JP2004197881A - 継手の雄部構造、雌部構造、管継手および流体装置 - Google Patents

継手の雄部構造、雌部構造、管継手および流体装置 Download PDF

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Shinichi Fukuda
慎一 福田
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Abstract

【課題】少ない曲げスペースで機能部品からの管路の延設方向を変えることができ、接続施工が容易で、部品点数が少なく低コストで製造可能な継手の構造等を提供する。
【解決手段】雄部12と雌部60の少なくとも一方は樹脂など弾性変形可能な部材で構成される。雄部の先端側にある接続筒21は、雌部の入口61の奥に設けられた円柱状のシール穴63に圧入され、シール性が確保される。雄部を接続完了位置まで雌部へ押し込むと、雄部の根元にあって接続筒部より大径で環状を成した係合部22が、雌部の入口近傍内周壁に形成され、入口より大径で環状の係止溝62に係合する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、雄部と雌部によって管路を接続する継手の構造等にかかわり、特に樹脂など弾性変形可能な材質で構成されたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造装置、医療機器、科学機器、純水や食品の製造装置、塗装装置などの装置には、高純度の流体や薬液など各種の流体を流すための樹脂チューブ等の管路を装置内部に施設したものがある。管路の途中には、バルブやフィルタなどの機能部品が介挿される場合が多く、これらの機能部品には、管路を接続するための接続継手が設けてある。樹脂チューブ等の管路は、機能部品の備える接続継手に直接、あるいはI型継手やエルボ継手を介して接続される。
【0003】
また、ねじの締め付け作業などを無くし、ワンタッチで管路の接続を可能にしたワンタッチ継手もある(たとえば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−144970号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
バルブなどの機能部品と樹脂チューブとの接続箇所のすぐ近傍で、樹脂チューブの延設方向を、機能部品の接続口が臨む方向と異なる方向へ変えたい事が多々ある。このような場合に、I型継手を介して機能部品に樹脂チューブを接続したり、樹脂チューブを直接、機能部品に接続したりすると、樹脂チューブを緩やかに湾曲させて管路の延設方向を変えなければならない。このため、大きな曲げスペースが必要になって装置が大型化したり、配管長が長くなって資源の使用量や装置の運転コストが無駄に増えたりする等の問題が生じていた。
【0006】
一方、図5に示すように、屈曲したエルボ継手510を介して樹脂チューブ520をバルブ530に接続すれば、上記の場合に比べて、管路の延設方向を変えるために要する配管長や曲げスペースが減少する。しかし、この場合においても、バルブ本体から外側に突き出ている接続継手531にさらにエルボ継手510を接続しているので、接続継手531の突出量L1とエルボ継手510による突出量L2の合計に相当する曲げスペースが必要になり、充分な省スペース化を図ることが難しかった。
なお、テーパねじ付きバルブには、テーパねじ付き継手を接続することができ、この場合には、接続テーパねじ部が埋め込まれているので、図5に示すものより、省スペースになる。しかし、硬度の低いフッ素樹脂で構成した場合には、シール性が低く漏れが発生しやすい。また施工後の位置が決めにくく、位置合わせに熟練を要する。これらの問題から市場(特に半導体製造装置の市場)では、ほとんど使われていない。
【0007】
一方、押出成型など加工法上の制限から、バルブ等の機能部品とエルボ継手とを一体的に成型することはできないので、バルブ等の前後で管路の延設方向を少ない曲げスペースで変えるためには、何らかの継手を介して樹脂チューブを接続することは避けられない。したがって、ワンタッチ接続を可能にするなど、接続施工の手間を軽減することも重要である。またワンタッチ接続の可能な継手構造を、部品点数が少なくかつ低コストに実現することが望ましい。
【0008】
