JP2004201446A - ステータコア用のウェッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】剛性が高く装着性に優れたウェッジを提供すること。
【解決手段】リング状のステータコアの内周側に設けられたコイル挿入用のスロットにおける内周開口部を閉塞するように該スロット内に装着されるウェッジ1である。スロットは,その内周端部において空間幅を狭く絞ったスロットオープン部と,その外周側において上記スロットオープン部よりも空間幅が広い一般部とを有している。ウェッジ1は,一般部に配置される広幅部11と,広幅部11よりも幅寸法が小さいく,広幅部11から突出させて設けられスロットオープン部52に配置される凸部12とを有している。ウェッジ1は,合成樹脂により広幅部11と凸部12とを一体的に成形してなることが好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】リング状のステータコアの内周側に設けられたコイル挿入用のスロットにおける内周開口部を閉塞するように該スロット内に装着されるウェッジ1である。スロットは,その内周端部において空間幅を狭く絞ったスロットオープン部と,その外周側において上記スロットオープン部よりも空間幅が広い一般部とを有している。ウェッジ1は,一般部に配置される広幅部11と,広幅部11よりも幅寸法が小さいく,広幅部11から突出させて設けられスロットオープン部52に配置される凸部12とを有している。ウェッジ1は,合成樹脂により広幅部11と凸部12とを一体的に成形してなることが好ましい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【技術分野】
本発明は,ステータコア用のウェッジに関する。
【0002】
【従来技術】
電動モータ等の回転電動機に用いられるステータコアには,そのスロットにワイヤを巻回して形成したコイルを挿入すると共に,スロットからのワイヤ(コイル)の飛び出しを防止するために,スロットの内周開口部にウェッジが装着される。
【0003】
従来より用いられているウェッジ9は,図13に示すごとく,電気絶縁性を有するアラミド繊維のシートをコの字状に折り曲げて構成されている。そして,ウェッジ9の装着作業は,通常,コイル8をステータコア5の軸方向に移動させながら挿入する際に同時に行われる。
【0004】
装着されたウェッジ9は,スロット50の内周端において狭幅となったスロットオープン部52を構成するティース55の突起部551に当接した状態となり,スロット50の内周開口部を閉塞する。このようなコの字状のウェッジおよびこれをスロットに装着する装置に関する文献としては,例えば,下記の特許文献1がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−103053号公報
【0006】
【解決しようとする課題】
ところで,ステータコアのスロットに対してコイルを挿入する際に,コイルの挿入性を向上させるためには,スロットオープン部の寸法を広くすることが有効である。一方,上記ウェッジは,スロットに挿入されたコイルがスロットオープン部から抜け出ることを防止する役割を果たすので,コイルから受ける圧力を受け止めるのに十分な剛性が必要である。しかしながら,スロットオープン部の間隔を広くした場合には,ウェッジに要求される剛性が高くなり,従来のシート状のウェッジでは,コイルの飛び出しを防止するほどの剛性が得られない。
【0007】
また,従来のシート状のウェッジは,上記ステータコアのスロットにコイルが挿入されている状態で,そのコイルを押しのけながらスロット内に差し込むことが困難であり,挿入方法が制限されてしまうという問題があった。これも上記シート状のウェッジが比較的剛性が低いことに起因している。
【0008】
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,剛性が高く装着性に優れたウェッジを提供しようとするものである。
【0009】
【課題の解決手段】
本発明は,リング状のステータコアの内周側に設けられたコイル挿入用のスロットにおける内周開口部を閉塞するように該スロット内に装着されるウェッジであって,
上記スロットは,その内周端部において空間幅を狭く絞ったスロットオープン部と,その外周側において上記スロットオープン部よりも空間幅が広い一般部とを有しており,
上記ウェッジは,上記一般部に配置される広幅部と,該広幅部よりも幅寸法が小さく,上記広幅部から突出させて設けられ上記スロットオープン部に配置される凸部とを有していることを特徴とするステータコア用のウェッジにある(請求項1)。
【0010】
本発明のウェッジは,上記のごとく,上記広幅部と上記凸部とを備えた形状を有している。そのため,従来のシート状のものを折り曲げて作成したウェッジに比べ,形状的に剛性が格段に優れたものとなる。そのため,ステータコアのスロットにコイルを挿入した後,ウェッジを単独で挿入する場合にも十分に耐えうる強度を有するものとなる。更に,ウェッジの剛性向上を利用して,従来よりもスロットオープン部の幅を広くすることもできる。
【0011】
