JP2004198292A - インダクタンス検出回路及びそれを用いた位置検出装置及び導体の欠陥或いは有無の識別検査装置及びトルクセンサ - Google Patents

インダクタンス検出回路及びそれを用いた位置検出装置及び導体の欠陥或いは有無の識別検査装置及びトルクセンサ Download PDF

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義和 市山
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Kura Gijutsu Kenkyusho KK
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KURA GIJUTSU KENKYUSHO KK
Kura Gijutsu Kenkyusho KK
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【課題】インダクタンス或いはインダクタンス差を低コストで検出出来る回路を提案し,それを用いた位置検出装置,導体の欠陥或いは有無の識別検査装置,トルクセンサ等を実現提供する。
【解決手段】コイルと抵抗及び或いはコンデンサを含むRLC回路にパルス状に通電し,コイル両端間の電位差或いは二つのコイル間の電位差を積分してインダクタンス或いはインダクタンス差に対応する電圧を得る新規な検出回路を提案し,そのインダクタンス或いはインダクタンス差に対応する電圧からコイルのインダクタンス或いはインダクタンス差を識別する。更にインダクタンス差に対応する周期を持つパルス列利用の検出回路は微小インダクタンス差領域で分解能を拡大でき,高精度の位置検出装置,導体の欠陥或いは有無の識別検査装置,トルクセンサ等を実現する。
【選択図】 図11

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は,コイルのインダクタンス検出回路及びそれを用いた位置検出装置,導体の欠陥或いは有無の識別検査装置,トルクセンサに拘わり,特に二つのコイルの微小なインダクタンス差を十分な分解能で識別検出する回路,その検出回路を用いた磁性体或いは導体の位置を検知する位置検出装置及び導体の欠陥或いは有無の識別検査装置及びトルクセンサ等に拘わる。
【0002】
【従来の技術】
コイルのインダクタンス或いはインダクタンス差の測定は交流抵抗を測定し,或いはパルス入力に対する過度応答を検出する方法が一般的である。前者はディジタル化に際して整流回路を必要として関連する素子の多さと精度低下の課題を有し,後者は瞬時現象を扱うことで困難さを有していた。
【0003】
また,コイルの精密な測定はインピーダンスブリッジを用いて基準となるコイルと比較測定する。それらの測定手段に於いて,基準素子と被検査素子の値の差と出力電圧は線形に比例するので両者の差が微小である時には出力もまた微小で識別が困難であった。またそれらはアナログ信号でのレベル差検定であり,ディジタル化するには高精度のAD変換器を要して低コスト化は困難であった。
【0004】
実際の応用面ではコイルの各定数の微小な変化検知を要請されることは多々存在する。例えば,渦電流式の近接センサでは可能な限り遠距離から対象の接近を検知しようとすると,インダクタンスの微小な変化検知が重要である。また,位置制御系において,対象の位置をそれぞれ二つのコイルで検知平衡させている例では平衡位置からの微小な変化を十分な分解能で知ることが重要となる。またさらに金属体の傷,欠陥の探知或いは食品及び衣料品等での金属異物検知等は何れもコイルの微小インダクタンス変化を探知しており,それらの装置に於いて,二つの検出コイルを相互に参照コイルとして差動的に用いれば二つのコイルの微小インダクタンス差を高分解能で検知することが重要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は,コイルのインダクタンス,二つのコイルの微小インダクタンス差を低コストで検出出来る回路を提案し,それを用いた位置検出装置,導体の欠陥或いは有無の識別検査装置,トルクセンサ等を実現提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によるインダクタンス検出回路は,請求項1に規定するようにコイルと抵抗及び或いはコンデンサを含むRLC回路にパルス状に通電し,コイル両端に現れる検出電位差或いは二つのコイルのインダクタンス差に対応する検出電位差を積分回路により積分してインダクタンス電圧を得,コイルのインダクタンス或いは二つのコイルのインダクタンス差を識別する事を基本にする。インダクタンス電圧は前記コイルのインダクタンス或いはインダクタンス差に比例する電圧となる。
【0007】
請求項2に規定する本発明のインダクタンス検出回路は,請求項1に規定する積分回路を電圧電流変換回路と電位差積分コンデンサとで構成する。積分値のリセット或いはゲインの切り替えが容易となる。
【0008】
請求項3に規定する本発明のインダクタンス検出回路は請求項1,2に規定するインダクタンス電圧を所定の電圧と比較して出力する事でコイルのインダクタンス或いはインダクタンス差が所定の範囲内にあるか否かを識別する。
【0009】
請求項4に規定する本発明のインダクタンス検出回路は,請求項1,2に規定するインダクタンス電圧を保持し,或いはAD変換でディジタル化して出力することでコイルのインダクタンス或いはコイル間のインダクタンス差を識別する。
【0010】
請求項5に規定する本発明のインダクタンス検出回路は,請求項1,2に規定するインダクタンス電圧が所定の電圧に到達するまでの時間を計測してディジタル化してコイルのインダクタンス或いはコイル間のインダクタンス差を識別する。インダクタンス或いはインダクタンス差が小であるほど識別分解能を向上できる特徴がある。
【0011】
請求項6,7,8は請求項1,2,3,4,5の本発明に於いて使用可能なRLC回路の例を規定している。
【0012】
請求項9に規定する本発明のインダクタンス検出回路は,請求項1,2に規定するインダクタンス電圧が所定の電圧を超える毎にRLC回路への通電方向を反転させ,コイルのインダクタンス或いはコイル間のインダクタンス差に対応する周期を有するパルス列を発生させ,微小間隔パルス計数する事で周期を知りコイルのインダクタンス或いはコイル間のインダクタンス差のディジタルデータを得る。インダクタンス或いはインダクタンス差が小であるほど識別分解能を向上できる特徴がある。
【0013】
請求項10,11,12,13は請求項9の本発明に於いて使用可能なRLC回路の例を規定している。
【0014】
請求項14は請求項9から13に規定する本発明に於いて,二つのコイルの大小関係を知る方法を示し,請求項15はインダクタンス電圧が所定の電圧に至らず所定時間内にRLC回路への通電が反転させられない場合に強制的にRLC回路への通電方向を反転させて動作を継続させる手段を示している。
【0015】
請求項16に規定する本発明による位置検出装置は,可動体の位置によりインダクタンスの変わる検出コイルを少なくとも一つ有して請求項1から15記載の何れかのインダクタンス検出回路を有し,一つのコイルのインダクタンス変化或いは二つのコイルのインダクタンス差変化を検出して可動体の位置を検出することを特徴とする。
【0016】
請求項17に規定する本発明による位置検出装置は,二つのほぼ同一なコイルの一方を可動体の位置によりインダクタンスの変化する検出コイル,他方をインダクタンス不変の参照コイルとし,積分回路はゲイン切り替え可能に構成し,検出コイルのインダクタンスが参照コイルに比して大と検出している間は積分のゲインを小に切り替えて磁性体或いは導体よりなる可動体の検知可能距離をほぼ同一に調整可能としたことを特徴とする。
