JP2004200500A - 配線基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子部品接続パッドに接合される半田バンプの高さに大きなばらつきが発生せずに電子部品の電極と半田バンプとを良好に接合することが可能であり、かつ信号導体の特性インピーダンスに大きなばらつきが発生せずに信号導体に高速の信号を効率よく伝達させることが可能な配線基板を提供すること。
【解決手段】上面外周部に複数の信号導体3aが被着された第一の絶縁樹脂層2bと、この第一の絶縁樹脂層2b上に積層されており、上面中央部に電子部品の電極が半田を介して接続される電子部品接続パッド3cおよび上面外周部に前記信号導体2bと対向する電源導体層3bが被着された第二の絶縁樹脂層2bとを具備して成る配線基板であって、第二の絶縁樹脂層2bは電子部品接続パッド3cが被着された上面中央部が研磨により選択的に平坦化されている。
【選択図】 図1
【解決手段】上面外周部に複数の信号導体3aが被着された第一の絶縁樹脂層2bと、この第一の絶縁樹脂層2b上に積層されており、上面中央部に電子部品の電極が半田を介して接続される電子部品接続パッド3cおよび上面外周部に前記信号導体2bと対向する電源導体層3bが被着された第二の絶縁樹脂層2bとを具備して成る配線基板であって、第二の絶縁樹脂層2bは電子部品接続パッド3cが被着された上面中央部が研磨により選択的に平坦化されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子等の電子部品を搭載するための配線基板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近時、半導体素子等の電子部品を搭載するために用いられる配線基板として、例えばガラス−エポキシ板等から成る絶縁板上にエポキシ樹脂等から成る絶縁樹脂層を複数層積層して成る絶縁基板の内部および/または表面に銅箔や銅めっき層から成る複数の配線導体および前記絶縁基板の上面中央部に電子部品の電極が半田バンプを介して接合される銅めっき層から成る電子部品接続パッドを形成して成る有機材料系の配線基板が用いられるようになってきている。
【0003】
このような有機材料系の配線基板は、セラミック材料系の配線基板と比較して軽量であり、かつ配線導体の電気抵抗が小さいという有利な面を有している。
【0004】
そして、このような配線基板においては、絶縁基板の上面中央部に形成した電子部品接続パッドに予め半田バンプを接合させておき、電子部品をその各電極がそれぞれ対応する半田バンプに当接するようにして絶縁基板上に搭載するとともに、これらを例えば電気炉等の加熱装置で加熱して半田バンプを溶融させて半田バンプと電子部品の電極とを接合させることによって、電子部品が配線基板上に実装される。
【0005】
なお、このような配線基板は、例えば銅箔から成る配線導体を有するガラス−エポキシ板等から成る絶縁板上に未硬化の樹脂ペーストを塗布したり、未硬化の樹脂フィルムを貼着したりした後、それを熱硬化させて絶縁樹脂層を形成し、次にその絶縁樹脂層の表面にセミアディティブ法やサブトラクティブ法により銅めっき層から成る配線導体を形成し、さらにその上に同様にして次層の絶縁樹脂層および次層の配線導体を形成していき、最上層の配線導体を形成する際にそれと同時に銅めっき層から成る電子部品接続パッドを形成することによって製作されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような有機材料系の配線基板においては、内部および/または表面に設けられた配線導体の配線密度の偏り等の影響により有機材料系から成る絶縁基板に高さが20〜200μm程度の反りや凹凸が発生する場合がある。そして、このように反りや凹凸が発生した絶縁基板の中央部に設けた電子部品接続パッドに半田バンプを接合させると半田バンプの高さに大きなばらつきが生じ、その上に電子部品を搭載すると、電子部品の電極と半田バンプとが良好に接触せずに、その結果、電子部品の電極と半田バンプとを良好に接合することが困難となるという問題点を有していた。
【0007】
そこで、その上に電子部品接続パッドが形成される絶縁樹脂層の上面の全面を研磨により平坦となし、その上に電子部品接続パッドを形成することが考えられる。
【0008】
ところが上述したような配線基板の中には、電子部品接続パッドが形成された絶縁樹脂層の下の絶縁樹脂層上に、電子部品接続パッドに電気的に接続されて絶縁基板の中央部近傍から外周部に延びる信号導体を設けるとともに、電子部品接続パッドが形成された絶縁樹脂層上の外周部に前記信号導体に対向する電源導体層を設けて成るタイプの配線基板があり、そのようなタイプの配線導体においては、電子部品接続パッドおよび電源導体層が形成される絶縁樹脂層の上面の全面を研磨により平坦となすと、研磨によりその絶縁樹脂層に研磨する前の反りや凹凸に応じて厚みが厚い部分と薄い部分とが形成されてしまう。そしてそのように電子部品接続パッドおよび電源導体層が形成された絶縁樹脂層に厚みの厚い部分と薄い部分とが形成されると、その下の絶縁樹脂層上に形成された信号導体とこれに対向する電源導体層との距離にばらつきが生じ、その結果、前記信号導体の特性インピーダンスが大きくばらついてしまい、信号配線導体に高速の信号を良好かつ効率よく伝達させることができないという問題点を誘発した。
【0009】
本発明はかかる従来の問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、電子部品接続パッドに接合される半田バンプの高さに大きなばらつきが発生せずに電子部品の電極と半田バンプとを良好に接合することが可能であるとともに、信号導体の特性インピーダンスに大きなばらつきが発生せずに信号導体に高速の信号を良好かつ効率よく伝達させることが可能な配線基板を提供することにある。
