JP2004200012A - 電解液漏洩検査方法、検査装置、および電池 - Google Patents
電解液漏洩検査方法、検査装置、および電池 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】電池表面への電解液の漏洩を電解液の種類や状態に関わらず正確にかつ容易に検出できるようにする。
【解決手段】可視照明光b1(あるいは近赤外光)を電池1の表面に照射し、この照射光に応じて電池1の表面から発せられた光の内、前記照射光と同一波長の光を遮断して特定の波長域の蛍光b2を検出し、検出された蛍光b2の光量に基づいて、画像作成手段11、画像判定手段12により、電解液の漏洩の有無を判定する。これにより、電池1の表面に電解液23が漏洩している場合に、紫外光を照射光としていた従来法では検出困難な種類であっても、また漏洩量の多少に関わらず、また液状であるか乾燥粉末となっているかに関わらず、電池表面に露出している絶縁樹脂や付着物などの異物24と弁別して、手作業でなく正確に検出できる。
【選択図】 図1
【解決手段】可視照明光b1(あるいは近赤外光)を電池1の表面に照射し、この照射光に応じて電池1の表面から発せられた光の内、前記照射光と同一波長の光を遮断して特定の波長域の蛍光b2を検出し、検出された蛍光b2の光量に基づいて、画像作成手段11、画像判定手段12により、電解液の漏洩の有無を判定する。これにより、電池1の表面に電解液23が漏洩している場合に、紫外光を照射光としていた従来法では検出困難な種類であっても、また漏洩量の多少に関わらず、また液状であるか乾燥粉末となっているかに関わらず、電池表面に露出している絶縁樹脂や付着物などの異物24と弁別して、手作業でなく正確に検出できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池表面への電池内容物の漏洩を検査する電池検査方法、検査装置、および電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話などの普及によってリチウムイオン等の二次電池の需要が増大している。電池の量産にあたっては、予備充電や初期外観検査が行われるとともに、これらの検査の後に電解液漏れの検査が行われている。
【0003】
電解液漏れの発生は機器の損傷の原因ともなるため、密封性に優れた電池の開発が望まれるとともに、電解液漏れの検査の質を向上させることが要望されているのであるが、電解液はほぼ透明な液体であるため、電池表面をCCDカメラで撮影して電解液の漏洩の有無を画像上で判定することは困難である。
【0004】
このため電解液漏れの検査は、臭いを嗅ぐ、または、感熱紙に電解液が付着すると変色する特性を利用して、電池に感熱紙を押し当てて変色するかどうかを目視するなど、人手で行われている。
【0005】
電解液は数日間放置されたり高温多湿の工程を経ると白く結晶化するので、電解液が電池缶内に充填されてから数日後に、または高温多湿の工程を経た後に、白い結晶化物が析出しているかどうかを目視することも行われている。
【0006】
一方で、電池の表面に紫外線を照射して、電解液中に含まれている蛍光発生物質による蛍光が発せられるかどうかを検出する方法も提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0007】
二次電池では充電時および放電時に化学反応により内圧が上昇し電解液漏れの生じ易い状態となるため、充電時または放電時に電解液による光が発せられるかどうかを検出する方法も提案されている。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−297799号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電解液漏れの検査に先だって予備充電を行なうと、電解液漏れが生じている場合にプローブピンに電解液が付着し、通電不良を起こす可能性があるので、予備充電の前に電解液漏れの検査を行なうのが望ましい。
【0010】
二次電池の充電時または放電時に電解液漏れを検査するためには、電池上面に電極を接触させなければならないため、電極部周辺の検査が困難であり、また電極が二次電池のクラッド部を傷つけることによる新たな電解液漏れを生じさせる原因となっている。
【0011】
人手により電解液漏れを検査する場合、電池の表面に付着した洗浄水と電解液とを判別することは目視でも困難であり、作業者にとって負担が大きいだけでなく、作業者が電解液に触れて負傷するおそれもある。
【0012】
電解液漏れの検査は、電池が組み立てられた直後でも、数日間放置された後または高温多湿の工程を経た後でも、実施する必要があり、電解液が液状であるか乾燥粉末(結晶化物)となっているかに関わらず検出できる検査方法が求められている。
【0013】
紫外線を照射する方法では、光源や光学系の構成が容易でないだけでなく、電池表面に露出している絶縁樹脂が蛍光を発してノイズ成分となったり、紫外線励起を利用する方式では、電解液の種類によっては蛍光を発しにくく、検出が困難な場合がある。
【0014】
本発明は上記課題を解決するもので、電池表面への電解液の漏洩を電解液の種類や状態に関わらず正確にかつ容易に検出できるようにすることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、電池表面への電解液の漏洩を検査する際に、可視光あるいは近赤外光を電池表面に照射し、この照射光に応じて電池表面から発せられた光の内、前記照射光と同一波長の光を遮断して少なくとも1つの特定の波長域の光を検出し、検出された光量に基づいて電解液の漏洩の有無を判定することを特徴とするもので、電池表面に電解液が漏洩している場合に、紫外光を照射光としていた従来法では検出困難な種類であっても、また漏洩量の多少に関わらず、また液状であるか乾燥粉末となっているかに関わらず、電池表面に露出している絶縁樹脂や付着物などの異物と弁別して、正確に検出することができる。検査方法自体は非接触的方法であるため、検査しにくい箇所は特になく、電池に穴等の欠陥がない場合に新たな損傷を与える恐れもない。
【0016】
たとえば複数の波長域の光を検出する場合、少なくとも1つの波長域で検出された光量より電解液の漏洩有りと判定された時に電解液の漏洩有りと判断する。また、電池表面への電解液の漏洩を検査する際に、可視光あるいは近赤外光を電池表面に照射し、この照射光に応じて電池表面から発せられた光の内、前記照射光と同一波長の光を遮断して特定の波長域の光を検出するとともに全ての波長域の光を検出し、検出された各波長域の光の光量に基づいて電解液の漏洩の有無を判定することを特徴とするもので、検出された各波長域の光量に基づいて信号処理することで、広い波長域にわたって強い光を発する異物などを弁別して、電解液のみを正確に検出することができる。
【0017】
好ましくは、検出光を照射光よりも50nmから200nm大きい波長域の光とする。このように離れた波長(域)を照射光と検出光とに用いることで、照射光が外乱光となって検出されることを防止できる。検出光と照射光との差が50nmより小さい場合には、照射光と同一波長の光を遮断する波長フィルタの設計が困難であり、200nmより大きい場合には、電解液から発生する光が弱くノイズ光とのSN比が悪くなる。
【0018】
また好ましくは、照射光を500nmから550nmの波長域から選ばれる可視光とする。このような波長域の照射光を用いると、電池表面の絶縁樹脂から発生する光よりも電解液から発生する光が強くなり、検出しやすくなる。
【0019】
また好ましくは、電池表面に光照射するに先だって、電池を減圧あるいは加圧するか、または電池に遠心力を負荷する。このような電解液漏れが発生し易い条件下に積極的に電池をおくことにより、微小な穴が空いている場合も多量の電解液を漏洩させて確実に検出することができ、高精度な検査を実現できる。
【0020】
また本発明は、上記したいずれかの電解液漏洩検査方法を実施する電解液漏洩検査装置を、電池表面に可視光あるいは近赤外光を照射する照射部と、前記照射部からの照射光に応じて電池表面から発せられた光の内、前記照射光と同一波長の光を遮断して少なくとも1つの特定の波長域の光を検出する検出部と、前記検出部で検出された光量に基づいて電解液の漏洩の有無を判定する判定部とを備えた構成としたものである。
【0021】
さらに本発明は、上記したいずれかの電解液漏洩検査方法で検査される電池を、電池表面に塗布される塗布剤に添加する顔料として、黄色顔料を使用して構成したことを特徴とする。腐食防止などの目的で塗布する塗布剤を目視確認できるように色付けするための顔料に、電解液漏洩検査のための照射光に反応して発する光が弱い顔料を選択することで、顔料から強い光が生じてノイズ成分となることを回避でき、電解液漏れを高精度に検査することが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における電解液漏れ検査装置の概略構成を示すブロック図である。