さらに高純度流体(例:超純粋)や腐食性流体(例:高温の混酸)などが取り扱う主な流体になる半導体産業では、流体機器の材質として金属やゴムを使用できず、使用可能な材質がフッ素樹脂のみであり、かかる制限下では、上記した課題の解決が困難であった。
【0009】
本発明は、このような点に着目してなされたもので、少ない曲げスペースで機能部品からの管路の延設方向を変えることができ、接続施工が容易で、部品点数が少なく低コストで製造可能な継手の構造等を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]少なくとも一方が弾性変形可能な雄部(12)と雌部(60)によって管路を接続する継手の雄部構造において、
雄部(12)の先端側を成し、前記雌部(60)の入口(61)の奥に設けられた柱状穴部(63)に圧入される接続筒部(21)と、
前記接続筒部(21)より当該雄部(12)の根元側にあって前記接続筒部(21)より径方向外側に突出した係合部(22)とを有し、
前記接続筒部(21)は、前記柱状穴部(63)へ圧入したとき、周囲から押圧されて、その外周壁を一周する接触面で前記柱状穴部(63)の内周壁と密着し、
前記係合部(22)は、雄部(12)と雌部(60)の接続完了位置まで前記接続筒部(21)を前記柱状穴部(63)に圧入したとき、前記雌部(60)の入口(61)から前記柱状穴部(63)へ至る途中の内周壁に形成された係止溝(65)に係合する
ことを特徴とする継手の雄部構造。
【0011】
[2]前記柱状穴部(63)は、円柱形状を成し、
前記接続筒部(21)は、円筒形状を成し、
前記係合部(22)は、雄部(12)の根元側の外周を一周する環状を成し、
前記係止溝(65)は、内周壁を一周する環状を成している
ことを特徴とする[1]に記載の継手の雄部構造。
【0012】
[3]前記接続筒部(21)は、その外周を一周する環状の凸部(23)を複数有する
ことを特徴とする[1]または[2]に記載の継手の雄部構造。
【0013】
[4][1]、[2]または[3]に記載の継手の雄部構造に対応する前記柱状穴部(63)と前記係止溝(65)を有する
ことを特徴とする継手の雌部構造。
【0014】
[5]管路の一端に、[1]、[2]または[3]に記載の継手の雄部構造を有する雄部(12)を備え、
前記管路の他端に、外部の管を接続するための接続部を備えた
ことを特徴とする管継手(10)。
【0015】
[6]前記管路が屈曲したエルボ継手(10)である
ことを特徴とする[5]に記載の管継手(10)。
【0016】
[7]管路を内蔵した流体装置(50)であって、
本体周面に、[4]に記載の継手の雌部構造を有する雌部を埋設した
ことを特徴とする流体装置(50)。
【0017】
次に、前記各項に記載された発明の作用について説明する。
雄部(12)と雌部(60)の少なくとも一方は、樹脂など弾性変形可能な部材で構成される。雄部(12)は、雌部(60)の入口(61)の奥に設けられた柱状穴部(63)に圧入される接続筒部(21)と、この接続筒部(21)より当該雄部(12)の根元側にあって接続筒部(21)より径方向外側に突出した係合部(22)を有している。雌部(60)は、雄部(12)を受け入れる入口(61)の奥に設けられた柱状穴部(63)と、入口(61)から柱状穴部(63)へ至る途中の内周壁に形成された係止溝(65)とを有する。
【0018】
雄部(12)の接続筒部(21)を雌部(60)の柱状穴部(63)へ圧入すると、接続筒部(21)の外周壁を柱状穴部(63)の内周壁が周囲から押圧し、接続筒部(21)の外周壁を一周する接触面で密着してシールされる。また雄部(12)と雌部(60)の接続完了位置まで接続筒部(21)を柱状穴部(63)に圧入すると、雄部(12)の根元に設けられた係合部(22)が雌部(60)の入口(61)近傍の内周壁に設けられた係止溝(65)に嵌り込み、雄部(12)の抜け落ちが防止される。
【0019】
なお、係合部(22)は先端側が先細りするようにテーパがつけてあり、その突出量は、接続筒部(21)側から根元側へ向けて次第に増加し、頂上を越えた後、一気に減少するようになっている。係合部(22)の頂上付近は雌部(60)の入口(61)より大きな径であるが、挿入時には、雌部(60)と雄部(12)のいずれか一方または双方が弾性変形することで雌部(60)の入口(61)を通過して係止溝(65)に嵌り込むようになっている。
【0020】
