JP2004198463A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】繰り返し安定な品質の印字が可能である印字装置を実現する。
【解決手段】中間像保持体23の抵抗と静電容量から求まる時定数が、中間像保持体が二次転写手段と第一の像形成手段との間を移動する時間よりも大きい場合、中間像保持体23を除電することによって、中間像保持体23の電位状態が安定し、繰り返し作像しても良好な画像出力を可能とする。
【選択図】 図1
【解決手段】中間像保持体23の抵抗と静電容量から求まる時定数が、中間像保持体が二次転写手段と第一の像形成手段との間を移動する時間よりも大きい場合、中間像保持体23を除電することによって、中間像保持体23の電位状態が安定し、繰り返し作像しても良好な画像出力を可能とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複写機、ファクシミリ、プリンタに係り、特に像担持体上に形成された像の記録用紙への、中間像保持、記録用紙への転写技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリンタの像形成技術は、近年、より高精細画像の再現と、より画質の安定を目指した印字プロセスの開発に注力されている。
【0003】
特許文献1には、像担持体からトナー像を一旦、中間像保持体に写した後、記録用紙に転写する際に発生する不具合、転写効率の悪化、記録用紙以外の領域への転写電流の漏洩による転写不良の改善を提案している。前記特許文献1では、中間像保持体から記録用紙へトナー像を転写させる際に、記録用紙の背後から、トナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加するバイアスローラを押圧して転写するのではなく、中間像保持体の背後に、トナーの帯電極性と同極性のバイアスを印加して転写することにより、トナーとの静電力の反発により記録用紙に転写することにより、高効率な転写を実現することを開示している。
【0004】
また、特許文献2には、前述した問題に対して、中間像保持体から記録用紙への電界転写の際の電圧印加の安定性を向上させる為に、中間像保持体背後に位置するバックアップローラの表面に絶縁被覆させ、転写時の電流漏洩を防止する方法を開示している。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−292664号公報
【特許文献2】
特開平6−289737号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
像担持体から中間像保持体にトナー像を転写し、更に、記録用紙に二次転写させる方式は、記録用紙の種類を選ばない利点があるものの、像担持体から中間像保持体への転写、中間像保持体から記録用紙への転写と2回の転写が必要で効率が低下すること、特に、2回目の転写では、複数色のトナーを重ねた上で、一括して記録用紙に転写するために発生する転写効率の低下の問題点を有する。また、記録用紙が高湿下に置かれた場合、記録用紙の吸湿によって、転写に必要な電流が漏洩するため、転写性が左右される問題点を有する。
【0007】
その解決策の一例が、前記特許文献1および2に開示されている。
【0008】
この中で、前記特許文献1に開示された方法では、電界の向きは異ならず、中間像保持体上に形成されたトナー像の有無による電流漏洩の防止にはならない。通常、トナーは、1012Ω・cm以上の体積低効率を有する為、トナーの付着部分と非付着部分では、バイアスローラ-記録用紙-中間像保持体間の抵抗は大きく異なる。この状態で、転写に必要なバイアスが印加されると、電流は抵抗の小さい非画像領域に主に流れ、画像領域には流れ難い。特に、吸湿した記録用紙の場合は、この現象が顕著となる。これは、電界方向を変えるだけでは対応ができない。
【0009】
また、前記特許文献2には、具体的に、上述した電流漏洩の対策が開示されている。この方法は、転写時点での電流漏洩防止に一定の効果があるものの、バックアップローラ表面に設けた絶縁層のチャージアップなどにより、転写電界が不足し転写不良を引き起こすなどの問題を有する。この様なチャージアップを低減させるために、バックアップローラの表面に半導電性の材料を用いると、一時的に帯電を低減できるが、環境変化や、経時による材料劣化により安定した転写性能を得ることができないという問題点がある。
【0010】
本発明は、これらの課題に鑑みてなされたものであり、中間像保持体を除電して安定した電荷状態にすることにより、安定した画像を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために本発明は下記の構成を特徴とする画像形成装置である。
【0012】
請求項1に係る発明は、夫々像担持体を有する複数の像形成手段と、該像担持体に形成されたトナー像を中間像保持部材に転写する一次転写手段と、前記中間像保持手段上のトナー像を、記録媒体に転写する二次転写手段とを具備し、前記中間像保持手段は、体積抵抗107Ω以上1013Ω以下に構成したベルト状で、前記第二転写手段と前記第一の像形成手段との間に除電手段を有することを特徴とする。
【0013】
中間像保持部材上に転写されたトナー像は、二次転写位置で記録媒体に再転写する。一次転写は、電気的に抵抗体で形成された中間像保持体に電圧を印加し、像担持体からのトナー像を転写する。この際、暗所では像担持体は、高抵抗材料であり、像担持体上のトナー像の有無を問わず、中間像保持体に電圧を印加しても電荷が像担持体側に漏洩することが無く、良好な転写が行われる。
【0014】