【0017】
請求項18に規定する本発明による導体の欠陥或いは有無の識別検査装置は,二組の抵抗及びコイルよりなるRLC回路を構成する二つのコイルを含む検出部と,磁性体或いは導体を含む被検体と検出部とを相対的に移動走査せしめる走査手段と,請求項1から15記載の何れかのインダクタンス検出回路を有し,走査手段は被検体を二つのコイルの発生磁界内に置きながら検出部と相対的に移動走査させ,二つのコイルを相互に参照コイルとしてコイル間のインダクタンス差の変化を検知する事により磁性体或いは導体の欠陥或いは有無を高感度で識別検知することを特徴とする。
【0018】
請求項19に規定する本発明によるトルクセンサは,回転軸に印可されるトルクによりインダクタンスの変わる検出コイルを少なくとも一つ有して請求項1から15記載の何れかのインダクタンス検出回路を有し,一つのコイルのインダクタンス変化或いは二つのコイルのインダクタンス差変化を検出してトルクの大きさを検出することを特徴とする。
【0019】
【作用】
以上に説明した本発明は概略的には請求項1から15項で規定する第一の本発明グループであるインダクタンス検出回路,請求項16,17項で規定する第二の本発明グループである位置検出装置,請求項18項で規定する第三の本発明グループである導体の欠陥或いは有無の識別検査装置,請求項19項で規定する第四の本発明グループであるトルクセンサで構成される。
【0020】
第一の本発明グループのインダクタンス検出回路は,コイルと抵抗及び或いはコンデンサを含むRLC回路にパルス状に通電し,コイル両端に現れる検出電位差或いは二つのコイルのインダクタンス差に対応する検出電位差を積分回路により積分したインダクタンス電圧を得てコイルのインダクタンス或いは二つのコイルのインダクタンス差を識別する事を基本にする。
【0021】
更にインダクタンス電圧が所定の電圧に達するか否か,或いはインダクタンス電圧を保持,ディジタル変換して出力,或いはインダクタンス電圧が通電開始から所定の電圧に到達するまでの時間を計測,或いは更にインダクタンス電圧が通電開始から所定の電圧に到達するまでの時間に対応する周期のパルス列を発生させて周期を計測する等の手段によりコイルのインダクタンス或いは二つのコイルのインダクタンス差を識別する。
【0022】
従来,コイルのインダクタンスは交流抵抗或いは過度現象での瞬時的な変化から計測していたが,第一の本発明のグループであるインダクタンス検出回路はインダクタンス或いはインダクタンス差に比例する電圧をシンプルな回路手段で得ることでインダクタンス計測を精密に行う手段を提供している。特に請求項9に示した本発明を二つのコイルのインダクタンス差検出に適用した場合にはインダクタンス差に逆比例した周期を持つパルス列を発生させ,微小インダクタンス差の領域での識別分解能を向上できるユニークなインダクタンス検出回路を提供する。
【0023】
第二の本発明のグループの位置検出装置は,第一の本発明グループのインダクタンス検出回路を用い,少なくとも一方のコイルは可動体の位置によってインダクタンスを変えるとし,近接センサとした場合には温度による影響を最小限として遠距離から可動体位置を検出できる。
【0024】
第三の本発明グループである導体の欠陥或いは有無の識別検査装置は,二つのコイルを相互に参照コイルとしてコイル間のインダクタンス差の変化を検知する事により磁性体或いは導体の欠陥或いは有無を識別検知出来る。特に請求項9に示した本発明によるインダクタンス検出回路を適用した場合には二つのコイルのインダクタンス差に逆比例した周期を持つパルス列を発生させ,微小インダクタンス差の領域での識別分解能を上げることが出来るので高感度の識別検査装置を実現できる。
【0025】
第四の本発明グループであるトルクセンサは,回転軸に印可されたトルクによって変化するコイルのインダクタンスを検知してトルクを識別する。特に請求項9に示した本発明によるインダクタンス検出回路を適用した場合には二つのコイルのインダクタンス差に逆比例した周期を持つパルス列を発生させ,微小インダクタンス差の領域での識別分解能を上げることが出来るので高感度のトルクセンサを実現できる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に本発明によるインダクタンス検出回路及びそれを用いた位置検出装置及び導体の欠陥或いは有無の識別検査装置及びトルクセンサについて,その実施例及び原理作用等を図面を参照しながら説明する。図1から図11までを用いてインダクタンス検出回路を,図12から図17までを用いて位置検出装置を,導体の欠陥或いは有無の識別検査装置の例として図18を用いて磁気探傷装置を,図19を用いて金属異物識別検査装置を,またトルクセンサは図20を用いて実施例をそれぞれ説明する。
【0027】
図1は,本発明の第一の実施例を示し,インダクタンス検出回路の具体例として二つのコイルのインダクタンス差が所定の値より大か小かの比較検出をする回路を示す。同図に於いて,二つのコイル11,12はそれぞれ抵抗13,14と直列接続され,さらにそれぞれの回路は並列接続されてRLC回路を構成してスイッチング回路17により通電制御が行われる。電圧電流変換回路15はRLC回路の抵抗13とコイル11の接続点及び抵抗14とコイル12の接続点それぞれの電位を入力としてそれら接続点間の検出電位差に対応する電流に変換して電位差積分コンデンサ16を充電する。パルス発振回路18は高低のレベルを有するパルス列を発生し,その出力パルス列の高レベルの区間でスイッチング回路17はRLC回路に通電し,低レベルの区間でアナログスイッチ19を駆動して電位差積分コンデンサ16の電荷を放電させる。ここで積分回路を電圧電流変換回路15と電位差積分コンデンサ16とで構成しているが,これはゲインの切り替え,或いはインダクタンス電圧のリセットの容易さから選択したもので他の構成による積分回路を用いる事も出来る。
【0028】
電圧比較器1a,1bはそれぞれ所定の電圧を有し,電圧比較器1aはインダクタンス電圧が所定の電圧を越えた時点で高レベルの出力を,電圧比較器1bはインダクタンス電圧が所定の電圧より下がった時点で高レベルの出力を出し,パルス発振回路18の高レベルの区間に低レベルの信号として出力する(それぞれ番号1c,1dで示す)。電圧比較器1aの所定の電圧は基準電位より一定値だけ高く,電圧比較器1bの所定の電圧は基準電位より一定値だけ低く設定される。図1の場合,基準電位は接地電位である。
【0029】
図2は図1の実施例各点の信号波形を示し,第一の実施例の動作原理を説明するための図である。図2(a)はパルス発振回路18の出力パルス列を示し,出力パルス列の高レベル区間21でスイッチング回路17を駆動してRLC回路に通電する。抵抗13とコイル11及び抵抗14とコイル12には同時にパルス状電圧が加えられ,それぞれの回路定数が同じで有れば抵抗とコイル接続点間の電位差は生じないが,異なる場合には電位差を生じ,これを電圧電流変換回路15を介して電位差積分コンデンサ16を充電すると電位差積分コンデンサ16端子には図2(b)の番号23で示されるようなインダクタンス電圧が現れる。
【0030】
番号24は電圧比較器1aに於ける所定の電圧を示し,インダクタンス電圧23が所定の電圧24を越えた区間は図2(c)の番号25で示すパルスを出力する。このパルス25はパルス発振回路18の出力パルスの高レベル区間21とアンドを取って図2(d)の番号26に示すような低レベルのパルスを出力1cとする。電圧比較器1bはインダクタンス電圧23が正であり,電圧比較器1bに於ける所定の電圧より大であるので説明は省略した。インダクタンス電圧23が負となり,その所定の電圧より低となれば図2(c)に示すような高レベルのパルスを出力し,さらに図2(d)で示すパルス出力を出力1dとする。