このように、雌部(60)に雄部(12)を圧入するだけで接続が完了するので、接続施工が容易になる。また従来のものと異なり、接続部の外周に雄螺子を形成したり袋ナットを嵌め込む必要がないので、構造が簡単になって低価格かつ製造容易になる。さらにテーパねじや袋ナットを設けるためのスペースおよびこれらを締結操作するためのスペースが不要で、小型化・省スペース化が促進される。
【0021】
また、接続筒部(21)や柱状穴部(63)が先細りせず、ほぼ直柱形状になっているので、柱状穴部(63)の内周壁が接続筒部(21)の外周壁を周囲から押圧する力は径方向の成分だけで、軸方向の成分を持たない。このため、圧入完了後は、シール性を維持するために軸方向に雄部(12)を雌部(60)に押しつける力が不要になる。したがって、係合部(22)と係止溝(65)は、シール性の維持に関係なく、管路を誤って引っ張るなど予期せぬ引き抜き力が加わった場合に雄部(12)が抜け落ちるのを防止する役割を果たせばよく、簡単な構造のものを採用することが可能になっている。
【0022】
雄部(12)および雌部(60)の材質としては、たとえば、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等)やPTFE(ポリ・テトラ・フロロ・エチレン)等のフッ素樹脂を用いる。
【0023】
雌部(60)の柱状穴部(63)を円柱形状とし、これに対応させて雄部(12)の接続筒部(21)を円筒形状にする。さらに係合部(22)を雄部(12)の根元側の外周を一周する環状に形成し、これに対応させて雌部(60)の内周壁を一周する環状に係止溝(65)を形成したものでは、雄部(12)と雌部(60)の軸方向を合わせれば径方向の相対位置はどの向きであってもかまわないので、接続作業がさらに容易になる。また上記構造により、雌部(60)と雄部(12)を接続した後、これらを相対的に回転させることができる。これにより、たとえば、上記雌部(60)を有する機能部品と雄部(12)を有するエルボ継手(10)とを接続すれば、雄部(12)と雌部(60)の接続箇所でエルボ継手(10)を回すことにより、エルボ継手(10)の他端に接続された配管の延設方向を任意に設定することが可能になる。
【0024】
雄部(12)の接続筒部(21)の外周壁に、これを一周する環状の凸部(23)を複数形成したものでは、雄部(12)の接続筒部(21)を雌部(60)の柱状穴部(63)に圧入した際に、柱状穴部(63)が周囲から接続筒部(21)を径方向内側へ押す圧力が凸部(23)の頭部に集中してシール性が高まる。また凸部(23)を複数設けることで、何重にもシールされ、より高いシール性が確保される。なお、凸部(23)の頭部を山形にすれば、頭部が平らな場合に比べて、雌部(60)の内周壁と凸部(23)とが波状に無理なく密着するとともに圧力が凸部(23)の頂にさらに集中して高いシール性を得ることができる。
【0025】
管路を内蔵した流体装置(50)(たとえば、バルブ、フィルタなどの機能部品)の本体周面に上記雌部(60)の構造を埋め込むように構成したものでは、接続継手の部分が流体装置(50)の本体から突出せず、しかも雄部(12)のほぼ全体が雌部(60)に嵌まり込むので、雄部(12)を備えたエルボ継手(10)等を流体装置(50)本体に接続したときの流体装置(50)本体からの突出量が減り、機能部品に接続された配管の延設方向を少ない曲げスペース(従来に比べて大幅に減少したスペース)で変えることが可能になる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。各図は本発明の一実施の形態を示している。本実施の形態では、本発明にかかわる継手の雄部構造を備えた雄部を含むエルボ継手と、本発明にかかわる継手の雌部構造を備えた雌部を有する機能部品の1つであるバルブを例に説明する。この継手は、スイベル継手になっている。
【0027】
図2は、上記したエルボ継手10の側面および正面を示している。図3は、上記したバルブ50の本体側面(雌部の入口が開口している面)を示している。図1は、図2に示したエルボ継手10のA−A断面と、図3に示したバルブ50におけるB−B断面における要部を示している。
【0028】