しかしながら、二次転写は、記録媒体の背後から電圧印加された二次転写部材を中間像保持体に記録媒体が接触するように押し当てて転写する。この場合、記録媒体が、例えば、OHP用紙のように絶縁性材料にて形成された場合は、漏洩の心配は無いが、通常の記録用紙の場合は、抵抗体として存在する為、二次転写部材から、中間像保持体へ電荷が漏洩し、適切な転写電界が形成されない。特に、トナーは高絶縁性のものが主であるため、トナー像の存在しないところへ、電荷の漏洩が激しく、転写が困難となる。
【0015】
この課題を解決する為に、中間像保持体の抵抗を高めると、中間像保持体自身が電荷を保持したままとなり、その保持電荷の影響で適切な転写電界が形成されない。
【0016】
中間像保持体の電荷漏洩を目的として、中間像保持体の体積抵抗を106Ω以下の材料で形成すると、記録媒体の特に、用紙に比べ、抵抗が低くなるため、上述した課題の解決とはならない。
【0017】
そこで、中間像保持体が、二次転写を終了した後、中間像保持体上に残留する電荷の除去を目的として除電を行うと、再度の一次転写に移行する前に、中間像保持体を常に安定した電荷状態に供することができる。これにより、安定した画像が得られることとなる。
【0018】
そして、請求項2に係る本発明は、夫々像担持体を有する複数の像形成手段と、該像担持体に形成されたトナー像を中間像保持部材に転写する一次転写手段と、前記中間像保持手段上のトナー像を、記録媒体に転写する二次転写手段とを具備し、前記中間像保持手段の体積抵抗と静電容量の積より求めた時定数を、前記中間像保持手段が前記第二転写手段と前記第一の像形成手段との間を通過する時間よりも大とし、前記第二転写手段と前記第一の像形成手段との間に除電手段を有するように構成したことを特徴とする。
【0019】
二次転写における中間像保持体の必要性能と除電は、第一の請求項に対する説明で論述したように、中間像保持体の電位を安定させ、画像を安定に出力することを目的としている。特に、像担持体が複数あり、中間像保持体に対して同時に接触できるように配置された、所謂、タンデム型の装置では、二次転写が終了した後、再度、像形成を行うための第一の像担持体に接触するまでの時間は、装置全体の大きさを抑えると短くなる。
【0020】
従って、本願のように、中間像保持体の体積抵抗を107Ω以上とすると、転写のために印加した電圧により、電荷が残留し繰り返し、転写をする場合に影響が出る。除電を行う目安として、中間像保持体の抵抗と、静電容量との積から時定数を求め、この時定数が、二次転写から、第一の像担持体と再接触(一次転写)するまでの時間よりも大きければ、積極的に除電を行う必要がある。例えば、1010Ωの体積抵抗で、中間像保持体の静電容量が150pFの場合、時定数は、1010Ω×150pF=1E10×150E-12=1.5秒と計算できる。この時定数は、中間像保持体上に残る電荷が、初期の値の約63%まで減少するのに要する時間を指し、例えば、中間像保持体の移動速度が100mm/sの場合、二次転写位置から、第一の像形成手段の位置までが、100mm/s×1.5s=150mm以上であれば、中間像保持体上の電荷はほぼ漏洩するが、その値以下の距離にあれば、二次転写時の電荷の影響を受けて画像が安定しない。従って、中間像保持体を積極的に除電することによって安定した画像形成が行われる。
【0021】
さらに、請求項3に係る本発明は、夫々像担持体を有する複数の像形成手段と、該像担持体に形成されたトナー像を中間像保持部材に転写する第一転写手段と、該第一転写手段に電荷を供給するバイアス手段と、前記中間像保持手段上のトナー像を、記録媒体に転写する二次転写手段と、前記中間像保持手段の体積抵抗と静電容量の積より求めた時定数を、前記中間像保持手段が前記第二転写手段と前記第一の像形成手段との間を通過する時間よりも大とし、前記第二転写手段と前記第一の像形成手段との間に、前記バイアス手段により付与された電荷を打ち消すように電圧印加する除電手段とを具備したことを特徴とする。
【0022】
中間像保持体に残留する電荷を除去する為には、例えば、接地された導電性の除電手段を中間像保持体に近接させて電荷を除去する。しかしながら、前述したように、二次転写位置から第一の像担持体までの距離が短いので、確実に電荷を除電するために、中間像保持体に残留する電荷を打ち消す電荷を、中間像保持体に近接する除電部材から供給する。これによって、短時間、且つ、確実に中間像保持体に残留する電荷を打ち消し、出力画像を安定にすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
(実施例)
図1は本発明の第一の実施例における画像形成装置の構成概略を示す断面図である。本実施例の記載の中に、特に、軸方向手の寸法を明記していないが、本実施例では、A4サイズの記録体(幅、197mm)に対応し、特に断りのない限り、210〜230mm程度の軸を用いるものとする。図1において、2は像形成手段であり、像担持体、現像手段、クリーニング手段などを備えユニットを構成している。図1では、この像形成手段2が複数並列に配置した場合を示している。カラー画像を形成する場合は、順にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)のトナーを有する像形成手段2を用いる。
【0024】
像形成手段2は、12の像担持体、帯電ローラ14、現像剤供給手段は現像器、現像ローラ17、現像剤規制ブレード18、現像剤供給ローラ19からなる。像担持体12、帯電ローラ14、現像ローラ17は、自在の直径のローラが選びうるが、本実施例では、それぞれ、24mm、12mm、20mmの直径のものを使用した。像担持体12は、有機感光体(OPC)を用い、厚み0.8mmのアルミニウム素管上に約15〜20μmの感光層を設けたものを用いた。20は、像担持体12の表面をレーザにて像様に走査するための光学装置である。レーザ光学系、LEDアレーヘッドなどが使用可能である。また、図1では、複数の像形成手段2を示しており、図1の左側から、現像剤としてのトナーは、イエロー(Ye)、マゼンタ(Ma)、シアン(Cy)、ブラック(Bk)の各色を搭載しており、後述するプロセスによってカラー画像の形成が可能である。各像形成手段2は、トナー15の色が異なるのみで、他の構成は全て同一である。21は、像担持体12上に転写せずに残留するトナーを除去するブレードである。本実施例に用いたブレードは、自由端長10mm、厚み1.5mm、食い込み0.5mmとした。この時の、中間像保持体23との接触の線圧は、約0.1N/cmであった。