【0010】
【特許文献1】特開2001−308255号公報
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の配線基板は、上面外周部に複数の信号導体が被着された第一の絶縁樹脂層と、この第一の絶縁樹脂層上に積層されており、上面中央部に電子部品の電極が半田を介して接続される電子部品接続パッドおよび上面外周部に前記信号導体と対向する電源導体層が被着された第二の絶縁樹脂層とを具備して成る配線基板であって、前記第二の絶縁樹脂層は前記電子部品接続パッドが被着された上面中央部が研磨により選択的に平坦化されていることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の配線基板の製造方法は、第一の絶縁樹脂層の上面外周部に複数の信号導体を被着する工程と、この第一の絶縁樹脂層上に第二の絶縁樹脂層を積層するとともにその上面中央部を研磨により選択的に平坦化する工程と、この第二の絶縁樹脂層の上面のうちの選択的に平坦化された前記中央部に電子部品の電極が半田を介して接続される電子部品接続パッドおよびその外側に前記信号導体と対向する電源導体層を被着する工程とを順次行なうことを特徴とするものである。
【0013】
本発明の配線基板によれば、第二の絶縁樹脂層の電子部品接続パッドが形成された上面中央部が研磨により選択的に平坦化されていることから、第二の絶縁樹脂層の電子部品接続パッドが形成された上面中央部の反りや凹凸が大きく低減され、その結果、電子部品接続パッドに半田バンプを接合させると半田バンプの高さが略均一になるとともに、第二の絶縁樹脂層の電源導体層が被着された上面外周部は研磨により平坦化されていないことから、電源導体層とこれに第二の絶縁樹脂層を挟んで対向する信号導体との距離は略一定に保たれたままとなり、信号導体の特性インピーダンスに大きなばらつきが発生することがない。
【0014】
また、本発明の配線基板の製造方法によれば、上面外周部に信号導体を有する第一の絶縁樹脂層上に第二の絶縁樹脂層を積層するとともにその上面中央部を研磨により選択的に平坦化し、次に第二の絶縁樹脂層の上面のうちの選択的に平坦化された中央部に電子部品の電極が半田を介して接続される電子部品接続パッドおよびその外側に第一の絶縁樹脂層上の信号導体と対向する電源導体層を被着することから、電子部品接続パッドが形成された第二の絶縁樹脂層の上面中央部の反りや凹凸が大きく低減され、その結果、電子部品接続パッドに半田バンプを接合させると半田バンプの高さが略均一になるとともに、電源導体層とこれに第二の絶縁樹脂層を挟んで対向する信号導体との距離が略一定に保たれ、信号導体の特性インピーダンスに大きなばらつきのない配線基板を提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を添付の図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の配線基板を半導体素子を搭載するための配線基板に適用した場合の実施の形態の一例を示す断面図であり、図中、1は絶縁板、2aは第一の絶縁樹脂層、2bは第二の絶縁樹脂層、2cは第三の絶縁樹脂層、2dは第四の絶縁樹脂層、3は信号導体3aおよび電源導体層3bおよび電子部品接続パッド3aを含む配線導体、7aおよび7bはソルダーレジスト層である。
【0016】
なお、本例では、絶縁板1の上面に第一および第二の絶縁樹脂層2a、2bを順次積層するとともに絶縁板1の下面に第三および第四の絶縁樹脂層2c、2dを順次積層して成り、さらに第二の絶縁樹脂層2b上および第四の絶縁樹脂層2d上にはソルダーレジスト層7a、7bがそれぞれ積層されている。また、絶縁板1および各絶縁樹脂層2a、2bや2c、2dの表面には配線導体3が形成されている。
【0017】
絶縁板1は、例えばガラス繊維を縦横に織り込んだガラス織物にエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて成り、厚みが0.3〜1.5mm程度であり、その上面から下面にかけて直径が0.1〜1mm程度の複数の貫通孔4を有している。そして、その上下面および各貫通孔4の内壁には配線導体3の一部が被着されており、上下面の配線導体3が貫通孔4を介して電気的に接続されている。
【0018】
このような絶縁板1は、ガラス織物に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させた絶縁シートを熱硬化させた後、これに上面から下面にかけてドリル加工を施すことにより製作される。なお、絶縁板1上下面の配線導体3は、絶縁板1用の絶縁シートの上下全面に厚みが3〜50μm程度の銅箔を貼着しておくとともにこの銅箔をシートの硬化後にエッチング加工することにより所定のパターンに形成される。また、貫通孔4内壁の配線導体3は、絶縁板1に貫通孔4を設けた後に、この貫通孔4内壁に無電解めっき法および電解めっき法により厚みが3〜50μm程度の銅めっき膜を析出させることにより形成される。
【0019】
さらに、絶縁板1は、その貫通孔4の内部にエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂から成る樹脂柱5が充填されている。樹脂柱5は、貫通孔4を塞ぐことにより貫通孔4の直上および直下に各絶縁樹脂層2a、2bおよび2c、2dを形成可能とするためのものであり、未硬化のペースト状の熱硬化性樹脂を貫通孔4内にスクリーン印刷法により充填し、これを熱硬化させた後、その上下面を略平坦に研磨することにより形成される。そして、この樹脂柱5を含む絶縁板1の上面に第一および第二の絶縁樹脂層2a、2bが、下面に第三および第四の絶縁樹脂層2c、2dがそれぞれ順次積層されている。