バルブ50の本体には、継手の雌部60が埋め込むように形成されており、本体側面に雌部60の入口61が円形に開口している。雌部60は、入口61から奥に続く円柱状の空洞を有している。この空洞は、入口61の近傍の大径部62と、大径部62の奥にあって、入口61より径の小さな略直円柱形状を成した柱状穴部としてのシール穴63とからなる。バルブ50の内蔵する管路64はシール穴63の奥壁に開口している。大径部62には、入口61からやや奥に入ったところで大径部62の内周壁を一周して窪んだ環状の係止溝65が設けてある。シール穴63の内面は高精度に仕上げてあり、たとえば、仕上げ記号で三角3つ程度に仕上げてある。
【0029】
エルボ継手10は、直方体もしくは角部がR状になった直方体を成した継手本体11を有し、その一側面に略円筒状の雄部12が突出するように形成されている。また継手本体11には、雄部12の設けられた側面と直交する一側面から突出するように略円筒状のチューブ接続部13が形成されている。筒状を成す雄部12の内側管路と同じく筒状を成すチューブ接続部13の内側管路は、継手本体11の内部に形成された接続管路14を介して連通している。接続管路14は、継手本体11の内部で90度に屈曲している。
【0030】
チューブ接続部13には、その外周面に雄螺子が形成してあり、これに対応するナット15が嵌め込まれる。チューブ接続部13の外径に見合った内径を有する樹脂チューブをナット15の穴に通してから、その樹脂チューブの先端をチューブ接続部13の外側に嵌め込み、さらにナット15を締め込むことで、樹脂チューブをエルボ継手10のチューブ接続部13につないで固着し得るようになっている。なお、チューブ接続部の形状は、上記に限定されず、樹脂チューブ等を接続可能な構造であれば、どのようなものであってもよい。
【0031】
雄部12および雌部60は、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等)やPTFE(ポリ・テトラ・フロロ・エチレン)等のフッ素樹脂で形成されている。これにより雄部12および雌部60はある程度、弾性変形可能になっている。
【0032】
エルボ継手10の雄部12は、雌部60の入口61の奥に設けられたシール穴63に圧入される略円筒形状の接続筒部21であって雄部12の先端部を成すものと、これよりも雄部12の根元側にあって接続筒部21より径方向外側に突出した係合部22とを有している。係合部22は、雄部12の根元の外周を一周する環状を成し、根元側から先端側に向けて先細りするようにテーパをつけてある。雄部12の係合部22と接続筒部21との軸方向における相対的位置関係と、雌部60の係止溝65とシール穴63との軸方向における相対的位置関係とは一致している。また雌部60の入口から係止溝60までの距離と、雄部12が形成されているエルボ継手10の側面から係合部22までの距離とを一致させてある。
【0033】
接続筒部21は、その外周を一周するように環状の凸形状を成したリップシール部23を複数有している。リップシール部23は断面山形を成し、接続筒部21の軸方向に複数併設されている。接続筒部21の全長は雌部60の有するシール穴63の全長より僅かに短く設定されている。またリップシール部23を含めた接続筒部21の外径は、雌部60のシール穴63の内径より僅かに大きくなっている。そして接続筒部21をシール穴63へ圧入したとき、接続筒部21のリップシール部23がシール穴63の内周壁によって周囲から押圧され、シール穴63の内周壁とリップシール部23とがリップシール部23を一周する接触面で密着してシール性を確保するようになっている。
【0034】
係合部22の外径は入口61の内径より僅かに大きくなっている。また係合部22は雌部60の大径部62に嵌り込むことが可能な形状(外径および幅)に設定されている。係合部22と入口61との径の差は、雄部12と雌部60のいずれか一方または双方が弾性変形することで係合部22が入口61を通過でき、しかも、一度嵌り込むと係合部22が係止溝65に充分引っ掛かって容易に抜けない大きさに設定してある。
【0035】
次に作用を説明する。
図4は、エルボ継手10の雄部12をバルブ50の雌部60に接続した状態の断面を示している。雄部12を雌部60へ押し込むと、主として雄部12の弾性変形によって、雄部12の接続筒部21が僅かに縮径して雌部60のシール穴63へ圧入される。また雄部12の係合部22が雌部60の入口61を通過するときには、弾性変形によって主として雄部12の係合部22が縮径して係合部22が入口61を通過し、さらに接続完了位置まで押し込むと、係合部22が雌部60の係止溝65に嵌り込む。これだけの作業で雄部12と雌部60の接続が完了する。このようにワンタッチで接続できるので、施工ムラが生じにくく、安定した接続状態を確保することができる。