【0025】
帯電ローラ14は、像担持体12に、約500〜1000gの圧力(軸方向210mm)で接触させ、像担持体12と同一方向に回転させる。帯電ローラ14は、金属の軸の周囲に、導電性の弾性層を設けた構成で、金属軸より電圧を印加して像担持体12の表面を所望の電位に帯電させる。本実施例では、6mmの金属軸に抵抗106Ω・cm、3mm厚みの弾性層を設けて使用した。印加電圧は、直流、交流、あるいは、これらを重畳したものを用いることができる。本実施例では、直流電圧1000Vを印加し、像担持体12の表面電位を約500Vで使用した。
【0026】
現像剤供給手段16を構成する現像ローラ17については前述したが、現像剤規制ブレード18は、ウレタンなどの弾性体を現像ローラ17に線状に押圧し、現像ローラ17上に現像剤を均質に付着せしめる。線圧は、0.05〜0.25N/cmである。また、現像剤供給ローラ19は、金属軸の上に弾性スポンジ層を設けたものを用いた。金属軸の直径は6mm、弾性スポンジ層の厚みは、3mm位、硬度は、スポンジ硬度(アスカーCで30〜70度)のものを用いたが、これに、限定されるものではなく、弾性スポンジ層に、導電性のフィラーを混入させ、弾性スポンジ層の抵抗を106〜1010Ω・cm程度にして、現像剤を積極的に帯電する構成としてもよい。さらに、現像ローラ17と現像剤供給ローラ19間に電位差を設けて、帯電のみならず、現像剤の現像ローラ17上への付着量を制御することも可能である。現像剤供給ローラ19は、現像ローラ17に対して、約1mm食い込ませ、現像ローラ17と同一方向に回転させる。なお、本実施例では、一成分系の現像方法について記載したが、これに限らず、二成分系の現像システムも、もちろん採用できる。現像ローラ17は、像担持体12(基材は接地)に対して、直流もしくは、直流と交流を重畳した電圧を印加する。本実施例では、直流250Vに1.3kVp-p、周波数1.5kHzの交流を重畳して用いた。
【0027】
次に転写手段について説明する。図1において、23は中間像保持体で、本実施例では、外周長574mmのベルト状のものを用いた。26は、中間像保持体23を回転駆動する駆動ローラ、27は従動ローラである。駆動ローラ26は、後述する中間像保持体23を回転させる為に、表面にウレタンや、EPDM等の摩擦の大きい弾性層を0.1〜1.0mm程度の厚みで設けてもよく、さらに、従動ローラ27とで架張する役目をする。架張ために従動ローラ27はバネ部材で支持する。バネ部材は、後述する二次転写ローラ28が、従動ローラ27に押圧する力とバランスするように、20N〜100Nの力で従動ローラ27を押圧する。さらに、従動ローラ27は、二次転写ローラ28の対向電極として接地する。29は、中間像保持体23上に、記録用紙に転写せずに残留するトナーを除去するクリーニング手段である。本実施例では、前述した像担持体12に用いたブレードと同様の構成のものを用いたが、これに限定されるものではなく、ブラシクリーニング、ローラクリーニングなども可能である。
【0028】
中間像保持体23は、ポリカーネート、ポリイミドなどの樹脂の中に導電性フィラーを分散させ、所望の抵抗値に調整し、ベルト状に加工した単層型のもの、あるいは、これら単層型のベルトの上に、フッ素、ポリアミド、ウレタン樹脂などを重ねたもの、あるいは、単層型のベルトの上に、ウレタン、シリコーン等の弾性を有する層を積層したものなどを用いる。中間像保持体23の積層後の体積抵抗は107〜1013Ωが有効だが、本実施例では、基材層として、例えば、電圧250V印加した時の抵抗が108Ωのポリイミド樹脂(50μm)、弾性層として、同様に抵抗108Ωのウレタン樹脂(200μm)、表面コート層として、同様に抵抗1012Ωのフッ素樹脂(10μm)を重ね、全体の抵抗を1011Ωに調整した中間像保持体23を用いた。このときの静電容量は150pFで、時定数は15秒となる。静電容量は、LCRメータを用い、1kHzの周波数で測定した。
【0029】
図1では、前述したように4つの像形成手段2を有する。一次転写手段30も、夫々の像形成手段2の像担持体12に対応して具備する。本実施例では導電性フィルムを用いた一次転写手段を用いた。フィルムの抵抗は101〜108Ωが有効であるが、本実施例では、102Ωのものを用いた。厚みは0.1〜2mmが有効であるが、本実施例では0.1mmのものを用いた。導電性フィルムは、中間像保持体23の背面に約1mmのニップを持って確実に接触するように、導電性フィルムの背後をスポンジで補強する。本実施例では、一次転写手段30の接触するニップの中心は、像担持体12から下ろした垂線上に配置したが、これに限定するものではなく、前後に配置してよい。夫々は個々に一次転写電源(図示せず)に接続される。
【0030】
28は、二次転写ローラで、金属軸の表面に導電性の弾性部材を被覆したローラである。本実施例では、φ12mmのシャフトに、約7mmの弾性部材を被覆したものを用いた。二次転写ローラの抵抗は、金属軸に1000V印加し、設置板に片側10Nの力で押圧した時の抵抗は106Ω〜108Ωが適当で、望ましくは、107Ωである。弾性層は、ウレタン、シリコーン、EPM,EPDMなどの合成ゴムに、導電性フィラーを分散させて発泡させたものを用いた。硬度は、アスカーCスケールで約20〜60度で、望ましくは、35度である。二次転写ローラは、中間像保持体23を支持する従動ローラ27に対して、10〜50Nの力で押圧する。この時、二次転写ローラ27と中間像保持体23との間に形成されるニップは、約2mmであった。二次転写ローラ27には、中間像保持体23上のトナー像を記録用紙に転写させるために、トナーの帯電極性と反対の極性電圧、500V〜3000V程度の電圧が印加させる。
