JP2004200529A - 半導体ウェハ研磨方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】研磨工程において失われる、半導体ウェハに設けられたオリエンテーションフラットの劈開面の高さ方向の寸法を、十分に小さな値に抑制できる半導体ウェハの研磨方法、および失われた寸法の値が十分に小さな半導体ウェハを提供する。
【解決手段】GaAs等の半導体単結晶インゴットをスライスして、GaAsウェハ1を製造し、このGaAsウェハ1にオリエンテーションフラット2を設け、所定の加工を施した後、このGaAsウェハ1を研磨用プレート10へ貼付するが、その際、研磨用プレート10の回転中心11を中心とし、ウェハ中心7を通過する円周12を仮定し、GaAsウェハ1に設けられたオリエンテーションフラット2の劈開面3と、前記円周12との交点における接線13とが、概ね直交するようにGaAsウェハ1を研磨用プレート10へ貼付し、回転研磨機へ設置してGaAsウェハ1の鏡面研磨をおこなう。
【選択図】 図1
【解決手段】GaAs等の半導体単結晶インゴットをスライスして、GaAsウェハ1を製造し、このGaAsウェハ1にオリエンテーションフラット2を設け、所定の加工を施した後、このGaAsウェハ1を研磨用プレート10へ貼付するが、その際、研磨用プレート10の回転中心11を中心とし、ウェハ中心7を通過する円周12を仮定し、GaAsウェハ1に設けられたオリエンテーションフラット2の劈開面3と、前記円周12との交点における接線13とが、概ね直交するようにGaAsウェハ1を研磨用プレート10へ貼付し、回転研磨機へ設置してGaAsウェハ1の鏡面研磨をおこなう。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェハの研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウェハは、様々な電子デバイス製造用基板として用いられ、中でもGaAs等の化合物半導体ウェハは、受発光デバイス、高周波デバイス等の製造用基板として用いられている。この発光デバイスの一例である半導体レーザーダイオード(以下、LDと記載する。)は、例えばGaAsウェハより、以下のような工程を経て製造される。
【0003】
GaAs単結晶のインゴットより、例えばウェハ面が(100)方向を向いているスライスウェハ(2インチまたは3インチサイズが多い。)を得る。このスライスウェハの周囲を面取りした後、厚みを揃え、粗ウェハとする。この粗ウェハを鏡面研磨して鏡面ウェハを製造する。製造された鏡面ウェハ上へ、所定のエピタキシャル層等を形成した後、当該ウェハを劈開させて、所定のチップを切り出し、このチップへ電極等を設置してLDが製造される。
【0004】
上述したLD製造工程の鏡面ウェハ製造過程において、スライスウェハへ、ウェハの表裏、方向を識別するためのオリエンテーションフラット(以下、OFと記載する。)および/またはインデックスフラット(以下、IFと記載する。)と呼ばれる直線状部分が設けられる。これらOF、IFともウェハ周囲と同様に面取り加工される場合もあるが、LD製造用基板として用いられるGaAsウェハの場合は、OFまたはIF部分へ面取り加工を施さず、劈開により形成する場合が殆どである。
【0005】
尚、本発明に関連する文献として、特許文献1、2を挙げる。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−36657号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平5−47723号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
劈開により劈開面を形成しOFまたはIFを設けたウェハにおいて、ウェハのおもて面と劈開面とがなす角、およびウェハの裏面と劈開面とがなす角とも、理論上は直角(90°)の筈である。ところが実際の鏡面ウェハを観察してみると、ウェハ周辺部に僅かな傾斜があり、ウェハのおもて面と劈開面とがなす角は、完全な直角(90°)とはなっていない。
【0009】
このウェハのおもて面と劈開面とがなす角ついて、GaAsウェハを例とし図2〜4を参照しながら説明する。
【0010】
図2は、GaAs鏡面ウェハの平面図であり、図3は、図2に示したGaAs鏡面ウェハのA−A断面図であり、図4は、図3に示した断面図において符号Bで示した部分の拡大図である。
【0011】
まず、図2に示すように、GaAs鏡面ウェハ1’には、OF2が設けられている。
【0012】
ここで図3に示すように、OF2の部分において、ウェハのおもて面4と劈開面3、およびウェハの裏面5と劈開面3は両者とも直角(90°)をもって接している筈である。
【0013】
ところが図4に示すように、ウェハの裏面5と劈開面3とは、ほぼ直角(90°)をもって接しているが、ウェハのおもて面4と劈開面3とは間に傾斜面6が形成されているため、直角(90°)をもって接しておらず、且つ劈開面3の高さ方向の寸法は、傾斜面6が形成されていることで、符号Dで示した寸法分(以下、寸法Dと記載する。)が失われていることが判明した。
