JP2004199866A - ディスク再生装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ディスク装着時のTOC情報の読み取りを、リミットスイッチを用いずに、迅速に行う。
【解決手段】 光ディスク10のTOC位置で一定線速度となるようにモータ11により回転駆動された光ディスク10から、記録されたEFM信号を光学ピックアップヘッド12により読み取ってアンプ13で増幅し、信号処理回路20に送って、反転周波数値を検出する。検出された反転周波数値は、制御回路40の演算機能部41に送られ、基準となるEFM信号の反転周波数値と比較され、光学ピックアップヘッド12の現在のディスク径位置が求められる。求められたディスク径位置とTOC位置とによりヘッド移送量を求め、光学ピックアップヘッド12をその分だけディスク径方向に移送してTOCアクセスを行う。
【選択図】 図1
【解決手段】 光ディスク10のTOC位置で一定線速度となるようにモータ11により回転駆動された光ディスク10から、記録されたEFM信号を光学ピックアップヘッド12により読み取ってアンプ13で増幅し、信号処理回路20に送って、反転周波数値を検出する。検出された反転周波数値は、制御回路40の演算機能部41に送られ、基準となるEFM信号の反転周波数値と比較され、光学ピックアップヘッド12の現在のディスク径位置が求められる。求められたディスク径位置とTOC位置とによりヘッド移送量を求め、光学ピックアップヘッド12をその分だけディスク径方向に移送してTOCアクセスを行う。
【選択図】 図1
Description
本発明は、リミットスイッチを用いずに、再生ヘッドのディスク径位置を検出して目的とするディスク径位置に移送するようなリミットスイッチレスのディスク再生装置及び方法に関する。
従来よりディスク状記録媒体については種々のものが知られているが、これらの内でも、いわゆるコンパクトディスク等の再生専用型の光ディスクと、再生のみならず情報信号の記録及び消去が可能な記録可能型の光ディスクとが広く知られている。
再生専用型の光ディスクは、記録された情報信号に基づいて凹凸パターン、即ち位相ピットが同心円もしくは螺旋状に形成されたトラックが一方の面に形成されている。
これに対して上記記録可能型の光ディスクには、相変化型の光記録材料を用いた光ディスクや垂直磁気記録材料を用いた光磁気ディスク等が知られている。
上記光磁気ディスクは、光ビームをガイドするための案内溝が一方の面に形成され、光透過性を有するポリカーボネートやPMMA等のような合成樹脂材料ディスク基板と、上記案内溝を覆うように形成されたTe、Fe、Co等の垂直磁気記録材料からなる記録層と、この記録層を保護することを目的として上記記録層を被覆するように形成された保護層とにより形成されている。
これらの光ディスクを再生する方法は、前者の再生専用型の光ディスクの場合には、レーザ光源からの光ビームをディスク基板側より、対物レンズで集束した状態で照射し、光ディスクの反射膜によって反射された光束の、上記光ディスクの位相ピットによる回折を利用して再生専用型の光ディスクに記録された情報信号の再生信号を得ることができる。
また、後者の記録可能型の光ディスク(特に、光磁気ディスク)の場合には、上記再生専用型の光ディスクと同様にして、レーザ光源からの光ビームをディスク基板側より、対物レンズで集束した状態で照射し、光ディスクの記録層によって反射された光束中のカー回転角を検出することによって、光磁気ディスクに記録された情報信号の再生信号を得ることができる。
ところで、上記光ディスクの所定位置、例えば最内周位置には、いわゆるTOC(Table Of Contents) 等のディスク管理情報が記録されており、ディスクを装着した直後等には、通常の場合、先ずこのディスク管理情報を読み取ることが必要とされる。
このディスク管理情報を読み取るための方法として、次のような2種類の方法が知られている。
すなわち、第1の方法は、先ず光学ピックアップ等の再生ヘッドを内周側に強制的に移動させて、内周に設けられたリミットスイッチにより最内周でのヘッド位置を検出し、この位置を基準としてディスク管理情報の記録領域(いわゆるTOC領域)にまでヘッドを送り、フォーカスを合わせてディスク管理情報を読み取る方法である。
第2の方法は、再生開始時に光学ピックアップが位置しているディスク半径方向のアドレスとしてディスク上に予め記録されている絶対アドレスを再生信号から抽出して、抽出したアドレスとTOC領域のアドレスの差に基づいてヘッド移動量を求める方法が考えられる。