【0031】
31は、除電部材である。本実施例では、上述した二次転写ローラと中間像保持体23の接触ニップ中心から、第一の像形成手段2(イエロー)までは、約45mmのため、中間像保持体23が、100mm/sの速度で移動する場合、二次転写ローラ28のニップから、第一の像形成手段2まで4.5秒で到達する。前述したように、中間像保持体23の抵抗と静電容量から計算される時定数は、15秒であるから、二次転写時における積極的に中間像保持体23に残る電荷を除電しないと、引き続き行う作像に影響する。そこで、本実施例では、クリーニング手段29の後に、導電性ブラシ31を中間像保持体23の表面に接触させた。導電性ブラシ31の抵抗は約106Ωであった。更に、積極的に除電する為、除電ブラシ31にバイアスを印加してもよい。除電の方法は、除電ブラシに限定されるものではなく、コロナ放電器を用いて、中間像保持体23の表面に残る電荷を打ち消すべくコロナイオンを降りかけてもよいし、金属や、導電性のゴム層を被覆した導電性のローラを中間像保持体23に近接させて、接地、又は、バイアス印加して、導電性のローラと中間像保持体23との間に生じる微小放電によって除電を行ってもよい。
【0032】
次に図1を用いて印字する際の動作を説明する。先ず、夫々の像形成手段では、トナーの色に応じて、データ信号からトナー像を作成する。像担持体12の表面は、帯電ローラ14に前述した電圧を印加して略500Vに帯電する。次に、光学装置20によって、データ信号に基づきレーザ光を利用して像担持体12の表面を像様に走査し潜像を形成する。現像剤供給手段16からトナー15を像担持体12の表面に供給すると像担持体12の表面に形成された潜像に従ってトナー像(顕像)が像担持体12の表面に形成される。トナー作像は、夫々の像形成手段2によって、同様の動作によってなされる。図1では、図左側からイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像が形成される。
【0033】
先ず、中間像保持体23上に、イエロー画像が形成される。イエローの像形成の前に、中間像保持体23は、夫々の像形成手段2に同時に接触する。一次転写手段30は中間像保持体23の背面に接触したまま一体で動作する。このイエロー画像の作像に合わせて、順次、マゼンタ、シアン、ブラックが中間像保持体の上に形成される。この時、転写部材30に印加した電圧は、+600V(本実施例の場合、トナーの帯電極性は負極性)であった。転写部材30に印加する電圧は、本実施例のように同一でもよいが、これに限定されるものではなく、個々に設定してもかまわない。転写に要する電圧は、トナーの帯電電位、転写材の移動速度、像担持体と導電性フィルム間にできるニップの大きさに依存するが、おおよそ、200〜1500Vくらいが適当であり、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと中間像保持体23が順次移動する毎に電圧を若干昇降させてもよい。
【0034】
記録用紙は、転写部材搬送手段32から中間像保持体23上に形成された像の先端部に合わせて、中間像保持体23と二次転写ローラ27との間に供給される。記録用紙が、二次転写ローラと中間像保持体23との間に到達する前に、二次転写ローラ27は、バイアス印加されて、中間像保持体23に押圧される。二次転写ローラ27に印加される電圧は、記録用紙の種類、場合によっては、記録速度応じて適宜可変される。おおよそ、500〜3000V位が適当である。記録用紙が、中間保持体23と二次転写ローラ27との接触位置に供給されると、中間像保持体23から記録用紙に、4色のトナー画像が一括転写される。
【0035】
4色のトナー像が記録用紙上に形成されると、記録用紙は、定着手段32に送られ定着される。定着の温度は、転写材の移動速度、定着手段32のニップ条件、また、トナーの溶融温度に依存するが140〜200℃が適当である。
【0036】
一方、中間像保持体23上の記録用紙に転写されずに残ったトナーは、クリーニング手段によって除去される。さらに、中間像保持体23はは、除電手段31を通過することにより残留する電荷を除去される。
【0037】
本実施例では、中間像保持体23の抵抗と静電容量から求まる時定数が、中間像保持体が二次転写手段と第一の像形成手段との間を移動する時間よりも大きい場合、中間像保持体23を除電することによって、中間像保持体23の電位状態が安定し、繰り返し作像しても良好な画像出力が可能となった。
【0038】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、中間像保持体を常に安定した電荷状態に供することができる。これにより、安定した画像が得られる。
【0039】
また、請求項2に係る発明によれば、中間像保持体を積極的に除電することによって安定した画像が得られる。
【0040】
そして、請求項3に係る発明によれば、確実に中間像保持体に残留する電荷を打ち消し、出力画像を安定にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例における画像形成装置の構成概略を示す断面図
【符号の説明】
12 像担持体
14 帯電ローラ
16 現像剤供給装置
17 現像ローラ
23 中間像保持体
26 駆動ローラ
27 従動ローラ
28 二次転写ローラ
29 クリーニング手段
30 一次転写手段
31 除電手段
【発明の属する技術分野】
本発明は複写機、ファクシミリ、プリンタに係り、特に像担持体上に形成された像の記録用紙への、中間像保持、記録用紙への転写技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリンタの像形成技術は、近年、より高精細画像の再現と、より画質の安定を目指した印字プロセスの開発に注力されている。
【0003】
