JP2004184257A - 二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路及びそれを用いた位置検出装置及び導体の欠陥或いは有無の識別検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】二つの抵抗,コイル,コンデンサ等の微小定数差を検出出来る回路を提案し,それを用いた位置検出装置,導体の欠陥或いは有無の識別検査装置等を実現提供する。
【解決手段】二組のほぼ同一のRLC回路に同時に通電制御し,過度応答の差を通電切り替えの時点から所定の過度応答電位差となるまでの時間幅に変換してその時間幅を微小間隔パルスを計数してディジタル化する。二組のRLC回路の定数差が小であるほど前記時間幅は大となり,ディジタル化により拡大して識別出来る。それらの検出回路を位置検出装置,導体の欠陥或いは有無の識別検査装置に利用して検出感度を著しく向上させることが出来る。
【選択図】 図1
【解決手段】二組のほぼ同一のRLC回路に同時に通電制御し,過度応答の差を通電切り替えの時点から所定の過度応答電位差となるまでの時間幅に変換してその時間幅を微小間隔パルスを計数してディジタル化する。二組のRLC回路の定数差が小であるほど前記時間幅は大となり,ディジタル化により拡大して識別出来る。それらの検出回路を位置検出装置,導体の欠陥或いは有無の識別検査装置に利用して検出感度を著しく向上させることが出来る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は,二組の抵抗,コイル,コンデンサ等の微小差検出回路及びそれを用いた位置検出装置,導体の欠陥或いは有無の識別検査装置に拘わり,特に二つの抵抗の微小差,或いはコイルの微小インダクタンス差,或いはコンデンサの微小容量差を十分な分解能で識別検出する回路,その検出回路を用いた磁性体或いは導体の位置を検知する位置検出装置及び導体の欠陥或いは有無の識別検査装置に拘わる。
【0002】
【従来の技術】
抵抗,コイル,コンデンサ等の精密な測定はインピーダンスブリッジを用いて基準となる抵抗,コイル,コンデンサ等とそれぞれ比較測定する。しかし,それらの測定手段に於いて,基準素子と被検査素子の値の差と出力電圧は線形に比例するので両者の差が微小である時には出力もまた微小で識別が困難であった。またそれらはアナログ信号でのレベル差検定であり,ディジタル化するには高精度のAD変換器を要して低コスト化は困難であった。
【0003】
実際の応用面ではこれら抵抗,コイル,コンデンサ等の各定数の微小な変化検知を要請されることは多々存在する。例えば,渦電流式の近接センサでは可能な限り遠距離から対象の接近を検知しようとすると,インダクタンスの微小な変化検知が重要である。また,位置制御系において,対象の位置をそれぞれ二つの抵抗,或いは二つのコイル,或いは二つのコンデンサ等で検知平衡させている例では平衡位置からの微小な変化を十分な分解能で知ることが重要となる。またさらに金属体の傷欠陥の探知,或いは食品及び衣料品等での金属異物検知等は何れもコイルの微小インダクタンス変化を探知しており,それらの装置に於いて,二つの検出コイルを相互に参照コイルとして差動的に用いれば二つのコイルの微小インダクタンス差を高分解能で検知することが重要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は,二つの抵抗の微小差,或いは二つのコイルの微小インダクタンス差,或いは二つのコンデンサの微小容量差を低コストで検出出来る回路を提案し,それを用いた位置検出装置,導体の欠陥或いは有無の識別検査装置等を実現提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に規定する本発明による二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路は,抵抗にコイル或いはコンデンサを接続した二組のほぼ同一のRLC回路と,スイッチング回路と,電位差検出回路と,識別制御部とより構成され,スイッチング回路は二組のRLC回路が同時に順次通電,非通電となるよう駆動し,電位差検出回路は二組のRLC回路において抵抗とコイル或いはコンデンサとの接続点間における過度応答電位差が所定の値を越える所定電位差到達時点を検出し,識別制御部は通電と非通電の切り替え時点から所定電位差到達時点までの時間を微小間隔パルスを計数することにより抵抗或いはコイル或いはコンデンサの定数差を検知する事を特徴とする。
【0006】
二組のほぼ同一のRLC回路に同時に通電制御し,過度応答の差を通電切り替えの時点から所定の過度応答電位差となるまでの時間幅に変換してその時間幅を微小間隔パルスを計数してディジタル化する。二組のRLC回路の定数差が小であるほど前記時間幅は大となり,ディジタル化により拡大して識別できる特徴がある。
【0007】
請求項2に規定する本発明による二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路は,請求項1記載の検出回路に於いて,二組のRLC回路の通電或いは非通電の区間内の前記所定電位差到達時点から逆の状態である一定時間幅の通電或いは非通電の区間を置く事として抵抗或いはコイル或いはコンデンサの定数差によって周期の変わるパルス列を出力し,識別制御部はパルス列の周期を直接或いはカウントダウンした後に微小間隔パルス計数により抵抗或いはコイル或いはコンデンサの定数差を検知する事を特徴とする。
【0008】
請求項1記載の検出回路での前記時間幅に対応する周期を有するパルス列に変換し,カウントダウン後の微小間隔パルス計数でさらに識別分解能向上を可能にする。
【0009】
請求項3に規定する本発明による二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路は,過度応答差検出のための電位差検出回路は前記所定の値を正及び負でそれぞれ異なる電位差として独立に設定できる事を特徴とする。
【0010】
請求項4から7に規定する本発明による二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路は,二組のRLC回路及びスイッチング回路との具体的な接続構成を規定する。
【0011】
請求項8に規定する本発明による位置検出装置は,二組の抵抗及びコイルよりなるRLC回路の少なくとも一方のコイルは可動部の位置によりインダクタンスの変わる検出コイルとして請求項1から7記載の何れかの二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路を有し,インダクタンス差から可動体の位置を検出することを特徴とする。
【0012】
請求項9に規定する本発明による位置検出装置は,それぞれの位置検出装置毎に少なくとも2点の予め定められた基準位置に対応して得られるインダクタンス差を基準検出位置とし,基準位置に対応して出力する基準位置情報と基準検出位置のテーブルを不揮発メモリ内に記憶し,可動体の検出位置をインダクタンス差から得る毎に前記不揮発メモリに記憶された基準位置情報と基準検出位置のテーブルを参照して検知された可動体の検出位置を位置情報に変換することを特徴とする。
【0013】
それぞれの位置検出装置には微小な差が有り,また電位差検出回路には所定の電位差に関して精密な設定を必要とするが,製造直後の初期設定過程で学習させることにより位置検出装置個々の精密な調整を不要として低コスト化を実現する。
【0014】
請求項10に規定する本発明による導体の欠陥或いは有無の識別検査装置は,二組の抵抗及びコイルよりなるRLC回路を構成する二つのコイルを含む検出部と,磁性体或いは導体を含む被検体と検出部とを相対的に移動走査せしめる走査手段と,請求項1から7記載の何れかの二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路を有し,走査手段は被検体を二つのコイルの発生磁界内に置きながら検出部と相対的に移動走査させ,二つのコイルを相互に参照コイルとしてコイル間のインダクタンス差の変化を検知する事により磁性体或いは導体の欠陥或いは有無を高感度で識別検知することを特徴とする。
【0015】
請求項11に規定する導体の欠陥或いは有無の識別検査装置は,請求項10において,検出部を構成する二つのコイルは被検体が相対的に移動走査される方向に沿って配置され,被検体の欠陥或いは有無により現れるダイパルス波形を認識することにより識別精度を向上させたことを特徴とする。
【0016】
【作用】
以上に説明した本発明は概略的には請求項1から7項で規定する第一の本発明グループである二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路,請求項8,9項で規定する第二の本発明グループである位置検出装置,請求項10,11項で規定する第三の本発明グループである導体の欠陥或いは有無の識別検査装置で構成される。
【0017】
第一の本発明グループの二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路は,二組のほぼ同一のRLC回路に同時に通電制御し,過度応答の差を通電切り替えの時点から所定の過度応答電位差となるまでの時間幅に変換してその時間幅を微小間隔パルスを計数してディジタル化する。二組のRLC回路の定数差が小であるほど前記時間幅は大となり,ディジタル化により拡大して識別できる特徴がある。
【0018】
第二の本発明のグループの位置検出装置は,第一の本発明グループの二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路を用い,少なくとも一方のコイルは可動体の位置によってインダクタンスを変えるとし,温度による影響を最小限として遠距離から可動体位置を検出できる。
【0019】
第三の本発明グループである導体の欠陥或いは有無の識別検査装置は,二つのコイルを相互に参照コイルとしてコイル間のインダクタンス差の変化を検知する事により磁性体或いは導体の欠陥或いは有無を高感度で識別検知出来る。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明による二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路及びそれを用いた位置検出装置及び導体の欠陥或いは有無の識別検査装置について,その実施例及び原理作用等を図面を参照しながら説明する。図1から図8までを用いて二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路を,図9から図15までを用いて位置検出装置を,導体の欠陥或いは有無の識別検査装置の例として図16を用いて磁気探傷装置を,図17を用いて金属異物識別検査装置等の実施例を説明する。
【0021】