【0020】
絶縁板1の上下面に積層された各絶縁樹脂層2a、2bおよび2c、2dは、それぞれの厚みが20〜60μm程度であり、各層の上面から下面にかけて直径が30〜100μm程度の複数の貫通孔6を有している。これらの各絶縁樹脂層2a、2bおよび2c、2dは、配線導体3を高密度に配線するための絶縁間隔を提供するためのものである。そして、上層の配線導体3と下層の配線導体3とを貫通孔6を介して電気的に接続することにより高密度配線を立体的に形成可能としている。このような各絶縁樹脂層2a、2bおよび2c、2dは、厚みが20〜60μm程度の未硬化の熱硬化性樹脂の絶縁フィルムを絶縁板1の上下面に貼着し、これを熱硬化させるとともにレーザ加工により貫通孔6を穿孔し、さらにその上に同様にして次の絶縁樹脂層を順次積み重ねることによって形成される。なお、各絶縁樹脂層2a、2bおよび2c、2dの表面および貫通孔6内に被着された配線導体3は、各絶縁樹脂層2a、2bおよび2c、2dを形成する毎に各絶縁樹脂層2a、2bおよび2c、2dの表面および貫通孔6内に5〜50μm程度の厚みの銅めっき膜を公知のセミアディティブ法やサブトラクティブ法等のパターン形成法により所定のパターンに被着させることによって形成される。
【0021】
絶縁板1および各絶縁樹脂層2a、2bおよび2c、2dの表面に配設された配線導体3は、電子部品の各電極を外部電気回路基板に接続するための導電路として機能し、第一の絶縁樹脂層2aの上にはその中央部から外周部に向けて延びる信号導体3aが被着形成されており、第二の絶縁樹脂層2b上にはその中央部に電子部品の電極が半田バンプを介して接続される電子部品接続パッド3cおよびその外周部に信号導体3aに対向する電源導体層3bが被着形成されている。また、第四の絶縁樹脂層2d上には外部電気回路基板の配線導体に半田バンプを介して接続される外部接続パッド3dが形成されている。
【0022】
なお、信号導体3aは、細い帯状のパターンであり、電子部品に信号の出し入れを行なうための導体として機能し、電源導体層3bは、電子部品に電源電位や接地電位を供給するための導体として機能するとともに信号導体3aを電磁的に遮蔽するシールドとしても機能する。そして、信号導体3aと電源導体層3bとが第二の絶縁樹脂層2bを挟んで対向することにより信号導体3aに第二の絶縁樹脂層3bの厚みおよび誘電率等に応じた特性インピーダンスが付与される。また、電子部品接続パッド3cには電子部品の電極を接続するための半田バンプ8aが接合され、外部接続パッド3dには外部電気回路基板の配線導体に接続するための半田バンプ8bが接合される。
【0023】
そして、本発明の配線基板においては、電子部品接続パッド3cが被着された第二の絶縁樹脂層2bの中央部が研磨により選択的に平坦化されており、そのことが重要である。このように電子部品接続パッド3cが被着された第二の絶縁樹脂層2bの中央部が研磨により選択的に平坦化されていることから、電子部品接続パッド3cが被着された第二の絶縁樹脂層2bの中央部の反りや凹凸が大きく低減され、その結果、電子部品接続パッド3cに半田バンプ8aを接合させると半田バンプ8aの高さが略均一になるとともに、第二の絶縁樹脂層2bの電源導体層3bが被着された上面外周部は研磨されていないことから、電源導体層3bとこれに第二の絶縁樹脂層2bを挟んで対向する信号導体3aとの距離は略一定に保たれたままとなり、信号導体3aの特性インピーダンスに大きなばらつきが発生することがない。したがって、信号導体3aに高速の信号を良好かつ効率よく伝達させることができる。
【0024】
さらに、第二の絶縁樹脂層2bおよび第四の絶縁樹脂層2d上にはソルダーレジスト層7a、7bが電子部品接続パッド3cや外部接続パッド3dの中央部を露出させる開口部を有するようにしてそれぞれ被着されている。ソルダーレジスト層7a、7bは、例えばアクリル変性エポキシ樹脂にシリカやタルク等の無機物粉末フィラーを30〜70質量%程度分散させた絶縁材料から成り、表層の配線導体3同士の電気的絶縁信頼性を高めるとともに電子部品接続パッド3cや外部接続パッド3dの接合強度を大きなものとする作用をなす。
【0025】
このようなソルダーレジスト層7a、7bは、その厚みが10〜50μm程度であり、ソルダーレジスト層7a、7b用の感光性を有する未硬化の樹脂ペーストをロールコーター法やスクリーン印刷法を採用して第二および第四の絶縁樹脂層2b、2d上に塗布し、これを乾燥させた後、フォトリソグラフィー技術を採用して露光および現像処理を行なって電子部品接続パッド3cや外部接続パッド3dを露出させる開口部を形成した後、これを熱硬化させることによって形成される。あるいは、ソルダーレジスト層7a、7b用の未硬化の樹脂フィルムを第二および第四の絶縁樹脂層2b、2d上に貼着した後、これを熱硬化させ、しかる後、電子部品接続パッド3cや外部接続パッド3dに対応する位置にレーザビームを照射し、硬化した樹脂フィルムを部分的に除去することによって電子部品接続パッド3cや外部接続パッド3dを露出させる開口部を有するように形成される。
【0026】
かくして、本発明の配線基板によれば、電子部品の電極を電子部品接続パッド3cに半田バンプ8aを介して接続した後、外部接続パッド3cを外部電気回路基板の配線導体に半田バンプ8bを介して接続することにより電子部品が外部電気回路に電気的に接続されることとなる。
【0027】
次に、本発明の配線基板の製造方法を図2(a)〜(e)を基に説明する。なお、図2(a)〜(e)においては、図1に示した配線基板と共通する部位には図1で用いた符号と同一の符号を用いる。
【0028】