上記第1の方法は、リミットスイッチが必要となり、部品点数及び組み立て工数が増加し、スイッチの取付精度が要求され、スイッチの取付スペースも必要となる、という欠点がある。
上記第2の方法は、ディスク上から再生信号を読み取る以前に以下の手順を行わなければならない。
先ず、再生開始時に光学ピックアップが位置している箇所でフォーカスサーボをかけると共に、ディスクを回転させるためにスピンドルもーダイオードを起動するキック電圧をスピンドルモータに印加する。フォーカスサーボがかかった状態で、トラッキングオンして、その後にディスクから再生された再生信号から抽出される同期信号(例えば11Tを含むパターン)の発生確率が高くなるようにディスクを加減速する速度制御を行う。上記制御速度はディスクから再生される再生信号から抽出される同期信号の所定パターンの長さと基準である同期信号の同長さ(例えば11T)とを比較して、両者の一致の発生確率が高くなるように加減速制御を行う。この加減速制御のみの状態を以下ラフサーボ状態といい、このラフサーボを行うことで、再生開始時に光学ピックアップが位置している場所に対応する回転速度に略々近付けることができる。この状態で、速度制御と位相制御の両方を動作させることで所望の回転速度に引き込むことができ、この状態でPLL(Phese Locked Loop) 回路はロックしている状態となる。
上記アドレスは、このPLL回路がロックした状態で初めて読み取ることができる。特に再生開始時に光学ピックアップが位置している場所が最外周付近に位置して、上記アドレス読み取り後に最内周のTOC領域にアクセスさせる場合には、最低3〜4秒程度の時間がかかってしまう。
本発明は、上述の実情に鑑みてなされたものであり、リミットスイッチを用いることなく、光学ピックアップヘッドの現在のディスク上の位置を検出してTOC領域にアクセスすることができ、更に、スピンドルモータの引き込み動作(速度制御、位相制御)を行う以前にフォーカスオンした箇所の位置を判別することができ、TOC情報のアクセスを迅速に行い得るようなリミットスイッチレスのディスク再生装置及び方法を提供することを目的としている。
本発明に係るディスク再生装置は、上述した問題を解決するために、最大反転間隔と最小反転間隔で決められた間隔内で変調パターンが変化するランレングスリミテッドコードにより変調されたディジタル信号が記録されるとともに、内周に管理情報が記録された線速度一定方式で回転されるべきディスクを再生するリミットスイッチレスのディスク再生装置において、上記ディスクを回転駆動する回転駆動手段と、上記ディスクに記録されているディジタル信号を読み取る再生手段と、上記回転駆動手段を定速度回転させる制御手段と、上記定速度回転の状態下で、現在上記再生手段が位置する箇所で読み取られたディジタル信号のランレングスリミテッドコードの発生パターンに基づいて、現在上記再生手段が位置している箇所での平均反転周波数を演算する第1の演算手段と、ランレングスリミテッドコードの変調パターンの内の起こり得る発生パターンに基づいて予め演算された上記管理情報が記録された内周での平均反転周波数を記憶する記憶手段と、上記第1の演算手段で演算した現在上記再生手段が位置している箇所での平均反転周波数と上記記憶手段に記憶された上記管理情報が記録された内周での平均反転周波数とに基づいて、現在上記再生手段の位置している箇所から上記管理情報が記録された内周までの距離を算出する第2の演算手段と、上記第2の演算手段で算出した内周までの距離に応じて上記再生手段の移送量を決定する決定手段とを有し、上記決定手段にて決定した移送量だけ上記再生手段を移送した後、移送した位置で速度サーボ及び位相サーボを動作させPLLをオンし、一定線速度での回転制御を上記制御手段が行うことを特徴としている。
また、本発明に係るディスク再生方法は、上述の課題を解決するために、最大反転間隔と最小反転間隔で決められた間隔内で変調パターンが変化するランレングスリミテッドコードにより変調されたディジタル信号が記録されるとともに、内周に管理情報が記録された線速度一定方式で回転されるべきディスクを再生するリミットスイッチレスのディスク再生方法において、上記ディスクを定速度回転駆動する工程と、上記ディスクに記録されているディジタル信号を読み取る工程と、上記定速度回転の状態下で、現在再生ヘッドが位置する箇所で読み取られたディジタル信号のランレングスリミテッドコードの発生パターンに基づいて、現在上記再生ヘッドが位置している箇所での平均反転周波数を演算する工程と、上記演算した現在再生ヘッドが位置している箇所での平均反転周波数とメモリに予め記憶された上記管理情報が記録された内周での平均反転周波数とに基づいて、現在上記再生ヘッドの位置している箇所から上記管理情報が記録された内周までの距離を算出する工程と、上記算出した内周までの距離に応じて上記再生ヘッドの移送量を決定する決定工程とを有し、上記決定した移送量だけ上記再生ヘッドを移送した後、移送した位置で速度サーボ及び位相サーボを動作させPLLをオンし、一定線速度での回転制御を行う工程とを備えたことを特徴としている。