また,上記ウェッジの上記広幅部と凸部とは,それぞれ,ステータコアのスロットの上記一般部とスロットオープン部に配置される。これにより,上記凸部がスロットオープン部に係合した状態が得られ,ウェッジが回転してスロットオープン部から抜けてしまうことを防止することができる。それ故,スロットの内周開口部の安定した閉塞状態を維持することができる。
【0012】
このように,本発明によれば,剛性が高く装着性に優れたウェッジを提供することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明において,上記ウェッジは,合成樹脂により上記広幅部と上記凸部とを一体的に成形してなることが好ましい(請求項2)。
この場合には,ウェッジを容易に製造することができると共に,製造コストを低減することができる。
【0014】
上記合成樹脂としては,上記ウェッジに求められる剛性,電気絶縁性,ある程度の耐熱性を兼ね備えたものであれば,様々な合成樹脂,プラスチックなどを用いることができる。この中でも,例えば,LCP(Liquid Crystal Polymer)と呼ばれる液晶ポリマーは,強度特性にも優れ特に好ましい。
【0015】
また,上記ウェッジの上記広幅部における上記凸部を設けた面と反対側の表面には,内方へ窪んだ凹部が形成されていることが好ましい(請求項3)。この場合には,スロット内の空間の面積を上記凹部の分だけ大きくすることができ,コイルの充填率の向上に寄与することができる。
【0016】
また,上記ウェッジの長手方向の少なくとも一端における上記広幅部又は上記凸部の少なくとも一方は,端部に近づくにつれて幅寸法又は厚み寸法が小さくなるテーパ形状を有していることが好ましい(請求項4)。この場合には,上記ウェッジをスロットに挿入する際,既に充填されているコイルが存在しても,これを上記テーパ形状に沿って押しのけながらウェッジを挿入することができ,その挿入性を向上させることができる。
【0017】
また,上記ウェッジの長手方向の少なくとも一端における上記広幅部又は上記凸部の少なくとも一方は,その端部の角部を曲面状に仕上げたR形状を有している構成をとることもできる(請求項5)。この場合にも,上記R形状の存在によって,ウェッジをスロットに挿入する際の挿入性を向上させることができる。
【0018】
また,上記広幅部は,上記ステータコアの上記スロットにおける上記一般部の内壁面との間に所定のクリアランスを保持した状態で配置される幅寸法を有していることが好ましい(請求項6)。この場合には,上記ウェッジをステータコアのスロット内に挿入する際に,スロットにおける上記一般部の内壁面からウェッジへの摩擦抵抗を受けることが無く,ウェッジの挿入作業性をより一層向上させることができる。
【0019】
また,上記クリアランスは,上記ステータコアにおける上記スロットオープン部を構成する内壁面が上記一般部を構成する内壁面から突出する寸法よりも小さいことが好ましい(請求項7)。これにより,上記ウェッジをスロット内に配置した状態において,上記広幅部がスロットオープン部を通り抜けてはずれてしまうことを確実に防止し,ウェッジと内壁面からの突出部との摩擦力により軸方向にウェッジが抜けてしまうことを防止することができる。
【0020】
また,上記クリアランスは,上記ステータコアの上記スロットに挿入配置すべきコイルを構成する電線の直径よりも小さいことが好ましい(請求項8)。この場合には,スロット内のコイルの電線がウェッジよりもスロットオープン側へ進入することを確実に防止することができ,沿面電流の抑制効果を高めることができる。
【0021】
【実施例】
実施例1
本発明の実施例に係るステータコア用のウェッジにつき,図1,図2を用いて説明する。
本例のウェッジ1は,図1,図2に示すごとく,リング状のステータコア5の内周側に設けられたコイル挿入用のスロット50の内周開口部59を閉塞するように上記スロット50に装着されるウェッジである。
上記スロット50は,その空間幅がステータコア5の径方向に沿って緩やかに変化する一般部51と,一般部51の内周端部において急激に空間幅が狭くなったスロットオープン部52とを有している。
上記ウェッジ1は,上記一般部51に配置される広幅部11と,該広幅部11よりも幅寸法が小さく,広幅部11から突出させて設けられ上記スロットオープン部52に配置される凸部12とを有している。
以下,これを詳説する。
【0022】
本例におけるステータコア5は,リング状を呈していると共に,図2に示すごとく内周部に複数のティース55を設け,その間に上記スロット50を形成している。
各ティース55は,同図に示すごとく,外周側から内周側に向けて径方向に伸びるとと共に,その先端部において周方向に突出する突出部551を有している。この突出部551が対面する空間がスロット50における上記スロットオープン部52であり,これよりも外周側の空間が上記の一般部51である。
【0023】
また,本例では,同図に示すごとく,スロット50の内周面全体に電気絶縁性を有する合成樹脂よりなる絶縁膜6を予め配設してある。具体的には,LCP(Liquid Crystal Polymer)を材料とする膜を予め形成しておいた。本例では,絶縁膜6の厚みはおよそ300μmとした。なお,この絶縁膜6としては,従来のような電気絶縁性を有するアラミド繊維のシートを適用することも可能である。
