危険性があることである。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−128660号公報(段落番号[0002]、[0016]、[0025]、[0027]、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、セラミックス多孔体からなり、生体有害性がなく、培養液や血漿等を流すための貫通孔を有して、酸素や栄養分等を全体に行き渡らせることができ、かつ製造が容易で安価な生体培養用基体及びその製造方法が要望されていた。
【0009】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、セラミックス多孔体からなり、生体有害性がなく、培養液や血漿等を流すための貫通孔有して、酸素や栄養分等を全体に行き渡らせることができ、かつ製造が容易で安価な生体培養用基体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の1つの態様によれば、無数の開気孔を有するセラミックス多孔体と、このセラミックス多孔体を一端から他端に向けて貫通しその間においてほぼ断面積が同一の貫通孔とを有することを特徴とする生体培養用基体が提供される。これにより、セラミックス多孔体からなり、生体有害性がなく、培養液や血漿等を流すための貫通孔を有して、酸素や栄養分等を全体に行き渡らせることができ、かつ製造が容易で安価な生体培養用基体が実現される。
【0011】
また、本発明の他の態様によれば、無数の開気孔を有する複数のセラミックス多孔体を組み合わせてなり、この組み合わせによりセラミックス多孔体の外周面に沿ってその一端から他端に達し断面積がほぼ同一の貫通孔が形成されることを特徴とする生体培養用基体が提供される。これにより、セラミックス多孔体からなり、生体有害性がなく、培養液や血漿等を流すための貫通孔有して、酸素や栄養分等を全体に行き渡らせることができ、かつ製造が容易で、安価な生体培養用基体が実現される。
【0012】
好適な一例では、前記貫通孔は、前記セラミックス多孔体の外周面に沿って設けられた空間形成部により形成される。これにより、貫通孔が容易に形成でき、生体培養用基体を容易かつ安価に製造することができる。
【0013】
また、他の好適な一例では、前記セラミックス多孔体は、3次元網状気孔構造を有し、気孔率85%以上99%以下である。これにより、担体中に固定された細胞は自発的に球状組織体(スフェロイド)を形成して、細胞が由来する組織・臓器の機能を高度に発現し、かつこの機能を長期間維持することができる。
【0014】
また、他の好適な一例では、前記セラミックス多孔体は、アルミナ、シリカ、ジルコニア、アルミナーシリカ、アルミナージルコニアのうちのいずれかからなる。これにより、生体有害性がないセラミックス多孔体からなる生体培養用基体が実現される。
【0015】
また、本発明の他の態様によれば、セラミックス原料粉末及び架橋重合により硬化し得る有機物質を溶媒に分散または溶解させたスラリを調整する工程と、このスラリに起泡剤を添加し攪拌及び気体導入の両方または一方により所定の容積まで起泡し、泡沫状態のスラリとする工程と、泡沫スラリに架橋剤及び架橋開始剤の両方または一方を添加して混合し、焼き抜き可能な糸状部材が張設された型枠に導入して架橋重合により硬化し成形体とする工程と、この成形体を焼結する、または、型枠に導入後、焼き抜き可能な糸状部材を埋入して架橋重合により硬化し成形体とする工程とを有することを特徴とする生体培養用基体の製造方法が提供される。これにより、セラミックス多孔体からなり、生体有害性がなく、培養液や血漿等を流すための貫通孔を有して、酸素や栄養分等を全体に行き渡らせることができ、かつ製造が容易で安価な生体培養用基体が製造される。
【0016】