以上の説明からも明らかなように、本発明に係るディスク再生装置及び方法によれば、最大反転間隔と最小反転間隔で決められた間隔内で変調パターンが変化するランレングスリミテッドコードにより変調されたディジタル信号が記録されるとともに、内周に管理情報が記録された線速度一定方式で回転されるべきディスクを再生する際に、上記ディスクを回転駆動し、上記ディスクに記録されているディジタル信号を読み取り、上記定速度回転の状態下で、現在再生手段が位置する箇所で読み取られたディジタル信号のランレングスリミテッドコードの発生パターンに基づいて、現在上記再生手段が位置している箇所での平均反転周波数を演算し、ランレングスリミテッドコードの変調パターンの内の起こり得る発生パターンに基づいて予め演算された上記管理情報が記録された内周での平均反転周波数を記憶手段に記憶し、現在上記再生手段が位置している箇所での平均反転周波数と上記記憶手段に記憶された上記管理情報が記録された内周での平均反転周波数とに基づいて、現在上記再生手段の位置している箇所から上記管理情報が記録された内周までの距離を算出し、算出した内周までの距離に応じて上記再生手段の移送量を決定し、決定した移送量だけ上記再生手段を移送した後、移送した位置で速度サーボ及び位相サーボを動作させPLLをオンし、一定線速度での回転制御を行うようにしているため、リミットスイッチを用いずに、データ内容のアドレス情報を読み取ることなく現在のディスク径位置を迅速に求めることができる。
また、求められたディスク径位置に基づいて、目標とするディスク径位置までのヘッド移送量を計算して、その分だけ再生ヘッドを移送することにより、目標位置へのヘッドアクセスが迅速に行える。
従って、例えば、目標位置をディスクのTOC位置とすることにより、ディスク装着時のTOC情報の読み取りを、リミットスイッチを用いずに、迅速に行うことができる。
以下、本発明に係るリミットスイッチレスのディスク再生装置及び方法の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態となるディスク再生装置の一例を示しており、この図1において、ディスク回転駆動用のモータ(いわゆるスピンドルモータ)11により例えば再生専用の光ディスク10を回転駆動して、この光ディスク10に記録されている信号を再生ヘッドである光学ピックアップヘッド12よりアンプ13を介して読み出し、この読み出された信号を信号処理回路20にて処理して得られる再生データを、D/A変換部16でアナログ信号に変換して増幅し、スピーカ18に送っている。
この図1のディスク再生装置の光学ピックアップヘッド12は、音楽再生用光ディスク10からの反射光を複数の受光部に分割された受光素子で受光し、各受光部からの信号をアンプ(いわゆるRFアンプ)13に送っており、このRFアンプ13において、いわゆるRF信号、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号等を取り出して、信号処理回路20に送っている。信号処理回路20は、ディジタル信号を再生処理するための再生信号処理部21と、サーボ信号を処理するためのサーボ信号処理部22とを有している。信号処理回路20の再生信号処理部21は上記RF信号からデータを読み取り、サブコードデータを分離して制御回路40に送ったり、メインデータについてDRAM等のメモリ25を用いてデータのデコード処理を行ったりする。信号処理回路20のサーボ信号処理部22は、上記RF信号、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号等に基づいて、フォーカス制御信号、トラッキング制御信号等を出力し、駆動回路30に送っている。