【0024】
上記ウェッジ1は,図1に示すごとく,材料として,LCP(Liquid CrystalPolymer)を用い,上記の広幅部11と凸部12とを有する形状に一体成形したものである。上記凸部11の高さ寸法H1は,スロットオープン部52の径方向の寸法,即ち,ティース55の厚み寸法よりも若干小さい寸法にした。また,凸部12及び広幅部11の幅寸法W1,W2は,スロット50のスロットオープン部52及び一般部51の空間幅の寸法に対応させ,対面するティース55との間にわずかなクリアランス(図示略)が得られるような寸法に設計した。
【0025】
このクリアランスは,ステータコア5におけるスロットオープン部52を構成する内壁面が一般部を構成する内壁面から突出する寸法L(図2)よりも十分小さい寸法であって,かつ,スロット50に挿入配置すべきコイルを構成する電線の直径D(図2)よりも十分小さい寸法とした。
【0026】
なお,このウェッジ1とティース55との間は,挿入作業性の向上のために,上記のごとく,設計上わずかにクリアランスが空いていることが好ましいが,凸部12がウェッジ1の回転を防止する役割を果たすため,できる限りそのクリアランスが小さい方がよい。最も好ましくは,装着状態においてウェッジ1がティース55にピッタリと面接触する状態が得られることが好ましい。
【0027】
次に,上記ウェッジ1をステータコア5のスロット50に挿入する作業は,コイル8のスロット50への挿入作業が終了してから行った。本例では,事前にワイヤ88を巻回して形成したコイル8を,ステータコア5の内周側から略直線状に移動させてスロット50内に挿入するラジアル挿入工法を行った。そして,その後,ウェッジ1をスロット50の内周開口部に軸方向から挿入した。
【0028】
このとき,ウェッジ1の上記凸部12をステータコア5の内周側に,上記広幅部11を外周側に位置させ,それぞれ,スロット50のスロットオープン部52及び一般部51に対応させて挿入した。
これにより,図1に示すごとく,ウェッジ1の広幅部11と凸部12とが,それぞれスロット50の一般部51とスロットオープン部52との位置した状態で,スロット50の内周開口部を確実に閉塞した状態が得られる。
【0029】
次に,本例の作用効果につき説明する。
本例のウェッジ1は,上記のごとく,広幅部11と凸部12とを備えた形状を有しており,従来のシート状のものを折り曲げて作成したウェッジに比べ,形状的に剛性が格段に優れたものとなる。そのため,ステータコア5のスロット50にコイル8をラジアル挿入工法によって挿入した後,ウェッジ1を単独で挿入する場合にも十分に耐えうる強度を有するものとなる。更に,ウェッジ1の剛性向上を利用して,従来よりもスロットオープン部の幅を広くすることもできる。それ故,上記のラジアル挿入工法をより安定的に実施することができ,製造工程の合理化を図ることができる。
【0030】
また,ウェッジ1の広幅部11と凸部12とは,それぞれ,上記のごとく,ステータコア5のスロット50の一般部51とスロットオープン部52に配置される。これにより,凸部12がスロットオープン部52に係合した状態が得られ,ウェッジ1が回転してスロットオープン部52から抜けてしまうことを防止することができる。それ故,スロット50の内周開口部59の安定した閉塞状態を維持することができる。
【0031】
実施例2
本例では,実施例1のウェッジ1をスロット50に挿入する作業方法の一例について,さらに詳しく説明する。
本例では,図3に示すごとく,コイル挿入とウェッジ挿入とを順次行うことができる挿入装置7を用いる。
挿入装置7は,コイル8をステータコア5の内周側から外周側に向けて直線状に移動させてラジアル挿入工法を実施するコイル挿入部71と,ウェッジ1を軸方向に移動させるウェッジ挿入部72とを有している。なお,以下の説明における軸方向及び径方向とは,ステータコア5を配置した場合のそのモータの軸方向及び径方向を意味することとする。
【0032】
コイル挿入部71は,径方向に移動可能に設けられたブレードユニット710と,このブレードユニット710から軸方向に立設させた挿入ブレード711とを有する。また,このコイル挿入部71は,後述するウェッジプッシャ725に当接した場合に,ウェッジプッシャ725と共に軸方向に移動可能に設けられている。
【0033】
また,ウェッジ挿入部72は,ウェッジ1を配置する配置孔721を有するウェッジマガジン723と,ウェッジ1を押圧する押圧ピン部724を有するウェッジプッシャ725とを備えている。押圧ピン部724は,ウェッジプッシャ725から径方向に延ばされたアーム部726から軸方向に向けて延設されており,ウェッジプッシャ725の軸方向の移動に伴って移動するように構成されている。
また,ウェッジプッシャ725とウェッジマガジン723とは,ウェッジマガジン723がステータコア5に当接するまでは同期して軸方向に移動可能に設けられている。
【0034】