【0031】
図3はさらに第一の実施例の動作原理を説明するための図で,コイル11と抵抗13との直列回路及びコイル12と抵抗14との直列回路にスイッチング回路17により通電する構成を示している。番号33は電源を,番号31はコイル11と抵抗13との接続点を,番号32はコイル12と抵抗14との接続点をそれぞれ示す。同図において,スイッチング回路17により通電すると,コイル11,12のインダクタンスによりコイル11と抵抗13の直列回路及びコイル12と抵抗14の直列回路に直ちに電流は流れないが,徐々に電流は増大して一定値に至る過度現象は良く知られた事実である。抵抗13,抵抗14を流れる電流をそれぞれI1,I2とすると接続点31,32間の検出電位差ΔVはコイル11及びコイル12での電圧降下の差となるのでそれぞれのインダクタンスをL1,L2で表すと,ΔVはL1*I1’−L2*I2’で表される。ここでI1’は電流I1を時間微分したことを示す。
【0032】
ここで抵抗13,14は同じとしてRで表すと,I1=(E/R)(1−exp(−Rt/L1)),I2=(E/R)(1−exp(−Rt/L2))と表される。tは時間,expは指数関数をそれぞれ示している。
更に図1を参照して電圧電流変換回路15により検出電位差ΔVは電流に変換されて電位差積分コンデンサ16に充電される。電圧電流変換回路15による変換ゲインをGとすると,電位差積分コンデンサ16に流入する電流はGΔV,すなわちG(L1*I1’−L2*I2’)となるが,電位差積分コンデンサ16に流入する電流は実質的に積分されて電荷Qとなり,電荷QはQ=G(L1*I1−L2*I2)=G(E/R)(L1−L2−L1*exp(−Rt/L1)+L2*exp(−Rt/L2))となる。これは時間と共にG(E/R)(L1−L2)に漸近する。したがって,電位差積分コンデンサ16の静電容量をCとすると,その端子に現れるインダクタンス電圧23はでコイル11,12のインダクタンス差に比例した電圧G(E/R)(L1−L2)/Cに漸近する事になる。
【0033】
以上に説明したように第一の実施例によれば,二つのコイル11,12を含むRLC回路を周期的にパルス通電し,二つのコイル11,12のインダクタンス差に比例したインダクタンス電圧23を電位差積分コンデンサ16の端子電圧として得,インダクタンス電圧23を所定の電圧と比較して出力1c,1dを得ている。これは第一の実施例が二つのコイルのインダクタンス差が所定のレベルより大であるか小であるかを識別出力する事を示している。
【0034】
図4は,本発明の第二の実施例を示し,インダクタンス検出回路の具体例として二つのコイルのインダクタンス差を識別検出する回路を示す。同図に示す第二の実施例の回路構成は図1とほぼ同じ構成で図1から電圧比較器1a,1bとその出力に接続されたナンド素子を除去し,AD変換器41を配置してある。
【0035】
図1,図2,図3を用いて説明したようにパルス発振回路18の出力に応じて電位差積分コンデンサ16の端子にはコイル11及び12のインダクタンス差に比例する電圧が周期的にインダクタンス電圧23として現れる。AD変換器41はパルス発振回路18の出力するパルス列の高レベルパルスの終端でインダクタンス電圧23をインダクタンス差に比例したディジタル値に変換して出力する。AD変換器41をサンプルホールド回路としてインダクタンス電圧をそのまま出力させる構成も可能である。
【0036】
図5は,本発明の第三の実施例を示し,インダクタンス検出回路の具体例として二つのコイルのインダクタンス差を識別検出する回路を示す。同図に示す第三の実施例の回路構成は図1とほぼ同じ構成で電圧比較器1a,1bに接続されされたナンド素子とパルス発振回路18を除去し,識別制御部としてマイクロコンピュータ51を配置してある。
【0037】
図1,図2,図3を用いて説明したようにRLC回路にパルス通電することにより電位差積分コンデンサ16の端子にはコイル11及び12のインダクタンス差に比例する電圧が周期的にインダクタンス電圧23として現れる。マイクロコンピュータ51は図1のパルス発振回路18に替わって周期的なパルス列を出力してスイッチング回路17及びアナログスイッチ19を駆動するものとする。更に電圧比較器1a,1bの出力を受けてRLC回路への通電開始から電圧比較器1a,1b出力までの時間を識別することによってコイル11,12のインダクタンス差を識別する。
【0038】
図2を用いて図5に示す第三の実施例の動作を更に詳しく説明する。図2(a)に示すパルス列はマイクロコンピュータ51の出力に読み替え,インダクタンス電圧23が所定の電圧を超えた所定電圧到達時点で電圧比較器1aは図2(c)に示すパルス25を出力する。マイクロコンピュータ51はRLC回路の通電開始から所定電圧到達時点までの時間28を内蔵するカウンタにより微小間隔パルス27で計数してコイル11,12のインダクタンス差をディジタル化する。
【0039】
第三の実施例においてRLC回路の通電開始から所定電圧到達時点までの時間28からコイル11,12間のインダクタンス差を得るが,その点を図6,7を用いて更に説明する。図6は異なるインダクタンス差に応じて電位差積分コンデンサ16に現れるインダクタンス電圧61,62,63をそれぞれ示し,この順でインダクタンス差は大となる。番号24は図2(b)に示した所定の電圧を示し,電圧比較器1aはインダクタンス電圧が所定の電圧24を越えた所定電圧到達時点で図2(c)に示すパルス25を出力する。t1,t2,t3はそれぞれインダクタンス電圧61,62,63に対応する所定電圧到達時点を示し(この場合は通電開始から所定電圧到達時点までの時間と同じ),インダクタンス電圧61,62,63の大きさ,つまりインダクタンス差に逆比例している。
【0040】
図7は通電開始から所定電圧到達時点までの時間とインダクタンス差の関係71を示す。縦軸をRLC回路への通電開始から所定電圧到達時点迄の時間,横軸をインダクタンス差ΔLとしている。この関係71に示されるように通電開始から所定電圧到達時点までの時間はインダクタンス差ΔLが小であるほど大となるので微小間隔パルスで計数する場合にはインダクタンス差が小であるほど詳しく識別できることを示している。但し,インダクタンス差を識別出来る範囲は,通電開始から所定電圧到達時点までの時間はスイッチング回路17の通電時間により,一方は微小間隔パルスの間隔により制限されて番号72で示す領域となる。
【0041】
図8は図1,図4,図5で示したRLC回路及びスイッチング回路の接続回路とは異なる構成の回路例を示す。図8(a)に示す第四の実施例はコイル11,12と抵抗13,14の直列回路にスイッチング回路17が接続され,基準電圧生成回路81が別に用意されている。この場合,検出電位差はコイル11,12間の中点相当部電位82と基準電位83間の電位差である。
【0042】
図8(b)に示す第五の実施例はコイル11,12に並列にスイッチング回路17,17’を接続した例で電源電圧が小さく限定されている場合に適している。検出電位差はコイル11と抵抗13の接続点84と及びコイル12と抵抗14の接続点85との間の電位差である。抵抗86とコンデンサ87はスイッチング回路17,17’の差による通電開始時のインパルス的な検出電位差を吸収するために配置してある。
【0043】