駆動回路30は、光学ピックアップヘッド12の対物レンズを光軸方向に移動させてフォーカスを制御するためのフォーカス駆動部31と、光学ピックアップヘッド12の対物レンズをトラッキング方向に移動させてトラッキングをとるためのトラッキング駆動部32と、光学ピックアップヘッド12をディスク径方向に移動(いわゆるスレッド移動)させてディスクアクセスを行わせるためのヘッド移送部33と、ディスク回転駆動モータ(いわゆるスピンドルモータ)11を回転駆動するための回転駆動部34とを有している。これらの各駆動部は、信号処理回路20のサーボ信号処理部22からの各サーボ制御信号や、制御回路40からのディスクアクセス制御信号等に応じて、各部に駆動電流を供給する。
制御回路40には、信号処理回路20の再生信号処理部21で分離されたサブコードデータや、サーボ信号処理部22からの一部データや、キー入力部46からのキー入力データ等が供給されており、各種制御信号やデータを、アンプ13、D/A変換部16、信号処理回路20、駆動回路30及び表示部48に送っている。
また、後述するディスク径位置演算にて必要な既知の値としての基準平均反転周波数F0と、目標TOC位置となるディスク径R0がメモリ49に記憶されている。
ここで、図1のディスク再生装置に用いられる光ディスク10の記録フォーマットの一例として、オーディオデータ等のデータに対してランレングスリミテッドコードの一種であるEFM(8−14変調:Eight-Fourteen Modulation) を施して記録する場合の具体例を図2に示す。
図2は、上記EFMの変調方式で変調された信号の1フレームの記録フォーマットを示している。この図2において、1フレームの先頭には、EFMの変調規則から外れた(いわゆるアウトオブルールの)シンクパターンとして、変調後の基準チャンネルビットクロックの反転間隔T(T=1/4.3218MHz)の11倍の反転間隔11Tが2つ連続する部分を有するパターンが配置されている。このようなシンクパターンに続いて、サブコードデータ、メインデータ(例えばオーディオデータ等)、パリティデータが配置されている。各データは、変調前の1シンボル(8ビット)のデータが変調後の14チャンネルビットに対応しており、14チャンネルビットの各データの間には3チャンネルビットのマージンビット(接続ビット)が配されている。
EFMフレームの周波数は7.35kHzであり、1EFMフレームは588チャンネルビットであるから、チャンネルビットの周波数は4.3218MHz(= 588×7.35kHz )である。
この図2の記録フォーマットは、いわゆるCD(コンパクトディスク)のフォーマットであるが、CD−ROMや圧縮オーディオ信号を直径64mmの小型ディスクに記録及び/又は再生するシステムのフォーマットとしても用いられており、この場合のメインデータの2352バイト中に同期データやヘッダデータ等も含まれている。
ところで、EFMの変調方式の変調規則においては、最小反転間隔が3T,最大反転間隔が11Tとされ、8ビットの入力データを256通りの14チャンネルビットのEFMワードに変換する変換テーブルが予め定められている。この256通りのEFMワードについて、1ワード内の反転回数を集計すると、本件出願人が先に特願平6−330382号明細書及び図面において開示したように、
反転回数1回のEFMワード : 4ワード
反転回数2回のEFMワード : 56ワード
反転回数3回のEFMワード : 120ワード
反転回数4回のEFMワード : 70ワード
反転回数5回のEFMワード : 6ワード
となる。
反転回数1回のEFMワード : 4ワード
反転回数2回のEFMワード : 56ワード
反転回数3回のEFMワード : 120ワード
反転回数4回のEFMワード : 70ワード
反転回数5回のEFMワード : 6ワード
となる。
これより、256通りのEFMワードの1ワード内の平均の反転回数は、
(1×4+2×56+3×120+4×70+5×6)/256
=786/256
となり、ほぼ平均3回となる。
(1×4+2×56+3×120+4×70+5×6)/256
=786/256
となり、ほぼ平均3回となる。
次に、上記1EFMフレーム内での平均反転回数を求める。図2に示したように、1EFMフレームは、1EFMワードのサブコード、24EFMワードのメインデータ、及び8EFMワードのパリティの他に、11T+11T+2T、すなわち反転3回のシンクパターンと、各EFMワード間の34箇所のマージンビットとを有している。そこで、EFMエンコードされるデータが乱数であり、また各マージンビットでの反転発生確率が1/2であるとすると、1つのEFMフレーム内での平均反転回数は、
(786/256)×33+(1/2)×34+3