そして,ステータコア5のスロット50にコイル8を挿入する際には,ステータコア5の内周側に位置したコイル8に対し,内周側から外周側へ移動させた挿入ブレード711を当接させ,さらにこれを外周側に移動させる。これにより,図3,図4に示すごとく,コイル8はステータコア5のスロット50内に,直線的な動きで挿入配置される。
【0035】
次に,ウェッジ1の挿入作業を行う場合には,図3,図5に示すごとく,予めウェッジマガジン723の配置孔721にウェッジ1を配設しておき,ウェッジマガジン723とウェッジプッシャ725とを同期させて軸方向に下降させる。そして,図6に示すごとく,ウェッジプッシャ725の下端がプレードユニット710に当接した後は,図7に示すごとく,上記ウェッジ挿入部72とコイル挿入部71の全体が同期して軸方向下方に移動する。
【0036】
そして,図8に示すごとく,ウェッジマガジン723がステータコア5に当接した後は,このウェッジマガジン723のみが下降を停止し,その他の部分はさらに下降を続ける。これにより,ウェッジプッシャ725の押圧ピン部724がウェッジマガジン723の配置孔721に進入し,ウェッジ1を下方に押し出す。これにより,ウェッジ1は,スロット50内に挿入される。
【0037】
以上のように,本例においては,上記挿入装置7を用いることにより,ラジアル挿入工法によるコイル8の挿入作業の後に,確実にウェッジ1の挿入作業を行うことができる。特に,本例のウェッジ1が,上述したごとく広幅部11と凸部12とを有する剛性の高い形状を有しているので,上記の押圧ピン部72による押圧力に十分に耐えてスムーズな挿入動作が実現される。
【0038】
実施例3
本例では,実施例1におけるウェッジ1の形状を変更した変更例を示す。
図9に示すウェッジ102は,その広幅部11の表面に,内方へ窪んだ凹部115を形成した例である。この場合には,スロット50内の空間の面積を凹部115の分だけ大きくすることができ,コイルの充填率の向上に寄与することができる。
【0039】
図10に示すウェッジ103は,その長手方向の両端における広幅部11及び凸部12の両方において,端部に近づくにつれて幅寸法が小さくなるテーパ形状を設けた例である。具体的には,同図に示すごとく,広幅部11と凸部12の両端部において,その側面にテーパ形状を有するテーパ部112,122をそれぞれ設けた。
【0040】
図11に示すウェッジ104は,その長手方向の両端における凸部12において,端部に近づくにつれて厚み寸法が小さくなるテーパ形状を設けた例である。具体的には,同図に示すごとく,上記広幅部11の両端部の表面に,それぞれテーパ形状を有するテーパ部113を設けた。
【0041】
図12に示すウェッジ105は,その長手方向の両端における広幅部11及び凸部12両方において,その端部の角部を曲面状に仕上げたR形状とした例である。より具体的には,同図に示すごとく,広幅部11と凸部12の両端部におけるすべての角部に,R形状を有するR部116,126をそれぞれ設けた。
【0042】
これらウェッジ103,104,105は,いずれも,上記テーパ形状あるいはR形状の存在によって,スロット50に挿入する際の挿入性をさらに向上させることができる。
その他は,実施例1と同様の作用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,ウェッジの斜視図。
【図2】実施例1における,ウェッジをステータコアのスロットに装着した状態を示す説明図。
【図3】実施例2における,挿入装置の構造を示す説明図。
【図4】実施例2における,図3のA−A線矢視断面図。
【図5】実施例2における,図3のB−B線矢視断面図。
【図6】実施例2における,挿入装置のウェッジプッシャの加工を開始した状態を示す説明図。
【図7】実施例2における,挿入装置のウェッジプッシャがブレードユニットに当接した状態を示す説明図。
【図8】実施例2における,挿入装置からウェッジがステータコアのスロットに押し込まれた状態を示す説明図。
【図9】実施例3における,ウェッジの斜視図。
【図10】実施例3における,(a)ウェッジの斜視図,(b)ウェッジの正面図,(c)ウェッジの底面図。
【図11】実施例3における,ウェッジの斜視図。
【図12】実施例3における,(a)ウェッジの斜視図,(b)ウェッジの底面図。
【図13】従来例における,ウェッジをステータコアのスロットに装着した状態を示す説明図。
【符号の説明】
1...ウェッジ,
11...広幅部,
12...凸部,
5...ステータコア,
50...スロット,
51...一般部,
52...スロットオープン部,
55...ティース,
59...内周開口部,
7...挿入装置,
71...コイル挿入部,
710...ブレードユニット,
711...挿入ブレード,
72...ウェッジ挿入部,
721...配置孔,
723...ウェッジマガジン,
724...押圧ピン部,
725...ウェッジプッシャ,
8...コイル,
【技術分野】
本発明は,ステータコア用のウェッジに関する。
【0002】
【従来技術】
電動モータ等の回転電動機に用いられるステータコアには,そのスロットにワイヤを巻回して形成したコイルを挿入すると共に,スロットからのワイヤ(コイル)の飛び出しを防止するために,スロットの内周開口部にウェッジが装着される。