図8(c)に示す第六の実施例はコイル11,12と抵抗13,14の並列回路にそれぞれスイッチング回路17,17’を接続した例でこれも電源電圧が小さく限定されている場合に適している。検出電位差はコイル11と抵抗13とスイッチング回路17の接続点88と及びコイル12と抵抗14とスイッチング回路17’の接続点89との間の電位差である。
【0044】
図9は,本発明の第七の実施例を示し,インダクタンス検出回路の具体例としてコイルのインダクタンスを識別検出する回路を示す。同図に於いて,コイル11と抵抗13は直列接続され,検出電位差をコイル11両端間の電位差として電圧電流変換回路15に入力し,電圧電流変換器15は電位差積分コンデンサ16に接続されて前記検出電位差に比例する電流で電位差積分コンデンサ16を充電する。ヒステリシス特性を有する電圧比較器91は電位差積分コンデンサ16のインダクタンス電圧を入力して所定の電圧と比較してその出力を変え,フリップフロップ92に入力する。フリップフロップ92は電圧比較器91の出力が変化するエッジでその出力を反転させ,その相補的な出力96,97に前記コイル11と抵抗13とが接続されている。
【0045】
第七の実施例の動作は図10をも用いて更に説明をする。図10(a)はフリップフロップ92の出力97の波形を示し,図10(b)は電位差積分コンデンサ16に現れるインダクタンス電圧の波形を示す。第一の実施例の説明で示したようにインダクタンス電圧はコイル11両端間の検出電位差の積分に比例した電圧となるのでコイル11のインダクタンスに比例した電圧に漸近する。
【0046】
出力97から出力96にRLC回路を経て通電する場合にインダクタンス電圧は番号101で示すように増加し,第一の所定電圧103に至って電圧比較器91は図10(c)に番号107に示すように出力レベルを変え,フリップフロップ92は出力107が変化するエッジでその出力96,97を反転させ,RLC回路への通電は出力96から出力97へと通電方向が反転する。コイル11両端間の検出電位差は極性が変わるので電圧電流変換回路15は電位差積分コンデンサ16の電荷を放電させ,インダクタンス電圧は番号102で示されるように変化する。インダクタンス電圧が第二の所定電圧104に至ると電圧比較器91は図10(c)に番号107に示すように出力レベルを変え,フリップフロップ92は出力107が変化するエッジでその出力96,97を反転させるのでRLC回路への通電は出力97から出力96へと通電方向が反転し,これを繰り返す。
【0047】
ヒステリシス特性を有する電圧比較器91は内部に作る参照電位より一定量高い電位を第一の所定電圧とし,参照電位より一定量低い電位を第二の所定電圧としてヒステリシスを有している。上記に説明したようにインダクタンス電圧は第一の所定電圧103に達すると減少に転じ,第二の所定電圧に達すると増加に転じるよう制御されるので常に第一及び第二の所定電圧の間の電位を有する。
【0048】
さらにフリップフロップ92の状態変化によりRLC回路への通電が変化した後に第一或いは第二の所定電圧に達するまでの時間は第三の実施例において図6,図7を用いて説明したようにコイル11のインダクタンスに逆比例する。フリップフロップ92の出力97はカウンタ94に入力されて図10(e)の番号10a,図10(f)の番号10bに順次示すようにカウントダウンした後にマイクロコンピュータ95に入力し,内蔵するカウンタを用いて微小間隔パルス10c計数により出力97の周期を計測し,コイル11のインダクタンスを識別する。
【0049】
番号93はリトリガー可能な単安定マルチバイブレータを示し,フリップフロップ92の出力97を受けてその状態が変化する毎に所定の時間後にパルスを出力する。所定の時間内にインダクタンス電圧が第一或いは第二の所定電圧に達し,電圧比較器91出力を変え,フリップフロップ92の状態を変える場合には出力を出さないが,番号105で示すインダクタンス電圧が第一の所定電圧(この場合は106として示す)に所定の時間内に達しないとパルス108を出力してそのエッジでフリップフロップ92の状態を変えさせる。図10(a)に於ける番号109は単安定マルチバイブレータ93によりフリップフロップ92の出力97の状態が変わった点を示す。この単安定マルチバイブレータ93の機能はマイクロコンピュータ95の一部機能で代替させることも可能である。
【0050】
図11は,本発明の第八の実施例を示し,インダクタンス検出回路の具体例として二つのコイルのインダクタンス差を識別検出する回路を示す。同図に示す第八の実施例の回路構成は図9とほぼ同じ構成でRLC回路の構成のみが異なっている。すなわち,二つのコイル11,12の直列接続に更に抵抗13,14を直列に接続し,その中点111から低域フィルタ112を介して基準電位を生成し,中点111と基準電位との差を検出電位差として電圧電流変換回路15に入力させている。同図において,低域フィルタ112としては最も簡便な抵抗とコンデンサとで構成した例を示し,その時定数はRLC回路への通電が変化する周期より十分に大きく設定する。
【0051】
図11に示す第八の実施例の動作は図9に示す単一コイルのインダクタンス検出回路の場合と全く同じでコイル11のインダクタンスをコイル11,12のインダクタンス差と読み替えれば良いので詳細説明は省略する。
【0052】
同実施例において,基準電位は請求項13の趣旨に沿ってコイル11,12間の中点電位から交流変動分を除去した電位であり,フリップフロップ92の状態変化に応じて反転する通電方向に応じて変動する中点電位の平均値である。コイル11,12及び抵抗13,14の接続順序は重要では無いが,前記中点に関してコイル11,12と抵抗13,14がそれぞれ一つづつ配置されている必要がある。
【0053】
パルス周期を微小間隔パルス10cの計数により得たディジタル値はコイル11,12のインダクタンス差に対応するが,これは絶対値であって,何れのコイルのインダクタンスが大であるかは判明しない。コイル11,12の大小関係は電圧比較器91出力の変化する方向とRLC回路への通電方向,即ち出力97のレベルとで判断する。電圧比較器91はインダクタンス電圧が第一の所定電圧103に至ると出力を低レベルに,インダクタンス電圧が第二の所定電圧104に至ると出力を高レベルに転じるので電圧比較器91の出力が低レベルから高レベルに,高レベルから低レベルに至る時の出力97のレベルで判断できる。即ち,図10の左半分では図10(c)に示す出力107の立ち上がり端では出力97は高レベルであるのでコイル12のインダクタンスが大,右半分では出力107の立ち上がり端で出力97は低レベルであるのでコイル11のインダクタンス大と判断できる。
【0054】
図9から図11を用いて説明した第七,八の実施例は図5に示した第三の実施例と類似する。第七及び第八の実施例で得られるパルス列の周期はコイルのインダクタンス或いは二つのコイルのインダクタンス差に逆比例し,それらが小であるほど識別分解能が向上する。相違点は出力情報がパルス列で得られるか,単一パルスの幅で得られるかの点であり,第三の実施例では単一パルスの時間幅を識別しなければならないので分解能を向上させるには計数するパルス間隔を微小にする必要があり,より高い周波数で動作するカウンタ或いはマイクロコンピュータを必要とする。これに対して第七及び第八の実施例では周期の異なるパルス列として出力を得るのでカウントダウンした後に微小間隔パルス計数で識別可能であってカウントダウンの段数を増やすことにより分解能を向上できてカウンタ及びマイクロコンピュータの動作可能周波数を高くする必要は無い。
【0055】