より、約121.32回となる。この式中の「33」は、上記サブコード、メインデータ、及びパリティの総ワード数であり、「34」はマージンビットの数であり、「3」はシンクパターンの反転回数である。
(786/256)×33+(1/2)×34+3
より、約121.32回となる。この式中の「33」は、上記サブコード、メインデータ、及びパリティの総ワード数であり、「34」はマージンビットの数であり、「3」はシンクパターンの反転回数である。
EFMフレームの周波数は上述したように7.35kHzであるから、EFM信号の平均反転周波数は、
(121.32×7.35×103)/2
より、約445.85×103 、すなわち約445.85kHzと考えることができる。このEFM信号の平均反転周波数は、メインデータが圧縮データのような乱数に近いデータの場合には、ほぼ信頼できる値となる。
(121.32×7.35×103)/2
より、約445.85×103 、すなわち約445.85kHzと考えることができる。このEFM信号の平均反転周波数は、メインデータが圧縮データのような乱数に近いデータの場合には、ほぼ信頼できる値となる。
本発明の実施の形態では、現在位置しているディスク半径位置においてフォーカスサーボをオンすると共に、スピンドルモータを一定速度で回転させ、ディスクから再生される再生信号からランレングスコードを抽出して、抽出したランレングスコードから現在位置しているディスク半径位置における平均反転周波数を算出する。
上記算出した現在光学ピックアップが位置しているディスク半径位置における平均反転周波数と、上記メモリに予め蓄えられているEFMの変調方式における考え得る発生パターンに基づく平均反転周波数とから、現在光学ピックアップが位置しているディスクの半径位置を求めるようにする。
上記計算は例えば図1の制御回路40のディスク径位置等の演算機能部41により行われる。更に、上記演算機能部41により求めた現在位置とアクセス先であるアドレスに基づいてヘッド移送量を求め、求められたヘッド移送量分だけ、図1における光学ピックアップヘッド12をディスク径方向に移送するように、制御回路40が駆動回路30のヘッド移送部33を制御することで目的位置までヘッドアクセスが行える。
なお、実際に平均反転周波数を求める際には、例えば図3に示すように、上記図1の光学ピックアップヘッド12等から端子51を介して供給される上記再生RF信号を、RFアンプ53(図1のアンプ13に相当)で増幅し、分周器54で1/nに分周し、得られた信号を周波数−電圧変換(f−V変換)回路55に送って周波数を表す電圧信号に変換し、出力端子56を介して取り出している。この電圧信号は、例えば図1の制御回路40に用いられているマイコンのA/D変換端子等に送られてディジタルデータとされる。この他、再生RF信号やその分周出力のエッジを検出して一定時間当たりの反転数をカウンタにより係数することによっても、平均反転周波数を求めることができる。
次に、上記目的位置を光ディスクのTOC位置とした場合の具体例について、図4及び図5を参照しながら説明する。
図4は、光ディスク10のディスク径位置と上述した再生RF信号として得られるEFM信号の反転周波数値との関係を示す図である。
この図4において、光ディスク10上の目標TOC位置となるディスク径R0の位置での反転周波数値(上記1/nに分周された周波数の値)をF0とし、初期状態において上記光学ピックアップヘッド12が位置してフォーカスがオンされたディスク径Rxの位置での反転周波数値をFxとしている。光ディスク10は、上記目標TOC位置で所定の基準となる一定線速度(例えば1.2m/s)となるような回転速度で回転駆動制御されており、上記TOC位置での反転周波数値F0は、上記EFM信号の基準となる反転周波数を1/nに分周した値となる。例えば、分周比1/n=1/4096とすると、上記EFM信号の平均反転周波数が約445.85kHzであるから、
(445.85×103)/4096
より、基準反転周波数値F0 は、約108.85Hzとなる。
(445.85×103)/4096
より、基準反転周波数値F0 は、約108.85Hzとなる。
従って、
F0:Fx = R0:Rx
の関係が成立することより、現在のヘッド位置(ディスク径Rx の位置)は、
Rx = R0×Fx/F0 ・・・ (1)
の式により求めることができる。上記(1)式において、R0オーディオ帯F0は既知の値なので、計測したFxを代入すれば、Rxが求められる。このようにして現在の再生ヘッド(光学ピックアップヘッド12)が位置するディスク径位置(Rx) が求められれば、ヘッド移送量、すなわちヘッドをディスク径方向に移動させる距離Lは、