【0036】
また図5に示すような従来品と異なり、接続部の外周に雄螺子を設けたり袋ナットが必要ないので、構造が簡単になって低価格かつ製造容易になる。さらに接続部の外周にテーパねじや袋ナットを設けたりこれらを締結操作したりするためのスペースが不要なので、小型化・省スペース化が促進される。
【0037】
図4に示すものでは、バルブ50に埋設した雌部60にエルボ継手10の雄部12がすべて挿入されるので、バルブ50の本体側面から外側への無駄な突出量が生じない。したがってバルブ50の本体側面とエルボ継手10のナット15との間の距離Dは、ナット15に樹脂チューブを取り付ける際の作業に必要な最小距離まで減らすことができる。たとえば、図4に示す状態に対してエルボ継手10を180度回転させれば、ナット15はバルブ50の本体側面に相対しない空間に位置するので、この状態でナット15を締め込み、その後、図4に示す状態に戻せば、距離Dを実質的にゼロにすることができる。
【0038】
配管の延設方向を90度曲げるために必要な配管スペースは、I型一体化バルブ等を使用する場合に比べて3分の1以下に、L型継手接続バルブ等を使用する場合に比べて2分の1以下になった。また継手を接続するための施工時間は、上記L型では数分間を要していたが、本実施の形態で示した雄部12と雌部60では、10秒以下に短縮された。
【0039】
雄部12と雌部60とを接続した際のシール性は、接続筒部21をシール穴63に圧入していることと、接続筒部21の外周にリップシール部23を複数設けたことによって充分に確保される。すなわち、雄部12の接続筒部21を雌部60のシール穴63に圧入すると、接続筒部21の有するリップシール部23をシール穴63の内周壁が周囲から押圧し、リップシール部23を一周する接触面でリップシール部23とシール穴63の内周壁が密着し、シール性が確保される。特に接続筒部21の外周にリップシール部23を設けたことで、シール穴63の内周壁からの圧力がリップシール部23の頭部に集中し、高いシール性を得ることができる。さらにリップシール部23の頭部が山形になっているので、シール穴63の内周壁とリップシール部23とが波状に無理なく密着してより高いシール性が確保される。
【0040】
またシール穴63および接続筒部21が先細りせず、ほぼ直柱形状なので、シール穴63の内周壁が接続筒部21を周囲から押圧する力は、径方向内側に向かう成分だけになり、軸方向の成分はほとんど無い。このため、圧入完了後は、シール性を維持するために軸方向に雄部12を雌部60に向けて押しつけておく力が不要になる。したがって、係合部22および係止溝65は、シール性の維持に関係なく、予期せぬ引き抜き力が加わった際の抜け落ちを防止する機能を果たせばよく、実施の形態で示すような簡単な構造のものを採用することが可能になっている。
【0041】
なお、シールするために軸方向に力が必要な構造(例:ねじ込みでシール力を得る構造)では、材質をフッ素樹脂にすると、やわらかい性質を有することから、施工によってシール力にばらつきが生じたり、応力緩和によって締め付けを定期的に調整する必要がある。本実施の形態にかかわる構造では、圧入施工のみで接続が完了し、調整要素がまったく無いので、施工技術がゼロでも均一なシール結果を得ることができる。
【0042】
さらに、雄部12および雌部60が断面円形を成しているので、雄部12と雌部60の軸方向を合わせれば径方向の向きを問わずに接続でき、接続作業が容易になる。また雄部12と雌部60を接続した後に、これらを相対的に回転させることができるので、エルボ継手10のチューブ接続部13側を任意の向きに設定して、樹脂チューブの延設方向を自由に変えることができる。なお、雄部12と雌部60との相対的な回転機能は、施工時に樹脂チューブの延設方向を位置決めする際に利用される程度であり、「回転継手」相当の耐久性は不要で、スイベル継手としての機能を果たせば充分である。
【0043】
以上、本発明の実施形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、実施の形態ではL型のエルボ継手10を例に説明したが、雄部12を採用したI型継手等であってもよい。また雌部60を埋め込む機能部品(流体装置)は、バルブに限らず、タンクやフィルタなど各種のものに応用可能である。これらにおいても、施工ムラの低減、施工時間の短縮効果を充分に得ることができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明に係る継手の雄部構造、雌部構造、継手および流体装置によれば、雌部に雄部を圧入するだけで接続が完了するので、施工ムラが生じなくなり、施工時間が短縮される。また、雄部と雌部の接続に螺子やナットを要しないので、構造が簡単になって低価格かつ製造容易になるとともに、ナットを締め付ける等の作業スペースが不要になり、小型化・省スペース化が促進される。