まず、図2(a)に断面図で示すように、上下面および貫通孔4内に配線導体3が被着形成されているとともに貫通孔4内に樹脂柱5が充填された絶縁板1を準備する。このような絶縁板1は、ガラス織物に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させた絶縁シートの上下面に厚みが3〜50μm程度の銅箔を貼着するとともに絶縁シートの熱硬化性樹脂を熱硬化させ、次にこの熱硬化された絶縁シートにドリル加工を施すことにより貫通孔4を穿孔するとともに貫通孔4内に無電解めっき法および電解めっき法により銅めっき膜を被着させ、次にこの銅めっき膜が被着された貫通孔4内に未硬化のペースト状の熱硬化性樹脂をスクリーン印刷法により充填し、これを熱硬化させた後、その上下面を略平坦に研磨し、次に絶縁板1の上下面に貼着した銅箔を配線導体3に対応する所定のパターンにエッチングすることにより形成される。
【0029】
次に、図2(b)に断面図で示すように、絶縁板1の上面に貫通孔6を有する第一の絶縁樹脂層2aを形成するとともに第一の絶縁樹脂層2aの上面の中央部近傍から外周部にかけて複数の信号導体3aを被着形成する。このような第一の絶縁樹脂層2aは、厚みが20〜60μm程度の未硬化の熱硬化性樹脂から成る絶縁フィルムを絶縁板1の上面に貼着し、これを熱硬化させるとともにレーザ加工により貫通孔6を穿孔することにより形成される。また、信号導体3aは、貫通孔6が形成された第一の絶縁樹脂層2a上に公知のセミアディティブ法やサブトラクティブ法等のパターン形成法により銅めっき膜を所定のパターンに被着することによって形成される。なお、絶縁板1の下面にも第三の絶縁樹脂層2cを形成するとともに第三の絶縁樹脂層2cの表面にも配線導体3を被着形成する。
【0030】
次に、図2(c)に断面図で示すように、第一の絶縁樹脂層2aの上に未硬化の熱硬化性樹脂から成る第二の絶縁樹脂層2b用の絶縁フィルムを貼着するとともに熱硬化させた後、その中央部を機械的研磨装置11により選択的に研磨することにより上面の中央部が選択的に平坦化された第二の樹脂樹脂層2bを形成する。なお、第三の絶縁樹脂層2c上にも第四の樹脂樹脂層2dを形成する。
【0031】
次に、図2(d)に断面図で示すように、第二の絶縁樹脂層2bに貫通孔6をレーザにより形成するとともに第二の絶縁樹脂層2bの選択的に平坦化された上面中央部に電子部品の電極が半田を介して接続される電子部品接続パッド3cおよびその外側に信号導体3aと対向する電源導体層3bを被着形成する。なお、第四の絶縁樹脂層2dの表面にも外部接続パッド3dを含む配線導体3を被着形成する。
【0032】
そして最後に、図2(e)に断面図で示すように、第二の絶縁樹脂層2bの表面および第四の絶縁樹脂層2の表面にソルダーレジスト層7a、7bをそれぞれ形成することにより本発明の製造方法による配線基板が完成する。
【0033】
このとき、電子部品接続パッド3cが形成された第二の絶縁樹脂層2bの上面中央部は研磨により選択的に平坦化されて反りや凹凸が大きく低減されているので、電子部品接続パッド3cに半田バンプ8aを接合させると半田バンプ8aの高さが略均一になるとともに、電源導体層3bとこれに第二の絶縁樹脂層2bを挟んで対向する信号導体3aとの距離が略一定に保たれ、信号導体3aの特性インピーダンスに大きなばらつきのない配線基板を提供することができる。
【0034】
なお、本発明は、上述の実施の形態の一例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更が可能であることはいうまでもない。
【0035】
【発明の効果】
本発明の配線基板によれば、第二の絶縁樹脂層の電子部品接続パッドが形成された上面中央部が研磨により選択的に平坦化されていることから、第二の絶縁樹脂層の電子部品接続パッドが形成された上面中央部の反りや凹凸が大きく低減され、その結果、電子部品接続パッドに半田バンプを接合させると半田バンプの高さが略均一になるとともに、第二の絶縁樹脂層の電源導体層が被着された上面外周部は研磨により平坦化されていないことから、電源導体層とこれに第二の絶縁樹脂層を挟んで対向する信号導体との距離は略一定に保たれたままとなり、信号導体の特性インピーダンスに大きなばらつきが発生することがない。したがって、電子部品の電極と半田バンプとを良好に接合することが可能であるとともに、信号導体に高速の信号を良好かつ効率よく伝達させることができる。
【0036】
また、本発明の配線基板の製造方法によれば、上面外周部に信号導体を有する第一の絶縁樹脂層上に第二の絶縁樹脂層を積層するとともにその上面中央部を研磨により選択的に平坦化し、次に第二の絶縁樹脂層の上面のうちの選択的に平坦化された中央部に電子部品の電極が半田を介して接続される電子部品接続パッドおよびその外側に第一の絶縁樹脂層上の信号導体と対向する電源導体層を被着することから、電子部品接続パッドが形成された第二の絶縁樹脂層の上面中央部の反りや凹凸が大きく低減され、その結果、電子部品接続パッドに半田バンプを接合させると半田バンプの高さが略均一になるとともに、電源導体層とこれに第二の絶縁樹脂層を挟んで対向する信号導体との距離が略一定に保たれ、信号導体の特性インピーダンスに大きなばらつきのない配線基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の実施形態例の一例を示す断面図である。
【図2】(a)〜(e)は、本発明の配線基板の製造方法を説明するための工程毎の断面図である。
【符号の説明】
2a・・・・第一の絶縁樹脂層
2b・・・・第二の絶縁樹脂層
3a・・・・信号導体
3b・・・・電源導体層
3c・・・・電子部品接続パッド
