JP2004198185A - 車両運動情報検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明では、各車輪の横力を精度良く算出することや、コストの低下に寄与することができる車両運動情報検出装置を提供することを課題とする。
【解決手段】車両運動制御装置Mは、車輪Wの中央部に設けられる横加速度検出装置1と、車体C側に設けられるECU2とを備えている。そして、この横加速度検出装置1には、車輪Wの中心軸に沿った方向に働く横加速度Gを検出する横加速度センサ11と、この横加速度センサ11から出力される検出値を、ECU2に無線で送信する送受信機13とが設けられている。
【選択図】 図2
【解決手段】車両運動制御装置Mは、車輪Wの中央部に設けられる横加速度検出装置1と、車体C側に設けられるECU2とを備えている。そして、この横加速度検出装置1には、車輪Wの中心軸に沿った方向に働く横加速度Gを検出する横加速度センサ11と、この横加速度センサ11から出力される検出値を、ECU2に無線で送信する送受信機13とが設けられている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の運動情報を検出する車両運動検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ABS(Anti-Lock Brake System)や、VSA(Vehicle StabilityAssist)などの車両の運動を制御するための車両運動制御装置がある。このような車両運動制御装置では、種々の制御を適切に行うために、その制御に必要なパラメータとして車両旋回時に車両に加わるその車体の向きに直交する力、すなわちコーナリングフォース(以下、「横力」ともいう。)を計算により求めている。
【0003】
車両運動制御装置による横力の算出方法としては、従来よりいろいろな方法があり、たとえば以下に示すような4つの方法がある。
第1の方法は、車体の向きに直交する方向に働く横加速度を検出する横加速度センサを車体に取り付け、その検出値に基づいて車両の横力を求めている。
第2の方法は、舵角センサで検出する操舵量と、車輪速度センサ等で検出する車体速度とに基づいて車両の横加速度を算出し、この横加速度に基づいて車両の横力を求めている。
【0004】
第3の方法は、車体に取り付けられた横加速度センサ、舵角センサ、ヨーレイトセンサ、車輪速度センサ等からの検出値等に基づいて前輪スリップ角や後輪スリップ角を算出し、所定のマップを用いてこれらのスリップ角から各車輪の横力を特定している(たとえば、特許文献1〜3参照)。
第4の方法は、各車輪の内部にひずみセンサを埋め込み、このひずみセンサからの検出値に基づいて各車輪の横力を算出している。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−85557号公報(第3頁、図2,3)
【特許文献2】
特開2000−85558号公報(第3,5頁、図3,4)
【特許文献3】
特開2000−25599号公報(第4頁、図2,4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した第1,第2の方法では、車両としての横力しか得られないので、各車輪の横力を個別に把握することができず、高度な車両制御を行うことが困難であった。これに対して、第3の方法では、各車輪の横力を得ることはできるが、各センサからの検出値等に基づいて複雑な計算を行って各車輪の横力を推定するため、その精度に限界があった。特に、各タイヤが同じ摩擦係数の路面上に接していない場合(たとえば、左側のタイヤが接する路面と右側のタイヤが接する路面が異なる摩擦係数となる場合)では、計算により推定した各車輪の横力の精度は低下するという問題があった。
【0007】
また、第3の方法では、車両やタイヤの種類毎にそれらに対応する装置やマップの作り直しが不可欠であり、装置として応用性・普遍性に欠けていた。さらに、第3の方法では、ロジックの構造と演算時間の問題から、推定精度と応答性に課題があった。
【0008】
これに対して第4の方法では、各車輪の横力を複雑な計算によらないで得ることはできるが、通信ケーブルを介してセンサ出力値を取り込むため、量産化には不適当であった。また、この第4の方法では、ひずみセンサを埋め込むための専用ホイールを車両やタイヤの種類毎に用意しなければならないので、応用性・普遍性に欠け、コストが高くなっていた。
【0009】
そこで、本発明の課題は、各車輪の横力を精度良く算出することや、コストの低下に寄与することができる車両運動情報検出装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決した本発明のうちの請求項1に記載の発明は、車両の運動情報を検出する車両運動情報検出装置であって、車輪の中心軸に沿った方向に働く加速度を検出する横加速度センサと、この横加速度センサから出力される検出値を、車体側に設けられる制御部に無線で送信する送信機とが、前記車輪の中央部に設けられることを特徴とする。