図1は,本発明の第一の実施例を示し,二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路の具体例として二つのコイルの微小差検出回路を示す。同図に於いて,二つのコイル11,12はそれぞれ抵抗13,14と直列接続されて二組のRL回路を形成し,さらにそれぞれのRL回路は並列接続されてスイッチング回路15により通電制御が行われる。番号16は矩形波発振回路を示し,その出力パルス列17の高レベルの区間でスイッチング回路15は二組のRL回路に通電し,電位差検出回路18,19はそれぞれ異なった極性で二組のRL回路に於けるコイル11,12と抵抗13,14の接続点間の電位差を監視し,所定の電位差を越えた時点で高レベルのパルスを出力するよう設定されている。二つの電位差検出回路18,19はそれぞれ正負の電位差を検出するよう設定され,正負それぞれで所定の電位差を異なるよう設定しても良い。二つの電位差検出回路18,19の出力はまとめられて所定電位差到達出力1aとしてカウンタ1bに入力され,カウンタ1bは出力パルス列17の立ち上がり端から所定電位差到達出力1aの立ち上がり端迄の時間を微小間隔パルス(図2(d)に示す)を計数して二つのコイル11,12間のインダクタンス差をディジタル化し検知する。
【0022】
同図において,Eは電源電圧を示し,スイッチング回路15はオープンコレクタタイプのインバータ素子で形成している。また電位差検出回路18,19において,所定の電位差はアンプの利得を制御するよう構成している。
【0023】
図2は図1の実施例各所の信号波形を示し,第一の実施例の動作原理を説明するための図である。図2(a)は発振回路16の出力パルス列17を示し,出力パルス列17の高レベル区間で二組のRL回路に通電する。抵抗13とコイル11及び抵抗14とコイル12には同時に矩形波電圧が加えられ,それぞれの回路定数が同じで有れば抵抗とコイル接続点間の電位差は生じないが,異なる場合には図2(b)の番号21で示されるような電位差が発生する。この電位差の最大値は二つのコイル11,12のインダクタンス差に比例するので電位差検出回路18,19において番号22で示す所定の電位差を設定することにより図2(c)に番号1aで示すような出力を得ることが出来る。図2(b)においては正極性側の所定の電位差のみを示したが,実際には負極性側にも図1の例では設定されている。図2(d)は微小間隔のパルス列23を示し,カウンタ1bは出力パルス列17の立ち上がり端から所定電位差到達出力1aの立ち上がり端迄の時間24を微小間隔パルス23で計数識別する。
【0024】
図3はさらに第一の実施例の動作原理を説明するための図で,コイル31と抵抗32との直列回路にスイッチング回路33により通電する構成を示している。番号34は電源を番号35はコイル31と抵抗32との接続点を示す。同図において,スイッチング回路33により通電すると,コイル31のインダクタンスにより直ちに電流は流れないが,徐々に電流は増大して一定値に至る過度現象は良く知られた事実である。ここにほぼ同じ定数を有するもう一組のコイル36,抵抗37の直列回路を並列に接続し,それぞれのコイル・抵抗の接続点間の電位差を見ると,ΔV〜E(ΔL/L)(Rt/L)*exp(−Rt/L)で表される。但し,電位差はΔV,電源電圧をE,二つの抵抗32,37の抵抗値を同じR,二つのコイル31,36のインダクタンスはそれぞれL,L+ΔL,時間をtで表している。このΔVの波形は図2(b)に番号21で示してあり,最大値はE*exp(−1)*(ΔL/L)で近似される。
【0025】
所定の電位差をvで表し,ΔV=vとなる時間TをΔLは微小として近似的に求めると,T〜定数1+定数2*(v/E)*(L/ΔL)と表される。時間TはΔLに反比例する事になり,この関係から直ちに判明するようにΔLが大では時間Tの変化は小さくなって識別が困難になるが,ΔLが小さいほど時間Tの変化は急速に大となり,第一の実施例で示すように時間Tを微小間隔パルスで計数識別することにより小さなΔLを拡大して識別することが出来ることを示している。すなわち,第一の実施例は二つのコイルの微小なインダクタンス差を識別できることを示している。
【0026】
以上に説明したように第一の実施例によれば,二つのコイルの微小なインダクタンス差を拡大して識別できるが,インダクタンス差はディジタル値で得られることに着目すればその識別精度をさらに高める事が出来る。すなわち,識別制御部としてカウンタ16にマイクロコンピュータを加えて微小間隔パルス計数結果の再現性判断を行い,ディジタル的な閾値を任意に変えて確認することによりインダクタンス差の検定を更に確かにすることが出来る。これも本発明の利点である。
【0027】
図4は,本発明の第二の実施例を示し,二つのコイルの微小差検出回路を示す。同図に於いて,二つのコイル11,12はそれぞれ抵抗13,14と直列接続されて二組のRL回路を形成し,さらにそれぞれのRL回路は並列接続されてスイッチング回路15により通電制御が行われる。電位差検出回路18,19は図1に示した第一の実施例と同じくコイル11と抵抗13の接続点及びコイル12と抵抗14の接続点間の電位差を監視する。ナンド素子44,45はフリップフロップを構成し,フリップフロップ出力46によりスイッチング回路15を通電制御する。
【0028】
フリップフロップ出力46は,電位差検出回路18,19により得た所定電位差到達出力49,識別制御部であるマイクロコンピュータ4aの出力4bによりリセットされ,リセットされたフリップフロップ出力46が遅延素子4cによる遅延出力によってセットされるよう構成してある。マイクロコンピュータ4aの出力4bによるフリップフロップ出力46のリセットはコイル11と抵抗13の接続点及びコイル12と抵抗14の接続点間の電位差が所定の時間内に電位差検出回路18,19に設定した所定の電位差に到達しない場合に行われる。
【0029】
フリップフロップ出力46は電位差検出回路18,19により得た所定電位差到達時間と遅延素子4cの遅延時間の和を周期とするパルス列となり,カウンタ4dによりカウントダウンしてそのカウントダウン出力4eをマイクロコンピュータ4a内のカウンタにより微小間隔パルスを計数してフリップフロップ出力46の周期を識別し,コイル11とコイル12のインダクタンス差を識別検知する。どちらのインダクタンスが大であったかは電位差検出回路18,19の出力47,48で識別する。
【0030】
図5は図4の実施例各所の信号波形を示し,第二の実施例の動作を説明するための図である。図5(a)はフリップフロップ出力46の波形を示し,図5(b)はコイル11と抵抗13の接続点及びコイル12と抵抗14の接続点間の電位差波形52,54を示し,番号53は電位差検出回路18,19に設定された所定の電位差を示す。
【0031】
フリップフロップ出力46が高レベルでスイッチング回路15によりコイル11と抵抗13の直列回路及びコイル12と抵抗14の直列回路に通電し,それらの素子定数間に差がある場合には番号54に示す波形がコイル11と抵抗13の接続点及びコイル12と抵抗14の接続点間の電位差として現れる。所定の電位差53に達するとその極性により電位差検出回路18或いは19の何れかが作動し,図5(c)に示す所定電位差到達出力49によりフリップフロップ出力46をリセットする。リセットされたフリップフロップ出力46は遅延素子4cによる遅延時間後にナンド素子45に入力してフリップフロップ出力46を高レベルにセットし,スイッチング回路15を通電させる。
【0032】
コイル11と抵抗13の接続点及びコイル12と抵抗14の接続点間の電位差波形が番号54に示すように所定の電位差レベルに達しない場合は,所定電位差到達出力49によるフリップフロップ出力46のリセットはされず,番号51で示すよう高レベルを継続し,所定の時間後にマイクロコンピュータ4aにより図5(d)に示す出力4bによりリセットされる。
【0033】
フリップフロップ出力46は電位差検出回路18,19により得た所定電位差到達時間と遅延素子4cの遅延時間の和を周期とするパルス列となり,カウンタ4dに入力されて図5(e),(f)に示すようカウントダウンされてそのカウントダウン出力4eはマイクロコンピュータ4aに入力され,内蔵のカウンターにより図5(g)に示す微小間隔パルスを計数識別してコイル11,12のインダクタンス差をディジタル化し検知する。
【0034】
図6は図4に示す第二の実施例に於いて,フリップフロップ出力46の周期Tとコイル11,12のインダクタンス差ΔLとの関係を示す。第一の実施例に関して説明したように周期TはΔLに逆比例する関係にあるが,第二の実施例ではΔLが大になると番号62に示すような値に漸近する。この値はフリップフロップ出力46の低レベルの時間幅,遅延素子4cの遅延時間に関係し,出来るだけ小とすることが望ましい。コイルと並列に接続してダイオード41,42はこの目的で配置してある。識別可能なΔLの最大値は時間識別に利用する微小間隔パルスの周期により,またΔLの最小値は電位差検出回路18,19の利得,或いはマイクロコンピュータ4aによってフリップフロップ出力46をリセットするまでの時間で制約を受ける。番号63は測定可能な範囲を示す。
【0035】
第二の実施例では,二つのコイルのインダクタンス差に対応する周期を有するパルス列を出力するのでカウントダウン後に微小間隔パルスで計数する事により識別分解能を向上できる特徴がある。
【0036】
図7は図1,図4で示した二組のRL回路及びスイッチング回路の接続回路とは異なる構成の回路例を示す。図7(a)に示す本発明の第三の実施例はコイル11と抵抗13の直列回路にスイッチング回路71が接続され,コイル12と抵抗14の直列回路にスイッチング回路72が接続されている。スイッチング回路をそれぞれ独立とした点が図1,図4の例と異なり,温度情報を得るために利用することが出来る。スイッチング回路71,72の出力端子間に接続した抵抗73,コンデンサ74は通電直後のインパルス的な電位差を吸収するために接続してある。
【0037】
図7(b)に示す本発明の第四の実施例はコイル11,12に並列にスイッチング回路75,76を接続した例で電源電圧が小さく限定されている場合に適している。
【0038】
図7(c)に示す第五の実施例はコイルと抵抗の並列回路にそれぞれスイッチング回路77,78を接続した例でこれも電源電圧が小さく限定されている場合に適している。
【0039】
図8は,本発明の第六の実施例を示し,二つのコンデンサの微小な容量差を検出できる二つのコンデンサの微小差検出回路を示す。同図に於いて,二つのコンデンサ81,82はそれぞれ抵抗83,84と直列接続されて二組のRC回路を形成し,さらにそれぞれのRC回路のコンデンサ81,82にはスイッチング回路85,86が並列接続されて通電制御が行われる。番号89は矩形波発振回路を示し,その出力パルス列8aの高レベルの区間でスイッチング回路85,86はコンデンサ81,82の電荷を放電させ,低レベルの区間で抵抗83,84を介してそれぞれのコンデンサ81,82を充電させる。電位差検出回路87,88は二組のRC回路に於けるコンデンサ81,82と抵抗83,84の接続点間のそれぞれ異なる極性の電位差を監視し,所定の電位差を越えた時点で高レベルの出力となるよう設定されている。二つの電位差検出回路87,88はそれぞれ正負の電位差を検出するよう設定され,正負それぞれで所定の電位差を異なるよう設定しても良い。二つの電位差検出回路87,88の出力はまとめられて所定電位差到達出力8bとしてカウンタ8cに入力され,カウンタ8cは出力パルス列8aの立ち上がり端から所定電位差到達出力8bの立ち上がり端迄の時間を微小間隔パルス(図示せず)を計数して二つのコンデンサ81,82間の容量差を識別検知する。