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子等の電子部品を搭載するための配線基板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近時、半導体素子等の電子部品を搭載するために用いられる配線基板として、例えばガラス−エポキシ板等から成る絶縁板上にエポキシ樹脂等から成る絶縁樹脂層を複数層積層して成る絶縁基板の内部および/または表面に銅箔や銅めっき層から成る複数の配線導体および前記絶縁基板の上面中央部に電子部品の電極が半田バンプを介して接合される銅めっき層から成る電子部品接続パッドを形成して成る有機材料系の配線基板が用いられるようになってきている。
【0003】
このような有機材料系の配線基板は、セラミック材料系の配線基板と比較して軽量であり、かつ配線導体の電気抵抗が小さいという有利な面を有している。
【0004】
そして、このような配線基板においては、絶縁基板の上面中央部に形成した電子部品接続パッドに予め半田バンプを接合させておき、電子部品をその各電極がそれぞれ対応する半田バンプに当接するようにして絶縁基板上に搭載するとともに、これらを例えば電気炉等の加熱装置で加熱して半田バンプを溶融させて半田バンプと電子部品の電極とを接合させることによって、電子部品が配線基板上に実装される。
【0005】
なお、このような配線基板は、例えば銅箔から成る配線導体を有するガラス−エポキシ板等から成る絶縁板上に未硬化の樹脂ペーストを塗布したり、未硬化の樹脂フィルムを貼着したりした後、それを熱硬化させて絶縁樹脂層を形成し、次にその絶縁樹脂層の表面にセミアディティブ法やサブトラクティブ法により銅めっき層から成る配線導体を形成し、さらにその上に同様にして次層の絶縁樹脂層および次層の配線導体を形成していき、最上層の配線導体を形成する際にそれと同時に銅めっき層から成る電子部品接続パッドを形成することによって製作されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような有機材料系の配線基板においては、内部および/または表面に設けられた配線導体の配線密度の偏り等の影響により有機材料系から成る絶縁基板に高さが20〜200μm程度の反りや凹凸が発生する場合がある。そして、このように反りや凹凸が発生した絶縁基板の中央部に設けた電子部品接続パッドに半田バンプを接合させると半田バンプの高さに大きなばらつきが生じ、その上に電子部品を搭載すると、電子部品の電極と半田バンプとが良好に接触せずに、その結果、電子部品の電極と半田バンプとを良好に接合することが困難となるという問題点を有していた。
【0007】
そこで、その上に電子部品接続パッドが形成される絶縁樹脂層の上面の全面を研磨により平坦となし、その上に電子部品接続パッドを形成することが考えられる。
【0008】
ところが上述したような配線基板の中には、電子部品接続パッドが形成された絶縁樹脂層の下の絶縁樹脂層上に、電子部品接続パッドに電気的に接続されて絶縁基板の中央部近傍から外周部に延びる信号導体を設けるとともに、電子部品接続パッドが形成された絶縁樹脂層上の外周部に前記信号導体に対向する電源導体層を設けて成るタイプの配線基板があり、そのようなタイプの配線導体においては、電子部品接続パッドおよび電源導体層が形成される絶縁樹脂層の上面の全面を研磨により平坦となすと、研磨によりその絶縁樹脂層に研磨する前の反りや凹凸に応じて厚みが厚い部分と薄い部分とが形成されてしまう。そしてそのように電子部品接続パッドおよび電源導体層が形成された絶縁樹脂層に厚みの厚い部分と薄い部分とが形成されると、その下の絶縁樹脂層上に形成された信号導体とこれに対向する電源導体層との距離にばらつきが生じ、その結果、前記信号導体の特性インピーダンスが大きくばらついてしまい、信号配線導体に高速の信号を良好かつ効率よく伝達させることができないという問題点を誘発した。
【0009】
本発明はかかる従来の問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、電子部品接続パッドに接合される半田バンプの高さに大きなばらつきが発生せずに電子部品の電極と半田バンプとを良好に接合することが可能であるとともに、信号導体の特性インピーダンスに大きなばらつきが発生せずに信号導体に高速の信号を良好かつ効率よく伝達させることが可能な配線基板を提供することにある。
【0010】
【特許文献1】特開2001−308255号公報
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の配線基板は、上面外周部に複数の信号導体が被着された第一の絶縁樹脂層と、この第一の絶縁樹脂層上に積層されており、上面中央部に電子部品の電極が半田を介して接続される電子部品接続パッドおよび上面外周部に前記信号導体と対向する電源導体層が被着された第二の絶縁樹脂層とを具備して成る配線基板であって、前記第二の絶縁樹脂層は前記電子部品接続パッドが被着された上面中央部が研磨により選択的に平坦化されていることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の配線基板の製造方法は、第一の絶縁樹脂層の上面外周部に複数の信号導体を被着する工程と、この第一の絶縁樹脂層上に第二の絶縁樹脂層を積層するとともにその上面中央部を研磨により選択的に平坦化する工程と、この第二の絶縁樹脂層の上面のうちの選択的に平坦化された前記中央部に電子部品の電極が半田を介して接続される電子部品接続パッドおよびその外側に前記信号導体と対向する電源導体層を被着する工程とを順次行なうことを特徴とするものである。
【0013】
本発明の配線基板によれば、第二の絶縁樹脂層の電子部品接続パッドが形成された上面中央部が研磨により選択的に平坦化されていることから、第二の絶縁樹脂層の電子部品接続パッドが形成された上面中央部の反りや凹凸が大きく低減され、その結果、電子部品接続パッドに半田バンプを接合させると半田バンプの高さが略均一になるとともに、第二の絶縁樹脂層の電源導体層が被着された上面外周部は研磨により平坦化されていないことから、電源導体層とこれに第二の絶縁樹脂層を挟んで対向する信号導体との距離は略一定に保たれたままとなり、信号導体の特性インピーダンスに大きなばらつきが発生することがない。