また、本発明の他の態様によれば、セラミックス原料粉末及び架橋重合により硬化し得る有機物質を溶媒に分散または溶解させたスラリを調整する工程と、このスラリに起泡剤を添加し攪拌及び気体導入の両方または一方により所定の容積まで起泡し、泡沫状態のスラリとする工程と、泡沫スラリに架橋剤及び架橋開始剤の両方または一方を添加して混合し、セラミックス多孔体の外周面に貫通孔を形成するに必要な空間形成部が形成されるように凸部が設けられた型枠に導入して架橋重合により硬化し成形体とする工程と、この成形体を焼結してセラミックス多孔体とする工程と、前記空間形成部が設けられたセラミックス多孔体を貫通孔が形成されるように組み合わせる工程とを有することを特徴とする生体培養用基体の製造方法が提供される。これにより、セラミックス多孔体からなり、生体有害性がなく、培養液や血漿等を流すための貫通孔を有して、酸素や栄養分等を全体に行き渡らせることができ、かつ製造が容易で安価な生体培養用基体が製造される。
【0017】
また、本発明の他の態様によれば、セラミックス原料粉末及び架橋重合により硬化し得る有機物質を溶媒に分散または溶解させたスラリを調整する工程と、このスラリに起泡剤を添加し攪拌及び気体導入の両方または一方により所定の容積まで起泡し、泡沫状態のスラリとする工程と、泡沫スラリに架橋剤及び架橋開始剤の両方または一方を添加して混合し、型枠に導入して架橋重合により硬化し成形体とする工程と、この成形体を焼結してセラミックス多孔体とする工程と、このセラミックス多孔体の外周面に貫通孔を形成するのに必要な空間形成部の形成加工を施す工程と、この空間形成部が設けられたセラミックス多孔体を貫通孔が形成されるように組み合わせる工程とを有することを特徴とする生体培養用基体の製造方法が提供される。これにより、セラミックス多孔体からなり、生体有害性がなく、培養液や血漿等を流すための貫通孔を有して、酸素や栄養分等を全体に行き渡らせることができ、かつ製造が容易で安価な生体培養用基体が製造される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる生体培養用基体の第1実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0019】
図1は本発明に係わる生体培養用基体の第1実施形態の概念図である。
【0020】
図1に示すように、本第1実施形態の生体培養用基体1は、無数の気孔2を有し、例えば円柱形状のセラミックス多孔体3と、このセラミックス多孔体3を一端から他端に向けて貫通しほぼ断面積が同一の貫通孔4とを有している。
【0021】
上記セラミックス多孔体3は、3次元網状気孔構造をなし、その材質は生体有害性がないものとして、アルミナ、シリカ、ジルコニア、アルミナ−シリカ、アルミナ−ジルコニアのうちのいずれかからなっており、その気孔率85%以上99%以下が好ましく、特に95%以上であるのが好ましい。また、気孔径が100μm以上1000μm以下の気孔が、セラミックス多孔体3の体積の50%以上を有することが好ましい。気孔率85%より小さいと、細胞培養効率が低下し、99%を超えると、製造が困難である。貫通孔は無数にある方が均一に栄養等が循環し、好ましい。また、貫通孔の孔径は、好ましくは0.5〜5mm、1〜2mmであるのがより好ましく、また、その孔面積は、セラミックス多孔体3の断面積の20〜50%であることが好ましく、20〜30%であるのがより好ましい。
【0022】
次に本発明に係わる第1実施形態の生体培養用基体の製造方法について説明する。
【0023】
図2に示すように、例えば焼き抜き材11が直線状に張設された所望寸法の型枠12を用意する。
【0024】
焼き抜き材11は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアシド、ポリアクリル繊維などの有機合成繊維あるいは絹繊維、セルローズ繊維を含めた天然繊維などが好ましい。貫通孔4は焼結体での孔径が1〜2mmに形成されるように、乾燥および焼成収縮を考慮して、成形時の太さを変える必要がある。人工肝臓に用いる場合には、細胞と灌流液との間の間接的接触効率や物質移動効率がよく、細胞数を適正に保て、人工肝臓の血液浄化効率を維持できる。内径が大き過ぎると含有する細胞数が減少し、人工肝臓の血液浄化効率が低下する。一方、内径が小さ過ぎると肝細胞に十分に酸素や栄養の供給が行えない。
【0025】