【0040】
同図において,Eは電源電圧を示し,スイッチング回路85,86はオープンコレクタタイプのインバータ素子で形成している。また電位差検出回路87,88において,所定の電位差はアンプの利得を制御するよう構成している。
【0041】
図8に示す第六の実施例は二つのコンデンサの微小容量差を検出する例であるが,第一の実施例で説明した二つのコイルの例と同様に二組のRC回路に於けるコンデンサ81,82と抵抗83,84の接続点間の電位差の最大値は近似的に(ΔC/C)に比例し,またその電位差が所定の値vとなるまでの時間も同様に近似的に(C/ΔC)に比例する。したがって,第一,第二の実施例を用いて行った二つのほぼ等しいコイル間のインダクタンス差検出回路についての説明は第六の実施例に示す二つのコンデンサの容量差検出回路についても適用でき,微小な容量差の検出に適している。第六の実施例は図1に示す第一の実施例に類似しているが,さらに図4に示す第二の実施例と同様に構成して識別分解能を向上することも可能である。
【0042】
以上,図1から図7までを用いて二つのコイルのインダクタンス差検出回路を,図8を用いて二つのコンデンサの容量差の検出回路を説明した。これらの例において,抵抗は常に一定としたが,逆にコイルのインダクタンスが一定,或いはコンデンサの容量が一定とすれば,上記の例はそのままコイル或いはコンデンサと接続した二つの抵抗の差を検出する回路となる。その場合でも二組のRL回路の抵抗とコイルとの接続点間,或いは二組のRC回路の抵抗とコンデンサとの接続点間の電位差の最大値は(ΔR/R)に比例し,その電位差が所定の値となるまでの時間は同様に(R/ΔR)に比例する。全く同じ動作原理で図1から図8までを用いて説明した実施例を用いて二つの抵抗の微小差検出回路とすることが出来る。
【0043】
図9は本発明の第七の実施例である位置検出装置を示す。斜線部で示す磁気コアに巻回された検出コイル91と参照コイル92とは同一仕様で構成してある。検出コイル91には抵抗13を直列に接続し,参照コイル92には抵抗14を直列に接続して二組のRL回路は並列に接続してスイッチング回路15を接続してある。電位差検出回路18,19,発振回路16,カウンタ1b等,図1に示す回路で構成している。
【0044】
検出コイル91と参照コイル92とはほぼ同じインダクタンスを有するよう構成されているが,検出コイル91にアルミニウム,銅等の導体,或いは鉄,フェライト等の磁性体が近接すると,そのインダクタンスは変化し,図1を用いて説明した動作原理に従って参照コイル92のインダクタンスと差が生じたことが検知される。
【0045】
位置検出装置の一つの応用である近接センサにおいては,近接する物体を出来るだけ遠距離から検知することが望ましいが,従来は温度変化による検出コイル91の定数変動,或いは回路定数変動等により制限を受けていたが,図9に示す構成では検出コイル91と参照コイル92とを同一仕様で構成して同じ温度環境に置き,その差の有無を識別検知しているので温度変動の影響を受け難い。
【0046】
導体が検出コイル91に近接すると渦電流効果によりそのインダクタンスを低下させ,逆に磁性体が近接するとインダクタンスを増加させる。インダクタンス増減の方向は逆であるのでそれぞれを検知可能に電位差検出回路18,19が用意され,それぞれに設定する所定の電位差レベルは独立に設定できる。また検出コイル91のインダクタンスが参照コイル92のそれとの大小は電位差検出回路18,19の出力により識別でき,その結果とカウンタ1bの計数値とを考慮して判断することにすれば,電位差検出回路18,19による所定の電位差設定レベルは同一でも導体及び磁性体双方何れの近接検知にも使用できる。
【0047】
図10は本発明の第八の実施例である位置検出装置を示す。斜線部で示す磁気コアに巻回された検出コイル91と参照コイル92とは同一仕様で構成してある。検出コイル91には抵抗13を直列に接続し,参照コイル92には抵抗14を直列に接続して二組のRL回路は並列接続してスイッチング回路15を接続してある。回路構成は基本的に図4に示す検出回路と同じである。
【0048】
図10に示す位置検出装置の検出コイル91に導体或いは磁性体が近接した時にはインダクタンスが変化し,参照コイル92のインダクタンスとの差を検知してインダクタンス差に対応するディジタル値を得る動作原理は既に図4を用いて説明したのでここでは省略し,以下に図11から図15までを用いて第八の実施例が精密な位置検出装置として動作させ得ることを説明する。
【0049】
図11は本発明による位置検出装置で初期設定を行うための機能ブロック図を示す。同図に於いて,位置検出装置は図10に示した検出コイル91,参照コイル92よりなる検出部と,検出回路部111とで構成され,製造後の初期設定を行うために初期設定制御部113,アクチュエータ114が接続されている。検出回路部111は図10に示す検出回路であり,番号112はマイクロコンピュータ4a内,或いは周囲に接続されている不揮発メモリを示す。
【0050】
初期設定制御部113の指示でアクチュエータ114は磁性体或いは導体よりなる試験基準片115を矢印116で示す方向に駆動し,検出コイル91から予め決めた基準位置に位置決めし,マイクロコンピュータ4aは微小間隔パルス計数した結果を基準ディジタル位置としてメモリ112に記憶させる。
【0051】
図12は図11に示した初期設定システムにおける動作フローの概略を示して初期設定システムの説明を補足するための図である。同図に示すように製造後の初期設定プロセスでは,[1.]でNを基準位置の指標として初期値N=1とし,[2.]で初期設定制御部113の指示でアクチュエータ114が試験基準片115を予め定めたN番目の基準位置pNに移動させる。[3.]でマイクロコンピュータ4aにより得られた基準ディジタル位置QNを不揮発性のメモリ112に記憶させる。さらに[4.]で所定個数の基準位置での設定を終了したか否か確認し,未だで有ればNを1増加させて[2.]へ,終了で有れば[5.]へ進む。
【0052】
[5.]ではメモリに記憶された基準ディジタル位置QNの妥当性を検証し,矛盾がなければテーブルとして完成し終了する。これで位置検出装置製造後の初期設定は終了であり,この過程では検出部も検出回路部111も調整作業は不要である。
【0053】
位置検出装置の通常の計測時では,[6.]で未知の可動体位置pXに対応してマイクロコンピュータ4aはディジタル位置QXを検知し,[7.]でメモリ112に記憶した基準ディジタル位置QNのテーブルを元に位置情報PXを補間,算出する。
【0054】
図13は上記説明で用いた用語を整理するために示してある。すなわち本発明の位置検出装置に於いて試験基準片115の位置を示す量は物理層の値として「位置」として示し,位置検出装置内で「位置」に対応して算出されたディジタル値を論理層の値として「ディジタル位置」とする。この「ディジタル位置」は「位置」に対応する値であるが,位置検出装置に於ける基準位置,変換ゲイン等を考慮していないので個々の位置検出装置によって異なる値となる。「位置情報」は表示層の値で「位置」に対応して基準位置,変換ゲイン等を考慮して外部に出力する値である。「ディジタル位置」は図14で説明されるテーブルを用いて「位置情報」に変換される。
【0055】
物理層に於ける「基準位置」は論理層では「基準ディジタル位置」,表示層では「基準位置情報」として示している。
【0056】
P1,P2,,PNは試験基準片115の各基準位置p1,p2,,pNに対応して出力すべき基準位置情報である。すなわち,8ビットで表示するとして16進表示でP1はゼロ点で「00」,PNは「FF」とするように設定する。p1,p2,,pNは物理層の値,P1,P2,,PNは表示層の値となる。
【0057】
図14は図12の[5.]で作成した基準ディジタル位置QNのテーブルを示し,P1,P2,P3,P4は基準位置p1,p2,p3,p4に対して出力すべき基準位置情報であり,Q1,Q2,Q3,Q4はそれに対して得られた基準ディジタル位置,実質は微小間隔パルスの計数値である。
【0058】
図15は,マイクロコンピュータ4aによってインダクタンス差を検出して位置を検知するプログラム例をフローチャートで示した例であり,図12に示した通常の使用時のステップ[6.],[7.]をさらに詳しく説明する。
【0059】
[1.]のステップで電位差検出回路18,19の出力47,48の信号を参照して,検出コイル91と参照コイル92とのインダクタンスの大小関係を知り,[2.]のステップにおいて,マイクロコンピュータ4a内のカウンタを用いてパルス周期Tを微小間隔パルス列で計数してディジタル位置QXを得る。[3.]でQXを前回の値と比較検証し,それらの差が予め定めた所定の値以上で有れば異常として[5.]で処理し,所定の値以下で有れば正常として[4.]のステップに進む。
【0060】
[4.]ではディジタル位置QXとメモリ112内のテーブルとからQXに対応する位置情報PXを補間,算出する。
【0061】
[5.]はQX及び検出コイル91と参照コイル92とのインダクタンスの大小関係認識の異常処理ルーチンであり,それらを過去の履歴と比較検証して過去の変動履歴から異常状態の頻度,連続性等を調べて偶発的な誤りか,固定的な誤りかを判断する。誤りが確率的であり,頻度も少なければ偶発性と判断して[1.]に進んで計測を繰り返す。誤りの頻度が高く,連続性が高いと判断すれば固定障害と見なして[6.]で上位システムに警告し,計測作業を停止する。
【0062】
図16は本発明の第九の実施例を導体の欠陥或いは有無の識別検査装置の具体的な例として磁気探傷装置の概略構成を示す。図16(a)は検出部概略を,図16(b)は出力のダイパルス(dipulse)波形をそれぞれ示す。同図に於いて,磁気探傷装置は2つの検出コイル161,162と,検出回路111と,図示していない走査機構手段と等から構成され,2つの検出コイル161,162は検査対象となる金属の被検体163に近接して配置され,被検体163は走査機構手段により矢印164に沿ってが移動させられる。検出回路111は図10に示すと同じ検出回路としているので検出回路111の具体的な内容と動作原理の説明は省略する。
【0063】
検出回路111は検出コイル161,162をパルス的に断続通電してパルス状磁束165を発生させる。パルス状磁束165は金属である被検体163の表面から内部に浸透しようとするが,被検体163表面には磁束の変化を妨げるような方向に渦電流が流れ,検出コイル161,162のインダクタンスを見かけ上減少させる。ここで被検体163表面に傷が存在すると前記渦電流は流れにくくなり,検出コイル161,162のインダクタンスの減少傾向は弱められ,見かけ上のインダクタンスは増大する。そして被検体163表面の傷が検出コイル161の磁界分布内に有れば検出コイル161のインダクタンスが通常より大となる。
【0064】
磁気探傷装置では本来有ってはならない傷或いは欠陥等の有無を確認する装置であるから当然に傷或いは欠陥の密度は低く,仮に検出コイル161の真下に傷が存在しても検出コイル162の真下の被検体163面にも傷が存在する確率は非常に小さい筈である。逆もまた同様である。図16(a)に示す検出回路111は検出コイル161,162のインダクタンス差の検出回路を基本にしているので互いに他方の検出コイル側を基準としながら被検体163の傷,欠陥有無を検査することになる。留意すべきは検出コイル161,162と被検体163との関係を出来るだけ同一条件に維持しながら相対的に移動させる走査機構手段とすることである。