【0023】
図1に示すように、電池1に所定波長の可視照明光を照射する照射部2と、前記可視照明光に応じて電池1から発せられた光から電解液に対応する所定波長域の蛍光を選択し検出する検出部3と、検出部3で検出された蛍光の光量に基づいて電解液の漏洩の有無を判定する判定部4とを備えている。
【0024】
照射部2は、レーザやLED等の光源5と、所定波長の可視照明光b1のみを通過させる照明波長フィルタ6と、投光レンズ7と、光源5のための電源(図示せず)とを有しており、光源5の光から照明波長フィルタ6により前記所定波長の可視照明光b1を選択し、投光レンズ7を通して電池表面の全体(あるいは電池表面の内で電解液漏れの生じ易い部分)に照射する。
【0025】
検出部3は、受光レンズ8と、所定波長域の蛍光b2のみを透過させる受光波長フィルタ9と、CCD等の光センサ10と、光センサ10のための電源(図示せず)とを有しており、受光範囲内にある電池表面からの蛍光および外乱光を受光レンズ8により受光波長フィルタ9に導いて前記所定波長域の蛍光b2を選択し、光センサ10で受光し、この光センサ10で、NTSC規格等のアナログ信号あるいはデジタル信号である電気的な検出信号に変換して判定部4に出力する。
【0026】
これら照射部2・検出部3は、エリア照明とエリアCCDとの組み合わせであってもよいし、ライン照明とラインCCDとの組み合わせや、点照明とフォトマル等の点受光素子との組み合わせを用いて、電池1もしくは照明光を走査するようにしてもよい。
【0027】
判定部4は、光センサ10から入力する検出信号に基づいて明暗画像を作成する画像作成手段11と、この画像作成手段11によって作成された明暗画像に基づいて電池1の表面に電解液が漏洩しているか否か判定する画像判定手段12とを有している。これら画像作成手段11および画像判定手段12は、CPU(パーソナルコンピュータなど)で構成されており、作業者が画像を確認するために、またメンテナンスでの便宜を図るために、画像を映し出すモニタ13を備えている。
【0028】
詳細には、画像作成手段11は、光センサ10からの検出信号の強さに基づいて電池1(検査対象の電池、および、電解液漏れが発生していないことが判明している良品電池)の全表面の明暗画像を作成し、その画像データにファイル名や画素数などの情報を示すデータヘッダ部を付加し、画像ファイルに変換して、メモリに保存する。
【0029】
画像判定手段12は、画像作成手段11によって作成された明暗画像の内、検査対象の電池の画像を良品電池の画像に対して比較し、両画像に相違がある場合に、検査対象の電池の表面から電解液が漏洩しているか否か判定する。
【0030】
電池1の電解液について説明する。
電池1がたとえばリチウムイオン電池である場合、電解液には、空気中の水分と反応して酸化されるLiPF6のような物質が含まれており、このような物質の酸化生成物は適当波長の可視照明光により励起されて強い蛍光を発する。
【0031】
そこで、照明波長フィルタ6に、光源5からの光の内、電解液の吸収波長(たとえば波長532nm)の可視照明光のみを通過させるものを用い、受光波長フィルタ9に、電解液からの蛍光波長(たとえば560nmから650nm)のみを通過させるように設計されたものを用いる。このように互いに異なる波長(域)を照射光および検出光に用いることで、照射光が外乱光となって検出されることを防止できる。
【0032】
ただし、照射光の波長は上記した532nmでなくともよく、また検出光は蛍光のみではなく、励起光のラマン散乱光等の非弾性散乱光であってもよい。したがって照明波長フィルタ6、受光波長フィルタ9は、上記帯域に限定されず適宜に設計して用いればよく、照明波長フィルタ6は必ずしも用いる必要はないことは理解されよう。
【0033】
図2は、電解液(その中の所定物質、たとえばLiPF6の酸化生成物)を励起させる励起波長(矢印で示した波長)の可視光を照射した時に、電池表面から発せられる光の波長と強度との関係を示す。
【0034】
電解液A、電池ケース面(アルミニウム)、電池表面に露出した絶縁樹脂やゴミなどの異物から光が発せられている。この場合、電解液Aが発する蛍光の強い波長域を検出帯域として利用することができる。
【0035】
電池1の電解液漏れ検査方法を図3および図4をも参照しながら説明する。
図3に示すように、照射部2より可視照明光b1を照射し検出部3で蛍光b2を検出することにより、電解液が漏洩していないことが判明している良品電池を撮影し(ステップS1)、画像作成手段11によって、その撮影画像たる標準画像を作成する(ステップS2)。
【0036】
標準画像は図4(a)に示すようなものとなる。電解液が漏洩していない良品電池の明暗画像であるため、本来は光を発する部分がなく全体が暗く表示されるはずであるが、絶縁樹脂21や錆止め剤22などの光を発する部分があり、明暗の中間の階調ないし明るく表示されている。電池1の外形も表示されている。
【0037】
同様に、照射部2・検出部3によって、検査対象の電池(検査電池という;図1に示したように電解液23が漏洩し、異物24が付着しているものとする)を撮影し(ステップS3)、画像作成手段11によって、その撮影画像たる測定画像を作成する(ステップS4)。
【0038】
測定画像は図4(b)に示すようなものとなる。電解液が漏洩している検査電池の明暗画像であり、電池1の外形、絶縁樹脂21、錆止め剤22の他に、電解液23が明るい光を発して表示されている部分(23a)、異物24等が明るく表示されている部分(24a)、暗く表示されている部分(24b)もある。
【0039】
測定画像と標準画像の画像データは一旦、メモリに保存され、その後にメモリから取り出されて画像判定手段12に入力される。
その後、画像判定手段12が、測定画像と標準画像との差分演算を行い、差分画像を作成する(ステップS5)。このときの測定画像と標準画像との位置合わせは、絶縁樹脂21や錆止め剤22など、電池1の種類ごとに固有の発光部分の位置合わせによって行われる。
【0040】
差分画像は図4(c)に示すようなものとなる。測定画像に存在していて標準画像に存在しない部分、すなわち電解液23a、異物24a、異物24bが表示される。
【0041】
次に画像判定手段12は、差分画像を2値化処理して、測定画像が標準画像よりも一定明度以上明るい部分を白く表示し、そうでない部分を黒く表示する2値画像を作成する(ステップS6)。
【0042】
2値画像は図4(d)に示すようなものとなる。電解液23a、明るい異物24aが白く表示される。
次に、2値画像の白領域をラベリング処理し(画像内で一定距離以内の白画素を結合させて一塊とみなし番号付けする)(ステップS7)、面積が所定値よりも大きい白領域があるか判断する(ステップS8)。
【0043】
そして、所定値よりも大きい白領域がある場合に、検査電池の表面から電解液漏れがあると判定する(ステップS9)。所定値よりも大きい白領域がない場合には、電解液漏れなしと判定する(ステップS10)。このときの判定対象とする領域は電池表面の全面であってもよいし、電解液漏れが生じやすい一部分であってもよい。
【0044】
図4(d)に示した2値画像からは、電解液23aに相当する白領域の面積が所定値よりも大きいと判断され、電解液漏れありと判定されることになる。
このようにして、明暗画像から2値画像を取得する際の閾値を変更することにより、明暗の中間の階調で表示されるノイズを電解液漏れと誤判定しないようにしている。電解液漏れの部位は、白く表示されている部分を電池の外形に対して位置付けすることで特定できる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2における電解液漏れ検査装置の概略構成を示すブロック図である。
【0045】
上記した実施の形態1と同様に、電池1に所定波長の可視照明光を照射する照射部2と、前記可視照明光に応じて電池1から発せられた光から電解液に対応する所定波長域の蛍光を選択し検出する検出部3と、検出部3で検出された蛍光の光量に基づいて電解液の漏洩の有無を判定する判定部4とが配置されている。
【0046】
ただし、検出部3には、電解液が発する蛍光の強い波長域(以下、測定波長という)の光を受光する測定波長用光センサ10aと、電解液が発する蛍光の弱い波長域(以下、比較波長という)の光を受光する比較波長用光センサ10bとが備えられている。測定波長用光センサ10aのセンサヘッドには、測定波長の光のみ透過する受光波長フィルタ9aが装着されており、比較波長用光センサ10bのヘッドには、比較波長の光のみ透過する受光波長フィルタ9bが装着されている。電池1と受光波長フィルタ9a,受光波長フィルタ9bとの間にはハーフミラー14が配置されていて、電池1の表面から発せられた光が光センサ10a,10bの方向に導かれるようになっている。