上記型枠12は、直方体形状をなし、主型13と、この主型13を両側から着脱自在に閉塞する側型14と、各々の側型14間に張設された多数の焼き抜き材11とからなり、この焼き抜き材11の張設は、焼き抜き材11が取り付けられた別個の取り付け板15を側型14に取り付けることによって行なわれている。なお、焼き抜き材は、取り付け板を用いず直接側型に張設されてもよい。また、型にスラリを充填した後に、焼き抜き材を埋入してもよい。
【0026】
次に、アルミナ、シリカ、ジルコニア、アルミナ−シリカ、アルミナ−ジルコニアのうちのいずれかからなるセラミックス原料粉末、界面活性剤、分散剤、セラミックス原料粉末に対して15重量%以上45重量%以下の架橋重合性樹脂をそれぞれ混ぜ合わせて起泡させ、泡沫スラリを調整する。調整された泡沫スラリに架橋剤を添加して、上記型枠12に流し込み、架橋重合で硬化させる。成形体を型枠12から取り出し、焼成する。気孔率が85%以上99%以下で、気孔径100μm以上1000μm以下の気孔を有するように起泡状態を調整してセラミックス多孔体3を得て、焼き抜き材11が焼却されるために、図1に示すように、セラミックス多孔体3を一端から他端に向けて貫通しほぼ断面積が同一の貫通孔4が形成された生体培養用基体1が得られる。なお、必要に応じて、セラミックス多孔体の外径の整形を行う。
【0027】
上記のような本発明に係わる製造方法によれば、3次元網状気孔構造を有し、その一端から他端に向けて貫通しほぼ断面積が同一の貫通孔が形成された生体培養用基体を容易かつ安価に製造することができる。
【0028】
また、本発明に係わる生体培養用基体をハイブリット型人工肝臓モジュールとして使用する例を説明する。
【0029】
人工肝臓は、急性及び慢性の肝臓障害に対する一時的な治療法として期待されており、肝細胞を多孔質担体中に充填したハイブリッド型人工肝臓が注目されている。このハイブリッド型人工肝臓を利用する治療法としては、血漿灌流法を基本技術とした体外循環システムが知られている。このシステムは、血液が循環する生体側回路と血漿が循環する人工肝臓モジュール側回路から構成され、血漿分離器を介して物質交換を行うものである。
【0030】
例えば、図3に示すように、本発明に係わる生体培養用基体1は、人工肝臓補助システム21にハイブリット型人工肝臓モジュールとして組み込まれて使用され、生体培養用基体1は、カートリッジ容器に収納された3次元網状気孔構造のセラミックス多孔体であり、このセラミックス多孔体を担体として動物細胞が播種・付着されている。
【0031】
この細胞(細胞集団)の由来は哺乳動物であれば特に制限されず、例えば、ヒト、ヒヒ、ウシ、ウマ、ブタ、イヌ、ネコ等が挙げられるが、治療しようとする生体と同種の細胞であることが好ましい。担体に細胞を播種・付着させる方法は、細胞を播種したセラミックス多孔体の担体を適当な培地あるいは血漿に含浸または浸漬するか、あるいは担体を容器に入れて培地あるいは血漿を灌流させることにより、担体中に固定された細胞は自発的に球状組織体(スフェロイド)を形成して、細胞が由来する組織・臓器の機能を高度に発現し、かつこの機能を長期間維持することができるようになる。
【0032】
人工肝臓補助システム21により肝臓の治療を受ける生体22にはポンプ等血液循環に必要な循環手段、送血側ドリップチャンバ23を介して血漿分離器24が血液循環可能に接続されている。また、この血漿分離器24には、ハイブリット型人工肝臓モジュールとしての上記生体培養用基体1が、生体22に並列かつ、ガス供給手段が接続された人工肺(ガス交換器)25、微粒子除去フィルタ26を介して接続されている。
【0033】
このような人工肝臓補助システム21において、患者(生体)22の血液を抜き出して血漿分離器24に導き、血球成分と血漿成分とに分離する。分離された血漿は、血漿循環ポンプにより、人工肺25を経て、生体培養用基体(ハイブリッド型人工臓器モジュール)1に導かれ、モジュール内を灌流することにより、細胞(球状組織体)からの有毒物質、アミノ酸、アンモニア等の除去、アルブミン、血液凝固因子等の有用成分の生産などの物質交換が行なわれる。物質交換が行なわれた血漿は、微粒子除去フィルタ26に導かれ、送血漿ポンプと血漿バイパスポンプにより血液循環回路Sに戻される。
【0034】