【0045】
雌部の柱状穴部を円柱形状とし、これに対応させて雄部の接続筒部を円筒形状にするとともに、係合部を雄部の根元側の外周を一周する環状に形成し、これに対応させて雌部の内周壁を一周する環状に係止溝を形成したものでは、雄部と雌部の軸方向を合わせれば径方向はどの向きであっても接続でき、接続作業がさらに容易になる。また雌部に雄部を挿入した後、これらが相対的に回転可能なので、配管の延設方向を任意に設定することが可能になる。
【0046】
本発明にかかわる雌部構造を流体装置の本体側面に埋設したものでは、接続完了時に、本体側面に埋設した雌部に雄部のすべてが挿入されるので、本体側面から外側への無駄な突出量が生じなくなり、省スペース化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るエルボ継手とバルブの要部断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る継手の雄部構造を備えたエルボ継手の正面および側面を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る継手の雌部構造を備えたバルブの本体要部を示す側面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係るエルボ継手の雄部とバルブの雌部との接続完了状態を示す要部断面図である。
【図5】従来から使用されているバルブとエルボ継手との接続完了状態を示す側面図である。
【符号の説明】
10…エルボ継手
11…継手本体
12…雄部
13…チューブ接続部
14…接続管路
15…ナット
21…接続筒部
22…係合部
23…リップシール部
50…バルブ
60…雌部
61…入口
62…大径部
63…シール穴
64…管路
65…係止溝

Claims (7)

  1. 少なくとも一方が弾性変形可能な雄部と雌部によって管路を接続する継手の雄部構造において、
    雄部の先端側を成し、前記雌部の入口の奥に設けられた柱状穴部に圧入される接続筒部と、
    前記接続筒部より当該雄部の根元側にあって前記接続筒部より径方向外側に突出した係合部とを有し、
    前記接続筒部は、前記柱状穴部へ圧入したとき、周囲から押圧されて、その外周壁を一周する接触面で前記柱状穴部の内周壁と密着し、
    前記係合部は、雄部と雌部の接続完了位置まで前記接続筒部を前記柱状穴部に圧入したとき、前記雌部の入口から前記柱状穴部へ至る途中の内周壁に形成された係止溝に係合する
    ことを特徴とする継手の雄部構造。
  2. 前記柱状穴部は、円柱形状を成し、
    前記接続筒部は、円筒形状を成し、
    前記係合部は、雄部の根元側の外周を一周する環状を成し、
    前記係止溝は、内周壁を一周する環状を成している
    ことを特徴とする請求項1に記載の継手の雄部構造。
  3. 前記接続筒部は、その外周を一周する環状の凸部を複数有する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の継手の雄部構造。
  4. 請求項1、2または3に記載の継手の雄部構造に対応する前記柱状穴部と前記係止溝を有する
    ことを特徴とする継手の雌部構造。
  5. 前記管路の一端に、請求項1、2または3に記載の継手の雄部構造を有する雄部を備え、
    前記管路の他端に、外部の管を接続するための接続部を備えた
    ことを特徴とする管継手。
  6. 前記管路が屈曲したエルボ継手である
    ことを特徴とする請求項5に記載の管継手。
  7. 管路を内蔵した流体装置であって、
    本体周面に、請求項4に記載の継手の雌部構造を有する雌部を埋設した
    ことを特徴とする流体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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