【0014】
また、本発明の配線基板の製造方法によれば、上面外周部に信号導体を有する第一の絶縁樹脂層上に第二の絶縁樹脂層を積層するとともにその上面中央部を研磨により選択的に平坦化し、次に第二の絶縁樹脂層の上面のうちの選択的に平坦化された中央部に電子部品の電極が半田を介して接続される電子部品接続パッドおよびその外側に第一の絶縁樹脂層上の信号導体と対向する電源導体層を被着することから、電子部品接続パッドが形成された第二の絶縁樹脂層の上面中央部の反りや凹凸が大きく低減され、その結果、電子部品接続パッドに半田バンプを接合させると半田バンプの高さが略均一になるとともに、電源導体層とこれに第二の絶縁樹脂層を挟んで対向する信号導体との距離が略一定に保たれ、信号導体の特性インピーダンスに大きなばらつきのない配線基板を提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を添付の図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の配線基板を半導体素子を搭載するための配線基板に適用した場合の実施の形態の一例を示す断面図であり、図中、1は絶縁板、2aは第一の絶縁樹脂層、2bは第二の絶縁樹脂層、2cは第三の絶縁樹脂層、2dは第四の絶縁樹脂層、3は信号導体3aおよび電源導体層3bおよび電子部品接続パッド3aを含む配線導体、7aおよび7bはソルダーレジスト層である。
【0016】
なお、本例では、絶縁板1の上面に第一および第二の絶縁樹脂層2a、2bを順次積層するとともに絶縁板1の下面に第三および第四の絶縁樹脂層2c、2dを順次積層して成り、さらに第二の絶縁樹脂層2b上および第四の絶縁樹脂層2d上にはソルダーレジスト層7a、7bがそれぞれ積層されている。また、絶縁板1および各絶縁樹脂層2a、2bや2c、2dの表面には配線導体3が形成されている。
【0017】
絶縁板1は、例えばガラス繊維を縦横に織り込んだガラス織物にエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて成り、厚みが0.3〜1.5mm程度であり、その上面から下面にかけて直径が0.1〜1mm程度の複数の貫通孔4を有している。そして、その上下面および各貫通孔4の内壁には配線導体3の一部が被着されており、上下面の配線導体3が貫通孔4を介して電気的に接続されている。
【0018】
このような絶縁板1は、ガラス織物に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させた絶縁シートを熱硬化させた後、これに上面から下面にかけてドリル加工を施すことにより製作される。なお、絶縁板1上下面の配線導体3は、絶縁板1用の絶縁シートの上下全面に厚みが3〜50μm程度の銅箔を貼着しておくとともにこの銅箔をシートの硬化後にエッチング加工することにより所定のパターンに形成される。また、貫通孔4内壁の配線導体3は、絶縁板1に貫通孔4を設けた後に、この貫通孔4内壁に無電解めっき法および電解めっき法により厚みが3〜50μm程度の銅めっき膜を析出させることにより形成される。
【0019】
さらに、絶縁板1は、その貫通孔4の内部にエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂から成る樹脂柱5が充填されている。樹脂柱5は、貫通孔4を塞ぐことにより貫通孔4の直上および直下に各絶縁樹脂層2a、2bおよび2c、2dを形成可能とするためのものであり、未硬化のペースト状の熱硬化性樹脂を貫通孔4内にスクリーン印刷法により充填し、これを熱硬化させた後、その上下面を略平坦に研磨することにより形成される。そして、この樹脂柱5を含む絶縁板1の上面に第一および第二の絶縁樹脂層2a、2bが、下面に第三および第四の絶縁樹脂層2c、2dがそれぞれ順次積層されている。
【0020】
絶縁板1の上下面に積層された各絶縁樹脂層2a、2bおよび2c、2dは、それぞれの厚みが20〜60μm程度であり、各層の上面から下面にかけて直径が30〜100μm程度の複数の貫通孔6を有している。これらの各絶縁樹脂層2a、2bおよび2c、2dは、配線導体3を高密度に配線するための絶縁間隔を提供するためのものである。そして、上層の配線導体3と下層の配線導体3とを貫通孔6を介して電気的に接続することにより高密度配線を立体的に形成可能としている。このような各絶縁樹脂層2a、2bおよび2c、2dは、厚みが20〜60μm程度の未硬化の熱硬化性樹脂の絶縁フィルムを絶縁板1の上下面に貼着し、これを熱硬化させるとともにレーザ加工により貫通孔6を穿孔し、さらにその上に同様にして次の絶縁樹脂層を順次積み重ねることによって形成される。なお、各絶縁樹脂層2a、2bおよび2c、2dの表面および貫通孔6内に被着された配線導体3は、各絶縁樹脂層2a、2bおよび2c、2dを形成する毎に各絶縁樹脂層2a、2bおよび2c、2dの表面および貫通孔6内に5〜50μm程度の厚みの銅めっき膜を公知のセミアディティブ法やサブトラクティブ法等のパターン形成法により所定のパターンに被着させることによって形成される。
【0021】
絶縁板1および各絶縁樹脂層2a、2bおよび2c、2dの表面に配設された配線導体3は、電子部品の各電極を外部電気回路基板に接続するための導電路として機能し、第一の絶縁樹脂層2aの上にはその中央部から外周部に向けて延びる信号導体3aが被着形成されており、第二の絶縁樹脂層2b上にはその中央部に電子部品の電極が半田バンプを介して接続される電子部品接続パッド3cおよびその外周部に信号導体3aに対向する電源導体層3bが被着形成されている。また、第四の絶縁樹脂層2d上には外部電気回路基板の配線導体に半田バンプを介して接続される外部接続パッド3dが形成されている。