上記のようなハイブリッド型人工臓器モジュールの血液浄化過程において、貫通孔はその孔径が1〜2mmに形成されているので、細胞と灌流液との間の間接的接触効率や物質移動効率がよく、細胞数を適正に保て、人工肝臓の血液浄化効率を維持できる。また、担体は3次元網状気孔構造であるので、担体中に固定された細胞は自発的に球状組織体(スフェロイド)を形成して、細胞が由来する組織・臓器の機能を高度に発現し、かつこの機能を長期間維持することができ、さらに、人工臓器モジュールがセラミックス多孔体であるので、生態に無害であり、安全である。
【0035】
さらに、本発明に係わる生体培養用基体の第2実施形態について説明する。
【0036】
図1に示す上記第1実施形態は、貫通孔がセラミックス多孔体内に多数形成されているのに対し、本第2実施形態は、直方体の全外周面に溝部が設けられたセラミックス多孔体を組み合わせることにより、多数の貫通孔が形成される生体培養用基体である。
【0037】
例えば、図4(a)及び図4(b)に示すように、本第2実施形態の生体培養用基体1Aは、直方体の全外周面に溝部5Aが設けられたセラミックス多孔体3Aを、組み合わせることにより、外周面に沿ってその一端から他端に達し断面積がほぼ同一の多数の貫通孔4Aが形成されている。
【0038】
また、図4(a)及び図4(b)に示す本第2実施形態の生体培養用基体1Aは、上述した第1実施形態と同様にして得られた泡沫状態のスラリを型枠に導入して架橋重合により硬化し成形体とし、さらに、焼結して得られたセラミックス多孔体3Aの外周面に貫通孔4Aを形成するのに必要な空間形成部、例えば溝部5Aを形成する加工を施して製造される。または、図4(a)のような形状となるように凸部(凸条)が施された型枠に泡沫スラリを導入して、溝部が設けられた成形体を作製しておけば焼成だけでよい。このとき、型枠の凸部は、セラミックス多孔体に鋭角部ができない形状であることが好ましい。
【0039】
従って、セラミックス多孔体に貫通孔を穿設するのと異なり、このセラミックス多孔体の外周面を削るようにして溝部が形成されるので、加工時セラミックス多孔体にかかる力はザグリ加工の際にかかる力よりも小さくなり、低強度であっても破壊する危険がない。この研削では、組み合わせたときにセラミックス多孔体が破壊されるのを防止するため、セラミックス多孔体に鋭角部分ができないように加工することが好ましい。以上により、3次元網状気孔構造を有する低強度の部材であっても、その一端から他端に向けて貫通し断面積がほぼ同一の貫通孔が容易に形成でき、生体培養用基体を容易かつ安価に製造することができる。
【0040】
また、本発明に係わる生体培養用基体の第3実施形態について説明する。
【0041】
図4に示す上記第2実施形態は、直方体の全外周面に溝部が設けられたセラミックス多孔体を組み合わせることにより、多数の貫通孔が形成されるのに対して、本第3実施形態は、平板の一表面及び他表面に交互に溝部が平行に設けられたセラミックス多孔体を組み合わせることにより、多数の貫通孔が形成される生体培養用基体である。
【0042】
例えば、図5(a)及び図5(b)に示すように、本第3実施形態の生体培養用基体1Bは、平板の平面に溝部5Bが設けられたセラミックス多孔体3Bを、平板の一表面3Ba及び他表面3Bbに交互に溝部5Bが平行に設けられたセラミックス多孔体3Bを組み合わせることにより、外周面に沿ってその一端から他端に達し断面積がほぼ同一の多数の貫通孔4Bが形成される生体培養用基体である。組み合わせることにより、多数の貫通孔4Bが形成される。従って、培養液や血漿を流すための貫通孔が容易かつ確実に形成でき、また、セラミックス多孔体3Bは、平板であるので、成形体に重石を載せて焼成すれば反りが防止でき、焼成した板を短冊状に切断すれば角形状も作製できる。また、この基材の加工は面上を削るようにするが、この加工でのセラミックス多孔体にかかる力はザグリ加工の際にかかる力よりも小さくなるので、低強度であっても破壊する危険性がない。さらに、図5(a)のような形状となるように、凸部のある型枠を使用して溝部が設けられた板状の成形体を作製しておけば、焼成だけで一表面及び他表面に多数の溝部を簡単に形成できる。以上により、3次元網状気孔構造を有する低強度の部材であっても、その一端から他端に向けて貫通し断面積がほぼ同一の貫通孔が容易に形成でき、生体培養用基体を容易かつ安価に製造することができる。