【0047】
このため、照射部2より電池1の表面に所定波長の可視照明光b3を照射すると、この可視照明光b3に反応して電池1の表面から発せられた光の一部が、ハーフミラー14を通過し、受光波長フィルタ9aで測定波長光b4のみ選択され、測定波長用光センサ10aに入力する一方で、電池1の表面から発せられた光の一部が、ハーフミラー14で反射し、受光波長フィルタ9bで比較波長光b5のみ選択され、比較波長用光センサ10bに入力する。
【0048】
図6は、電解液(その中の所定物質)を励起させる励起波長(矢印で示した波長)の可視光を照射した時に、電池表面から発せられる光の波長と強度との関係を示す。電解液A,Bは含有成分が異なるものである。
【0049】
電解液A、電解液B、電池ケース面(アルミニウム)、絶縁樹脂やゴミなどの異物から光が発せられる。電解液Bを検出するためには、電解液Bが発する蛍光の強い波長域▲1▼(測定波長)と蛍光の弱い波長域▲2▼(比較波長)とを検出帯域として利用する。
【0050】
電池1の電解液漏れ検査方法を図7および図8をも参照しながら説明する。
図7に示すように、電解液が漏洩していないことが判明している良品電池に可視照明光b3を照射して、測定波長の蛍光b4を検出する測定波長用光センサ10aで撮影し(ステップS11)、画像作成手段11で、測定波長用光センサ10aから出力される計測データから標準画像aを作成する(ステップS12)。
【0051】
同時にこの良品電池を、比較波長の蛍光b5を検出する比較波長用光センサ10bで撮影し(ステップS13)、画像作成手段11で、比較波長用光センサ10bから出力される計測データから標準画像bを作成する(ステップS14)。
【0052】
標準画像a,標準画像bはそれぞれ図8(a)(b)に示すようなものとなる。電解液が漏洩していない良品電池の明暗画像であるため、本来は光を発する部分がなく全体が暗く表示されるはずであるが、絶縁樹脂21や錆止め剤22などの光を発する部分があり、明暗の中間の階調ないし明るく表示されている。電池1の外形も表示されている。
【0053】
同様にして、検査対象の電池(検査電池という;図5に示したように電解液23が漏洩し、異物24が付着しているものとする)を測定波長用光センサ10aで撮影し(ステップS15)、画像作成手段11で、測定波長用光センサ10aから出力される計測データから測定画像を作成する(ステップS16)。
【0054】
同時にこの検査電池を比較波長用光センサ10bで撮影し(ステップS17)、画像作成手段11で、比較波長用光センサ10bから出力される計測データから比較画像を作成する(ステップS18)。
【0055】
測定画像は図8(c)に示すような明暗画像となる。上記したように測定波長用光センサ10aは電解液23が発する蛍光の強い波長域(測定波長)の光を検出するように設定されており、また、電池製造工程中の異物24等の中には広い波長域にわたって強い反応光を発するものがあるので、電解液23と異物24の両方から強い光が検出されることになり、電解液23が明るく表示されている部分(23a)、異物24等が明るく表示されている部分(24a)、暗く表示されている部分(24b)がある。
【0056】
比較画像は図8(d)に示すような明暗画像となる。上記したように比較波長用光センサ10bは電解液23が発する蛍光の弱い波長域(比較波長)の光を検出するように設定されているため、電解液23が弱い光のみ検出されて暗く表示されている部分(23b)、異物24等が明るく表示されている部分(24a)、暗く表示されている部分(24b)がある。
【0057】
これらの標準画像a、標準画像b、測定画像、および比較画像は、データヘッダ部が付加され、画像ファイルに変換されて、一旦、メモリに保存される。
その後に、画像判定手段12が、メモリから明暗画像である標準画像aと測定画像とを取り込み、両画像間の差分演算を行い、差分画像aを作成する(ステップS19)。
【0058】
差分画像aは図8(e)に示すようなものとなる。測定画像に存在していて標準画像aに存在しない部分、すなわち、電解液23が強い光を発して明るく表示されている部分(23a)と、異物24等が明るく表示されている部分(24a)と、異物24等が暗く表示されている部分(24b)とが残る。
【0059】
また画像判定手段12は、メモリから明暗画像である標準画像bと比較画像とを取り込み、両画像間の差分演算を行い、差分画像bを作成する(ステップS20)。
【0060】
差分画像bは図8(f)に示すようなものとなる。比較画像に存在していて標準画像bに存在しない部分、すなわち、電解液23が弱い光を発して暗く表示されている部分(23b)と、異物24等が明るく表示されている部分(24a)と、異物24等が暗く表示されている部分(24b)とが表示される。
【0061】
次に画像判定手段12は、差分画像aと差分画像bの画像間の差分演算を行い、判定用画像を作成する(ステップS21)。このときの差分演算は適宜片方の画像の明度に係数を掛けてから差分してもよい。
【0062】
判定用画像では、図8(g)に示すように電解液23のみが明るく表示されることになる(23a)。
次に画像判定手段12は、判定用画像を2値化処理して、一定明度以上の明るい部分を白く表示し、そうでない部分を黒く表示する2値画像を作成する(ステップS23)。
【0063】
2値画像では、図8(h)に示すように電解液23のみが白く表示されることになる。
次に画像判定手段12は、2値画像の白領域をラベリングし(画像内で一定距離以内の白画素を結合させて一塊とみなし番号付けする)(ステップS23)、面積が所定値よりも大きい白領域があるか判断する(ステップS24)。
【0064】
そして、所定値よりも大きい白領域がある場合に、検査電池の表面から電解液漏れがあると判定する(ステップS25)。所定値よりも大きい白領域がない場合には、電解液漏れなしと判定する(ステップS26)。このときの判定対象とする領域は電池表面の全面であってもよいし、電解液漏れが生じやすい一部分であってもよい。
【0065】
図8(h)に示した2値画像からは、電解液23に相当する白領域の面積が所定値よりも大きいと判断され、電解液漏れありと判定されることになる。
このようにして画像比較を2段階で行うことにより、電池表面に漏洩した電解液と工程中で付着した異物などのノイズとを区別する高精度の検査が可能となる。
(実施の形態3)
図9は、本発明の実施の形態3における電解液漏れ検査装置の概略構成を示すブロック図である。
【0066】
上記した実施の形態2とほぼ同様の装置構成を有しているが、検出部3に、実施の形態2で説明した比較波長用光センサ10bに代えて、全波長の光を受光する全波長用光センサ10cが設けられている。この全波長用光センサ10cには当然ながら、特定波長光を透過させるフィルタは設けられていない。
【0067】
このため、照射部2より電池1の表面に所定波長の可視照明光b6を照射すると、この可視照明光b6に反応して電池1の表面から発せられた光の一部が、ハーフミラー14を通過し、受光波長フィルタ9aで測定波長光b7のみ選択され、測定波長用センサ10aに入力する一方で、電池1の表面から発せられた光の一部が、ハーフミラー14で反射し、全波長光b8として全波長用光センサ10cに入力する。
【0068】
図10は、電解液(その中の所定物質)を励起させる励起波長(矢印で示した波長)の可視光を照射した時に、電池表面から発せられる光の波長と強度との関係を示す。電解液A,Bは含有成分が異なるものである。
【0069】
電解液A、電解液B、電池ケース面(アルミニウム)、電池表面に露出している絶縁樹脂やゴミなどの異物から光が発せられている。電解液Bを検出するためには、電解液Bが発する蛍光の強い波長域▲1▼(測定波長)と全波長域との2つの帯域を検出帯域として利用する。
【0070】
電池1の電解液漏れ検査方法を図11および図12をも参照しながら説明する。
図11に示すように、電解液が漏洩していないことが判明している良品電池に可視照明光b6を照射して、測定波長の蛍光b7を検出する測定波長用光センサ10aで撮影し(ステップS31)、画像作成手段11で、測定波長用光センサ10aから出力される計測データから標準画像aを作成する(ステップS32)。
【0071】
同時にこの良品電池を、全波長域の光b8を検出する全波長用光センサ10cで撮影し(ステップS33)、画像作成手段11で、全波長用光センサ10cから出力される計測データから標準画像bを作成する(ステップS34)。
【0072】