【0022】
なお、信号導体3aは、細い帯状のパターンであり、電子部品に信号の出し入れを行なうための導体として機能し、電源導体層3bは、電子部品に電源電位や接地電位を供給するための導体として機能するとともに信号導体3aを電磁的に遮蔽するシールドとしても機能する。そして、信号導体3aと電源導体層3bとが第二の絶縁樹脂層2bを挟んで対向することにより信号導体3aに第二の絶縁樹脂層3bの厚みおよび誘電率等に応じた特性インピーダンスが付与される。また、電子部品接続パッド3cには電子部品の電極を接続するための半田バンプ8aが接合され、外部接続パッド3dには外部電気回路基板の配線導体に接続するための半田バンプ8bが接合される。
【0023】
そして、本発明の配線基板においては、電子部品接続パッド3cが被着された第二の絶縁樹脂層2bの中央部が研磨により選択的に平坦化されており、そのことが重要である。このように電子部品接続パッド3cが被着された第二の絶縁樹脂層2bの中央部が研磨により選択的に平坦化されていることから、電子部品接続パッド3cが被着された第二の絶縁樹脂層2bの中央部の反りや凹凸が大きく低減され、その結果、電子部品接続パッド3cに半田バンプ8aを接合させると半田バンプ8aの高さが略均一になるとともに、第二の絶縁樹脂層2bの電源導体層3bが被着された上面外周部は研磨されていないことから、電源導体層3bとこれに第二の絶縁樹脂層2bを挟んで対向する信号導体3aとの距離は略一定に保たれたままとなり、信号導体3aの特性インピーダンスに大きなばらつきが発生することがない。したがって、信号導体3aに高速の信号を良好かつ効率よく伝達させることができる。
【0024】
さらに、第二の絶縁樹脂層2bおよび第四の絶縁樹脂層2d上にはソルダーレジスト層7a、7bが電子部品接続パッド3cや外部接続パッド3dの中央部を露出させる開口部を有するようにしてそれぞれ被着されている。ソルダーレジスト層7a、7bは、例えばアクリル変性エポキシ樹脂にシリカやタルク等の無機物粉末フィラーを30〜70質量%程度分散させた絶縁材料から成り、表層の配線導体3同士の電気的絶縁信頼性を高めるとともに電子部品接続パッド3cや外部接続パッド3dの接合強度を大きなものとする作用をなす。
【0025】
このようなソルダーレジスト層7a、7bは、その厚みが10〜50μm程度であり、ソルダーレジスト層7a、7b用の感光性を有する未硬化の樹脂ペーストをロールコーター法やスクリーン印刷法を採用して第二および第四の絶縁樹脂層2b、2d上に塗布し、これを乾燥させた後、フォトリソグラフィー技術を採用して露光および現像処理を行なって電子部品接続パッド3cや外部接続パッド3dを露出させる開口部を形成した後、これを熱硬化させることによって形成される。あるいは、ソルダーレジスト層7a、7b用の未硬化の樹脂フィルムを第二および第四の絶縁樹脂層2b、2d上に貼着した後、これを熱硬化させ、しかる後、電子部品接続パッド3cや外部接続パッド3dに対応する位置にレーザビームを照射し、硬化した樹脂フィルムを部分的に除去することによって電子部品接続パッド3cや外部接続パッド3dを露出させる開口部を有するように形成される。
【0026】
かくして、本発明の配線基板によれば、電子部品の電極を電子部品接続パッド3cに半田バンプ8aを介して接続した後、外部接続パッド3cを外部電気回路基板の配線導体に半田バンプ8bを介して接続することにより電子部品が外部電気回路に電気的に接続されることとなる。
【0027】
次に、本発明の配線基板の製造方法を図2(a)〜(e)を基に説明する。なお、図2(a)〜(e)においては、図1に示した配線基板と共通する部位には図1で用いた符号と同一の符号を用いる。
【0028】
まず、図2(a)に断面図で示すように、上下面および貫通孔4内に配線導体3が被着形成されているとともに貫通孔4内に樹脂柱5が充填された絶縁板1を準備する。このような絶縁板1は、ガラス織物に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させた絶縁シートの上下面に厚みが3〜50μm程度の銅箔を貼着するとともに絶縁シートの熱硬化性樹脂を熱硬化させ、次にこの熱硬化された絶縁シートにドリル加工を施すことにより貫通孔4を穿孔するとともに貫通孔4内に無電解めっき法および電解めっき法により銅めっき膜を被着させ、次にこの銅めっき膜が被着された貫通孔4内に未硬化のペースト状の熱硬化性樹脂をスクリーン印刷法により充填し、これを熱硬化させた後、その上下面を略平坦に研磨し、次に絶縁板1の上下面に貼着した銅箔を配線導体3に対応する所定のパターンにエッチングすることにより形成される。
【0029】
次に、図2(b)に断面図で示すように、絶縁板1の上面に貫通孔6を有する第一の絶縁樹脂層2aを形成するとともに第一の絶縁樹脂層2aの上面の中央部近傍から外周部にかけて複数の信号導体3aを被着形成する。このような第一の絶縁樹脂層2aは、厚みが20〜60μm程度の未硬化の熱硬化性樹脂から成る絶縁フィルムを絶縁板1の上面に貼着し、これを熱硬化させるとともにレーザ加工により貫通孔6を穿孔することにより形成される。また、信号導体3aは、貫通孔6が形成された第一の絶縁樹脂層2a上に公知のセミアディティブ法やサブトラクティブ法等のパターン形成法により銅めっき膜を所定のパターンに被着することによって形成される。なお、絶縁板1の下面にも第三の絶縁樹脂層2cを形成するとともに第三の絶縁樹脂層2cの表面にも配線導体3を被着形成する。
【0030】