L = Rx−R0 ・・・ (2)
より求めることができ、図1の制御回路40は、この距離Lだけヘッドをディスク径方向に移送させるように駆動回路30のヘッド移送部33を制御する。
F0:Fx = R0:Rx
の関係が成立することより、現在のヘッド位置(ディスク径Rx の位置)は、
Rx = R0×Fx/F0 ・・・ (1)
の式により求めることができる。上記(1)式において、R0オーディオ帯F0は既知の値なので、計測したFxを代入すれば、Rxが求められる。このようにして現在の再生ヘッド(光学ピックアップヘッド12)が位置するディスク径位置(Rx) が求められれば、ヘッド移送量、すなわちヘッドをディスク径方向に移動させる距離Lは、
L = Rx−R0 ・・・ (2)
より求めることができ、図1の制御回路40は、この距離Lだけヘッドをディスク径方向に移送させるように駆動回路30のヘッド移送部33を制御する。
これによって、再生ヘッドが目標とするTOC位置に送られ、ディスク上の記録を読み取ることによってTOC情報を得ることができる。
図5は、上述のようなヘッドアクセス動作を説明するためのフローチャートである。
図5の最初のステップS61では、光ディスクの装着に応じた各回路部の各種初期設定が行われ、次のステップS62でディスクの回転駆動が開始される。このときの回転速度は、上述したように、目標TOC位置で基準となる一定線速度v0(例えば1.2m/s)となるような回転速度であり、例えば直径6.4cmの光ディスクシステムの場合には、TOC位置は、ディスク径R0が14.5mm〜16.1mmの位置と規定されている。このときの回転周波数Nは、
N = v0/(2πR0)
より、R0 =16.1(mm)=16.1×10−3(m)とすると、N=約11.86Hzとなることがわかる。従って、ステップS62では、回転速度(回転周波数)が約11.68Hzとなるように回転駆動制御し、回転が安定するまで待つ。
N = v0/(2πR0)
より、R0 =16.1(mm)=16.1×10−3(m)とすると、N=約11.86Hzとなることがわかる。従って、ステップS62では、回転速度(回転周波数)が約11.68Hzとなるように回転駆動制御し、回転が安定するまで待つ。
次のステップS63ではフォーカスサーチを行って、次のステップS64でフォーカスサーボ及びトラッキングサーボをオンする。
次に、ステップS65に進んで、再生RF信号の反転周波数値を読み込む。この反転周波数値は、上述したように1/nに分周したものを用いる。
次のステップS66では、図1の制御回路40の演算機能部41により上記式(1)、(2)の計算を行って、移動量(ヘッド移送量、移動距離)Lを求め、ステップS67で、この求められた距離Lだけ再生ヘッド(光学ピックアップヘッド12)をディスク径方向に移動させる。
次のステップS68では、再生RF信号のクロックに同期させるための速度サーボ及び位相サーボを動作させてPLLをオンし、このPLLからのクロックを、一定線速度での回転制御に用い、またデータ読出クロックとして用いる。次のステップS69で、送られたヘッド位置のTOCデータを読取開始する。
このような方法により、リミットスイッチを用いずに、また現在のヘッド位置でのアドレスを読み取ることなく、TOC位置へのヘッド移送が迅速に行え、短時間でTOC情報の読み取りが行える。
なお、ヘッドを移送する目標となるディスク径位置は、上記TOC位置に限定されず、所望のディスク径位置とすることができる。また、初期のディスク回転速度についても、上記TOC位置で一定線速度となる回転速度とせずに、他の目標となるディスク径位置で一定線速度となる回転速度としてもよい。
さらに、上述した実施の形態では、EFM信号の平均反転周波数に着目して、再生RF信号の反転周波数とを比較することでディスク径位置を求めているが、この他、予め定められた基準となる周波数成分を含む記録信号についての再生信号中の周波数を検出して上記基準周波数と比較することでも現在のディスク径位置を求めることができる。
例えば、光磁気ディスクのような記録可能な光ディスクの場合に、予め形成された案内溝(プリグルーブ)をアドレスデータに応じて蛇行(ウォブリング)させる技術が知られているが、このプリグルーブのウォブリング信号は、アドレスデータを一定のキャリア周波数で変調したものであり、この変調周波数を上記基準周波数とすることができる。