標準画像a,標準画像bはそれぞれ図12(a)(b)に示したようなものとなる。電解液が漏洩していない良品電池の明暗画像であるため、本来は光を発する部分がなく全体が暗く表示されるはずであるが、絶縁樹脂21や錆止め剤22などの光を発する部分があり、明暗の中間の階調ないし明るく表示される。電池1の外形も表示される。
【0073】
同様にして、検査対象の電池(検査電池という;図9に示したように電解液23が漏洩し、異物24が付着しているものとする)を測定波長用光センサ10aで撮影し(ステップS35)、画像作成手段11で、測定波長用光センサ10aから出力される計測データから測定画像を作成する(ステップS36)。
【0074】
同時にこの検査電池を全波長用光センサ10cで撮影し(ステップS37)、画像作成手段11で、全波長用光センサ10cから出力される計測データから比較画像を作成する(ステップS38)。
【0075】
測定画像は図12(c)に示したようなものとなる。上記したように測定波長用光センサ10aは電解液23が発する蛍光の強い波長域(測定波長)の光を検出するように設定されており、また、電池製造工程中の異物24等の中には広い波長域にわたって強い反応光を発するものがあるので、電解液23と異物24の両方から強い光が検出されることになり、電解液23が明るく表示されている部分(23a)、異物24等が明るく表示されている部分(24a)、暗く表示されている部分(24b)がある。
【0076】
比較画像は図12(d)に示したようなものとなる。上記したように全波長用光センサ10cは全波長域の光を検出するように設定されているため、電解液23からの光を異物24等からの光に比べて相対的に弱く検出して撮影する。その結果、電解液23が暗く表示されている部分(23b)、異物24等が明るく表示されている部分(24a)、暗く表示されている部分(24b)がある。
【0077】
これらの標準画像a、標準画像b、測定画像、および比較画像は、データヘッダ部が付加され、画像ファイルに変換してメモリに保存される。
その後に、画像判定手段12が、メモリから明暗画像の標準画像aと測定画像とを取り込み、その標準画像aと測定画像の画像間の差分演算を行い、差分画像aを作成する(ステップS39)。
【0078】
差分画像aは図12(e)に示したようなものとなる。
また、画像判定手段12が、メモリから明暗画像の標準画像bと比較画像とを取り込み、その標準画像bと比較画像の画像間の差分演算を行い、差分画像bを作成する(ステップS40)。
【0079】
差分画像bは図12(f)に示したようなものとなる。
次に画像判定手段12は、差分画像aを差分画像bで除し(各画素の明度階調値の割り算を行い)、判定用画像を作成する(ステップS41)。
【0080】
判定用画像は図12(g)に示したようなものとなる。電解液23のみ明るく表示され(23a)、異物24はともに暗く表示されることになる(24a,24b)。
【0081】
次に画像判定手段12は、判定用画像を2値化処理して、一定明度以上の明るい部分を白く表示し、そうでない部分を黒く表示する2値画像を作成する(ステップS23)。
【0082】
2値画像は図12(h)に示したようなものとなり、電解液23のみが白く表示される。
次に画像判定手段12は、2値画像の白領域をラベリングし(画像内で一定距離以内の白画素を結合させて一塊とみなし番号付けする)(ステップS43)、面積が所定値よりも大きい白領域があるか判断する(ステップS44)。
【0083】
そして、所定値よりも大きい白領域がある場合に、検査電池の表面から電解液漏れがあると判定する(ステップS45)。所定値よりも大きい白領域がない場合には、電解液漏れなしと判定する(ステップS46)。このときの判定対象とする領域は電池表面の全面であってもよいし、電解液漏れが生じやすい一部分であってもよい。
【0084】
このようにして画像比較を2段階で行うことにより、電池表面に漏洩した電解液と工程中で付着した異物などのノイズとを区別する高精度の検査が可能となる。
【0085】
なお、実施の形態1から3に記載したようにして電解液漏れを検査するに先だって、電解液漏れを生起可能な負荷を積極的に電池に与えるようにしてもよい。これにより、後々に電解液漏れを生じさせる可能性のある微小な穴が電池表面にあいていた場合に、大量の電解液漏れが生じ、検出することが可能となる。このような方法は、充電および放電時に化学反応により内圧が上昇して電解液漏れが生じ易い二次電池に特に好適に適用できる。
【0086】
電池に負荷を与える方法に、たとえば次の3方法がある。
▲1▼ 電池を治具で挟み込んで機械的に加圧する。
▲2▼ 電池を真空チャンバーに投入して減圧する。たとえば、10torrの真空度の雰囲気下に5分程度、漏洩促進のために逆さ向きに(つまり内圧上昇時に破れ易い部分が下を向くように)設置する。
【0087】
▲3▼ 電池を回転させることにより遠心力を作用させ、検査面側の内圧上昇を生起する。たとえば図13に示すように、モータ25の回転軸26に取り付けた挟み込み治具27にて、回転軸26の周囲に複数の電池1をそれぞれの検査面が外方を向くように保持し、回転軸26の軸心廻りに回転させる。
【0088】
また電池1を、実施の形態1から3に記載したようにして電解液漏れを検査することを前提に構成してもよい。
従来、電池の検査面、特に内圧上昇時に優先的に破れるように厚みが小さく設定されている部分の表面に、腐食防止剤(例えば、フルオロアルキルアクリレート共重合体2%、キシレンエキサフトライト98%の混合液)等の塗布剤を塗布することがある。その際に、塗布が行なわれたことを目視確認できるように、顔料で色付けした塗布剤が用いられている。
【0089】
そこで、塗布剤に添加する顔料として、目視確認は可能でありながら、ノイズ成分となる反応光が生じにくいものを予め選択して使用する。照射光が可視光の場合には、青色や黒色の顔料は照射光に反応して強い光(以下、反応光という)を生じるのに対し、黄色顔料の反応光は青色や黒色の顔料の反応光の10分の1程度の強さであり、塗布の目視確認も従来通り可能であるので、黄色顔料の使用が適切である。
【0090】
これにより、実施の形態1から3に記載したような電解液漏れ検査の際に、顔料による反応光、つまりノイズ成分を低減することができ、電解液漏れを高精度に検出することが可能となる。
【0091】
【発明の効果】
以上のように、所定波長の可視光あるいは近赤外光を電池表面に照射し、この照射光に応じて電池表面から発せられた光から前記照射光と同一波長の光を除去し、少なくとも1つの特定の波長域の光を検出するようにしたため、電池表面に電解液が漏洩している場合に、漏洩量の多少に関わらず、また液状であるか乾燥粉末となっているかに関わらず、確実に検出することができ、そしてその検出光の光量に基づいて電池表面に付着した異物などと弁別して漏洩の有無を正確に判定できる。特に、電解液が液状であっても乾燥粉末となっていても検出できる方法であることにより、電池が組み立てられた直後でも、数日間放置されるかまたは高温多湿の工程を経た後でも実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る電解液漏れ検査装置の概略構成を示すブロック図
【図2】図1の電解液漏れ検査装置を使用する検査方法における照射光および電池表面から発せられる光の波長と強度との関係を示すグラフ
【図3】図1の電解液漏れ検査装置を使用する検査方法のフローチャート
【図4】図1の電解液漏れ検査装置を使用する検査方法で作成される明暗画像の模式図
【図5】本発明の実施の形態2に係る電解液漏れ検査装置の概略構成を示すブロック図
【図6】図5の電解液漏れ検査装置を使用する検査方法における照射光および電池表面から発せられる光の波長と強度との関係を示すグラフ
【図7】図5の電解液漏れ検査装置を使用する検査方法のフローチャート
【図8】図5の電解液漏れ検査装置を使用する検査方法で作成される明暗画像等の模式図
【図9】本発明の実施の形態3に係る電解液漏れ検査装置の概略構成を示すブロック図
【図10】図9の電解液漏れ検査装置を使用する検査方法における照射光および電池表面から発せられる光の波長と強度との関係を示すグラフ
【図11】図9の電解液漏れ検査装置を使用する検査方法のフローチャート
【図12】図9の電解液漏れ検査装置を使用する検査方法で作成される明暗画像等の模式図
【図13】上記した各検査方法に先だって電解液漏洩を促進する装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
1 電池
2 照射部
3 検出部
4 判定部
11 画像作成手段
12 画像判定手段
23 電解液
b1 可視照明光
b2 蛍光
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池表面への電池内容物の漏洩を検査する電池検査方法、検査装置、および電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話などの普及によってリチウムイオン等の二次電池の需要が増大している。電池の量産にあたっては、予備充電や初期外観検査が行われるとともに、これらの検査の後に電解液漏れの検査が行われている。