【0065】
本実施例で検出コイル161,162の配列は被検体163の移動方向164に沿っている。したがって,もし被検体163表面に傷があり,検出コイル161のインダクタンス変化として検知された場合,被検体163の移動時間,検出コイル161,162間の距離によって決まる時間の後には検出コイル162にもインダクタンスの変化として現れる筈である。図16(b)は検出回路111で検知されたインダクタンス差の変化の様子を示している。横軸166は時間を,縦軸167はインダクタンス差を示す。番号168は被検体163表面に傷が無く,検出コイル161,162のインダクタンスが平衡な場合の出力レベルを示している。番号169,16aはそれぞれ被検体163表面の傷が検出コイル161のインダクタンスを変化させ,次に検出コイル162のインダクタンスを変化させた事を示す。傷のサイズ,検出コイル161,162のサイズ,相対位置関係にも依存するが,インダクタンス差の変化は図16(b)のように2つのパルスが連続したダイパルス(dipulse)波形として現れる。
【0066】
本発明の磁気探傷装置に於いて,2つの検出コイル161,162と被検体163との配置条件は同一とすべきであるが,上に示したようにダイパルス波形が現れることを前提として磁気探傷装置を構成すれば,2つの検出コイル161,162と被検体163との配列条件を緩和できるし,またノイズ等妨害信号に対して検出確認の精度を向上できる。
【0067】
図17は本発明の第十の実施例を導体の欠陥或いは有無の識別検査装置の具体的な例として金属異物検出装置を示す。食品中の金属異物,或いは衣服製品中の金属針等の検出確認に使用される。2つの検出コイル171,172はその面が平行にならないよう互いに傾けて配置され,検出コイル171,172を含む検出回路111で構成している。被検体173は2つの検出コイル171,172を挿通して番号174で示されるよう移動させる。検出回路111は図10に示す第八の実施例と同じとして詳細説明は省略する。
【0068】
この金属異物検出装置は本来有ってはならない食品中の金属異物或いは衣服中に残された金属針等が存在しないことを確認するのが主目的であるから,それら金属異物或いは金属針等は希にしか存在しない。図17(a)に示す検出装置は検出コイル171,172のインダクタンス差検出回路を基本にしているので互いに他方の検出コイル側を基準参照としながら被検体173中の金属異物或いは金属針等有無を検査することになる。この点は第九の実施例に示した磁気探傷装置と考え方は同様である。
【0069】
金属異物が検出コイル171或いは172のフィールド中に存在すると,渦電流効果によりその検出コイルのインダクタンスを減少せしめる。金属異物が磁性体であると逆にインダクタンスを増大させる。したがって,金属異物が検出コイル171を,そして検出コイル172を通過したとするとそのインダクタンス変化の様子は図17(b)に示すようになる。番号177は検出コイル171,172に何ら金属異物が係わっていない時のインダクタンス差を示し,番号178は検出コイル171近傍に金属異物が存在して影響を及ぼしている時,番号179は検出コイル172近傍に金属異物が存在している時のインダクタンス差の様子を示す。図17(b)に示すように典型的なダイパルス波形とならなかったのは検出コイル171,172が互いに傾いていて金属異物の影響が異なるからである。識別制御部を構成するマイクロコンピュータ4aは番号177で示すインダクタンス差を基準にして変化するインダクタンス差のレベルを監視して金属異物の存在を検知する。その際,完全にではないが,番号178,179の変化の様子,被検体173の移動速度,検出コイル171,172間の距離等から確認することは可能でノイズ等の影響を軽減は出来る。番号175は時間を示す。
【0070】
このような金属異物検出装置に於いて,検出対象となる食品中の金属異物或いは衣服中に残された金属針等は必ずしも球形では無く,またそれが被検体172中に存在する方向も一様では無い。磁束の方向,交流磁束の周波数,金属異物のサイズ及び方向の分布等の間で検出に最適の条件は存在するが,常に維持する事は難しい。それらを確実に検出できるよう検出コイル171,172は互いに傾けて配置した。
【0071】
以上に実施例を用いて本発明の原理動作等を説明した。本実施例において,検出回路には説明を判りやすくするためにディジタル論理回路用の素子をできるだけ用いて実施例の検出回路を構成したが,スイッチング素子をトランジスタ単体,或いはインバータをトランジスタで置き換えるような変更を行っても上記実施例に相当する機能を持たせることは可能である。更に本発明による二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路は実施例で説明した以外の構成でも本発明の趣旨に基づいて具現化は可能である。また,位置検出装置はインダクタンス差検出を利用した近接センサについて説明したが,静電容量差検出を利用する方式にも適用可能である。更に二つの抵抗差を検出する例として精密温度検知器,温度検知式の流量計,風速計等が挙げられる。以上に述べたように本発明の趣旨を変えない範囲で材料,回路素子,構成の変更等が可能なことは当然であって上記の説明が本発明の範囲を限定するわけではない。
【0072】
【発明の効果】
以上,実施例を用いて説明したように本発明の二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路に依れば,二つの抵抗,二つのコイル,二つのコンデンサ間の微小定数差を拡大して識別できる事を示した。それらは位置検出装置,導体の欠陥或いは有無の識別検査装置への適用が特に有効であり,高感度で信頼性有る装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例である二つのコイルの微小差検出回路を示す。
【図2】図1の実施例各所の信号波形を示す。
【図3】原理説明のための回路図を示す。
【図4】本発明の第二の実施例である二つのコイルの微小差検出回路を示す。
【図5】図4の実施例各所の信号波形を示す。
【図6】パルス周期とインダクタンス差の関係を示す。
【図7】第三,四,五の実施例として各種のRL回路を示す。
【図8】本発明の第六の実施例である二つのコンデンサの微小差検出回路を示す。
【図9】本発明の第七の実施例である位置検出装置を示す。
【図10】本発明の第八の実施例である位置検出装置を示す。
【図11】本発明による位置検出装置で初期設定を行う為の機能ブロック図を示す。
【図12】初期設定システムにおける動作フローの概略を示す。
【図13】用語の定義を示す。
【図14】基準ディジタル位置のテーブルを示す。
【図15】図10のマイクロコンピュータ内のプログラムフロー例を示す。
【図16】本発明の第九の実施例である磁気探傷装置の概略構成を示す。
【図17】本発明の第十の実施例である金属異物検出装置を示す。
【符号の説明】
11,12・・コイル, 13,14・・抵抗,
15・・・スイッチング回路, 16・・・矩形波発振回路,
17・・・出力パルス列, 18,19・・電位差検出回路,
1a・・・所定電位差到達出力, 1b・・・カウンタ,
21・・・電位差波形, 22・・・所定の電位差,
23・・・微小間隔パルス列, 24・・・時間,
31,36・・コイル, 32,37・・抵抗,
33・・・スイッチング回路, 34・・・電源,
35,38・・接続点,
41,42・・・ダイオード, 44,45・・ナンド素子,
46・・・フリップフロップ出力, 47,48・・電位差検出回路の出力,
49・・・所定電位差到達出力, 4a・・・マイクロコンピュータ,
4b・・・出力, 4c・・・遅延素子,
4d・・・カウンタ, 4e・・・カウントダウン出力,
52,54・・電位差波形, 53・・・所定の電位差,
71,72,75,76,77,78・・コイル,
73・・・抵抗, 74・・・コンデンサ,
81,82・・コンデンサ, 83,84・・抵抗,
85,86・・スイッチング回路, 87,88・・電位差検出回路,
89・・・矩形波発振回路, 8a・・・出力パルス列,
8b・・・所定電位差到達出力, 8c・・・カウンタ,
91・・・検出コイル, 92・・・参照コイル,
93・・・磁気コア,
111・・・検出回路部, 112・・・不揮発メモリ,
113・・・初期設定制御部, 114・・・アクチュエータ,
115・・・試験基準片, 116・・・移動方向を示す矢印,
161,162・・検出コイル, 163・・・被検体,
164・・・移動方向, 165・・・磁束,
166・・・時間, 167・・・インダクタンス差,
168,169,16a・・インダクタンス差波形,
171,172・・検出コイル, 173・・・被検体,
174・・・移動方向, 175・・・時間,
176・・・インダクタンス差,
177,178,179・・インダクタンス差波形
【産業上の利用分野】
本発明は,二組の抵抗,コイル,コンデンサ等の微小差検出回路及びそれを用いた位置検出装置,導体の欠陥或いは有無の識別検査装置に拘わり,特に二つの抵抗の微小差,或いはコイルの微小インダクタンス差,或いはコンデンサの微小容量差を十分な分解能で識別検出する回路,その検出回路を用いた磁性体或いは導体の位置を検知する位置検出装置及び導体の欠陥或いは有無の識別検査装置に拘わる。
【0002】
【従来の技術】
抵抗,コイル,コンデンサ等の精密な測定はインピーダンスブリッジを用いて基準となる抵抗,コイル,コンデンサ等とそれぞれ比較測定する。しかし,それらの測定手段に於いて,基準素子と被検査素子の値の差と出力電圧は線形に比例するので両者の差が微小である時には出力もまた微小で識別が困難であった。またそれらはアナログ信号でのレベル差検定であり,ディジタル化するには高精度のAD変換器を要して低コスト化は困難であった。
【0003】
実際の応用面ではこれら抵抗,コイル,コンデンサ等の各定数の微小な変化検知を要請されることは多々存在する。例えば,渦電流式の近接センサでは可能な限り遠距離から対象の接近を検知しようとすると,インダクタンスの微小な変化検知が重要である。また,位置制御系において,対象の位置をそれぞれ二つの抵抗,或いは二つのコイル,或いは二つのコンデンサ等で検知平衡させている例では平衡位置からの微小な変化を十分な分解能で知ることが重要となる。またさらに金属体の傷欠陥の探知,或いは食品及び衣料品等での金属異物検知等は何れもコイルの微小インダクタンス変化を探知しており,それらの装置に於いて,二つの検出コイルを相互に参照コイルとして差動的に用いれば二つのコイルの微小インダクタンス差を高分解能で検知することが重要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は,二つの抵抗の微小差,或いは二つのコイルの微小インダクタンス差,或いは二つのコンデンサの微小容量差を低コストで検出出来る回路を提案し,それを用いた位置検出装置,導体の欠陥或いは有無の識別検査装置等を実現提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に規定する本発明による二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路は,抵抗にコイル或いはコンデンサを接続した二組のほぼ同一のRLC回路と,スイッチング回路と,電位差検出回路と,識別制御部とより構成され,スイッチング回路は二組のRLC回路が同時に順次通電,非通電となるよう駆動し,電位差検出回路は二組のRLC回路において抵抗とコイル或いはコンデンサとの接続点間における過度応答電位差が所定の値を越える所定電位差到達時点を検出し,識別制御部は通電と非通電の切り替え時点から所定電位差到達時点までの時間を微小間隔パルスを計数することにより抵抗或いはコイル或いはコンデンサの定数差を検知する事を特徴とする。