【0011】
ここで、「車両の運動情報」とは、車輪に作用する横加速度や横力などを含んだ概念である。また、「車両運動情報検出装置」とは、主に前記したABSやVSAなどの車両運動制御装置に運動情報を供給する装置である。なお、車両運動制御装置としては、前記したABSやVSAの他に、ATTS(Active Torque Transfer System)、VGS(Variable Gear ratio Steering)、ACC(Adaptive Cruise Control)、BA(Brake Assist)、EHB(Electronic Hydraulic Brake)などがある。
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、横加速度センサにより車輪の中心軸に沿った方向(車輪の向きに直交する方向)に働く加速度がダイレクトに、かつリアルタイムに検出される。そして、この検出値が送信機により制御部に送信され、この制御部により検出値に基づいて各車輪に作用する横力が算出される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係る車両運動情報検出装置の詳細について説明する。参照する図面において、図1は本発明に係る車両運動情報検出装置を備えた車両運動制御装置を示す斜視図、図2は図1の車両運動情報検出装置を示す分解斜視図、図3は左旋回した車両の各車輪に加わる横加速度を示す平面図である。
【0014】
図1に示すように、車両運動制御装置Mは、4本の車輪Wの中央部にそれぞれ設けられる横加速度検出装置(車両運動情報検出装置)1と、車体C側に設けられるECU(制御部)2とを主に備えている。そして、各横加速度検出装置1とECU2は、無線によってデータが相互に送受信可能となっている。
【0015】
図2に示すように、横加速度検出装置1は、横加速度センサ11、CPU12、送受信機(アンテナも含む)13およびバッテリ14がそれぞれ基板15上の適所に配設されて構成されている。横加速度センサ11は、車輪(ホイール)Wの中心軸に沿った方向に働く加速度、すなわち図3に示すようなタイヤTの向きDに直交する加速度(以下、「横加速度G」という。)を検出するものである。ここで、横加速度センサ11としては、ひずみセンサなどが利用される。また、横加速度センサ11とCPU12の間には、横加速度センサ11から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ(図示せず)が設けられている。
【0016】
CPU12は、主に横加速度センサ11で検出した横加速度Gを、所定の条件で補正することにより、正確な横加速度Gとして算出するものである。送受信機(アンテナも含む)13は、ECU2(図1参照)と無線によりデータのやりとりを行うものであり、CPU12での横加速度Gの補正に必要なデータなどをECU2から受信するとともに、CPU12で算出した横加速度GをECU2に送信する機能を有している。バッテリ14は、基板15上の配線を介して横加速度センサ11、CPU12および送受信機13に電力を供給するものである。
【0017】
また、この横加速度検出装置1は、車輪Wの中央部にある既設の固定用プレート5とカバー6との間に配設されることで、外部からの水や塵埃等の浸入を防止するとともに、走行中における遠心力と上下振動の影響を受けないようになっている。具体的には、固定用プレート5がナットNで車輪Wの中央部に固定され、基板15がクッション材(衝撃を吸収する部材)で形成される固定ボード7を介して固定用プレート5にねじSで固定されることで、横加速度検出装置1が車輪Wに着脱自在に固定されるようになっている。
【0018】
図1に示すように、ECU2は、各横加速度検出装置1から送信されてくる横加速度Gに基づいて、タイヤTと路面との摩擦力や、図3に示すようなタイヤ横力P(車体の向きAに直交する力)を算出するとともに、この摩擦力やタイヤ横力Pに基づいて車両の運動を適宜制御している。また、このECU2は、各横加速度検出装置1のCPU12での補正に必要なデータを各送受信機13に出力している。
【0019】
次に、この車両運動制御装置Mの動作について図3を参照して説明する。
図3に示すように、車両が左に旋回したときに各タイヤTにそれぞれ横加速度Gが働くと、この横加速度Gが横加速度センサ11(図2参照)により直接かつリアルタイムに検出される。この検出値はCPU12に出力され、このCPU12でこの検出値がECU2(図1参照)から出力される補正用データに基づいて適宜補正される。そして、この補正された横加速度Gは、送受信機13を介してECU2に送信され、このECU2はこの横加速度Gに基づいて各タイヤTに加わる摩擦力やタイヤ横力Pを算出するとともに、この摩擦力やタイヤ横力Pに基づいて車両の運動を適宜制御する。
【0020】
以上によれば、本実施形態において、次のような効果を得ることができる。