以上,図1から図11までを用いてコイルのインダクタンス,二つのコイルのインダクタンス差を検出できるインダクタンス検出回路を実施例を挙げて説明した。これらの例に於いてコイルのインダクタンス及びインダクタンス差のインダクタンス電圧への変換係数は電圧電流変換回路15のゲイン及び電位差積分コンデンサ16の静電容量に依存する。目標とするインダクタンス或いはインダクタンス差の領域で最適の分解能を得るにはこれらのパラメータを調整する。図5,図9,図11に示した実施例では識別制御部としてマイクロコンピュータを採用したが,識別した結果に基づいて電圧電流変換回路15のゲイン或いは電位差積分コンデンサ16等を制御して常に最適な分解能を追求することも可能である。
【0056】
図12は本発明の第九の実施例である位置検出装置を示す。検出部123内に斜線部で示す磁気コア124に巻回された検出コイル121と参照コイル122とは同一仕様で構成し,導体或いは磁性体で構成される可動体が検出コイル121に近接して検出コイル121のインダクタンスに変化が生じたことを検知して可動体の位置を知る。検出コイル121には抵抗13を直列に接続し,参照コイル122には抵抗14を直列に接続し,インダクタンス検出回路は図11に示した第八の実施例に示したと同一構成にしてある。
【0057】
検出コイル121と参照コイル122とはほぼ同じインダクタンスを有するよう構成されているが,検出コイル121にアルミニウム,銅等の導体,或いは鉄,フェライト等の磁性体が近接すると,そのインダクタンスは変化し,図11を用いて説明したインダクタンス検出回路の動作原理に従って参照コイル122のインダクタンスと差が生じたことが検知される。
【0058】
位置検出装置の一つの応用である近接センサにおいては,近接する物体を出来るだけ遠距離から検知することが望ましいが,従来は温度変化による検出コイル121の定数変動,或いは回路定数変動等により制限を受けていた。図12に示す構成では検出コイル121と参照コイル122とを同一仕様で構成して同じ温度環境に置き,その差の有無を識別検知しているので温度変動の影響を受け難い。
【0059】
導体が検出コイル121に近接すると渦電流効果によりそのインダクタンスを低下させ,逆に磁性体が近接するとインダクタンスを増加させる。インダクタンス増減の方向は逆であるので識別した結果が参照コイル122のインダクタンスより増減した方向でディジタル的な閾値を変え,可動体の近接度合いを判断識別する事で導体及び磁性体双方何れの近接検知にも使用できる。
【0060】
またディジタル的な閾値を変える他に電圧電流変換回路15の変換ゲインを適応的に変える手段もある。即ち,検出コイル121のインダクタンスが参照コイル122のそれより大であるか小であるかは電圧比較器91の立ち上がり端或いは立ち下がり端での出力97のレベルから判断できるので検出コイル121のインダクタンスが大と識別している間は電圧電流変換回路15のゲインを小に変える構成としても良い。
【0061】
図13は本発明による位置検出装置で初期設定を行うための機能ブロック図を示す。同図に於いて,位置検出装置は図12に示した検出コイル121,参照コイル122よりなる検出部123と,検出回路部131とで構成され,製造後の初期設定を行うために初期設定制御部133,アクチュエータ134が接続されている。検出回路部131は図11に示す検出回路であり,番号132はマイクロコンピュータ95内,或いは周囲に接続されている不揮発メモリを示す。
【0062】
初期設定制御部133の指示でアクチュエータ134は磁性体或いは導体よりなる試験基準片135を矢印136で示す方向に駆動し,検出コイル121から予め決めた基準位置に位置決めし,マイクロコンピュータ95は微小間隔パルス計数した結果を基準ディジタル位置としてメモリ132に記憶させる。
【0063】
図14は図13に示した初期設定システムにおける動作フローの概略を示して初期設定システムの説明を補足するための図である。同図に示すように製造後の初期設定プロセスでは,[1.]でNを基準位置の指標として初期値N=1とし,[2.]で初期設定制御部133の指示でアクチュエータ134が試験基準片135を予め定めたN番目の基準位置pNに移動させる。[3.]でマイクロコンピュータ95により得られた基準ディジタル位置QNを不揮発性のメモリ132に記憶させる。さらに[4.]で所定個数の基準位置での設定を終了したか否か確認し,未だで有ればNを1増加させて[2.]へ,終了で有れば[5.]へ進む。
【0064】
[5.]ではメモリに記憶された基準ディジタル位置QNの妥当性を検証し,矛盾がなければテーブルとして完成し終了する。これで位置検出装置製造後の初期設定は終了であり,この過程では検出部も検出回路部131も調整作業は不要である。
【0065】
位置検出装置の通常の計測時では,[6.]で未知の可動体位置pXに対応してマイクロコンピュータ95はディジタル位置QXを検知し,[7.]でメモリ132に記憶した基準ディジタル位置QNのテーブルを元に位置情報PXを補間,算出する。
【0066】
図15は上記説明で用いた用語を整理するために示してある。すなわち本発明の位置検出装置に於いて試験基準片135の位置を示す量は物理層の値として「位置」として示し,位置検出装置内で「位置」に対応して算出されたディジタル値を論理層の値として「ディジタル位置」とする。この「ディジタル位置」は「位置」に対応する値であるが,位置検出装置に於ける基準位置,変換ゲイン等を考慮していないので個々の位置検出装置によって異なる値となる。「位置情報」は表示層の値で「位置」に対応して基準位置,変換ゲイン等を考慮して外部に出力する値である。「ディジタル位置」は図16で説明されるテーブルを用いて「位置情報」に変換される。
【0067】
物理層に於ける「基準位置」は論理層では「基準ディジタル位置」,表示層では「基準位置情報」として示している。
【0068】
P1,P2,,PNは試験基準片135の各基準位置p1,p2,,pNに対応して出力すべき基準位置情報である。すなわち,8ビットで表示するとして16進表示でP1はゼロ点で「00」,PNは「FF」とするように設定する。p1,p2,,pNは物理層の値,P1,P2,,PNは表示層の値となる。
【0069】
図16は図14の[5.]で作成した基準ディジタル位置QNのテーブルを示し,P1,P2,P3,P4は基準位置p1,p2,p3,p4に対して出力すべき基準位置情報であり,Q1,Q2,Q3,Q4はそれに対して得られた基準ディジタル位置,実質は微小間隔パルスの計数値である。
【0070】
図17は,マイクロコンピュータ95によってインダクタンス差を検出して位置を検知するプログラム例をフローチャートで示した例であり,図14に示した通常の使用時のステップ[6.],[7.]をさらに詳しく説明する。
【0071】
[1.]のステップで電圧比較器91の出力の変化方向とフリップフロップ92の出力97のレベルから検出コイル121と参照コイル122とのインダクタンスの大小関係を知り,[2.]のステップにおいて,マイクロコンピュータ95内のカウンタを用いてパルス周期Tを微小間隔パルス列で計数してディジタル位置QXを得る。[3.]でQXを前回の値と比較検証し,それらの差が予め定めた所定の値以上で有れば異常として[5.]で処理し,所定の値以下で有れば正常として[4.]のステップに進む。
【0072】
[4.]ではディジタル位置QXとメモリ132内のテーブルとからQXに対応する位置情報PXを補間,算出する。
【0073】
[5.]はQX及び検出コイル121と参照コイル122とのインダクタンスの大小関係認識の異常処理ルーチンであり,それらを過去の履歴と比較検証して過去の変動履歴から異常状態の頻度,連続性等を調べて偶発的な誤りか,固定的な誤りかを判断する。誤りが確率的であり,頻度も少なければ偶発性と判断して[1.]に進んで計測を繰り返す。誤りの頻度が高く,連続性が高いと判断すれば固定障害と見なして[6.]で上位システムに警告し,計測作業を停止する。