【0043】
また、本発明に係わる生体培養用基体の第4実施形態について説明する。
【0044】
図4に示す上記第2実施形態は、直方体の全外周面に溝部が設けられたセラミックス多孔体を組み合わせることにより、多数の貫通孔が形成されるのに対して、本第4実施形態は、直方体の隣接する2外周面に溝部が設けられたセラミックス多孔体を組み合わせることにより、多数の貫通孔が形成される生体培養用基体である。
【0045】
例えば、図6(a)及び図6(b)に示すように、本第4実施形態の生体培養用基体1Cは、直方体の隣接する2外周面に空間形成部、例えば溝部5Cが設けられたセラミックス多孔体3Cを、組み合わせることにより、外周面に沿ってその一端から他端に達し断面積がほぼ同一の溝部5Cと外周面3C1間に多数の貫通孔4Cが形成されている。従って、培養液や血漿を流すための貫通孔が容易かつ確実に形成できる。また、2外周面に溝部が設けられるので、型枠の凸部が減るので脱型による不良が少なくなり、外周面研削でも加工部が少なくなって溝形成工程が簡単になる。以上により、3次元網状気孔構造を有する低強度の部材であっても、その一端から他端に向けて貫通し断面積がほぼ同一の貫通孔が容易に形成でき、生体培養用基体を容易かつ安価に製造することができる。
【0046】
また、本発明に係わる生体培養用基体の第5実施形態について説明する。
【0047】
図4に示す上記第2実施形態は、直方体の全外周面に溝部が設けられたセラミックス多孔体を組み合わせることにより、多数の貫通孔が形成されるのに対して、本第5実施形態は、直方体の全角部が角取りされて空間形成部、例えば角取部が設けられたセラミックス多孔体を組み合わせることにより、多数の貫通孔が形成される生体培養用基体である。
【0048】
例えば、図7(a)及び図7(b)に示すように、本第5実施形態の生体培養用基体1Dは、直方体の全角部が角取りされて角取部5Dが設けられたセラミックス多孔体3Dを組み合わせることにより、角取部5Dによって、外周面に沿ってその一端から他端に達し断面積がほぼ同一の多数の貫通孔4Dが形成される。図7(a)のような形状となるような型枠を使用して成形体を作製しておけば、焼成だけでよい。外周面研削により、3次元網状気孔構造を有する低強度の部材であっても、その一端から他端に向けて貫通し断面積がほぼ同一の貫通孔が容易に形成でき、生体培養用基体を容易かつ安価に製造することができる。
【0049】
また、本発明に係わる生体培養用基体の第6実施形態について説明する。
【0050】
図7に示す上記第5実施形態は、直方体の全角部が角取りされて角取部が設けられたセラミックス多孔体を組み合わせることにより、多数の貫通孔が形成されるのに対して、本第6実施形態は、小直径の円柱体のセラミックス多孔体を組み合わせることにより、多数の貫通孔が形成される生体培養用基体である。
【0051】
例えば、図8(a)及び図8(b)に示すように、本第6実施形態の生体培養用基体1Eは、小直径の円柱体のセラミックス多孔体3Eを組み合わせることにより、セラミックス多孔体3Eには、空間形成部としての円弧部5Eが形成されており、互いのセラミックス多孔体3Eは線接触されて、外周面に沿ってその一端から他端に達し断面積がほぼ同一の多数の貫通孔4Eが形成される。円弧部5Eの形成は、成形時に一体的に行われるので、3次元網状気孔構造を有する低強度の部材であっても、その一端から他端に向けて貫通し断面積がほぼ同一の貫通孔が容易に形成でき、生体培養用基体を容易かつ安価に製造することができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明に係わる生体培養用基体及びその製造方法によれば、セラミックス多孔体からなり、生体有害性がなく、培養液や血漿等を流すための貫通孔有して、酸素や栄養分等を全体に行き渡らせることができ、かつ製造が容易で安価な生体培養用基体及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる生体培養用基体の第1実施形態を一部切欠して示す斜視図。
【図2】本発明に係わる生体培養用基体の第1実施形態の製造方法を示す概念図。