特許文献1には、像担持体からトナー像を一旦、中間像保持体に写した後、記録用紙に転写する際に発生する不具合、転写効率の悪化、記録用紙以外の領域への転写電流の漏洩による転写不良の改善を提案している。前記特許文献1では、中間像保持体から記録用紙へトナー像を転写させる際に、記録用紙の背後から、トナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加するバイアスローラを押圧して転写するのではなく、中間像保持体の背後に、トナーの帯電極性と同極性のバイアスを印加して転写することにより、トナーとの静電力の反発により記録用紙に転写することにより、高効率な転写を実現することを開示している。
【0004】
また、特許文献2には、前述した問題に対して、中間像保持体から記録用紙への電界転写の際の電圧印加の安定性を向上させる為に、中間像保持体背後に位置するバックアップローラの表面に絶縁被覆させ、転写時の電流漏洩を防止する方法を開示している。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−292664号公報
【特許文献2】
特開平6−289737号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
像担持体から中間像保持体にトナー像を転写し、更に、記録用紙に二次転写させる方式は、記録用紙の種類を選ばない利点があるものの、像担持体から中間像保持体への転写、中間像保持体から記録用紙への転写と2回の転写が必要で効率が低下すること、特に、2回目の転写では、複数色のトナーを重ねた上で、一括して記録用紙に転写するために発生する転写効率の低下の問題点を有する。また、記録用紙が高湿下に置かれた場合、記録用紙の吸湿によって、転写に必要な電流が漏洩するため、転写性が左右される問題点を有する。
【0007】
その解決策の一例が、前記特許文献1および2に開示されている。
【0008】
この中で、前記特許文献1に開示された方法では、電界の向きは異ならず、中間像保持体上に形成されたトナー像の有無による電流漏洩の防止にはならない。通常、トナーは、1012Ω・cm以上の体積低効率を有する為、トナーの付着部分と非付着部分では、バイアスローラ-記録用紙-中間像保持体間の抵抗は大きく異なる。この状態で、転写に必要なバイアスが印加されると、電流は抵抗の小さい非画像領域に主に流れ、画像領域には流れ難い。特に、吸湿した記録用紙の場合は、この現象が顕著となる。これは、電界方向を変えるだけでは対応ができない。
【0009】
また、前記特許文献2には、具体的に、上述した電流漏洩の対策が開示されている。この方法は、転写時点での電流漏洩防止に一定の効果があるものの、バックアップローラ表面に設けた絶縁層のチャージアップなどにより、転写電界が不足し転写不良を引き起こすなどの問題を有する。この様なチャージアップを低減させるために、バックアップローラの表面に半導電性の材料を用いると、一時的に帯電を低減できるが、環境変化や、経時による材料劣化により安定した転写性能を得ることができないという問題点がある。
【0010】
本発明は、これらの課題に鑑みてなされたものであり、中間像保持体を除電して安定した電荷状態にすることにより、安定した画像を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために本発明は下記の構成を特徴とする画像形成装置である。
【0012】
請求項1に係る発明は、夫々像担持体を有する複数の像形成手段と、該像担持体に形成されたトナー像を中間像保持部材に転写する一次転写手段と、前記中間像保持手段上のトナー像を、記録媒体に転写する二次転写手段とを具備し、前記中間像保持手段は、体積抵抗107Ω以上1013Ω以下に構成したベルト状で、前記第二転写手段と前記第一の像形成手段との間に除電手段を有することを特徴とする。
【0013】
中間像保持部材上に転写されたトナー像は、二次転写位置で記録媒体に再転写する。一次転写は、電気的に抵抗体で形成された中間像保持体に電圧を印加し、像担持体からのトナー像を転写する。この際、暗所では像担持体は、高抵抗材料であり、像担持体上のトナー像の有無を問わず、中間像保持体に電圧を印加しても電荷が像担持体側に漏洩することが無く、良好な転写が行われる。
【0014】
しかしながら、二次転写は、記録媒体の背後から電圧印加された二次転写部材を中間像保持体に記録媒体が接触するように押し当てて転写する。この場合、記録媒体が、例えば、OHP用紙のように絶縁性材料にて形成された場合は、漏洩の心配は無いが、通常の記録用紙の場合は、抵抗体として存在する為、二次転写部材から、中間像保持体へ電荷が漏洩し、適切な転写電界が形成されない。特に、トナーは高絶縁性のものが主であるため、トナー像の存在しないところへ、電荷の漏洩が激しく、転写が困難となる。
【0015】
この課題を解決する為に、中間像保持体の抵抗を高めると、中間像保持体自身が電荷を保持したままとなり、その保持電荷の影響で適切な転写電界が形成されない。
【0016】
中間像保持体の電荷漏洩を目的として、中間像保持体の体積抵抗を106Ω以下の材料で形成すると、記録媒体の特に、用紙に比べ、抵抗が低くなるため、上述した課題の解決とはならない。
【0017】
そこで、中間像保持体が、二次転写を終了した後、中間像保持体上に残留する電荷の除去を目的として除電を行うと、再度の一次転写に移行する前に、中間像保持体を常に安定した電荷状態に供することができる。これにより、安定した画像が得られることとなる。
【0018】
そして、請求項2に係る本発明は、夫々像担持体を有する複数の像形成手段と、該像担持体に形成されたトナー像を中間像保持部材に転写する一次転写手段と、前記中間像保持手段上のトナー像を、記録媒体に転写する二次転写手段とを具備し、前記中間像保持手段の体積抵抗と静電容量の積より求めた時定数を、前記中間像保持手段が前記第二転写手段と前記第一の像形成手段との間を通過する時間よりも大とし、前記第二転写手段と前記第一の像形成手段との間に除電手段を有するように構成したことを特徴とする。