【0006】
二組のほぼ同一のRLC回路に同時に通電制御し,過度応答の差を通電切り替えの時点から所定の過度応答電位差となるまでの時間幅に変換してその時間幅を微小間隔パルスを計数してディジタル化する。二組のRLC回路の定数差が小であるほど前記時間幅は大となり,ディジタル化により拡大して識別できる特徴がある。
【0007】
請求項2に規定する本発明による二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路は,請求項1記載の検出回路に於いて,二組のRLC回路の通電或いは非通電の区間内の前記所定電位差到達時点から逆の状態である一定時間幅の通電或いは非通電の区間を置く事として抵抗或いはコイル或いはコンデンサの定数差によって周期の変わるパルス列を出力し,識別制御部はパルス列の周期を直接或いはカウントダウンした後に微小間隔パルス計数により抵抗或いはコイル或いはコンデンサの定数差を検知する事を特徴とする。
【0008】
請求項1記載の検出回路での前記時間幅に対応する周期を有するパルス列に変換し,カウントダウン後の微小間隔パルス計数でさらに識別分解能向上を可能にする。
【0009】
請求項3に規定する本発明による二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路は,過度応答差検出のための電位差検出回路は前記所定の値を正及び負でそれぞれ異なる電位差として独立に設定できる事を特徴とする。
【0010】
請求項4から7に規定する本発明による二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路は,二組のRLC回路及びスイッチング回路との具体的な接続構成を規定する。
【0011】
請求項8に規定する本発明による位置検出装置は,二組の抵抗及びコイルよりなるRLC回路の少なくとも一方のコイルは可動部の位置によりインダクタンスの変わる検出コイルとして請求項1から7記載の何れかの二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路を有し,インダクタンス差から可動体の位置を検出することを特徴とする。
【0012】
請求項9に規定する本発明による位置検出装置は,それぞれの位置検出装置毎に少なくとも2点の予め定められた基準位置に対応して得られるインダクタンス差を基準検出位置とし,基準位置に対応して出力する基準位置情報と基準検出位置のテーブルを不揮発メモリ内に記憶し,可動体の検出位置をインダクタンス差から得る毎に前記不揮発メモリに記憶された基準位置情報と基準検出位置のテーブルを参照して検知された可動体の検出位置を位置情報に変換することを特徴とする。
【0013】
それぞれの位置検出装置には微小な差が有り,また電位差検出回路には所定の電位差に関して精密な設定を必要とするが,製造直後の初期設定過程で学習させることにより位置検出装置個々の精密な調整を不要として低コスト化を実現する。
【0014】
請求項10に規定する本発明による導体の欠陥或いは有無の識別検査装置は,二組の抵抗及びコイルよりなるRLC回路を構成する二つのコイルを含む検出部と,磁性体或いは導体を含む被検体と検出部とを相対的に移動走査せしめる走査手段と,請求項1から7記載の何れかの二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路を有し,走査手段は被検体を二つのコイルの発生磁界内に置きながら検出部と相対的に移動走査させ,二つのコイルを相互に参照コイルとしてコイル間のインダクタンス差の変化を検知する事により磁性体或いは導体の欠陥或いは有無を高感度で識別検知することを特徴とする。
【0015】
請求項11に規定する導体の欠陥或いは有無の識別検査装置は,請求項10において,検出部を構成する二つのコイルは被検体が相対的に移動走査される方向に沿って配置され,被検体の欠陥或いは有無により現れるダイパルス波形を認識することにより識別精度を向上させたことを特徴とする。
【0016】
【作用】
以上に説明した本発明は概略的には請求項1から7項で規定する第一の本発明グループである二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路,請求項8,9項で規定する第二の本発明グループである位置検出装置,請求項10,11項で規定する第三の本発明グループである導体の欠陥或いは有無の識別検査装置で構成される。
【0017】
第一の本発明グループの二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路は,二組のほぼ同一のRLC回路に同時に通電制御し,過度応答の差を通電切り替えの時点から所定の過度応答電位差となるまでの時間幅に変換してその時間幅を微小間隔パルスを計数してディジタル化する。二組のRLC回路の定数差が小であるほど前記時間幅は大となり,ディジタル化により拡大して識別できる特徴がある。
【0018】
第二の本発明のグループの位置検出装置は,第一の本発明グループの二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路を用い,少なくとも一方のコイルは可動体の位置によってインダクタンスを変えるとし,温度による影響を最小限として遠距離から可動体位置を検出できる。
【0019】
第三の本発明グループである導体の欠陥或いは有無の識別検査装置は,二つのコイルを相互に参照コイルとしてコイル間のインダクタンス差の変化を検知する事により磁性体或いは導体の欠陥或いは有無を高感度で識別検知出来る。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明による二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路及びそれを用いた位置検出装置及び導体の欠陥或いは有無の識別検査装置について,その実施例及び原理作用等を図面を参照しながら説明する。図1から図8までを用いて二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路を,図9から図15までを用いて位置検出装置を,導体の欠陥或いは有無の識別検査装置の例として図16を用いて磁気探傷装置を,図17を用いて金属異物識別検査装置等の実施例を説明する。
【0021】
図1は,本発明の第一の実施例を示し,二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路の具体例として二つのコイルの微小差検出回路を示す。同図に於いて,二つのコイル11,12はそれぞれ抵抗13,14と直列接続されて二組のRL回路を形成し,さらにそれぞれのRL回路は並列接続されてスイッチング回路15により通電制御が行われる。番号16は矩形波発振回路を示し,その出力パルス列17の高レベルの区間でスイッチング回路15は二組のRL回路に通電し,電位差検出回路18,19はそれぞれ異なった極性で二組のRL回路に於けるコイル11,12と抵抗13,14の接続点間の電位差を監視し,所定の電位差を越えた時点で高レベルのパルスを出力するよう設定されている。二つの電位差検出回路18,19はそれぞれ正負の電位差を検出するよう設定され,正負それぞれで所定の電位差を異なるよう設定しても良い。二つの電位差検出回路18,19の出力はまとめられて所定電位差到達出力1aとしてカウンタ1bに入力され,カウンタ1bは出力パルス列17の立ち上がり端から所定電位差到達出力1aの立ち上がり端迄の時間を微小間隔パルス(図2(d)に示す)を計数して二つのコイル11,12間のインダクタンス差をディジタル化し検知する。
【0022】
同図において,Eは電源電圧を示し,スイッチング回路15はオープンコレクタタイプのインバータ素子で形成している。また電位差検出回路18,19において,所定の電位差はアンプの利得を制御するよう構成している。
【0023】
図2は図1の実施例各所の信号波形を示し,第一の実施例の動作原理を説明するための図である。図2(a)は発振回路16の出力パルス列17を示し,出力パルス列17の高レベル区間で二組のRL回路に通電する。抵抗13とコイル11及び抵抗14とコイル12には同時に矩形波電圧が加えられ,それぞれの回路定数が同じで有れば抵抗とコイル接続点間の電位差は生じないが,異なる場合には図2(b)の番号21で示されるような電位差が発生する。この電位差の最大値は二つのコイル11,12のインダクタンス差に比例するので電位差検出回路18,19において番号22で示す所定の電位差を設定することにより図2(c)に番号1aで示すような出力を得ることが出来る。図2(b)においては正極性側の所定の電位差のみを示したが,実際には負極性側にも図1の例では設定されている。図2(d)は微小間隔のパルス列23を示し,カウンタ1bは出力パルス列17の立ち上がり端から所定電位差到達出力1aの立ち上がり端迄の時間24を微小間隔パルス23で計数識別する。
【0024】
図3はさらに第一の実施例の動作原理を説明するための図で,コイル31と抵抗32との直列回路にスイッチング回路33により通電する構成を示している。番号34は電源を番号35はコイル31と抵抗32との接続点を示す。同図において,スイッチング回路33により通電すると,コイル31のインダクタンスにより直ちに電流は流れないが,徐々に電流は増大して一定値に至る過度現象は良く知られた事実である。ここにほぼ同じ定数を有するもう一組のコイル36,抵抗37の直列回路を並列に接続し,それぞれのコイル・抵抗の接続点間の電位差を見ると,ΔV〜E(ΔL/L)(Rt/L)*exp(−Rt/L)で表される。但し,電位差はΔV,電源電圧をE,二つの抵抗32,37の抵抗値を同じR,二つのコイル31,36のインダクタンスはそれぞれL,L+ΔL,時間をtで表している。このΔVの波形は図2(b)に番号21で示してあり,最大値はE*exp(−1)*(ΔL/L)で近似される。
【0025】
所定の電位差をvで表し,ΔV=vとなる時間TをΔLは微小として近似的に求めると,T〜定数1+定数2*(v/E)*(L/ΔL)と表される。時間TはΔLに反比例する事になり,この関係から直ちに判明するようにΔLが大では時間Tの変化は小さくなって識別が困難になるが,ΔLが小さいほど時間Tの変化は急速に大となり,第一の実施例で示すように時間Tを微小間隔パルスで計数識別することにより小さなΔLを拡大して識別することが出来ることを示している。すなわち,第一の実施例は二つのコイルの微小なインダクタンス差を識別できることを示している。