【0014】
そして、研磨後の複数のGaAs鏡面ウェハにおいて寸法Dを測定したところ、数〜十数μmの範囲でバラツキを有していた。
【0015】
この図2〜4に示すGaAs鏡面ウェハ1’から、例えばLDを製造する場合、後述するように、OF2を基準とし、これと垂直を保ちながらウェハを劈開する作業を行うが、この作業はOF2を顕微鏡で観測しながら行われる。この顕微鏡観測において、寸法Dの値が大きかったり、バラツキが多いと、顕微鏡の焦点合わせに時間がかかり生産性が低下するのみならず、焦点を誤って合わせてしまうことが起こる。焦点を誤って合わせ、これを基準としてウェハを劈開するとウェハを垂直に劈開することができなくなり良好なチップを切り出すことができず、LD製造用の材料として使用することができない事態となる。以上の事態を回避するためには、寸法Dの値が十分に小さく、バラツキが少ないことが望ましい。
【0016】
一方、本発明者らは傾斜面6の発生過程を追求した結果、傾斜面6はウェハの研磨工程で形成されていることが判明した。
【0017】
そこで本発明が解決しようとする課題は、傾斜面6が形成されることで失われる劈開面3の高さ方向における寸法Dの値にバラツキが少なく、値が十分に小さい鏡面ウェハの研磨方法および鏡面ウェハを提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するための第1の手段は、半導体ウェハを研磨用プレートに所望枚数設置し、前記研磨用プレートを回転させて前記半導体ウェハを研磨する半導体ウェハ研磨方法であって、
前記研磨用プレートの回転中心を中心とし、前記半導体ウェハの中心を通過する円周を仮定したとき、
前記半導体ウェハの所定箇所を劈開することで設けられたオリエンテーションフラットまたはインデックスフラットの劈開面が、前記円周に対して概ね同方向を有するように、前記半導体ウェハを前記研磨用プレートへ設置することを特徴とする半導体ウェハ研磨方法である。
【0019】
上述の構成を有する研磨方法を用いて鏡面ウェハを製造しところ、得られた鏡面ウェハにおいて、図4にて説明した、傾斜面が形成されることで失われる劈開面の高さ方向における寸法の値のバラツキを少なくすることができ、さらに、オリエンテーションフラットまたはインデックスフラットの劈開面が前記円周に対して有する方向を適宜に選択することで、寸法の値を小さくすることができた。
【0020】
第2の手段は、
第1の手段に記載の半導体ウェハ研磨方法であって、
前記劈開面と、前記劈開面と前記円周との交点における前記円周の接線とが、概ね直交するように、前記半導体ウェハを前記研磨用プレートへ設置することを特徴とする半導体ウェハ研磨方法である。
【0021】
上述の構成を有する研磨方法を用いて鏡面ウェハを製造しところ、第1の手段にて記載した寸法の値のバラツキが少なくなり、寸法の値も十分に小さくすることができた。
【0022】
第3の手段は、
第1または第2の手段に記載の半導体ウェハ研磨方法により研磨された半導体ウェハであって、
前記研磨の際、前記劈開面と前記ウェハのおもて面との間に、傾斜面が形成されることで失われる前記劈開面の高さ方向の寸法の値が5μm以下であることを特徴とする半導体ウェハである。
【0023】
第1または第2の手段に記載の半導体ウェハ研磨方法にて研磨された鏡面ウェハであって、傾斜面が形成されることで失われる劈開面の高さ方向の寸法Dの値が5μm以下のものであるので、後工程における顕微鏡の焦点合わせが容易で、焦点を誤って合わせてしまうという事態が殆ど起こらない半導体ウェハである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態例について、GaAsウェハの研磨工程を例として図1を参照しながら説明する。
【0025】
図1は、GaAsインゴットをスライスしてOFを設けた研磨前のGaAsウェハを、回転研磨機へ設置するための研磨用プレートに貼付した状態の平面図である。
【0026】
図1に示すように、回転中心11を有する研磨用プレート10上へ、OF2が設けられた所定枚数のGaAsウェハ1を貼付した。このとき研磨用プレート10の回転中心11を中心とし、GaAsウェハ1のウェハ中心7を通過する円周12を仮定する。そしてOF2の劈開面と、OF2の劈開面と円周12との交点における円周12の接線13とが交わる角度をθとする。
【0027】
次に、研磨用プレート10上へ、所定枚数のGaAsウェハ1を、各々のθが概ね同一となるように設定しながら貼付した後、研磨用プレート10を回転研磨機に設置し、研磨用プレート10のウェハを貼付した面を下に向け、研磨用プレート10の下方に設けられたポリッシャーの研磨布にあてた。ここで、研磨用プレート10のウェハを貼付した面とポリッシャーの研磨布との間へ、研磨液を上方より滴下しながら供給し、GaAsウェハ1の鏡面研磨をおこなった。このとき図1において、研磨用プレート10の回転方向は右回転する。鏡面研磨後のウェハを、洗浄、乾燥して鏡面ウェハとした。
【0028】