(1)車輪Wに設けた横加速度センサ11により直接、かつリアルタイムに横加速度Gを検出し、この横加速度Gに基づいて各車輪Wに作用するタイヤ横力Pを算出するので、そのタイヤ横力Pを精度良く算出することができる。そして、このようにタイヤ横力Pを精度良く算出することにより、車両運動制御装置Mの性能が飛躍的に向上することとなる。
(2)横加速度検出装置1を既設の固定用プレート5とカバー6との間に配設するだけでよいので、専用ホイールを作る必要がなくなり、その分コストを低くすることができる。
【0021】
(3)横加速度検出装置1が車輪Wの中央部に配設されているので、この横加速度検出装置1はタイヤ回転に伴う遠心力の影響をほとんど受けることはなく、その脱落が確実に防止される。また、静バランス的にも、動バランス的にも好適な配置となる。
(4)車輪Wに作用する横加速度Gを直接検出することにより、従来のような車体側のセンサを省くことができるので、その分コストを低くすることができる。さらに、このように横加速度Gを直接検出することにより、精度と速応性を飛躍的に高めることができる。
【0022】
(5)各タイヤ横力Pの算出に必要な横加速度Gを求めるために従来のような複雑な計算を行う必要がないので、従来よりもタイヤ横力Pを迅速に求めることができ、より適切な制御を行うことができる。また、従来では車種やタイヤの種類によりそれらの特性を考慮してタイヤ横力Pを算出していたのに対し、本実施形態では車輪Wに加わる横加速度Gを直接検出し、この横加速度Gに基づいてタイヤ横力Pを算出するので、いろいろな種類の車やタイヤに広く適用することができる。
【0023】
(6)横加速度検出装置1が車輪Wに着脱自在に設けられるので、故障した場合などにその交換作業を容易に行うことができる。また、この横加速度検出装置1を既設の固定用プレート5とカバー6との間に配設するだけでよいので、その汎用性が飛躍的に向上する。
(7)横加速度センサ11により直接検出した各車輪Wの横加速度Gに基づいて摩擦力を算出するので、たとえば左側のタイヤTが接する路面と右側のタイヤTが接する路面が異なる摩擦係数となる場合であっても各タイヤTに加わる摩擦力(摩擦係数μ)を正確に求めることができる。これにより、車両運動制御装置Mによる制御を飛躍的に向上させることができる。
【0024】
以上、本発明は、前記実施形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。
本実施形態では、車輪W側に設けたCPU12により横加速度Gを補正しているが、本発明はこれに限定されず、横加速度センサ11で検出した横加速度GをECU2に送信した後、このECU2で横加速度Gの補正を行うようにしてもよい。この場合、本実施形態のようなCPU12や送受信機13の代わりに、横加速度センサ11から出力される検出値をECU2に送信する送信機のみを設ければよいので、その分コストを低くすることができる。また、CPU12によりタイヤ横力Pを算出するようにしてもよい。さらに、本実施形態では、バッテリ14を1つだけ設けているが、本発明はこれに限定されず、複数設けてもよい。
【0025】
本実施形態では、ECU2から横加速度検出装置1に横加速度Gの補正に必要なデータのみを送信することとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、故障診断用、ID識別/登録用、横加速度検出装置1の起動/停止用、バッテリ残量検知用などのコントロール信号をECU2から横加速度検出装置1に送信してもよい。これによれば、たとえば故障診断用信号やID識別/登録用信号を送信しても横加速度検出装置1から所定の信号が返されないとき(または、全く反応がないとき)には、装置の故障や異なる装置が取り付けられていることを知ることができる。また、起動/停止用信号を送信して横加速度検出装置1に設けたスイッチを適宜切り替えることにより、この横加速度検出装置1を必要なときのみに用いることができるので、その分電力を節約することができる。さらに、バッテリ残量検知用信号を送信し、この信号に対応してバッテリ14の残量を示す信号が横加速度検出装置1から返されることにより、バッテリ14の残量を把握することができるので、迅速にその充電や交換を行うことができる。
【0026】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、車輪に設けた横加速度センサによりダイレクトに、かつリアルタイムに車輪の向きに直交する加速度を検出することができる。このため、車輪ごとに、その横力を精度良く算出することが可能になる。また、横加速度センサや送信機を車輪の中央部に設けるだけでよいので、専用ホイールを作る必要がなくなり、その分コストを低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両運動情報検出装置を備えた車両運動制御装置を示す斜視図である。
【図2】図1の車両運動情報検出装置を示す分解斜視図である。
【図3】左旋回した車両の各車輪に加わる横加速度やタイヤ横力を示す平面図である。
【符号の説明】