【0003】
従来より用いられているウェッジ9は,図13に示すごとく,電気絶縁性を有するアラミド繊維のシートをコの字状に折り曲げて構成されている。そして,ウェッジ9の装着作業は,通常,コイル8をステータコア5の軸方向に移動させながら挿入する際に同時に行われる。
【0004】
装着されたウェッジ9は,スロット50の内周端において狭幅となったスロットオープン部52を構成するティース55の突起部551に当接した状態となり,スロット50の内周開口部を閉塞する。このようなコの字状のウェッジおよびこれをスロットに装着する装置に関する文献としては,例えば,下記の特許文献1がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−103053号公報
【0006】
【解決しようとする課題】
ところで,ステータコアのスロットに対してコイルを挿入する際に,コイルの挿入性を向上させるためには,スロットオープン部の寸法を広くすることが有効である。一方,上記ウェッジは,スロットに挿入されたコイルがスロットオープン部から抜け出ることを防止する役割を果たすので,コイルから受ける圧力を受け止めるのに十分な剛性が必要である。しかしながら,スロットオープン部の間隔を広くした場合には,ウェッジに要求される剛性が高くなり,従来のシート状のウェッジでは,コイルの飛び出しを防止するほどの剛性が得られない。
【0007】
また,従来のシート状のウェッジは,上記ステータコアのスロットにコイルが挿入されている状態で,そのコイルを押しのけながらスロット内に差し込むことが困難であり,挿入方法が制限されてしまうという問題があった。これも上記シート状のウェッジが比較的剛性が低いことに起因している。
【0008】
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,剛性が高く装着性に優れたウェッジを提供しようとするものである。
【0009】
【課題の解決手段】
本発明は,リング状のステータコアの内周側に設けられたコイル挿入用のスロットにおける内周開口部を閉塞するように該スロット内に装着されるウェッジであって,
上記スロットは,その内周端部において空間幅を狭く絞ったスロットオープン部と,その外周側において上記スロットオープン部よりも空間幅が広い一般部とを有しており,
上記ウェッジは,上記一般部に配置される広幅部と,該広幅部よりも幅寸法が小さく,上記広幅部から突出させて設けられ上記スロットオープン部に配置される凸部とを有していることを特徴とするステータコア用のウェッジにある(請求項1)。
【0010】
本発明のウェッジは,上記のごとく,上記広幅部と上記凸部とを備えた形状を有している。そのため,従来のシート状のものを折り曲げて作成したウェッジに比べ,形状的に剛性が格段に優れたものとなる。そのため,ステータコアのスロットにコイルを挿入した後,ウェッジを単独で挿入する場合にも十分に耐えうる強度を有するものとなる。更に,ウェッジの剛性向上を利用して,従来よりもスロットオープン部の幅を広くすることもできる。
【0011】
また,上記ウェッジの上記広幅部と凸部とは,それぞれ,ステータコアのスロットの上記一般部とスロットオープン部に配置される。これにより,上記凸部がスロットオープン部に係合した状態が得られ,ウェッジが回転してスロットオープン部から抜けてしまうことを防止することができる。それ故,スロットの内周開口部の安定した閉塞状態を維持することができる。
【0012】
このように,本発明によれば,剛性が高く装着性に優れたウェッジを提供することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明において,上記ウェッジは,合成樹脂により上記広幅部と上記凸部とを一体的に成形してなることが好ましい(請求項2)。
この場合には,ウェッジを容易に製造することができると共に,製造コストを低減することができる。
【0014】
上記合成樹脂としては,上記ウェッジに求められる剛性,電気絶縁性,ある程度の耐熱性を兼ね備えたものであれば,様々な合成樹脂,プラスチックなどを用いることができる。この中でも,例えば,LCP(Liquid Crystal Polymer)と呼ばれる液晶ポリマーは,強度特性にも優れ特に好ましい。
【0015】
また,上記ウェッジの上記広幅部における上記凸部を設けた面と反対側の表面には,内方へ窪んだ凹部が形成されていることが好ましい(請求項3)。この場合には,スロット内の空間の面積を上記凹部の分だけ大きくすることができ,コイルの充填率の向上に寄与することができる。
【0016】
また,上記ウェッジの長手方向の少なくとも一端における上記広幅部又は上記凸部の少なくとも一方は,端部に近づくにつれて幅寸法又は厚み寸法が小さくなるテーパ形状を有していることが好ましい(請求項4)。この場合には,上記ウェッジをスロットに挿入する際,既に充填されているコイルが存在しても,これを上記テーパ形状に沿って押しのけながらウェッジを挿入することができ,その挿入性を向上させることができる。
【0017】