製造された鏡面ウェハの形状について、再び図4を参照しながら説明する。
【0029】
製造された鏡面ウェハの形状を、レーザー顕微鏡を用いて観察したところ、傾斜面6が形成されることで失われる劈開面3の高さ方向における寸法Dの値のバラツキが少なくなっていることが判明した。
【0030】
これは、前記回転研磨機における研磨において、研磨用プレート10が回転中心11を中心とする自転運動、図示していない前記回転研磨機における公転中心を中心とする公転運動をおこない、且つそれに対向するポリッシャーも、同様に自公転運動するという複雑な相対運動下においても、傾斜面6の形成に関しては研磨用プレート10の自転運動が支配的な影響を与えるためであると考えられる。
【0031】
ここで再び図1に戻り、上述したθの値を適宜に選択し、OF2の劈開面が円周12に対して概ね同方向を有するように、GaAsウェハ1を研磨用プレート10へ設置すれば、上述した寸法Dの値を十分に小さくできることが判明した。
【0032】
そして、研磨用プレート10上の所定枚数のGaAsウェハ1において、OF2の劈開面を研磨用プレート10の回転方向とは逆の方向を向かせ、各々のθを概ね90°に設定したところ、傾斜面6の形成が小さくなり、Dの寸法も5μm以下と十分に小さくなることが判明した。
【0033】
これは上述したように、傾斜面6の形成に関しては研磨用プレート10の自転運動が支配的な影響を与えている下で、OF2の劈開面を研磨用プレート10の回転方向とは逆の方向を向かせ、各々のθを概ね90°に設定することで、OF2がポリッシャーより加えられる衝撃を最も効率的に回避できるためであると考えられる。
【0034】
上述の鏡面ウェハ上へ、所定のエピタキシャル層等を形成した後、OFの箇所を顕微鏡で焦点を合わせて観察しながら、当該ウェハを劈開し、例えば幅300μmピッチで所定のチップを切り出した。この切り出されたチップにおいて両側の劈開面を観察したところ、99%以上のチップが正常に切り出され、且つ各々のチップにおいて、両側を劈開させて形成したフラット面は、方位ずれがなく、且つ段差等が存在しない良好な形状を有するものであった。
【0035】
尚、本実施の形態では、半導体ウェハの例としてGaAsウェハを用いたが、他の半導体ウェハ、例えば、InP、InSb、InAs、GaP、Si等であっても同様である。
【0036】
そして、本実施の形態では、研磨用プレートとしてGaAsウェハを表面に貼付する観点よりセラミック製のものを用いたが、金属製等のものも使用可能である。
【0037】
また、本実施の形態では、GaAsウェハを研磨用プレートの表面に貼付して設置したが、例えば機械的な挟持等により設置しても良い。
【0038】
さらに、本実施の形態では、半導体ウェハの劈開面としてOFの劈開面を例として説明したが、これはIFの劈開面であっても同様である。
【0039】
さらに加えて、本実施の形態では、研磨用プレートの回転中心を中心とし、GaAsウェハのウェハ中心を通過する円周を一個仮定したが、これに限られず、研磨用プレートの回転中心を中心とする同心円として複数の円周を仮定し、その円周上にGaAsウェハを設置することとしても良い。
【0040】
ここで、上述したGaAsウェハ1の作製方法の一例について説明する。
【0041】
まず、GaAs単結晶のインゴットを所定の径で円筒研削した後、これを所定の厚さでスライスし、スライスウェハとする。このスライスウェハの所定位置を劈開することで、直線状部分であるOFおよび/またはIFを設ける。
【0042】
ここで、LD製造用基板として用いられるGaAsウェハでは、OFまたはIF部分へ面取り加工を施さず、劈開面のまま形成する場合が殆どであるが、これは、LDにおいて共振器を構成する光導波路を半導体結晶の中に作り込むためである。この光導波路は、横幅数μm、長さ数百μmの細長い形状を有し、両端部には反射鏡が形成される。このとき、光導波路の長手方向をOF(011)と垂直な方向に形成する場合が多い。光導波路の長手方向をOFと垂直な方向に形成することで、両端部の反射鏡を、III−V族半導体に特有の劈開によって自動的に作製することができるからである。この劈開を、歩留まり良く、且つ作製された反射鏡が所定の反射率を有するように起こさせるためには、光導波路と反射鏡とを、正確に垂直(90°)とすることが必要となる。そこで角度の誤差の少ない、劈開面を用いたOF設定の手法が通常用いられるのである。
【0043】
ウェハへの劈開面によるOFおよび/またはIFの形成が完了したら、外周囲を回転する砥石で面取り加工して所望の径へ加工する。このスライスされたGaAsウェハを面取り加工する目的は、面取り加工工程以降のウェハ加工工程やデバイス製造工程でのウェハ搬送に伴う割れや破損を防止することにある。面取り加工の済んだウェハへ、ラッピング加工をおこなってウェハの厚みを揃え、さらに、エッチング液にてエッチングしてGaAsウェハ1を製造する。
【0044】
(実施例)