【0003】
電解液漏れの発生は機器の損傷の原因ともなるため、密封性に優れた電池の開発が望まれるとともに、電解液漏れの検査の質を向上させることが要望されているのであるが、電解液はほぼ透明な液体であるため、電池表面をCCDカメラで撮影して電解液の漏洩の有無を画像上で判定することは困難である。
【0004】
このため電解液漏れの検査は、臭いを嗅ぐ、または、感熱紙に電解液が付着すると変色する特性を利用して、電池に感熱紙を押し当てて変色するかどうかを目視するなど、人手で行われている。
【0005】
電解液は数日間放置されたり高温多湿の工程を経ると白く結晶化するので、電解液が電池缶内に充填されてから数日後に、または高温多湿の工程を経た後に、白い結晶化物が析出しているかどうかを目視することも行われている。
【0006】
一方で、電池の表面に紫外線を照射して、電解液中に含まれている蛍光発生物質による蛍光が発せられるかどうかを検出する方法も提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0007】
二次電池では充電時および放電時に化学反応により内圧が上昇し電解液漏れの生じ易い状態となるため、充電時または放電時に電解液による光が発せられるかどうかを検出する方法も提案されている。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−297799号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電解液漏れの検査に先だって予備充電を行なうと、電解液漏れが生じている場合にプローブピンに電解液が付着し、通電不良を起こす可能性があるので、予備充電の前に電解液漏れの検査を行なうのが望ましい。
【0010】
二次電池の充電時または放電時に電解液漏れを検査するためには、電池上面に電極を接触させなければならないため、電極部周辺の検査が困難であり、また電極が二次電池のクラッド部を傷つけることによる新たな電解液漏れを生じさせる原因となっている。
【0011】
人手により電解液漏れを検査する場合、電池の表面に付着した洗浄水と電解液とを判別することは目視でも困難であり、作業者にとって負担が大きいだけでなく、作業者が電解液に触れて負傷するおそれもある。
【0012】
電解液漏れの検査は、電池が組み立てられた直後でも、数日間放置された後または高温多湿の工程を経た後でも、実施する必要があり、電解液が液状であるか乾燥粉末(結晶化物)となっているかに関わらず検出できる検査方法が求められている。
【0013】
紫外線を照射する方法では、光源や光学系の構成が容易でないだけでなく、電池表面に露出している絶縁樹脂が蛍光を発してノイズ成分となったり、紫外線励起を利用する方式では、電解液の種類によっては蛍光を発しにくく、検出が困難な場合がある。
【0014】
本発明は上記課題を解決するもので、電池表面への電解液の漏洩を電解液の種類や状態に関わらず正確にかつ容易に検出できるようにすることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、電池表面への電解液の漏洩を検査する際に、可視光あるいは近赤外光を電池表面に照射し、この照射光に応じて電池表面から発せられた光の内、前記照射光と同一波長の光を遮断して少なくとも1つの特定の波長域の光を検出し、検出された光量に基づいて電解液の漏洩の有無を判定することを特徴とするもので、電池表面に電解液が漏洩している場合に、紫外光を照射光としていた従来法では検出困難な種類であっても、また漏洩量の多少に関わらず、また液状であるか乾燥粉末となっているかに関わらず、電池表面に露出している絶縁樹脂や付着物などの異物と弁別して、正確に検出することができる。検査方法自体は非接触的方法であるため、検査しにくい箇所は特になく、電池に穴等の欠陥がない場合に新たな損傷を与える恐れもない。
【0016】
たとえば複数の波長域の光を検出する場合、少なくとも1つの波長域で検出された光量より電解液の漏洩有りと判定された時に電解液の漏洩有りと判断する。また、電池表面への電解液の漏洩を検査する際に、可視光あるいは近赤外光を電池表面に照射し、この照射光に応じて電池表面から発せられた光の内、前記照射光と同一波長の光を遮断して特定の波長域の光を検出するとともに全ての波長域の光を検出し、検出された各波長域の光の光量に基づいて電解液の漏洩の有無を判定することを特徴とするもので、検出された各波長域の光量に基づいて信号処理することで、広い波長域にわたって強い光を発する異物などを弁別して、電解液のみを正確に検出することができる。
【0017】
好ましくは、検出光を照射光よりも50nmから200nm大きい波長域の光とする。このように離れた波長(域)を照射光と検出光とに用いることで、照射光が外乱光となって検出されることを防止できる。検出光と照射光との差が50nmより小さい場合には、照射光と同一波長の光を遮断する波長フィルタの設計が困難であり、200nmより大きい場合には、電解液から発生する光が弱くノイズ光とのSN比が悪くなる。
【0018】
また好ましくは、照射光を500nmから550nmの波長域から選ばれる可視光とする。このような波長域の照射光を用いると、電池表面の絶縁樹脂から発生する光よりも電解液から発生する光が強くなり、検出しやすくなる。
【0019】
また好ましくは、電池表面に光照射するに先だって、電池を減圧あるいは加圧するか、または電池に遠心力を負荷する。このような電解液漏れが発生し易い条件下に積極的に電池をおくことにより、微小な穴が空いている場合も多量の電解液を漏洩させて確実に検出することができ、高精度な検査を実現できる。
【0020】
また本発明は、上記したいずれかの電解液漏洩検査方法を実施する電解液漏洩検査装置を、電池表面に可視光あるいは近赤外光を照射する照射部と、前記照射部からの照射光に応じて電池表面から発せられた光の内、前記照射光と同一波長の光を遮断して少なくとも1つの特定の波長域の光を検出する検出部と、前記検出部で検出された光量に基づいて電解液の漏洩の有無を判定する判定部とを備えた構成としたものである。
【0021】
さらに本発明は、上記したいずれかの電解液漏洩検査方法で検査される電池を、電池表面に塗布される塗布剤に添加する顔料として、黄色顔料を使用して構成したことを特徴とする。腐食防止などの目的で塗布する塗布剤を目視確認できるように色付けするための顔料に、電解液漏洩検査のための照射光に反応して発する光が弱い顔料を選択することで、顔料から強い光が生じてノイズ成分となることを回避でき、電解液漏れを高精度に検査することが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における電解液漏れ検査装置の概略構成を示すブロック図である。
【0023】
図1に示すように、電池1に所定波長の可視照明光を照射する照射部2と、前記可視照明光に応じて電池1から発せられた光から電解液に対応する所定波長域の蛍光を選択し検出する検出部3と、検出部3で検出された蛍光の光量に基づいて電解液の漏洩の有無を判定する判定部4とを備えている。
【0024】
照射部2は、レーザやLED等の光源5と、所定波長の可視照明光b1のみを通過させる照明波長フィルタ6と、投光レンズ7と、光源5のための電源(図示せず)とを有しており、光源5の光から照明波長フィルタ6により前記所定波長の可視照明光b1を選択し、投光レンズ7を通して電池表面の全体(あるいは電池表面の内で電解液漏れの生じ易い部分)に照射する。
【0025】
検出部3は、受光レンズ8と、所定波長域の蛍光b2のみを透過させる受光波長フィルタ9と、CCD等の光センサ10と、光センサ10のための電源(図示せず)とを有しており、受光範囲内にある電池表面からの蛍光および外乱光を受光レンズ8により受光波長フィルタ9に導いて前記所定波長域の蛍光b2を選択し、光センサ10で受光し、この光センサ10で、NTSC規格等のアナログ信号あるいはデジタル信号である電気的な検出信号に変換して判定部4に出力する。
【0026】
これら照射部2・検出部3は、エリア照明とエリアCCDとの組み合わせであってもよいし、ライン照明とラインCCDとの組み合わせや、点照明とフォトマル等の点受光素子との組み合わせを用いて、電池1もしくは照明光を走査するようにしてもよい。
【0027】
判定部4は、光センサ10から入力する検出信号に基づいて明暗画像を作成する画像作成手段11と、この画像作成手段11によって作成された明暗画像に基づいて電池1の表面に電解液が漏洩しているか否か判定する画像判定手段12とを有している。これら画像作成手段11および画像判定手段12は、CPU(パーソナルコンピュータなど)で構成されており、作業者が画像を確認するために、またメンテナンスでの便宜を図るために、画像を映し出すモニタ13を備えている。