【0026】
以上に説明したように第一の実施例によれば,二つのコイルの微小なインダクタンス差を拡大して識別できるが,インダクタンス差はディジタル値で得られることに着目すればその識別精度をさらに高める事が出来る。すなわち,識別制御部としてカウンタ16にマイクロコンピュータを加えて微小間隔パルス計数結果の再現性判断を行い,ディジタル的な閾値を任意に変えて確認することによりインダクタンス差の検定を更に確かにすることが出来る。これも本発明の利点である。
【0027】
図4は,本発明の第二の実施例を示し,二つのコイルの微小差検出回路を示す。同図に於いて,二つのコイル11,12はそれぞれ抵抗13,14と直列接続されて二組のRL回路を形成し,さらにそれぞれのRL回路は並列接続されてスイッチング回路15により通電制御が行われる。電位差検出回路18,19は図1に示した第一の実施例と同じくコイル11と抵抗13の接続点及びコイル12と抵抗14の接続点間の電位差を監視する。ナンド素子44,45はフリップフロップを構成し,フリップフロップ出力46によりスイッチング回路15を通電制御する。
【0028】
フリップフロップ出力46は,電位差検出回路18,19により得た所定電位差到達出力49,識別制御部であるマイクロコンピュータ4aの出力4bによりリセットされ,リセットされたフリップフロップ出力46が遅延素子4cによる遅延出力によってセットされるよう構成してある。マイクロコンピュータ4aの出力4bによるフリップフロップ出力46のリセットはコイル11と抵抗13の接続点及びコイル12と抵抗14の接続点間の電位差が所定の時間内に電位差検出回路18,19に設定した所定の電位差に到達しない場合に行われる。
【0029】
フリップフロップ出力46は電位差検出回路18,19により得た所定電位差到達時間と遅延素子4cの遅延時間の和を周期とするパルス列となり,カウンタ4dによりカウントダウンしてそのカウントダウン出力4eをマイクロコンピュータ4a内のカウンタにより微小間隔パルスを計数してフリップフロップ出力46の周期を識別し,コイル11とコイル12のインダクタンス差を識別検知する。どちらのインダクタンスが大であったかは電位差検出回路18,19の出力47,48で識別する。
【0030】
図5は図4の実施例各所の信号波形を示し,第二の実施例の動作を説明するための図である。図5(a)はフリップフロップ出力46の波形を示し,図5(b)はコイル11と抵抗13の接続点及びコイル12と抵抗14の接続点間の電位差波形52,54を示し,番号53は電位差検出回路18,19に設定された所定の電位差を示す。
【0031】
フリップフロップ出力46が高レベルでスイッチング回路15によりコイル11と抵抗13の直列回路及びコイル12と抵抗14の直列回路に通電し,それらの素子定数間に差がある場合には番号54に示す波形がコイル11と抵抗13の接続点及びコイル12と抵抗14の接続点間の電位差として現れる。所定の電位差53に達するとその極性により電位差検出回路18或いは19の何れかが作動し,図5(c)に示す所定電位差到達出力49によりフリップフロップ出力46をリセットする。リセットされたフリップフロップ出力46は遅延素子4cによる遅延時間後にナンド素子45に入力してフリップフロップ出力46を高レベルにセットし,スイッチング回路15を通電させる。
【0032】
コイル11と抵抗13の接続点及びコイル12と抵抗14の接続点間の電位差波形が番号54に示すように所定の電位差レベルに達しない場合は,所定電位差到達出力49によるフリップフロップ出力46のリセットはされず,番号51で示すよう高レベルを継続し,所定の時間後にマイクロコンピュータ4aにより図5(d)に示す出力4bによりリセットされる。
【0033】
フリップフロップ出力46は電位差検出回路18,19により得た所定電位差到達時間と遅延素子4cの遅延時間の和を周期とするパルス列となり,カウンタ4dに入力されて図5(e),(f)に示すようカウントダウンされてそのカウントダウン出力4eはマイクロコンピュータ4aに入力され,内蔵のカウンターにより図5(g)に示す微小間隔パルスを計数識別してコイル11,12のインダクタンス差をディジタル化し検知する。
【0034】
図6は図4に示す第二の実施例に於いて,フリップフロップ出力46の周期Tとコイル11,12のインダクタンス差ΔLとの関係を示す。第一の実施例に関して説明したように周期TはΔLに逆比例する関係にあるが,第二の実施例ではΔLが大になると番号62に示すような値に漸近する。この値はフリップフロップ出力46の低レベルの時間幅,遅延素子4cの遅延時間に関係し,出来るだけ小とすることが望ましい。コイルと並列に接続してダイオード41,42はこの目的で配置してある。識別可能なΔLの最大値は時間識別に利用する微小間隔パルスの周期により,またΔLの最小値は電位差検出回路18,19の利得,或いはマイクロコンピュータ4aによってフリップフロップ出力46をリセットするまでの時間で制約を受ける。番号63は測定可能な範囲を示す。
【0035】
第二の実施例では,二つのコイルのインダクタンス差に対応する周期を有するパルス列を出力するのでカウントダウン後に微小間隔パルスで計数する事により識別分解能を向上できる特徴がある。
【0036】
図7は図1,図4で示した二組のRL回路及びスイッチング回路の接続回路とは異なる構成の回路例を示す。図7(a)に示す本発明の第三の実施例はコイル11と抵抗13の直列回路にスイッチング回路71が接続され,コイル12と抵抗14の直列回路にスイッチング回路72が接続されている。スイッチング回路をそれぞれ独立とした点が図1,図4の例と異なり,温度情報を得るために利用することが出来る。スイッチング回路71,72の出力端子間に接続した抵抗73,コンデンサ74は通電直後のインパルス的な電位差を吸収するために接続してある。
【0037】
図7(b)に示す本発明の第四の実施例はコイル11,12に並列にスイッチング回路75,76を接続した例で電源電圧が小さく限定されている場合に適している。
【0038】
図7(c)に示す第五の実施例はコイルと抵抗の並列回路にそれぞれスイッチング回路77,78を接続した例でこれも電源電圧が小さく限定されている場合に適している。
【0039】
図8は,本発明の第六の実施例を示し,二つのコンデンサの微小な容量差を検出できる二つのコンデンサの微小差検出回路を示す。同図に於いて,二つのコンデンサ81,82はそれぞれ抵抗83,84と直列接続されて二組のRC回路を形成し,さらにそれぞれのRC回路のコンデンサ81,82にはスイッチング回路85,86が並列接続されて通電制御が行われる。番号89は矩形波発振回路を示し,その出力パルス列8aの高レベルの区間でスイッチング回路85,86はコンデンサ81,82の電荷を放電させ,低レベルの区間で抵抗83,84を介してそれぞれのコンデンサ81,82を充電させる。電位差検出回路87,88は二組のRC回路に於けるコンデンサ81,82と抵抗83,84の接続点間のそれぞれ異なる極性の電位差を監視し,所定の電位差を越えた時点で高レベルの出力となるよう設定されている。二つの電位差検出回路87,88はそれぞれ正負の電位差を検出するよう設定され,正負それぞれで所定の電位差を異なるよう設定しても良い。二つの電位差検出回路87,88の出力はまとめられて所定電位差到達出力8bとしてカウンタ8cに入力され,カウンタ8cは出力パルス列8aの立ち上がり端から所定電位差到達出力8bの立ち上がり端迄の時間を微小間隔パルス(図示せず)を計数して二つのコンデンサ81,82間の容量差を識別検知する。
【0040】
同図において,Eは電源電圧を示し,スイッチング回路85,86はオープンコレクタタイプのインバータ素子で形成している。また電位差検出回路87,88において,所定の電位差はアンプの利得を制御するよう構成している。
【0041】
図8に示す第六の実施例は二つのコンデンサの微小容量差を検出する例であるが,第一の実施例で説明した二つのコイルの例と同様に二組のRC回路に於けるコンデンサ81,82と抵抗83,84の接続点間の電位差の最大値は近似的に(ΔC/C)に比例し,またその電位差が所定の値vとなるまでの時間も同様に近似的に(C/ΔC)に比例する。したがって,第一,第二の実施例を用いて行った二つのほぼ等しいコイル間のインダクタンス差検出回路についての説明は第六の実施例に示す二つのコンデンサの容量差検出回路についても適用でき,微小な容量差の検出に適している。第六の実施例は図1に示す第一の実施例に類似しているが,さらに図4に示す第二の実施例と同様に構成して識別分解能を向上することも可能である。
【0042】
以上,図1から図7までを用いて二つのコイルのインダクタンス差検出回路を,図8を用いて二つのコンデンサの容量差の検出回路を説明した。これらの例において,抵抗は常に一定としたが,逆にコイルのインダクタンスが一定,或いはコンデンサの容量が一定とすれば,上記の例はそのままコイル或いはコンデンサと接続した二つの抵抗の差を検出する回路となる。その場合でも二組のRL回路の抵抗とコイルとの接続点間,或いは二組のRC回路の抵抗とコンデンサとの接続点間の電位差の最大値は(ΔR/R)に比例し,その電位差が所定の値となるまでの時間は同様に(R/ΔR)に比例する。全く同じ動作原理で図1から図8までを用いて説明した実施例を用いて二つの抵抗の微小差検出回路とすることが出来る。
【0043】
図9は本発明の第七の実施例である位置検出装置を示す。斜線部で示す磁気コアに巻回された検出コイル91と参照コイル92とは同一仕様で構成してある。検出コイル91には抵抗13を直列に接続し,参照コイル92には抵抗14を直列に接続して二組のRL回路は並列に接続してスイッチング回路15を接続してある。電位差検出回路18,19,発振回路16,カウンタ1b等,図1に示す回路で構成している。
【0044】
検出コイル91と参照コイル92とはほぼ同じインダクタンスを有するよう構成されているが,検出コイル91にアルミニウム,銅等の導体,或いは鉄,フェライト等の磁性体が近接すると,そのインダクタンスは変化し,図1を用いて説明した動作原理に従って参照コイル92のインダクタンスと差が生じたことが検知される。
【0045】
位置検出装置の一つの応用である近接センサにおいては,近接する物体を出来るだけ遠距離から検知することが望ましいが,従来は温度変化による検出コイル91の定数変動,或いは回路定数変動等により制限を受けていたが,図9に示す構成では検出コイル91と参照コイル92とを同一仕様で構成して同じ温度環境に置き,その差の有無を識別検知しているので温度変動の影響を受け難い。
【0046】
導体が検出コイル91に近接すると渦電流効果によりそのインダクタンスを低下させ,逆に磁性体が近接するとインダクタンスを増加させる。インダクタンス増減の方向は逆であるのでそれぞれを検知可能に電位差検出回路18,19が用意され,それぞれに設定する所定の電位差レベルは独立に設定できる。また検出コイル91のインダクタンスが参照コイル92のそれとの大小は電位差検出回路18,19の出力により識別でき,その結果とカウンタ1bの計数値とを考慮して判断することにすれば,電位差検出回路18,19による所定の電位差設定レベルは同一でも導体及び磁性体双方何れの近接検知にも使用できる。