【0074】
図18は本発明の第十の実施例を導体の欠陥或いは有無の識別検査装置の具体的な例として磁気探傷装置の概略構成を示す。図18(a)は検出部概略を,図18(b)は出力のダイパルス(dipulse)波形をそれぞれ示す。同図に於いて,磁気探傷装置は2つの検出コイル181,182と,検出回路131と,図示していない走査機構手段と等から構成され,2つの検出コイル181,182は検査対象となる金属の被検体183に近接して配置され,被検体183は走査機構手段により矢印184に沿ってが移動させられる。検出回路131は図11に示すと同じ検出回路としているので検出回路131の具体的な内容と動作原理の説明は省略する。
【0075】
検出回路131は検出コイル181,182をパルス的に断続通電してパルス状磁束185を発生させる。パルス状磁束185は金属である被検体183の表面から内部に浸透しようとするが,被検体183表面には磁束の変化を妨げるような方向に渦電流が流れ,検出コイル181,182のインダクタンスを見かけ上減少させる。ここで被検体183表面に傷が存在すると前記渦電流は流れにくくなり,検出コイル181,182のインダクタンスの減少傾向は弱められ,見かけ上のインダクタンスは増大する。そして被検体183表面の傷が検出コイル181の磁界分布内に有れば検出コイル181のインダクタンスが通常より大となる。
【0076】
磁気探傷装置では本来有ってはならない傷或いは欠陥等の有無を確認する装置であるから当然に傷或いは欠陥の密度は低く,仮に検出コイル181の真下に傷が存在しても検出コイル182の真下の被検体183面にも傷が存在する確率は非常に小さい筈である。逆もまた同様である。図18(a)に示す検出回路131は検出コイル181,182のインダクタンス差の検出回路を基本にしているので互いに他方の検出コイル側を基準としながら被検体183の傷,欠陥有無を検査することになる。留意すべきは検出コイル181,182と被検体183との関係を出来るだけ同一条件に維持しながら相対的に移動させる走査機構手段とすることである。
【0077】
本実施例で検出コイル181,182の配列は被検体183の移動方向184に沿っている。したがって,もし被検体183表面に傷があり,検出コイル181のインダクタンス変化として検知された場合,被検体183の移動時間,検出コイル181,182間の距離によって決まる時間の後には検出コイル182にもインダクタンスの変化として現れる筈である。図18(b)は検出回路131で検知されたインダクタンス差の変化の様子を示している。横軸186は時間を,縦軸187はインダクタンス差を示す。番号188は被検体183表面に傷が無く,検出コイル181,182のインダクタンスが平衡な場合の出力レベルを示している。番号189,18aはそれぞれ被検体183表面の傷が検出コイル181のインダクタンスを変化させ,次に検出コイル182のインダクタンスを変化させた事を示す。傷のサイズ,検出コイル181,182のサイズ,相対位置関係にも依存するが,インダクタンス差の変化は図18(b)のように2つのパルスが連続したダイパルス(dipulse)波形として現れる。
【0078】
本発明の磁気探傷装置に於いて,2つの検出コイル181,182と被検体183との配置条件は同一とすべきであるが,上に示したようにダイパルス波形が現れることを前提として磁気探傷装置を構成すれば,2つの検出コイル181,182と被検体183との配列条件を緩和できるし,またノイズ等妨害信号に対して検出確認の精度を向上できる。
【0079】
図19は本発明の第十一の実施例を導体の欠陥或いは有無の識別検査装置の具体的な例として金属異物検出装置を示す。食品中の金属異物,或いは衣服製品中の金属針等の検出確認に使用される。2つの検出コイル191,192はその面が平行にならないよう互いに傾けて配置され,検出コイル191,192を含む検出回路131で構成している。被検体193は2つの検出コイル191,192を挿通して番号194で示されるよう移動させる。検出回路131は図11に示す第八の実施例と同じとして詳細説明は省略する。
【0080】
この金属異物検出装置は本来有ってはならない食品中の金属異物或いは衣服中に残された金属針等が存在しないことを確認するのが主目的であるから,それら金属異物或いは金属針等は希にしか存在しない。図19(a)に示す検出装置は検出コイル191,192のインダクタンス差検出回路を基本にしているので互いに他方の検出コイル側を基準参照としながら被検体193中の金属異物或いは金属針等有無を検査することになる。この点は第十の実施例に示した磁気探傷装置と考え方は同様である。
【0081】
金属異物が検出コイル191或いは192のフィールド中に存在すると,渦電流効果によりその検出コイルのインダクタンスを減少せしめる。金属異物が磁性体であると逆にインダクタンスを増大させる。したがって,金属異物が検出コイル191を,そして検出コイル192を通過したとするとそのインダクタンス変化の様子は図19(b)に示すようになる。番号197は検出コイル191,192に何ら金属異物が係わっていない時のインダクタンス差を示し,番号198は検出コイル191近傍に金属異物が存在して影響を及ぼしている時,番号199は検出コイル192近傍に金属異物が存在している時のインダクタンス差の様子を示す。図19(b)に示すように典型的なダイパルス波形とならなかったのは検出コイル191,192が互いに傾いていて金属異物の影響が異なるからである。識別制御部を構成するマイクロコンピュータ95は番号197で示すインダクタンス差を基準にして変化するインダクタンス差のレベルを監視して金属異物の存在を検知する。その際,完全にではないが,番号198,199の変化の様子,被検体193の移動速度,検出コイル191,192間の距離等から確認することは可能でノイズ等の影響を軽減は出来る。番号195は時間を示す。
【0082】
このような金属異物検出装置に於いて,検出対象となる食品中の金属異物或いは衣服中に残された金属針等は必ずしも球形では無く,またそれが被検体193中に存在する方向も一様では無い。磁束の方向,交流磁束の周波数,金属異物のサイズ及び方向の分布等の間で検出に最適の条件は存在するが,常に維持する事は難しい。それらを確実に検出できるよう検出コイル191,192は互いに傾けて配置した。
【0083】
図20は本発明の第十二の実施例を示し,同図において,検出部はドリルの刃部204の外周にコイル201,平坦部203外周に参照コイル202を配置して構成する。鉄を主成分とする磁性体で構成されたドリルは加えられた回転トルクに応じて機械的に弱くなっている刃部204の歪みは大で透磁率が変化するが,平坦部203での透磁率は殆ど変化しない。その結果,回転トルクに応じて検出コイル201のインダクタンスは変化し,参照コイル202のインダクタンスは変化しない。検出部温度によりコイル201,202の変形或いはドリルの導電率が変化するとコイル201,202のインダクタンスは変化するが,それらコイルのインダクタンス差に対応する電圧出力とすることで補償される。
【0084】
検出コイル201,参照コイル202とのインダクタンス差の検出回路は図11に示した回路と同一であるので検出回路の動作説明は省略する。ドリル使用時にドリルに加えられたトルクを知るには検出コイル201と参照コイル202のインダクタンス差を検出し,回転時に加えられたトルクに換算する。ドリルに装着したトルクセンサの重要な役割は使用中の過大なトルクを検出してドリルの破損を防止することにあり,検出コイル201と参照コイル202間のインダクタンス差が所定レベルを越えるか否かで監視する。