【0019】
二次転写における中間像保持体の必要性能と除電は、第一の請求項に対する説明で論述したように、中間像保持体の電位を安定させ、画像を安定に出力することを目的としている。特に、像担持体が複数あり、中間像保持体に対して同時に接触できるように配置された、所謂、タンデム型の装置では、二次転写が終了した後、再度、像形成を行うための第一の像担持体に接触するまでの時間は、装置全体の大きさを抑えると短くなる。
【0020】
従って、本願のように、中間像保持体の体積抵抗を107Ω以上とすると、転写のために印加した電圧により、電荷が残留し繰り返し、転写をする場合に影響が出る。除電を行う目安として、中間像保持体の抵抗と、静電容量との積から時定数を求め、この時定数が、二次転写から、第一の像担持体と再接触(一次転写)するまでの時間よりも大きければ、積極的に除電を行う必要がある。例えば、1010Ωの体積抵抗で、中間像保持体の静電容量が150pFの場合、時定数は、1010Ω×150pF=1E10×150E-12=1.5秒と計算できる。この時定数は、中間像保持体上に残る電荷が、初期の値の約63%まで減少するのに要する時間を指し、例えば、中間像保持体の移動速度が100mm/sの場合、二次転写位置から、第一の像形成手段の位置までが、100mm/s×1.5s=150mm以上であれば、中間像保持体上の電荷はほぼ漏洩するが、その値以下の距離にあれば、二次転写時の電荷の影響を受けて画像が安定しない。従って、中間像保持体を積極的に除電することによって安定した画像形成が行われる。
【0021】
さらに、請求項3に係る本発明は、夫々像担持体を有する複数の像形成手段と、該像担持体に形成されたトナー像を中間像保持部材に転写する第一転写手段と、該第一転写手段に電荷を供給するバイアス手段と、前記中間像保持手段上のトナー像を、記録媒体に転写する二次転写手段と、前記中間像保持手段の体積抵抗と静電容量の積より求めた時定数を、前記中間像保持手段が前記第二転写手段と前記第一の像形成手段との間を通過する時間よりも大とし、前記第二転写手段と前記第一の像形成手段との間に、前記バイアス手段により付与された電荷を打ち消すように電圧印加する除電手段とを具備したことを特徴とする。
【0022】
中間像保持体に残留する電荷を除去する為には、例えば、接地された導電性の除電手段を中間像保持体に近接させて電荷を除去する。しかしながら、前述したように、二次転写位置から第一の像担持体までの距離が短いので、確実に電荷を除電するために、中間像保持体に残留する電荷を打ち消す電荷を、中間像保持体に近接する除電部材から供給する。これによって、短時間、且つ、確実に中間像保持体に残留する電荷を打ち消し、出力画像を安定にすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
(実施例)
図1は本発明の第一の実施例における画像形成装置の構成概略を示す断面図である。本実施例の記載の中に、特に、軸方向手の寸法を明記していないが、本実施例では、A4サイズの記録体(幅、197mm)に対応し、特に断りのない限り、210〜230mm程度の軸を用いるものとする。図1において、2は像形成手段であり、像担持体、現像手段、クリーニング手段などを備えユニットを構成している。図1では、この像形成手段2が複数並列に配置した場合を示している。カラー画像を形成する場合は、順にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)のトナーを有する像形成手段2を用いる。
【0024】
像形成手段2は、12の像担持体、帯電ローラ14、現像剤供給手段は現像器、現像ローラ17、現像剤規制ブレード18、現像剤供給ローラ19からなる。像担持体12、帯電ローラ14、現像ローラ17は、自在の直径のローラが選びうるが、本実施例では、それぞれ、24mm、12mm、20mmの直径のものを使用した。像担持体12は、有機感光体(OPC)を用い、厚み0.8mmのアルミニウム素管上に約15〜20μmの感光層を設けたものを用いた。20は、像担持体12の表面をレーザにて像様に走査するための光学装置である。レーザ光学系、LEDアレーヘッドなどが使用可能である。また、図1では、複数の像形成手段2を示しており、図1の左側から、現像剤としてのトナーは、イエロー(Ye)、マゼンタ(Ma)、シアン(Cy)、ブラック(Bk)の各色を搭載しており、後述するプロセスによってカラー画像の形成が可能である。各像形成手段2は、トナー15の色が異なるのみで、他の構成は全て同一である。21は、像担持体12上に転写せずに残留するトナーを除去するブレードである。本実施例に用いたブレードは、自由端長10mm、厚み1.5mm、食い込み0.5mmとした。この時の、中間像保持体23との接触の線圧は、約0.1N/cmであった。
【0025】
帯電ローラ14は、像担持体12に、約500〜1000gの圧力(軸方向210mm)で接触させ、像担持体12と同一方向に回転させる。帯電ローラ14は、金属の軸の周囲に、導電性の弾性層を設けた構成で、金属軸より電圧を印加して像担持体12の表面を所望の電位に帯電させる。本実施例では、6mmの金属軸に抵抗106Ω・cm、3mm厚みの弾性層を設けて使用した。印加電圧は、直流、交流、あるいは、これらを重畳したものを用いることができる。本実施例では、直流電圧1000Vを印加し、像担持体12の表面電位を約500Vで使用した。
【0026】