厚さ600μm、直径78mmの(100)GaAsのスライスウェハを1000枚準備した。これらのスライスウェハへ劈開によりOFを設け、OF部分以外の外周部分を面取り加工して、直径76mmのウェハを得た。この直径76mmのウェハへ、ラッピング加工をおこなった後、エッチングをおこなった。エッチングの済んだウェハを、セラミック製の研磨用プレート上に貼付した。
【0045】
この研磨用プレート上へのウェハ貼付にあたってはウェハの枚数を8枚とし、ウェハの中心が、概ね、研磨用プレートの回転中心を中心とする円周上であって等間隔となるように貼付した。さらにこのとき、ウェハに設けられたOFの劈開面と、OFの劈開面と前記円周との交点における接線とが概ね直交し、OF2の劈開面が、研磨用プレートの回転方向とは逆の方向を向くようにウェハを研磨用プレートへ貼付した。
【0046】
このウェハが貼付された研磨用プレートを回転研磨機へ設置し、ウェハの鏡面研磨を実施した。
【0047】
ウェハの鏡面研磨完了後、研磨用プレートよりウェハを外し、洗浄、乾燥をおこなって鏡面ウェハを得た。この鏡面ウェハのOFに傾斜面が形成されることで失われる劈開面の高さ方向の寸法Dをレーザー顕微鏡にて計測したところ、ウェハ全数において5μm以下であった。
【0048】
この1000枚の鏡面ウェハより、任意に10枚のウェハを抜き取り、OFの箇所に顕微鏡の焦点を合わせて観察しながら、LD製造の際の劈開作業を模擬してOFのフラット面に対して垂直な、幅300μmのピッチを有する短冊状のチップを1000本切り出した。この1000本のチップにおいて両側の劈開面の状態を観察したところ、正常に劈開されていたのは998本であり、さらにこの998本のチップにおける両側の劈開面とも段差等は観察されず良好であった。
【0049】
(比較例)
実施例に記載したものと同様なスライスウェハを1000枚準備し、実施例と同様にOFを設け、面取り加工を施し、ラッピング加工をおこなった後、エッチングをおこない、ウェハの中心が、概ね、研磨用プレートの回転中心を中心とする円周上であって等間隔となるように貼付した。
【0050】
但し、実施例と異なり、ウェハに設けられたOFの劈開面と、前記円周との交点における接線との関係は、ランダムな状態としてウェハを研磨用プレートへ貼付した。
【0051】
その後の処理も実施例と同様におこない、鏡面ウェハを得た。この鏡面ウェハのOFに傾斜面が形成されることで失われる劈開面の高さ方向の寸法Dをレーザー顕微鏡にて計測したところ、5μm以下のウェハが10%、5〜8μmのウェハが40%、8〜9μmのウェハが30%、10〜12μmのウェハが20%の割合であった。
【0052】
この鏡面ウェハより、上述した寸法Dが6μmのウェハを5枚、7μmのウェハを3枚、8μmのウェハを3枚、任意に抜き取り、実施例と同様にOFの箇所に顕微鏡の焦点を合わせて観察しながら、LD製造の際の劈開作業を模擬してOFのフラット面に対して垂直な、幅300μmのピッチを有する短冊状のチップの切り出しをおこなったが、10本のチップが割れてしまい、切り出すことができたのは990本であった。この割れてしまった10本のチップは、上述した寸法Dが6μmのウェハより切り出したものが3本、その他のウェハより切り出したものが7本であった。
【0053】
さらに、この990本のチップにおいて両側の劈開面の状態を観察したところ、段差等を生じることなく正常に劈開されていたのは960本であり、残り30本のチップの劈開面には段差が観察された。
【0054】
【発明の効果】
以上、詳述したように本発明は、半導体ウェハを研磨用プレートに所望枚数設置し、前記研磨用プレートと、前記研磨用プレートと対向するポリッシャーとを回転させながら前記半導体ウェハを研磨する半導体ウェハ研磨方法であって、前記研磨用プレートの回転中心を中心とし、前記半導体ウェハの中心を通過する円周を仮定したとき、前記半導体ウェハの所定箇所を劈開することで設けられたオリエンテーションフラットまたはインデックスフラットの劈開面が、前記円周に対して概ね同方向を有するように前記半導体ウェハを前記研磨用プレートへ設置することで、研磨後に得られた鏡面ウェハにおいて、傾斜面が形成されることで失われる劈開面の高さ方向における寸法の値のバラツキを少なくすることができ、さらに、オリエンテーションフラットまたはインデックスフラットの劈開面が前記円周に対して有する方向を適宜に選択することで、寸法の値を小さくすることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】GaAsウェハを研磨用プレートに貼付した状態の平面図である。
【図2】GaAsウェハの平面図である。
【図3】図2に示したGaAsウェハのA−A断面図である。
【図4】図3に示した断面図において、Bで示した部分の拡大図である。
【符号の説明】
1 GaAsウェハ
1’ GaAs鏡面ウェハ
2 OF(オリエンテーションフラット)
3 劈開面
4 ウェハおもて面
5 ウェハ裏面
6 傾斜面
7 ウェハ中心
10 研磨用プレート
11 回転中心
12 円周
13 接線
D 傾斜面が形成されることで失われる劈開面の高さ方向の寸法
θ OFの劈開面と、円周の接線とが交わる角度