【0085】
以上に実施例を用いて本発明の原理動作等を説明したが,実施例で説明した以外の素子,材料等の使用はもちろんであり,コイルのインダクタンス,二つのコイルのインダクタンス差の検出回路も実施例で説明した以外の構成でも本発明の趣旨に基づいて具現化は可能である。特に上記説明で積分回路を電圧電流変換回路と電位差積分コンデンサとで構成したが,回路構成上の便宜によるもので他の構成による積分回路としても何等支障は無い。また,インダクタンス検出を利用して位置検出装置,導体の欠陥或いは有無の識別検査装置,トルクセンサについて説明したが,それら以外の応用装置にも適用は可能である。以上に述べたように本発明の趣旨を変えない範囲で材料,回路素子,構成の変更等が可能なことは当然であって上記の説明が本発明の範囲を限定するわけではない。
【0086】
【発明の効果】
以上,実施例を用いて説明したように本発明のインダクタンス検出回路はシンプルな回路でコイルのインダクタンス或いはインダクタンス差に比例する電圧を得ることでインダクタンス及びインダクタンス差を容易に検出できる。さらにインダクタンス或いはインダクタンス差に反比例する周期のパルス列を生成するインダクタンス検出回路では微小なインダクタンス或いは微小なインダクタンス差を拡大して識別でき,それらは位置検出装置,導体の欠陥或いは有無の識別検査装置,トルクセンサへの適用が特に有効であり,高感度で信頼性有る装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施例である二つのコイルのインダクタンス差検出回路を示す。
【図2】図1の実施例各点の信号波形を示す。
【図3】原理説明のための回路図を示す。
【図4】第二の実施例である二つのコイルのインダクタンス差検出回路を示す。
【図5】第三の実施例である二つのコイルのインダクタンス差検出回路を示す。
【図6】パルス幅と所定のレベルの関係を示す。
【図7】パルス周期とインダクタンス差の関係を示す。
【図8】第四,五,六の実施例として各種のRLC回路を示す。
【図9】第七の実施例であるインダクタンス検出回路を示す。
【図10】図9の実施例各点の信号波形を示す。
【図11】第八の実施例であるインダクタンス検出回路を示す。
【図12】第九の実施例である位置検出装置を示す。
【図13】位置検出装置で初期設定を行う為の機能ブロック図を示す。
【図14】初期設定システムにおける動作フローの概略を示す。
【図15】用語の定義を示す。
【図16】基準ディジタル位置のテーブルを示す。
【図17】図12のマイクロコンピュータ内のプログラムフロー例を示す。
【図18】第十の実施例である磁気探傷装置の概略構成を示す。
【図19】第十一の実施例である金属異物検出装置を示す。
【図20】第十二の実施例であるトルクセンサを示す。
【符号の説明】
11,12・・コイル, 13,14・・抵抗,
15・・・電圧電流変換回路, 16・・・電位差積分コンデンサ,
17,17’・・スイッチング回路, 18・・・パルス発振回路,
19・・・アナログスイッチ, 1a,1b・・電圧比較器,
1c,1d・・・出力,
21・・・高レベル区間, 22・・・低レベル区間,
23・・・インダクタンス電圧, 24・・・所定の電圧,
25・・・電圧比較器出力パルス, 26・・・出力波形,
27・・・微小間隔パルス, 28・・・時間,
31・・・コイル11と抵抗13の接続点,
32・・・コイル12と抵抗14の接続点,
33・・・電源,
41・・・AD変換器,
51・・・マイクロコンピュータ,
61,62,63・・・インダクタンス電圧,
71・・・通電開始から所定電圧到達時点までの時間とインダクタンス差の関係,
72・・・領域,
81・・・基準電圧生成回路, 82・・・中点相当部電位,
83・・・基準電位, 84,85・・接続点,
86・・・抵抗, 87・・・コンデンサ,
88,89・・・接続点,
91・・・ヒステリシスを有する電圧比較器,
92・・・フリップフロップ, 93・・・単安定マルチバイイブレータ,
94・・・カウンタ, 95・・・マイクロコンピュータ,
96,97・・・フリップフロップの相補的な出力,
101,102・・インダクタンス電圧,
103・・・第一の所定電圧, 104・・・第二の所定電圧,
105・・・インダクタンス電圧, 106・・・第一の所定電圧,
107・・・電圧比較器出力, 108・・・単安定マルチバイブレータ出力,
109・・・フリップフロップ出力97の波形,
10a,10b・・カウンタ出力波形, 10c・・・微小間隔パルス,
111・・・中点, 112・・・低域フィルタ,
121・・・検出コイル, 122・・・参照コイル,
123・・・検出部, 124・・・磁気コア,
131・・・検出回路部, 132・・・不揮発メモリ,
133・・・初期設定制御部, 134・・・アクチュエータ,
135・・・試験基準片, 136・・・移動方向を示す矢印,
181,182・・検出コイル, 183・・・被検体,
184・・・移動方向, 185・・・磁束,
186・・・時間, 187・・・インダクタンス差,
188,189,18a・・インダクタンス差波形,
191,192・・検出コイル, 193・・・被検体,
194・・・移動方向, 195・・・時間,
196・・・インダクタンス差,
197,198,199・・インダクタンス差波形
201・・・検出コイル, 202・・・参照コイル,
203・・・ドリルの刃部, 204・・・ドリルの平坦部

Claims (19)

  1. 一つ或いは二つのコイルと抵抗及び或いはコンデンサを含みパルス状通電に対応してコイル両端に現れる検出電位差或いは二つのコイルのインダクタンス差に対応する検出電位差を出力するRLC回路と,検出電位差を入力とする積分回路とより構成し,積分回路はRLC回路のパルス状通電に応じて現れる前記検出電位差を積分して前記インダクタンス或いは二つのコイルのインダクタンス差に比例するインダクタンス電圧を出力として得,このインダクタンス電圧からコイルのインダクタンス或いは二つのコイルのインダクタンス差を識別する事を特徴とするインダクタンス検出回路
  2. 請求項1記載のインダクタンス検出回路に於いて,前記積分回路を電圧電流変換回路と電位差積分コンデンサとで構成し,電圧電流変換回路は前記検出電位差を対応する電流に変換して電位差積分コンデンサを充電し,検出電位差の積分値に相当するインダクタンス電圧をコンデンサ端子に得る事を特徴とするインダクタンス検出回路
  3. 請求項1或いは2記載のインダクタンス検出回路に於いて,更に電圧比較器と,第一及び第二のレベルを有するパルス列を発振するパルス発振回路とを有して構成され,パルス列の第一のレベルで前記RLC回路に通電し,積分回路は検出電位差を積分してインダクタンス電圧として出力し,パルス列の第二のレベルで積分回路のインダクタンス電圧をリセットせしめるよう構成し,電圧比較器はインダクタンス電圧が所定の値を越えることを検知出力することでコイルのインダクタンス或いは二つのコイルのインダクタンス差を識別する事を特徴とするインダクタンス検出回路
  4. 請求項1或いは2記載のインダクタンス検出回路に於いて,更にサンプルホールド回路或いはAD変換器よりなる電圧出力手段と,第一及び第二のレベルを有するパルス列を発振するパルス発振回路とより構成され,パルス列の第一のレベルでRLC回路に通電し,積分回路は検出電位差を積分してインダクタンス電圧として出力し,パルス列の第二のレベルで積分回路のインダクタンス電圧をリセットせしめるよう構成し,電圧出力手段はパルス列の第一のレベルの終端でインダクタンス電圧を保持或いはディジタル変換して出力することでコイルのインダクタンス或いは二つのコイルのインダクタンス差を識別する事を特徴とするインダクタンス検出回路