【0028】
詳細には、画像作成手段11は、光センサ10からの検出信号の強さに基づいて電池1(検査対象の電池、および、電解液漏れが発生していないことが判明している良品電池)の全表面の明暗画像を作成し、その画像データにファイル名や画素数などの情報を示すデータヘッダ部を付加し、画像ファイルに変換して、メモリに保存する。
【0029】
画像判定手段12は、画像作成手段11によって作成された明暗画像の内、検査対象の電池の画像を良品電池の画像に対して比較し、両画像に相違がある場合に、検査対象の電池の表面から電解液が漏洩しているか否か判定する。
【0030】
電池1の電解液について説明する。
電池1がたとえばリチウムイオン電池である場合、電解液には、空気中の水分と反応して酸化されるLiPF6のような物質が含まれており、このような物質の酸化生成物は適当波長の可視照明光により励起されて強い蛍光を発する。
【0031】
そこで、照明波長フィルタ6に、光源5からの光の内、電解液の吸収波長(たとえば波長532nm)の可視照明光のみを通過させるものを用い、受光波長フィルタ9に、電解液からの蛍光波長(たとえば560nmから650nm)のみを通過させるように設計されたものを用いる。このように互いに異なる波長(域)を照射光および検出光に用いることで、照射光が外乱光となって検出されることを防止できる。
【0032】
ただし、照射光の波長は上記した532nmでなくともよく、また検出光は蛍光のみではなく、励起光のラマン散乱光等の非弾性散乱光であってもよい。したがって照明波長フィルタ6、受光波長フィルタ9は、上記帯域に限定されず適宜に設計して用いればよく、照明波長フィルタ6は必ずしも用いる必要はないことは理解されよう。
【0033】
図2は、電解液(その中の所定物質、たとえばLiPF6の酸化生成物)を励起させる励起波長(矢印で示した波長)の可視光を照射した時に、電池表面から発せられる光の波長と強度との関係を示す。
【0034】
電解液A、電池ケース面(アルミニウム)、電池表面に露出した絶縁樹脂やゴミなどの異物から光が発せられている。この場合、電解液Aが発する蛍光の強い波長域を検出帯域として利用することができる。
【0035】
電池1の電解液漏れ検査方法を図3および図4をも参照しながら説明する。
図3に示すように、照射部2より可視照明光b1を照射し検出部3で蛍光b2を検出することにより、電解液が漏洩していないことが判明している良品電池を撮影し(ステップS1)、画像作成手段11によって、その撮影画像たる標準画像を作成する(ステップS2)。
【0036】
標準画像は図4(a)に示すようなものとなる。電解液が漏洩していない良品電池の明暗画像であるため、本来は光を発する部分がなく全体が暗く表示されるはずであるが、絶縁樹脂21や錆止め剤22などの光を発する部分があり、明暗の中間の階調ないし明るく表示されている。電池1の外形も表示されている。
【0037】
同様に、照射部2・検出部3によって、検査対象の電池(検査電池という;図1に示したように電解液23が漏洩し、異物24が付着しているものとする)を撮影し(ステップS3)、画像作成手段11によって、その撮影画像たる測定画像を作成する(ステップS4)。
【0038】
測定画像は図4(b)に示すようなものとなる。電解液が漏洩している検査電池の明暗画像であり、電池1の外形、絶縁樹脂21、錆止め剤22の他に、電解液23が明るい光を発して表示されている部分(23a)、異物24等が明るく表示されている部分(24a)、暗く表示されている部分(24b)もある。
【0039】
測定画像と標準画像の画像データは一旦、メモリに保存され、その後にメモリから取り出されて画像判定手段12に入力される。
その後、画像判定手段12が、測定画像と標準画像との差分演算を行い、差分画像を作成する(ステップS5)。このときの測定画像と標準画像との位置合わせは、絶縁樹脂21や錆止め剤22など、電池1の種類ごとに固有の発光部分の位置合わせによって行われる。
【0040】
差分画像は図4(c)に示すようなものとなる。測定画像に存在していて標準画像に存在しない部分、すなわち電解液23a、異物24a、異物24bが表示される。
【0041】
次に画像判定手段12は、差分画像を2値化処理して、測定画像が標準画像よりも一定明度以上明るい部分を白く表示し、そうでない部分を黒く表示する2値画像を作成する(ステップS6)。
【0042】
2値画像は図4(d)に示すようなものとなる。電解液23a、明るい異物24aが白く表示される。
次に、2値画像の白領域をラベリング処理し(画像内で一定距離以内の白画素を結合させて一塊とみなし番号付けする)(ステップS7)、面積が所定値よりも大きい白領域があるか判断する(ステップS8)。
【0043】
そして、所定値よりも大きい白領域がある場合に、検査電池の表面から電解液漏れがあると判定する(ステップS9)。所定値よりも大きい白領域がない場合には、電解液漏れなしと判定する(ステップS10)。このときの判定対象とする領域は電池表面の全面であってもよいし、電解液漏れが生じやすい一部分であってもよい。
【0044】
図4(d)に示した2値画像からは、電解液23aに相当する白領域の面積が所定値よりも大きいと判断され、電解液漏れありと判定されることになる。
このようにして、明暗画像から2値画像を取得する際の閾値を変更することにより、明暗の中間の階調で表示されるノイズを電解液漏れと誤判定しないようにしている。電解液漏れの部位は、白く表示されている部分を電池の外形に対して位置付けすることで特定できる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2における電解液漏れ検査装置の概略構成を示すブロック図である。
【0045】
上記した実施の形態1と同様に、電池1に所定波長の可視照明光を照射する照射部2と、前記可視照明光に応じて電池1から発せられた光から電解液に対応する所定波長域の蛍光を選択し検出する検出部3と、検出部3で検出された蛍光の光量に基づいて電解液の漏洩の有無を判定する判定部4とが配置されている。
【0046】
ただし、検出部3には、電解液が発する蛍光の強い波長域(以下、測定波長という)の光を受光する測定波長用光センサ10aと、電解液が発する蛍光の弱い波長域(以下、比較波長という)の光を受光する比較波長用光センサ10bとが備えられている。測定波長用光センサ10aのセンサヘッドには、測定波長の光のみ透過する受光波長フィルタ9aが装着されており、比較波長用光センサ10bのヘッドには、比較波長の光のみ透過する受光波長フィルタ9bが装着されている。電池1と受光波長フィルタ9a,受光波長フィルタ9bとの間にはハーフミラー14が配置されていて、電池1の表面から発せられた光が光センサ10a,10bの方向に導かれるようになっている。
【0047】
このため、照射部2より電池1の表面に所定波長の可視照明光b3を照射すると、この可視照明光b3に反応して電池1の表面から発せられた光の一部が、ハーフミラー14を通過し、受光波長フィルタ9aで測定波長光b4のみ選択され、測定波長用光センサ10aに入力する一方で、電池1の表面から発せられた光の一部が、ハーフミラー14で反射し、受光波長フィルタ9bで比較波長光b5のみ選択され、比較波長用光センサ10bに入力する。
【0048】
図6は、電解液(その中の所定物質)を励起させる励起波長(矢印で示した波長)の可視光を照射した時に、電池表面から発せられる光の波長と強度との関係を示す。電解液A,Bは含有成分が異なるものである。
【0049】
電解液A、電解液B、電池ケース面(アルミニウム)、絶縁樹脂やゴミなどの異物から光が発せられる。電解液Bを検出するためには、電解液Bが発する蛍光の強い波長域▲1▼(測定波長)と蛍光の弱い波長域▲2▼(比較波長)とを検出帯域として利用する。
【0050】
電池1の電解液漏れ検査方法を図7および図8をも参照しながら説明する。
図7に示すように、電解液が漏洩していないことが判明している良品電池に可視照明光b3を照射して、測定波長の蛍光b4を検出する測定波長用光センサ10aで撮影し(ステップS11)、画像作成手段11で、測定波長用光センサ10aから出力される計測データから標準画像aを作成する(ステップS12)。
【0051】
同時にこの良品電池を、比較波長の蛍光b5を検出する比較波長用光センサ10bで撮影し(ステップS13)、画像作成手段11で、比較波長用光センサ10bから出力される計測データから標準画像bを作成する(ステップS14)。
【0052】