現像剤供給手段16を構成する現像ローラ17については前述したが、現像剤規制ブレード18は、ウレタンなどの弾性体を現像ローラ17に線状に押圧し、現像ローラ17上に現像剤を均質に付着せしめる。線圧は、0.05〜0.25N/cmである。また、現像剤供給ローラ19は、金属軸の上に弾性スポンジ層を設けたものを用いた。金属軸の直径は6mm、弾性スポンジ層の厚みは、3mm位、硬度は、スポンジ硬度(アスカーCで30〜70度)のものを用いたが、これに、限定されるものではなく、弾性スポンジ層に、導電性のフィラーを混入させ、弾性スポンジ層の抵抗を106〜1010Ω・cm程度にして、現像剤を積極的に帯電する構成としてもよい。さらに、現像ローラ17と現像剤供給ローラ19間に電位差を設けて、帯電のみならず、現像剤の現像ローラ17上への付着量を制御することも可能である。現像剤供給ローラ19は、現像ローラ17に対して、約1mm食い込ませ、現像ローラ17と同一方向に回転させる。なお、本実施例では、一成分系の現像方法について記載したが、これに限らず、二成分系の現像システムも、もちろん採用できる。現像ローラ17は、像担持体12(基材は接地)に対して、直流もしくは、直流と交流を重畳した電圧を印加する。本実施例では、直流250Vに1.3kVp-p、周波数1.5kHzの交流を重畳して用いた。
【0027】
次に転写手段について説明する。図1において、23は中間像保持体で、本実施例では、外周長574mmのベルト状のものを用いた。26は、中間像保持体23を回転駆動する駆動ローラ、27は従動ローラである。駆動ローラ26は、後述する中間像保持体23を回転させる為に、表面にウレタンや、EPDM等の摩擦の大きい弾性層を0.1〜1.0mm程度の厚みで設けてもよく、さらに、従動ローラ27とで架張する役目をする。架張ために従動ローラ27はバネ部材で支持する。バネ部材は、後述する二次転写ローラ28が、従動ローラ27に押圧する力とバランスするように、20N〜100Nの力で従動ローラ27を押圧する。さらに、従動ローラ27は、二次転写ローラ28の対向電極として接地する。29は、中間像保持体23上に、記録用紙に転写せずに残留するトナーを除去するクリーニング手段である。本実施例では、前述した像担持体12に用いたブレードと同様の構成のものを用いたが、これに限定されるものではなく、ブラシクリーニング、ローラクリーニングなども可能である。
【0028】
中間像保持体23は、ポリカーネート、ポリイミドなどの樹脂の中に導電性フィラーを分散させ、所望の抵抗値に調整し、ベルト状に加工した単層型のもの、あるいは、これら単層型のベルトの上に、フッ素、ポリアミド、ウレタン樹脂などを重ねたもの、あるいは、単層型のベルトの上に、ウレタン、シリコーン等の弾性を有する層を積層したものなどを用いる。中間像保持体23の積層後の体積抵抗は107〜1013Ωが有効だが、本実施例では、基材層として、例えば、電圧250V印加した時の抵抗が108Ωのポリイミド樹脂(50μm)、弾性層として、同様に抵抗108Ωのウレタン樹脂(200μm)、表面コート層として、同様に抵抗1012Ωのフッ素樹脂(10μm)を重ね、全体の抵抗を1011Ωに調整した中間像保持体23を用いた。このときの静電容量は150pFで、時定数は15秒となる。静電容量は、LCRメータを用い、1kHzの周波数で測定した。
【0029】
図1では、前述したように4つの像形成手段2を有する。一次転写手段30も、夫々の像形成手段2の像担持体12に対応して具備する。本実施例では導電性フィルムを用いた一次転写手段を用いた。フィルムの抵抗は101〜108Ωが有効であるが、本実施例では、102Ωのものを用いた。厚みは0.1〜2mmが有効であるが、本実施例では0.1mmのものを用いた。導電性フィルムは、中間像保持体23の背面に約1mmのニップを持って確実に接触するように、導電性フィルムの背後をスポンジで補強する。本実施例では、一次転写手段30の接触するニップの中心は、像担持体12から下ろした垂線上に配置したが、これに限定するものではなく、前後に配置してよい。夫々は個々に一次転写電源(図示せず)に接続される。
【0030】
28は、二次転写ローラで、金属軸の表面に導電性の弾性部材を被覆したローラである。本実施例では、φ12mmのシャフトに、約7mmの弾性部材を被覆したものを用いた。二次転写ローラの抵抗は、金属軸に1000V印加し、設置板に片側10Nの力で押圧した時の抵抗は106Ω〜108Ωが適当で、望ましくは、107Ωである。弾性層は、ウレタン、シリコーン、EPM,EPDMなどの合成ゴムに、導電性フィラーを分散させて発泡させたものを用いた。硬度は、アスカーCスケールで約20〜60度で、望ましくは、35度である。二次転写ローラは、中間像保持体23を支持する従動ローラ27に対して、10〜50Nの力で押圧する。この時、二次転写ローラ27と中間像保持体23との間に形成されるニップは、約2mmであった。二次転写ローラ27には、中間像保持体23上のトナー像を記録用紙に転写させるために、トナーの帯電極性と反対の極性電圧、500V〜3000V程度の電圧が印加させる。
【0031】
31は、除電部材である。本実施例では、上述した二次転写ローラと中間像保持体23の接触ニップ中心から、第一の像形成手段2(イエロー)までは、約45mmのため、中間像保持体23が、100mm/sの速度で移動する場合、二次転写ローラ28のニップから、第一の像形成手段2まで4.5秒で到達する。前述したように、中間像保持体23の抵抗と静電容量から計算される時定数は、15秒であるから、二次転写時における積極的に中間像保持体23に残る電荷を除電しないと、引き続き行う作像に影響する。そこで、本実施例では、クリーニング手段29の後に、導電性ブラシ31を中間像保持体23の表面に接触させた。導電性ブラシ31の抵抗は約106Ωであった。更に、積極的に除電する為、除電ブラシ31にバイアスを印加してもよい。除電の方法は、除電ブラシに限定されるものではなく、コロナ放電器を用いて、中間像保持体23の表面に残る電荷を打ち消すべくコロナイオンを降りかけてもよいし、金属や、導電性のゴム層を被覆した導電性のローラを中間像保持体23に近接させて、接地、又は、バイアス印加して、導電性のローラと中間像保持体23との間に生じる微小放電によって除電を行ってもよい。
【0032】