【図3】本発明に係わる生体培養用基体の使用方法を示す概念図。
【図4】(a)は本発明に係わる生体培養用基体の第2実施形態に用いられるセラミックス体の斜視図であり、(b)は第2実施形態の正面図。
【図5】(a)は本発明に係わる生体培養用基体の第3実施形態に用いられるセラミックス体の斜視図であり、(b)は第3実施形態の正面図。
【図6】(a)は本発明に係わる生体培養用基体の第4実施形態に用いられるセラミックス体の斜視図であり、(b)は第4実施形態の正面図。
【図7】(a)は本発明に係わる生体培養用基体の第5実施形態に用いられるセラミックス体の斜視図であり、(b)は第5実施形態の正面図。
【図8】(a)は本発明に係わる生体培養用基体の第6実施形態に用いられるセラミックス体の斜視図であり、(b)は第6実施形態の正面図。
【符号の説明】
1 生体培養用基体
2 気孔
3 セラミックス多孔体
4 貫通孔
Claims (8)
- 無数の開気孔を有するセラミックス多孔体と、このセラミックス多孔体を一端から他端に向けて貫通しその間においてほぼ断面積が同一の貫通孔とを有することを特徴とする生体培養用基体。
- 無数の開気孔を有する複数のセラミックス多孔体を組み合わせてなり、この組み合わせによりセラミックス多孔体の外周面に沿ってその一端から他端に達し断面積がほぼ同一の貫通孔が形成されることを特徴とする生体培養用基体。
- 前記貫通孔は、前記セラミックス多孔体の外周面に沿って設けられた空間形成部により形成されることを特徴とする請求項2に記載の生体培養用基体。
- 前記セラミックス多孔体は、3次元網状気孔構造を有し、気孔率85%以上99%以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の生体培養用基体。
- 前記セラミックス多孔体は、アルミナ、シリカ、ジルコニア、アルミナ−シリカ、アルミナ−ジルコニアのうちのいずれかからなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の生体培養用基体。
- セラミックス原料粉末及び架橋重合により硬化し得る有機物質を溶媒に分散または溶解させたスラリを調整する工程と、このスラリに起泡剤を添加し攪拌及び気体導入の両方または一方により所定の容積まで起泡し、泡沫状態のスラリとする工程と、泡沫スラリに架橋剤及び架橋開始剤の両方または一方を添加して混合し、焼き抜き可能な糸状部材が張設された型枠に導入して架橋重合により硬化し成形体とする、または、型枠に導入後、焼き抜き可能な糸状部材を埋入して架橋重合により硬化し成形体とする工程と、この成形体を焼結する工程とを有することを特徴とする生体培養用基体の製造方法。
- セラミックス原料粉末及び架橋重合により硬化し得る有機物質を溶媒に分散または溶解させたスラリを調整する工程と、このスラリに起泡剤を添加し攪拌及び気体導入の両方または一方により所定の容積まで起泡し、泡沫状態のスラリとする工程と、泡沫スラリに架橋剤及び架橋開始剤の両方または一方を添加して混合し、セラミックス多孔体の外周面に貫通孔を形成するに必要な空間形成部が形成されるように凸部が設けられた型枠に導入して架橋重合により硬化し成形体とする工程と、この成形体を焼結してセラミックス多孔体とする工程と、前記空間形成部が設けられたセラミックス多孔体を貫通孔が形成されるように組み合わせる工程とを有することを特徴とする生体培養用基体の製造方法。
- セラミックス原料粉末及び架橋重合により硬化し得る有機物質を溶媒に分散または溶解させたスラリを調整する工程と、このスラリに起泡剤を添加し攪拌及び気体導入の両方または一方により所定の容積まで起泡し、泡沫状態のスラリとする工程と、泡沫スラリに架橋剤及び架橋開始剤の両方または一方を添加して混合し、型枠に導入して架橋重合により硬化し成形体とする工程と、この成形体を焼結してセラミックス多孔体とする工程と、このセラミックス多孔体の外周面に貫通孔を形成するに必要な空間形成部の形成加工を施す工程と、この空間形成部が設けられたセラミックス多孔体を貫通孔が形成されるように組み合わせる工程とを有することを特徴とする生体培養用基体の製造方法。
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