M 車両運動制御装置
T タイヤ
C 車体
G 横加速度
P タイヤ横力
W 車輪
1 横加速度検出装置(車両運動情報検出装置)
11 横加速度センサ
12 CPU
13 送受信機
14 バッテリ
15 基板
2 ECU(制御部)
5 固定用プレート
6 カバー
7 固定ボード
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の運動情報を検出する車両運動検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ABS(Anti-Lock Brake System)や、VSA(Vehicle StabilityAssist)などの車両の運動を制御するための車両運動制御装置がある。このような車両運動制御装置では、種々の制御を適切に行うために、その制御に必要なパラメータとして車両旋回時に車両に加わるその車体の向きに直交する力、すなわちコーナリングフォース(以下、「横力」ともいう。)を計算により求めている。
【0003】
車両運動制御装置による横力の算出方法としては、従来よりいろいろな方法があり、たとえば以下に示すような4つの方法がある。
第1の方法は、車体の向きに直交する方向に働く横加速度を検出する横加速度センサを車体に取り付け、その検出値に基づいて車両の横力を求めている。
第2の方法は、舵角センサで検出する操舵量と、車輪速度センサ等で検出する車体速度とに基づいて車両の横加速度を算出し、この横加速度に基づいて車両の横力を求めている。
【0004】
第3の方法は、車体に取り付けられた横加速度センサ、舵角センサ、ヨーレイトセンサ、車輪速度センサ等からの検出値等に基づいて前輪スリップ角や後輪スリップ角を算出し、所定のマップを用いてこれらのスリップ角から各車輪の横力を特定している(たとえば、特許文献1〜3参照)。
第4の方法は、各車輪の内部にひずみセンサを埋め込み、このひずみセンサからの検出値に基づいて各車輪の横力を算出している。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−85557号公報(第3頁、図2,3)
【特許文献2】
特開2000−85558号公報(第3,5頁、図3,4)
【特許文献3】
特開2000−25599号公報(第4頁、図2,4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した第1,第2の方法では、車両としての横力しか得られないので、各車輪の横力を個別に把握することができず、高度な車両制御を行うことが困難であった。これに対して、第3の方法では、各車輪の横力を得ることはできるが、各センサからの検出値等に基づいて複雑な計算を行って各車輪の横力を推定するため、その精度に限界があった。特に、各タイヤが同じ摩擦係数の路面上に接していない場合(たとえば、左側のタイヤが接する路面と右側のタイヤが接する路面が異なる摩擦係数となる場合)では、計算により推定した各車輪の横力の精度は低下するという問題があった。
【0007】
また、第3の方法では、車両やタイヤの種類毎にそれらに対応する装置やマップの作り直しが不可欠であり、装置として応用性・普遍性に欠けていた。さらに、第3の方法では、ロジックの構造と演算時間の問題から、推定精度と応答性に課題があった。
【0008】
これに対して第4の方法では、各車輪の横力を複雑な計算によらないで得ることはできるが、通信ケーブルを介してセンサ出力値を取り込むため、量産化には不適当であった。また、この第4の方法では、ひずみセンサを埋め込むための専用ホイールを車両やタイヤの種類毎に用意しなければならないので、応用性・普遍性に欠け、コストが高くなっていた。
【0009】
そこで、本発明の課題は、各車輪の横力を精度良く算出することや、コストの低下に寄与することができる車両運動情報検出装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決した本発明のうちの請求項1に記載の発明は、車両の運動情報を検出する車両運動情報検出装置であって、車輪の中心軸に沿った方向に働く加速度を検出する横加速度センサと、この横加速度センサから出力される検出値を、車体側に設けられる制御部に無線で送信する送信機とが、前記車輪の中央部に設けられることを特徴とする。
【0011】
ここで、「車両の運動情報」とは、車輪に作用する横加速度や横力などを含んだ概念である。また、「車両運動情報検出装置」とは、主に前記したABSやVSAなどの車両運動制御装置に運動情報を供給する装置である。なお、車両運動制御装置としては、前記したABSやVSAの他に、ATTS(Active Torque Transfer System)、VGS(Variable Gear ratio Steering)、ACC(Adaptive Cruise Control)、BA(Brake Assist)、EHB(Electronic Hydraulic Brake)などがある。