標準画像a,標準画像bはそれぞれ図8(a)(b)に示すようなものとなる。電解液が漏洩していない良品電池の明暗画像であるため、本来は光を発する部分がなく全体が暗く表示されるはずであるが、絶縁樹脂21や錆止め剤22などの光を発する部分があり、明暗の中間の階調ないし明るく表示されている。電池1の外形も表示されている。
【0053】
同様にして、検査対象の電池(検査電池という;図5に示したように電解液23が漏洩し、異物24が付着しているものとする)を測定波長用光センサ10aで撮影し(ステップS15)、画像作成手段11で、測定波長用光センサ10aから出力される計測データから測定画像を作成する(ステップS16)。
【0054】
同時にこの検査電池を比較波長用光センサ10bで撮影し(ステップS17)、画像作成手段11で、比較波長用光センサ10bから出力される計測データから比較画像を作成する(ステップS18)。
【0055】
測定画像は図8(c)に示すような明暗画像となる。上記したように測定波長用光センサ10aは電解液23が発する蛍光の強い波長域(測定波長)の光を検出するように設定されており、また、電池製造工程中の異物24等の中には広い波長域にわたって強い反応光を発するものがあるので、電解液23と異物24の両方から強い光が検出されることになり、電解液23が明るく表示されている部分(23a)、異物24等が明るく表示されている部分(24a)、暗く表示されている部分(24b)がある。
【0056】
比較画像は図8(d)に示すような明暗画像となる。上記したように比較波長用光センサ10bは電解液23が発する蛍光の弱い波長域(比較波長)の光を検出するように設定されているため、電解液23が弱い光のみ検出されて暗く表示されている部分(23b)、異物24等が明るく表示されている部分(24a)、暗く表示されている部分(24b)がある。
【0057】
これらの標準画像a、標準画像b、測定画像、および比較画像は、データヘッダ部が付加され、画像ファイルに変換されて、一旦、メモリに保存される。
その後に、画像判定手段12が、メモリから明暗画像である標準画像aと測定画像とを取り込み、両画像間の差分演算を行い、差分画像aを作成する(ステップS19)。
【0058】
差分画像aは図8(e)に示すようなものとなる。測定画像に存在していて標準画像aに存在しない部分、すなわち、電解液23が強い光を発して明るく表示されている部分(23a)と、異物24等が明るく表示されている部分(24a)と、異物24等が暗く表示されている部分(24b)とが残る。
【0059】
また画像判定手段12は、メモリから明暗画像である標準画像bと比較画像とを取り込み、両画像間の差分演算を行い、差分画像bを作成する(ステップS20)。
【0060】
差分画像bは図8(f)に示すようなものとなる。比較画像に存在していて標準画像bに存在しない部分、すなわち、電解液23が弱い光を発して暗く表示されている部分(23b)と、異物24等が明るく表示されている部分(24a)と、異物24等が暗く表示されている部分(24b)とが表示される。
【0061】
次に画像判定手段12は、差分画像aと差分画像bの画像間の差分演算を行い、判定用画像を作成する(ステップS21)。このときの差分演算は適宜片方の画像の明度に係数を掛けてから差分してもよい。
【0062】
判定用画像では、図8(g)に示すように電解液23のみが明るく表示されることになる(23a)。
次に画像判定手段12は、判定用画像を2値化処理して、一定明度以上の明るい部分を白く表示し、そうでない部分を黒く表示する2値画像を作成する(ステップS23)。
【0063】
2値画像では、図8(h)に示すように電解液23のみが白く表示されることになる。
次に画像判定手段12は、2値画像の白領域をラベリングし(画像内で一定距離以内の白画素を結合させて一塊とみなし番号付けする)(ステップS23)、面積が所定値よりも大きい白領域があるか判断する(ステップS24)。
【0064】
そして、所定値よりも大きい白領域がある場合に、検査電池の表面から電解液漏れがあると判定する(ステップS25)。所定値よりも大きい白領域がない場合には、電解液漏れなしと判定する(ステップS26)。このときの判定対象とする領域は電池表面の全面であってもよいし、電解液漏れが生じやすい一部分であってもよい。
【0065】
図8(h)に示した2値画像からは、電解液23に相当する白領域の面積が所定値よりも大きいと判断され、電解液漏れありと判定されることになる。
このようにして画像比較を2段階で行うことにより、電池表面に漏洩した電解液と工程中で付着した異物などのノイズとを区別する高精度の検査が可能となる。
(実施の形態3)
図9は、本発明の実施の形態3における電解液漏れ検査装置の概略構成を示すブロック図である。
【0066】
上記した実施の形態2とほぼ同様の装置構成を有しているが、検出部3に、実施の形態2で説明した比較波長用光センサ10bに代えて、全波長の光を受光する全波長用光センサ10cが設けられている。この全波長用光センサ10cには当然ながら、特定波長光を透過させるフィルタは設けられていない。
【0067】
このため、照射部2より電池1の表面に所定波長の可視照明光b6を照射すると、この可視照明光b6に反応して電池1の表面から発せられた光の一部が、ハーフミラー14を通過し、受光波長フィルタ9aで測定波長光b7のみ選択され、測定波長用センサ10aに入力する一方で、電池1の表面から発せられた光の一部が、ハーフミラー14で反射し、全波長光b8として全波長用光センサ10cに入力する。
【0068】
図10は、電解液(その中の所定物質)を励起させる励起波長(矢印で示した波長)の可視光を照射した時に、電池表面から発せられる光の波長と強度との関係を示す。電解液A,Bは含有成分が異なるものである。
【0069】
電解液A、電解液B、電池ケース面(アルミニウム)、電池表面に露出している絶縁樹脂やゴミなどの異物から光が発せられている。電解液Bを検出するためには、電解液Bが発する蛍光の強い波長域▲1▼(測定波長)と全波長域との2つの帯域を検出帯域として利用する。
【0070】
電池1の電解液漏れ検査方法を図11および図12をも参照しながら説明する。
図11に示すように、電解液が漏洩していないことが判明している良品電池に可視照明光b6を照射して、測定波長の蛍光b7を検出する測定波長用光センサ10aで撮影し(ステップS31)、画像作成手段11で、測定波長用光センサ10aから出力される計測データから標準画像aを作成する(ステップS32)。
【0071】
同時にこの良品電池を、全波長域の光b8を検出する全波長用光センサ10cで撮影し(ステップS33)、画像作成手段11で、全波長用光センサ10cから出力される計測データから標準画像bを作成する(ステップS34)。
【0072】
標準画像a,標準画像bはそれぞれ図12(a)(b)に示したようなものとなる。電解液が漏洩していない良品電池の明暗画像であるため、本来は光を発する部分がなく全体が暗く表示されるはずであるが、絶縁樹脂21や錆止め剤22などの光を発する部分があり、明暗の中間の階調ないし明るく表示される。電池1の外形も表示される。
【0073】
同様にして、検査対象の電池(検査電池という;図9に示したように電解液23が漏洩し、異物24が付着しているものとする)を測定波長用光センサ10aで撮影し(ステップS35)、画像作成手段11で、測定波長用光センサ10aから出力される計測データから測定画像を作成する(ステップS36)。
【0074】
同時にこの検査電池を全波長用光センサ10cで撮影し(ステップS37)、画像作成手段11で、全波長用光センサ10cから出力される計測データから比較画像を作成する(ステップS38)。
【0075】
測定画像は図12(c)に示したようなものとなる。上記したように測定波長用光センサ10aは電解液23が発する蛍光の強い波長域(測定波長)の光を検出するように設定されており、また、電池製造工程中の異物24等の中には広い波長域にわたって強い反応光を発するものがあるので、電解液23と異物24の両方から強い光が検出されることになり、電解液23が明るく表示されている部分(23a)、異物24等が明るく表示されている部分(24a)、暗く表示されている部分(24b)がある。
【0076】
比較画像は図12(d)に示したようなものとなる。上記したように全波長用光センサ10cは全波長域の光を検出するように設定されているため、電解液23からの光を異物24等からの光に比べて相対的に弱く検出して撮影する。その結果、電解液23が暗く表示されている部分(23b)、異物24等が明るく表示されている部分(24a)、暗く表示されている部分(24b)がある。
【0077】
これらの標準画像a、標準画像b、測定画像、および比較画像は、データヘッダ部が付加され、画像ファイルに変換してメモリに保存される。
その後に、画像判定手段12が、メモリから明暗画像の標準画像aと測定画像とを取り込み、その標準画像aと測定画像の画像間の差分演算を行い、差分画像aを作成する(ステップS39)。