  5. 請求項1或いは2記載のインダクタンス検出回路に於いて,更に電圧比較器と,第一及び第二のレベルを有するパルス列を発振するパルス発振回路と,識別制御部とより構成され,パルス列の第一のレベルでRLC回路に通電し,積分回路は検出電位差を積分してインダクタンス電圧として出力し,パルス列の第二のレベルで積分回路のインダクタンス電圧をリセットせしめるよう構成し,電圧比較器はインダクタンス電圧が所定の値に到達する所定電圧到達時点を検出し,識別制御部は通電開始から所定電圧到達時点までの時間を微小間隔パルスで計数することによりコイルのインダクタンス或いは二つのコイルのインダクタンス差を識別する事を特徴とするインダクタンス検出回路
  6. 請求項1或いは2或いは3或いは4或いは5記載のインダクタンス検出回路に於いて,ただ一つのコイルを含んでそのコイルのインダクタンスを検出するためのRLC回路は抵抗とコイルとスイッチング回路との直列回路或いは抵抗とコイルの直列回路にスイッチング回路をコイルに並列接続或いは抵抗とコイルの並列接続回路にスイッチング回路を直列に接続して通電制御をすると共にコイル両端間の電位差を検出電位差としたことを特徴とするインダクタンス検出回路
  7. 請求項1或いは2或いは3或いは4或いは5記載のインダクタンス検出回路に於いて,二つのコイルのインダクタンス差を検出するためのRLC回路は抵抗とコイルの直列回路を二組並列接続してスイッチング回路を直列接続或いは前記二組の並列回路のコイルそれぞれにスイッチング回路を並列に接続或いは抵抗及びコイルの並列回路二組にスイッチング回路を直列接続する構成として通電制御し,それぞれの抵抗とコイルとの接続点間の電位差を検出電位差としたことを特徴とするインダクタンス検出回路
  8. 請求項1或いは2或いは3或いは4或いは5記載のインダクタンス検出回路に於いて,二つのコイルのインダクタンス差を検出するためのRLC回路は二つのコイルの直列接続を基本に抵抗を更に直列に挿入或いはそれぞれのコイルに抵抗を並列に接続して構成し,通電はRLC回路に直列に接続するスイッチング回路で行い,二つのコイル間の中点相当部電位と基準電位との電位差を検出電位差としたことを特徴とするインダクタンス検出回路
  9. 請求項1或いは2記載のインダクタンス検出回路に於いて,更にヒステリシス特性を有する電圧比較器と,電圧比較器に接続されるフリップフロップと,識別制御部を有して構成され,前記検出電位差は積分回路に入力されると共にRLC回路の両端はそれぞれフリップフロップの相補的な出力に対応する電源に接続され,積分回路はフリップフロップ回路の状態切り替えにより通電方向を反転された後にRLC回路を流れる過度的な電流に応じて変動する前記検出電位差を積分して前記インダクタンス或いは二つのコイルのインダクタンス差に比例するインダクタンス電圧を得,第一及び第二の所定電位を有する電圧比較器はこのインダクタンス電圧が第一の所定電位に達すると出力を低レベルに,第二の所定電位に達すると出力を高レベルに変え,フリップフロップは電圧比較器出力の立ち上がり及び立ち下がり端で出力を反転させることで前記インダクタンス或いは二つのコイルのインダクタンス差に対応する周期のパルス列を出力する自励発振回路を構成し,識別制御部はパルス列の周期を直接或いはカウントダウンした後に微小間隔パルス計数でコイルのインダクタンス或いは二つのコイルのインダクタンス差を識別する事を特徴とするインダクタンス検出回路
  10. 請求項9記載のインダクタンス検出回路に於いて,ただ一つのコイルを含んでそのコイルのインダクタンスを検出するためのRLC回路は抵抗とコイルの直列接続としてコイル両端間の電位差を検出電位差としたことを特徴とするインダクタンス検出回路
  11. 請求項9記載のインダクタンス検出回路に於いて,二つのコイルのインダクタンス差を検出するためのRLC回路は抵抗とコイルとの直列回路を二つ並列に接続して構成し,それぞれの抵抗とコイルとの接続点間の電位差を検出電位差としたことを特徴とするインダクタンス検出回路
  12. 請求項9記載のインダクタンス検出回路に於いて,二つのコイルのインダクタンス差を検出するためのRLC回路は検出回路と基準電位回路とで構成し,検出回路は二つのコイルの直列接続を基本に抵抗を更に直列に挿入或いはそれぞれのコイルに抵抗を並列に接続して構成し,基準電位回路はコイル間の中点に近い電位を基準電位として生成し,検出回路内の二つのコイル間の中点相当部電位と基準電位との電位差を検出電位差としたことを特徴とするインダクタンス検出回路
  13. 請求項12記載のインダクタンス検出回路に於いて,基準電位回路は検出回路内の二つのコイル間の中点相当部電位から低域フィルタを介して基準電位を生成し,前記中点相当部電位と基準電位との電位差を検出電位差としたことを特徴とするインダクタンス検出回路
  14. 請求項9から13記載の何れかのインダクタンス検出回路に於いて,二つのコイルのインダクタンス差を検出する場合に電圧比較器出力の立ち上がり或いは立ち下がり端でのフリップフロップ出力レベルの状態から二つのコイルのインダクタンス大小関係を識別することを特徴とするインダクタンス検出回路
  15. 請求項9から14記載の何れかのインダクタンス検出回路に於いて,所定の時間内に電圧比較器出力が変わらずフリップフロップ出力が同一状態を継続する場合には強制的にフリップフロップ出力を反転せしめる手段を有する事を特徴とするインダクタンス検出回路
  16. 可動体の位置によりインダクタンスの変わる検出コイルを少なくとも一つ有して請求項1から15記載の何れかのインダクタンス検出回路を有し,一つのコイルのインダクタンス変化或いは二つのコイルのインダクタンス差変化を検出して可動体の位置を検出することを特徴とする位置検出装置
  17. 請求項16記載の位置検出装置に於いて,二つのほぼ同一なコイルの一方を可動体の位置によりインダクタンスの変化する検出コイル,他方をインダクタンス不変の参照コイルとし,積分回路はゲイン切り替え可能に構成し,検出コイルのインダクタンスが参照コイルに比して大と検出している間は積分回路のゲインを小に切り替えて磁性体或いは導体よりなる可動体の検知可能距離をほぼ同一に調整可能としたことを特徴とする位置検出装置
  18. 二つのコイルを含む検出部と,磁性体或いは導体を含む被検体と検出部とを相対的に移動走査せしめる走査手段と,請求項1から15記載の何れかのインダクタンス検出回路を有し,走査手段は被検体を二つのコイルの発生磁界内に置きながら検出部と相対的に移動走査させ,二つのコイルを相互に参照コイルとしてコイル間のインダクタンス差の変化を検知する事により磁性体或いは導体の欠陥或いは有無を高感度で識別検知することを特徴とする導体の欠陥或いは有無の識別検査装置
  19. 回転軸に印可されるトルクによりインダクタンスの変わる検出コイルを少なくとも一つ有して請求項1から15記載の何れかのインダクタンス検出回路を有し,一つのコイルのインダクタンス変化或いは二つのコイルのインダクタンス差変化を検出してトルクの大きさを識別することを特徴とするトルクセンサ
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014007629A (ja) * 2012-06-26 2014-01-16 Kyushu Institute Of Technology 近接センサ
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