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、横加速度センサにより車輪の中心軸に沿った方向(車輪の向きに直交する方向)に働く加速度がダイレクトに、かつリアルタイムに検出される。そして、この検出値が送信機により制御部に送信され、この制御部により検出値に基づいて各車輪に作用する横力が算出される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係る車両運動情報検出装置の詳細について説明する。参照する図面において、図1は本発明に係る車両運動情報検出装置を備えた車両運動制御装置を示す斜視図、図2は図1の車両運動情報検出装置を示す分解斜視図、図3は左旋回した車両の各車輪に加わる横加速度を示す平面図である。
【0014】
図1に示すように、車両運動制御装置Mは、4本の車輪Wの中央部にそれぞれ設けられる横加速度検出装置(車両運動情報検出装置)1と、車体C側に設けられるECU(制御部)2とを主に備えている。そして、各横加速度検出装置1とECU2は、無線によってデータが相互に送受信可能となっている。
【0015】
図2に示すように、横加速度検出装置1は、横加速度センサ11、CPU12、送受信機(アンテナも含む)13およびバッテリ14がそれぞれ基板15上の適所に配設されて構成されている。横加速度センサ11は、車輪(ホイール)Wの中心軸に沿った方向に働く加速度、すなわち図3に示すようなタイヤTの向きDに直交する加速度(以下、「横加速度G」という。)を検出するものである。ここで、横加速度センサ11としては、ひずみセンサなどが利用される。また、横加速度センサ11とCPU12の間には、横加速度センサ11から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ(図示せず)が設けられている。
【0016】
CPU12は、主に横加速度センサ11で検出した横加速度Gを、所定の条件で補正することにより、正確な横加速度Gとして算出するものである。送受信機(アンテナも含む)13は、ECU2(図1参照)と無線によりデータのやりとりを行うものであり、CPU12での横加速度Gの補正に必要なデータなどをECU2から受信するとともに、CPU12で算出した横加速度GをECU2に送信する機能を有している。バッテリ14は、基板15上の配線を介して横加速度センサ11、CPU12および送受信機13に電力を供給するものである。
【0017】
また、この横加速度検出装置1は、車輪Wの中央部にある既設の固定用プレート5とカバー6との間に配設されることで、外部からの水や塵埃等の浸入を防止するとともに、走行中における遠心力と上下振動の影響を受けないようになっている。具体的には、固定用プレート5がナットNで車輪Wの中央部に固定され、基板15がクッション材(衝撃を吸収する部材)で形成される固定ボード7を介して固定用プレート5にねじSで固定されることで、横加速度検出装置1が車輪Wに着脱自在に固定されるようになっている。
【0018】
図1に示すように、ECU2は、各横加速度検出装置1から送信されてくる横加速度Gに基づいて、タイヤTと路面との摩擦力や、図3に示すようなタイヤ横力P(車体の向きAに直交する力)を算出するとともに、この摩擦力やタイヤ横力Pに基づいて車両の運動を適宜制御している。また、このECU2は、各横加速度検出装置1のCPU12での補正に必要なデータを各送受信機13に出力している。
【0019】
次に、この車両運動制御装置Mの動作について図3を参照して説明する。
図3に示すように、車両が左に旋回したときに各タイヤTにそれぞれ横加速度Gが働くと、この横加速度Gが横加速度センサ11(図2参照)により直接かつリアルタイムに検出される。この検出値はCPU12に出力され、このCPU12でこの検出値がECU2(図1参照)から出力される補正用データに基づいて適宜補正される。そして、この補正された横加速度Gは、送受信機13を介してECU2に送信され、このECU2はこの横加速度Gに基づいて各タイヤTに加わる摩擦力やタイヤ横力Pを算出するとともに、この摩擦力やタイヤ横力Pに基づいて車両の運動を適宜制御する。
【0020】
以上によれば、本実施形態において、次のような効果を得ることができる。
(1)車輪Wに設けた横加速度センサ11により直接、かつリアルタイムに横加速度Gを検出し、この横加速度Gに基づいて各車輪Wに作用するタイヤ横力Pを算出するので、そのタイヤ横力Pを精度良く算出することができる。そして、このようにタイヤ横力Pを精度良く算出することにより、車両運動制御装置Mの性能が飛躍的に向上することとなる。
(2)横加速度検出装置1を既設の固定用プレート5とカバー6との間に配設するだけでよいので、専用ホイールを作る必要がなくなり、その分コストを低くすることができる。
【0021】
(3)横加速度検出装置1が車輪Wの中央部に配設されているので、この横加速度検出装置1はタイヤ回転に伴う遠心力の影響をほとんど受けることはなく、その脱落が確実に防止される。また、静バランス的にも、動バランス的にも好適な配置となる。