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェハの研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウェハは、様々な電子デバイス製造用基板として用いられ、中でもGaAs等の化合物半導体ウェハは、受発光デバイス、高周波デバイス等の製造用基板として用いられている。この発光デバイスの一例である半導体レーザーダイオード(以下、LDと記載する。)は、例えばGaAsウェハより、以下のような工程を経て製造される。
【0003】
GaAs単結晶のインゴットより、例えばウェハ面が(100)方向を向いているスライスウェハ(2インチまたは3インチサイズが多い。)を得る。このスライスウェハの周囲を面取りした後、厚みを揃え、粗ウェハとする。この粗ウェハを鏡面研磨して鏡面ウェハを製造する。製造された鏡面ウェハ上へ、所定のエピタキシャル層等を形成した後、当該ウェハを劈開させて、所定のチップを切り出し、このチップへ電極等を設置してLDが製造される。
【0004】
上述したLD製造工程の鏡面ウェハ製造過程において、スライスウェハへ、ウェハの表裏、方向を識別するためのオリエンテーションフラット(以下、OFと記載する。)および/またはインデックスフラット(以下、IFと記載する。)と呼ばれる直線状部分が設けられる。これらOF、IFともウェハ周囲と同様に面取り加工される場合もあるが、LD製造用基板として用いられるGaAsウェハの場合は、OFまたはIF部分へ面取り加工を施さず、劈開により形成する場合が殆どである。
【0005】
尚、本発明に関連する文献として、特許文献1、2を挙げる。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−36657号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平5−47723号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
劈開により劈開面を形成しOFまたはIFを設けたウェハにおいて、ウェハのおもて面と劈開面とがなす角、およびウェハの裏面と劈開面とがなす角とも、理論上は直角(90°)の筈である。ところが実際の鏡面ウェハを観察してみると、ウェハ周辺部に僅かな傾斜があり、ウェハのおもて面と劈開面とがなす角は、完全な直角(90°)とはなっていない。
【0009】
このウェハのおもて面と劈開面とがなす角ついて、GaAsウェハを例とし図2〜4を参照しながら説明する。
【0010】
図2は、GaAs鏡面ウェハの平面図であり、図3は、図2に示したGaAs鏡面ウェハのA−A断面図であり、図4は、図3に示した断面図において符号Bで示した部分の拡大図である。
【0011】
まず、図2に示すように、GaAs鏡面ウェハ1’には、OF2が設けられている。
【0012】
ここで図3に示すように、OF2の部分において、ウェハのおもて面4と劈開面3、およびウェハの裏面5と劈開面3は両者とも直角(90°)をもって接している筈である。
【0013】
ところが図4に示すように、ウェハの裏面5と劈開面3とは、ほぼ直角(90°)をもって接しているが、ウェハのおもて面4と劈開面3とは間に傾斜面6が形成されているため、直角(90°)をもって接しておらず、且つ劈開面3の高さ方向の寸法は、傾斜面6が形成されていることで、符号Dで示した寸法分(以下、寸法Dと記載する。)が失われていることが判明した。
【0014】
そして、研磨後の複数のGaAs鏡面ウェハにおいて寸法Dを測定したところ、数〜十数μmの範囲でバラツキを有していた。
【0015】
この図2〜4に示すGaAs鏡面ウェハ1’から、例えばLDを製造する場合、後述するように、OF2を基準とし、これと垂直を保ちながらウェハを劈開する作業を行うが、この作業はOF2を顕微鏡で観測しながら行われる。この顕微鏡観測において、寸法Dの値が大きかったり、バラツキが多いと、顕微鏡の焦点合わせに時間がかかり生産性が低下するのみならず、焦点を誤って合わせてしまうことが起こる。焦点を誤って合わせ、これを基準としてウェハを劈開するとウェハを垂直に劈開することができなくなり良好なチップを切り出すことができず、LD製造用の材料として使用することができない事態となる。以上の事態を回避するためには、寸法Dの値が十分に小さく、バラツキが少ないことが望ましい。
【0016】
一方、本発明者らは傾斜面6の発生過程を追求した結果、傾斜面6はウェハの研磨工程で形成されていることが判明した。
【0017】
そこで本発明が解決しようとする課題は、傾斜面6が形成されることで失われる劈開面3の高さ方向における寸法Dの値にバラツキが少なく、値が十分に小さい鏡面ウェハの研磨方法および鏡面ウェハを提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するための第1の手段は、半導体ウェハを研磨用プレートに所望枚数設置し、前記研磨用プレートを回転させて前記半導体ウェハを研磨する半導体ウェハ研磨方法であって、
前記研磨用プレートの回転中心を中心とし、前記半導体ウェハの中心を通過する円周を仮定したとき、