また,上記ウェッジの長手方向の少なくとも一端における上記広幅部又は上記凸部の少なくとも一方は,その端部の角部を曲面状に仕上げたR形状を有している構成をとることもできる(請求項5)。この場合にも,上記R形状の存在によって,ウェッジをスロットに挿入する際の挿入性を向上させることができる。
【0018】
また,上記広幅部は,上記ステータコアの上記スロットにおける上記一般部の内壁面との間に所定のクリアランスを保持した状態で配置される幅寸法を有していることが好ましい(請求項6)。この場合には,上記ウェッジをステータコアのスロット内に挿入する際に,スロットにおける上記一般部の内壁面からウェッジへの摩擦抵抗を受けることが無く,ウェッジの挿入作業性をより一層向上させることができる。
【0019】
また,上記クリアランスは,上記ステータコアにおける上記スロットオープン部を構成する内壁面が上記一般部を構成する内壁面から突出する寸法よりも小さいことが好ましい(請求項7)。これにより,上記ウェッジをスロット内に配置した状態において,上記広幅部がスロットオープン部を通り抜けてはずれてしまうことを確実に防止し,ウェッジと内壁面からの突出部との摩擦力により軸方向にウェッジが抜けてしまうことを防止することができる。
【0020】
また,上記クリアランスは,上記ステータコアの上記スロットに挿入配置すべきコイルを構成する電線の直径よりも小さいことが好ましい(請求項8)。この場合には,スロット内のコイルの電線がウェッジよりもスロットオープン側へ進入することを確実に防止することができ,沿面電流の抑制効果を高めることができる。
【0021】
【実施例】
実施例1
本発明の実施例に係るステータコア用のウェッジにつき,図1,図2を用いて説明する。
本例のウェッジ1は,図1,図2に示すごとく,リング状のステータコア5の内周側に設けられたコイル挿入用のスロット50の内周開口部59を閉塞するように上記スロット50に装着されるウェッジである。
上記スロット50は,その空間幅がステータコア5の径方向に沿って緩やかに変化する一般部51と,一般部51の内周端部において急激に空間幅が狭くなったスロットオープン部52とを有している。
上記ウェッジ1は,上記一般部51に配置される広幅部11と,該広幅部11よりも幅寸法が小さく,広幅部11から突出させて設けられ上記スロットオープン部52に配置される凸部12とを有している。
以下,これを詳説する。
【0022】
本例におけるステータコア5は,リング状を呈していると共に,図2に示すごとく内周部に複数のティース55を設け,その間に上記スロット50を形成している。
各ティース55は,同図に示すごとく,外周側から内周側に向けて径方向に伸びるとと共に,その先端部において周方向に突出する突出部551を有している。この突出部551が対面する空間がスロット50における上記スロットオープン部52であり,これよりも外周側の空間が上記の一般部51である。
【0023】
また,本例では,同図に示すごとく,スロット50の内周面全体に電気絶縁性を有する合成樹脂よりなる絶縁膜6を予め配設してある。具体的には,LCP(Liquid Crystal Polymer)を材料とする膜を予め形成しておいた。本例では,絶縁膜6の厚みはおよそ300μmとした。なお,この絶縁膜6としては,従来のような電気絶縁性を有するアラミド繊維のシートを適用することも可能である。
【0024】
上記ウェッジ1は,図1に示すごとく,材料として,LCP(Liquid CrystalPolymer)を用い,上記の広幅部11と凸部12とを有する形状に一体成形したものである。上記凸部11の高さ寸法H1は,スロットオープン部52の径方向の寸法,即ち,ティース55の厚み寸法よりも若干小さい寸法にした。また,凸部12及び広幅部11の幅寸法W1,W2は,スロット50のスロットオープン部52及び一般部51の空間幅の寸法に対応させ,対面するティース55との間にわずかなクリアランス(図示略)が得られるような寸法に設計した。
【0025】
このクリアランスは,ステータコア5におけるスロットオープン部52を構成する内壁面が一般部を構成する内壁面から突出する寸法L(図2)よりも十分小さい寸法であって,かつ,スロット50に挿入配置すべきコイルを構成する電線の直径D(図2)よりも十分小さい寸法とした。
【0026】
なお,このウェッジ1とティース55との間は,挿入作業性の向上のために,上記のごとく,設計上わずかにクリアランスが空いていることが好ましいが,凸部12がウェッジ1の回転を防止する役割を果たすため,できる限りそのクリアランスが小さい方がよい。最も好ましくは,装着状態においてウェッジ1がティース55にピッタリと面接触する状態が得られることが好ましい。
【0027】
次に,上記ウェッジ1をステータコア5のスロット50に挿入する作業は,コイル8のスロット50への挿入作業が終了してから行った。本例では,事前にワイヤ88を巻回して形成したコイル8を,ステータコア5の内周側から略直線状に移動させてスロット50内に挿入するラジアル挿入工法を行った。そして,その後,ウェッジ1をスロット50の内周開口部に軸方向から挿入した。
【0028】