(4)車輪Wに作用する横加速度Gを直接検出することにより、従来のような車体側のセンサを省くことができるので、その分コストを低くすることができる。さらに、このように横加速度Gを直接検出することにより、精度と速応性を飛躍的に高めることができる。
【0022】
(5)各タイヤ横力Pの算出に必要な横加速度Gを求めるために従来のような複雑な計算を行う必要がないので、従来よりもタイヤ横力Pを迅速に求めることができ、より適切な制御を行うことができる。また、従来では車種やタイヤの種類によりそれらの特性を考慮してタイヤ横力Pを算出していたのに対し、本実施形態では車輪Wに加わる横加速度Gを直接検出し、この横加速度Gに基づいてタイヤ横力Pを算出するので、いろいろな種類の車やタイヤに広く適用することができる。
【0023】
(6)横加速度検出装置1が車輪Wに着脱自在に設けられるので、故障した場合などにその交換作業を容易に行うことができる。また、この横加速度検出装置1を既設の固定用プレート5とカバー6との間に配設するだけでよいので、その汎用性が飛躍的に向上する。
(7)横加速度センサ11により直接検出した各車輪Wの横加速度Gに基づいて摩擦力を算出するので、たとえば左側のタイヤTが接する路面と右側のタイヤTが接する路面が異なる摩擦係数となる場合であっても各タイヤTに加わる摩擦力(摩擦係数μ)を正確に求めることができる。これにより、車両運動制御装置Mによる制御を飛躍的に向上させることができる。
【0024】
以上、本発明は、前記実施形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。
本実施形態では、車輪W側に設けたCPU12により横加速度Gを補正しているが、本発明はこれに限定されず、横加速度センサ11で検出した横加速度GをECU2に送信した後、このECU2で横加速度Gの補正を行うようにしてもよい。この場合、本実施形態のようなCPU12や送受信機13の代わりに、横加速度センサ11から出力される検出値をECU2に送信する送信機のみを設ければよいので、その分コストを低くすることができる。また、CPU12によりタイヤ横力Pを算出するようにしてもよい。さらに、本実施形態では、バッテリ14を1つだけ設けているが、本発明はこれに限定されず、複数設けてもよい。
【0025】
本実施形態では、ECU2から横加速度検出装置1に横加速度Gの補正に必要なデータのみを送信することとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、故障診断用、ID識別/登録用、横加速度検出装置1の起動/停止用、バッテリ残量検知用などのコントロール信号をECU2から横加速度検出装置1に送信してもよい。これによれば、たとえば故障診断用信号やID識別/登録用信号を送信しても横加速度検出装置1から所定の信号が返されないとき(または、全く反応がないとき)には、装置の故障や異なる装置が取り付けられていることを知ることができる。また、起動/停止用信号を送信して横加速度検出装置1に設けたスイッチを適宜切り替えることにより、この横加速度検出装置1を必要なときのみに用いることができるので、その分電力を節約することができる。さらに、バッテリ残量検知用信号を送信し、この信号に対応してバッテリ14の残量を示す信号が横加速度検出装置1から返されることにより、バッテリ14の残量を把握することができるので、迅速にその充電や交換を行うことができる。
【0026】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、車輪に設けた横加速度センサによりダイレクトに、かつリアルタイムに車輪の向きに直交する加速度を検出することができる。このため、車輪ごとに、その横力を精度良く算出することが可能になる。また、横加速度センサや送信機を車輪の中央部に設けるだけでよいので、専用ホイールを作る必要がなくなり、その分コストを低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両運動情報検出装置を備えた車両運動制御装置を示す斜視図である。
【図2】図1の車両運動情報検出装置を示す分解斜視図である。
【図3】左旋回した車両の各車輪に加わる横加速度やタイヤ横力を示す平面図である。
【符号の説明】
M 車両運動制御装置
T タイヤ
C 車体
G 横加速度
P タイヤ横力
W 車輪
1 横加速度検出装置(車両運動情報検出装置)
11 横加速度センサ
12 CPU
13 送受信機
14 バッテリ
15 基板
2 ECU(制御部)
5 固定用プレート
6 カバー
7 固定ボード
Claims (1)
- 車両の運動情報を検出する車両運動情報検出装置であって、
車輪の中心軸に沿った方向に働く加速度を検出する横加速度センサと、
この横加速度センサから出力される検出値を、車体側に設けられる制御部に無線で送信する送信機とが、
前記車輪の中央部に設けられることを特徴とする車両運動情報検出装置。
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