次に、図2(c)に断面図で示すように、第一の絶縁樹脂層2aの上に未硬化の熱硬化性樹脂から成る第二の絶縁樹脂層2b用の絶縁フィルムを貼着するとともに熱硬化させた後、その中央部を機械的研磨装置11により選択的に研磨することにより上面の中央部が選択的に平坦化された第二の樹脂樹脂層2bを形成する。なお、第三の絶縁樹脂層2c上にも第四の樹脂樹脂層2dを形成する。
【0031】
次に、図2(d)に断面図で示すように、第二の絶縁樹脂層2bに貫通孔6をレーザにより形成するとともに第二の絶縁樹脂層2bの選択的に平坦化された上面中央部に電子部品の電極が半田を介して接続される電子部品接続パッド3cおよびその外側に信号導体3aと対向する電源導体層3bを被着形成する。なお、第四の絶縁樹脂層2dの表面にも外部接続パッド3dを含む配線導体3を被着形成する。
【0032】
そして最後に、図2(e)に断面図で示すように、第二の絶縁樹脂層2bの表面および第四の絶縁樹脂層2の表面にソルダーレジスト層7a、7bをそれぞれ形成することにより本発明の製造方法による配線基板が完成する。
【0033】
このとき、電子部品接続パッド3cが形成された第二の絶縁樹脂層2bの上面中央部は研磨により選択的に平坦化されて反りや凹凸が大きく低減されているので、電子部品接続パッド3cに半田バンプ8aを接合させると半田バンプ8aの高さが略均一になるとともに、電源導体層3bとこれに第二の絶縁樹脂層2bを挟んで対向する信号導体3aとの距離が略一定に保たれ、信号導体3aの特性インピーダンスに大きなばらつきのない配線基板を提供することができる。
【0034】
なお、本発明は、上述の実施の形態の一例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更が可能であることはいうまでもない。
【0035】
【発明の効果】
本発明の配線基板によれば、第二の絶縁樹脂層の電子部品接続パッドが形成された上面中央部が研磨により選択的に平坦化されていることから、第二の絶縁樹脂層の電子部品接続パッドが形成された上面中央部の反りや凹凸が大きく低減され、その結果、電子部品接続パッドに半田バンプを接合させると半田バンプの高さが略均一になるとともに、第二の絶縁樹脂層の電源導体層が被着された上面外周部は研磨により平坦化されていないことから、電源導体層とこれに第二の絶縁樹脂層を挟んで対向する信号導体との距離は略一定に保たれたままとなり、信号導体の特性インピーダンスに大きなばらつきが発生することがない。したがって、電子部品の電極と半田バンプとを良好に接合することが可能であるとともに、信号導体に高速の信号を良好かつ効率よく伝達させることができる。
【0036】
また、本発明の配線基板の製造方法によれば、上面外周部に信号導体を有する第一の絶縁樹脂層上に第二の絶縁樹脂層を積層するとともにその上面中央部を研磨により選択的に平坦化し、次に第二の絶縁樹脂層の上面のうちの選択的に平坦化された中央部に電子部品の電極が半田を介して接続される電子部品接続パッドおよびその外側に第一の絶縁樹脂層上の信号導体と対向する電源導体層を被着することから、電子部品接続パッドが形成された第二の絶縁樹脂層の上面中央部の反りや凹凸が大きく低減され、その結果、電子部品接続パッドに半田バンプを接合させると半田バンプの高さが略均一になるとともに、電源導体層とこれに第二の絶縁樹脂層を挟んで対向する信号導体との距離が略一定に保たれ、信号導体の特性インピーダンスに大きなばらつきのない配線基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の実施形態例の一例を示す断面図である。
【図2】(a)〜(e)は、本発明の配線基板の製造方法を説明するための工程毎の断面図である。
【符号の説明】
2a・・・・第一の絶縁樹脂層
2b・・・・第二の絶縁樹脂層
3a・・・・信号導体
3b・・・・電源導体層
3c・・・・電子部品接続パッド
Claims (2)
- 上面外周部に複数の信号導体が被着された第一の絶縁樹脂層と、該第一の絶縁樹脂層上に積層されており、上面中央部に電子部品の電極が半田を介して接続される電子部品接続パッドおよび上面外周部に前記信号導体と対向する電源導体層が被着された第二の絶縁樹脂層とを具備して成る配線基板であって、前記第二の絶縁樹脂層は前記電子部品接続パッドが被着された前記上面中央部が研磨により選択的に平坦化されていることを特徴とする配線基板。
- 第一の絶縁樹脂層の上面外周部に複数の信号導体を被着する工程と、前記第一の絶縁樹脂層上に第二の絶縁樹脂層を積層するとともにその上面中央部を研磨により選択的に平坦化する工程と、該第二の絶縁樹脂層の上面のうちの選択的に平坦化された前記中央部に電子部品の電極が半田を介して接続される電子部品接続パッドおよびその外側に前記信号導体と対向する電源導体層を被着する工程とを順次行なうことを特徴とする配線基板の製造方法。
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Cited By (2)
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JP2008277570A (ja) * | 2007-04-27 | 2008-11-13 | Oki Electric Ind Co Ltd | 半導体装置及びその製造方法 |
KR100927773B1 (ko) * | 2008-03-11 | 2009-11-20 | 앰코 테크놀로지 코리아 주식회사 | 반도체 패키지 및 그 제조 방법 |
-
2002
- 2002-12-19 JP JP2002368654A patent/JP2004200500A/ja active Pending
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