すなわち、一定の変調周波数で変調された信号が、例えばウォブリング信号としてプリグルーブを形成するように記録されたディスクを再生する場合に、ディスクのプリグルーブを検出して得られるウォブリング信号から上記変調周波数成分を取り出し、この再生された変調周波数成分と、元のディスク上に記録される変調信号の基準となる変調周波数とを比較することにより、再生ヘッドの現在のディスク径位置を算出することができる。この変調周波数成分の取り出しは、例えばBPF(バンドパスフィルタ)を用いて行え、ディスク径位置を求めるために用いる計算式は上記式(1)と同様である。また、上記式(2)によりヘッドの移送量を求めて再生ヘッドをディスク径方向に移送させることも同様である。
この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは勿論である。
10 光ディスク、 11 モータ、 12 光学ピックアップヘッド、 13 アンプ、 20 信号処理回路、 21 再生信号処理部、 22 サーボ信号処理部、 30 駆動回路、 31 フォーカス駆動部、 32 トラッキング駆動部、 33 ヘッド移送部、 34 回転駆動部、 40 制御回路、 41 演算機能部
Claims (2)
- 最大反転間隔と最小反転間隔で決められた間隔内で変調パターンが変化するランレングスリミテッドコードにより変調されたディジタル信号が記録されるとともに、内周に管理情報が記録された線速度一定方式で回転されるべきディスクを再生するリミットスイッチレスのディスク再生装置において、
上記ディスクを回転駆動する回転駆動手段と、
上記ディスクに記録されているディジタル信号を読み取る再生手段と、
上記回転駆動手段を定速度回転させる制御手段と、
上記定速度回転の状態下で、現在上記再生手段が位置する箇所で読み取られたディジタル信号のランレングスリミテッドコードの発生パターンに基づいて、現在上記再生手段が位置している箇所での平均反転周波数を演算する第1の演算手段と、
ランレングスリミテッドコードの変調パターンの内の起こり得る発生パターンに基づいて予め演算された上記管理情報が記録された内周での平均反転周波数を記憶する記憶手段と、
上記第1の演算手段で演算した現在上記再生手段が位置している箇所での平均反転周波数と上記記憶手段に記憶された上記管理情報が記録された内周での平均反転周波数とに基づいて、現在上記再生手段の位置している箇所から上記管理情報が記録された内周までの距離を算出する第2の演算手段と、
上記第2の演算手段で算出した内周までの距離に応じて上記再生手段の移送量を決定する決定手段とを有し、
上記決定手段にて決定した移送量だけ上記再生手段を移送した後、移送した位置で速度サーボ及び位相サーボを動作させPLLをオンし、一定線速度での回転制御を上記制御手段が行うことを特徴とするリミットスイッチレスのディスク再生装置。 - 最大反転間隔と最小反転間隔で決められた間隔内で変調パターンが変化するランレングスリミテッドコードにより変調されたディジタル信号が記録されるとともに、内周に管理情報が記録された線速度一定方式で回転されるべきディスクを再生するリミットスイッチレスのディスク再生方法において、
上記ディスクを定速度回転駆動する工程と、
上記ディスクに記録されているディジタル信号を読み取る工程と、
上記定速度回転の状態下で、現在再生ヘッドが位置する箇所で読み取られたディジタル信号のランレングスリミテッドコードの発生パターンに基づいて、現在上記再生ヘッドが位置している箇所での平均反転周波数を演算する工程と、
上記演算した現在再生ヘッドが位置している箇所での平均反転周波数とメモリに予め記憶された上記管理情報が記録された内周での平均反転周波数とに基づいて、現在上記再生ヘッドの位置している箇所から上記管理情報が記録された内周までの距離を算出する工程と、
上記算出した内周までの距離に応じて上記再生ヘッドの移送量を決定する決定工程とを有し、
上記決定した移送量だけ上記再生ヘッドを移送した後、移送した位置で速度サーボ及び位相サーボを動作させPLLをオンし、一定線速度での回転制御を行う工程とを備えたことを特徴とするリミットスイッチレスのディスク再生方法。
Priority Applications (1)
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JP2004043369A JP2004199866A (ja) | 1996-11-20 | 2004-02-19 | ディスク再生装置及び方法 |
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