【0047】
図10は本発明の第八の実施例である位置検出装置を示す。斜線部で示す磁気コアに巻回された検出コイル91と参照コイル92とは同一仕様で構成してある。検出コイル91には抵抗13を直列に接続し,参照コイル92には抵抗14を直列に接続して二組のRL回路は並列接続してスイッチング回路15を接続してある。回路構成は基本的に図4に示す検出回路と同じである。
【0048】
図10に示す位置検出装置の検出コイル91に導体或いは磁性体が近接した時にはインダクタンスが変化し,参照コイル92のインダクタンスとの差を検知してインダクタンス差に対応するディジタル値を得る動作原理は既に図4を用いて説明したのでここでは省略し,以下に図11から図15までを用いて第八の実施例が精密な位置検出装置として動作させ得ることを説明する。
【0049】
図11は本発明による位置検出装置で初期設定を行うための機能ブロック図を示す。同図に於いて,位置検出装置は図10に示した検出コイル91,参照コイル92よりなる検出部と,検出回路部111とで構成され,製造後の初期設定を行うために初期設定制御部113,アクチュエータ114が接続されている。検出回路部111は図10に示す検出回路であり,番号112はマイクロコンピュータ4a内,或いは周囲に接続されている不揮発メモリを示す。
【0050】
初期設定制御部113の指示でアクチュエータ114は磁性体或いは導体よりなる試験基準片115を矢印116で示す方向に駆動し,検出コイル91から予め決めた基準位置に位置決めし,マイクロコンピュータ4aは微小間隔パルス計数した結果を基準ディジタル位置としてメモリ112に記憶させる。
【0051】
図12は図11に示した初期設定システムにおける動作フローの概略を示して初期設定システムの説明を補足するための図である。同図に示すように製造後の初期設定プロセスでは,[1.]でNを基準位置の指標として初期値N=1とし,[2.]で初期設定制御部113の指示でアクチュエータ114が試験基準片115を予め定めたN番目の基準位置pNに移動させる。[3.]でマイクロコンピュータ4aにより得られた基準ディジタル位置QNを不揮発性のメモリ112に記憶させる。さらに[4.]で所定個数の基準位置での設定を終了したか否か確認し,未だで有ればNを1増加させて[2.]へ,終了で有れば[5.]へ進む。
【0052】
[5.]ではメモリに記憶された基準ディジタル位置QNの妥当性を検証し,矛盾がなければテーブルとして完成し終了する。これで位置検出装置製造後の初期設定は終了であり,この過程では検出部も検出回路部111も調整作業は不要である。
【0053】
位置検出装置の通常の計測時では,[6.]で未知の可動体位置pXに対応してマイクロコンピュータ4aはディジタル位置QXを検知し,[7.]でメモリ112に記憶した基準ディジタル位置QNのテーブルを元に位置情報PXを補間,算出する。
【0054】
図13は上記説明で用いた用語を整理するために示してある。すなわち本発明の位置検出装置に於いて試験基準片115の位置を示す量は物理層の値として「位置」として示し,位置検出装置内で「位置」に対応して算出されたディジタル値を論理層の値として「ディジタル位置」とする。この「ディジタル位置」は「位置」に対応する値であるが,位置検出装置に於ける基準位置,変換ゲイン等を考慮していないので個々の位置検出装置によって異なる値となる。「位置情報」は表示層の値で「位置」に対応して基準位置,変換ゲイン等を考慮して外部に出力する値である。「ディジタル位置」は図14で説明されるテーブルを用いて「位置情報」に変換される。
【0055】
物理層に於ける「基準位置」は論理層では「基準ディジタル位置」,表示層では「基準位置情報」として示している。
【0056】
P1,P2,,PNは試験基準片115の各基準位置p1,p2,,pNに対応して出力すべき基準位置情報である。すなわち,8ビットで表示するとして16進表示でP1はゼロ点で「00」,PNは「FF」とするように設定する。p1,p2,,pNは物理層の値,P1,P2,,PNは表示層の値となる。
【0057】
図14は図12の[5.]で作成した基準ディジタル位置QNのテーブルを示し,P1,P2,P3,P4は基準位置p1,p2,p3,p4に対して出力すべき基準位置情報であり,Q1,Q2,Q3,Q4はそれに対して得られた基準ディジタル位置,実質は微小間隔パルスの計数値である。
【0058】
図15は,マイクロコンピュータ4aによってインダクタンス差を検出して位置を検知するプログラム例をフローチャートで示した例であり,図12に示した通常の使用時のステップ[6.],[7.]をさらに詳しく説明する。
【0059】
[1.]のステップで電位差検出回路18,19の出力47,48の信号を参照して,検出コイル91と参照コイル92とのインダクタンスの大小関係を知り,[2.]のステップにおいて,マイクロコンピュータ4a内のカウンタを用いてパルス周期Tを微小間隔パルス列で計数してディジタル位置QXを得る。[3.]でQXを前回の値と比較検証し,それらの差が予め定めた所定の値以上で有れば異常として[5.]で処理し,所定の値以下で有れば正常として[4.]のステップに進む。
【0060】
[4.]ではディジタル位置QXとメモリ112内のテーブルとからQXに対応する位置情報PXを補間,算出する。
【0061】
[5.]はQX及び検出コイル91と参照コイル92とのインダクタンスの大小関係認識の異常処理ルーチンであり,それらを過去の履歴と比較検証して過去の変動履歴から異常状態の頻度,連続性等を調べて偶発的な誤りか,固定的な誤りかを判断する。誤りが確率的であり,頻度も少なければ偶発性と判断して[1.]に進んで計測を繰り返す。誤りの頻度が高く,連続性が高いと判断すれば固定障害と見なして[6.]で上位システムに警告し,計測作業を停止する。
【0062】
図16は本発明の第九の実施例を導体の欠陥或いは有無の識別検査装置の具体的な例として磁気探傷装置の概略構成を示す。図16(a)は検出部概略を,図16(b)は出力のダイパルス(dipulse)波形をそれぞれ示す。同図に於いて,磁気探傷装置は2つの検出コイル161,162と,検出回路111と,図示していない走査機構手段と等から構成され,2つの検出コイル161,162は検査対象となる金属の被検体163に近接して配置され,被検体163は走査機構手段により矢印164に沿ってが移動させられる。検出回路111は図10に示すと同じ検出回路としているので検出回路111の具体的な内容と動作原理の説明は省略する。
【0063】
検出回路111は検出コイル161,162をパルス的に断続通電してパルス状磁束165を発生させる。パルス状磁束165は金属である被検体163の表面から内部に浸透しようとするが,被検体163表面には磁束の変化を妨げるような方向に渦電流が流れ,検出コイル161,162のインダクタンスを見かけ上減少させる。ここで被検体163表面に傷が存在すると前記渦電流は流れにくくなり,検出コイル161,162のインダクタンスの減少傾向は弱められ,見かけ上のインダクタンスは増大する。そして被検体163表面の傷が検出コイル161の磁界分布内に有れば検出コイル161のインダクタンスが通常より大となる。
【0064】
磁気探傷装置では本来有ってはならない傷或いは欠陥等の有無を確認する装置であるから当然に傷或いは欠陥の密度は低く,仮に検出コイル161の真下に傷が存在しても検出コイル162の真下の被検体163面にも傷が存在する確率は非常に小さい筈である。逆もまた同様である。図16(a)に示す検出回路111は検出コイル161,162のインダクタンス差の検出回路を基本にしているので互いに他方の検出コイル側を基準としながら被検体163の傷,欠陥有無を検査することになる。留意すべきは検出コイル161,162と被検体163との関係を出来るだけ同一条件に維持しながら相対的に移動させる走査機構手段とすることである。
【0065】
本実施例で検出コイル161,162の配列は被検体163の移動方向164に沿っている。したがって,もし被検体163表面に傷があり,検出コイル161のインダクタンス変化として検知された場合,被検体163の移動時間,検出コイル161,162間の距離によって決まる時間の後には検出コイル162にもインダクタンスの変化として現れる筈である。図16(b)は検出回路111で検知されたインダクタンス差の変化の様子を示している。横軸166は時間を,縦軸167はインダクタンス差を示す。番号168は被検体163表面に傷が無く,検出コイル161,162のインダクタンスが平衡な場合の出力レベルを示している。番号169,16aはそれぞれ被検体163表面の傷が検出コイル161のインダクタンスを変化させ,次に検出コイル162のインダクタンスを変化させた事を示す。傷のサイズ,検出コイル161,162のサイズ,相対位置関係にも依存するが,インダクタンス差の変化は図16(b)のように2つのパルスが連続したダイパルス(dipulse)波形として現れる。
【0066】
本発明の磁気探傷装置に於いて,2つの検出コイル161,162と被検体163との配置条件は同一とすべきであるが,上に示したようにダイパルス波形が現れることを前提として磁気探傷装置を構成すれば,2つの検出コイル161,162と被検体163との配列条件を緩和できるし,またノイズ等妨害信号に対して検出確認の精度を向上できる。
【0067】
図17は本発明の第十の実施例を導体の欠陥或いは有無の識別検査装置の具体的な例として金属異物検出装置を示す。食品中の金属異物,或いは衣服製品中の金属針等の検出確認に使用される。2つの検出コイル171,172はその面が平行にならないよう互いに傾けて配置され,検出コイル171,172を含む検出回路111で構成している。被検体173は2つの検出コイル171,172を挿通して番号174で示されるよう移動させる。検出回路111は図10に示す第八の実施例と同じとして詳細説明は省略する。
【0068】
この金属異物検出装置は本来有ってはならない食品中の金属異物或いは衣服中に残された金属針等が存在しないことを確認するのが主目的であるから,それら金属異物或いは金属針等は希にしか存在しない。図17(a)に示す検出装置は検出コイル171,172のインダクタンス差検出回路を基本にしているので互いに他方の検出コイル側を基準参照としながら被検体173中の金属異物或いは金属針等有無を検査することになる。この点は第九の実施例に示した磁気探傷装置と考え方は同様である。
【0069】
金属異物が検出コイル171或いは172のフィールド中に存在すると,渦電流効果によりその検出コイルのインダクタンスを減少せしめる。金属異物が磁性体であると逆にインダクタンスを増大させる。したがって,金属異物が検出コイル171を,そして検出コイル172を通過したとするとそのインダクタンス変化の様子は図17(b)に示すようになる。番号177は検出コイル171,172に何ら金属異物が係わっていない時のインダクタンス差を示し,番号178は検出コイル171近傍に金属異物が存在して影響を及ぼしている時,番号179は検出コイル172近傍に金属異物が存在している時のインダクタンス差の様子を示す。図17(b)に示すように典型的なダイパルス波形とならなかったのは検出コイル171,172が互いに傾いていて金属異物の影響が異なるからである。識別制御部を構成するマイクロコンピュータ4aは番号177で示すインダクタンス差を基準にして変化するインダクタンス差のレベルを監視して金属異物の存在を検知する。その際,完全にではないが,番号178,179の変化の様子,被検体173の移動速度,検出コイル171,172間の距離等から確認することは可能でノイズ等の影響を軽減は出来る。番号175は時間を示す。