このとき,ウェッジ1の上記凸部12をステータコア5の内周側に,上記広幅部11を外周側に位置させ,それぞれ,スロット50のスロットオープン部52及び一般部51に対応させて挿入した。
これにより,図1に示すごとく,ウェッジ1の広幅部11と凸部12とが,それぞれスロット50の一般部51とスロットオープン部52との位置した状態で,スロット50の内周開口部を確実に閉塞した状態が得られる。
【0029】
次に,本例の作用効果につき説明する。
本例のウェッジ1は,上記のごとく,広幅部11と凸部12とを備えた形状を有しており,従来のシート状のものを折り曲げて作成したウェッジに比べ,形状的に剛性が格段に優れたものとなる。そのため,ステータコア5のスロット50にコイル8をラジアル挿入工法によって挿入した後,ウェッジ1を単独で挿入する場合にも十分に耐えうる強度を有するものとなる。更に,ウェッジ1の剛性向上を利用して,従来よりもスロットオープン部の幅を広くすることもできる。それ故,上記のラジアル挿入工法をより安定的に実施することができ,製造工程の合理化を図ることができる。
【0030】
また,ウェッジ1の広幅部11と凸部12とは,それぞれ,上記のごとく,ステータコア5のスロット50の一般部51とスロットオープン部52に配置される。これにより,凸部12がスロットオープン部52に係合した状態が得られ,ウェッジ1が回転してスロットオープン部52から抜けてしまうことを防止することができる。それ故,スロット50の内周開口部59の安定した閉塞状態を維持することができる。
【0031】
実施例2
本例では,実施例1のウェッジ1をスロット50に挿入する作業方法の一例について,さらに詳しく説明する。
本例では,図3に示すごとく,コイル挿入とウェッジ挿入とを順次行うことができる挿入装置7を用いる。
挿入装置7は,コイル8をステータコア5の内周側から外周側に向けて直線状に移動させてラジアル挿入工法を実施するコイル挿入部71と,ウェッジ1を軸方向に移動させるウェッジ挿入部72とを有している。なお,以下の説明における軸方向及び径方向とは,ステータコア5を配置した場合のそのモータの軸方向及び径方向を意味することとする。
【0032】
コイル挿入部71は,径方向に移動可能に設けられたブレードユニット710と,このブレードユニット710から軸方向に立設させた挿入ブレード711とを有する。また,このコイル挿入部71は,後述するウェッジプッシャ725に当接した場合に,ウェッジプッシャ725と共に軸方向に移動可能に設けられている。
【0033】
また,ウェッジ挿入部72は,ウェッジ1を配置する配置孔721を有するウェッジマガジン723と,ウェッジ1を押圧する押圧ピン部724を有するウェッジプッシャ725とを備えている。押圧ピン部724は,ウェッジプッシャ725から径方向に延ばされたアーム部726から軸方向に向けて延設されており,ウェッジプッシャ725の軸方向の移動に伴って移動するように構成されている。
また,ウェッジプッシャ725とウェッジマガジン723とは,ウェッジマガジン723がステータコア5に当接するまでは同期して軸方向に移動可能に設けられている。
【0034】
そして,ステータコア5のスロット50にコイル8を挿入する際には,ステータコア5の内周側に位置したコイル8に対し,内周側から外周側へ移動させた挿入ブレード711を当接させ,さらにこれを外周側に移動させる。これにより,図3,図4に示すごとく,コイル8はステータコア5のスロット50内に,直線的な動きで挿入配置される。
【0035】
次に,ウェッジ1の挿入作業を行う場合には,図3,図5に示すごとく,予めウェッジマガジン723の配置孔721にウェッジ1を配設しておき,ウェッジマガジン723とウェッジプッシャ725とを同期させて軸方向に下降させる。そして,図6に示すごとく,ウェッジプッシャ725の下端がプレードユニット710に当接した後は,図7に示すごとく,上記ウェッジ挿入部72とコイル挿入部71の全体が同期して軸方向下方に移動する。
【0036】
そして,図8に示すごとく,ウェッジマガジン723がステータコア5に当接した後は,このウェッジマガジン723のみが下降を停止し,その他の部分はさらに下降を続ける。これにより,ウェッジプッシャ725の押圧ピン部724がウェッジマガジン723の配置孔721に進入し,ウェッジ1を下方に押し出す。これにより,ウェッジ1は,スロット50内に挿入される。
【0037】
以上のように,本例においては,上記挿入装置7を用いることにより,ラジアル挿入工法によるコイル8の挿入作業の後に,確実にウェッジ1の挿入作業を行うことができる。特に,本例のウェッジ1が,上述したごとく広幅部11と凸部12とを有する剛性の高い形状を有しているので,上記の押圧ピン部72による押圧力に十分に耐えてスムーズな挿入動作が実現される。
【0038】
実施例3
本例では,実施例1におけるウェッジ1の形状を変更した変更例を示す。
図9に示すウェッジ102は,その広幅部11の表面に,内方へ窪んだ凹部115を形成した例である。この場合には,スロット50内の空間の面積を凹部115の分だけ大きくすることができ,コイルの充填率の向上に寄与することができる。
【0039】