前記半導体ウェハの所定箇所を劈開することで設けられたオリエンテーションフラットまたはインデックスフラットの劈開面が、前記円周に対して概ね同方向を有するように、前記半導体ウェハを前記研磨用プレートへ設置することを特徴とする半導体ウェハ研磨方法である。
【0019】
上述の構成を有する研磨方法を用いて鏡面ウェハを製造しところ、得られた鏡面ウェハにおいて、図4にて説明した、傾斜面が形成されることで失われる劈開面の高さ方向における寸法の値のバラツキを少なくすることができ、さらに、オリエンテーションフラットまたはインデックスフラットの劈開面が前記円周に対して有する方向を適宜に選択することで、寸法の値を小さくすることができた。
【0020】
第2の手段は、
第1の手段に記載の半導体ウェハ研磨方法であって、
前記劈開面と、前記劈開面と前記円周との交点における前記円周の接線とが、概ね直交するように、前記半導体ウェハを前記研磨用プレートへ設置することを特徴とする半導体ウェハ研磨方法である。
【0021】
上述の構成を有する研磨方法を用いて鏡面ウェハを製造しところ、第1の手段にて記載した寸法の値のバラツキが少なくなり、寸法の値も十分に小さくすることができた。
【0022】
第3の手段は、
第1または第2の手段に記載の半導体ウェハ研磨方法により研磨された半導体ウェハであって、
前記研磨の際、前記劈開面と前記ウェハのおもて面との間に、傾斜面が形成されることで失われる前記劈開面の高さ方向の寸法の値が5μm以下であることを特徴とする半導体ウェハである。
【0023】
第1または第2の手段に記載の半導体ウェハ研磨方法にて研磨された鏡面ウェハであって、傾斜面が形成されることで失われる劈開面の高さ方向の寸法Dの値が5μm以下のものであるので、後工程における顕微鏡の焦点合わせが容易で、焦点を誤って合わせてしまうという事態が殆ど起こらない半導体ウェハである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態例について、GaAsウェハの研磨工程を例として図1を参照しながら説明する。
【0025】
図1は、GaAsインゴットをスライスしてOFを設けた研磨前のGaAsウェハを、回転研磨機へ設置するための研磨用プレートに貼付した状態の平面図である。
【0026】
図1に示すように、回転中心11を有する研磨用プレート10上へ、OF2が設けられた所定枚数のGaAsウェハ1を貼付した。このとき研磨用プレート10の回転中心11を中心とし、GaAsウェハ1のウェハ中心7を通過する円周12を仮定する。そしてOF2の劈開面と、OF2の劈開面と円周12との交点における円周12の接線13とが交わる角度をθとする。
【0027】
次に、研磨用プレート10上へ、所定枚数のGaAsウェハ1を、各々のθが概ね同一となるように設定しながら貼付した後、研磨用プレート10を回転研磨機に設置し、研磨用プレート10のウェハを貼付した面を下に向け、研磨用プレート10の下方に設けられたポリッシャーの研磨布にあてた。ここで、研磨用プレート10のウェハを貼付した面とポリッシャーの研磨布との間へ、研磨液を上方より滴下しながら供給し、GaAsウェハ1の鏡面研磨をおこなった。このとき図1において、研磨用プレート10の回転方向は右回転する。鏡面研磨後のウェハを、洗浄、乾燥して鏡面ウェハとした。
【0028】
製造された鏡面ウェハの形状について、再び図4を参照しながら説明する。
【0029】
製造された鏡面ウェハの形状を、レーザー顕微鏡を用いて観察したところ、傾斜面6が形成されることで失われる劈開面3の高さ方向における寸法Dの値のバラツキが少なくなっていることが判明した。
【0030】
これは、前記回転研磨機における研磨において、研磨用プレート10が回転中心11を中心とする自転運動、図示していない前記回転研磨機における公転中心を中心とする公転運動をおこない、且つそれに対向するポリッシャーも、同様に自公転運動するという複雑な相対運動下においても、傾斜面6の形成に関しては研磨用プレート10の自転運動が支配的な影響を与えるためであると考えられる。
【0031】
ここで再び図1に戻り、上述したθの値を適宜に選択し、OF2の劈開面が円周12に対して概ね同方向を有するように、GaAsウェハ1を研磨用プレート10へ設置すれば、上述した寸法Dの値を十分に小さくできることが判明した。
【0032】
そして、研磨用プレート10上の所定枚数のGaAsウェハ1において、OF2の劈開面を研磨用プレート10の回転方向とは逆の方向を向かせ、各々のθを概ね90°に設定したところ、傾斜面6の形成が小さくなり、Dの寸法も5μm以下と十分に小さくなることが判明した。
【0033】
これは上述したように、傾斜面6の形成に関しては研磨用プレート10の自転運動が支配的な影響を与えている下で、OF2の劈開面を研磨用プレート10の回転方向とは逆の方向を向かせ、各々のθを概ね90°に設定することで、OF2がポリッシャーより加えられる衝撃を最も効率的に回避できるためであると考えられる。
【0034】