【0070】
このような金属異物検出装置に於いて,検出対象となる食品中の金属異物或いは衣服中に残された金属針等は必ずしも球形では無く,またそれが被検体172中に存在する方向も一様では無い。磁束の方向,交流磁束の周波数,金属異物のサイズ及び方向の分布等の間で検出に最適の条件は存在するが,常に維持する事は難しい。それらを確実に検出できるよう検出コイル171,172は互いに傾けて配置した。
【0071】
以上に実施例を用いて本発明の原理動作等を説明した。本実施例において,検出回路には説明を判りやすくするためにディジタル論理回路用の素子をできるだけ用いて実施例の検出回路を構成したが,スイッチング素子をトランジスタ単体,或いはインバータをトランジスタで置き換えるような変更を行っても上記実施例に相当する機能を持たせることは可能である。更に本発明による二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路は実施例で説明した以外の構成でも本発明の趣旨に基づいて具現化は可能である。また,位置検出装置はインダクタンス差検出を利用した近接センサについて説明したが,静電容量差検出を利用する方式にも適用可能である。更に二つの抵抗差を検出する例として精密温度検知器,温度検知式の流量計,風速計等が挙げられる。以上に述べたように本発明の趣旨を変えない範囲で材料,回路素子,構成の変更等が可能なことは当然であって上記の説明が本発明の範囲を限定するわけではない。
【0072】
【発明の効果】
以上,実施例を用いて説明したように本発明の二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路に依れば,二つの抵抗,二つのコイル,二つのコンデンサ間の微小定数差を拡大して識別できる事を示した。それらは位置検出装置,導体の欠陥或いは有無の識別検査装置への適用が特に有効であり,高感度で信頼性有る装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例である二つのコイルの微小差検出回路を示す。
【図2】図1の実施例各所の信号波形を示す。
【図3】原理説明のための回路図を示す。
【図4】本発明の第二の実施例である二つのコイルの微小差検出回路を示す。
【図5】図4の実施例各所の信号波形を示す。
【図6】パルス周期とインダクタンス差の関係を示す。
【図7】第三,四,五の実施例として各種のRL回路を示す。
【図8】本発明の第六の実施例である二つのコンデンサの微小差検出回路を示す。
【図9】本発明の第七の実施例である位置検出装置を示す。
【図10】本発明の第八の実施例である位置検出装置を示す。
【図11】本発明による位置検出装置で初期設定を行う為の機能ブロック図を示す。
【図12】初期設定システムにおける動作フローの概略を示す。
【図13】用語の定義を示す。
【図14】基準ディジタル位置のテーブルを示す。
【図15】図10のマイクロコンピュータ内のプログラムフロー例を示す。
【図16】本発明の第九の実施例である磁気探傷装置の概略構成を示す。
【図17】本発明の第十の実施例である金属異物検出装置を示す。
【符号の説明】
11,12・・コイル, 13,14・・抵抗,
15・・・スイッチング回路, 16・・・矩形波発振回路,
17・・・出力パルス列, 18,19・・電位差検出回路,
1a・・・所定電位差到達出力, 1b・・・カウンタ,
21・・・電位差波形, 22・・・所定の電位差,
23・・・微小間隔パルス列, 24・・・時間,
31,36・・コイル, 32,37・・抵抗,
33・・・スイッチング回路, 34・・・電源,
35,38・・接続点,
41,42・・・ダイオード, 44,45・・ナンド素子,
46・・・フリップフロップ出力, 47,48・・電位差検出回路の出力,
49・・・所定電位差到達出力, 4a・・・マイクロコンピュータ,
4b・・・出力, 4c・・・遅延素子,
4d・・・カウンタ, 4e・・・カウントダウン出力,
52,54・・電位差波形, 53・・・所定の電位差,
71,72,75,76,77,78・・コイル,
73・・・抵抗, 74・・・コンデンサ,
81,82・・コンデンサ, 83,84・・抵抗,
85,86・・スイッチング回路, 87,88・・電位差検出回路,
89・・・矩形波発振回路, 8a・・・出力パルス列,
8b・・・所定電位差到達出力, 8c・・・カウンタ,
91・・・検出コイル, 92・・・参照コイル,
93・・・磁気コア,
111・・・検出回路部, 112・・・不揮発メモリ,
113・・・初期設定制御部, 114・・・アクチュエータ,
115・・・試験基準片, 116・・・移動方向を示す矢印,
161,162・・検出コイル, 163・・・被検体,
164・・・移動方向, 165・・・磁束,
166・・・時間, 167・・・インダクタンス差,
168,169,16a・・インダクタンス差波形,
171,172・・検出コイル, 173・・・被検体,
174・・・移動方向, 175・・・時間,
176・・・インダクタンス差,
177,178,179・・インダクタンス差波形
Claims (11)
- 抵抗にコイル或いはコンデンサを接続した二組のほぼ同一のRLC回路と,スイッチング回路と,電位差検出回路と,識別制御部とより構成され,スイッチング回路は二組のRLC回路が同時に順次通電,非通電となるよう駆動し,電位差検出回路は二組のRLC回路において抵抗とコイル或いはコンデンサとの接続点間における過度応答電位差が所定の値を越える所定電位差到達時点を検出し,識別制御部は通電と非通電の切り替え時点から所定電位差到達時点までの時間を微小間隔パルスを計数することにより抵抗或いはコイル或いはコンデンサの定数差を検知する事を特徴とする二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路
- 請求項1記載の二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路において,二組のRLC回路の通電或いは非通電の区間内の前記所定電位差到達時点から逆の状態である一定時間幅の通電或いは非通電の区間を置く事として抵抗或いはコイル或いはコンデンサの定数差によって周期の変わるパルス列を出力し,識別制御部はパルス列の周期を直接或いはカウントダウンした後に微小間隔パルス計数により抵抗或いはコイル或いはコンデンサの定数差を検知する事を特徴とする二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路
- 請求項1或いは2記載の二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路において,電位差検出回路は前記所定の値を正及び負でそれぞれ異なる電位差として独立に設定できる事を特徴とする二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路
- 請求項1或いは2或いは3記載の二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路において,前記二組のRLC回路はそれぞれ抵抗とコイル或いはコンデンサとが直列に接続されているとし,二つのスイッチング回路はそれぞれ二組のRLC回路に直列に接続されて通電制御する事を特徴とする二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路
- 請求項1或いは2或いは3記載の二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路インダクタンス差検出回路において,二組のRLC回路はそれぞれ抵抗とコイル或いはコンデンサとが直列に接続されているとし,二つのスイッチング回路はそれぞれコイル或いはコンデンサに並列に接続されて通電制御する事を特徴とする二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路
- 請求項1或いは2或いは3記載の二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路において,前記二組のRLC回路はそれぞれコイルと抵抗が並列に接続されているとし,二つのスイッチング回路はそれぞれ二組のRLC回路に直列に接続されて通電制御する事を特徴とする二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路
- 請求項1或いは2或いは3記載の二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路において,二組のRLC回路はそれぞれ抵抗とコイル或いはコンデンサの直列回路が並列に接続され,一つのスイッチング回路が前記二組のRLC回路に接続されて通電制御する事を特徴とする二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路
- 二組の抵抗及びコイルよりなるRLC回路の少なくとも一方のコイルは可動部の位置によりインダクタンスの変わる検出コイルとして請求項1から7記載の何れかの二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路を有し,インダクタンス差から可動体の位置を検出することを特徴とする位置検出装置
- 請求項8記載の位置検出装置に於いて,それぞれの位置検出装置毎に少なくとも2点の予め定められた基準位置に対応して得られるインダクタンス差を基準検出位置とし,基準位置に対応して出力する基準位置情報と基準検出位置のテーブルを不揮発メモリ内に記憶し,可動体の検出位置をインダクタンス差から得る毎に前記不揮発メモリに記憶された基準位置情報と基準検出位置のテーブルを参照して検知された可動体の検出位置を位置情報に変換出力することを特徴とする位置検出装置
- 二組のRLC回路を構成する二つのコイルを含む検出部と,磁性体或いは導体を含む被検体と検出部とを相対的に移動走査せしめる走査手段と,請求項1から7記載の何れかの二組の抵抗或いはコイル或いはコンデンサの微小差検出回路を有し,走査手段は被検体を二つのコイルの発生磁界内に置きながら検出部と相対的に移動走査させ,二つのコイルを相互に参照コイルとしてコイル間のインダクタンス差の変化を検知する事により磁性体或いは導体の欠陥或いは有無を高感度で識別検知することを特徴とする導体の欠陥或いは有無の識別検査装置
- 請求項10記載の導体の欠陥或いは有無の識別検査装置に於いて,検出部を構成する二つのコイルは被検体が相対的に移動走査される方向に沿って配置され,被検体の欠陥或いは有無により現れるダイパルス波形を認識することにより識別精度を向上させたことを特徴とする導体の欠陥或いは有無の識別検査装置
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