図10に示すウェッジ103は,その長手方向の両端における広幅部11及び凸部12の両方において,端部に近づくにつれて幅寸法が小さくなるテーパ形状を設けた例である。具体的には,同図に示すごとく,広幅部11と凸部12の両端部において,その側面にテーパ形状を有するテーパ部112,122をそれぞれ設けた。
【0040】
図11に示すウェッジ104は,その長手方向の両端における凸部12において,端部に近づくにつれて厚み寸法が小さくなるテーパ形状を設けた例である。具体的には,同図に示すごとく,上記広幅部11の両端部の表面に,それぞれテーパ形状を有するテーパ部113を設けた。
【0041】
図12に示すウェッジ105は,その長手方向の両端における広幅部11及び凸部12両方において,その端部の角部を曲面状に仕上げたR形状とした例である。より具体的には,同図に示すごとく,広幅部11と凸部12の両端部におけるすべての角部に,R形状を有するR部116,126をそれぞれ設けた。
【0042】
これらウェッジ103,104,105は,いずれも,上記テーパ形状あるいはR形状の存在によって,スロット50に挿入する際の挿入性をさらに向上させることができる。
その他は,実施例1と同様の作用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,ウェッジの斜視図。
【図2】実施例1における,ウェッジをステータコアのスロットに装着した状態を示す説明図。
【図3】実施例2における,挿入装置の構造を示す説明図。
【図4】実施例2における,図3のA−A線矢視断面図。
【図5】実施例2における,図3のB−B線矢視断面図。
【図6】実施例2における,挿入装置のウェッジプッシャの加工を開始した状態を示す説明図。
【図7】実施例2における,挿入装置のウェッジプッシャがブレードユニットに当接した状態を示す説明図。
【図8】実施例2における,挿入装置からウェッジがステータコアのスロットに押し込まれた状態を示す説明図。
【図9】実施例3における,ウェッジの斜視図。
【図10】実施例3における,(a)ウェッジの斜視図,(b)ウェッジの正面図,(c)ウェッジの底面図。
【図11】実施例3における,ウェッジの斜視図。
【図12】実施例3における,(a)ウェッジの斜視図,(b)ウェッジの底面図。
【図13】従来例における,ウェッジをステータコアのスロットに装着した状態を示す説明図。
【符号の説明】
1...ウェッジ,
11...広幅部,
12...凸部,
5...ステータコア,
50...スロット,
51...一般部,
52...スロットオープン部,
55...ティース,
59...内周開口部,
7...挿入装置,
71...コイル挿入部,
710...ブレードユニット,
711...挿入ブレード,
72...ウェッジ挿入部,
721...配置孔,
723...ウェッジマガジン,
724...押圧ピン部,
725...ウェッジプッシャ,
8...コイル,
Claims (8)
- リング状のステータコアの内周側に設けられたコイル挿入用のスロットにおける内周開口部を閉塞するように該スロット内に装着されるウェッジであって,
上記スロットは,その内周端部において空間幅を狭く絞ったスロットオープン部と,その外周側において上記スロットオープン部よりも空間幅が広い一般部とを有しており,
上記ウェッジは,上記一般部に配置される広幅部と,該広幅部よりも幅寸法が小さく,上記広幅部から突出させて設けられ上記スロットオープン部に配置される凸部とを有していることを特徴とするステータコア用のウェッジ。 - 請求項1において,上記ウェッジは,合成樹脂により上記広幅部と上記凸部とを一体的に成形してなることを特徴とするステータコア用のウェッジ。
- 請求項1又は2において,上記ウェッジの上記広幅部における上記凸部を設けた面と反対側の表面には,内方へ窪んだ凹部が形成されていることを特徴とするステータコア用のウェッジ。
- 請求項1〜3のいずれか1項において,上記ウェッジの長手方向の少なくとも一端における上記広幅部又は上記凸部の少なくとも一方は,端部に近づくにつれて幅寸法又は厚み寸法が小さくなるテーパ形状を有していることを特徴とするステータコア用のウェッジ。
- 請求項1〜3のいずれか1項において,上記ウェッジの長手方向の少なくとも一端における上記広幅部又は上記凸部の少なくとも一方は,その端部の角部を曲面状に仕上げたR形状を有していることを特徴とするステータコア用のウェッジ。
- 請求項1〜5のいずれか1項において,上記広幅部は,上記ステータコアの上記スロットにおける上記一般部の内壁面との間に所定のクリアランスを保持した状態で配置される幅寸法を有していることを特徴とするステータコア用のウェッジ。
- 請求項6において,上記クリアランスは,上記ステータコアにおける上記スロットオープン部を構成する内壁面が上記一般部を構成する内壁面から突出する寸法よりも小さいことを特徴とするステータコア用のウェッジ。
- 請求項6又は7において,上記クリアランスは,上記ステータコアの上記スロットに挿入配置すべきコイルを構成する電線の直径よりも小さいことを特徴とするステータコア用のウェッジ。
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