次に図1を用いて印字する際の動作を説明する。先ず、夫々の像形成手段では、トナーの色に応じて、データ信号からトナー像を作成する。像担持体12の表面は、帯電ローラ14に前述した電圧を印加して略500Vに帯電する。次に、光学装置20によって、データ信号に基づきレーザ光を利用して像担持体12の表面を像様に走査し潜像を形成する。現像剤供給手段16からトナー15を像担持体12の表面に供給すると像担持体12の表面に形成された潜像に従ってトナー像(顕像)が像担持体12の表面に形成される。トナー作像は、夫々の像形成手段2によって、同様の動作によってなされる。図1では、図左側からイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像が形成される。
【0033】
先ず、中間像保持体23上に、イエロー画像が形成される。イエローの像形成の前に、中間像保持体23は、夫々の像形成手段2に同時に接触する。一次転写手段30は中間像保持体23の背面に接触したまま一体で動作する。このイエロー画像の作像に合わせて、順次、マゼンタ、シアン、ブラックが中間像保持体の上に形成される。この時、転写部材30に印加した電圧は、+600V(本実施例の場合、トナーの帯電極性は負極性)であった。転写部材30に印加する電圧は、本実施例のように同一でもよいが、これに限定されるものではなく、個々に設定してもかまわない。転写に要する電圧は、トナーの帯電電位、転写材の移動速度、像担持体と導電性フィルム間にできるニップの大きさに依存するが、おおよそ、200〜1500Vくらいが適当であり、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと中間像保持体23が順次移動する毎に電圧を若干昇降させてもよい。
【0034】
記録用紙は、転写部材搬送手段32から中間像保持体23上に形成された像の先端部に合わせて、中間像保持体23と二次転写ローラ27との間に供給される。記録用紙が、二次転写ローラと中間像保持体23との間に到達する前に、二次転写ローラ27は、バイアス印加されて、中間像保持体23に押圧される。二次転写ローラ27に印加される電圧は、記録用紙の種類、場合によっては、記録速度応じて適宜可変される。おおよそ、500〜3000V位が適当である。記録用紙が、中間保持体23と二次転写ローラ27との接触位置に供給されると、中間像保持体23から記録用紙に、4色のトナー画像が一括転写される。
【0035】
4色のトナー像が記録用紙上に形成されると、記録用紙は、定着手段32に送られ定着される。定着の温度は、転写材の移動速度、定着手段32のニップ条件、また、トナーの溶融温度に依存するが140〜200℃が適当である。
【0036】
一方、中間像保持体23上の記録用紙に転写されずに残ったトナーは、クリーニング手段によって除去される。さらに、中間像保持体23はは、除電手段31を通過することにより残留する電荷を除去される。
【0037】
本実施例では、中間像保持体23の抵抗と静電容量から求まる時定数が、中間像保持体が二次転写手段と第一の像形成手段との間を移動する時間よりも大きい場合、中間像保持体23を除電することによって、中間像保持体23の電位状態が安定し、繰り返し作像しても良好な画像出力が可能となった。
【0038】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、中間像保持体を常に安定した電荷状態に供することができる。これにより、安定した画像が得られる。
【0039】
また、請求項2に係る発明によれば、中間像保持体を積極的に除電することによって安定した画像が得られる。
【0040】
そして、請求項3に係る発明によれば、確実に中間像保持体に残留する電荷を打ち消し、出力画像を安定にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例における画像形成装置の構成概略を示す断面図
【符号の説明】
12 像担持体
14 帯電ローラ
16 現像剤供給装置
17 現像ローラ
23 中間像保持体
26 駆動ローラ
27 従動ローラ
28 二次転写ローラ
29 クリーニング手段
30 一次転写手段
31 除電手段
Claims (3)
- 夫々像担持体を有する複数の像形成手段と、該像担持体に形成されたトナー像を中間像保持部材に転写する一次転写手段と、前記中間像保持手段上のトナー像を、記録媒体に転写する二次転写手段とを具備し、
前記中間像保持手段は、体積抵抗を107Ω以上1013Ω以下に構成したベルト状で、前記第二転写手段と前記第一の像形成手段との間に除電手段を有することを特徴とする画像形成装置。 - 夫々像担持体を有する複数の像形成手段と、該像担持体に形成されたトナー像を中間像保持部材に転写する一次転写手段と、前記中間像保持手段上のトナー像を、記録媒体に転写する二次転写手段とを具備し、
前記中間像保持手段の体積抵抗と静電容量の積より求めた時定数を、前記中間像保持手段が前記第二転写手段と前記第一の像形成手段との間を通過する時間よりも大とし、前記第二転写手段と前記第一の像形成手段との間に除電手段を有するように構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 夫々像担持体を有する複数の像形成手段と、該像担持体に形成されたトナー像を中間像保持部材に転写する一次転写手段と、該第一転写手段に電荷を供給するバイアス手段と、前記中間像保持手段上のトナー像を、記録媒体に転写する二次転写手段と、前記中間像保持手段の体積抵抗と静電容量の積より求めた時定数を、前記中間像保持手段が前記第二転写手段と前記第一の像形成手段との間を通過する時間よりも大とし、前記第二転写手段と前記第一の像形成手段との間に、前記バイアス手段により付与された電荷を打ち消すように電圧印加する除電手段とを具備したことを特徴とする画像形成装置。
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