上述の鏡面ウェハ上へ、所定のエピタキシャル層等を形成した後、OFの箇所を顕微鏡で焦点を合わせて観察しながら、当該ウェハを劈開し、例えば幅300μmピッチで所定のチップを切り出した。この切り出されたチップにおいて両側の劈開面を観察したところ、99%以上のチップが正常に切り出され、且つ各々のチップにおいて、両側を劈開させて形成したフラット面は、方位ずれがなく、且つ段差等が存在しない良好な形状を有するものであった。
【0035】
尚、本実施の形態では、半導体ウェハの例としてGaAsウェハを用いたが、他の半導体ウェハ、例えば、InP、InSb、InAs、GaP、Si等であっても同様である。
【0036】
そして、本実施の形態では、研磨用プレートとしてGaAsウェハを表面に貼付する観点よりセラミック製のものを用いたが、金属製等のものも使用可能である。
【0037】
また、本実施の形態では、GaAsウェハを研磨用プレートの表面に貼付して設置したが、例えば機械的な挟持等により設置しても良い。
【0038】
さらに、本実施の形態では、半導体ウェハの劈開面としてOFの劈開面を例として説明したが、これはIFの劈開面であっても同様である。
【0039】
さらに加えて、本実施の形態では、研磨用プレートの回転中心を中心とし、GaAsウェハのウェハ中心を通過する円周を一個仮定したが、これに限られず、研磨用プレートの回転中心を中心とする同心円として複数の円周を仮定し、その円周上にGaAsウェハを設置することとしても良い。
【0040】
ここで、上述したGaAsウェハ1の作製方法の一例について説明する。
【0041】
まず、GaAs単結晶のインゴットを所定の径で円筒研削した後、これを所定の厚さでスライスし、スライスウェハとする。このスライスウェハの所定位置を劈開することで、直線状部分であるOFおよび/またはIFを設ける。
【0042】
ここで、LD製造用基板として用いられるGaAsウェハでは、OFまたはIF部分へ面取り加工を施さず、劈開面のまま形成する場合が殆どであるが、これは、LDにおいて共振器を構成する光導波路を半導体結晶の中に作り込むためである。この光導波路は、横幅数μm、長さ数百μmの細長い形状を有し、両端部には反射鏡が形成される。このとき、光導波路の長手方向をOF(011)と垂直な方向に形成する場合が多い。光導波路の長手方向をOFと垂直な方向に形成することで、両端部の反射鏡を、III−V族半導体に特有の劈開によって自動的に作製することができるからである。この劈開を、歩留まり良く、且つ作製された反射鏡が所定の反射率を有するように起こさせるためには、光導波路と反射鏡とを、正確に垂直(90°)とすることが必要となる。そこで角度の誤差の少ない、劈開面を用いたOF設定の手法が通常用いられるのである。
【0043】
ウェハへの劈開面によるOFおよび/またはIFの形成が完了したら、外周囲を回転する砥石で面取り加工して所望の径へ加工する。このスライスされたGaAsウェハを面取り加工する目的は、面取り加工工程以降のウェハ加工工程やデバイス製造工程でのウェハ搬送に伴う割れや破損を防止することにある。面取り加工の済んだウェハへ、ラッピング加工をおこなってウェハの厚みを揃え、さらに、エッチング液にてエッチングしてGaAsウェハ1を製造する。
【0044】
(実施例)
厚さ600μm、直径78mmの(100)GaAsのスライスウェハを1000枚準備した。これらのスライスウェハへ劈開によりOFを設け、OF部分以外の外周部分を面取り加工して、直径76mmのウェハを得た。この直径76mmのウェハへ、ラッピング加工をおこなった後、エッチングをおこなった。エッチングの済んだウェハを、セラミック製の研磨用プレート上に貼付した。
【0045】
この研磨用プレート上へのウェハ貼付にあたってはウェハの枚数を8枚とし、ウェハの中心が、概ね、研磨用プレートの回転中心を中心とする円周上であって等間隔となるように貼付した。さらにこのとき、ウェハに設けられたOFの劈開面と、OFの劈開面と前記円周との交点における接線とが概ね直交し、OF2の劈開面が、研磨用プレートの回転方向とは逆の方向を向くようにウェハを研磨用プレートへ貼付した。
【0046】
このウェハが貼付された研磨用プレートを回転研磨機へ設置し、ウェハの鏡面研磨を実施した。
【0047】
ウェハの鏡面研磨完了後、研磨用プレートよりウェハを外し、洗浄、乾燥をおこなって鏡面ウェハを得た。この鏡面ウェハのOFに傾斜面が形成されることで失われる劈開面の高さ方向の寸法Dをレーザー顕微鏡にて計測したところ、ウェハ全数において5μm以下であった。
【0048】
この1000枚の鏡面ウェハより、任意に10枚のウェハを抜き取り、OFの箇所に顕微鏡の焦点を合わせて観察しながら、LD製造の際の劈開作業を模擬してOFのフラット面に対して垂直な、幅300μmのピッチを有する短冊状のチップを1000本切り出した。この1000本のチップにおいて両側の劈開面の状態を観察したところ、正常に劈開されていたのは998本であり、さらにこの998本のチップにおける両側の劈開面とも段差等は観察されず良好であった。
【0049】
(比較例)