【0078】
差分画像aは図12(e)に示したようなものとなる。
また、画像判定手段12が、メモリから明暗画像の標準画像bと比較画像とを取り込み、その標準画像bと比較画像の画像間の差分演算を行い、差分画像bを作成する(ステップS40)。
【0079】
差分画像bは図12(f)に示したようなものとなる。
次に画像判定手段12は、差分画像aを差分画像bで除し(各画素の明度階調値の割り算を行い)、判定用画像を作成する(ステップS41)。
【0080】
判定用画像は図12(g)に示したようなものとなる。電解液23のみ明るく表示され(23a)、異物24はともに暗く表示されることになる(24a,24b)。
【0081】
次に画像判定手段12は、判定用画像を2値化処理して、一定明度以上の明るい部分を白く表示し、そうでない部分を黒く表示する2値画像を作成する(ステップS23)。
【0082】
2値画像は図12(h)に示したようなものとなり、電解液23のみが白く表示される。
次に画像判定手段12は、2値画像の白領域をラベリングし(画像内で一定距離以内の白画素を結合させて一塊とみなし番号付けする)(ステップS43)、面積が所定値よりも大きい白領域があるか判断する(ステップS44)。
【0083】
そして、所定値よりも大きい白領域がある場合に、検査電池の表面から電解液漏れがあると判定する(ステップS45)。所定値よりも大きい白領域がない場合には、電解液漏れなしと判定する(ステップS46)。このときの判定対象とする領域は電池表面の全面であってもよいし、電解液漏れが生じやすい一部分であってもよい。
【0084】
このようにして画像比較を2段階で行うことにより、電池表面に漏洩した電解液と工程中で付着した異物などのノイズとを区別する高精度の検査が可能となる。
【0085】
なお、実施の形態1から3に記載したようにして電解液漏れを検査するに先だって、電解液漏れを生起可能な負荷を積極的に電池に与えるようにしてもよい。これにより、後々に電解液漏れを生じさせる可能性のある微小な穴が電池表面にあいていた場合に、大量の電解液漏れが生じ、検出することが可能となる。このような方法は、充電および放電時に化学反応により内圧が上昇して電解液漏れが生じ易い二次電池に特に好適に適用できる。
【0086】
電池に負荷を与える方法に、たとえば次の3方法がある。
▲1▼ 電池を治具で挟み込んで機械的に加圧する。
▲2▼ 電池を真空チャンバーに投入して減圧する。たとえば、10torrの真空度の雰囲気下に5分程度、漏洩促進のために逆さ向きに(つまり内圧上昇時に破れ易い部分が下を向くように)設置する。
【0087】
▲3▼ 電池を回転させることにより遠心力を作用させ、検査面側の内圧上昇を生起する。たとえば図13に示すように、モータ25の回転軸26に取り付けた挟み込み治具27にて、回転軸26の周囲に複数の電池1をそれぞれの検査面が外方を向くように保持し、回転軸26の軸心廻りに回転させる。
【0088】
また電池1を、実施の形態1から3に記載したようにして電解液漏れを検査することを前提に構成してもよい。
従来、電池の検査面、特に内圧上昇時に優先的に破れるように厚みが小さく設定されている部分の表面に、腐食防止剤(例えば、フルオロアルキルアクリレート共重合体2%、キシレンエキサフトライト98%の混合液)等の塗布剤を塗布することがある。その際に、塗布が行なわれたことを目視確認できるように、顔料で色付けした塗布剤が用いられている。
【0089】
そこで、塗布剤に添加する顔料として、目視確認は可能でありながら、ノイズ成分となる反応光が生じにくいものを予め選択して使用する。照射光が可視光の場合には、青色や黒色の顔料は照射光に反応して強い光(以下、反応光という)を生じるのに対し、黄色顔料の反応光は青色や黒色の顔料の反応光の10分の1程度の強さであり、塗布の目視確認も従来通り可能であるので、黄色顔料の使用が適切である。
【0090】
これにより、実施の形態1から3に記載したような電解液漏れ検査の際に、顔料による反応光、つまりノイズ成分を低減することができ、電解液漏れを高精度に検出することが可能となる。
【0091】
【発明の効果】
以上のように、所定波長の可視光あるいは近赤外光を電池表面に照射し、この照射光に応じて電池表面から発せられた光から前記照射光と同一波長の光を除去し、少なくとも1つの特定の波長域の光を検出するようにしたため、電池表面に電解液が漏洩している場合に、漏洩量の多少に関わらず、また液状であるか乾燥粉末となっているかに関わらず、確実に検出することができ、そしてその検出光の光量に基づいて電池表面に付着した異物などと弁別して漏洩の有無を正確に判定できる。特に、電解液が液状であっても乾燥粉末となっていても検出できる方法であることにより、電池が組み立てられた直後でも、数日間放置されるかまたは高温多湿の工程を経た後でも実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る電解液漏れ検査装置の概略構成を示すブロック図
【図2】図1の電解液漏れ検査装置を使用する検査方法における照射光および電池表面から発せられる光の波長と強度との関係を示すグラフ
【図3】図1の電解液漏れ検査装置を使用する検査方法のフローチャート
【図4】図1の電解液漏れ検査装置を使用する検査方法で作成される明暗画像の模式図
【図5】本発明の実施の形態2に係る電解液漏れ検査装置の概略構成を示すブロック図
【図6】図5の電解液漏れ検査装置を使用する検査方法における照射光および電池表面から発せられる光の波長と強度との関係を示すグラフ
【図7】図5の電解液漏れ検査装置を使用する検査方法のフローチャート
【図8】図5の電解液漏れ検査装置を使用する検査方法で作成される明暗画像等の模式図
【図9】本発明の実施の形態3に係る電解液漏れ検査装置の概略構成を示すブロック図
【図10】図9の電解液漏れ検査装置を使用する検査方法における照射光および電池表面から発せられる光の波長と強度との関係を示すグラフ
【図11】図9の電解液漏れ検査装置を使用する検査方法のフローチャート
【図12】図9の電解液漏れ検査装置を使用する検査方法で作成される明暗画像等の模式図
【図13】上記した各検査方法に先だって電解液漏洩を促進する装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
1 電池
2 照射部
3 検出部
4 判定部
11 画像作成手段
12 画像判定手段
23 電解液
b1 可視照明光
b2 蛍光
Claims (8)
- 電池表面への電解液の漏洩を検査する際に、可視光あるいは近赤外光を電池表面に照射し、この照射光に応じて電池表面から発せられた光の内、前記照射光と同一波長の光を遮断して少なくとも1つの特定の波長域の光を検出し、検出された光量に基づいて電解液の漏洩の有無を判定する電解液漏洩検査方法。
- 複数の波長域の光を検出する場合、少なくとも1つの波長域で検出された光量より電解液の漏洩有りと判定された時に電解液の漏洩有りと判断する請求項1記載の電解液漏洩検査方法。
- 電池表面への電解液の漏洩を検査する際に、可視光あるいは近赤外光を電池表面に照射し、この照射光に応じて電池表面から発せられた光の内、前記照射光と同一波長の光を遮断して特定の波長域の光を検出するとともに全ての波長域の光を検出し、検出された各波長域の光量に基づいて電解液の漏洩の有無を判定する電解液漏洩検査方法。
- 検出光が照射光よりも50nmから200nm大きい波長域の光である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電解液漏洩検査方法。
- 照射光が500nmから550nmの波長域から選ばれる可視光である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電解液漏洩検査方法。
- 電池表面に光照射するに先だって、電池を減圧あるいは加圧するか、または電池に遠心力を負荷する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電解液漏洩検査方法。
- 電池表面に可視光あるいは近赤外光を照射する照射部と、前記照射部からの照射光に応じて電池表面から発せられた光の内、前記照射光と同一波長の光を遮断して少なくとも1つの特定の波長域の光を検出する検出部と、前記検出部で検出された光量に基づいて電解液の漏洩の有無を判定する判定部とを備えた電解液漏洩検査装置。
- 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電解液漏洩検査方法で検査される電池であって、電池表面に塗布される塗布剤に添加する顔料が黄色顔料である電池。
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