実施例に記載したものと同様なスライスウェハを1000枚準備し、実施例と同様にOFを設け、面取り加工を施し、ラッピング加工をおこなった後、エッチングをおこない、ウェハの中心が、概ね、研磨用プレートの回転中心を中心とする円周上であって等間隔となるように貼付した。
【0050】
但し、実施例と異なり、ウェハに設けられたOFの劈開面と、前記円周との交点における接線との関係は、ランダムな状態としてウェハを研磨用プレートへ貼付した。
【0051】
その後の処理も実施例と同様におこない、鏡面ウェハを得た。この鏡面ウェハのOFに傾斜面が形成されることで失われる劈開面の高さ方向の寸法Dをレーザー顕微鏡にて計測したところ、5μm以下のウェハが10%、5〜8μmのウェハが40%、8〜9μmのウェハが30%、10〜12μmのウェハが20%の割合であった。
【0052】
この鏡面ウェハより、上述した寸法Dが6μmのウェハを5枚、7μmのウェハを3枚、8μmのウェハを3枚、任意に抜き取り、実施例と同様にOFの箇所に顕微鏡の焦点を合わせて観察しながら、LD製造の際の劈開作業を模擬してOFのフラット面に対して垂直な、幅300μmのピッチを有する短冊状のチップの切り出しをおこなったが、10本のチップが割れてしまい、切り出すことができたのは990本であった。この割れてしまった10本のチップは、上述した寸法Dが6μmのウェハより切り出したものが3本、その他のウェハより切り出したものが7本であった。
【0053】
さらに、この990本のチップにおいて両側の劈開面の状態を観察したところ、段差等を生じることなく正常に劈開されていたのは960本であり、残り30本のチップの劈開面には段差が観察された。
【0054】
【発明の効果】
以上、詳述したように本発明は、半導体ウェハを研磨用プレートに所望枚数設置し、前記研磨用プレートと、前記研磨用プレートと対向するポリッシャーとを回転させながら前記半導体ウェハを研磨する半導体ウェハ研磨方法であって、前記研磨用プレートの回転中心を中心とし、前記半導体ウェハの中心を通過する円周を仮定したとき、前記半導体ウェハの所定箇所を劈開することで設けられたオリエンテーションフラットまたはインデックスフラットの劈開面が、前記円周に対して概ね同方向を有するように前記半導体ウェハを前記研磨用プレートへ設置することで、研磨後に得られた鏡面ウェハにおいて、傾斜面が形成されることで失われる劈開面の高さ方向における寸法の値のバラツキを少なくすることができ、さらに、オリエンテーションフラットまたはインデックスフラットの劈開面が前記円周に対して有する方向を適宜に選択することで、寸法の値を小さくすることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】GaAsウェハを研磨用プレートに貼付した状態の平面図である。
【図2】GaAsウェハの平面図である。
【図3】図2に示したGaAsウェハのA−A断面図である。
【図4】図3に示した断面図において、Bで示した部分の拡大図である。
【符号の説明】
1 GaAsウェハ
1’ GaAs鏡面ウェハ
2 OF(オリエンテーションフラット)
3 劈開面
4 ウェハおもて面
5 ウェハ裏面
6 傾斜面
7 ウェハ中心
10 研磨用プレート
11 回転中心
12 円周
13 接線
D 傾斜面が形成されることで失われる劈開面の高さ方向の寸法
θ OFの劈開面と、円周の接線とが交わる角度
Claims (3)
- 半導体ウェハを研磨用プレートに所望枚数設置し、前記研磨用プレートを回転させて前記半導体ウェハを研磨する半導体ウェハ研磨方法であって、
前記研磨用プレートの回転中心を中心とし、前記半導体ウェハの中心を通過する円周を仮定したとき、
前記半導体ウェハの所定箇所を劈開することで設けられたオリエンテーションフラットまたはインデックスフラットの劈開面が、前記円周に対して概ね同方向を有するように、前記半導体ウェハを前記研磨用プレートへ設置することを特徴とする半導体ウェハ研磨方法。 - 請求項1に記載の半導体ウェハ研磨方法であって、
前記劈開面と、前記劈開面と前記円周との交点における前記円周の接線とが、概ね直交するように、前記半導体ウェハを前記研磨用プレートへ設置することを特徴とする半導体ウェハ研磨方法。 - 請求項1または2に記載の半導体ウェハ研磨方法により研磨された半導体ウェハであって、
前記研磨の際、前記劈開面と前記ウェハのおもて面との間に、傾斜面が形成されることで失われる前記劈開面の高さ方向の寸法の値が5μm以下であることを特徴とする半導体ウェハ。
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JP2002369118A JP2004200529A (ja) | 2002-12-20 | 2002-12-20 | 半導体ウェハ研磨方法 |
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-
2002
- 2002-12-20 JP JP2002369118A patent/JP2004200529A/ja not_active Withdrawn
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